【2010年5月31日〜6月6日】


■イマーム大佐とアサド・クレイシー解放[100606 Dawn]

木曜日に北ワジリスタンでエイジアン・タイガーと自称する組織が、元ISI高官のイマーム大佐とパキスタン系英国人ジャーナリストのアサド・クレイシーを解放した。

組織は北ワジリスタンで活動していると思われ、3月26日にハリッド・ハジャワを含む一行を拉致した。ハジャワはその後殺害された(後略)。

hoonKidnappers free Colonel Imam, Asad Qureshi
ISLAMABAD

■チトラルでアフガン兵15人逮捕[100604 Chitral Times]

ヌーリスタン州のバルガ・マッタール地域で行なわれているタリバンとNATO軍との戦いでパキスタン側に逃げてきたアフガン兵15人が、ブンブレットのシャハナンデーで逮捕された。

カラーシュ谷のブンブレットは、ヌーリスタンと接し、パキスタンとアフガニスタンを結ぶ峠として使用されてきた。

oh15 Afghan soldiers arrested in Chitral
Chitral

■アメリカの「極秘戦争」特殊部隊の役割が拡大[100604 Washington Post]

あたりさわりのない外交と、アフガニスタンとイラクの交戦地帯に対する政策の傍らで、オバマ政権はアルカイダなどの過激派に対して、大規模な極秘戦争を行なっていると、政権関係者が述べた。

特殊部隊員は去年は60ヵ国に派遣されていたが、今年は大幅に増えて、75ヵ国になった。これまで数年にわたってフィリピンやコロンビアに隊が派遣されていたが、現在はイエメンをはじめとした中東、アフリカ、中央アジア諸国にまで及んでいる。(中略)さらにソマリアにも派遣予定である。

特殊部隊の派遣は、パキスタン西部のCIAによる無人偵察機の攻撃とともに、オバマ政権が先週発表した国家安全政策の、もう一つの側面である。

これらの「極秘」軍を特殊作戦に使用することは、これらの作戦を公表しないですむという利点がある。民主政権の大統領であるオバマの政策は、攻撃的すぎるとも攻撃的すぎないとも批判されているが、CIAによるパキスタンの無人偵察機攻撃の承認や、ソマリアの襲撃、イエメンの合同作戦などは、政治的に有利なものになっている。

ある軍関係者は、オバマは「これまで政権が許さなかったことを許している」と述べた(後略)

smellU.S. 'secret war' expands globally as Special Operations forces take larger role
Karen DeYoung and Greg Jaffe

■やってきて、座って、帰った[100604 Asia Times]

(前略)9年前、2001年のアフガニスタンのアメリカ侵攻後、タリバンなしの平和なアフガニスタンに対する希望が高まった。しかし、これは実現しなかった。再び今カブールでエアコンが効いたテントの中で、3日にわたる大シルガが行なわれているが、これも失敗する運命にある。

カルザイの呼びかけにより、議会、部族民、宗教の指導者の代表1600人以上が集まり、タリバン下士官に恩赦、仕事、安全保障を提供してアフガン社会に組み入れる話し合いを行なっている(中略)。

また過激派指導者たちを国連のブラックリストからの排除、銀行口座凍結の解除、渡航の自由を許すかが、話題になっている。タリバン関係の137人とアルカイダ関係258人が、このリストに入っている。

(中略)タリバンはジルガを否定し、これらは「外国人の利益を確保する」ためのもので、「偽の和解計画」と主張した。水曜日の開会式にはロケット弾が撃ち込まれ、1万2000人の警備を突破して、ブルカを被った2人の自爆犯による攻撃があた(中略)。

野党指導者のアブドゥッラー・アブドゥッラーは6月1日に、ジルガには参加しないと表明した(中略)。ジルガに先立ち先月、モルディヴでも小さな平和会議が行なわれた。これはヘクマチアルの義理の息子であるホマユン・ジャリールが主導した。ジャリールは、アフガン政府とヘクマチアルの間を取り持っていると主張している。

しかし情報源によると、ヘクマチアルはこれを快く思っておらず、ジャリールに「いい加減にしろ」というメッセージを送り、自分の代理になる権限はないと述べた。ジャリールはパンシール谷出身のタジークで、詩人兼ブルーサファイアの商人である。1990年代にアーマッド・シャー・マスードに協力し、ヘクマチアルと対立した。

オブザーバーの中には、今回のジルガはヘクマチアルを政治に組み込むことを承認させようとするものであると考える者たちもいる。

モルディブとカブールの和平会議が開催される前後から、カブール周辺の治安が悪化してきた(中略)。またパキスタンとの国境付近の治安も、悪化している。ある報告によると、パキスタンの部族地帯の過激派の60%がアフガニスタンに渡った。つまり数千人である(後略)。

hoonThey came, sat, ate and left
Syed Saleem Shahzad、ISLAMABAD

■アルカイダ幹部、無人偵察機の攻撃で死亡[100603 Dawn]

ジハード組織が水曜日に、アルカイダ幹部のオサマ・ビン・アリ・ビン・アブドゥッラー・ビン・ダムジャン・アルダワサリが、南ワジリスタンのアンゴール・アッダ近くのネザイ・ナレイに対する無人偵察機の攻撃で死亡したと発表した。

ジハード組織が運営するアル・ファジル・メディア・センターは、アルカイダのナンバー3であるムスタファ・アブ・アル・ヤジドが、5月21日の北ワジリスタンのラード・ムハンマドヘール地域に対する無人偵察機の攻撃で死亡したことを発表したばかりである。

ダワサリは、モーラビ・ナジール司令官に近い、オマル・ハイターブの家で開かれていた会議に出席していたところを殺害された。地元の人間によると、ハイターブと部族民2人とアフガン人が、この攻撃で死亡した。

hoonTop Al Qaeda leader killed in drone strike

■アフガン北部に就任したタリバン新陰の知事、逮捕[100602 Longwar Journal]

アフガンと同盟軍が、バグラーン州のタリバン首脳陣に対して、再び打撃を与えた。

アフガン軍と同盟軍が、5月31日にバグラーニ・ジャディード地区で取り締まりを実施し、新たに就任したタリバンの陰の知事を逮捕した。バグラーンの陰の知事の名前は明らかにされていないが、「彼がパキスタンに行く準備をしていたところ」を逮捕したという。部下の1人が殺害され、多数が逮捕された(中略)。この新知事は、就任してまだ2日しかたっていなかった。前任者のロフッラー師は、5月29日に同盟軍の空爆で死亡している(後略)。

hoonNewly minted Taliban shadow governor in Afghan north captured
BILL ROGGIO

■アルカイダナンバー3、北ワジリスタンの攻撃で死亡[100602 News]

パキスタンの治安関係者は、アルカイダのナンバー3でビンラディンの腹心だったムスタファ・アフマド・ムハンマド・ウタマーン・アブ・アルヤジード、別名シェイク・サイード・アルマスーリが、他の10人とともに、6月21日に実施された北ワジリスタンのダータヘール地域サイダバード村に対するアメリカの無人偵察機の攻撃で死亡した、と信じている。

(中略)タリバンの情報源によると、シェイク・サイードはアメリカの無人偵察機がミールアリを攻撃してアラブ人戦闘員を殺害し続けたために、そこからダータヘールに移ったという。「シェイク(アラブ人)たちはあまり情報交換をしないが、最近ダータヘールにある彼の家が攻撃され、家族とともに殉教したと信じている」と、ハーフィズ・グル・バハドゥールが率いる組織に属すタリバン幹部司令官が述べた。

このタリバンの情報源によると、幹部戦闘員たち、とくにアラブ人戦闘員は、極秘に埋葬されるという。「一般人は、彼らの葬儀や埋葬場所は知らない」という。アラブ人たちの中には、北ワジリスタンが続けざまに攻撃されているために、家族を南ワジリスタンに移した者もいるという。シェイク・サイードも家族を数日内には移動させるつもりでいた」。

この地域で活動しているアフガン人タリバンも、アラブ人戦闘員とその家族がサイダバード村のモーラビ・トール・ハーンという年取った宗教指導者の家とその隣接する家がアメリカの偵察機で攻撃され、女性や子供たちが犠牲になったと述べた。

治安関係者によると、無人偵察機がダータヘール地区のランド・ムハンマド・フールに近いサイダバードにある3件の家に、ミサイル5発を撃ち込んだ。ミランシャーの治安関係者によると、5月21日に無人偵察機6機が、ダーハヘールの過激派の家を攻撃するために飛来した。「この攻撃て3軒の家が前哨し、情報源によると、シェイク・サイードがこの3軒の1つに住んでいた」という。

しかし治安関係者によると、無人偵察機の標的はシェイク・サイードが住む家で、他の犠牲者は巻きぞえになったという(後略)。

hoonAl-Qaeda number three killed in NWA drone attack
Mushtaq Yusufzai、PESHAWAR

■タリバンの拠点を制圧とパキスタン[100601 AP]

パキスタン軍が火曜日に、アフガニスタンとの国境付近の地域にいるタリバンに対して、勝利を宣言した。この地域に対する軍事作戦は終了し、一般市民は近々自宅に戻ることができるという。

オラクザイに対する勝利宣言により、軍は別の地域に兵を派遣できることになる。

しかし、軍はこれまでも問題地域に対して勝利宣言を出しているが、その後過激派たちは再び再結成して出没している。

軍は数ヵ月にわたってオラクザイを空爆し、その後、地上軍も送り出した。3月に戦いが激化し、抵抗勢力が毎日殺害され、時には数十人が一度に犠牲となった。

(中略)南ワジリスタンやスワート谷と比べて、軍はオラクザイの作戦に関してはほとんど詳しいことを発表していない。実際に兵士と抵抗勢力が何人犠牲になったかは、明らかではない。

作戦が終了したことは、キアニ陸軍参謀長のオラクザイとクラーム訪問のあとに、発表された(後略)。

hoonPakistan claims victory over Taliban in stronghold
NAHAL TOOSI、ISLAMABAD

■アフガニスタンでアルカイダ幹部「殺害」[100531 BBC]

アフガニスタンのアルカイダナンバー3のムスタファ・アブ・アルヤジドが殺害されたと、報告されている。

ヤジドはシェイク・サイード・アル・マスーリと呼ばれ、妻の3人の子供とともに死亡したと、アルカイダの声明を引用したイスラーム過激派のウェブサイトで公表された。

米関係者によると、ヤシドは最近起きたパキスタンの部族地帯に対するアメリカの無人偵察機による攻撃で、殺害された。これまでも彼の死が報告されていたがすべて誤りであり、アルカイダが彼の死を認めたのは初めてである。

米関係者は、このエジプト生まれの過激派を、ビンラディンの次の人間と見ていた。アフガニスタンにおけるアルカイダの作戦司令官として、さまざまな作戦の計画から資金ぐりに関与し、すべてを仕切っていたといわれる。

米政府関係者によると、ヤジドがパキスタンの部族地帯で2週間前に殺害されたと信じる「大きな理由」があると述べた。

過激派を監視している組織によると、5月31日にこの過激派の妻と娘3人と孫娘1人の他に、数人の男性、女性、子供たちが殺害されたというアルカイダのメッセージが、イスラーム主義者たちのフォーラムに掲載された。メッセージはイスラーム主義者たちのウェブサイトを監視するSITEが翻訳しているが、彼が死亡した経緯には詳しく触れず、「殉教した」とだけされる。「彼の死により、異教徒に呪いがかけられた。その結果はすぐに現われる。これで十分だ」と訳されている。

ヤジドは、前任者のアブ・ウバイダ・アルマスーリが2007年にパキスタンで肝炎を患って病死したあと、地位に就いた。9.11の資金集めを行なったといわれる。

2008年にパキスタンのGeoテレビに登場して、アルカイダは9.11事件に「正式に関与した」と述べ、ケニアやタンザニアの米大使館爆弾事件にも関わっていたと発言した。

サダト大統領暗殺事件に関与したとして、1982年にエジプトで服役した。4月に殺害されたイラクのアルカイダ指導者だったアブ・オマル・アルバグダディとアブ・アユーブ・アルマスーリを賞賛する声明が、彼の最後の声明となった。

hoonSenior al-Qaeda leader 'killed' in Afghanistan

■NATO、アフガニスタンでパキスタン人タリバンを攻撃[100531 BBC]

NATOが、アフガニスタン東部の一地区から政府軍を追い出したタリバン抵抗勢力に対して、空爆を実施した。NATOによると、精密誘導ミサイルがヌーリスタンのバルゲ・マンタールに発射された。

先週、ヌーリスタンの警察が、パキスタンから入ってきたタリバン数百人と衝突したために、援護を要請した。関係者によると、パキスタン人タリバン指導者のファズルッラー師に率いられた抵抗勢力300人が、ヌーリスタンに入った

声明によると、地元関係者やアフガン司令官の要請により、ISAFにより空爆が実施された。作戦は先週この地域で起きた「明らかな抵抗勢力の活動」に答えたものだという(後略)。

hoonNato strike against Pakistan Taliban in Afghan district

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2010.