【2010年2月22日〜2月28日】


■CIA殺害は神からの贈り物と爆弾犯[100228 New York Times]

死後に発表されたビデオメッセージで、12月30日にCIA職員7人を殺害した自爆犯が、自分の標的は上司だったヨルダン人諜報組織だったが、予想外にアフガニスタンの基地でCIA関係者に会えることになったと述べた。

「我々はある計画を立てたが、もっと大きな贈り物を授かった。アッラーからの贈り物だ。アッラーは我々に、大きな獲物を与えてくれた。CIAのアメリカ人だ」と、ヨルダン人医師のフマーム・アブ・ムラール・アルバラウィが、44分のビデオで語った。ビデオは日曜日に過激派のウェブサイトに掲載された。

「こうして私はヨルダン人諜報官とCIAを、殉教ベルトで教育してやることにした」。

(中略)この新しいビデオは、アルカイダのプロパガンダ部門『アス・サハーブ・メディア』で発表された。アラビア語と英語のヴァージョンがあり、2カ国語の字幕が流れることから、バラウィがアルカイダと関係していたことだけでなく、この攻撃のメッセージを世界に広げようとする意図が見られる(後略)。

hoonBomber Called C.I.A. Target Gift From God
SCOTT SHANE

■タリバン司令官のビデオ、運命明らかにせず[100228 AP]

パキスタン人タリバンが、組織指導者のハキームッラー・マフスードのビデオを発表したが、彼の言葉からは彼がアメリカのミサイル攻撃で死亡しなかったかどうかを証明することができなかった。

(中略)アメリカもパキスタンも、彼がミサイル攻撃で受けた傷のために死亡したと確信しているが、抵抗勢力たちは、彼が生きていることを証明する責任を感じていないと述べている。

『AP』が土曜日に入手した43分のビデオには、元気なマフスードが伝統的なパキスタンの服を着て、インタビューに答えている様子が映し出されていた。覆面をした別の男が、マフスードにマイクを差し出している。

マフスードはアフガニスタンとパキスタンで聖戦を戦うことを強調し、米軍にはパキスタンの部族地帯に入ってはならないと警告する(中略)。

タリバン関係者が北ワジリスタンで、このビデオを『AP』の特派員に手渡した(後略)。

hoonVideo of Taliban commander leaves fate unclear
RASOOL DAWAR、DERA ISMAIL KHAN

■裁判所、「タリバンの引き渡し」を禁じる[100226 BBC]

最近パキスタンで逮捕されたアフガン人タリバン幹部司令官は引き渡さないと、ラホール最高裁判所が判決を下した。

アブドゥル・ガーニ・バラダール師が2月上旬に逮捕された。また裁判所は、最近逮捕されたとされる他の4人のタリバン指導者たちの引き渡しも禁じた。

しかしパキスタンは、逮捕された他のタリバンの身元を明らかにしていない。

今回の判決は、人権団体が彼らを海外に引き渡すことを防ぐためのに提出された申し立てに答えたものである。

「裁判所は、逮捕された指導者は1人たりともアメリカまたはアフガニスタンに引き渡してはならないとした」と、申し立てを取り扱った弁護士のタリーク・アサドが述べた。「またパキスタンの諜報組織と治安関係者以外は、これらのタリバン指導者と接してはならないという判決も下した」という。さらに政府には、これらの男たちが逮捕された根拠を明らかにするべきだと述べた。

パキスタン政府はバラダール師の逮捕を認めているものの、他の逮捕者の身元を明らかにしていない。パキスタンのある政府関係者がアメリカのメディアに、最近重要なアフガンタリバン数人が逮捕されたと述べている。

逮捕されたのは、クンドゥーズ州「影の知事」ムッラー・アブドゥル・サラーム師、バグラーン州「影の知事」のミール・ムハンマド師、タリバン幹部でナンガルハール州「影の知事」のアブドゥル・カビール師といわれている。

申し立てには、上述のタリバンとともに、パキスタンを拠点とするタリバン幹部だというアミール・ムアウィヤの名前が挙げられている。さらに2月22日に逮捕が報道されたムハンマド・ユーニス師というタリバン幹部がいるが、彼がいつ、どこで逮捕されたかは、明らかではない。

これらの判決により、アメリカやアフガニスタン政府が逮捕された司令官たちと接することが当分禁じられることになる。

smellCourt 'bans Taliban extradition'
Syed Shoaib Hasan、Islamabad

■指名手配のパンジャーブ人過激派、水曜日の無人偵察機の攻撃で死亡[100226 News]

木曜日に治安関係者が語ったところによると、水曜日に北ワジリスタンで無人偵察機による攻撃で死亡した3人の過激派は、2006年にカラチで起きた米領事館に対する攻撃に関与していたカリ・ムハンマド・ザファールを含む重要な司令官だったという。

アメリカは、ザファールに対して500万ドルの懸賞金を懸けていた(中略)。

ミランシャーの治安関係者によると、カリ・ザファールと一緒に死亡したのは、ラナ・アフザル別名ヌール・ハーンとバハドゥール・マンスールだという。

無人偵察機がダルガ・マンディ地域のピーラノ・キレイにあるバドル・アブ・マンスールと呼ばれる過激派の訓練所に、ミサイル2発を撃ち込んだ。建物が崩壊し、駐車していた車2台が瓦礫の中に埋まった。

建物に住んでいたのはパンジャーブ人で、過激派組織のハラカット・アルジハーディ・イスラミの人間だったという。

カリ・ザファールはカラチの米領事館を攻撃したほかに、2008年9月のマリオット・ホテルの車爆弾を首謀したと言われる。

ラナ・アフザル別名ヌール・ハーンは、パンジャーブのハニワール地区カビール・ワラの出身だという。ムルタンのISI支部など、政府関係の建物に対する攻撃に関与していた。

(中略)ミランシャーの関係者によると、この無人偵察機による攻撃で過激派11人が死亡し、木曜日には重傷を負った2人がさらに死亡した。犠牲者のうちの3人はアラブ人だったという。

またパキスタン人幹部司令官3人とアラブ人3人の6人が、それぞれ秘密の墓地に埋葬された。カリ・ザファールは指名手配になると北ワジリスタンに移り、そこを拠点としながらアルカイダに協力していた。アフガニスタンにたびたび越境しては、米軍と戦っていた(後略)。

hoonWanted Punjabi militant dies in Wednesday痴drone attack
Mushtaq Yusufzai、PESHAWAR

■パキスタンのタリバン逮捕の背景[100226 BBC]

最近パキスタンでは、アフガン人タリバン指導者が何人か続けざまに逮捕されている。これらの逮捕の背景に何があるのか、世界は不審に思っているが、真相が明らかになるまでにはまだ時間がかかりそうだ。

2月に入って、アフガニスタンの「影の州知事」4人が逮捕されたという。しかし今のところ、パキスタン軍は1人だけ、アブドゥル・ガーニ・バラダール師の逮捕だけを認めている。しかし、他の逮捕者に関しては、否定もしていない。それでいてアメリカのメディアは、匿名のパキスタン人諜報関係者の話として、これらの逮捕を報道している。

政府の承認なくしてこれらのリークが行なわれることは、普通考えられないことだ。アメリカに追随していると見られたくないパキスタンにとって、これらの逮捕を認めることは非常にデリケートなことであり、曖昧に留めておくのが常だった。

(中略)逮捕の理由に対する憶測はさまざまだが、最近の逮捕は、タリバン運動を分裂させて、「穏健派」を政治に引き込もうとする取り引きに応じさせようとする、アメリカの戦略の一部である可能性がある。

タリバン幹部の逮捕で歩兵たちの意気が下がり、米主導の作戦終了後に彼らが分裂した場合、再結成する能力が低くなる。

その後、これら指導者たちはタリバンとの取り引きの一部として釈放され、アフガン社会に参加するための統合運動を主導させる。

平和維持や再建が実現すれば、タリバンの影響力は急激に低下する。なぜなら彼らは部族的、地域的、政治的な存在と張り合わなければならないからだ。

そうなれば、アフガニスタンに対するパキスタンの影響力も低下することになるが、パキスタンはそれを許すか?

今のところ逮捕された指導者たちは、全員パキスタンISIに近い人間で、イデオロギー的な人間というよりは現実主義者たちだという。ということは、もし取り引きすることを念頭に逮捕されたのではないなら、彼らを拘束することでタリバンとの対話の道を閉ざすでけでなく、タリバン運動を、もっと残虐な次世代指導者に委ねてしまうことになる。

パキスタンは、タリバン運動の中の自分たちの子分を排除するこで、組織に対する影響力を排除してしまってはならない。親インド的なアフガニスタンにおいて、彼らが唯一の友達であるからだ。

パキスタンは、アフガニスタンにおける役割を軽減することを、決めたのかもしれない。

逮捕されたタリバン指導者たちの運命と、今後さらなる逮捕があるかどうかを見守ことで、パキスタンの戦略が明らかになるだろう。公式のコメントは、ないままに。

hoonWhat lies behind Pakistan's Taliban arrests?
M Ilyas Khan、Islamabad

■北ワジリスタンの無人偵察機の攻撃で、過激派9人死亡[100225 News]

北ワジリスタンのミランシャー近くのピーラナ・キレイにあった民家が米無人偵察機で攻撃され、パンジャーブ人過激派9人が殺害された。

情報源によると、パンジャーブ人タリバンが住む家屋にミサイル2発が撃ち込まれた。家は崩壊し、近くに駐車していた車2台が瓦礫の下敷きになった。

ダルガ・マンダイのピーラノ・キレイは、ミランシャーから6キロ離れている。家に入ろうとしていた車にミサイルが撃ち込まれ、別のミサイルがその後民家に撃ち込まれたという報告もある。

情報源によると、5人が即死して4人が負傷した(中略)。その後、負傷者も死亡した。

いっぽうアフガン人と思われる2人の男の遺体が、ミラリで発見された。2人は銃で撃たれ、米軍のためにスパイ活動をしていたというメモが遺体に残されていた(後略)。

hoonNine militants killed in NWA drone attack
Malik Mumtaz Khan & Mushtaq Yusufzai、MIRAMSHAH/PESHAWAR

■CIAとパキスタン、協力。しかし慎重に[100224 New York Times]

パキスタンの首都にある1/9と呼ばれる工業地帯にある極秘収容所で、パキスタン人とアメリカの諜報関係者は、片方の目で先月逮捕されたタリバン幹部指導者を監視し、残りの目でお互いを監視する。

CIAとISIはこれまで長い間複雑な関係を保って来た。今でも互いに別々の目的に向かって動いている。お互いそれぞれアフガニスタンにおける自分たちの影響力を守ろうとして、画策している。

(中略)ISIはタリバンのいくつかの組織を摘発しているが、それはある程度タリバンを弱体化させることで、自分たちが話し合いの中心になるためである。いっぽうで完全に弱体化するのではなく、新たなアフガン政府が樹立した際には自分たちが影響力を及ぼすことができる範囲内に、彼らの力を残そうとしている。

たとえ米政府がタリバンの一部と和解が必要と考えたとしても、カブールの中央政府の力を強めてタリバンを弱体化させようとするアメリカの目的とは異なる。

両者の関係は、バラダール師の逮捕直後から表面化した。ISIはCIAに取り調べに参加することを拒否したからだ。アメリカ人たちはその後、収容所に入ることは許可された。水曜日にイスラマバードでパキスタンとアフガン政府関係者が会い、バラダール師をアフガン政府に引き渡すための話し合いを行なっている。引き渡しが行なわれれば、アメリカ人たちは自由に彼を取り調べることができる。

バラダール師の他に、ここ数週間の間にタリバンの「影の知事」や幹部指導鵜者たちがパキスタンで逮捕されている。

アフガニスタンの米軍幹部が水曜日、ISIはこれらの逮捕を行なうことで、タリバンとアフガン政府との間で予定されている和解計画のタイムテーブルを早めようとしているようだと述べた。「何を計画しているかはわからないが、何かに備えていることは確かだ」という。

hoonC.I.A. and Pakistan Work Together, but Do So Warily
By MARK MAZZETTI and JANE PERLEZ、ISLAMABAD

■米無人偵察機、パキスタンで8人殺害[100224 AFP]

水曜日、アフガニスタンとの国境近くの部族地帯にあるタリバンの拠点が米無人偵察機によるミサイル攻撃を受け、過激派8人が死亡した。北ワジリスタンのダンディ・ダルパ・ヘールが攻撃された。

「米無人偵察機がミサイル3発を撃ち込み、過激派8人が死亡、6人が負傷した。重傷者もいる。車も破壊された」と、ペシャワルの治安関係者が述べた。「建物が攻撃された。犠牲者は増える可能性がある」。犠牲者の身元は明らかではない。

建物にミサイル2発が撃ち込まれ、別のミサイルが近くのダルガ・マンディ村を走行していた車に命中した(中略)。水曜日に攻撃された建物は、ハッカーニの部下が使用していたと当初関係者が述べていたが、後にパキスタン人タリバンが使用する建物だったと訂正した。

hoonUS drone strike kills eight in Pakistan: officials
Hasbanullah Khan、MIRANSHAH

■パキスタンがタリバンナンバー2を引き渡すと、アフガン政府関係者[100224 AP]

パキスタンで逮捕されたタリバン幹部指導鵜者はアフガニスタンに引き渡されると、水曜日にアフガン政府関係者が述べた。しかしイスラマバードは、彼を引き渡してほしいという正式な要請を受けていないと述べ、まずはパキスタンで裁判にかけるという。

(中略)アフガニスタンのハーニフ・アトマール内相の報道官のゼメリ・バシャーリによると、パキスタンはバラダールをアフガンに引き渡すことに同意したという。バラダールは現在イスラマバードで、FBIやパキスタン政府関係者の取り調べを受けている。「パキスタンはバラダール師の引き渡しに同意したが、法組織との間の調整がまだ行なわれていない」。

パキスタンのレーマン・マリーク内相は、アフガニスタン政府からバラダール師の引き渡しに関する正式な要請があることを予想しているが、引き渡しは行なわれないという声明を発表した。「パキスタンは、パキスタンへの不法入国など、バラダール師が犯した犯罪に対して正式に起訴して調査する」。「もしバラダール師がパキスタン国内で犯罪を行なったのであれば、パキスタン国内で裁判にかける」という(後略)。

hoonAfghan official: Pakistan to give up Taliban No. 2
ROHAN SULLIVAN and RASOOL DAWAR、ISLAMABAD

■重要なタリバン司令官、カラチで逮捕[100224 News]

諜報組織関係者が、カラチのラスベラ地域で重要なタリバン司令官を逮捕して武器やCDなどを押収したと、火曜日に『Geo』テレビが報道した。

しかしカラチの警察は、逮捕の事実はないと述べた。

情報源によると、諜報組織関係者がラスベラ地域で家宅捜索を行ない、司令官幹部を逮捕したという。男は後に、ウマル・アブドゥル・レーマン別名セラーブと特定された(後略)。

hoonKey Taliban commander captured in Karachi
KARACHI

■パキスタンの過激派組織、規制をくぐり抜ける[100223 AP]

(前略)ムンバイのテロのあと、60歳のイスラーム学教師は自宅軟禁になったが、6月にラホール最高裁判所により釈放された。過ちを起こした証拠は全くないという。10月に裁判所はサイードに対する立件はしないとし、政府はこれまでも正式にジャマット・ウッダーワの活動を制限したことはないと述べた。政府は最高裁判所に異議申し立てをしている。

しかし裁判所の反対が出る前も、パキスタンは規制を積極的に行なっていないと、批判者たちは主張していた。

サイードは自宅軟禁を利用して、彼の組織を取り締まろうとする政府の試みに公然と挑戦した。

今月行なわれた政府の「カシミール・デー」でサイードはラホールの支持者たちに向けて、「ヒンドゥー教徒を殺すためにラシュカルが来たぞ」と、ラシュカルの旗を掲げて叫んだ。「もしアメリカがNATO軍と一緒になってもアフガニスタンを占領できないなら、インドもカシミールを占拠しつづけることはできないだろう」。

ジャマットのような組織の不満は、怒りを爆発させて発散する。「活動を禁じられているテロ組織が、政府に挑戦することを許されていることが驚きだ」と、政治家のシェリー・レーマンが語る(中略)。

ラホールの警備関係者や政府関係者は、サイードと彼の組織に対して行動できない理由を挙げる。インドはムンバイ攻撃に関して、何の証拠も提出していない。去年パキスタンで起きたイスラーム過激派の攻撃には、全く関与していないと主張している。ラホールで組織が経営する学校を封鎖すれば、数千人が教育や診療所での治療が受けられなくなるからだ。

しかしアナリストによると、パキスタンはジャマットを取り締まらないいくつかの理由があるという。

「パキスタンはこれらの組織を政治のグレー・ゾーンにしている。インドに対する保証が何もないために、今後も同じだろう」と、防衛アナリストのハッサン・アスカリ・ラズヴィが語る。「この問題に進展がない限り、パキスタンはこれらの組織を望まれないものとは見ない」。

(中略)政府が任命した係官が、ラホール郊外のムリドケにある組織の本部を監視している。75エーカーの敷地に学校や病院があり、近隣の住民はただで利用できる。馬を育て、ブールもある。

しかし、スタッフはすべてジャマートのメンバーである。ただしハーン大臣によると、彼らは「熱心なメンバーではない」という(後略)。

hoonPakistani militant group easily evades ban
ASIF SHAHZAD and CHRIS BRUMMITT、LAHORE

■タリバン、話し合いから遠のく[100223 Asia Times]

パキスタンのカラチでアブドゥル・ガニ・バラダール師が逮捕されたあと、アフガニスタンの最高司令官として、元タリバン政権の航空大臣だったアフタール・マンスール師が着任するようだ。

タリバンの情報源が語ったところ、オマール師は最近タリバンの指令系統を分散しつつあるために、今回の人事は組織の調整という面より、象徴的かつ本質的なものである。これは司令官たちにこれまで以上に自由を与え、万が一オマール師が逮捕されたり殺害されたとしても、機能し続けるためである。

マンスールは50歳ぐらいで、カンダハル出身である。1メートル82センチあり、長い髭を生やして目立つ(中略)。マンスールは1899年にインド航空がハイジャックされてカンダハル空港に着陸した際に、一挙に注目を浴びた。インドが拘束していたパキスタン人過激派と人質の釈放を交渉したときに、重要な役割を果たしたのである。

2001年にタリバン政権が転覆したあとはカラチで数年過ごし、その後タリバンが再結成されると、アフガニスタンでの活動を開始した。

「マンスールが任命されると思われるが、まだ決定的ではない」と、あるタリバン中堅関係者が述べた。「しかし、最高司令官たちの地位は儀礼的なもので、組織の調整のためにすぎない。新たな編成のなかでは軍事作戦は完全に細分化し、それぞれ地域の司令官に委ねられた。彼らにすべてが任される」と、あるタリバンが語る。

「そのために、バラダール師の逮捕は軍事作戦に大きな影響を与えなかった。マルジャーの戦いにも影響していない。軍事作戦は、彼の逮捕で左右されない」。

元タリバン内相のアブドゥル・ラザークなどが自らアメリカとの話し合いに応じたり、故ダドゥッラー師とオマール師との間で作戦上の対立があったあと、オマール師は広範囲に呼びかけて作戦会議を開いた。タリバンの旗のもとで戦う人間は、誰でもこの会議に参加する権利が与えられた。オマール師に近い人間でなくても、抵抗運動を行なう者なら、誰でもが受け入れられた。

こうしてタリバンの外の人間だった、元ムジャヒディン司令官だったシラージュッディン・ハッカーニも、この会議のメンバーとなった。モーラビ・アブドゥル・カビールも同様である。カビールはタリバン政権時代、ナンガルハール知事だった。彼は先週末に、パキスタンの北西辺境州のノーシェラで逮捕された。

《バラダール師の不思議な事件》

当記者はタリバン運動に関係している5人の重要な人物と、バラダール師の逮捕や、なぜパキスタン軍が彼をアメリカに引き渡したかを話し合った。CIAはいずれバラダール師を追跡したはずだから、パキスタンは先回りをして、彼をアメリカに引き渡した可能性がある。または1月26日にパキスタンのファイサラバードでアブドゥル・サラーム師とミール・ムハンマド師が逮捕された結果、彼らからの情報からバラダール師が逮捕された可能性もある。

「何らかの理由でパキスタン軍はバラダール師をアメリカに引き渡した。圧力に屈してか、あるいは欲のためかはわからないが、今となってはタリバンの信頼をなくし、タリバンとの対話はもはや可能ではなくなった」と、タリバン幹部に近い情報源が語る(中略)。

「タリバンはパキスタンを、仲介者として受け入れない。タリバンは話し合いに応じ始めていた。しかしバラダール師の逮捕のあと、タリバンはかたくなになるだろう」と、情報源は語る。

カラチにいる情報源によると、バラダール師の逮捕は、アメリカ人とパキスタン人のチームが、警察や奇襲隊に声をかけずに実施した、初めて合同作戦だという。

これまでパキスタンがまずテロと関係する人間を逮捕して取り調べ、その後アメリカに引き渡すのが常だった。しかしバラダールに関しては、一緒に取り調べを行なっている(後略)。

hoonTaliban's mood swings against talks
Syed Saleem Shahzad、KARACHI

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2010.