【2010年4月26日〜5月2日】


■パキスタン人タリバン指導者、「新たなビデオでアメリカを脅迫」[100502 AFP]

パキスタン人タリバンのハキームッラー・マフスードが死亡したと報告された数ヵ月後になって、アメリカの攻撃に復讐することを誓う新たなビデオが発表されたと、月曜日にアメリカの監視グループが述べた。

マフスードは、イスラーム過激派指導者たちを殺害したことの報復を、1ヵ月以内に行なうと脅迫した。「我々の殉教志願者が、アメリカの都市部を攻撃する時が迫っている」と、覆面をした2人の武装した男に挟まれて、マフスードが語った。

また日曜日にもTTPが、週末にニューヨークのタイムズ・スクエアで起きた車爆弾未遂事件に対して、犯行声明を出した(後略)。

ohPakistan Taliban chief 'threatens US in new video'
ISLAMABAD

■ハリッド・ハジャワの最後の使命は?[100502 News]

元ISI関係者のハリッド・ハワジャの最後の使命は成功しなかったが、彼の殺害で、アフガン人タリバンとパキスタン人タリバンとの間の亀裂など、さまざまな秘密が露見した。

ハリッド・ハワジャは少なくとも22年間、パキスタンの内政に陰で大きな役割を果たしてきた。中でも11年前にはカシミールの過激派とクリントン政権との間を取り持とうとしたが、これは失敗した。

ここ5年間、アメリカとタリバンが直接関係を持つためのルートを作ろうとしていた。また2年前からは、パキスタン軍とタリバンとの間を取り持とうとしていたが、彼と軍の間の信頼関係が不足していたために、失敗した。彼は元CIA関係者やアメリカのビジネスマンであるマンスール・イジャーズと関係があったために、色々な問題が生じた。アメリカ人やハミッド・グルのような反米的感情を持つ人間の両方と関係を持っていたが、敵と味方を両方攻撃する敵がどの程度真剣なのか、見極めるこができなかった。

1987年にジアウル・ハック大統領の直接の命令で、ISIから更迭された。しかしその後もISIとの関係を積極的に保った。1988年にISIの元長官ハミッド・グルの腹心の部下で、反PPP政治同盟であるIslami Jamhoori Ittehad(IJI)設立に、大きな力を発揮した。

また1989年には、サウジアラビアでビンラディンとナワーズ・シャリーフとの間の会談をお膳立てしたと主張している。これはシャリーフが1999年に政府から追放される数週間前に、初めて明らかになった。また2008年8月には、ナワーズ・シャリーフにザルダリを大統領として認めないように説得しようとしたが、シャリーフは耳を傾けなかった。

(中略)ハリッド・ハワジャが拉致される数週間前、彼はワリウル・レーマンと北ワジリスタンで会った。この数時間後、ワリウル・レーマンの車が無人偵察機で攻撃された。タリバン司令官は生き延びたが、すぐにパンジャビ・タリバンにハワジャを警戒するように忠告した。

ハワジャを罠にかけたパンジャビ・タリバンの報道官は土曜日に、イマーム大佐に対する容疑はそれほど大きなものではないために、近々解放する可能性があることを臭わせた。またアフガン人タリバンが、イマーム大佐を解放するように圧力をかけていることも認めた。

北ワジリスタンから電話をかけてきた報道官は、夫は犯罪人によって殺害されたために殉教者だと主張したハワジャの妻の発言に反発した。

パンジャビ・タリバン報道官は、ハリッド夫妻は2人とも2007年のラール・マスジッドの悲劇に関して、大きな役割を果たしたと述べた。故アブドゥル・ラシッド・ガジに投降を説得したが、作戦が開始される前に姿を消した。

しかしハワジャの友人は、別の話をする。ハワジャはラール・マスジッドの作戦が実行される数日前に逮捕されたたが、投降を勧めたのではないという。

またハワジャは、4週間以上も過激派の3人委員会の取り調べを受けていたことが明らかになった。当初ハワジャは、ラホール最高裁判所に無人偵察機による攻撃に対抗する陳述書を提出するために、元PML-Nの国会議員ジャビッド・イブラヒム・パラチャとともに北ワジリスタンを訪問した。これは、4月6日に裁判所に提出する予定の、偵察機の犠牲者の発言を録音するためと主張していた。

過激派たちは、なぜ彼は無人偵察機の攻撃に反対しながら、いっぽうではアメリカとタリバンとの間をとりもとうとしているのか疑問を投げかけた。過激派たちは、2005年にカレン・ヒューズ国務長官と宗教指導者のジャビッド・イブラヒム・パラチャとの間の会談を、イスラマバードのセリーナ・ホテルでお膳立てした。またインターネットからダウンロードした記事を見せ、元CIAのジェームズ・ウールシーとウィリアム・ケイシーとの間の関係を尋ねた。

ハワジャはこれらの元CIA関係者に、アメリカ人ビジネスマンのマンスール・イジャーズを通じて会った。イジャーズは、クリントン政権と近い関係にある。彼は1996年にスーダン政府に働きかけ、ビンラディンをハルトゥームから追放した。またハワジャは1999年10月に、タリバンとブッシュ政権を直接接触させ、オマール師とジェームズ・ウールシーを会わせて、アメリカにアフガニスタンを攻撃させないようにしようとした。しかしオマール師は、CIA長官と会うことを拒否した。

翌年ハワジャは、マンスール・イジャーズとカシミールの過激派指導者サイード・サラウッディンを会わせようとした。イスラーム神学者協会の友人を通じてサラウッディンと接触し、マンスール・イジャーズがビル・クリントンからの手紙を渡したがっていると伝えた。サイード・サラウッディンは、マンスール・イジャーズが2000年初頭にスリナガルでインド軍関係者と会い、またムシャラフ大統領とも会っていたことを知った。何かあると感じ、マンスール・イジャーズと会うことを拒否した。この直後の200年7月、イジャーズの計らいにより、カシミール抵抗勢力司令官のアブドゥル・マジッド・ダールが停戦を表明したが、失敗した。マジッド・ダールはその後、カシミールで暗殺された。

ハワジャは2002年に、故ダニエル・パールが殺害される数日前に彼とメールのやりとりがあったために、逮捕された。後にパールの未亡人のマリアンヌが、パールはマンスール・イジャーズを通じてハワジャに会ったと述べ、ハワジャは過激派と夫を会わせるこめに協力しようとしただけだと述べた。このあと、ハワジャは釈放された。

さらに2006年にハワジャは再浮上し、外国の新聞に、ラワルピンディの政治家がカシミールに訓練所を設立するための資金を集めるために一役買った、と述べた。その年、国会議員のシャー・アブドゥル・アジズと、コハート出身の宗教指導者のジャビッド・イブラヒム・パラチャ、親タリバンでビジネスマンのアリーフ・カスマニと、カレン・ヒューズを含む米政府幹部との会談を取り持った。

ジャビッド・パラチャは土曜日にこの会談を『News』に知らせ、ハリッド・ハワジャがお膳立てしたと述べた。タリバンと話すことで、米政府からは膨大な金を約束されたが、まずパキスタン軍が自分にグリーン・カードを出せば会談に応じるが、今のところアメリカ人は独自に動いていると述べ、結局実現しなかった。

ジャビッド・パラチャによると、ハリッド・ハワジャは3月25日にイマーム大佐とイギリス人ジャーナリストとともに自分のもとを訪れ、北ワジリスタン行きに協力を仰いだ。「ハワジャは再びアメリカ人とタリバンとの間の関係を築こうとしているのかもしれない。しかしタリバンからは、あなたの友人は歓迎されないというメッセージを受けた」という。

パラチャはハワジャに、北ワジリスタンに行かないように忠告した(中略)。パラチャもハワジャも、2007年にラールマスジッドの宗教指導者と親しかった。パラチャは当時のイジャーズル・ハク大臣とアブドゥル・アジズ師とラシッド・ガジ師に会い、投降を勧めた。ハワジャは2人に、投降しないように勧めた(中略)。

ハワジャは2009年に、シャー・アブドゥル・アジズとタリバン指導者のバイトゥッラー・マフスードと会った。バイトゥッラーにキアニ将軍宛てに、停戦の手紙を書くように勧めた。しかしパキスタン軍の首脳部はバイトゥッラーを信用せずに、これは成功しなかった(後略)。

hoonWhat was the last mission of Khalid Khwaja?
Hamid Mir、ISLAMABAD

■エイジアン・タイガー、ハリッド・ハジャワ殺害[100501 News]

謎の過激派組織エイジアン・タイガーが、金曜日に元ISI関係者のハリッド・ハワジャをミールアリの近くで殺害した。

「金曜日に、我々の要求に対して提示していた期限が切れたので、ハリッド・ハワジャを殺害した。ISIと政府は我々の要求を真摯に受け取らなかった」と、エイジアン・タイガーの報道官が当記者にeメールで知らせてきた。

(中略)パンジャビ・タリバンとマフスード族の過激派からなる組織と思われるエイジアン・タイガーは、ハリッド・ハワジャがISIとアメリカのCIAの工作員だと非難していた。

ミールアリの情報源によると、金曜日の礼拝に参加していた村人たちが、カラムコート村で発砲音を聞いたという。カラムコート村の村人たちがモスクから出てくると、年長の男性が銃で撃たれて、道路に倒れているのを発見した。「知らない老人だったが、上品そうだった。誰かに撃たれたばかりだった。頭と胸を撃たれ、まだ出血していた」とミールアリのバザールのムハンマドが述べた。

ある村人は、武装した男たちが車でやってきて、髭を生やした男性をAK47突撃自動小銃で撃つのを見たという(中略)。ISIやCIAと関係し、ラールマスジッドの事件の際に、悪い行ないをしたために殺害したというコンピュータで書かれたメモが、遺体に残されていた。

(中略)パンジャビ・タリバンが運営すると思われるタリバン・メディア・センター報道官のムハンマド・オマルが、政府がエイジアン・タイガーの要求を真摯に受け止めなければ、イマーム大佐とアサド・クレイシーも同じ運命に遭うと、電話で当記者に述べた。彼によると、この地域で活動するすべての過激派組織が、ハワジャを処罰することに同意したという。「彼は罪を認めたために、彼を処刑することが全員一致で決まった」と、ウルドゥーで語った。

ハワジャとカラーク出身のMMA元国会議員のシャー・アフドゥル・アジズ師が以前ワジリスタンを訪れたとき、14人のタリバン幹部司令官のリストを持ってきたという。14人の大半がラシュカレ・ジャングヴィと関係するパンジャーブ人だったが、ハワジャの一行はハキームッラー・マフスードとワリウル・レーマンに、彼らがインドの諜報組織であるRAWから資金援助を受けていると訴えた。

オマルによると、ハワジャはカリ・ザファール、ラナ・アフザル、ウスタッド・アブドゥル・サマード、カリ・エシャン、カリ・バシート、ウスタッド・アスラーム、ヤシン、カリ・アサドゥッラー、カリ・イムラン、カリ・ハムザ、ウスタッド・ハリッド、アブ・フザイファ、マティウル・レーマン、カリ・フセイン・アフマッド・マフスードの名前を挙げていたという。最後の人物は、自爆攻撃訓練士の責任者である。

オマルは、ハワジャに対する容疑を長々語った。そのひとつの理由は、彼がアフガンタリバンを強く支持し、パキスタン人タリバンと対立していたためだという。「我々をテロリストと呼び、アフガン人タリバンをムジャヒディンと呼んだ」という。

最近エイジアン・タイガーが発表したビデオによると、イマーム大佐は、元陸軍長官のミルザ・アスラーム・ベーグのアドバイズを受けて北ワジリスタンに来たと主張し、ハリッド・ハワジャは、元ISI長官のハミッド・グル将軍、アスラーム・ベーク将軍、サジード大佐のアドバイスで来たと述べたという。

いっぽうオラクザイのTTP幹部2人を通じてエイジアン・タイガーと交渉していたアフガン・タリバン幹部が、組織は、全員ラシュカレ・ジャングヴィから追放された、パンジャビとマフスード族の人間30〜40人で構成されると述べた。

TTP指導者たちは、要求に関してエイジアン・タイガーのメンバーと会っていた。組織は、2日のうちに自分たちの要求を出すと述べ、土曜日にこれが出されるはずだったのに、理由なくしてハリッド・ハワジャを殺害したという。

組織の人間は多くないにも関わらず、地域を自由に移動していることから、組織の背後に強力な人間がいるようだと、タリバンが述べた。組織は、ウスマン・パンジャビとサビール・マフスードが運営する。2人とも、それぞれの組織から追放された人間だという。

hoonAsian Tigers kill Khalid Khwaja on expiry of deadline
Mushtaq Yusufzai、PESHAWAR

■有名なパキスタンの元スパイ、殺害される[100430 AFP]

ビンラディンの友人だと言われるパキスタン人元スパイの遺体が、金曜日に部族地帯で発見された。遺体には、アメリカのためにスパイ行為をしていたというメモが残されていた。

ハリッド・ハワジャ元ISI関係者の遺体が、北ワジリスタンのミールアリに捨てられていた。彼の遺体に残されたメモには、アメリカのスパイで、2007年にイスラーバードで実施された過激派モスクに対する政府の襲撃で、多数の無実の人間を殺害したと書かれていた。

「ハリッド・ハワジャは、銃弾を2発受けていた。1つは頭部に、もうひとつは胸だ」と、ある諜報関係者が述べた。

(中略)金曜日に犯人から送られてきたと思われるeメールには、政府が彼を解放するための条件を受け入れなかったから殺害したと書かれていた。「ハリッド・ハワジャはもう存在しない」と書かれたメールのコピーを、『AFP』は受け取った。「ISIと政府は、真剣に受け止めなかった」と付け加えられていた。

ハワジャは地元の人権団体を運営し、イスラーム過激派との戦いでパキスタンの諜報組織に拘束されたと思われる行方不明者のために、活動していた。最近は、パキスタン東部の町サルゴーダで裁判にかけられている、若い米国人5人の釈放のために活動していた。ムシャラフ政権時代、ハワジャは数回逮捕された。過激主義をや政府に対する憎しみを煽動しているとして告訴された(後略)。

ohProminent Pakistan ex-spy killed: officials
MIRANSHAH

■パキスタンの活動家の遺体、発見される[100430 BBC]

数週間前に過激派に拉致されたパキスタン人活動家の遺体が、北ワジリスタンで発見された。

関係者によると、ハリッド・ハワジャの遺体が金曜日の午後、ミールアリの溝に中から発見された。頭と胸を撃たれていた。

遺体には、パキスタンの元諜報官だったハワジャはアメリカの工作員だとするメモが残されていた。「アメリカのためにスパイすれば、同じ運命に遭う」と書かれていた。

ハワジャは男性2人と一緒に、数週間前から北ワジリスタンで行方不明になっていた。エイジアン・タイガーと名乗る組織が、3人を拉致したという声明を発表していた。組織はパキスタン人タリバンの隠れ蓑と思われる。

殺害される前に、自分がCIAとパキスタンの諜報組織の人間だということを告白するビデオが発表された。

犯人は男性たちの釈放と引き換えに、拘束されているタリバンと身代金を要求していた。

最近ハワジャは、パキスタンで不法に逮捕されたと思われる数十人の人間の解放をめざして活動していた。

ohPakistan campaigner found dead

■イランとアルカイダ、取り引き[100430 Asia Times]

3月30日に、ペシャワルのイラン領事館の通商担当官だったヘシュマトッラー・アタルザデが「イラン国外から救出されイランに戻った」。彼は2008年11月13日に拉致されていた。

イランの諜報省が、アタルザデはイランの諜報軍の「複雑の諜報作戦」の末に救出され、「パキスタン政府は彼の解放に失敗した」と発表した。

アタルザデはさらにインタビューで、今回の拉致事件にはイスラエルのモサドとCIAが、アメリカの命令で動いていたと述べた。

(中略)しかし『Asia Times』が調べたところ、イランはアルカイダと取り引きして、大きな代償を払っていたことがわかった。

(中略)2009年初めにカラチのイラン外交官が語ったところによると、イラン政府は身代金を払ったり犯人の要求を飲む覚悟でいたが、犯人からの接触はなかったという。従って、拉致事件にはもっと大きな計画があることが、予想されてきた。

テヘランはISIを通じて彼の解放を求めたが、何も起きなかった。イラン人たちは今度はザーブルにいる関係者と接触し、そこからシラージュッディン・ハッカーニにつながった(中略)。

イランはシラージュッディンに、アタルザデの解放に協力するように依頼した。シラージュはこれに同意し、さっそく彼の部下数人がイランを訪れた。またTTPに交渉して、外交官がイランにいる家族と電話で話すことを認めさせた。不運にも、義理の母が死亡したことが、この電話でアタルザデに伝えられた。

(中略)ここでアルカイダが直接関与し始める。アタルザデが家族に電話することと引き換えに、アルカイダは9.11直後にイランで逮捕された仲間と話す許可を求めた。

アルカイダ幹部が語ったところによると、「イランは、仲間を収容所で拘束していたわけではなかった。アルカイダのメンバーとその家族は、別々の家に拘束されていたが、その後同じ建物に移り、今は快適な家で暮らしている。シラージュ・ハッカーニの部下が彼らを訪れ、元気でいることが報告された」。

イランで拘束されているこれらの「捕虜」の中には、北ワジリスタンのアルカイダ・シューラのメンバーと話すことを認められた者たちもいた。「両者の関係が徐々に改善した。イラン外交官のビデオが家族に送られ、彼が元気でいることが証明された」。雰囲気が改善し、2009年の終わりには、ビジネスが開始された。

アルカイダはアタルザデと引き換えに、イランで拘束されているメンバー全員の釈放を要求した。テヘランはこれには同意しなかったために、何度も交渉が続いた。

シラージュッディンはイランに、タリバンはイランやシーアに対して敵意はなく、アフガニスタンにいる欧米軍を敗北させることだけが目的だと述べた。ジャラウッディンも自分も、反イラン活動には全く関与していないという手紙を書いた(中略)。

イランは、これまでタリバンを警戒する理由がたくさんあった(中略)。しかしシラージュッディンは、ついに彼らを納得させた。「その結果、洗練された対空銃数十丁を入手し、アメリカ人たちにショックを与えた」という。

1月24日に北ワジリスタンのサムザイ村で、無人偵察機が墜落した。パキスタンとアメリカの諜報関係者は墜落の事実を認めたが、墜落の理由は明らかにしなかた。抵抗勢力たちは、新しくイランから供給された兵器でこれを撃ち落としたと主張した。それ以後も北ワジリスタンで、無人偵察機が何機か墜落したという報告がある。アメリカは理由を発表せずに、一時的に無人偵察機の攻撃を延期した。

抵抗勢力の情報源によると、CIAはすぐに行動を起こし、対空銃が北ワジリスタンのダンデ・ダルパ・ヘールにあることを突き止めた。場所が特定され、2月に一連の無人偵察機の攻撃があり、対空銃は全部破壊された。この攻撃の1つで、シラージュッディン・ハッカーニの弟が死亡した。

抵抗勢力の情報源によると、シラージュッディンは再びイランから兵器を受け取った。しかし兵器は、アタルゼダ拉致事件の副産物にすぎない。

この時期になると、イランとアルカイダは最終的に取り引きを交わしていた。アタルゼダは、アルカイダのメンバー数人とビンラディンの娘と引き換えに解放されることになった。

「アルカイダとイランは、ビンラディンの娘のイマームとその他の囚人を、外交官と交換することに同意した」と、ある過激派が述べる。この「他の」囚人が誰かは明らかにしなかった。

3月22日にイマーム・ビンラディン(18歳)は、自宅軟禁されて家族とともに過ごした家から解放され、テヘランのサウジアラビア大使館で112日間暮らした後、シリアに行くことが許された。シリアで、母親のナジュワ・ビンラディンと合流した。

2001年にアメリカがアフガニスタンに侵攻したあと、ビンラディンの家族数十人がイランに拘束されていた。イランに不法侵入し、正式な旅客書類を持っていなかったことで拘束された。

過激派は、アルカイダの誰が人質と交換されたか明らかにしなかったが、あるヨーロッパの諜報組織長官がアメリカのシンクタンクに語ったところによると、重要なアルカイダ指導者、サイフゥル・アディルである可能性が高い。

「当初、治安組織を装ったイラン人が、パキスタンの部族地帯とアフガニスタンで作戦を実施し、外交官の解放する作戦を行なったが、非常に長引いてしまった」と、元諜報関係者が語った。

「取り引きの過程で、両陣営とも信頼関係を結び、イマーム・ビンラディンが好意の印として外交官と交換された。イランの外交官がアルカイダにより解放され、イラン政府がサイフゥル・アディルを解放したかどうかは、まだ確認しなければならない」。

イランとアルカイダはアタルザデのサーガで恩恵を受けたが、両者の協力は他の者たちを警戒させた。

「この新しい関係にまず関心を示したのが、サウジだ」と、パキスタンの対テロ関係者が述べた。「次がエジプト。両国ともそれぞれパキスタンと接触して、サウジとパキスタンの諜報組織の間で、両者の関係がどの程度のものなのかを確かめようとした」。「サウジとエジプトはパキスタンの部族地帯とイエメンの状態を気にしている。ここからサウジとエジプトに、影響力が及んでくるからだ」。

(中略)「もしサイフゥル・アディルが交換されたなら、これは欧米にとっては悪い知らせだ。アルカイダの国際的な活動が再開する」(後略)。

ohHow Iran and al-Qaeda made a deal
Syed Saleem Shahzad、ISLAMABAD

■パキスタン人タリバン指導者、生存[100429 AP]

パキスタン人タリバン最高指導者が、今年実施されたアメリカのミサイル攻撃を生き延びていたと、諜報関係者が述べた。

アメリカの治安関係者も、1月の攻撃で死亡したと思われていたハキームッラー・マフスードが生存していると述べた。

これまでタリバンも、マフスードが生存していると主張していたが、その証拠は提供しないと述べていた。ビデオなどを発表すれば、彼が追跡されるからだという(中略)。

4人の諜報関係者が、パキスタンの諜報組織は、マフスードが生存して元気であると信じていると述べた。電子偵察や現場の情報源からの報告、またタリバン内部からの情報による。ある関係者によると、マフスードは攻撃で負傷したが、生存しているのが目撃されたと述べた。

(中略)ある幹部関係者によると、マフスードはタリバン運動の中で、もはや重要な役割を果たしていないと述べた(中略)。ワリウル・レーマンのようなタリバン指導者が、彼に取って代わっているという(中略)。

これまでパキスタン人タリバンは自分たちの指導者の死を、真実であっても否定してきた。バイトゥッラー・マフスードも、死後3週間たって初めて死亡したことを認めた。後継者選びに手間取っていたからである。

今回タリバンは、報道陣にハキームッラーとのインタビューを許さなかったが、生存しているという態度を最後まで変えなかった。また殉教ビデオや、ジハード組織のウェブサイトに彼が死亡したという声明も発表されず、逆に生存していることを保証していた(後略)。

hoonIntel: Pakistan Taliban chief now believed alive
MUNIR AHMED and ISHTIAQ MAHSUD、ISLAMABAD

■米国とパキスタン、注意深く協力態勢[100429 Washington Post]

6月にパキスタンには、F16戦闘機4台ととも新たに米兵50人が増兵され、これまで駐屯していた米兵の数が25%増えることになる。パキスタン政府は、このことに関して非常に警戒している。

パキスタンでは、米兵やスパイに関する誇大された噂が常につきまとう(中略)。現在米兵200人ほどが、パキスタンで治安維持のために協力している。特殊部隊の訓練やアドバイザー・ユニットを含め、当初は80兵だったのが去年以来2度その数が増えた。現在はパキスタンの2ヵ所に、全体で140人が駐屯する。パキスタン政府は、アメリカの戦闘部隊の駐屯は禁じている。

CIAも最近になって、諜報収集部隊や技術班の数を増やした。合同軍事諜報収集センターを設立する計画も、進行中だ。当初しばらくは両者の関係は緊張していたが、現在パキスタン人政府関係者は、国境のアフガニスタン側にある2つの合同センターで、国境間の諜報情報を交換している。

メディアや大衆はCIAの無人偵察機による攻撃を批判しているが、パキスタン政府関係者は、アメリカの工作員たちはFATAで活動するパキスタンの空軍との衝突を避けるために、これまで以上に協力しているという。

パキスタンが購入予定のF16戦闘機18機が、今年受け渡されることにあたって、アメリカのチームはこの洗練された戦闘機に搭載される兵器、データシステムの安全確保を確実なものにしなければならない。パキスタンはこれで、夜間も作戦を実行することができるようになる。

戦闘機は、パキスタン中央部にあるシャッバーズ空軍基地に収納される。ここは2001年以来、アメリカが使用することを許されているパキスタンの3つの基地のうちの1つである。パキスタンはシャッバーズに新たな米兵が到着すること極秘にしており、またここに駐屯するパキスタン軍兵士5000人とともに、彼らを収容する新たな施設を建設している(中略)。

「これは非常にデリケートな地域だ」と、パキスタン人関係者が米軍関係者の存在に関して語った。両国とも、これまで米兵士がパキスタンに駐屯していることを伏せてきたために、今回新聞がいかにこれを報道されるかに神経質になっている。政府関係者は、アメリカ人たちは作戦には関与しないことを強調した(後略)。

smellU.S., Pakistan bolster joint efforts, treading delicately
Karen DeYoung

■北ワジリスタンで抵抗勢力と軍衝突[100428 AP]

水曜日に、これまでアメリカの圧力をはねのけて抵抗勢力との戦いを拒否していた部族地帯で、抵抗勢力が準軍隊の検問所を攻撃した。抵抗勢力4人が死亡し、兵士1人が負傷したという。

北ワジリスタンでの衝突は、今週になって2度目である。

抵抗勢力が銃やロケット砲を持ってエシャ村の検問所を攻撃したが、治安部隊が報復したと、2人の地元諜報関係者が述べた。抵抗勢力の身元はわからないが、この地域はハーフィズ・グル・バハドゥールの支配下にある(中略)。

先週、抵抗勢力が北ワジリスタンのダッタ・ヘールを通行していたパキスタン陸軍の車列を襲撃し、兵士8人を殺害したと、諜報関係者が述べた。これに先立ち、兵士たちが発砲して15歳の少年を殺害したあと、部族民たちが地元の抵抗勢力と結託して、襲撃を計画したという。

先週衝突があったのは、北ワジリスタンで活動しているとされる数少ないパキスタン人タリバン司令官の1人、サディーク・ヌールの支配下の地域である。北ワジリスタンのパキスタン人タリバンの数は、増えつつあるといわれる。

また水曜日にオラクザイの2ヵ所で、治安部隊と抵抗勢力が衝突した。抵抗勢力11人が死亡したという。

さらにカラチで水曜日、2002年に起きたカラチ米領事館自爆事件に関与していたと思われる過激派が逮捕された。エシャン・ウッラーが、カラチ西部で逮捕された(後略)。

hoonPakistan: Militants, troops clash in N. Waziristan
RASOOL DAWAR、MIR ALI

■ハキームッラーは生きている、と諜報組織[100428 Guardian]

パキスタン人タリバン司令官のハキームッラー・マフスードは、1月のアメリカによる無人偵察機の攻撃を生き延びていると、パキスタンのISIが今日述べた。

(中略)諜報組織幹部が今日語ったところによると、マフスードに対するミサイル攻撃のビデオを見たが、他の諜報情報から、彼は生き延びていたことを確認したという。この関係者は、これ以上は語らなかった。「彼は生きている。少し負傷したが、基本的にはOK」だ。

(中略)諜報関係者は、タリバンナンバー2のバラダール師がカラチで「偶然逮捕」されたという報道を否定した。アメリカの諜報組織が、バラダールがカラチの裕福層の居住地にいることを特定したという。しかし彼を逮捕したのはパキスタン人で、「アメリカ人は逮捕に直接関与していない」と述べた。

バラダールは現在CIAとISIの取り調べを受け、有益な情報を提供している。例えば、オマール師と最後に会ったのは、2年前だと述べているという。

またパキスタンがバラダールを逮捕したのは、アフガニスタンの和平の話し合いを妨害するためだという主張を否定した。バラダールはカルザイ大統領を、「本当のパシュトゥーンではない」とさえ言っているという。

(中略)ISI幹部は、ISIはタリバンとの和平協定を結ぶ上で重要な役割を果たすことを「非常に積極的に望んでいる」と述べた。ただしアフガンと米政府に呼ばれればの話だという。現在パキスタンの諜報組織は「斜めから見守っている」。

「現在さまざまな思惑があり、誰も他の者がしていることを把握していない。みんながばらばらに行動している」。「しかし、タリバンを混乱させるという点では、功を奏でている」と付け加えた。

1つの障害は、イギリスとアメリカの政策の違いだという。「イギリスは取り引きや話し合いに柔軟だ」。「アメリカは、タリバンがいやがおうにも話し合い応じるような条件を出そうとしている。私が思うに、それはうまくいかないだろう」。

イスラマバードの欧米外交官は、イギリスの関係者たちは、アメリカよりも、話し合いを行なうことに積極的だと述べた。しかし両国ともまだ政策が決まっていない。「決まっていれば、すでに開始しているはずだ」という。

ISI関係者は、ISIはジャラウッディン・ハッカーニと関係を持っていないと述べた。以前ハッカーニと関係を持っていたが、アメリカは、「過去に生きている」人間に関して疑っているだけだという。パキスタンがハッカーニとの関係を絶ってしまったことを残念がり、関係を続けていれば「アフガニスタンの問題をもっと簡単に解決することができたはずだ」と述べた。

(中略)ハキームッラー・マフスードは、2度も奇跡的に命拾いした(中略)。非常に幸運であるが、タリバン指導者としての日々は終わりに近づいていると、ISI関係者が述べた。TTPは最近行なわれている南ワジリスタンの作戦で、日に日に弱体化している。

また彼はライバルであるワリウル・レーマンなどに、常にその地位を脅かされている。「現在は指導者としての地位にいないかもしれない」。「彼が台頭してきたのも偶然だ。それまでは注目に値しない人間だった。彼を受けいれたがらない人間がたくさんいた」(後略)。

ohPakistan Taliban chief Hakimullah Mehsud is alive, says spy agency
Declan Walsh、Islamabad

■パキスタンの自爆で5人死亡[100428 BC]

ペシャワルの検問所を狙った車を使用した自爆攻撃があり、警察官5人が死亡した。一般市民と警察官10人が負傷した。犯人は、車を警察の車に激突させたという。

(中略)「部族地帯の方向から車がきた。爆発物が搭載されていた」と、警察官幹部のリアカット・アリが述べた。犯人は町中に入ろうとしたが、制止されたために、爆発させたという(後略)。

hoonPakistan suicide bomb kills five

■北ワジリスタンに陰[100427 Asia Times]

北ワジリスタンの抵抗勢力が火曜日、軍が早朝ミランシャーに入ろうとしたために、小競り合いがあったという声明を発表した。政府はこれを確認していない。

(中略)先週、軍と抵抗勢力の間で一瞬衝突があったが、アルカイダ系抵抗勢力は、この衝突で軍が部族地帯の子供たちに被害を与えたと主張し、その報復のために北ワジリスタンの戦いは避けられないという。

北ワジリスタンのタリバン指導者であるハーフィズ・グル・バハドゥールは、先週の戦いは政府との停戦には影響を与えないと主張しているが、アルカイダ系過激派たちは、戦いに突入しようとしている。

また過激派たちは、自分たちを仲違いさせようとする政府の試みを、阻止しようとしている。イスラマバードは、現在サウジで活動する元イラク諜報組織関係者や、元ISI関係者、かつては国会議員だった元タリバン司令官などを動員して、作戦を実施した。

「パキスタン軍が軍事作戦をしたいかどうかという問題ではない。彼らの能力の問題だ」と、北ワジリスタンのパキスタン人タリバン報道官、ムハンマド・ウマルが電話で語った。ムハンマド・ウマルは、パンジャーブ出身の非パシュトゥーン族過激派が使用する偽名である。

「彼らはすでに北ワジリスタンで包囲されている。軍は検問所に座っているだけで、周辺の山々に陣取る抵抗勢力が発砲すれば、近くの川に水を汲みにいくことさえできない」。

抵抗勢力たちが団結していないために、北ワジリスタンの状況は緊張している。特にハッカーニ系の組織はアフガニスタンに集中したいために、軍とは和平協定を結んでいる。パンジャビを含むアルカイダ系過激派は、アフガニスタン側の外国軍とともに、パキスタンも敵と見ている。最近重要人物が拉致された事件も、大きな問題になっている。

ハリッド・ハワジャは最近ハッカーニとワリウル・レーマンにインタビューするために、北ワジリスタンを訪れた。「イマーム大佐」も同行した。「エイジアン・タイガー」と自称するパンジャビ過激派が一行を拉致したことを発表して以来、消息不明になった。過激派たちは、ハワジャは、アルカイダ系過激派たちを孤立させるための国際的な作戦に関与していたと見ている。

『Asian Times』が掴んだところによると、ハワジャとイマーム大佐は、北ワジリスタンと国境地帯の過激派と軍との間で和平協定を結ばせようとし、いずれアメリカの撤退を実現させてタリバンをそれぞれアフガニスタンとパキスタン政府内に組み込み、カブールに親パ政権を樹立させようとしていた。

しかし和平の仲介者が拉致され、ハワジャはビデオに登場してパキスタン軍を非難した。彼は脅迫されているように見えた。

過激派からのメッセージは、パキスタン軍がイスラーム主義者・非イスラーム主義者を通して、アフガニスタンの問題に介入する時代は終ったというものだ。つまり戦いは欧米とムスリム過激派との間のもので、「審判」は必要ないということである。

空軍から除隊されたハワジャは、1988年にはPPP政府に対立してイスラーム選挙同盟を結成しようとしたり、1990年代には軍関係者とジハード組織関係者が協力して、パキスタンにイスラーム革命を起こそうとするカリファート作戦を実施するなど、政治活動を行なっていた。ハワジャと元CIA長官のジェームズ・ウーズリーは、9.11以後にアメリカがアフガニスタンに侵攻することを防ごうとしたが、失敗した。

ハワジャは2007年のラールマスジッド作戦の最中、過激派の宗教者を欺いて彼が逮捕されるように計った。いっぽうでは逮捕されたり殺害されたアルカイダメンバーの家族を、保護してきた。今年の初め、タリバン司令官であるバラダール師のアメリカ・アフガン政府に引き渡しを阻止もした。

ハワジャは、状況如何で政府に対立も協力もする。またアメリカ人ともISIとも取り引きする。右翼の共和主義者と関係のある米国人マンスール・イジャーズの友人で、一緒に南アジアの平和のために尽力してきた。

ハワジャは北ワジリスタンに向かう前に『Asian Times』に、ソ連時代のアフガンジハードのベテランが、協力し合い始めたと語っていた。「詳細はまだ語れないが、パキスタンの自爆攻撃が完全に終る方法について、そのうち話すことができるだろう」と、ハワジャが語った。有名なアラブ人、メフムード・アル・サマルシが関与しているという。サマルシは、イラクの抵抗勢力に資金を流していたとして、アメリカに指名手配になっていた。今はアフガニスタンの和平のために、サウジに協力している。

しかしハワジャの北ワジリスタン行きについて、パキスタン人タリバン報道官のウマルは全く異なる話をした。

「ハリッド・ハワジャとイマーム大佐は、元イラク人諜報工作員(のメフムード・アル・サマライ)と(タリバン政権時代の司令官で元国会議員)シャー・アブドゥル・アジズと一緒に、1ヵ月半前に北ワジリスタンを訪れた。彼らは全員ロシア人と戦った年長のムジャーヒッドだったために、敬意をもって迎えられた。しかし彼らの行動は怪しかった」という。

「彼らはTTP司令官のハキームッラー・マフスードと南ワジリスタンのタリバン指導者のワリウル・レーマン・マフスード、そしてシラージュッディン・ハッカーニと会った。ハワジャは14人の司令官のリストを持参し、ハキームッラー・マフスードとワリウル・レーマンに、(パキスタンの過激派組織ラシュカレ・ジャングヴィ責任者の)カリ・ザファールを含む14人の司令官は、ムジャヒディンの中でもインドの手先で、タリバンは彼らを排除しなければならないと説得した。ハキームッラーもワリウル・レーマンも、自分たちの司令官を信じた。一行は他にも怪しい行動をとった。

「彼らはハキームッラーとワリウル・レーマンに、パキスタン軍と戦うのを中止させようと説得し、NATO軍の補給路だけを攻撃する方法を話した。彼らはハキームッラーに、パキスタン国内各地に、アフガニスタンにNATOの補修物資を運ぶ車列を攻撃する場所を作る事に協力するというのだ」。

「その後シャー・アブドゥル・アジズが、去年の12月に発生したラワルピンディーのParade Lane Mosqueに対する攻撃(軍関係者とその子供たちが殺害された)に関与した過激派の名前を、人々に聞いて回った。同時に一行はシラージュウッディンと会い、軍との関係を保持し続けるように促した。どのような武器を必要としているか尋ね、調達すると言った」と、ウマルが述べた。

ウマルによると、ハワジャの最初の訪問の際、ワリウル・レーマンの四輪駆動車が使用された。ハワジャの一行がイスラマバードにもどった数日後、この車が無人偵察機に攻撃された。

「パキスタン軍は、良いタリバンと悪いタリバンというように、タリバンを分裂させようとしている。彼らにとってアフガン人タリバンは良いけど、パキスタン人タリバンは悪い。我々にはそんな区別はない。ISIと関係があるという証拠があれば、彼が良かろうが悪かろうが敵だ。ハワジャに関しては、ISI関係者に派遣されてきたことを認めた。彼は頻繁にCIAやISI関係者と会い、またCIAと他の人間との話し合いをお膳立てし、報酬をもらっていると報告されている」。

「ハワジャの一行は、イギリス人ジャーナリストを連れて戻ってくると約束していた。我々は情報を交換した結果、彼が何らかの使命を負って我々を訪問し、また戻ってくるだろうと見ていた。予想どおり、すぐに戻ってきた。彼が連れてきたジャーナリストは、軍報道部のために、ドキュメンタリーを作ったことがある人間だった。従って彼らは全員パキスタン軍の手先で、我々の敵だ。彼らの罪の深さに従い、対処される。決められたことだ」と、ウマルが語った。

パキスタン軍、アメリカ人、抵抗勢力はそれぞれの目論見があり、それぞれ重要な時期にさしかかっている。

パキスタン軍は、アメリカはアフガニスタンで敗北し、従ってパキスタンの部族地帯で全面戦争をする必要はなくなると見ていた。彼らは戦いを最小限に留めておける場所で作戦を行ない、アメリカ人が撤退したあと、パキスタンと抵抗勢力は彼らがこれまでも築いてきた、伝統的な関係を再開する。「しかしキアニの指揮のために、このような幻想が崩壊した」と、キアニ陸軍参謀長に関して米政府幹部が述べた。

「抵抗勢力が敵意をむき出しにしたために、軍は全面戦争をせざるを得なくなった。しかし北ワジリスタンの状況は、軍を怯えさせている。シラージュ・ハッカーニは約4000人の民兵を持つ。このほかにハーフィグ・グル・バハドゥールの部下、アルカイダ系ウズベク人、チェチェン人などがいる。軍は、もし北ワジリスタンで作戦を実施したら、抵抗勢力は再び南ワジリスタンを占拠し、軍は彼らと戦うことはできなくなると考えている」。

しかしアメリカ人たちは、無人偵察機を使用して最大限協力しようとしている。主要なタリバン組織やその基地を排除し、その後アメリカの撤退準備を開始する。

しかしハワジャの例からもわかるように、抵抗勢力の一部は話し合いに応じる気配はなく、戦いしか解決策はないと考えている。

garrohShowdown looms in North Waziristan
Syed Saleem Shahzad、ISLAMABAD

■タリバン陰の知事、クンドゥーズで殺害される[100426 Longwar Journal]

同盟軍が、クンドゥーズで今日行なわれた空爆で、タリバン幹部とその部下2人を殺害した。未確認情報によると、この司令官は北部のタリバン陰の知事である可能性が高い。

当初ISAFがプレスリリースで、「クンドゥーズの過激派幹部司令官」を殺害したと発表したが、身元は明らかにしなかった。これによると、幹部指導者と部下2人を、クンドゥーズの砂漠地帯を飛行中の「精密空爆」で殺害したという。

幹部司令官は「クンドゥーズのすべての軍事作戦に関与」し、「攻撃の目標を定め、兵器を配布し、同盟軍やアフガン軍に対する攻撃を指揮していた」という。

ISIは司令官の身元を明らかにしなかったが、この説明はタリバンの陰の知事に匹敵する。タリバンは、アフガニスタンの34の州に、33人の陰の知事を任命したと主張している。

アフガン政府幹部が、この空爆でクンドゥーズの陰の知事であるヤール・ムハンマド師が殺害されたと、『Pajhwok Afghan News』で語った。ヌール・ムハンマド師とも呼ばれるヤールは、ダシュティ・アルチ地区で殺害された。

ヤールは、1995〜2001年のタリバン政権時代のヘラート州知事で、2001年にはガズニ州知事になった。ヤールは「外交官」というよりは「軍人」といわれる。カンダハル出身で、タリバン首脳部の1人でもある。

タリバンはヤールの殺害を認めておらず、またヤールがクンドゥーズの責任者だったかどうかも、明らかではない。4月12日付けの『Der Spiegel』紙によると、モーラビ・アフマッドというタリバン司令官が、クンドゥーズの陰の知事と自称しているという。アフマッドはアサドゥッラーとも呼ばれ、パキスタンのISIがムッラー・サラームを2月に逮捕したあと、クンドゥーズの陰の知事になった。アフマッドは、700人のタリバンを指揮下にしていると主張している(後略)。

hoonTaliban shadow governor killed in Kunduz: Report
BILL ROGGIO

■パキスタンの一般市民犠牲者に対処するために、CIA小さなミサイル使用[100426 Washington Post]

パキスタンの部族地帯にいる抵抗勢力を殺害する際、できるだけ一般市民を巻き込まないするために、CIAは新しい小さなミサイルと、最新の偵察技術を使用している。

技術開発のために、作戦はこれまで以上に正確になり、一般市民の怒りも比較的収まっているという。

CIAはこれらの作戦や兵器に関してコメントすることを拒否しているが、2人の対テロ関係者が、最新のテクノロジーや戦術の成果で、一般市民の犠牲者が少なくなったと述べた。

先月CIAが南ワジリスタンのミランシャーの家屋に使用したミサイルは、ヴァイオリン・ケースとほとんど同じ大きさで、35ポンドしかなかった。ミサイルは2階から、家を貫いた。この爆発で、アルカイダ幹部とテロリスト9人を殺害した。日干しレンガでできたこの家と隣りの家の屋根が崩壊したが、5000人の人口をかかえる町の他の人間は、全員無事だった。

CIAは以前100ポンドのヘルファイア・ミサイルを遠隔操作で飛行する偵察機から発射していたが、軽い兵器や小型無人偵察機を使うことで、町部での攻撃ができるようになったという。

(中略)今日CIAは、小さなミサイルを持つようになった。ロッキード社が製造した、21インチの小さな兵器などである。これは35ポンドで、コーヒーカップの直径しかない。スコーピオンと呼ばれ、無人偵察機から発射される。ヘルファイアよりも被害は少なく、4つの異なる誘導システムで操作できるために、たった1人の人間を完全な暗闇の中でも標的にできる。

ロッキードの報道官は、CIAが現在スコーピオンを使用しているかどうか語らなかったが、説明書によれば、「被害を最小限にしたい場合に使用される、正確な、小さい、致死兵器」である。またCIAは、ヘルファイアにさまざまな弾頭を使用していると、元諜報組織関係者が述べた。その中には、圧力波を発生させるために弾薬混合物を起爆させる、温度感知器をつけた小さな弾頭がある。これは人間を殺害するが、建物はほとんど被害を被らない。波動は角を曲がり、避難壕や洞窟の中ににまで入り込む。

CIAは、兵器を搭載しない偵察機も持つ。これらは「マイクロ無人偵察機」と呼ばれ、ピザ台の大きさほどで、至近距離から数時間、あるいは数時間標的を監視することができる。夜間は、ほとんど気づかれることがない。「窓の外にあっても、誰も音に気づかない」と、ある関係者が語った。

hoonAmid outrage over civilian deaths in Pakistan, CIA turns to smaller missiles
Joby Warrick and Peter Finn

■米無人偵察機、パキスタンで8人殺害[100426 AFP]

月曜日に、少なくともイスラーム過激派8人が、パキスタンの北西部で無人偵察機から発射されたミサイルで死亡した。

北ワジリスタンでは、48時間のうちに2度ミサイル攻撃が実施された。「ハリーム・ハーンという地元司令官の部下の家が、アメリカのミサイルで攻撃された」と、あるパキスタン人関係者が語った。「抵抗勢力8人が殺害され、数人が負傷した」(中略)。

パキスタンの治安関係者によると、死亡したのは南ワジリスタンのマフスード族だという。地元司令官のハーンは、犠牲者の中にはいないと述べた。

hoonUS drone strike kills eight in Pakistan: officials
Hasbanullah Khan、MIRANSHAH

■オラクザイで抵抗勢力15人殺害[100426 News]

日曜日にオラクザイで発生した治安部隊と抵抗勢力との間の衝突で、抵抗勢力15人が死亡、9人が負傷した。

情報源によると、早朝ロワー・オラクザイのゴイーン地域をパトロールしていた治安部隊に、抵抗勢力の一団が発砲した。軍が報復し、抵抗勢力8人を殺害した。

これとは別にオラクザイ中央部のカシャとサイフル・マシ地域にある抵抗勢力の拠点を、戦闘ヘリコプターが攻撃した。抵抗勢力7人が死亡、6人が負傷したという。抵抗勢力に抵抗を呼びかけたが攻撃してきたために、治安部隊が家を爆破した。その結果抵抗勢力4人が死亡した(後略)。

hoon15 militants killed in Orakzai
KALAYA

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2010.