【2010年3月15日〜3月21日】


■米ミサイル、パキスタン北西部で4人殺害[100321 AP]

日曜日にアメリカの無人偵察機がアフガニスタンとの国境近くにあった民家と車輛をミサイルで攻撃し、少なくとも4人を殺害した。北ワジリスタンのダータ・ヘール地域で攻撃が実施された。

無人偵察機がミサイル3発を発射した。犠牲者の身元は明らかではないが、この地域には、ハッカーニのネットワークがある。

これとは別に、アメリカのためにスパイ行為をしていたと疑われている部族民4人の遺体が発見された。4人は銃で撃たれていた。10日ほど前にタリバンに拉致されたという。

(中略)また日曜日には、クラームとアッパー・オラクザイにあるタリバンの拠点が戦闘ヘリコプターで攻撃された。クラームの政府関係者によると16人が死亡し、アッパー・オラクザイでは12人が死亡したという(後略)。

hoonOfficials: US missiles kill 4 in NW Pakistan
RASOOL DAWAR、MIR ALI

■クラームとオラクザイで武装勢力23人死亡[100321 News]

土曜日にクラームとオラクザイで衝突と空爆があり、抵抗勢力23人と地元の武装したラシュカル3人が死亡した。情報源によると、バロージナ地域で抵抗勢力と親政府系クアミ・ラシュカルとの間で衝突が発生した。

情報源によると、両陣営とも重火器を使用して数時間戦いが続き、抵抗勢力14人とラシュカルのメンバー3人が死亡した。犠牲者の中には、ヌール・ジャマール別名ムッラー・トゥーファンの組織と関係する地元司令官2人が含まれている(中略)。

いっぼう土曜日にオラクザイの南部を戦闘機が空爆し、抵抗勢力9人が死亡し、3ヵ所にあった拠点が破壊された。情報源によると、戦闘機がアルガンジョシャダーラ、ドーグ地域上空をいまだに飛行しており、拠点を攻撃して抵抗勢力9人を殺害したという。

hoon23 militants killed in Kurram, Orakzai
HANGU

■パキスタン、テロリストの死を確認できず[100319 News]

北ワジリスタンのミランシャーに対する攻撃で死亡した13人の中に、アルカイダ幹部工作員のフセイン・アル・イエメニがいたと米政府は発表したが、現場のパキスタン関係者は、このミサイル攻撃で死亡した者たちの身元に関する情報が不足しているために、これを確認できないと述べた。

ミランシャーのパキスタン治安関係者は、死亡した13人のうちの5人はアラブ人だったことは確かだが、その身元や国籍、アルカイダ内の地位に関してはわからないという(後略)。

hoonPakistan unable to confirm death of terrorist
PESHAWAR

■タリバン逮捕で国連の話し合い中断[100318 BBC]

アフガニスタンの元国連大使だったカイ・イーデは、パキスタンがタリバン幹部を最近逮捕したことを強く非難した。

イーデが語ったところによると、これらの逮捕により、国連が極秘に行なっていたタリバンとの接触が完全に中断してしまったという。

パキスタンの関係者は、話し合いを妨害するために逮捕したのではないと主張している。

イーデ氏は、タリバン幹部との接触が去年から開始されていたことを初めて公言した。彼によると、ドバイなどで直接の話し合いを行なっていたという。

(中略)イーデ氏によると「タリバン首脳陣の中の幹部に会い、クエッタ・シューラで権力を持つ人間にも会い、和平に関して話し合った」という。

(中略)オマール師がこれに加わっているかどうか訪ねると「彼の知らないところで、さらに彼の承認のもとでこのような話が行なわれるとは考えがたい」と述べた(後略)。

hoonTaliban arrests halt UN contacts
Lyse Doucet、Oslo

■米ミサイル、パキスタンで10人を殺害[100317 AFP]

水曜日にパキスタンの北西部に対するアメリカのミサイル攻撃があり、抵抗勢力10人が殺害された。またロケット弾やガソリン爆弾で武装した男たちが、夜明け前の攻撃で警察官5人を殺害した。

(中略)北ワジリスタンのハムザイ村で、2台の車輛にミサイル5発が撃ち込まれた。「抵抗勢力5人が死亡した」と、パキスタンの治安関係者が述べた。続いて北ワジリスタンの別の村、ミザール・マッダヘール町が攻撃された。ビックアップ・トラックに乗っていた外国人5人が死亡したという。これらの抵抗勢力の国籍や身元は明らかではない。

(中略)ロケット弾やガソリン爆弾で武装したイスラーム過激派たちが、カイバル部族地域のスピーン・カバールの検問所を襲撃して、警察官5人を殺害した。

国境警察官3人と警察官2人が死亡した。6人がこの検問所を守っていたが、1人だけ生き残ったという(中略)。犯人たちはラシュカレ・イスラームの組織の人間だという(中略)。

これとは別にアフガニスタンのNATO軍のために燃料を運んでいたタンカーの下に過激派が爆弾を爆発させ、炎上させた(後略)。

hoonUS missile strikes kill 10 in Pakistan
Hasbanullah Khan、MIRANSHAH

■パキスタン、スワートタリバン司令官を殺害[100317 AFP]

水曜日にパキスタンの治安部隊が、スワート谷を混乱させたことで指名手配になっていた2人のタリバン司令官を含む、抵抗勢力5人を殺害した。

1000万ルピーの懸賞金が懸けられていたバフート・ファルザンドとミアーン・グルが、仲間の3人とともにパッターン町で殺害された。「この衝突で兵士1人と警察官1人が負傷した」と、軍メディアセンターが発表した。

抵抗勢力が隠れているという諜報情報に基づいて、作戦が実施された。治安部隊が民家を包囲したがその後銃撃戦となり、抵抗勢力5人が死亡したという(後略)。

hoonPakistan kills wanted Swat Taliban commanders: official
PESHAWAR

■アルカイダ幹部、パキスタンで殺害[100317 AFP]

アフガニスタンで起きたCIA攻撃事件に関与していたアルカイダ幹部、フセイン・アル・イエメニがパキスタンで殺害されたようだと、米対テロ関係者が水曜日に述べた。

「パキスタンの部族地帯を拠点とする、アルカイダ作戦計画者で世話人だったフセイン・アル・イエメニが先週殺害された」と、ある対テロ関係者が述べた。

イエメニは「爆弾や自爆作戦」を専門とし、去年12月アフガニスタンのアメリカの基地で起きたCIA関係者7人を殺害した事件に関与していたと、関係者がeメールで述べた。

(中略)このアルカイダ工作員は、パキスタンのミランシャーに対する無人偵察機による攻撃で死亡した。「彼をミランシャーでやっつけた。比較的ちゃんとした建物内にいたとしても、これらの殺人者たちは隠れることができないということが、今回の無駄のない正確な攻撃で明らかになった」。

(中略)イエメニは20代後半から30代前半といわれ、イエメンのアルカイダ支部とハッカーニ組織、アフガン人・パキスタン人タリバンなどと関係していた。「資金やメッセージや人員開発のためにパキスタンにいたが、彼の専門は爆弾や自爆作戦だった」(後略)。

hoonKey Al-Qaeda figure believed killed in Pakistan: US official
WASHINGTON

■カルザイ、バラダール師と極秘会談[100317 Telegraph]

カルザイ大統領はバラダール師と話し合いを行なっていたために、先月カラチで彼が逮捕されたことに激怒したという。

外交関係者によると、少なくともカルザイの兄弟のうちの1人が2ヵ月前に、カンダハル近くにある民家で、タリバンのナンバー2と話し合いを行なったと主張した。

スピン・ボルタックの民家で行なわれた会談では、阿片やヘロイン商売に関する話し合いも含まれていたという。また話し合いには、バラダール師とカルザイの地位に関するものも含まれていた。

大統領報道官は、政府とバラダール師との間で直接話し合ったことは否定した。しかし間接的な話し合いに関しては、コメントしなかった。

hoonHamid Karzai held secret talks with Mullah Baradar in Afghanistan
Dean Nelson in Delhi and Ben Farmer、Kabul

■米ミサイル、パキスタンで9人殺害[100316 AP]

アメリカのミサイルが火曜日にパキスタンの北西部を攻撃し、少なくとも9人を殺害したと、諜報関係者が述べた。

北ワジリスタンのダッタ・ヘールに対する攻撃の標的は誰だったかは、明らかではない。この地域はアフガニスタンで米軍やNATO軍と戦うハーフィズ・グル・バハドゥールの拠点である。

また火曜日にクラーム行政区の反タリバン民兵団がタリバン10人を殺害したと、地元警察官が述べた。タリバンが部族民たちを拉致しようとしたところ包囲され、攻撃された。民兵団たちはさらに7人を逮捕した。

いっぼうラホールでは、警察が膨大な量の武器を押収した。警察が果物マーケットの貯蔵庫を捜索したところ、2000キロ分の爆発物と自爆ジャケット3、機関銃4を発見した。前日にも自爆ジャケットや1500キロ分の爆発物が発見されている(後略)。

hoonPakistani officials: Suspected US missile kills 9
RASOOL DAWAR、MIR ALI

■ハキームッラーは生きていると、元ISI関係者[10315 Long War Journal]

元パキスタン諜報組織関係者が、ハキームッラーが死亡したという報道を否定した。

自称人権活動家のハリッド・ハジャワが今日、自分の部下2人が先週ハキームッラーに会ったと述べた。「仲間2人が3月9日にハキームッラー・マフスードと会っているが、ラーマン・マリーク内相やアサール・アッバス軍報道官は先月初めに、彼が死亡したと主張している」とハジャワが『Press Trust of India』に語った。「政府が私の主張を否定するなら、3月9日にTTP責任者に会った人間の名前を公表する」という。

ハジャワはパキスタン空軍の元飛行隊司令官で、1980年代にアフガニスタンでアルカイダやビンラディンとともに戦った。パキスタン陸軍の少佐を退役してからは、ISIで活動した。ハジャワはダニエル・バール殺害事件にも関与しているといわれる。

(中略)2月下旬にハジャワは、バラダール師をはじめ、拘束されている4人のタリバンを外国に引きわたすことを阻止した(後略)。

smellHakeemullah Mehsud is alive, says former ISI officer
BILL ROGGIO

■カルザイ、タリバンのボスの逮捕に激怒[100315 AP]

アフガン政府は、パキスタンで逮捕されたタリバンナンバー2と極秘の話し合いを続けていたために、カルザイ大統領は逮捕に激怒したと、カルザイのアドバイザーが語った。

バラダール師の逮捕で、アメリカが和平のための話し合いに協力する意図があるのかが、疑問視されている。

パキスタン人たちがアメリカからの諜報情報を受けてバラダール師を逮捕したとことを知ると、カルザイは「激怒した」という。話し合いが進行していただけでなく、来月カルザイが予定している3日にわたる平和ジルガに参加するための「青信号」が与えられていた。

ヘルマンド州の治安アドバイザーであるアブドゥル・アリー・シャムーシを含む別のアフガン政府関係者も、バラダールとアフガン政府の間で話し合いが進行していたことを認めた。バラダールがカルザイの代理人と接触していたという噂があったが、政府側がこれを認めるのは初めてのことである。

(中略)カルザイは、タリバンと話し合っていることを認めていないが、政府関係者何人かはこれを認めている。パラダールはカルザイと同じカンダハルのデュラニ・パシュトゥーンのボパルザイ枝族出身である。「政府はバラダール師と話し合いをしていて、彼はそれをタリバンのシューラに伝えていた」と、シャムーシが述べた。

シャムーシによると、諜報情報からオマール師が申し出を断わり、タリバン内部のバラダール師のライバルが、アフガン政府との話し合いに強く反対していたという。またアフガニスタン南部の諜報関係者によると、オマール師はバラダール師が政府に協力していることに激怒し、パキスタンの諜報関係者に彼を逮捕するよう要求したという。

しかし国連の元タリバン大使のハキーム・ムジャーヒッドは、タリバンの首脳陣はまだ話し合いに積極的だと述べている。「問題はタリバン側ではない。外国軍たちが話し合いに興味を持たないのだ」という。

パキスタンのISI元長官のハミッド・グルによると、抵抗勢力たちは話し合いが始まる前に3つのことを要求している。隊の撤退の明確なタイムテーブル、自分たちをテロリストと呼ばないこと、パキスタンとアフガニスタンに拘束されているタリバンの釈放である(後略)。

smellAide: Karzai 'very angry' at Taliban boss' arrest
DEB RIECHMANN and KATHY GANNON、KABUL

■請負会社、抵抗勢力を追跡して殺害する使命を負う[100315 New York Times]

政府の情報収集のために、国防省はアフガニスタンとパキスタンで民間会社を使用して抵抗勢力を追跡して殺害するネットワークを開始したと、アフガニスタンとアメリカの軍関係者やビジネスマンが述べた。

マイケル・ファーロングは、元CIAや元特殊部隊員を雇用する民間警備会社の職員を雇った。この会社は過激派や抵抗勢力のキャンプの場所などを調査し、情報を軍や諜報関係者に提供して、アフガニスタンやパキスタンで殺害するという。

CIAや軍は、無人偵察機でアルカイダ工作員などを攻撃していると報道されているが、米関係者の中には、ファーロングが闇のスパイ活動を行なっていることを快く思わない者もいる。関係者によると、彼の仕事を誰が制御し、監督しているか明らかではないという。

軍がスパイ活動のために民間会社を雇うことは、違法と考えられている。ファーロングの極秘ネットワークには、この地域から情報を集めことを目的とする計画から資金が不法に流れている可能性がある。

さらにアルカイダやタリバンが隠れていると考えられているパキスタンでは、民間会社を極秘に使用することで、米軍の活動を禁じるパキスタン政府の目をくぐり抜けようとしていると見られる可能性がある。

関係者によると、ファーロングの活動は中止されたようで、現在は国防省により、契約金問題など、いくつかの違法行為に関して犯罪調査の対象となっているという。

陰謀が渦巻く世界においても、ファーロングの話題は際立っている。時に彼の活動は、退役した特殊部隊関係者や、CIAの最も有名なイラン・コントラ疑惑などを含むエピソードに関係していた話題の人間などが運営する、怪しいアメリカの会社と関係していた。

彼がこのネットワークを運営していた疑惑は、ちょうどアメリカの諜報コミュニティーが、イラクにおける極秘作戦や実行される前に中止された暗殺計画などを含む、非常にデリケートで追求することが困難な作戦のために、民間請負会社が不法に使用されていた例が問題になった時期に発生した。

「正当な諜報作戦が取り調べられたことはないが、フリーの人間がジェームズ・ボンドのふりをして戦場で動き回ることは良くない」と、ある米政府関係者が述べた。しかしファーロング氏が最高司令官の認知を得ていたのか、あるいは彼が違法行為をしていたかは明らかではない。

彼の活動は、米軍や諜報関係者、またこの地域のビジネスマンなどに対するインタビューから明らかになった。ファーロング氏は元空軍関係者で、現在は軍に雇われた民間人であり、サン・アントニオのラックランド空軍基地に国防省の職員として働く。

ファーロング氏は「心理的作戦」に、幅広い経験を積んでいる。「心理的作戦」とは、情報収集に関する軍の用語である。彼はイラクやバルカンなど、さまざまな場所で名を挙げている。ファーロング氏の活動がいつ開始したかは、明らかではない。しかし関係者によると、2009年夏に突然盛んになり、終るころには彼と彼の仲間は、アフガニスタンとパキスタンで過激派と思われる人間を探し出す、インフォーマントたちのネットワークを確立した。

政府関係者たちによると、ファーロング氏は、アフガニスタンの社会的・部族的ランドスケープに関する情報を米国人司令官に提供するプログラムや、国境の両側で過激派たちを追跡する極秘計画のための資金を使用した可能性がある。

これらの作戦の結果、過激派たちが殺害されたかどうかは明らかではないと述べる者たちもいるが、中には、彼のおかげで殺害できたと言う者もいる。

さらに去年アフガニスタンでファーロングと仕事をした政府が雇用した民間人最低1人が、フルロングが提供した情報が過激派を攻撃するために使用された証拠を見たという。

戦場に関する著書があるロバート・ヤング・ペルトンは、政府のアフガニスタンに関する情報収集のために雇われていたが、ファーロングは彼の仕事を不法に使用したと述べた。「我々は、アフガニスタンに対する理解を深めるための情報を提供していたのに、それが人々を殺害するために使用された」と、ペルトン氏が述べた。

彼によると、彼と元テレビ局重役のイーソン・ジョルダンがウェブサイトを管理するために軍に雇われ、彼らを悩ませているアフガニスタンに関する情報収集をすることになった。最近アフガニスタンの諜報幹部関係者が、テロリストを追跡するために諜報収集があまりにも偏っているために、国家の認識を深めることができないと公言している。

しかしペルトン氏は、ウェブサイトのために使用されるべき数百万ドルが、ファーロング氏により、過激派たちを攻撃するための情報収集に使われたと語る。

そのひとつの例として、彼がウェブサイトに掲載したビデオを参考にアメリカが南ワジリスタンを攻撃したと、アフガン人の同僚がペルトンに語ったという。

ファーロング氏が諜報収集のために使用したと思われる請負会社の中には、元特殊部隊関係者たちが経営する民営の「戦略コミュニケーション」会社〈International Media Ventures〉がある。もうひとつは、ボストンを拠点とする元グリーン・ベレーのマイク・テイラーが経営する〈American International Security Corporation〉である。電話インタビューに応じたテイラー氏によると、元CIA幹部でイラン・コントラスキャンダルなど、CIAが起こした疑惑と関係するデュエーヌ・クラリッジを雇ったことがあると語った。

インタビューでクラリッジ氏は、アフガニスタンやパキスタンでファーロングのために働いたことはないと語った。「そのようなことは知らない」という。

AISCの総責任者であるテイラー氏は、彼の会社は国境の両側で情報収集をして、軍関係者に米軍に対する脅威があるかどうかの情報を提供していたという。彼の会社は、抵抗勢力を殺害するための情報のために雇われたのではないと語った。

ある米政府関係者は、ファーロングは大したことをしていないと述べた。しかしCIAの怒りを買った。

去年の秋、カブールのCIA責任者が国防省の諜報幹部に、ファーロングが重大な罪を犯していると訴えた。どのような罪なのかは明らかにしなかったが、これにより、ペンタゴンが調査に乗り出した。

2008年中頃、軍がファーロングを、アフガニスタンの政治的・部族的文化に関する情報収集のために、民間会社を使用するプログラムの責任者に任命した。このために約2200万ドルが、フロリダ州のセント・ビーターズバーグ・サンアントニオに事務所がある〈International Media Ventures〉に与えられた。会社のウェブサイトによると、当社は広告宣伝会社で「メッセージとインターアクティブ・コミュニケーションを創造する企業リーダー」と説明する。

またウェブサイトをみると、9.11以後テロリストたちを攻撃して殺害するために活動してきたデルタ・フォースの元奇襲隊を含む、陸軍の元特殊部隊関係者がいることがわかる。

つい最近まで、International Mediaの取締役は、海外における軍の極秘ユニットを監督するJoint Special Operations Command元責任者のデル・デイリー将軍だった。

インタビューに応じたアフガニスタンの軍報道官のグレゴリー・スミス海軍少将によると、米軍は現在9人のInternational Media Venturesの民間人を雇い、警備や情報収集、分析をしているという。アフガニスタンでInternational Mediaの職員が何をしているのかは知らず、彼らに対する責任は負っていないという。

しかしペルトン氏の話によると、ファーロング氏は彼と彼の同僚に、自分が雇っている請負人たちを「私のジェイソン・ブルネズ」と呼んでいた。これは小説家のノバート・ルドゥルムが作り出しマット・デーモンが演じた、架空のアメリカ人暗殺者である。

軍関係者によると、フルロングはたびたび上司に、クラリッジ氏が自分のために仕事をしていることに不平を表明したという。フルロングは同僚に、自分はクラリッジ氏と一緒に、拉致された米兵ボー・ベルグダヒルの解放のために動いていると述べた。

2008年12月から2009年6月中旬まで、テイラー氏とクラリッジ氏の2人は、デビッド・ロードの事件に関して『ニューヨーク・タイムズ』に協力するために雇われた。特派員はパキスタンの部族地帯に7ヵ月監禁されたが、結局自力で脱出した。

政府の情報プログラムに関するアイディアは、2008年に元CNNニュース責任者のジョルダンと彼のパートナーだったペルトンによって考案された。

《将軍に接触》

2人は近々アフガニスタンの米司令官となる、マッキールナン将軍に接近した。彼らの提案は、アフガニスタンとパキスタンに報道・調査ネットワークを立ち上げることだった。すでにイラクで「イラク・スロッガー」と名づけられた、同じようなプログラムを立ち上げ、地元イラク人を雇って、自分たちのウェブサイトにニュースを書いたり報道させていた。ヨルダン氏は同じようなウェブサイトを、アフガニスタンとパキスタンでも作ることを提案した。ただし資金は米軍が出資し、ウェブサイトの名前はAfpaxだった。

ジョルダンがマッキーナン将軍に会うと、ファーロングも同席していたという。マッキーナンは提案を受け入れ、ファーロングはAfpaxに資金を提供すると述べたという。「その日、すぐに始めろと言われた」とペルトンが語った。

しかしジョルダンは、ファーロングからの援助は非常に限られたものだったという。2度支払いがあっただけだった(中略)。援助を頼むとフルロングは、資金は他の者に使用されていると答え、ジョルダンの仕事に対する興味がなくなってきたと言われたという(中略)。

アフガニスタンの戦略コミュニケーション責任者のスミス提督によると、去年2009年6月にアフガニスタンに着任すると、Afpaxに資金提供することに反対したという。ペルトンとジョルダンが提供するものは必要としていないと述べ、彼らの仕事は諜報収集域−−個人を標的にする−−に限りなく近づいていることを快く思っていないと述べた。

スミス提督によると、CIAも同じ理由で、申し出に反対だった。「最終的に彼には、『察してほしい。我々は興味ない』と言わざるを得なかった」という。

スミス提督は、Afpaxの申し出を断わると、ファーロング氏は残りの資金を別の用途に使用したがったという。この時フルロングは、International Media Venturesの職員をスミス提督の戦略コミュニケーションの事務所に提供することに同意した。

それでもまだ1500万ドルが行方不明である。「残りの金がどこに言ったのかわからない」と、スミスが述べた。

smellContractors Tied to Effort to Track and Kill Militants
DEXTER FILKINS and MARK MAZZETTI、KABUL

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2010.