【2010年4月19日〜4月25日】


■パキスタン人スパイの告白[100425 Asia Times]

ビンラディンの親友だった元空軍少佐で元ISI関係者のハリッド・ハワジャが、『Asian Times』に送られてきたビデオで、軍と抵抗勢力との間の協定を仲介していたところを過激派に拉致されたことや、いかにして過激派宗教指導者を欺いて彼が逮捕されるように計ったかを説明した。

ハワジャは1980年代後半に空軍に除隊され、その後過激派組織との関係を持っていることで注目された。ハワジャはこれまでさまざまな局面で、陰で重要な役割を果たしてきた。2001年にアメリカがアフガニスタンを攻撃する以前、アメリカとタリバンとの間を仲介した。

北ワジリスタンのアルカイダ系過激派組織から『Asian Times』に、5本のビデオが送られてきた。ビデオは編集され、ハワジャの発言の一部は削除されていた。60代前半のハワジャは、脅迫されているように見えた。

3月25日にハワジャは、シラージュ・ハッカーニとワリウル・レーマン・マフスードをインタビューするために北ワジリスタンに出かけた。彼と一緒にChannel 4の特派員であるイギリス国籍のアサド・クレイシーと、元ISI関係者で、アフガニスタンのヘラートのパキスタン領事だったアミール・スルタン・タラールが同行した。

タラールはムジャヒディンからは、「イマーム大佐」というあだ名で親しまれていた。タリバンの台頭に協力し、オマール師や、ハクマチアルや北部同盟の故アーマッド・マスード将軍を訓練したことで有名だ。「イマーム大佐」は、「タリバンの父」と呼ばれる。

3人は、3月25日以来、行方不明になっている。

彼らが行方不明になった直後、「エイジアン・タイガー」と自称するパンジャーブ人過激派がメディアにビデオを送り、3人と引き換えに1000万ドルとバハドゥール師を含むパキスタンに拘束されているタリバン幹部の釈放を要求してきた(中略)。

ビデオでハワジャは、ラール・マスジッドを中心に盛んになってきた過激派運動を取り締まる計画を告白した。2007年中頃になると、過激派運動は非常に攻撃的になった。近くの教育施設の学生が街頭に出て、ビデオ店などが『猥雑」な映画を売らないように、取り締まりを始めた。さらにアッパラの売春宿のオーナーを監禁した。

ハワジャは、イスラーム神学者協会責任者のファズウル・レーマン師とパキスタンの大ムフティであるムフティ・ラフィ・ウスマニや他の宗教学者と一緒に、イスラマバードからラール・マスジッドを排除する計画をたてたという。

ハワジャによると、モスクの祈祷リーダーのアブドゥル・アジズ師と、一緒にラール・マスジッドを運営していた兄のガジ・アブドゥル・ラシッドを罠にかけたという。

アジズに電話をかけて、逮捕されるように計った。ラシッドは、他の過激派数十人とともに、軍のモスクに対する襲撃で死亡した。

「私はメディアと大衆の間でと紳士で通っているが、実際にはISIとCIAの手先だ。私はラールマスジッドで焼死した少年や少女の遺体を思い出す。私はアブドゥル・アジズ師に電話をかけて、ブルカを被ってモスクから出てくるように強制した。そうやって彼を逮捕させた」と、ハワジャはビデオで語った。

(中略)またジハード司令官幹部はISIの手先で、自由に資金を集めることを許されていたという。これには、1981年にビンラディンと一緒に国際イスラーム前線を築いたファズール・レーマン・ハリル師や、ジャイシェ・ムハンマド創設者のマスード・アザール師、ジャホシェ・ムハンマド元最高司令官のアブドゥル・シャー・マザールなどが含まれている。

「私はここに14人の司令官のリストを持参し、彼らを過激派組織内で中傷しようとしていた。−−アブドゥル・シャー・マザール、ファズール・レーマン・ハリル、マスード・アザールやラシュカレ・タイバ、アル・バドル、ジャイシェ・ムハンマド、ハラカトゥル・ムジャヒディン、ジャマートゥル・ムジャヒディンなどのジバード組織が、パキスタンの秘密組織から資金援助を受けていた。彼らはパキスタン国内で資金を集めることを許されていた。

ハワジャはラールマスジッド作戦の直後逮捕され、数ヵ月拘束された。彼は軍がモスクに突入しないように政府を説得し、また軍事力を使用しないで問題を解決することを、政府に約束していた。しかし政府は、彼がモスク内の人間に投降しないように呼びかけるメッセージを傍受したために、ラールマスジッドの協力者として逮捕した。

(中略)また彼は、2001年にアメリカがアフガニスタンに侵攻した際に逮捕されたり殺害されたりしたアラブ・アフガン戦闘員の家族に協力した。

ハワジャが行方不明になったとき、彼は過激派などの行方不明になった人々の救済活動をしていた。しかし空軍やISIとの関係があったために、アルカイダは常に彼を疑いの目で見ていた。

ハワジャは当時大統領だったジアウル・ハックに手紙を書いて、パキスタンにイスラーム法を導入しないとしてハクを偽善者と呼んだために、空軍から除隊された。その後アフガニスタンに行き、ビンラディンとともに戦った。ソ連と戦うパキスタン人戦闘員を集め、訓練した。

2002年2月には、ダニエル・パール誘拐殺人事件と関連したとして、話題に挙がった。彼はISIのために、パールの拉致に関与したといわれる。

『Asian Times』との間で行なわれたインタビューでは、1980年代にサウジアラビアで、ビンラディンとナワーズ・シャリーフとの会談をお膳立てし、ベナジール・ブット政府の転覆を目論んだと語った。また1980年代にビンラディンから当時大臣だったシェイク・ラシッドに、カシミールの過激派たちの訓練所を運営するための資金を手渡したという。

なぜハワジャがイマーム大佐を北ワジリスタンに連れて行ったかは、明らかではない。ビデオでハワジャが語るところによると、「パキスタン軍が私を北ワジリスタンに送った。軍は戦いに巻き込まれ、そこから抜け出せないでいるからだ。軍と過激派が和解するために派遣された。軍が無事に抜け出し、撤退できるようにするためだ」。

smellohConfessions of a Pakistani spy
Syed Saleem Shahzad、ISLAMABAD

■米無人偵察機、パキスタン北西部で7人殺害[100424 AFP]

アフガニスタンと国境を接するパキスタンの部族地帯で、アメリカの無人偵察機がミサイル3発を抵抗勢力の建物に撃ち込み、7人が死亡したと治安関係者が述べた。

午後9時、北ワジリスタンのミランシャーから20キロ離れたマルシヘール地域が攻撃された。この地域はタリバンとアルカイダの拠点といわれる。死亡した7人の国籍は明らかではない。

別の治安関係者も攻撃があったことを認め、「重要人物がいるかどうかはわからない」と述べた(後略)。

hoonUS drone kills seven in NW Pakistan: security officials
Hasbanullah Khan、MIRANSHAH

■銃を持った男たち、タンクローリーを破壊し警察官3人殺害[100424 AFP]

パキスタンで銃を持った男たちが、アフガニスタンのNATO軍に燃料を輸送していた4台のタンクローリーを襲撃し、銃撃戦の結果警察官3人を殺害した。現場はイスラマバードから158キロ離れた、タラガン町である。

「銃を持った何者かが、タラガン町のガソリンスタンドに駐車していたタンクローリー4台に発砲した」と、地域警察官のアスラム・タリーンが語った。「パトロール中の警察官と男たちとの間で銃撃戦が発生し、警察官3人が死亡した」という。

レスキュー隊が火を消している間、男たちは逃走した(後略)。

hoonGunmen destroy oil tankers, kill three police in Pakistan
ISLAMABAD

■パキスタン軍、襲撃されて死亡[100423 BBC]

北ワジリスタンで抵抗勢力に襲撃されて、兵士7人が死亡した。

木曜日にダッタヘール地域で、抵抗勢力が隊を襲撃した。少なくとも兵士16人が負傷した。

いっぼう同じ地域でタリバンが、アメリカのためにスパイ活動をしたとして、男4人を殺害した。北ワジリスタンは非常に緊迫しており、外出禁止令が出されている。

「軍の車列が、ミランシャーからダッタヘールにかけて、通常の活動を行なっていた」と、軍が声明を発表た。

スパイ活動をしたとして殺害された男たちの遺体が、ミールアリの広場に放置されていた。

hoonPakistan troops killed in ambush

■タリバン内の亀裂、権力争いに[100423 Times]

タリバン幹部司令官2人が権力争いを行なっているために、内部事情に精通している者は、抵抗勢力首脳会議内に亀裂が生じ、今後大きな問題になると主張している。司令官たちは、どちらが抵抗運動の軍事的支配権を持つかを巡って争っていると、長老やタリバン中堅司令官たちが語る。

バラダール師の後継者に、アブドゥル・カユーム・ザキール師とアフタール・ムハンマド・マンスール師が任命された。当時の報道によるとザキール師が軍事作戦を管轄し、彼のライバルが兵站を任されていた。しかしヘルマンド州の長老たちによると、マンスール師は、タリバンの「国防大臣」の地位を与えられなかったことに、不満を持ったという。

英軍が駐屯するヘルマンド州中央部は、現在緊迫している。バラダール師に忠実だった戦闘員たちは、彼の逮捕後、それぞれどちら側につくか選択を迫られている。マルジャ共同体のシューラ責任者であるハッジ・サール・モーラムの親族が彼に語ったところによると、現在状況は緊迫しているという。「ザキールとマンスールが対立している」。「それぞれ『自分がヘルマンドの司令官だ』と述べている」。それぞれヘルマンドに支持者がいるが、情報源によると、マンスール師は自分の氏族出身の戦闘員を多数動員して、ライバルから権力を奪おうとしているという。「自分の兵士を各地域に送り出した」。「争いはなかったが、緊迫している」。

マンスール師は1996年から2001年まで、タリバンの航空・交通大臣だった。インターポールによると、パキスタンと国境を接する州で、麻薬密輸にかかわっている。2007年には、カンダハルの陰の知事になった。

ザキール師は元グアンタナモ囚人で、2007年12月に釈放された。その直後、抵抗運動に参加した。

マンスール師はバラダール師が逮捕された直後にタリバン首脳会議に、ヘルマンド州の軍事的支配権を任してほしいと要求した。ザキール師と彼の支持者はこれを拒否した。「ザキールは、『私が国防大臣だ。私がアフガニスタン全土を支配している。一緒に協力するべきだ』と述べた」と、長老が語った。

「今や、大きな亀裂が生じている」と付け加える。「ザキール側についた者、マンスール側についた者がいる」。2人がヘルマンドに隠れているかどうかは、明らかではない。

ヘルマンド州知事ダウード・アフマディの報道官によると、このような対立については何も知らないという。タリバン報道官のザビブッラー・ムジャーヒッドも、真実ではないと主張した。「ザキール師が国防大臣だ」という。「彼がバラダール師を引き継いだ。タリバンは互いに争わない。敵と戦うことに忙しすぎる」。

電話インタビューに応じたタリバン司令官は、別のことを話す。ヘルマンド州の中央部にいるというハッジ・ムッラー・イブラヒムによると、マンスールが自分の国防大臣だと主張した。対立は、司令官とその腹心との間でよくある、日常茶飯事の対立にすぎないという(後略)。

hoonTaleban rift ignites power struggle over who controls the insurgency
Jerome Starkey、Kabul

■パキスタン北西部で、抵抗勢力26人と兵士2人死亡[100422 AFP]

木曜日にパキスタンの北西部で治安部隊が抵抗勢力26人を殺害するいっぽうで、兵士2人が死亡した。

軍が重火器を使用して、オラクザイの2つの村にある抵抗勢力の拠点を攻撃した。「オラクザイのミシュティ・メーラ村で、テロリストの隠れ家を標的にした治安部隊が抵抗勢力と衝突し、抵抗勢力22人が死亡した」と、国境警察隊が声明を発表した。「兵士2人が殉教し、2人が負傷した。治安部隊はさらに前進し、もう一つの村、カンバール・マシの周りの重要な高地を確保した」という。

これに先立ち、スワートのカーバルでは、タリバンが治安部隊の検問所を襲撃した。「治安部隊が報復し、抵抗勢力4人を殺害した」と、スワートメディアセンターの軍報道官、ムシュタク・アフマッド・ハーン少佐が述べた。

軍によると、スワートでタリバンが復活することを防いだが、単発的に暴力が続いているという(後略)。

hoon26 militants, two soldiers killed in NW Pakistan
PESHAWAR

■アフガンタリバン、「エイジアン・タイガー」と距離を置く[100422 News]

アフガン・タリバンが水曜日、あまり知られていない過激派組織や、この組織が要求しているアフガン・タリバン幹部司令官の釈放とは関係ないと述べた。ジルガが拉致された2人の元ISI関係者とジャーナリストの解放に向けて、最大限の努力を行なっている。

これまで聞いたことがない過激派組織、エイジアン・タイガーが、元ISI関係者のイマーム大佐とハリッド・ハワジャ空軍少佐とジャーナリストのアサード・クレイシーを北ワジリスタンで拉致した。

この組織は月曜日に3人の男たちのビデオを発表し、バラダール師、カヴィール師、故ダドゥッラー師の弟のマンスール・ダドゥッラー師の釈放を要求した。政府はカヴィール師の逮捕を、まだ認めていない。

マンスール・ダドゥッラーは、2008年2月11日に、バローチスタンで逮捕された。オマール師は2007年12月に、忠実ではないとしてダドゥッラー師を解任している。

タリバン報道官のザビブッラー・ムジャーヒッドが水曜日に、自分たちはこの過激派とは何の関係もないと述べた。

(中略)いっぽう宗教指導者と長老からなるジルガが、行方不明になっている3人を探している。イスラーム神学者協会の国会議員であるシャー・アブドゥル・アジズが率いるジルガが、すでに北ワジリスタンに到着して、さまざまな過激派組織と3人の釈放を話し合っている。

しかしパンジャビ・タリバンに属すると主張する男が、シャー・アブドゥル・アジズの一行は、イマーム大佐とその仲間たちを拘束している人間をつかんでいないと述べた。ハリッド・ハワジャと彼の妻は、ラール・マスジッド事件の際にあまり良い行動をとらず、アブドゥル・ラシード・ガジ師に、政府と対戦するように煽動したという。

「ハリッド・ハワジャと彼の妻が、軍がラール・マスジッドに突入する前に、アブドゥル・アジズ・ガニ師にブルカを着て逃げるように強制したという。組織はイマームとジャーナリストのアサードを解放するかもしれないが、ハリッド・ハワジャはその行ないのために解放しないかもしれない」と述べた。

しかしハリッド・ハワジャの妻に電話で尋ねると、そのような事実はないと述べ、本当かどうかアブドゥル・アジズ・ガニ師とその妻のウンメ・ハッサンに、事実かどうか聞いてみればいいと答えた。「ガジ師の妻と子供は、我々の家に1ヵ月以上滞在していたことを知っているはずだ。これまでもそのようなことを言われていることは知っている。ガジの姉妹の1人が兄に、このブルカの問題に関して尋ねた。ガジは、誰にも指示されたことはなく、逃げるためにブルカを着たのは自分の決断だったと答えた」と、ハワジャの妻が説明した(後略)。

hoonAfghan Taliban distance themselves from Asian Tigers's
Mushtaq Yusufzai

■パキスタン過激派、新たな拠点を見いだす[100421 AP]

パキスタンの主張にも関わらず、タリバンとアルカイダは一掃されることはなく、単に場所を変えたに過ぎない。彼らはまだアフガニスタンとの国境地帯にいる。

(中略)アラブ人、チェチェン人、ウズベク人を含む戦闘員たちは、いまだにマーケットをうろつき、レストランに入ってジハードの映画を見たり、机に武器を立てかけたままインターネット・カフェでウェブをサーフィンする。パキスタン軍は、彼らが襲撃ライフルやロケット砲を持っているにもかかわらず、検問所を通過させる。

彼らは北ワジリスタンの、新たなVIPである。

最近になって北ワジリスタンにこれらの過激派たちが入ってきたことで、軍はここで作戦を実施するか決断を迫られているが、それにより、パキスタンを攻撃しないがアフガニスタンで米軍を脅かしているグル・バハドゥールや他の抵抗勢力司令官たちとの間で交わされた取り引きが、危うくなってきた。

バハドゥールは、去年軍が南ワジリスタンで軍が作戦を実施した際に、仲間の抵抗勢力に協力しないことに同意した。それと引き換えに、軍は彼の拠点である北部は攻撃しないことにした。今となって、この取り引きが軍にとっては大きな障害となっている。パキスタンが脅威と感じている抵抗勢力が、彼の土地で再結成しようとしているからだ。

軍は、兵士が足りないために、北ワジリスタンには入らないと言っている。しかし批評家たちは、アフガニスタンで戦う抵抗勢力たちとの取り引きを無効にしたくないから、戦うことを避けていると語る。いつかパキスタンにとって、彼らは有利になると信じているからだ。

従って北ワジリスタンは、アメリカの無人偵察機が攻撃しているとはいえ、過激派の温床となっている。

南ワジリスタンから入ってきたパキスタン人タリバン、アラブ人、ウズベク人たちを、バハドゥールがコントロールする北ワジリスタンのミールアリやミランシャで見かけるようになった。

パキスタン人タリバンは、ミールアリのバザールに指令センターを設け、ここでラジオを通じ部族地帯の他の組織と連絡を取り合っている。

「部族の習慣や伝統に従って、我々は南ワジリスタンの兄弟を匿わざるを得ない。我々は兄弟のようなもので、助け合う」と、バハドゥールの腹心が語った。「我々のパキスタン人タリバンに対する態度により、軍が我々の地域に入ってきたとしても構わない。なぜ彼らが入ってくる必要があるか。我々もパキスタン人タリバンも、北ワジリスタンにいる軍を煩わしたことはない」。

南ワジリスタンでパキスタン軍が作戦を開始する前に、軍はバハドゥールと取り引きを交わした。しかし水曜日に軍報道官のアサール・アッバスが、バハドゥールとの間で、彼の支配地域を攻撃しないというような取り引きは交わしていないと述べた。

しかし治安アナリストや住民はこれを否定し、この地域には明らかに何らかの取り引きがあると述べた。

アッバスは、北部を抵抗勢力に明け渡していないと述べ、軍はこの地域に約2万5000兵を駐屯させ、抵抗勢力に対して小規模な作戦を実施しているという。このような作戦が実施されていることは、ほとんど報告されていない。

バハドゥールの腹心の発言にもかかわらず、新たな過激派がこの地域に入ってきていることで、何らかの緊張があるようだ。

パキスタン人タリバンは2ヵ月前に、戦闘員に「犯罪活動」を行なわず、この地域の内政に関与しないことを呼びかけるビラを配布した。

(中略)軍は、南ワジリスタンから過激派たちが流入したといわれるオラクザイを、空と地上から攻撃している。しかしアナリストたちは、抵抗勢力たちが隠れているのは北ワジリスタンだという。

「タリバンたちは、北ワジリスタンに隠れている。これがいつまで続くかが問題だ」と、イスラマバードのCenter for Research and Security Studies所長のイムティアーズ・グルが語る。「パキスタンと米軍との間の協力を考えると、グル・バハドゥールが問題を起こさないままこれらの人間を抱えていることは難しい」。

パキスタンを攻撃してこないバハドゥールは、「良いタリバン」と考えられている(後略)。

garrOn the run, Pakistan militants find new haven
CHRIS BRUMMITT、ISLAMABAD

■タリバンナンバー2、有益な情報を提供[100421 Dawn]

アフガン人タリバンナンバー2が、組織や国境地帯にいる米軍に対する作戦に関する有益な情報を提供し始めたと、火曜日に米関係者が述べた。

(中略)当初アメリカはバラダール師に直接会うことが制限されていた。しかし米関係者によると、ISIが規制を緩和して、アメリカの取調官たちが定期的に取り調べに参加しているという。

バラダール師が提供した情報の一部は、米司令官や諜報関係者にとって非常に有益だったという(後略)。

hoonTaliban No. 2 interrogations yield useful Intel: US
WASHINGTON

■拉致犯人、元ISI関係者のビデオ配信[100419 Dawn]

月曜日に、これまで知られていなかった過激派組織が、ISI元関係者のイマーム元大佐とハリッド・ハワジャ元少佐を拘束し、10日以内に要求を飲まなければ殺害すると脅迫した。

ビデオが添付されたeメールで、バラダール師とマンスール・ダドゥッラー師、モーラビ・カヴィールの釈放を要求した。

パキスタンの組織としては珍しい名前のアイジアン・タイガーと名乗る組織が、元ISI関係者2人と一緒に行方不明になっているジャーナリストのアサド・クレイシーに対して、1000万ドルの身代金を要求した。

ビデオに登場したイマーム大佐は、自分の本名はスルタン・アミールだと名乗り、18年間パキスタン陸軍に所属し、そのうちの11年間はISIに仕えたと述べた。「アスラム・ベーグ将軍と、ここに来ることを話し合った」という。

ハリッド・ハワジャ元少佐は、パキスタン空軍に18年間いたあと、ISIに2年間いたと述べた。「ハミッド・グル将軍とアスラム・ベーグ将軍、そしてISIのサジャード大佐に促されてここに来た」と述べた。2人とも、ペシャワルで発行されるウルドゥー語の新聞を手に持ち、そのあとカメラに向かって話した。

「エイジアン・タイガー」と自称する組織が、10日以内に要求を受け入れなければ捕虜を殺害すると、ビデオで述べた。「ハリッド・ハワジャとイマーム大佐はタリバンに拘束されている。ISIの2人はイスラームとムスリムの敵だ。我々はタリバン指導者、バラダール師、マンスール・ダドゥッラー師、カヴィール師の釈放を要求する。数日内に、釈放を要求する他のムジャヒディンのリストを送る。政府が10日以内にムジャヒディンを釈放しなければ、ISI関係者たちを殺害する」という。

(中略)今のところわかっていることによると、2人はイスラーム神学者協会Fの国会議員で、タリバン支持者のシャー・アブドゥル・アジズの家に1晩泊まった。その後別の元国会議員、ジャヴィッド・イブラヒム・パラチャの家に泊まった。パラチャは、現在政府に拘束されている元過激派に対する嘆願書を提出している。3人はバヌー経由北ワジリスタンに出発する前に、パラチャの家でお茶を飲んでいる。

シャー・アブドゥル・アジズは部族地帯に行くことに関して注意を促したが、一行は、今回の旅は用意周到に計画されているために心配はないと述べていた。

一行は乗り合いバスに乗り、検問所を迂回するために、あまり使用されていないルートを取ったといわれる。

smellKidnappers release video of former ISI officers
PESHAWAR

■タリバン、アフガン谷を占拠[100419 Aljazeela]

アメリカが「軍の再配置」の一部としてコレンガール谷から撤退した数日後、アルジャジーラが谷を訪れ、タリバンがこの地域を支配し、すべての基地に通じる道路を確保していることがわかった。

タリバン戦闘員によると、クナール州の基地を利用して攻撃を行ない、他の地域も領土に入れるという。米軍が残していった数トンの燃料や爆発物を、すべて横取りしたという。「多数の兵器が残されていた。迫撃砲、ロケット弾、ミサイル。神のお導きにより、彼らに対して使用する」と、地元タリバン司令官のアンワルが述べた。

地元アフガン人もここを訪れ、あたり一面がゴミの山になっている。

ある地元の男性によると、外国軍がいなくなったことで、この地域に再び平和が訪れるだろうという。「我々はアメリカ人もドイツ人も、どんな外国人もいらない。平和がほしい。タリバンとイスラームがほしい。他のものはいらない」。

(中略)米軍によると、タリバンの発言は予想していたという。「軍を再配置したとき、抵抗勢力が入ってくる可能性はわかっていた」と、米軍報道官のウィン・シャンクスが語った。「しかし我々が達成したいと思っている目的のために、判断は正しかったと思う」。

米関係者によると、燃料や建物は住民のために意図的に残されたという。いっぽう重要な拠点や前哨基地は破壊し、武器や爆発物は移動したか処分したと述べた(後略)。

hoonTaliban takes over Afghan valley

■ペシャワルのマーケットと学校で爆弾、24人死亡[100419 AFP]

月曜日にパキスタンのペシャワルの高校と混雑したマーケットで爆発があり、子供1人と警察官を含む24人が死亡した。

先の週末に、タリバンの仕業と思われる自爆攻撃がコハートで発生し49人が死亡した後、3日のうちにパキスタン北西部では多数の攻撃が起きている。

月曜日の夕方、ペシャワルのキサハニ・バザールで男が爆発物を爆発させた。「警察官3人を含む23人が死亡した。少なくとも27人が病院に運ばれた」と、警察官のイムラン・キシュワルが述べた。

最も犠牲者が多かったのは、集会に参加していたイスラーム協会の党員たちだった。インフレや電力不足を訴え、デモを行なった後だった。

(中略)ペシャワルの高校の外でも爆発があり、8歳の少年が死亡し、少なくとも10人が負傷した。簡易爆弾による攻撃だったという(後略)。

hoonBombs at market, school kill 24 in Pakistan's Peshawar
Lehaz AliMon、PESHAWAR

■コハートの自爆で7人死亡[100419 News]

日曜日に3件の自爆攻撃があり、そのうちの最後の事件で幼児を含む7人が死亡、警察官9人を含む31人が負傷した。

「朝7時15分頃、ビリタング警察署の背後の道路の真ん中で、爆発物を搭載したダブル・キャビンがトラクターに激突した」と、コハートの刑事アブドゥル・ハーンが述べた。

標的となった警察署と、近くの公立小学校が崩壊したという。近隣の家屋も被害を受けた。

幼児を含む一般市民7人が即死した。警察官9人と女性3人を含む31人が負傷した。

(中略)オラクザイとクラームのTTPが犯行声明を出した。カリ・フセインが、ビリタング警察署が標的だったと語ったという。「一般市民ではなく警察署が標的だったために、一般市民が犠牲になったことを残念に思う」と述べたという。

hoonSeven killed in another Kohat suicide bombing
Syed Yasir Shah、KOHAT

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2010.