【2010年3月1日〜3月7日】


■アルカイダ工作員、パキスタンで逮捕[100307 New York Times]

米国人と思われるアルカイダ工作員が最近カラチで治安関係者に逮捕されたと、パキスタン人政府関係者が日曜日に語った。

米国人とパキスタン人関係者によると、逮捕されたのはペンシルバニア生まれのアブ・ヤハ・ムジャヒディン・アル・アダムで、アフガニスタンのアルカイダ組織と活動を共にして、戦闘員たちを指揮していたという。

逮捕に関して語った米国人関係者によると、逮捕されたのは白人で、英語とパシュトウ語の両方を話すという。

彼に関してはほとんど情報がないと米国人関係者が語り、逮捕に米国人関係者が関わっていたかどうかもはっきりしない。逮捕者が米国人だということも、確認されていない。

当初この男は、アルカイダ報道官でカリフォルニア出身のアダム・ガダーンと間違われていた。ガダーンはしばしばビデオで登場して、アメリカを攻撃するよう人々に呼びかけている。

日曜日に政府幹部が、逮捕されたのはガダーンとは思えないと語った。数時間、パキスタン側から情報を確認することはできなかった。オバマ大統領には逮捕に関する報道が伝えられたが、後に情報は正確ではなかったことが明らかになった。

ガダーンは2004年以来、FBIにより指名手配になっている(中略)。最近もガダームはビデオに登場し、ムスリムたちに、11月にフォート・フッドで13人を射殺した米国人のニデール・マリック・ハッサンに追随するように呼びかけていた(中略)。

ワシントンのオバマ政権幹部関係者によると、パキスタン政府はまだバラダール師を拘束しており、米国人捜査官たちは定期的に取り調べをすることを許可されているという。

関係者によると、タリバンとISIとの長期にわたる関係から、パキスタン政府は、米関係者よりもバラダール師に対して大きな影響力を持つという。ISIはバラダール師の家族を匿っていると、米関係者は見ている。パキスタン政府がバラダール師に対して、厳しい取り締まりをしているとは考えられないと述べた。「彼が知っていることはすでに知っている」と、関係者が語った(後略)。

hoonQaeda Operative Arrested in Pakistan
JANE PERLEZ and ERIC SCHMITT、ISLAMABAD

■パキスタン北西部のタリバン指導者、ガンマンに殺害される[100307 AP]

銃を持った男たちが北ワジリスタンのパキスタン人タリバン司令官を殺害したと、パキスタンの諜報関係者と抵抗勢力が述べた。

地元タリバンによると、モーラビ・ヌール・ムハンマドが土曜日の夜ミランシャーのそばで、最近彼が拷問して殺害した男性の親戚たちに襲撃されて死亡したという。

諜報関係者によると、ムハンマドは約400人の部下を従い、他の司令官と協力してアフガニスタンで米軍とNATO軍と戦っていた。

hoonGunmen kill Pakistani Taliban leader in northwest
RASOOL DAWAR、MIR ALI

■アフガン南部のタリバンを率いるのは元グアンタナモ囚人[100306 Reuters]

アフガニスタンの戦いの最も激しい地域の抵抗運動は、元グアンタナモ囚人が率いると、NATO関係者が述べた。部族民との和解のために、アフガン政府が釈放した男である。

アブドゥル・カユーム師とザキール師の2つの名前を持つ男は、2001年に逮捕され、2007年にブッシュ政権がアフガン政府に引き渡すまで、グアンタナモにいた。彼は現在ヘルマンドを含むアフガニスタン南部のタリバン軍の司令官で、タリバンナンバー2と軍の総指揮管の候補に挙っている。

カユームは2007年にカブールに移され、2008年に政府により和解プログラムの一環として釈放された。抵抗運動に関与するパシュトゥーン族との和解計画の試みとして、カルザイ大統領自身が釈放を認可した。

(中略)カユームは30代前半と思われ、逮捕されたバラダール師の後継者と予想される2人のうちの1人である。もう1人の候補者は、アフガン東部の司令官であるマンスール師である。

(中略)今のところ抵抗勢力たちはバラダール師の逮捕を認めていない(中略)。「バラダール師を逮捕したというのなら、なぜ公開しないのだろうか」と、タリバン報道官のザビブッラー・ムジャーヒッドが述べた。

しかし南部の司令官のハフート・ハーン師が、バラダールの後継者にはカユームがなる可能性が高いと語った。彼はバラダールよりも、もっと攻撃的である。「カユーム師に代わることで、タリバン運動はもっと強力になる」。

バラダール師が逮捕されたことで、タリバンはさらに過激になり、和解が難しくなる可能性がある。バラダール師はカルザイと同じパシュトゥーン族の出身であるために、カルザイの和解の申し出を最終的には受け入れると見られていた。

いっぽうカユームはオマール師と同じ氏族の出身である。今週マクリスタル将軍が『ニューヨーク・タイムズ』とのインタビューで、バラダールの逮捕はタリバンの首脳陣内の対立の結果である可能性もあると述べた。

NATO関係者は、カユームがバラダールを排除した証拠は何もないと語った(後略)。

hoonTaliban fight in Afghan south led by ex-Gitmo inmate
Peter Graff、KABUL

■ファキール司令官、モーマンドで殺害か[100306 Dawn]

治安部隊が金曜日に、戦闘ヘリコプターがモーマンドにある抵抗勢力の拠点を爆撃した。

関係者によると、ヘリコプターがバジョールと接するペンディアリ地区のトズ・サガイ地域とエンザリ・ミアンガン地域にある2つの建物を攻撃した。この攻撃で、未確定情報だがTTPの幹部司令官3人、モーラナ・ファキール・ムハンマド、カリ・ジアルル・レーマン、スワートのファテ・ムハンマドが死者の中に含まれているという。

政府関係者や諜報関係者は、この報道を確認していないが、ある関係者によると、ファテ・ムハンマド「司令官」が死亡したという。またある情報源は、モーラナ・ファキールと別の2人の司令官を水曜日にモーマンドで目撃したと述べた。

モーラナ・ファキールは先週ダマドーラの拠点が軍に占拠されたあと、モーマンドに移っていた。

金曜日に攻撃された建物は、ラヒーム・ミアンとグーラム・ミアン所有のものだったが、抵抗勢力30人が死亡したという報告は確認できていない。

ガラニのモーマンド・ライフル本部で、木曜日にチャマルカンドの検問所で起きた衝突で死亡した4人の過激派の遺体が公開された。関係者によると、抵抗勢力の襲撃のあとに発生した衝突で、抵抗勢力40人が死亡したという。

hoonTTP‘commander’Faqir reported killed in Mohmand
Fouzee Khan Mohmand、GHALANAI

■TTP幹部司令官、モーマンドの爆撃で死亡[100306 News]

モーマンド行政区ラワルピンディアリ・イェシルに対する戦闘ヘリコプターの攻撃で、モーラビ・ファキール・ムハンマド、モーラビ・アブドゥル・ワリ、カリ・ジアウル・レーマン、オマル・レーマン別名ファテを含むタリバン幹部司令官たちが死亡した可能性があると、金曜日に軍関係者が述べた。

「ピンディアリの過激派の隠れ家を攻撃したところ、諜報情報によると、ここにファキール・ムハンマド、オマル・ハリッド、カリ・ジア、スワートのファテが隠れていたという」と、軍関係者が述べた。

地元の情報源から、攻撃の際にこの隠れ家に司令官たちがいたという報告を受け、彼らが殺害されたか負傷した可能性があるという(中略)。国境警察隊の情報源によると、戦闘ヘリコプターによる攻撃に先立ち、抵抗勢力と治安部隊の間で激しい銃撃戦が起きた。国境警察の弾薬が尽きたために、金曜日の午後3時頃に陸軍の戦闘ヘリコプターが呼ばれた。

ファキール・ムハンマドは、バジョールのタリバン指導者でTTP副指導者でもある。これらの幹部司令官たちがいるという報告を受け、作戦が実施された。

関係者によると、スワートの凶暴な過激派ファテの本当の名前はオマール・レーマンで、スワートから多数の戦闘員を率いてバジョールに移ってきていた。その後バジョールで身を寄せていた仲間たちが軍事作戦のためにモーマンドに移ったために、一緒に移動した。またアフガン人タリバン司令官のカリ・ジアウル・レーマンも、戦闘ヘリコプターが空爆を行なったときに現場にいたという。

ジアウル・レーマンは、バジョールのチャルマングで活動し、2008年8月に起きた治安部隊との戦闘で、激しい抵抗運動を繰り広げていた。カリ・ジアウル・レーマンはその後アフガン人タリバン司令官の介入でアフガニスタンに戻り、その後クナール州マラワラの司令官となった。

しかし抵抗勢力の情報源は、これらの報告を否定している。2人の司令官、カリウル・レーマンとファキール・ムハンマドが一ヵ所にいた可能性は少ないという。2人は仲違いしており、ライバルだった。

またモーマンドにファテ司令官がいた事実もないと述べ、軍事作戦が行なわれたあとにアッパー・ディールに移り、まだそこにいるという。去年マラカンドのブネールに侵攻したのが、ファテ司令官である。タリバンが到着する前に政府関係者が全員逃げていたので、銃を1発も発射せずにブネールを占拠した。

hoonSenior TTP commanders die in Mohmand bombing
PESHAWAR

■パキスタンの車列が爆発[100304 BBC]

パキスタン北西部のハングで自爆攻撃があり、少なくとも4人が死亡、15人が負傷した。

ハングのタイルからクラム地域のパラチナールに向かっていた車列が、攻撃された。犯行声明は出ていない(後略)。

hoonDeadly blast hits Pakistan convoy

■戦闘でタリバン37人と兵士1人死亡[100304 AFP]

パキスタンによると、木曜日にタリバン数十人が準軍隊の検問所を襲撃したあと、地上戦と空爆でタリバン37人を殺害した。

(中略)夜明け前に、武装した100人ほどのタリバンが、モーマンド行政区のチャマルカンド町の国境警察隊の検問所を襲撃し、兵士1人を殺害、4人を負傷させた。

「迫撃砲や長距離大砲で武装した軍が報復し、過激派30人を殺害した」と、地元行政府関係者のマクスード・アフマッドが述べた。

軍も衝突があったことを認め、30人が死亡したと主張した(中略)。

また木曜日に、パキスタンのジェット戦闘機がオラクザイにあるタリバンの拠点を攻撃した。「ダボリが空爆された。オラクザイの山岳地帯である」と、地元行政府関係者のファズレ・カディールが語った。「隠れ家2ヵ所が破壊され、過激派7人が死亡した」(後略)。

hoonPakistan fighting 'kills 37 Taliban, one soldier'
Lehaz AliThu、PESHAWAR

■別のアフガン人タリバン幹部、逮捕[100304 AP]

パキスタンの諜報組織が、アフガン人タリバン幹部司令官を逮捕した。

元財務大臣だったアガ・ジャン・モータシムがカラチで拘束されたと、木曜日に諜報関係者2人が述べた。どこで逮捕されたかは明らかにしなかった。

(中略)これに先立ちレーマン・マリーク内相が、モータシムが逮捕された情報はないと述べた。またアフガンタリバン報道官のカリ・ユーセフも、逮捕の事実を否定した。

モータシムは、以前逮捕されたバラダールの後任者になったと言われていた。60年代後半生まれのモータシムは、オマール師に近い関係にある。タリバンの中では、最も過激なグループのメンバーではないという(後略)。

hoonPakistan: Another senior Afghan Taliban in custody
MUNIR AHMED、ISLAMABAD

■元パキスタン人大佐、政治的謎を語る[100303 New York Times]

白いターバンと長い髭を生やし、着古した軍のジャケットを着た、イマーム大佐(あだ名)は、パキスタンの謎である。

アメリカで訓練を受けたパキスタンの諜報機関の元大佐は、アフガニスタンを行き来しながら20年間戦闘員を育ててきた。まずはソ連軍と戦うため、その後はタリバンを支持するためにである。

今日そのタリバン軍は、以前の味方だったアメリカと戦っているが、欧米政府関係者によると、イマーム大佐はいまだに抵抗勢力を訓練し、集め、資金を与えている。他の退役諜報機関関係者とともに、彼らは2006年にタリバンが再起するのを手伝った。

最近の『ニューヨーク・タイムズ』とのインタビューでイマーム大佐は、これらの事実はないと述べた。しかし彼はタリバンを公然と支持する。彼の見解は、これまでパキスタン陸軍や諜報機関幹部の間で受け継がれて来たような、タリバンに対する共感である。

パキスタンは最近タリバン幹部司令官を逮捕しているが、イマーム大佐のような人間がいる限り、パキスタンのタリバンに対する本当の意図が疑問視される。

アメリカやNATO関係者は、イマーム大佐のような元退役軍人たちがタリバン指導者とその歩兵たち、そして他の過激派組織との間の橋渡しをしていると疑っている。

退役したイマーム大佐は(実名はスルダン・アミール将軍)は、ラワルピンディに住む。陸軍本部から、目と鼻の先である。

インタビューに応じたイマーム大佐は、タリバンと関係があることを否定した。しかし「フリーランス」−−これは元パキスタン陸軍や諜報組織関係者を意味する−−の中には、抵抗勢力に協力するものもいるという。

もしイマーム大佐が、パキスタンがタリバンに対して取る両面作戦的な政策を象徴する人物であるのなら、パキスタンがアフガン抵抗勢力と結ぶ深い関係の鍵となる人間であり、また彼らをコントロールすることができる重要な人間でもある。

かつてはアメリカの有望なスパイとして、1974にノース・カロライナのフォート・ブラッグで特殊部隊の訓練を受けた。そこで特に爆発物に関する訓練を受け、第82パラシュート隊とともに、パラシュートコートに進んだ。

パキスタンに帰ると、1978年に共産主義政権から逃げてきたアフガン人学生に、抵抗運動のための戦略を教えた。彼の生徒には、グルブディン・ヘクマチアルやアフマッド・シャー・マスードもいる。その後1990年代にはCIAと一緒に、ソ連軍と戦うアフガン抵抗運動のために数千人のゲリラ戦士たちを訓練し、協力した。

ソ連を追い出すタリバンが出現し、当時アフガニスタンのパキスタン領事館で仕事をしていたイマーム大佐は、彼らがアフガニスタンを支配するために、大きく貢献したという。

彼の話によると、彼はオマール師と非常に親しく、9.11のあと彼の所に赴き、アメリカが爆撃を開始するまで一緒に過ごしたが、それ以後はアフガニスタンに戻っていないという。オマール師との別れ際には、戦い続けること、しかもゲリラ戦法を用いることをアドバイスしたという。

イマーム大佐は、以前一緒に仕事をしたアメリカ人たちを高く評価するが、アメリカはアフガニスタンで敗北するだろうと予測した。彼の見解はタリバン寄りではあるが、彼の考えを良く知っている人間にとっては重要である。

彼によると、タリバンを負かすことはできない。またバラダール師が逮捕されたからと言って、弱体化することもない。タリバン運動は分化されているために、現場の司令官は自分で計画を立て、資金を集め、武器などを調達する。「タリバンを一掃することはできない。彼らを征服することはできない」という。「しかし、彼らはアメリカ人たちを疲れさせることができる。3〜4年もすれば、アメリカ人たちは疲れてしまう」。

オバマ大統領が増兵したことを批判する。「彼らは、戦略上決してしてはならないことをしている。過ちを上塗りしている」。「これまで以上に車列や航空機や輸送物資が多くなれば、抵抗勢力たちにとっては標的が増えることになる。彼らは喜んでいる」。

(中略)またタリバンたちを寝返らそうとする計画はうまくいかず、大物のタリバンが出てくることはないという。「スーパーパワーが賄賂を使うとは、恥知らずだ」。

いっぽう彼はオマール師を賞賛する。彼が訓練した数千人の中で、オマール師のような宗教的な生徒はその義務感のために、最も「強力な」反抗分子になるという。

最近のタリバンは悪い人間に訓練され、犯罪を犯しているという。オマール師は、そういうタリバンを現取り締まっていると述べた。またスワートでパキスタン陸軍と戦ったパキスタン人タリバンを、批判した。彼らは「ならず者」で、「制圧」しなければならないという。

しかしアフガニスタンにとっての解決策は、タリバン首脳陣との話し合いだという。オマール師は平和を望み、協力できると述べた。また、ビンラディンを含むアルカイダをアフガニスタンから追い払うことができる、あるいは彼らが活動できなくすることができる、唯一の人間だという。2001年にオマール師がビンラディンを引き渡すことを拒んだのは、もし引き渡したら、それに続いてさまざまな要求されるだろうと計算したからだという。

hoonFormer Pakistani Officer Embodies a Policy Puzzle
CARLOTTA GALL、RAWALPINDI

■パキスタンの国旗、タリバンの拠点にはためく[100303 BBC]

パキスタン軍は、アフガニスタンとの国境地帯にいるタリバンやアルカイダに対して、勝利を主張している。

軍によると、2008年8月以来の戦いで、バジョールから抵抗勢力を一掃したという。タリバンの拠点は、ダマドーラという地域にあった。今パキスタンの国旗が、歴史的に初めてここにはためいている。

抵抗勢力たちは、ここで長期戦を構える予定だった。150の洞窟と、岩の中に深いトンネルを掘った。軍によると、これだけを作るのに5年から6年はかかったはずだという。

中に入ると、戦闘員たちが急いで立ち去ったことがわかる。中のほうには、寝床がいくつもあった。岩に、名前が刻まれている。

作戦の責任者である将軍は、自分たちが勝利したと主張している。ただし、タリバンの首脳陣40%は逃走したことを認める。最高責任者のファキール・ムハンマドも、逃げた。幹部を取り逃がすことが、最近の作戦の特徴といえる。「おそらく25%が国境を越え、10〜15%が元々来たスワートに帰った」と、タリーク・ハーン少将が語る。「重要なことは、支持者を失ったことだ。拠点もなくなり、人気もなくなった。だからもう力はない」。

軍は去年の2月も勝利を主張していた。しかし、再び戦闘員たちは戦いを開始している(後略)。

hoonPakistan flag flies over former Taliban stronghold
Orla Guerin、Bajaur

■カリ・ムハンマド・ザファール[100303 BBC]

過激派組織ラシュカレ・ジャングヴィ責任者のカリ・ムハンマド・ザァールが、パキスタン北西部に対する無人偵察機の攻撃で死亡した。カリ・ムハンマド・ザファールは、2006年に起きた在パキスタンの米外交官暗殺事件の首謀者とされる(中略)。

ザファールは、1年前からラシュカレ・ジャングヴィの責任者を務めていた。この組織は、9.11以前は反シーア派組織だった。しかし米主導の取り締まりのあと、組織は方向性を変えた。政府はその直後から組織の幹部を逮捕したり殺害している。

2004年以後、ザファールが指揮するラシャシレ・ジャングヴィは蘇り、その過程でアルカイダのために活動するようになった。さまざまな事件に彼が関与していると見られる。

ザァール一族は、元々はパンジャーブ州のサライキ語話者の居住地の出身である。幼少のころ家族とともにスィンド州に移り、カラチに定着した。彼は宗教的な環境で育った。父親はクルアーンの教師と言われる。

5人の兄弟とともに、イスラームの教育の中に身を置こうとしたが、カリ・ムハンマド・ザファールは、宗教的な環境に強く影響された。2004年にはカラチ東部のモデル・コロニーにあるモスクの祈祷リーダーとなったが、同時にアルカイダとラシュカレ・ジャングヴィの手先として活動した。

その頃治安関係者が彼に迫って来たために、潜伏せざるをえなくなった。警察がモスクを取り調べる数時間前に、逃走し、以後逃亡生活を続けていた。

家族の中で、彼だけが過激主義に走ったのではない。兄弟2人が現在「ジハード」的活動をしたとして、投獄されている。

彼の最近の行動に関しては、さまざまな説がある。ただ、2007年に一時治安部隊に逮捕されたと思われる。その時の様子の詳細は明らかではないが、逃走して、ワジリスタンに隠れた。それ以後は自分の影響力を発揮する拠点を拡大し、ジハードに参加する者やパンジャーブで活動する人間を集めることに専念した。

タリバンが実行した主張している最近のさまざまな事件は、実際は彼の指導のもとでラシュカレ・ジャングヴィが行なっていたと思われる。パンジャーブ人タリバンの攻撃も、彼が首謀していた。

hoonObituary: Qari Mohammad Zafar

■アメリカ、パキスタン空軍に爆弾キット[100302 Reuters]

アメリカは今月パキスタンに、ラーザー誘導爆弾1000を与えるとともに、パキスタン空軍が国境地帯にいる戦闘員と戦うことに協力するために、さらに武器を売却することを考慮している。

(中略)またパキスタンは、春か夏ににロッキード社のF-16戦闘機18機を受け取ることが予想されている(中略)。すでにアメリカは先月パキスタンに、MK-82爆弾1000を与え、これに加えて依頼があった500ボンド爆弾を与えることを検討中だという。

(中略)パキスタンは今月にはロッキード社とレイソン社製の700GBU-10と300GBU-10ベイブウェイ・レーザー誘導爆弾キットの第一弾を受け取る予定で、これによる空軍は先月与えられたMK-82爆弾をこれまで以上に洗練された方法で使用できるようになる。

(中略)今年中にパキスタンはF-16戦闘機18機を入手する予定で、これでパキスタンが所有する同戦闘機の数は54になる。1982年以来、古いF-16機を使用していたが、これらもアップグレードする予定である。

hoonU.S. to Send Bomb Kits for Air Force of PakistanBy REUTERS
WASHINGTON

■スワートの重要タリバン司令官「パキスタンで殺害される」[100301 AP]

スワートで治安部隊との衝突でタリバン司令官が殺害されたと、関係者が月曜日に述べた。

日曜日に100万ルピーの懸賞金が懸けられていたムハンマド・アラーム・ビノーリが、マディヤーン町の銃撃戦で殺害されたと、地元の警察官イスラーム・ジャンが述べた。

情報を入手した陸軍と準軍隊兵士が町にある民家を包囲したが、ビノーリと別の過激派は銃撃戦で死亡したという。ビノーリはファズルッラー師の部下である。

ビノーリは、仲間の司令官シャンクー・ムッラーと共に殺害され、3人が負傷した(後略)。

hoonKey Swat Taliban commander 'killed in Pakistan'
PESHAWAR

■「無敵」のタリバン、国境キャンプから排除[010301 Times]

パキスタン人タリバンの重要指導者たちが、国境地帯の空爆で殺害されたり逮捕されたりしていると、パキスタン人将軍が述べた。

「抵抗勢力の司令塔やコントロール・センター、武器などが排除されたり逮捕されたりしている」と、国境地帯におけるタリバンとの対戦を熟知しているタリーク・ハーン将軍が述べた。「TTP首脳陣を攻撃し、彼らが受けた打撃は予想以上だ。彼らはもはや重要ではなくなり、小さな集団にすぎない。他の地域で過激的行為を行なうような、大きな親組織ではなくなった」。

アメリカとパキスタンとの間の軍事協力も、改善された(中略)。米特殊部隊兵士2人が、ペシャワルのバラ・ヒサール城にある将軍の事務所の近くで待機している。「アメリカの特殊作戦軍の連絡官が、数人私の元にいる」と、ハーン将軍が述べた。「戦闘の際、国境地帯の問題を解決してくれる」。

国境警察隊4万5000兵を指揮する将軍は、10月に開始した南ワジリスタンのRah-e-Nijat作戦の中心人物である(中略)。「軍は、ワジリスタンで誇っていた不屈のマフスード族の神話を打ち砕いた」と、ある欧米外交官が述べた。

(中略)ハキームッラーの部下で従兄弟のカリ・フセインも、死亡している可能性が高いと、ハーン将軍が述べた。残りの地域にいるタリバン指導者たちも、死亡したか逃走中か、逮捕されたという。10月以来タリバン戦闘員730人以上が死亡した。軍の犠牲者は、79人である。

ただしアルカイダについては、曖昧な点が多い。ハーン将軍は「資金や財産に関してはアラブの影響もあったようだ。しかしアルカイダの司令塔やコントロール・センターは発見できなかった。バジョールにいる司令官によると、大きな塩の袋の中の小麦粉みたいなものだという。気配はあるが、人影はないということだ」。

hoonInvincible’Taleban routed in raids on border camps
Anthony Loyd、Peshawar

■パキスタン、クエッタシューラの半分を逮捕[100301 News]

政策変更により、パキスタン政府はアフガニスタンの元タリバン支配者たちを見放すことにして、かれらの支配系統の取り締まりを開始した。2ヵ月の間に、オマール師が率いるクエッタシューラの18人のうちの9人を、パキスタン各地で逮捕している。

イスラマバードの外交筋にによると、パキスタン政府の中枢は、パキスタンタリバンとアフガンタリバンは同一で、TTPとクエッタシューラタリバン(QST)を、別のジハード組織として分けることができなくなったという。したがって、政府がこれまで2つのタリバンに対して取ってきた態度を変えて、アフガン人タリバンも取り締まることにしたという。

外交筋は、アフガン人タリバン指導者の逮捕は、米主導でアフガニスタンのマルジャーで実施している作戦の最中に起きたことを指摘する。2010年2月以来、パキスタンはタリバンシューラの中の重要な7人を逮捕した(中略)。

しかしイスラマバード内の情報筋によると、アメリカの圧力だけでパキスタンがタリバン組織を取り締まることにしたとは思えないという。アメリカの圧力にサウジ王家の圧力が加わり、パキスタンのISIがやっとアフガン人タリバンを手放すことにした。アブドゥッラー国王の腹違いの弟ムルキン・ビン・アブドゥラジーズ王子がパキスタンの諜報組織に、アメリカに協力するように説得した。サウジアラビアの諜報組織、統合情報庁の責任者であるアブドゥラジーズは、2つの主要なムスリム国家の間で、文民・軍事指導者との間で外交活動を行ない、パキスタンにアフガンタリバンの指導者を取り締まらせることに成功した。

こうしてパキスタンはまずバグラム州の影の知事ミール・ムハンマド師を1月26日に逮捕し、その数日後にクンドゥーズ州影の知事アブドゥル・サラーム師を逮捕した。3人目の逮捕者は、アブドゥル・ガーニ・バラダール師である。彼は2月11日にカラチのスンナ派デオバンドが運営するマドラッサ、フダムル・クルアーンで逮捕された(中略)。

バラダール師が逮捕された1週間後に、パキスタン政府はナンガルハル州の影の知事のモーラビ・アブドゥル・カビールをノーシェラで逮捕した。その他は、タリバン政権時代の外務大臣だったアブドゥル・カユーム・ザキール師、アフガニスタン北西部のタリバン作戦司令官だったアブドゥル・ラウフ師、ザール州元知事のアフマッド・ジャン・アフンザダ師、カブールの警察責任者だった、爆発物の戦線かのムハンマド・ユーニス師である。

現在クエッタ・シューラのメンバーで残っている9人は、カンダハル州元知事のハッサン・レーマニ師、アフガニスタン南部のタリバン司令官でアフガン諜報組織元責任者だったハーフィズ・アブドゥル・マジード、タリバン政権時代の元大臣のアミール・ハーン・ムッタキ、政治問題責任者で内務所責任者だったアガ・ジャン・ムタシム、ジャラウディン・ハッカーニの息子のシラージュ・ハッカーニ、パクティアとホーストのマンスール組織司令官であるアブドゥル・ラティフ・マンスール師、アフガニスタン北部の元警察責任者だったアブドゥル・ラザーク・アフンドザダ師、タリバン政権時代の元大臣で、現在は過激派たちの財政を管轄しているアブドゥッラー・ムトメインである。

hoonPakistan wipes out half of Quetta Shura
Amir Mir、LAHORE

■抵抗勢力の17遺体発見される[100301 News]

日曜日にダラ・アダム・ヘールのサパイ村の公立高校周辺で、抵抗勢力17人の遺体が発見された。パスタウォナイ地域で実施された掃討作戦の犠牲者数は、25人にのぼった。

またこの作戦で、名前は明かされていないが、抵抗勢力幹部がマタニ検問所で逮捕された。爆発物が押収された。

遺体は後に、ダラ・アダムヘールを拠点とする抵抗勢力の本部があるトール・サパールからコハートに移された。

2月24日からコハートのパスタウォナイ町で、春の掃討作戦が実施されている。この作戦で25人を殺害、96人を逮捕した(後略)。

hoon17 bodies of militants recovered
Javed Aziz Khan、PESHAWAR

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2010.