【2010年2月8日〜2月14日】


■米ミサイル、パキスタンで抵抗勢力「7人殺害」[100214 AFP]

日曜日にパキスタンの部族地帯にある抵抗勢力の訓練所がアメリカの無人偵察機からミサイル攻撃を受け、7人が死亡した。

北ワジリスタンの中心の町近くにある建物に、ミサイル2発が撃ち込まれた。「無人偵察機による攻撃で抵抗勢力7人が死亡し、4人が負傷した」と、治安関係者が述べた。「詳細を調べるために、調査団を派遣した。僻地なので、通信事情が悪い」という。

別の治安関係者も犠牲者があったことを認め、「外国人4人が犠牲者の中に含まれている。ウズベク人かもしれない」と述べた。

地元政府関係者によると、北ワジリスタンのミランシャーから25キロほど離れた地域の建物が攻撃され、近くにあった車輛1台も破壊されたという(後略)。

hoonUS missile raid 'kills seven' militants in Pakistan
MIRANSHAH

■タリバン、フランス人捕虜のビデオを発信[100214 AP]

タリバンが日曜日に、12月にアフガニスタンで拉致されたフランス人ジャーナリスト2人のビデオを発表した。フランス人たちは政府に、捕虜と交渉するように懇願した。

ビデオはウェブサイトに掲載されて、タリバン報道官のザビウッラー・ムジャーヒッドのリンクがはられていた。ビデオでジャーナリスト2人が釈放を懇願し、サルコジ仏大統領に犯人たちと交渉してほしいと述べた。

2人は12月30日に、雇っていたアフガン人3人と一緒にカピサ州で行方不明になった。仏軍が、この地域で戦っている。

ビデオで記者の1人が3人目の捕虜がいると述べたが、テーブには2人しか登場しない。2人とも髭を剃っていなかったが、元気で丁重に扱われているという(後略)。

hoonTaliban release video of 2 French hostages
HEIDI VOGT、KABUL

■ヘルマンドで大きな作戦[100213 BBC]

NATO主導軍が、2001年以来のアフガニスタンにおける最大の作戦を開始した数時間後に、大きな成功を収めていると発表した。

1万5000人の米軍・英軍・アフガン軍がヘルマンド州のマルジャーとナード・アリに入り、政府の支配下に置こうとしている。

アフガン軍によると、マルジャーの70%が制圧されたと述べ、英司令官が、タリバンの拠点11ヵ所を確保したと発表した。

タリバン司令官は、一般市民を守るために、部下を撤退させたという(中略)。

カンダハル航空基地でNATO軍に同行しているフランク・ガーダー記者によると、今回の作戦の成功は戦場にあるのではないという。問題は、同盟軍がヘルマンドのこの中心地を確保し続け、安全や適切な支配を保持できるかである。

攻撃が開始した数時間後に米兵3人が簡易爆弾で死亡したと、NATO軍が発表した。彼らがモシュラーク作戦で死亡したかどうかは、明らかではない。

作戦の初期の段階でタリバン5人が殺害され、2人が逮捕されたと、アフガン関係者が述べた。

隊は芥子畑の中を注意深く前進し、タリバンが設置した爆弾を踏まないようにしている。ヘルマンド州知事のグーラブ・マンガールが記者会見で、タリバンが「各地に罠をしかけて」いるという。

NATO司令官のニック・カーター少将が語ったところによると、すでに11の拠点を制圧し、今のところ作戦は「非常に成功している」という。「抵抗勢力を大急ぎで捕まえたような印象を与えるかもしれない。彼らは途方にくれていたようだ」。

作戦は土曜日に、米海兵隊がマルジャーにヘリコプターで輸送されて始まった。その後英軍がナード・アリに飛び、それに戦車や戦闘ユニットが続いた。ジェット機やヘリコプターが、ミサイルをタリバンのトンネルや避難壕などの防衛地点に撃ち込んだ。銃撃戦や、抵抗勢力による単発的なロケット砲攻撃などがあった。

マルジャーのタリバン司令官が語ったところによると、一般市民に犠牲者を出さないために、戦闘員たちは撤退しているという。「一般市民が非常に危険な状態にあることがわかったために、彼らの命を救うために撤退する」という(後略)。

hoonMajor offensive targets Helmand

■アフガニスタンのマルジャーで、大きな作戦開始[100212 BBC]

NATO主導軍数千人が、2001年以来最大の作戦をアフガニスタンで開始したと、米軍が発表した。

米海兵隊とアフガン軍が、ナード・アリ地区のマルジャーのタリバンが占拠する町を攻撃している。町を政府の支配下に戻すことが目的である。NATOによると、マルジャーはアフガニスタン南部の中でも最も大きな抵抗勢力の拠点となり、抵抗勢力400〜1000人がいるという。

住民の多数が、モシュタラーク作戦(ダリ語で「一緒に」の意)に先立ち避難した。NATOはマルジャー地域にビラを配布して、作戦を実施することを予告していた。

村人によると、ビラには何人かの抵抗勢力司令官の名前を挙げて、戦闘員にこの地域から立ち去らなければ殺害されることになると警告した。

モシュタラーク作戦は米海兵隊が主導するが、英軍やデンマーク、エストニア隊も参加する。また、初めてアフガン軍が作戦計画を主導した。アフガン警察や、最初の軍事作戦が終了したあと、援護する。

今回の作戦は、オバマ大統領の最大の作戦であるために、政治的に非常に重要である。

hoonMajor Afghan offensive 'under way in Marjah'

■パキスタンの警察、2件の爆弾事件で攻撃される[100211 AFP]

木曜日にパキスタン北西部で、警察を狙った2件の爆弾事件があり、15人が死亡、24人が負傷した。

地元警察責任者のイクバル・マルワートが率いるパトロール隊がちょうど戻るところを狙って、自爆攻撃を含む2件の爆発がバヌーの警察訓練所の外で相次いで起きた(中略)。

「イクバル・マルワートが重傷を負った。ペシャワルにヘリコプターで運ぶ手配をしている。今のところ15人が死亡した」と、地元の病院のハーフィズ医師が語った。犠牲者は「警察官8人と子供と一般市民6人」だという。この他に24人が負傷した。

「2度爆発があった。最初の爆発はゲートの近くで、2度目は自爆攻撃だった。自爆攻撃だったという報告を確認した」と、町の行政官のサルダル・アッバスが述べた。

水曜日にはカイバルでも自爆犯が警察のパトロール隊を狙い、18人が死亡している(後略)。

hoonTwin bombs hit Pakistan police, up to 15 dead
Lehaz Ali、PESHAWAR

■自爆攻撃、コブラ墜落、襲撃で准将他20人死亡[100211 News]

軍の戦闘ヘリコプターが墜落したあと、カイバル行政区のティラ谷に向かっていた救助隊が襲撃され、准将と中佐を含むパキスタン陸軍関係者3人が死亡、2人が重傷を負った。ヘリコプターは水曜日に、抵抗勢力によって撃墜されたという。

さらにカイバル行政区のジュムルッド地区、ワジール・ダンドで自爆攻撃があり、レンジャー部隊員とカサダール関係者18人が死亡した。抵抗勢力は軍がヘリコプターを撃墜したとは発表していないが、軍の情報源が、撃墜された可能性が大きいと述べた。

軍報道官のアサール・アッバス少将は、ヘリコプターは技術的欠陥のために墜落したと述べた。パキスタン陸軍の准将が率いる救出隊が、死亡した2人、パイロットと射撃手の遺体とヘリコプターの残骸を回収するために現場に派遣された。

この救出隊が抵抗勢力に襲撃され、准将が死亡、2人が負傷した。パイロットと射撃手の遺体とともに、墜落したヘリコプターの残骸はまだ回収されていないという。

2機の戦闘ヘリコプターは、マンガル・バーが率いるラシュカレ・イスラームを一掃するために派遣された。ヘリコプターは抵抗勢力の陣地を激しく攻撃したあと一度引き返したが、再び現われ、山中にある拠点を爆撃し始めた。これに対して抵抗勢力が戦闘ヘリコプター2機に発砲し、そのうちの1機が、マンガル・バーの出身の町があるナングローサ地域の近くの森中に墜落した。

数時間後に救出隊が派遣されたが、抵抗勢力が待ち構えていた。ヘリコプター2機から搭乗者が降りるやいなや、攻撃された(後略)。

hoonSuicide hit, Cobra crash, ambush kill brigadier, 20 others
PESHAWAR/JAMRUD

■パキスタン政府関係者、タリバン指導者死亡を確認[100210 AP]

パキスタン政府が水曜日に、タリバン指導者が1月中旬にあったアメリカの無人偵察機による攻撃で負傷し、その後死亡したことを初めて認めた。

しかしハキームッラー・マフスードが死亡しても、アルカイダ系の抵抗勢力にとっては大きな打撃ではないと、アナリストたちは警告する。水曜日には国境近くで部族民の警察官たちを乗せた車に対して自爆攻撃を実施し、17人が死亡した。

パキスタン人タリバンは、いまでもマフスードの死亡を否定しているが、これは前責任者が死亡したときとも同じだった。組織が次の責任者を決めるまでの時間稼ぎとみられている(中略)。

パキスタン人ジャーナリストのラヒームッラー・ユースフザイによると、アフガニスタンの国境付近にある拠点を失い、再結成しようとしているパキスタン人タリバンにとっては、悪い時期に責任者を失ったことになると述べた(中略)。「彼らは生き延びる。爆弾や自爆攻撃で、まだその存在を誇示するだろう」。「しかし、大きな攻撃を行なうことは、難しくなるはだ」。

ハキームッラーの後任としては、南ワジリスタンの司令官ワリウル・レーマン、オラクザイの司令官であるモーラビ・トゥーファンが考えられる。カリ・フセインも候補者として考えられるが、内相のマリーク・レーマンが水曜日に、フセインも死亡したという報告を調査していると述べた。

カイバル部族地域で警察官たちを攻撃した自爆犯は、爆発物を起爆する前に、彼らの車輛に乗り込むことに成功したという。爆発で警察官10人と一般民6人、準軍隊関係者1人が死亡した(中略)。

さらに水曜日にはパキスタン軍のコブラ・ヘリコプターがカイバル部族地帯近くのティラ谷に墜落した。軍関係者によると、ヘリコプターのパイロットと射撃手が行方不明になっており、死亡している恐れがあるという。

数時間後に現場に派遣された救助隊に向かって狙撃者が発砲し、軍関係者1人が死亡、2人が負傷した。

hoonPakistani officials confirm Taliban chief is dead
RIAZ KHAN and MUNIR AHMAD、PESHAWAR

■パキスタン、アフガンの話し合いにおける役割をアメリカに主張[100210 New York Times]

パキスタンがアメリカに、アフガン戦争を解決するにあたり中心的な役割を果たしたいと述べ、国内で活動し自分たちの味方として長い間関係を保ってきたタリバン組織との話し合いを仲介することを申し出たと、アメリカとパキスタンの関係者が語った。

この申し出は、アメリカが去ったあとのアフガニスタンにおけるパキスタンの影響力を強化するものであり、タリバンとの和解が論争されているワシントンにとって、この申し出は有益であるとともに不利ともいえる。

パキスタン陸軍参謀長のキアニ将軍が先月NATO本部で米軍幹部と会った際に、話し合いを仲介することを申し出た。

これまでパキスタンはタリバンに接近することに乗り気でなかったために、政策の変化といえる。会合に参加したのは、マイク・ミュレン軍統合参謀長、デビッド・ベトラウス中央指令将軍、アフガニスタンにおける米軍司令官のマクリスタル将軍である。「パキスタンは、和解を考慮に入れた話し合いに参加することを希望している」という。

パキスタンは、今週イスラマバードを訪問予定の国家安全アドバイザーのジェームズ・ジョーンズと、この件を話し合う予定である。今のところアメリカは、パキスタンがタリバンと話し合うことよりも、彼らに戦わせることを望んでおり、新たな申し出には答えていない。

戦争を解決するためには、パキスタン、インド、中国、イランなどのアフガニスタンの隣国のパワー・ゲームを考慮しなくてはならない。

キアニの考えに精通しているパキスタン人関係者によると、アメリカはアフガニスタンに増兵しているものの、迅速な撤退を望んでいる。特にオバマが議会で戦争に関する言及をほとんどしなかったことでも、このことが明らかである。

パキスタンが提供できるのは、ジャラウッディンやシラージュ・ハッカーニのタリバン組織に対する影響力である(中略)。ハッカーニを制御するかわりに、パキスタンはアフガニスタンにおけるインドの影響力を排除し、友好的なアフガニスタンを求めている。

先週キアニは陸軍本部で記者団に、建設的な役割を果たしたいということを再び繰り返し、アフガニスタン南部に大きな影響力を振るうことを望んでいると明らかにした。ハッカーニの組織は、これを実現するための最大の力となる。

ワシントンの米関係者は、あらゆる和解策に関して、論争がまだ続いているという。しかしパキスタンにできることは、ハッカーニの組織とアルカイダ指導者たちとの間を、区別することだ。

今のところアメリカは、アフガニスタン南部のタリバンやアルカイダを排除するための軍事援助を、パキスタンに求めている。

1月26日のNATOの会議で、米軍司令官たちはキアニ将軍に提供するハードウェアのリストを公示した。M17ヘリコプター、コブラ戦闘ヘリコプターの弾薬、防護着、装甲車量などである。ハッカーニに対処するための見返りとして、パキスタン陸軍に提供するものである。

しかし去年の秋に南ワジリスタンで作戦を実施してアメリカを満足させたキアニ将軍は、動じなかった。「現時点で北ワジリスタンで作戦を実施する必要性はない」と、記者団に語った。

先月彼は、将軍をスワートの山々にヘリコプターで案内した。これはパキスタン陸軍はインドを最大の敵と考え、新たな前線を開くには兵力が足りないことを見せるためである。

(中略)オバマ政権内の一部では、アフガニスタン南部にパキスタンが影響力を振るうためにハッカーニを擁護し続けること許したとしても、ハッカーニにアルカイダとの関係を断たせ、彼らを追い出させることが条件だという意見がある。

(中略)パキスタン軍関係者によると、パキスタン人たちはまずアルカイダ戦闘員の行き先を解決しなければならず、またイエメンなどの他の国へ安全に行ける保証が与えられるかどうかが問題だという。

パキスタン軍はアフガニスタンでの話し合いを模索するいっぽう、ワシントンは警戒している。「アメリカ側は、我々以外の者たちに都合がいいような取り引きが行なわれることを警戒している」と、Council on Foreign Relationsのダニエル・マーキーが語った。

hoonPakistan Is Said to Pursue Role in Afghan Talks With U.S.
JANE PERLEZ、ISLAMABAD

■ハキームッラー、傷のためにムルタンで死亡か[100210 News]

TTP指導者のハキームッラーの死に関する報道が、再び火曜日に出回り始めた。今度は、傷を受けた指導者がカラチに治療を受けるために運ばれる最中に、ムルタンで死亡したという。

しかし抵抗勢力司令官のほとんどが、彼はまで生存していてTTPのシューラのアドバイスに従って地下に潜ったという。

テレビ局が突然火曜日に、ハキームッラーが1月14日の無人偵察機による攻撃で受けた傷のために死亡したと、報道し始めた。またタリバンが彼の死亡を確認したと主張したが、その後TTP報道官がそのような事実はないと否定した(中略)。

報道によると、TTPのシューラが新たな責任者を指命するまで、オラクザイの地元タリバン司令官のヌール・ジャマール別名モーラナ・トゥーファンがとりあえずその役を果たしているという。

2週間前にも、ハキームッラー死亡説が出回ったが、TTP報道官がこれを否定した。

しかしハキームッラーに近いタリバンの情報源はこれらの報道をすべて否定し、彼は極秘の場所に隠れて無事で元気だという。タリバンの首脳陣たちは彼の安全のために、メディアに反応したり、彼が仲間の司令官たちと会うことを禁じている。

「彼がヨルダン人自爆犯とともにビデオに登場した直後から、米軍は彼を追跡している」と、タリバン司令官が述べた。司令官たちは3日前に秘密の場所で、ハキームッラーと話し合いを行なったばかりだという。

この司令官によると、万が一ハキームッラーが死亡した場合は、ムフティ・ワリウル・レーマンが責任者の座に着く。またヌール・ジャマール、別名モーラナ・トゥルファンがTTP指導者の座にノミネートされたというメディアの報道を、あしらった。「モーラナ・トゥルファンは我々の組織の幹部ではない。彼はマモザイ村のAmr Bil Maroof wa Nahi Anil Munkrを率いるにすぎない。彼がTTP指導者になることはあり得ない。

ハキームッラーとワリウル・レーマンの間には、過去において意見の相違があったことは間違いないが、今では親友だという。万が一ハキームッラーが消え、さらにワリウル・レーマンが責任者の座を拒否した場合は、カリ・フセイン、オラクザイ行政区のTTP責任者のハーフィズ・サイード・ハーン、クラーム行政区のモーラビ・ヌール・サラームなどが候補者になるという(後略)。

hoonHakimullah dies of wounds in Multan?
Mushtaq Yusufzai、PESHAWAR

■バジョールの作戦で74人殺害[100210 News]

バジョールのマモンド地区で1週間にわたって実施されている作戦で、治安部隊は抵抗勢力74人を殺害して54人を負傷させ、重要な丘の高見はすべて制圧したと主張した。

(中略)報告によると、抵抗勢力74人が死亡して54人が負傷し、隠れ家や避難壕が破壊された。また兵士10人が犠牲となり、22人が負傷した

hoon'74 killed in Bajaur operation'
Hasbanullah Khan、KHAR

■南ワジリスタンで兵士12人死亡[100209 News]

南ワジリスタンで実施されている作戦で、抵抗勢力との衝突で兵士12人が死亡して2人が負傷したと、軍広報部が月曜日に発表した。

アフマッド・ワム地域で治安部隊とテロリストとの戦いで、テロリスト6人も死亡した。いっぽう日曜日にランガール・ヘールでテロリストと戦って負傷した兵士10人がその後死亡し、これで兵士の犠牲者は15人になった。

軍広報部によると、治安部隊はアフマッド・ワム北部の要所をほとんど制圧し、現在はハワザイ地域で作戦を実施ししている(後略)。

hoon12 soldiers killed in South Waziristan
ISLAMABAD

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