【2010年1月25日〜1月31日】


■パキスタン人タリバン責任者のマフスード、埋葬されたと報道される[100131 BBC]

パキスタン人タリバン責任者のハキームッラー・マフスードが埋葬されたとというテレビ報道のあと、彼の死亡説が再び出回っている。

しかし報道があった数時間内に、タリバンが再びマフスード死亡説を否定し、報道陣に証明してほしいと述べた。

パキスタン軍は、死亡説は確認できておらず、現在調査中だという。死亡説は1月14日の無人偵察機によるミサイル攻撃のあとから浮上している。

(中略)テレビの司会者は、情報源を語らずに彼が埋葬されたことだけを報道した。

ある部族民長老が『AP』に、木曜日にオラクザイのマムザイ地域でマフスードの葬儀に参加したと述べた、と報道した。

しかしタリバン報道官のアザム・タリークが、すぐにこれを否定した。「これらの噂の目的は、タリバン内に亀裂を生じさせるためのものだ。しかし、成功した試しがない」という。タリバンは1月14日以来、2回ハキームッラー・マフスードのオーディオ・テープを発表したことを主張した。シャクトイ地域で実施されたこの攻撃で、抵抗勢力10人が死亡している。「ハキームッラーが死亡したと主張している人間は、それを証明するべきだ」という。

smellPakistani Taliban chief Mehsud buried - state TV

■パキスタン、タリバン責任者死亡説を調査[100131 AP]

パキスタン政府は、パキスタンタリバン指導者のハキームッラー・マフスードが、1月中旬にアメリカの無人偵察機によるミサイル攻撃で受けた傷が原因で死亡したという報告を調査しているという。

(中略)パキスタン政府関係者が、パキスタンのテレビ局が、無人偵察機による攻撃のあと重傷を負ったハキームッラーが、手当を受けていたオラクザイで死亡したという報道を調査していると述べた。「これらの報告を受けている」と、アサール・アッバス軍報道官が述べた。「本当か嘘かを、調べている」。

レーマン・マリーク内相が、テレビ報道はオラクザイの「地元情報源」に頼っており、政府はこれを確認することができないと述べた。「しかし、地元の部族民長老や地元の人間たちが、彼が埋葬されたと言っている」と、『ARY』ニュースに語った。

ある部族民長老が、木曜日にマムザイ地域で、マフスードの親戚の家で死亡したマフスードの葬儀に参加したと述べた。

パキスタンの諜報組織関係者が、1月14日に南ワジリスタンで抵抗勢力司令官たちとの会議に出席したマフードが無人偵察機の標的になったと述べ、その後死亡説が出回っていると述べた。

攻撃のあとマフスードは噂を否定するオーディオ・テープを発表したが、力のある声だった。しかしパキスタンの諜報関係者が語ったところによると、ミサイル攻撃でタリバン責任者は両足と腹部を負傷したという。

パキスタン人タリバンの下士官が、マフスード死亡説を否定し、プロパガンダだと述べたが、幹部関係者のコメントはない(後略)。

smellPakistan investigates report Taliban chief is dead
ASIF SHAHZAD、ISLAMABAD

■カルザイ大統領、武器を放棄したタリバンを失う[100131 Times]

タリバン司令官のムッラー・ムハンマドがいまや家と呼んでいる部屋は、彼が21人の戦闘員を連れてアフガニスタン政府の和解プログラムに参加するために後にした山中の住処と、ほとんど変わらない。

薄いマットの上に、壁に寄りかかって座る彼の前には、古いカラシニコフやビンテージもののロシア製のロケット砲発射装置がある。政府が、金はと仕事や土地を約束したのと引き換えに、彼が手放したものだ。

しかし、カルザイ大統領が2005年に設置した和解委員会(PTS)は、自由に行動することを保証する手紙を与えただけだった。その他には何もない(中略)。

「我々は一日中戦っていたが、得るものは何もなかった」という。「そのうちに考え始めた。『なぜアフガン人の兄弟を殺しているのだろう』と」。

他の中堅タリバン司令官同様、彼は保守的なパシュトゥーン人であり、過激主義者ではない。彼は政府の和解計画にはもってこいの人物で、先週のロンドン会議で話題になった政府の更正プログラムの候補者にぴったりだ(中略)。

「PTSが我々に、我々を守り、仕事につく機会を与えてくれると言っていた。しかし、いまは何もない」とムハンマドは語る。

タリバンが支配するロガール州のブリアラームまでの道のりは、厳しかった。そこで会った元タリバン司令官たちは、ジャラウディン・ハッカーニの組織の中で戦った者たちだ(中略)。彼はパキスタン側に拠点を持つと言われる(中略)。

ロガール州のタリバン司令官たちは、先週の会議で約束された内容と現実とのギャップを明らかにしてくれた。ロンドンの人間たちの中に、カルザイが5年前にPTSを設置したことを思い出す者は、ほとんどいなかった。このプログラムには、いまのところ資金がほとんどない。

ムッラー・ムハンマドの話に、2人の元タリバン司令官も同意する。タリバン幹部のモーラナ・サヒーブ・サイード・アジャンは、憤慨していた。「私は戦闘員40人をPTSに連れて行った。部下には、『他の国々は飛行機やコンピュータを作っている。なぜ我々は山中で凍えているんだ。我々は国家を作らなければならないのではないだろうか』と言ったんだ」。

アジャンはハッカーニの「パキスタン人タリバン」の組織から寝返ったという。金があり、安全を保証されれば、もっと多数の人間が鞍替えするはずだ。

司令官だったアジャンには、給料が支払われなかった。しかし歩兵には、月200ドルが払われた。これは、アフガン警察の給料よりもいい。「指導者たちに、必要なものを要求すると、すぐに送ってくれた」とアジャンは語る。「すぐに支払ってくれる」。毎月20万〜60万ルピーが支払われたという。ドバイから密輸されるか、パキスタンからピックアップトラックに、現金が積まれてくる。

アジャンが乗り気ではなかった襲撃を実施するように命令されたために、PTSの申し出に応じることにしたという。「我々が山頂にいたところ、ハッカーニの人間がプリアラームの地方政府事務所を攻撃して、国連の車を破壊して彼らを退散させるように命じられた」。「私は28歳だ。もうこれ以上このようなことはしたくなかった」。

部族民長老にPTSに関して調べてもらったところ、金を支払い、仕事と家族も戦闘員の安全を約束されたという。「しかしいま、私はこの事務所の床の上で生活している」。「タリバンがドアの隙間から、戻らなければ殺すと脅迫する手紙を入れてくる」。

(中略)アジャンの話は、現場の司令官とタリバン首脳陣との間の亀裂も明らかにする。平和を確立するためには、政治的解決の重要部分になるはずだ。PTS会長の長男で、カルザイの国家安全委員会のメンバーであるナジブッラー・モジャッディが「タリバンの首脳陣たちにも接触する必要がある」と語った(後略)。

hoonHamid Karzai fails Taliban who gave up arms

■パキスタンの部族地帯でミサイル攻撃、15人死亡[100130 New York Times]

金曜日の夜遅く、北ワジリスタンでアメリカによる無人偵察機がミサイル3発を発射して抵抗勢力15人が死亡したと、治安関係者が土曜日に述べた。標的は、北ワジリスタンのママート・ヘール地域の建物だったという。

この攻撃でアラブ人4人とウズベク人戦闘員2人とともに、地元の抵抗勢力が死亡した。このほかに4人が負傷したという(後略)。

hoonMissile Strikes Kill 15 in Pakistani Tribal Region, Officials Say
PIR ZUBAIR SHAH、ISLAMABAD

■自爆犯、パキスタンの検問所を攻撃[100130 BBC]

パキスタン北西部のマーケットの検問所で、自爆犯が16人を殺害した。バジョールのカールのバザールで、歩いていた男性が自爆し、この他に20人が負傷した。

(中略)一方で北ワジリスタンでは、アメリカの無人偵察機による攻撃で、抵抗勢力9人が死亡した。

(中略)「犠牲者は16人になった。準軍隊兵士2人が含まれている」と、政府関係者のイクバル・ハタックが述べた。爆発で車や店舗4軒が破壊された。

前日にはパキスタンの治安部隊がバジョールで抵抗勢力と衝突し、空からの攻撃も用いて24人を殺害している。

hoonSuicide bomber attacks checkpoint in Pakistan

■タリバンとの話し合い計画、急ピッチに[100129 BBC]

タリバンを平和への話し合いに招こうという計画が急ピッチに進んでおり、アフガニスタンがタリバンメンバーを和平会議に招いたり、国連が極秘会議を開催したという報告が入ってきている。

ロンドンのアフガニスタンサミットで、カルザイ大統領は「迷いから覚めた兄弟」に手を差し伸べることを誓った。

また国連関係者が報道機関に、タリバンメンバーが話し合いを申し出たために、カイ・エイデ国連特使が1月8日にドバイで彼らと会ったと語った。エイデ氏はその日にタリバンとの会見があったことを否定したが、その他の日時に関してコメントすることを拒否した。

ロンドンで開催された会議で世界の指導者たちは、タリバン下士官たちを味方につけるために、1億4000万ドルを提供することに合意した。またアフガン軍は2010年の終わりまでに治安を確保できるはずで、5年以内には終了するはずだと述べた。

国連の話し合いに関する報道の真偽はともかく、この問題に参加する者は、誰でも極秘にしておきたい内容である。話し合いに応じるタリバンは、危険にさらされる。自分たちが保護されることを、納得しなければならない。話し合いに関する話し合いの報道が出回り、この計画がまだ始まったばかりの、デリケートな段階にあることがわかる。

アフガニスタンにいる多数の軍や外交筋は、タリバン幹部の中には、戦いに疲れている者がいるという報告を受けており、彼らが政治的解決法に興味を持っているはずだと述べる。しかしこれまで誤った諜報情報が流れている状況下で、タリバンが何を考え、彼らをアルカイダから分離させようとするこの計画が有効かかどうかは、明らかではない。

(中略)カルザイ大統領は、穏健派タリバンを和平サミットに招いた。

匿名希望の国連関係者が報道機関に、エイデ氏がタリバンのクエッタ・シューラのメンバーと会ったと述べた。「話し合いに関する話し合いを、申し出て来た。彼らは公衆の前に出ることができるように、保護を求めている」と、ある関係者が『ロイター』通信に語った。

エイデ氏は『BBC』に、1月8日に話し合いが行なわれたことはないと述べ、カブールへのトランジットのために、数時間ドバイにいただけだという。日にちに関しては、このような報道の関しては真偽はともかく、コメントはしないと述べた。

タリバン報道官は、カルザイ政府との話し合いには興味がないと繰り返している。

しかし『ロイター』通信によると、タリバン報道官のカリ・ムハンマド・ユースフが、「和平協定に関しては何も語れない。タリバン指導者が、これに参加するかどうかを決める」と述べた。もしも本当だとしたら、極秘会談は重要な展開となる(後略)。

ohTaliban talks plans gather pace

■バジョールのタリバン間に亀裂[100129 Dawn]

地元のタリバン責任者のモーラナ・ファキール・ムハンマドがモーラナ・ムハンマド・ジャマール(モーラビ・ダドゥッラー)と交代したという報告がはいってきており、バジョールの抵抗勢力の間に亀裂が生じているようだ。

モーラナ・ファキールは、TTPの副責任者で、バイトゥッラー・マフスードの腹心だった。

しかしモーラナ・ジャマールの支持者たちは、抵抗勢力の間に亀裂が生じたのではなく、ファキール・ムハンマドが自発的に退いたと主張している。しかしファキール・ムハンマドの支持者は、まだファキールがバジョールTTP責任者だと主張している。

情報源によると、地元タリバンのシューラがファキール・ムハンマドに辞任を勧めたが、彼はこれを拒否したという。水曜日にシュラーが開催され、新たな責任者としてモーラナ・ジャマールを指命し、ブルハヌッディンが副責任者になった。タリバンの大半が、モーラナ・ジャマールを支持しているという。

タリバンの情報源によると、去年の夏に隊がヴァル・モーマンドの抵抗勢力拠点に前進しているたとき、ファキール・ムハンマドが抵抗しないように要求したが、シューラのメンバーのほぼ全員が、これに反対したという。この時点で、カリ・ジアウル・レーマンとモーラナ・インヤット・レーマンを含む幹部司令官たちが介入して問題を解決した。

いっぽうこの地域の戦いは激化していて、抵抗勢力25人と兵士2人が死亡、多数が負傷した。情報源によると、抵抗勢力がサラルザイのムラー・サイード地域にある治安部隊の検問所を攻撃し、トチ・スカウトを殺害、3人を負傷させた。2時間続いた戦いで、抵抗勢力10人が死亡、5人が負傷した。治安部隊はチナールの戦略的に重要な地域を占拠したという(中略)。

軍の情報源によると、水曜日の爆撃と衝突で、抵抗勢力15人と兵士1人が死亡した(後略)。

hoonRift among Bajaur Taliban widens
KHAR

■タリバン協定が終戦の鍵とカルザイ[100129 New York Times]

木曜日にアフガニスタンの大統領が、タリバン指導者たちと接触することが、8年続いた戦いに終止符を打つ方法だと主張し、危うい外交政策が大きく揺れ、アメリカとの関係に波乱が生じる可能性が出てきた。

65ヵ国からなる会議はアフガン戦争戦略に対する資金と支持を集めるために開催されたが、逆にアフガニスタン政府とその同盟国の間の亀裂が顕になった。外国軍の撤退時期と、タリバン抵抗運動指導者と和解するべきか、またいかに和解するかが、問題になってきた。

(中略)タリバンの歩兵と中堅戦闘員を味方につけることを考えている米政府関係者の戦略から、カルザイは一歩踏み込んだ戦略を提案した。オバマ政権は、ビンラディンやアルカイダとまだ関係のあるタリバン幹部指導者と話し合うかどうかという、大きな議論を行なうことになる。

米関係者は木曜日には「和解」については触れなかったが、カルザイが提案した部族レベルの和平協定計画に、面食らった。クリントン国務省長官はカルザイの戦略を支持しなかったが、彼の最終目標に対しては共感を表した。

(中略)しかしタリバンの歩兵と司令官を味方につけるというアフガニスタン政府の計画は、アフガニスタン国内でも大きな議論となっている。果たしてタリバンが社会に組み入れられるかが、疑問視されている。

政府が以前提唱した和解計画に応じた元タリバンメンバーは、新たな計画が以前の計画よりうまくいくかどうか、懐疑的である。以前の和解計画に賛同したために、彼らは貧しく、仕事もなく、以前の仲間たちに攻撃されるリスクを負っている。

「この『和解』計画は単なる名目だけのものであり、我々は見捨てられることに誰もが気づいている」と、2008年に武器を放棄した元タリバン司令官のムッラー・アブドゥル・マジッドが語った。彼は和解した後は政府に助けられると考えていたが、結局見捨てられている。

ムッラー・マジッドの話は、典型的な話である。武器を放棄したあと、彼と12人の仲間の戦闘員はそれぞれ140ドルと住む家を約束された。しかしカンダハルの故郷に帰ると、金も家も、仕事も、タリバンからの報復を避けるための保護もなかった。

「タリバンは、『政府側にいるなら、殺す』と、常に脅かされている」という。「だから町の外には行けない。去年仲間の1人がタリバンに殺害され、1人が負傷した」。以前の和解計画にサインしたムッラー・マジッドと彼の友達は、家族のために仕事をすることができないために、再びタリバンに戻るかどうかの瀬戸際にいるという。

今回はNATO軍が計画を後押ししているために、戦闘員が逮捕されないように保証することはこれまでよりは楽になったと、アフガン政府関係者が述べた。「彼らを保護しなければならない」と、アフガン治安副アドザイザーの、シャイデ・ムハンマド・アブダリが語った。「恩赦を与え、保証し、他の人々のような人生を与えてやらなければならない」。

ロンドン会議は、これらの問題を解決するためのものだった。タリバン戦闘員の更正のために、1億4000万ドルを増額した。これまで5億が費やされたが、どのように分配されたかは明らかではない。

クリントンは、日本が5000万ドルを提供したことを賞賛したが、アメリカはこれに追随する計画はないと述べた。財務省は、タリバンがテロ組織であるために、そのような資金援助はしないと述べている。

しかしペンタゴンは、このような使途で資金を使用することはできる。例えば米軍司令官は、アフガニスタン東部のパシュトゥーン族に、タリバンと戦うことの見返りとして、開発プロジェクトのために100万ドルを支払う予定である。

タリバン指導者たちは、オリーブの枝に関する話し合いを拒否し、戦闘員たちは金で動かないと述べ、外国軍がすべてアフガニスタンから去らない限り話し合いには加わらないという。

国連は今週は、ブラックリストに載っていたタリバンメンバー5人を、リストから除外し、話し合いに参加するために渡航できるようにした。カルザイは、さらに多くの人間がリストから除外されることを望んでいるという。

またサウジアラビアのアブドゥッラー国王に、話し合いのお膳立てをするように申し入れた。さらにパキスタンにも、申し出をした。イランも話し合いに招かれたが、参加しなかった。

会議で最も意見が割れたのはタリバンとの和解についてだが、亀裂はそれだけではない。会議が開始される前にもカルザイは同盟国と別の見解を表示し、アフガン人が自分たちで治安を維持できるようになるまで、外国軍が長期駐留しなければならない恐れが出てきた。

彼は『BBC』とのインタビューで、アフガン政府が米軍主導軍を引き継ぐためには、5〜10年かかると述べ、軍を維持するための資金を国家がまかなえるようになるには、さらに長くかかると述べた。

これは2011年夏には、米軍は撤退し始めるというオバマ政権のゴールよりも、はるかに長い(後略)。

hoonKarzai Sees Taliban Pact as Central to Ending War
MARK LANDLER and ALISSA J. RUBIN、LONDON

■カルザイ政府、タリバンを平和会議に招く[100128 Reuters]

木曜日にアフガン政府がタリバンを平和会議に招くと発表し、欧米の同盟国はアフガニスタンの戦争に終止を打つための計画を話し合った。

外交政策が進んでいることの証として、タリバンの首脳会議のメンバーが極秘にアフガニスタンの国連代表と会い、武器を放棄する可能性を話し合ったと国連関係者が述べた。

ロンドンで開催される会議の出席者が語ったところによると、タリバンのクエッタ・シューラのメンバーが、1月8日にドバイでカイ・エイデ国連特使と会ったという。「話し合いに関する話し合いの申し出があった。公衆の面前に出ることができるよう、保護を求めてきた。バグラムのような場所に消えたくはないという」と、関係者が述べた。

関係者によると、タリバン首脳部のメンバーとの話し合いは、初めてのことである。

「我々は仲間に手を差しのべなければならない。特に迷いから覚めた兄弟に手を差しのべたい。彼らがアルカイダだろうが、他のテロ組織の人間であろうと、アフガン憲法を受け入れる人間だったら誰でも」と、カルザイが会議で述べた。

(中略)アフガン政府報道官が、今年の初めに開催予定のロヤジルガに、タリバンも招く予定だと述べた。「彼らにきてほしい」と、ハマッド・エルミが語った。

タリバンは最近自分たちのウェブサイトで、自分たちは欧米では攻撃しないと述べ、アルカイダから分裂することを望んでいることをほのめかしている。「彼らは戦いに疲れ切っている。勇気はあっても、国家を乗っ取るだけの能力はない」と、国連関係者が述べた。「だから自分たちの場所を求めている」。

(中略)ドバイの会議に関して国連関係者は、話し合いの成果はまだでていないと述べたが「初めて申し出があり、アフガン政府もこれに乗じてうまく乗り切ることを望んでいる」という。

今回のドバイの会議は、以前元タリバン関係者やアフガン政府代表がサウジアラビアで会った会議よりも、もっと重要なメンバーを迎えて行なわれた。カルザイも、タリバン政権を認めた唯一の国家だったサウジとパキスタン、アラブ首長国連邦に、アフガニスタンに平和をもたらすために協力してほしいと要請した。

ohKarzai government invites Taliban to peace meeting
David Brunnstrom and Myra MacDonald、LONDON

■バジョールの衝突で15人死亡[100128 News]

水曜日にバジョール各地で抵抗勢力と治安部隊やサラルザイ族のラシュカルの間で衝突があり、空爆や砲撃により抵抗勢力15人が死亡した。兵士1人も犠牲になった。

サラルザイ地区における抵抗勢力に対する激しい攻撃が行なわれた際に、抵抗勢力は戦略的に重要な丘の上を占拠した。情報源によると、治安部隊とサラルザイ・ラシュカルが、抵抗勢力が隠れていたムラー・サイドとチナールの山中に向かう途中だった。しかしチナールで、抵抗勢力にロケット砲や他の洗練された武器で攻撃された。

両者が直接対戦し、抵抗勢力12人と兵士1人が殺害されたという。いっぼう治安部隊は抵抗勢力に対しても攻撃し、サラルザイのムラ・サイドにある丘の上にある拠点や建物を爆撃し、占拠した(後略)。

hoon15 killed in Bajaur clashes
KHAR

■タリバン、さらに偵察機撃墜を主張[100127 News]

北ワジリスタンのタリバンが火曜日、国境付近のダッタヘール近くのボヤ村で、新たな無人偵察機を撃ち落としたと主張したが、証拠はない。

ミランシャーの政府関係者は、ボヤ村で偵察機が墜落したことを認めたが、原因はわからないという。

(中略)関係者によると、山中に墜落したために機体の残骸は発見されていないという。

抵抗勢力司令官が北ワジリスタンから電話をかけてきて、仲間の戦闘員が高射機関砲を発砲して偵察機を撃墜させたという。つい先日も、別の1機が撃ち落とされている(後略)。

hoonTaliban claim shooting down another drone
Malik Mumtaz & Mushtaq Yusufzai、MIRAMSHAH/PESHAWAR

■タリバンの話し合いにアルカイダの影[100127 Asia Times]

(前略)アフガニスタンで戦った元アラブ人ムジャーヒッドで、ビンラディンを含むアルカイダ幹部と直接接触していた男によると、アルカイダとタリバンの関係は非常に深いと語る。

彼によると、アフガニスタンの米軍総司令官のマクリスタルが、アフガニスタンに数万兵が増兵されることを暴露したあと、ビンラディンがオマール師と、10月にヘルマンドで久しぶりに会ったという。

このアラブ人戦士によると、この会見でタリバンとアルカイダの関係がさらに深くなり、アフガニスタンにおける欧米軍との戦いにさらに協力し合うことを約束したという。また和解の呼びかけは、タリバンを誘い込むための罠であることにも、意見が一致した。

パキスタンで攻撃することに対しては意見の相違があったが、アフガニスタンにいる外国軍が「完全なる敗北」まで協力する戦略を取ることに合意した。オマール師は、ヒンドゥークシュを越えてアフガニスタン南西部までビンラディンが来たことに、大きく感銘したという。

タリバンとの話し合いをお膳建てするために、パキスタン軍は最前線にいる。ペシャワル、クエッタ、イスラマバードが舞台である。さらにアラブ首長国連邦でも、話し合いが行なわれる可能性がある。元首長国大使が、タリバンの代表をアメリカ、イギリス、サウジ関係者と会わせようとしている。

ムスリム同胞団も、これに参加する予定だ。1980年代にアフガニスタンでソ連と戦ったアラブ人たちも含まれる。そのうちの1人が、イラキ・メフムード・アルサマライ、別名アブ・ジュードがいる。彼はイラクとアフガニスタンの抵抗運動を支持していたとして、FBIの指名手配者リストに入っていた。彼は現在パキスタンに住み、タリバン司令官たちとサウジ政府との話し合いをお膳立てしている。

しかしタリバンとの話し合いに直接関与しているアラブ人外交官が語ったところによると、話し合いの障害の1つは、双方ともそれぞれの主張を変えていないことだという。つまりタリバンは外国軍の無条件撤退であり、欧米の指導者たちは、タリバンがすぐに敵意ある攻撃を中止することである。

またオバマ政権は、タリバンの攻撃をスローダウンさせることに必死である。11月に予定のアメリカの中間選挙に先立ち、アフガニスタンでこれ以上屈辱を味わうことはできない(中略)。

アラブ人が主張しているようにタリバンとアルカイダの関係が今まで以上深いのであれば、タリバン幹部司令官が和解に応じる可能性は少ない。オマール師とアルカイダに忠誠を誓いながら、寝返ることはない。また、たとえ和解する者がいたとしたとしても、アルカイダとの関係のために処罰されるだろう。

タリバン下士官たちは、抵抗運動を放棄する可能性がある。しかしその数は少ないはずだ。指導者たちは、まだ抵抗運動を続けることができるだろう。これまでの和解計画も、タリバン首脳陣にほとんど何の影響を与えなかった。

(中略)アルカイダによると、今後はサウジに働きかけ、リヤドにアメリカ主導の「テロとの戦争」から退かせるという。

いっぽうパキスタンでは、ワジリスタンにおける軍事作戦後、オラクザイで再結成した。彼らはパキスタンの指導者たちが、ワシントンとアフガン人タリバンの和解計画に関与しないように、再び軍との戦いを開始する。

hoonAl-Qaeda's shadow over Taliban talks
Syed Saleem Shahzad、ISLAMABAD

■タリバン5人、制裁リストから除外[100126 AFP]

火曜日に国連が、アルカイダと関係があるとしていたタリバン幹部5人を、要注意人物としての制裁リストから取り外した。

声明によると、旅行の制限や銀行口座の凍結、武器の所持を禁止していた5人を、ブラックリストから除外したという(中略)。

5人は、タリバン政権時代の元外務大臣のアブドゥル・ワキル・ムタワキル、元経済大臣のフアイーズ・ムハンマ・ファイザン、外務省職員のシャムス・US・サファ、計画副大臣のムハンマド・ムサ、元国境問題副大臣のアブドゥル・ハキームである。欧米外交官によると、5人は「穏健派タリバン」で、カルザイは5人と話し合いを始めるという(後略)。

hoonFive Taliban officials removed from sanctions list: UN
UNITED NATIONS

■米大使の電信、アフガン戦争計画を憂慮[100125 New York Times]

カブールの米大使が11月に、アフガニスタンのカルザイ大統領は「適切な戦略パートナー」ではなく、「主権に対する責任を負わないようにしている」と、極秘電信で語っている。アフガニスタンに米軍を派遣することに対して、非常に憂慮していたことがわかる。

エイケンベリー大使が送った2つの電信の概略は、それが発信された数日後に公になり、ホワイトハウスでは、外交関係者と新たに3万兵の派遣を望んでいる軍関係者の間の溝が話題になった。

しかし『ニューヨーク・タイムズ』が入手した完全な電信には、大使がアフガン政府の責任者とその軍事力をどう見ているか、そして増派することでカルザイ政府がアメリカに依存しすぎる危険性があると感じている内容が明らかにされている。

4ページと3ページからなる2つの電信には、マクリスタル将軍が提唱している対抵抗勢力戦略に対する反論も書かれている。米軍とNATO軍司令官のマクリスタルは、新たな兵を迅速に送ることで、国家が失敗することを防げると主張する。

元陸軍准将でかつてはアフガニスタンの米軍司令官だったエイケンベリーは、多数の米軍をアフガニスタンに派遣するで「多大な費用」−−数十億ドル−−が必要になる可能性があり、アフガン政府がアメリカに依存するだけだと述べている。

「増派すれば、アフガン人たちがアメリカを引き継ぐ日が遅れ、米国人が適当な時間に帰国させることが不可能とはいわないまでも、難しくなる」と、11月6日に書いている。「アフガニスタンの治安と支配にアメリカや外国の役割を増やすことで、アフガン政府は少なくとも短期間だけだとしても、依存心が高まる」。

エイケンベリーは、詳しくは語らなかったが、自分が心配していたことは解決したと述べ、増派するというホワイトハウスの計画を受け入れている。

しかし彼がなぜカルザイに対する気持ちを変えたかは、明らかではない。そしてこの電信の強い口調のせいで、大使とカルザイ政府との間に亀裂が生じる可能性がある。木曜日にはロンドンで世界の指導者たちが集まり、タリバン戦闘員を政府に取り込もうとしているアフガンの計画を話し合う予定である。また政府はカルザイとの関係を改善を、強く働きかけている時期でもある。

『米政府関係者が、電信のコピーを見せてほしいと依頼したタイムズ』に応じてくれた。関係者によると、エイケンベリーの主張を公開することは歴史的に記録しておくことが重要と考えた結果だと述べ、米兵を増派するかどうか大きな論争があった時期に出てきた、最も重要な書類だという。

11月6日にエイケンベリーは次のように書いている。「カルザイ大統領は、適切な戦略パートナーではない。現在提案されている対抵抗勢力戦略は、責任が取れ、我々の目的のために主権を駆使できるアフガン政府指導者が必要である。つまりトランスナショナルなテロ組織と戦って強くなった、安全で、平和で、それなりに充足したアフガニスタンである」。

「しかしカルザイは主権に責任を取ろうとしない。防衛、支配、開発、何をとってもだ。彼と彼の内部の人間は、アメリカが去ることを望んでいない。我々がさらに介入してくることを、喜んでいる」。とエイケンベリーは書く。「彼らは、終わることがない『テロとの戦争』のために、また周りの権力に対して力を駆使するための軍事基地として、我々がアフガニスタンを必要としていると考えている」。

さらに、「カルザイ大統領のほかに支配層には、地元の組織に留まらず、信頼のおけるパートナーシップを提供できるような国家的な人物はいない」と続ける。

また11月9日付けの電信では新たな心配を書く。「11月7日のPBSのインタビューで、カルザイは今後も支配を続ける気持ちがあることや汚職に関して、奇妙な注意深い発言をした。これはこれまで同様の彼の怠慢さや、いやいや協力していることを示す」。

(中略)またエイケンベリーは、オバマのアフガニスタン政策が、パキスタン軍がアフガニスタンとの国境地帯の山中にある抵抗勢力の拠点を排除することに、大きく依存していることを心配する。「パキスタンはアフガニスタンが不安定になる、唯一最大の元凶だ」。「この隠れ家の問題が解決しなければ、増派する利点はなくなる」(後略)。

hoonU.S. Envoy's Cables Show Concerns on Afghan War Plans
ERIC SCHMITT、WASHINGTON

■タリバン、北ワジリスタンで偵察機撃墜と主張[100125 News]

日曜日に北ワジリスタンのタリバンが、ミランシャー近くのハムゾイ村でアメリカの偵察機を撃ち落としたと主張した。

ミランシャーの政府や軍関係者が、偵察機がパキスタン側で墜落したことを認めたが、原因は明らかではないという。ただ日曜日に、アメリカの偵察機7機が町の上空を飛行していて、悪天候のために低空飛行していたという。

ある関係者が墜落を確認したが、タリバンがこのスパイ機を撃墜したのではないという。技術的問題のために、墜落した可能性があると述べた(中略)。

別の関係者は、丘の上に重火器を運び上げていたので、偵察機を撃ち落とした可能性があると述べた(中略)。

いっぽうハーフィズ・グル・バハドゥールが率いるタリバン内の情報源が、偵察機に発砲して撃墜したと主張した(中略)。また偵察機の残骸をメディアに見せると述べた。偵察機が低空飛行していたために、丘の上に設置した対空銃で撃ち落としたという(後略)。

hoonTaliban claim shooting down US drone in NWA
PESHAWAR

■クエッタのタリバンを探して[100125 BBC]

2009年4月にパキスタン軍が、首脳部宛ての書類を所持したアフガニスタンのタリバンを逮捕した。この男によると、首脳部はクエッタを拠点としているという。ハッタブといわれるこの男は、バローチスタン州のクエッタで逮捕された。

パキスタン政府は、アフガンタリバン指導者たちはクエッタにいないと長い間主張していた。パキスタンで難民として暮らす過激派たちが、家族と一緒に過ごすために一般民を装って国境を越えてしていることを否定する。

しかしハッタブが持っていた書類は、逮捕されたスパイに関するもので、NATO軍のために「スパイ」を行為をしていたという「告白」だった。このスパイは取り調べを受けた後、ザーブルでタリバンにより斬首された。

ハッタブから詳しい事情を聞いたことがあるクエッタのある情報源によると、都市部に住むタリバン組織の指導者たちは斬首に反対し、間違った男を殺害したと述べていた。「ハッタブは、斬首が間違いではなかったことを証明するために、サインされた告白書をザーブルのタリバン司令官から渡され、上司に運ぶ途中だった」という。しかしハッタブの上司が誰なのか、またクエッタのどこに住むかは、明らかではない。また彼が提供した情報をもとに、誰かが逮捕された事実もない。

「もしタリバンがそこに住んでいるなら、彼らは当然生活の痕跡があり、警備も必要だろうし、健康のために病院などの施設を利用することだってあるだろう」と、バローチスタン州の国境警備隊責任者、サリム・ワナーズ准将が語る。「どうして我々もメディアも、タリバンを1人として探しだすことができないのか」。「タリバンの行き来はあるかもしれない。パキスタン中をうろついているだろう。しかしタリバンのシューラがあり、そこで議会を開いているなど、たわごとだ」。

それは一理ある。広大で人口密度が多いクエッタ東部にはパシュトゥーン族が住むが、ここではタリバンの動きがほとんど見られない。

いくつかのマドラッサが、幅の狭い路地に建ち並び、タリバン式のターバンを巻いた男たちが目につく。しかしこの地域の中心は、商売だ。またこの地域の民家に掲げられた旗はタリバンのものやパキスタンの宗教組織のものではなく、パシュトゥーンの世俗政党PMAPのものだ。これはタリバンとは対立する。「もしパシュトゥーンバードにタリバンがいれば、ここで野菜など売っていないよ」と、ハザラ族でシーア派ムスリムのグル・アガが語る。

別の路地では、髭をきれいに剃ってレイバンのサングラスをかけた男が語る。「もしタリバンを見たとしても、どうしてあんたに言わなければならないのだ。あんたはアメリカ人工作員みたいに見えるよ」。

タリバンが隠れていると思われる別の町、ハロタバードでも、同じような反応だった。

ジャーナリストや政治関係者は、タリバンが町にいると用心深く指摘するが、詳しい説明はなく、多くは語らない。アメリカがアフガニスタンを2001年10月に攻撃したとき、カブールのタリバン政府関係者のほとんどがペシャワルに逃げた。しかしオマール師を含むタリバン首脳陣は、カンダハルを拠点とした。

クエッタが彼らの最終目的地だったことは明らかだ。地理的に、クエッタとその北部と東部は、ワジリスタンと接する。いわゆるハッカーニ組織が拠点とする場所だ。

ハッカーニのネットワークはオマール師に忠誠を近い、ビンラディンとも関係がある。ハッカーニの組織がカンダハルとヘルマンドと接するバローチスタンの国境地帯では、タリバンの抵抗運動が最も盛んである。アメリカの無人偵察機が絶えずワジリスタンを攻撃し、最近パキスタン軍が実施した作戦で、タリバン戦闘員たちをクエッタ北東部に押し出している。

ある政府関係者によると、これらの戦闘員はバローチスタンのトバ・カカール地域に集まっているという。そのうち西のキラ・アブドゥッラーに、そしてさらにクエッタに流れてくるだろう。

ザーブ〜キラ・セイフッラー地域に住む人々は、抵抗勢力の流入と、無人偵察機がそのうちバローチスタンを攻撃し始めるのではないかというメディア報告を気にしていると、この地域のある政治家が語る。

またクエッタに近い地域に、武装したタリバンがいるという信頼のおける報告もある。特に元難民キャンプだった村に、タリバンがいるという。

しかしハッタブというタリバンが、タリバンが存在する他の地域に行かなかずにクエッタに直行しようとしていたことは、タリバンのシュラーや戦いの指令部がクエッタに存在しないとしても、アフガニスタン内のタリバンの活動を監視する能力のある、中堅タリバンがいる可能性は除外できないことになる。

hoonOn the trail of the Taliban in Quetta
M Ilyas Khan、Quetta

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2010.