【2010年1月11日〜1月17日】

■ワジリスタンで米無人偵察機の攻撃。15人死亡［100117 Reuters］

●日曜日に南ワジリスタンで米無人偵察機による攻撃かあり、抵抗勢力15人が死亡したと治安関係者が述べた。

●（中略）「現在犠牲者の数は15人だが、増える可能性がある。まだ瓦礫の山を取り除いている」と、治安関係者が述べた。犠牲者のほとんどが、外国人戦闘員だという（後略）。

■パキスタン人タリバン指導者、米攻撃の後も生存［100116 AFP］

●パキスタン人タリバン指導者のハキームッラー・マフスードがアメリカの無人偵察機による攻撃で死亡したという報道が出回る中、土曜日に自分は生存しており元気であると語るオーディオ録音を発表した（中略）。

●タリバンは前日もオーディオ・ファイルを発表してマフスードは生存していると主張したが、この録音では彼が標的になったということに言及していなかったために、彼が死亡しているという噂が流布していた。

●「今日は1月16日で、もう一度言う。私は生きている。私はOKで、負傷していない。無人偵察機の攻撃があったとき、私は現場にいなかった」と、マフスードが述べた。「これはカフィール（異教徒）のプロパガンダだ。このプロパガンダを通じて、我々を弱体化させようとしている」。マフスードの声をよく知る記者たちも、録音が彼の声であることを確認した（後略）。

■FBIの指名手配テロリスト、米がパキスタンで殺害［100115 AP］

●アメリカのミサイルがパキスタンで、FBIが使命手配にしていた、1986年の航空機ハイジャック事件の容疑者を殺害したと、金曜日に3人のパキスタン人諜報組織関係者が述べた。容疑者には、500万ドルの懸賞金が懸けられていた（中略）。

●諜報関係者によると、1月9日に北ワジリスタンで実施されたミサイル攻撃で、ジャマール・サイード・アブドゥル・ラヒームが殺害されたという。FBIのウェブサイトによると、彼はパレスチナ人で、レバノンの国籍を持つという。パキスタンの関係者は彼をアルカイダのメンバーだとしているが、FBIは、アブ・ニダールというパレスチナのテロ組織の人間だという。

●ラヒームは1986年に、カラチに着陸中のパンアメリカン航空をハイジャックした。ハイジャック犯は、キプロスとイスラエルで拘束されていた1500人を釈放してパキスタンに連れてくることを要求した。その間航空機の乗客と乗員に発砲し、手榴弾を投げつけ、米国人2人を含む20人が死亡した。

●ラヒームはパキスタンで裁判に懸けられて求刑されたが、彼と仲間3人は2008年1月に釈放された。4人は去年、FBIの指名手配者リストに入れられた（中略）。

●3人のパキスタン人諜報関係者は、情報を過激派幹部や情報源から入手たというが、裏付けの確認はとれていない（後略）。

■パキスタン人タリバン、指導者殺害を否定するオーディオを発表［100115 AFP］

●パキスタン人タリバンが金曜日、ハキームッラー・マフスードがアメリカの襲撃で死亡したことを否定するために、彼の声のオーディオ録音を発表した（中略）。

●パキスタン政府はマフスードが死亡したことは確認できていないと述べるいっぽうで、TTPのほうは彼は死亡していないと主張し、自分たちの主張を裏付けるために、メディアに彼の声の録音を送りつけた。

●マフスードの声をよく知るレポーターたちは、声が彼のものであると述べたが、日にちや彼が殺害されたとされる爆撃に言及する発言はなく、木曜日の攻撃の前に録音されたのか、後なのかはっきりしない。

●「政府はメディアを通じて私が殉教したというプロパガンダを流したり、南ワジリスタンの作戦が完了したと主張する。これはあり得ない」とマフスードが語った（中略）。

●TTPは、すでに何度もハキームッラーの死を否定する声明を発表している。金曜日にはアザム・タリーク報道官が、シャクトイ地域がミサイルで攻撃される「40〜60分前に現場を去った」と述べた（後略）。

■北ワジリスタンのミサイル攻撃で11人死亡［100115 AFP］

●無人偵察機2機がパキスタンの部族地帯でミサイル攻撃を行ない、抵抗勢力11人を殺害して隠れていた建物を破壊した。

●最初の攻撃は金曜日の午後、北ワジリスタンのミランシャー東部にあるミールアリに近い、ザニニ村で起きた。「米無人偵察機が抵抗勢力の建物にミサイル4発を撃ち込み、5人を殺害した」と、治安関係者が述べた。関係者によると、現場を5機の米偵察機が低空飛行したあと2機がさらに高度を下げ、抵抗勢力の建物にミサイル4発を撃ち込んでこれを完全に破壊した。今年に入って8度目の攻撃である。

●そして2時間もたたないうちにさらに2度目の攻撃があり、同じ地域のビチ村で抵抗勢力を少なくとも6人殺害した。「抵抗勢力と思われる6人が、米無人偵察機による攻撃で死亡した」と、治安関係者が述べた（後略）。

■パキスタン人タリバン、指導者が米の攻撃を危うく免れたと発言［100114 AFP］

●木曜日にアメリカの無人偵察機が抵抗勢力の訓練所を攻撃し、パキスタン人タリバン指導者のハキームッラー・マフスードが死亡したとメディアが報道したが、抵抗勢力によると、彼は難を免れたという。

●ハキームッラーはミサイル攻撃があったときに部族地帯にいたが、攻撃の前にすでに現場を去っていたと、TTP報道官が述べた。「ハキームッラー・マフスードは無人偵察機の攻撃があったシャクトイにいた」と、アザム・タリーク報道官が述べた。「しかし攻撃があったとき、すでに現場を離れていた。彼は生存しており、完全に安全である」。

●タリークの発言の前に地元テレビ局が、マフスードが北ワジリスタンと南ワジリスタンの境界近くで殺害されたと報道した。「我々は彼が死亡したという報告を受けているが、100％確かではない」と、治安関係者が述べた。タリークは、いつマフスードが現場から立ち去ったかは明らかにしなかった（中略）。

●木曜日の攻撃は、南ワジリスタンとの境界近くの北ワジリスタンのパサルコット村で起きた。「アメリカの無人偵察機による攻撃だった。抵抗勢力を中心に10人が死亡した。僻地で、無人偵察機からミサイル4発が発射された」と、地元の諜報関係者が述べた（後略）。

■ハキームッラー、ワジリスタンのミサイル攻撃で死亡か［100114 News］

●TTP責任者のハキームッラー・マフスードが、北ワジリスタンで無人偵察機による攻撃で死亡したと、メディアが木曜日に報道した。

●攻撃は北ワジリスタンのガルヨーム村で起きた。無人偵察機が地元の部族民ムハンマド・ヤクーブの家に、ミサイル2発を撃ち込んだ。情報源によると、10人が死亡したという。犠牲者の数は増える可能性がある。

●ジャーナリストのラヒームッラー・ユースフザイが『Geo』ニュースで語ったところによると、いくつかの情報源が、ハキームッラー・マフスードが攻撃当時現場にいたというが、彼の死亡に関してはさまざまな報告が入って来ているという。タリバンは、このような事実はないと述べた。

■米ミサイル攻撃でパキスタン12人死亡［100114 AP］

●木曜日にアメリカのミサイルが北ワジリスタンにある元宗教学校を攻撃し、抵抗勢力12人が死亡した（中略）。

●朝7時頃に、少なくともミサイル2発が北ワジリスタンのパサルコット地域を攻撃し、以前宗教学校だった建物が破壊された。犠牲者の身元は明らかではない（後略）。

■拉致されたギリシア人は「客人」とタリバン［100112 Dawn］

●去年10月にブンブレット谷からタリバンによって拉致されたギリシア人のアタナシアス・レロウニスは元気で、髭を生やしてタリバンのような風采になっていた。

●アフガン人タリバンにからアタナシアスを解放するために、使節団がヌーリスタンを訪れた。一行によると、ギリシア人は生き生きとしており、犯人たちは彼を客人として扱い、敬意を示しているという。

●一行はアタナシアスに何度も会い、カラシニコフを手に、一行と写真を撮ることも許された。「長期間ヌーリスタンに滞在したが、アタナシアスを交えてタリバンと何度も食事をした」という。ギリシア人は、犯人たちと親しくなっている。アユーンの元地方議員のアブドゥル・マジード・クレイシンが率いる使節団は、ワジルザダ・カラーシュとムサ・ハーン、カリ・ハリウッラーから構成された。

■アフガニスタンで無人偵察機による攻撃、16人死亡［100112 New York Times］

●火曜日に米軍が、無人偵察機を使用して2度空爆し、抵抗勢力16人を殺害したと発表した。パキスタンにいる抵抗勢力に対しては無人偵察機を用いた攻撃を行なっているが、アフガニスタンでは稀なことである。

●カブールの米司令官が、月曜日の朝、ヘルマンド州のノウ・ザードにある隠れ家を攻撃したと述べた。この攻撃で抵抗勢力13人が死亡した。さらにヘルマンドのナード・アリ地区も攻撃され、抵抗勢力3人が死亡した。どちらも無人偵察機から、ヘルファイア対戦車ミサイルを発射したという。今回無人偵察機が使用されたのは、タリバンに対する戦術が変更した結果なのかどうかは、明らかではない。

●パキスタンでは、CIAが遠隔操作で動く無人偵察機を使用して抵抗勢力を攻撃している。いっぽうアフガニスタンの米軍が使用するのは、無人偵察機ともっと大きなリーバー偵察機であるが、これらが使用されることは稀である。

●2002年にCIAはカブール郊外で、偵察機を使用してミサイルを発射してヘクマチアルを殺害しようとした。この時ヘクマチアルは無事だった（中略）。

●月曜日まで、アフガニスタンで偵察機を使用することはほとんどなかった。

●月曜日には、米国人3人を含む同盟軍6人が殺害されている。

●ヘルマンド州の目撃者によると、偵察機で殺害されたのは、抵抗勢力のようだったという（後略）。

■オラクザイ、作戦に先立ち封鎖［100112 Dawn］

●月曜日に政府がオラクザイを封鎖して治安部隊がいくつかの拠点に陣取り始めたために、軍事作戦が近づいているようだ。

●政府筋によると、オラクザイに通じるすべての道路が封鎖され、18ヵ所に国境警察隊が駐屯する検問所が設置された。さらにアッパー・オラクザイとロワー・オラクザイの村に、軍隊が派遣された。

●情報源によると、ペシャワル、ハング、ダラ・アダム・ヘール、ラホール、イスラマバードに派遣された自爆者の90％がオラクザイで訓練を受けたという情報を受けたために、政府は軍事作戦を実施することを決断したという。

●コハート、ハング、クラム、カイバルからオラクザイに入る道路は封鎖され、治安部隊がカラヤにある行政本部を取り仕切っている。大砲や戦車が、カイバルやクラムに移動している。

●政府は、現在のTTP責任者ハキームッラー・マフスードの本部と、ダラ・アダム・ヘールのタリーク・アフリディが率いる組織があるオラクザイで軍事作戦を実施するかどうか、検討していた（中略）。

●情報源によると、ハング、クラム、カイバルの境界に沿って、抵抗勢力数千人が守備についている。いっぽう準軍隊はシャフ・フール、アンジニ、ストリ・ヘール、チャプリ・フェローズ・ヘールなど、クラム行政区中心部付近に集結している。

■タリバン、パキスタン軍検問所を襲撃、兵士死亡［100112 AFP］

●火曜日にアフガニスタンとの国境近町にあるパキスタン軍の検問所が数十人のタリバンに襲撃され、準軍隊兵士1人が死亡、3人が負傷した。

●夜明け前、30人以上の抵抗勢力が、モーマンド行政区のガナン・シャーにある検問所を襲撃した。「3方向からやってきて、自動兵器やロケット砲で攻撃された」と、行政官のザビット・ハーンが述べた。「兵士1人が死亡し、3人が負傷した」（後略）。