【2010年6月7日〜6月13日】


■パキスタンの操り人形主人、タリバン殺人者を誘導[100613 Sunday Times]

パキスタン人警官が、アフガニスタンに入る車やトラックの取り調べをする間、タリバン司令官は渋滞する国境で待つ。

密輸品を運ぶトラックもある。しかしワルダック州のパシュトゥーン族タリバン戦闘員のカリ・ラスールが密輸するのは、もっと悪質だ。

ラスールの長靴は、アフガニスタンのNATO軍を悩ます自家製爆弾を起爆させるための、遠隔装置でいっぱいだった。白いトヨタに乗った3人は、自爆者だ。

警察官がラスールの車を制止し、取り締まりを開始した。トランクの中に押し込まれた布の下から、起爆装置を発見した。彼が誰だかを尋ねられ、起爆装置は誰の者か質問された。「私はタリバン司令官だ。私のものだ」と答えた。

警察官2人がラスールをチャマンの警察署に連れ込み、木の椅子に座らせた。彼を逮捕する代わりに、年長の警察官は親指と人差し指をこすって微笑んだ「わかるだろ」。

ラスールは、パキスタン人の友人に電話した。2時間後、5000ルピーを警察官に支払い、釈放された。「パキスタンの国境を通過するときに問題があったのは、この時だけだ」とラスールが語った。彼はパキスタンのキャンプで訓練を受けた自爆者たちを、アフガニスタンに運んでいる。

アフガニスタンのタリバンに対するパキスタンの協力は、腐敗した警察官に留まるものではない。パキスタン政府の上層部が、公然と協力していることが暴かれた。

パキスタンのISIが、タリバンの戦争議会であるクエッタ・シューラに参加しているといわれる。15人からなるシューラのうちの7人が、ISI工作員である。

先週辞任した、アフガニスタンの諜報組織長官だったアムラッラー・サレーが語った。「ISIはこの国家を破壊するランドスケープの一部だ。だからISIの関与を示す証拠を提供することは、時間の無駄だ。彼らはその一部だからだ」。

欧米やアフガンの治安関係者、タリバン司令官や元タリバン大臣、さらにタリバン外交官などの証言から、ISIがアフガニスタンでタリバンの戦略を操っていることがわかる。

(中略)ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)が今日出版する報告によると、「パキスタンはアフガニスタンで、おそろしい規模でダブルゲームを行なっている」。

ハーバードのアナリストであるマット・ワールドマンによると、これまで研究は、ISIのタリバンに対する協力を甘く見ていたという。組織の中のならずものがやっているどころか、「協力はISIの政策だ」という。

(中略)「隠れ家や資金、軍事援助や兵站学的援助の提供者として、ISIは戦略的、作戦的影響力を抵抗勢力を与え、これを強要している。ISIが抵抗勢力の活動全体をとりまとめ、保持し、計画している」。

パキスタンのザルダリ大統領は、最近逮捕されたタリバン指導者たちと会い、政府はタリバンに全面協力するつもりだと述べた疑惑が報告されている。ザルダリの報道官は、これを否定した。

しかしクエッタ・シューラのメンバーと接触があるタリバン幹部情報源によると、4月の初めにザルダリとISI幹部が、パキスタンの刑務所にいるタリバン幹部50人に会ったという。

当時刑務所にいたあるタリバン指導者によると、ザルダリと会う5日前に、刑務所関係者に大統領訪問に備えるように言われたという。サングラスをかけた刑務所の警備員が捕虜たちに、1日3回、伝統的なアフガン風の食事を振る舞った。「囚人たちに、自分たちが重要で尊敬されている印象を与えたがった」と、情報源が述べた。

ザルダリ訪問の前に、刑務所の責任者がタリバンたちに、ザルダリには自分たちがよい扱いを受けているという印象を与えてほしいと述べた。

ザルダリは30分間彼らと話した。アメリカに、これまでのようにタリバンを保護することをやめ、首脳部を逮捕するよう圧力をかけられているために、どうしようもなかったと述べたと思われる。「あなた方は我々の味方で、友人だ。釈放後は、あなたがたが作戦を実行できるように全面協力するつもりた」と述べたという。

近々それほど有名ではない司令官たちを釈放することを約束し、「有名な」タリバンはもう少し後で釈放されるという。

ザルダリ訪問の5日後に、ザルダリの約束どおり、『Sunday Times』の情報源を含むタリバン何人かがクエッタに連れて行かれ、釈放された。

「この報告は、文民指導者たちがアフガニスタンやカシミールで活動するジハード組織に協力してきた、これまでのパキスタンの政治史と変わらない」と、ワールドマンが語る。

情報源によると、ザルダリの刑務所訪問時、彼はアブドゥル・ガニ・バラダールにも会ったという(中略)。バラダールの逮捕は、外交筋やタリバン関係者たちの間では、タリバンの首脳部を陥れ、カブール政府とタリバン指導者との間の取り引きを邪魔するための計画とみられている。

バラダール逮捕直後に、ISIはアドゥル・カヤーム・ザキールと、彼の部下で友人であるアブドゥル・ラウフを逮捕した。両者は2日拘束されたあと、釈放された。

釈放後、グアンタナモに数年間収監されていたザキールは、バラダールに代わってタリバンの軍事部門責任者となった。ラウフもグアンタナモの囚人だったが、彼はすぐにクエッタ・シューラ議長に任命された。

「控えめに言っても、これはISIが一連の動きに影響力を持ち、またISIの指図で彼らが釈放されたことは明らかだ」と、LSEが述べる。

ザキールとラウフの昇進により、パキスタンは今後和平のための話し合いに、優位になる。

パキスタン政府がタリバン首脳陣に影響力をふるうために、ISIはその代表をクエッタ・シューラに送り込んでいる。シューラの15人のうちの7人が、ISIの工作員と思われる。シューラの全員がISIと関係があると主張する者さえいる。

「ISIのメンバーでなければ、クエッタ・シューラのメンバーになることは不可能だ」と、あるタリバン幹部が述べた。

LSEによると、「インタビューから、ISIはシューラに代表を送り込んでいることがわかる。参加者として、あるいはオブザーバーとして、シューラの幹部と関わっている」。タリバン関係者や欧米関係者の話から、ISIから最も協力を得ているシューラのメンバー2人は、オマール師の元報道官のタイブ・アガと、カンダハルの元タリバン知事だったハサン・ラーマニ師である。

タリバン司令官によると、ISIから受けている援助は、橋や道路を爆破してNATOの補給線の遮断すること、インフラ計画の攻撃、親政府系長老の暗殺、医師や教師の暗殺、学校閉鎖や女子学生に対する攻撃である。

またISI工作員はタリバン司令官に伝票を渡し、北ワジリスタンの武器貯蔵庫から、武器を入手させる。

タリバンの「プラスチック爆弾」は、パキスタン人関係者からタリバンに与えられたと、タリバン司令官やタリバン関係者、欧米関係者が述べた。アフガニスタンの英兵の多数が、この簡易爆弾で死亡している。この爆弾は、NATOの地雷探知機に感知されない。

ワルダック州出身のタリバン司令官ラスールは、ISIはアフガニスタンで自爆攻撃をする見返りに、20万ルピーを補償金として支払っていると疑う。「車、燃料、食料がいる。武器がいる。金や銃がいる。医師や薬もいる。これらをタリバンに与えているのは、パキスタンでなければ誰だ」と、元カブール警察責任者が語った。

ホースト州のある司令官が、パキスタン軍のトラックが訓練所から仲間を乗せて、国境を越えて自分のところに連れてきた様子を語った。国境では、軍服を着用したパキスタン人が、アフガニスタン内で標的にする場所のリストを司令官に与えたという。その後タリバン戦闘員がアフガニスタンに武器や爆発物を、車やロバ、馬、らくだを用いて運んできた。

「アフガン側に入ったら、補給路沿いに仲間を配備して車列を守る」と、ホーストの司令官が述べた。「アメリカの無人偵察機が時々我々の車列を爆撃することもあり、武器貯蔵庫も何度も狙われた」。

パキスタン国内のキャンプは、タリバン戦闘員に3つの事柄を教える。自爆攻撃、爆弾製造、歩兵戦術である。各キャンプで、異なる技能を訓練する。

パキスタンがタリバンに協力していることで、パキスタン生まれのタリバン組織と、ISIに支持されたタリバンとの間で対立が生まれた。

アフガニスタンの下級司令官多数は、ISIが自分たちの作戦を指図することに憤慨している。「ISIに支持されたタリバンが、国家を破壊している。彼らの自爆攻撃で、無実の一般市民を殺害している。攻撃することで、アフガニスタンの基盤を破壊している」と、カンダハルのタリバン司令官が述べた。

ISIの協力を受ける仲間たちを軽蔑していると、ほとんどの司令官たちが述べる。また、ISIが首脳陣に影響力を与えていることも知っていると述べる。「下級戦闘員と司令官たちは、不信感を感じている」と、タリバンの情報源が語った。「しかし、どの程度の影響力を振るっているかは、わからない。我々の指導者たちが、ISIのスパイだということは知らない」(後略)。

smellPakistan puppet masters guide the Taliban killers
Miles Amoore, Kabul

■パキスタン北西部で、ジェット戦闘機過激派10人殺害[100612 AFP]

地元関係者によると、パキスタンのジェット戦闘機がパキスタン北西部にある過激派の隠れ家を攻撃し、抵抗勢力10人を殺害したという。

地元行政官のサミウッラー・ハーンによると、先週勝利宣言が出されたオラクザイで、隠れていたパキスタン人タリバンが標的となったという(後略)。

hoonFighter jets kill 10 militants in NW Pakistan
PARACHINAR

■カルザイ、欧米がタリバンに勝てるか疑問と発言か[100611 New York Times]

2人のアフガン政府幹部が、カルザイ大統領に今月開催された平和会議を狙ったロケット弾攻撃の物証を見せていたときに、タリバンの仕業ではないだろうと大統領が述べたという。「大統領は物証に関心を示さなかった。全く。ゴミのように扱った」と、アフガン諜報組織長官のアムルッラー・サレーが述べた。

サレーは、カルザイがそのような態度を取った理由に関しては、詳しく説明しなかった。しかし、この会見を知っているあるアフガン人によると、このときカルザイは、アメリカ人たちの仕業であることをほのめかしたという。

この会話の数分後、サレーと内務大臣のハニーフ・アトマールが辞任した。これはカルザイ大統領就任以来、最も劇的な辞任劇である。サレーとアトマールによると、カルザイは2人に、2人が忠実ではなくなったと思っていると述べたという。

しかし、サレーやアフガン人、欧米人関係者によると、この出来事の背後にはもっと複雑だという。カルザイは、アメリカ人やNATOが、アフガニスタンで勝利できないと考えるようになった。

サレーや他の関係者によると、そのためにカルザイは、タリバンや宿敵のパキスタンと自ら取り引きをしようとしているという。元アフガン政府関係者によると、カルザイは、アメリカやNATO関係者の知らないところで、タリバンと極秘に取り引きを画策している。

「大統領は、同盟軍や自政府の国家を守る能力に自信を失った」と、サレーがインタビューに応じて語った。「カルザイ大統領は、NATOが敗北するとは断言していない。しかし、彼の態度を見ていると、うまくいくとは思っていない」。

大統領に近い関係者によると、カルザイは去年の夏、アメリカ人に自信をもてなくなったという。総選挙のあと、選挙監視委員会が、約100万票がカルザイに有利になるように盗まれたと決めつけた後である。さらに、12月にオバマ大統領が、2011年夏までに米軍の数を減らすと表明したあと、溝が決定的になった。

「カルザイは私に、アメリカがアフガニスタンの状況を改善できるとは思えないと述べた」と、カブールの欧米外交関係者が述べた。「去年の選挙で、アメリカは自分の正当性に泥を塗り、さらに撤退すると公言した」と述べた。

カルザイ大統領はコメントしていない。

もしカルザイ大統領がアメリカと協力せず、タリバンと戦うために自軍を用いようとしないのであれば、オバマ大統領にとっては大きな問題となる。

アメリカ人たちは、カルザイが先月ホワイトハウスを訪問した際に、関係を修復しようとした(中略)。しかし両者の意向は、ずれている。アメリカ人とNATOは、ハードコアタリバンを弱体化していやがおうでも取り引きに応じさせるために、数万兵増兵している。カルザイは、米主導の作戦は、成功しないと信じているようだ。

今週に大統領官邸で開催された記者会見で、カルザイは6月4日のロヤ・ジルガに対する攻撃とタリバンの関係、さらにNATOをどう思うか尋ねられた。彼は、どちらの質問にも答えることを拒否した。

「誰の犯行か?」とカルザイが攻撃に関して述べた。「我々の治安組織が、答えを準備するだろう」。NATO軍を信じているかどうか尋ねると、カルザイは協力に感謝していると述べ、協力態勢は「非常に非常にうまくいっている」と答えた。しかし、質問には答えなかった。「さまざまな局面を向上させるために、協力しあっている」と、カルザイはキャメロン英首相の隣りで英語で語った。

NATO関係者によると、NATOを強く支持していたアトマールとサレーの辞任は、「非常に問題だ」と述べた。ある関係者はカルザイに関して、「彼が戦時中の指導者になれる能力があるかを憂慮している」と述べた。

NATO関係者によると、米司令官がカルザイに、平和委員会に対する攻撃はハッカーニの戦闘員にの仕業であることを示す確実な証拠を与えたという。「明らかだった」と、関係者が述べた。

サレーとアトマールの辞任で、タリバンとそのパトロンであるパキスタンに対する対処の仕方に、大きな亀裂があることが露になった。

サレーは、故アフマッド・シャー・マスードの部下である。マスードの部下の多数はタジーク族であるが、アフガニスタン北部の重要なリーダーとして、平和委員会に参加していた。サレーのように、彼らはタリバンやパキスタンと取り引きすることに対して、強く反対している。

カルザイはタリバンと同様、パシュトゥーン族である。今、彼は懐柔的な態度を取ろうとしているようだ。

ロヤ・ジルガの最後で、カルザイは、現在逮捕されているすべてのタリバン戦闘員を見直し、非常に危険ではないと思われる者を釈放するという委員会の方針を表明した。カルザイ政府幹部が率いるこの委員会には、サレーが運営する諜報組織であるNational Directorate of Securityは除外されている。

インタビューでサレーは、彼が除外されたことを侮辱と捉えたと述べた。彼の主な仕事は、タリバンを理解することだという。彼の組織が委員会から外されたことで、カルザイは強面のタリバン戦闘員を釈放しようとしているのではないかと心配した。

「彼は、多数のタリバンが不当に逮捕されたために、釈放すべきだという結論に至った」とサレーが述べる。「タリバン崩壊にから10年たった。つまり敵が誰なのか知らないという意味だ。誤って人間を逮捕する」。

サレーは、ロヤ・ジルガも批判した。「ジルガの意味はこうだ」。「我々はあなたと戦いたくない。あなたに扉を開きさえしている。あなたを山中に追いやったのは、私の間違えだった。ジルガはアフガン国家の勝利ではなかった。タリバンの勝利だった」。

カルザイは、数ヵ月間タリバンとの間に関係を築こうとしてきた。今年の1月、カルザイの弟のアフマッド・ワリ・カルザイが、アブドゥル・ガニ・バハドゥール師と極秘に2度、スビン・ボルダックで会った。

初期のカルザイ政府副内相のヒリールッディン・ヒラール将軍によると、この会見は、カンダハルのタリバン陰の知事、エッサ・ハクレズワルとタリバンの諜報担当者であるハーフィズ・マジッドが取り持ったという。

カブールの欧米アナリストも、ヒラールの発言を確認した。NATO幹部関係者とサレーは、そのような会見については知らないと述べた。アフマッド・ワリ・カルザイは、この会見について問うたeメールの質問状には、返信しなかった。

この会談の結果は明らかではないと、ヒラール将軍が述べた。バラダール師は、1月下旬にカラチで、パキスタンとアメリカの合同作戦で逮捕された。しかし、カルザイとタリバンと取り引きは、まだ続いているという。「アメリカ人たちは、留まることができないと考えている」と、ヒラール将軍が語った。

サレーによると、カルザイは、パキスタンに対しても懐柔的な姿勢を取ろうとしているという。もし真実だとしたら、これはカルザイにとっては大きな変化である。

サレーは、アフガニスタンはパキスタンと「みっともない取り引き」を交わし、その結果アフガニスタンは弱体化すると見る。カルザイは愛国主義者だと述べた。しかし、カルザイがパキスタンの協力を求めているのであれば、それは過ちだという。パキスタンの指導者たちは、カルザイにサレーを排除するよう、これまで圧力をかけつづけてきた。サレーは、強硬派と見られている。

「尊敬している風を装いながら、彼を弱体化しようとしている。弱いアフガン指導者を擁護するだろうが、尊敬することはない」と、サレーが述べた。

ohKarzai Is Said to Doubt West Can Defeat Taliban
By DEXTER FILKINS
KABUL

■アメリカのミサイル、パキスタン北西部で15人殺害[100611 AP]

金曜日にパキスタン北西部にある過激派の拠点をアメリカがミサイル攻撃し、15人を殺害した。12時間前にも、同じような攻撃があった。

(中略)金曜日に国境近くの村にミサイル6発が撃ち込まれたと、2人の諜報関係者が述べた。ミランシャーの行政官のユーサフ・ハーンによると、過激派15人が死亡したという。犠牲者に関する情報を収集中だという。

木曜日の夜には、北ワジリスタンでは別の攻撃があり、2人が死亡している。

hoonOfficials: US missiles kill 15 in NW Pakistan
RASOOL DAWAR、DERA ISMAIL KHAN

■アメリカの無人偵察機、3人殺害[100610 AFP]

木曜日にパキスタンの部族地帯にある抵抗勢力の建物にアメリカの無人偵察機がミサイル2発を撃ち込み、3人が死亡した。

標的となったのは、北ワジリスタンのミランシャーから15キロ離れたハッディ村の建物である。

ミランシャーの諜報関係者も攻撃があったことを認め、過激派がこの建物を基地として使用していたと述べた。

犠牲者の国籍は明らかではないが、ある諜報関係者によると、そのうちの2人は外国人だったという。

(中略)ハッディ周辺は、ハーフィズ・グル・バハドゥールとモーラビ・シィディーク・ヌールの支配地域である(後略)。

hoonUS drone strike kills three in Pakistan: officials
MIRANSHAH

■パキスタン北西部でミサイル攻撃、2人死亡[100610 AP]

木曜日にパキスタン北西部の過激派が支配地域に対するアメリカのミサイル攻撃があり、2人が死亡した。

(中略)攻撃は、北ワジリスタンのミール・アリ近くであった。

部族民によると、2人の男性がが屋外で座っていたところを狙われたという。犠牲者の身元はわからない(後略)。

hoonOfficials: US missile kills 2 in NW Pakistan
RASOOL DAWAR、DERA ISMAIL KHAN

■モーマンドで過激派40人と兵士2人死亡[100610 News]

水曜日にモーマンド各地で衝突があり、過激派40人と兵士2人が死亡したと、関係者と部族民の情報源が語った。

情報源によると、多数の抵抗勢力と兵士10人が負傷した。過激派たちが国境近くのサフィ地区のゴルパリとバイザイ地区のジャンカリで、治安部隊の検問所を攻撃した。

モーマンド地区のTTP報道官によると、検問所2ヵ所から、兵士数人を拉致したという。

しかし政府関係者は、そのような事実はないが、兵士2人が死亡し、6人が負傷したと述べた。何人かの兵士が一時行方不明になったが、後に何人かが戻り、残りは今日戻るだろうという。

情報源によると、重火器や自動兵器で武装した数十人の過激派が、同時に2ヵ所の検問所を攻撃した。兵士たちはすぐに報復し、過激派40人を殺害した。この衝突で兵士2人が死亡、10人が負傷したという(後略)。

hoon40 militants, two soldiers killed in Mohmand
Shah Nawaz Mohmand & Shakirullah、GHALLANAI

■NATOヘリコプター、ヘルマンドで撃墜される[100609 BBC]

ヘルマンド州でNATO軍ヘリコプターが撃墜され、兵士4人が死亡した。

NATOによると、ヘリコプターは「敵の攻撃」を受けたという。兵士たちは米国人だったと、カブールの米軍報道官が述べた。ヘリコプターはサンギン地区で撃墜されたと、州政府報道官が述べた。

タリバンが、戦闘員がロケット推進手榴弾でヘリコプターを撃墜したと主張した。タリバン報道官によると、水曜日の朝にサンギン地区のバザールで撃墜したという。「ロケットで撃墜した」と、『AFP』にユースフ・アフマディ報道官が述べた。

(中略)今週になって、NATO軍兵士20人以上が犠牲になっている。なかでも月曜日には、10人が死亡した(後略)。

hoonNato helicopter shot down in Helmand in Afghanistan

■襲撃者、ラワルピンディでNATO軍トラックに放火[100609 Dawn]

水曜日、イスラマバード近くで銃を持った男たちがアフガニスタンのNATO軍に補給物資を運ぶトラックに放火し、7人を殺害した。

夜間、ペシャワルに向かう道路沿いにあるラワルピンディの駐車場が、襲撃された。これまでも過激派たちは定期的に米軍やNATO軍の補給トラックを攻撃しているが、これほど首都の近くで襲撃があったことはない。

(中略)「7人の人間が犠牲になったことが確認された。逮捕者に関する情報はない」と、警察関係者のグスタサーブ・ハーンが述べた(中略)。「何者かがタルノルに駐車していた車に放火した。12台以上が炎上した。NATO軍に補給物資を運んでいた」という(後略)。

hoonGunmen torch Nato trucks in Rawalpindi
ISLAMABAD

■北ワジリスタン和平協定[100608 News]

月曜日に政府とタリバンとの間で協定が締結され、政府がタリバン20人を釈放したのと引き換えに、過激派たちはミランシャーに45日間足止めされていた陸軍の車列に引き返すことを許した。混乱した北ワジリスタンの状況が、徐々に回復してきた。

45日前に治安部隊の車列がミランシャーから25キロ離れたハムゾニ村の近くで過激派に攻撃されたために、ハーフィズ・グル・バハドゥール系タリバンと政府との間の関係が緊張していた。

車列に対する攻撃で、兵士8人が死亡、数人が負傷した。政府は後にミランシャー〜ダータヘール間の道路に沿って外出禁止令を出し、辺境犯罪法下集団責任に準じてハムザニ部族民の取り締まりを実施した。タリバンとともに、部族民を含む50人が逮捕された。

この事件のせいで、北ワジリスタンのタリバンに対して、政府が大掛かりな作戦の開始を計画しているという噂が飛んだ。しかし部族民の長老や宗教指導者からなるジルガが開催され、政府とタリバンとの間で話し合いが実施された。その結果、両陣営とも柔軟な姿勢を見せることにしたという。

政府は善意の印として逮捕された54人のうち20人を釈放し、タリバンや部族民が反対していた検問所のいくつかを撤去することに合意した。

タリバンはハムザニ村で軍の車例を襲撃して奪った車輛や武器、弾薬の一部を返還した。北ワジリスタンのタリバン指導者のハーフィズ・グル・バハドゥールは、政府の車列がこの地域を通過する場合、事前にその由を通達すれば、治安部隊の安全には責任を持ち、今後政府と対立することはないと約束したといわれる。

大掛かりな軍の車列がミランシャーから国境のガールラマイ城に無事到着できたのは、バハドゥールが政府と平和的な関係を保とうとしていることの証だと、ある情報源が語った。治安関係者によると、45日間ミランシャーで足止めをくっていた軍の車列は、無事目的地に到着した(後略)。

hoonAccord in NWA
Mushtaq Yusufzai、PESHAWAR

■パキスタンで衝突、兵士6人とタリバン30人死亡[100608 AFP]

火曜日にタリバン抵抗勢力がパキスタン北西部の検問所を襲撃して兵士6人を殺害し、軍の報復で抵抗勢力30人が死亡した。

オラクザイのカロンチ村で、衝突が発生した。死亡した兵士6人のほかに8人が負傷したと、国境警察報道官が述べた。報道官によると、抵抗勢力は重火器で武装していたために、軍は砲撃して30人を殺害したという(後略)。

hoonPakistan clash kills six soldiers, 30 Taliban: official
PESHAWAR

■アフガニスタンの戦略、文民援助に移行[100608 New York Times]

今月カンダハルで予定されていると言われていた大掛かりな軍事作戦は戦略を変更し、まずは文民再建を実施し、軍事作戦は補助的な役割を果たすだけになった。

アメリカとNATOの文民・軍関係者が語ったところによると、カンダハルやカブールの地元民たちから強く反対されたためだという。

またヘルマンドのマルジャで実施した同じような作戦が、思っていたほど成功しなかった可能性が出てきたために、問題になっている。

アメリカはタリバンが支配する南部の住民たちを今年の夏の終わりまでに政府の支配下に入れようとしており、そのために作戦の重要性が唱えられてきた。オバマ政権は、米軍を2011年7月には撤退させようとしている。

今のところカンダハルではほとんど戦闘は行なわれず、「攻撃」という言葉は取り下げられた。

「カンダハルに対してその言葉を使用することはできない」と、この地域を管轄するアフガン国軍のシェール・ムハンマド・ザザイ将軍が述べた。「実際にはパートナーシップ作戦だ」。

アフガニスタン南部のNATO軍司令官のニック・カーター将軍は、作戦が計画されたことはないと主張した。「メディアが攻撃という言葉を選んだにすぎない」という。「我々は軍の活動を話題にはしたが、攻撃という言葉を軍事的に使用したことはない」。

名前がどうであろうと、今月は何も行なわれない。軍事的な動きがいつ開始されるかは、さまざまな意見がある。7月に開始し、8月のラマダーンの最中は休止し、9月中旬に再開するという意見などがある(中略)。

マルジャは、思っていたほど成功しなかった。この地域は、いまだに地元政府の支配が及んでいない。

4月4日にカルザイ大統領が、カンダハルで地元の長老1500人を集めてジルガを開催した。「彼は、人々がカンダハルがラマディやファルージャになることを望んでいないと感じた。そして我々はそれに対して『アーメン』と答えたんだ」と、カーター将軍が語った。

カルザイは地元の人々に、カンダハルで作戦を行なわないことを約束した。「作戦はいやだろう」と、人々に尋ねた。「あなたがたが喜ぶように、作戦はない」。

国防省のアブドゥル・ワヒーム・ワルダックによると、関係者たちがマルジャの過ちに気がつき、カンダハルはもっと広いことを考慮したために、新たな政策をとったという。「我々は教訓を学んだ。今後これを応用する」。「カンダハルに関しては、別の作戦になる。マルジャのようなものではない。それほど戦いはない」。

代わりに州再建計画に力を入れる。これはかつてはカナダ軍がアメリカの大使館の職員を使用して行なっていた(後略)。

hoonAfghanistan Strategy Shifts to Focus on Civilian Effort
ROD NORDLAND、KANDAHAR

■NATO、アフガニスタンで今年最悪の日々[100608 AFP]

アフガニスタンでは2日の間に、NATO軍兵士13人が死亡した(中略)。

月曜日に米兵7人とオーストラリア兵2人、仏兵1人が死亡した。火曜日にはNATO軍兵士がさらに3人、南部で死亡した。そのうちの2人は爆弾攻撃で、英兵1人が銃撃戦で死亡したという。

さらに月曜日には、米国人を含む2人の外国請負会社の人間が、カンダハルの警察訓練所に対する自爆攻撃で死亡した。

月曜日に死亡したNATO軍兵士13人のうち、仏兵とオーストラリア兵の他は、南部で死亡した(後略)。

hoonNATO suffers deadliest days this year in Afghanistan
Karim Talbi、KABUL

■パキスタン人タリバン、数百人の前で公開処刑[100608 BBC]

関係者によると、パキスタンの北西部の部族地帯で、タリバンが2人の兄弟を殺害したとされる男性を、700人ほどの人間の前で公開処刑したという。

覆面をした過激派たちが、目隠しして縛られた男性を、ミランシャーのサッカー場で射殺した。これまでも過激派たちはアメリカのためにスパイ行為をしたとして多数の人間を処刑しているが、公開処刑はめったに行なわれない。

(中略)治安軍は、公開処刑を阻止する力がなかったという(中略)。

地元の人間によると、処刑されたのはワヒードという25歳の男性だという。覆面をした2人の過激派が男をその場で射殺した。これに先立ちタリバン「法廷」で、有罪になったという。

政府関係者によると、この男性の遺体がミールアリの近くで発見され、兄弟のユール・ゼブとアラム・ゼブを殺害したとして、タリバン議会から処刑を命じられたというメモが残されていた。

先月ワヒードが、ミランシャーのグラウンドで、弟2人と言い争ったあとに射殺したという。これまでもタリバンの「裁判」の例はあったが、それほど多くはなかった。2005年にミランシャーのタリバンが、ハキーム・ハーンが率いる地元民兵団と衝突した。彼のグループが各地に検問所を設置し、バイクに乗った人間や商人、住民から通行税を巻き上げていた。両者とも多数の犠牲者を出したが、結局タリバンが彼と仲間24人を殺害した。彼らを強盗と名指し、遺体が樹から吊り下げられた(後略)。

hoonHundreds witness Pakistan Taliban public execution

■「エイジアン・タイガー」、イマーム大佐と英国人ジャーナリストを解放[100607 Daily Times]

イマーム大佐の名前で知られている元ISI幹部のスルタン・アミール・タラールとパキスタン系英国人ジャーナリストが、木曜日に北ワジリスタンで解放されたと民放テレビが報道した。2人はエイジアン・タイガーと自称する組織に拉致されていた。

組織は北ワジリスタンで活動していると思われ、別のISI元関係者で殺害されたハリッド・ハジャワとともに、一行を拘束していた。

『APP』ニュースによると、タラールとジャーナリストのアサド・クレイシーの解放は、ミランシャーのジルガがハッカーニの組織を通じて行なったという(後略)。

'Asian Tigers' free Col Imam, UK journalist
ISLAMABAD

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2010.