【2010年5月24日〜5月30日】


■パキスタン北西部でジェット機、過激派18人殺害[100530 AP]

パキスタン北西部にある過激派の拠点をジェット戦闘機が攻撃し、戦闘員18人を殺害した。

地元行政官のジャハンゼーブ・ハーンによると、日曜日にオラクザイの過激派が攻撃されたという。ハーンによると、土曜日の夜、道路脇に仕掛けられた爆弾により車が爆破され、兵士2人が死亡した。

隣のクラーム部族地帯の行政官ナジーム・シャーによると、日曜日に過激派が乗り合い車に発砲し、女性2人を殺害、4人を負傷させた。

シャーによると、過激派たちは、発砲事件が発生したタベルタン村の住民たちが自分たちを支持しないことに腹を立てたために、攻撃したという。

hoonJets kill 18 suspected militants in NW Pakistan
HUSSAIN AFZAL、PARACHINAR

■ベナジール暗殺首謀者の死亡説に謎[100529 News]

ベナジール・ブット暗殺を首謀したとされる、TTPの重要な司令官のエバドゥル・レーマン、別名ファルーク・チャタンが、 弟のユーサフと一緒に2週間前に、カイバル行政区に対する初めての無人偵察機の攻撃で死亡したといわれる。

公式発表はないが、彼の行動を監視していた諜報関係者によると、彼が殺害されたことは95%確実だとという(中略)。軍報道関係者は、特定の過激派指導者が死亡したことを確認も否定もしなかった。

5月15日の無人偵察機の攻撃で、過激派13人を含む15人が死亡した。地元の行政関係者は無人偵察機の攻撃があったことを否定し、パキスタンのジェット戦闘機の攻撃だったと述べた。情報源によると、エバドゥル・レーマンと弟のユーサフの他に、ウズベク人戦闘員8人が死亡したという。

エバドゥル・レーマンは、TTPとアルカイダとの間を仲介して、ベナジール・ブット暗殺を計画したといわれる。計画はアルカイダのシューラ責任者であるアブドゥル・アバイダ・アルミスリが承認し、バイトゥッラー・マフスードが実行したと思われている。

アブドゥル・アバイダは、2008年1月に病死した。別のTTP指導者でスワビ地区出身のナディール別名イスマイルが暗殺隊の責任者で、アコーラ・ハタックで会合を開いたあと、自爆犯たちを送り出した。彼も2008年1月に、国境警察隊との衝突で死亡した。

エバドゥル・レーマンはマラカンドの出身で、ハーフィゼ・クルアーンだった。衛星電話を頻繁に使用し、数百万ルピーを所持していた。カイバル行政区のランディコタール地区ティラ谷ラガ地域にあるジャブロール・キャンプの近くで起きた無人偵察機の攻撃で死亡し、ティラに埋葬されたと言われている。

ナドラの記録から入手した家系図から、彼の親戚8人が、高い地位にはいないが、治安組織で働いていることが判明した。そのうちの4人は仕事を放棄したために、解雇された。残りの4人はまだ治安部隊で働いている。エバドゥルとの関係が調査されたが、無実であることがわかった。

しかし情報源によると、パイトゥッラーはブット暗殺に関与していることを否定している。タリバンは女性を殺害しないという。情報源によると、TTPは実行したことは常に認めてきたが、ブット暗殺は認めていない。

hoonPlotter of Benazir's death dead, amid growing mystery
Umar Cheema、ISLAMABAD

■アフガンタリバン、スワートの相棒による攻撃を否定[100529 News]

水曜日にアフガン人タリバン司令官のムフティ・ムリブッラーが、スワートのタリバン指導者であるファズルッラー師と彼の部下が、ヌーリスタン州のバルゲ・マタール町を攻撃したという報告を否定した。

「ファズルッラー師が率いるパキスタン人タリバンが、バルゲ・マタールにあるアフガン軍と警察の検問所を攻撃したとアフガン政府が発表した、というメディアの報告は嘘だ。私はヌーリスタン州の軍事司令官だが、そのような事実はない」と、ムフティ・ムニブッラーが述べた。少し前に、自分とファズルッラーは別の2人の過激派とともにクナール州に移ったために、アフガニスタン国内でそのような大きな作戦を指揮する状態にはないという。

「ファズルッラーのような外部の人間が、ヌーリスタン内で過激派300人を率いて治安部隊の検問所を攻撃することは、不可能に近い。我々以外、タリバン組織はここで活動できない。米軍が検問所から撤退したあと、我々はアフガン軍や警察を攻撃するのを中止した。地元の部族民たちとの間で協定を結び、地元の軍隊とは戦わないことにした」と、タリバン司令官が主張した。

アフガン軍は3日前に、バルゲ・マタールにある自分たちの検問所を攻撃したために、仲間の戦闘員が報復したという。数時間にわたる戦いで、両方ともに大きな犠牲者がでたという。しかし、ファズルッラーがこの衝突に関与したことはないという。

パキスタン人タリバンがヌーリスタンで作戦を実施していたという報告の証拠を提示するよう、メディアに求めた。タリバンは、2009年にワナットの米軍を攻撃したあと、ヌーリスタンの大半を制圧していると主張した(後略)。

hoonAfghan Taliban deny major attacks by Swati counterparts
Mushtaq Yusufzai、PESHAWAR

■同盟軍が、バグラーン州のタリバン陰の知事を殺害[100529 Longwar Journal]

同盟軍とアフガン軍が、バグラーン州のタリバン陰の知事を殺害し、北部のタリバン首脳陣に大きな打撃を与えた。

バグラーン州の陰の知事のロハウッラー師が、バクラーニ・ジャディード地域を走行していたタリバン戦闘員を乗せた2台の車に対する「精密な空爆」で殺害された(中略)。

その後同盟軍とアフガン地上軍が、「重機関銃やロケット推進手榴弾、自動ライフル、手榴弾、通信機器を持った重武装した」タリバン戦闘員と衝突した。タリバン戦闘員が同盟軍を攻撃したが、敗北したという。ISAFは、死亡したタリバン戦闘員や参加した戦闘員の数を明らかにしていない。

ロハウッラーは、5月の初めからバグラーン州の陰の知事だった。「同盟軍に対する戦いを組織・指揮」し、「クンドゥールやパキスタン人タリバン幹部と常に連絡を取り合い、情報のやり取りをしていた」という(後略)。

hoonCoalition kills Taliban's shadow governor in Afghanistan's Baghlan province
BILL ROGGIO

■ラホールのモスク攻撃で数十人死亡[100528 BBC]

銃を持った男たちが、ラホールにある少数派のアフマディ派のモスク2ヵ所を同時に攻撃し、少なくとも80人以上が死亡したと、パキスタンの警察が発表した。

攻撃者たちは、金曜日の祈りの最中に、集まっていた信徒に銃を発砲し、手榴弾を投げつけた。パキスタン軍は現在両現場の安全を確保したが、逃走した過激派の行方を追っている。

犯人はまだ明らかではないが、パキスタン人タリバンに疑いがかられている。スンナ派過激派は、アフマディ派を異教徒と考えているために、「標的になりやすい」(中略)。目撃者によると、攻撃者たちは動く者をすべてを銃撃したという。

警察によると、攻撃者たちはガルヒ・シャフ地区のモスク内に人質をとって、立て籠った(中略)。犯人のうち3人は、警察がモスクに突入しようとすると自爆ベストを起爆したという。

近くのモデル・タウンにある別のモスクでは、2時間に及ぶ銃撃戦のあと、警察が現場の安全を確保した。ガンマンたちが、モスクに向かって無差別に銃を撃ちまくった。治安部隊が過激派1人を射殺し、2人を逮捕した。男たちはAK47やショットガン、手榴弾で武装していた(後略)。

garr
Pakistan mosque attacks in Lahore kill scores

■パキスタン人タリバン司令官、死亡と噂[100527 AP]

スワートを占拠しようと目論んでいたパキスタン人タリバンが、アフガニスタン東部で発生したアフガン軍との激しい戦闘で死亡した可能性があると、関係者が木曜日に述べた。

日曜日以来、抵抗勢力数百人がヌーリスタン州のバルゲ・マタール地区で戦っている。水曜日の夜に激しい戦闘があったあと、戦闘に参加した村人がタリバン司令官のファズルッラー師と仲間6人を殺害したと報告したと、アフガン軍警察司令官のムハンマド・ザマーン・マモザイ将軍が述べた。

ヌーリスタン警察長官のムハンマド・カシームによると、政府はまだファズルッラーの死亡を確認できていないという(中略)。

パキスタンでは、バジョールのタリバン指導者のファキール・ムハンマド師が、ファズルッラーが戦闘員とともにヌーリスタンに行ったと語った。「彼と接触しようとしている。彼は無事で殺害されてないと思っている」という。バジョールの別のアフガンタリバン司令官も、ファズルッラーは生存していると主張した。「ファズルッラー師は、ヌーリスタンのタリバンの客人だった。彼がそうたやすく殺害されるとは思っていない」。

アフガン内務省によると、ヌーリスタンの戦闘で警察官1人も死亡したと述べた。戦いは木曜日になっても続いている。関係者によると、パキスタン人タリバン500人ほどが、この戦いに参加しているという。

州警察報道官のファルーク・ハーンによると、1週間近く続いている戦いのなかで、政府軍は食料や弾薬が不足してきたという。NATOのヘリコプターが兵器や弾薬を輸送したが、まだ不足している。現在使用できる唯一の道を使用してロバで現場に到着するためには、2日かかるという。

抵抗勢力が日曜日に政府の建物を攻撃した。州警察長官のムハンマド・カシーム・ジャングルバー将軍によると、ファズルッラーが、政府を支持する者を殺害せよというファトゥアを出したために、地元の住民も加わって、タリバンと戦っているという(後略)。

ohPakistani Taliban commander rumored dead
ROBERT H. REID and AMIR SHAH、KABUL

■タリバン、アフガンの地域を包囲[100526 BBC]

アフガニスタンのヌーリスタン州の警察が、パキスタンから来たというタリバン戦闘員数百人と衝突したために、援護を要請した。

内務省によると、現在のところタリバン7人と警察官2人が死亡したという。

関係者によると、ファズルッラー師が率いるパキスタン人タリバン約300人が、今週になってこの地域に入ってきた。ファズルッラーは2009年にスワートで軍事作戦が実施されるまで、スワートでタリバンを率いていた。

(中略)内務省報道官によると、ヌーリスタンの警察がカブール政府に援護を依頼し、すでに軍が現場に向かったという。バルゼ・マンタール地域に対する攻撃は、「大胆」だったという。

ヌーリスタン知事のジャマロッディン・バダルによると、地域警察とファズルッラーの仲間との間で激しい戦いが展開しているという。

報告によると、抵抗勢力が政府の建物を襲撃し、少数の警察隊が守備しているという。「攻撃者よりも警察官のほうが少ないが、地元民たちが協力している」と、ムハンマド・カシーム・ジャングルバー将軍が述べた。警察は援護を要請したが、まだ到着していないという(後略)。

hoonTaliban besiege Afghan district

■ハキームッラーの北ワジリスタンからの撤退は、パキスタンにとっては行動しないための「言い訳」[100526 Longwar Journal]

(前略)ハキームッラーの北ワジリスタンからの撤退は、パキスタン政府と軍がバハドゥールに、ハキームッラーとパンジャビ・タリバンを追い払うように圧力をかけた結果である(中略)。米軍と諜報関係者によると、ハキームッラーの撤退は、「良いタリバン」を温存するための企みだという。

「撤退は、北ワジリスタンの作戦を実施する必要性がないとするための言い訳にすぎない」と、ある米軍事諜報関係者が述べた。「このタイミングは、パキスタン軍にとっては好都合だ。軍の画策以外あり得ない」。

「パキスタン政府は、北ワジリスタンに行く理由はないと言ってくるだろう。ハキームッラーなどの悪い奴らは、全員いなくなった。残りのタリバンは、なんとかなる」と、ある諜報関係者が述べた。「前と同じだ。南北ワジリスタンの和平協定も同じだ。アルカイダは追い払ったという。でも追い払いはしなかった」。

別の関係者によると、ハキームッラーに北ワジリスタンから出て行ってもらったのは、バハドゥールがパキスタン軍と締結した和平協定を侵害するつもりはなかったことを強調するためのものだという。この協定で、バハドゥールは南ワジリスタンの戦闘員や指導者たちを匿わないと約束し、戦闘員は北ワジリスタンのパキスタン軍と戦わないことに同意した。

「パキスタン人たちは、再び和平協定という茶番劇に同意した。タリバンはこんなものを誰も守らない」。「バハドゥールはハキームッラーの一行を匿った。パキスタン軍は北ワジリスタンで攻撃された。軍は協定の侵害を見て見ぬ振りをした。彼らは協定が遵守されるかどうかなど、気にしていない。パキスタン軍は、北ワジリスタンに入りたくないだけだ」。

hoonHakeemullah's pullout from North Waziristan an 'excuse' for Pakistan not to move
BILL ROGGIO

■マフスード過激派、北ワジリスタンから撤退に合意[100525 News]

ハーフィズ・グル・バハドゥールとハキームッラー・マフスードとの間の話し合いの結果、ついにマフスード過激派がパンジャビ・タリバンとともに、北ワジリスタンから南ワジリスタンに移り始めた。

部族民たちは、ミランシャーのマーケットからタリバンたちがいなくなったのを見て、びっくりした。「マフスード族過激派の98%とパンジャビ・タリバンの一部が、北ワジリスタンを去った。撤退する前にマフスード・タリバンは、各地の村にあるモスクのラウドスピーカーを通して北ワジリスタンの部族民に、居場所を失ったマフスード族過激派に協力して援助してくれたことを感謝した」と、ハーフィズ・グル・バハドゥールに近い情報源が述べた。この情報源によると、ハーフィズ・グル・バハドゥールと彼のシューラは、北ワジリスタンの治安が混乱して法が遵守されていないことを心配し、地域が脅威にさらされていると感じていた。

情報源によると、政府と軍はハーフィズ・グル・バハドゥールとその仲間たちに、軍事作戦を実施するか、マフスードとパンシャビ・タリバンを北ワジリスタンから追い払うか、どちらかを選ぶように迫っていた。情報源によると委員会が結成され、マフスード・タリバンとこの件に関して話し合ったという。

またジルガは、軍事作戦が開始されそうだという報告で人々が不安になっているとマフスード族に伝え、政府が作戦を開始する前に、撤退してほしいと依頼した。

またタリバンのジルガは、マフスード族司令官たちに自分たちが政府と和平協定を結んでいることを伝え、この協定を破りたくないと述べた。ハキームッラー・マフスードとワリウル・レーマンはバハドゥールの依頼を受け入れ、北ワジリスタンから去ることにした。

「大半が南ワジリスタンのシャクトイとマキーンに向かった。山中に拠点がある。夏の間、彼らは山中で自由に動き回れるだろうが、治安部隊は激しい抵抗に遭うことになるだろう」と、タリバンの情報源が語った。

ohMehsud militants agree to leave NWA
Mushtaq Yusufzai、PESHAWAR

■偽造テープ、近々浮上か[100524 News]

ある信頼のおける情報源によると、政府は近々、ジャング・グループの幹部ジャーナリストを陥れる計画を立てたという。情報源によると、TV司会者のハミッド・ミールとタリバン司令官との間の会話の議論は、「一連の議論の最初」にすぎないという。また、監視されているジャーナリストの地上電話と携帯電話も、盗聴されているという。監視されているジャーナリストの会話を切り取り、偽造会話を作り上げる。その人間が「ナワーズ・シャリーフの取り巻き」で、PPP批判はシャリーフの指図であるがごとく、偽装することも考えているという。

これらの行為は、最も有力なメディアを攻撃することで、他のメディアを牽制するためである。ジャング・グループは、これまでも標的にされてきた。

驚くことに、これまでと違い、今度は内務省ではなく、法務省と関係のある諜報組織が首謀している。

現在標的にされそうなのが、ハミッド・ミール、シャヒーン・セハビ、アンサール・アバッシ、ムハンマド・マリーク、カムラン・ハーン、シャーッド・マスードである。

smellMore fake tapes to come out soon
ISLAMABAD

■オラクザイの作戦で過激派100人以上殺害[100524 News]

日曜日にアッパー・オラクザイをジェット戦闘機が攻撃し、司令官4人を含む過激派100人以上が死亡し、拠点7ヵ所が破壊された。

情報源によると、グンディ・タール、コット・キレイ、ゴタック地域にあった過激派の拠点を、ジェット戦闘機が空爆した。過激派38人が死亡、40人が負傷した。殺害された過激派のなかは、ラルザダ、フセイン・アスガール、モーラナ・キヒマット・ハーン、ザヒッド・ハーンの4人の司令官が含まれている(中略)。

情報源によると、「日曜日の攻撃で、100人以上の過激派が殺害された」という。外国人や、TTPのタリーク・アフリディが率いる戦闘員も殺害された(後略)。

hoonOver 100 militants killed in Orakzai blitz
KALAYA

■部族地帯、複雑すぎる標的[100524 Los Angels Times]

数十年前、ハミッド・グルは北ワジリスタンの過激派のキャンプを訪れ、古い友人のように夕食をごちそうになった。当時パキスタンの諜報組織長官で、彼のホストは、アフガニスタンでソ連軍と戦う自分たちに恩恵を与える者として、丁重に扱ってくれた。「よく旅したものだった」と、グルが語る。「何もかも申し分なかった」。しかし状況は変わった。友情も変わった。

山中にはまだ過激派のキャンプはある。しかし現在彼らは、さまざまな系統の過激派を訓練し、相互にネットワークを組んでいる。敵視する対象も変わった。北ワジリスタンの過激派は、今や欧米やパキスタンの他の地域を標的している。

北ワジリスタンの過激派のラインアップが変化したことで、この地域から過激主義を一掃するという軍事作戦は難しくなった。多数の信頼のおけるインフォーマントが必要だし、過激派に発見されて処刑されたワジリスタンのスパイを、補充しなければならない。

(中略)パキスタンは、南ワジリスタンで作戦を実施したとき、パキスタン人タリバンが国内各地のテロ行為を実施しているために、作戦は不可欠だと述べた。北ワジリスタンの過激派と戦うことは、この地域のタリバン戦闘員はパキスタン人や治安部隊を標的にしないために、必要ではないという。

北ワジリスタンで軍事作戦を実施すれば、パキスタンで最も裕福で人口が多いパンジャーブに、大きな影響を及ぼす。最近北ワジリスタンに入ってきた過激派の中には、パンジャーブ人過激派組織の人間が多い。これらの組織は、ジャイシェ・ムハンマドやラシュカレ・トイバ、シパエ・サハバ・パキスタン、ラシュカレ・ジャングヴィなどの派生組織である。彼らはアルカイダやパキスタン人タリバンに協力する。

これらの組織はパンジャーブの中央部や南部に多数の拠点を持つために、北ワジリスタンを攻撃すれば、国内のテロ攻撃が激化する可能性がある(中略)。

北ワジリスタンの新しい戦闘員は若く、これまでパキスタンの諜報組織と過激派とが保っていた関係に左右されない。最近拉致された元ISI関係者の殺害も、エイジアン・タイガーと自称する、これらのパンジャーブ人過激派の犯行である。

(中略)「ハリッド・ハワジャは、北ワジリスタンの過激派の新たな構造を重視しなかった」と、元ISI長官だったハミッド・グルが語る。「今や無法地帯だ。望めばどんな組織でも入って行く」。

パキスタンの軍事指導者たちは、北ワジリスタンの戦略は小規模で、特定の組織を標的にした付加的な作戦になるだろうという。軍と和平協定を結んでいるハーフィズ・グル・バハドゥールの組織は、見逃されるだろう。ハッカーニの組織を取り締まることもない(中略)。

作戦の問題は、北ワジリスタンの過激派の構成員が変化したことで、現地で活動する組織の関係が複雑になったことだ。民族的、イデオロギー的なつながりで、まとまらなくなった。さまざまな目的を持つ人間が、ひとつになった。

「さまざまに関係し、組織間のつながりができ、この地域を管轄する代表者がいないとなると、『この地域はそっとしておき、あっちを攻撃しよう』などと言ってはいられなくなる」と、元パキスタン軍将軍のタラート・マスードが語る。「パキスタンが排除したくないと考える人間もいる。ハッカーニやバハドゥールの組織など。しかし組織がすべて連帯すれば、強力な軍隊になる。割るには、殻が固すぎる」。

hoonPakistan tribal region no simple target
Alex Rodriguez

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2010.