【2010年7月26日〜8月1日】


■パキスタンはどっちの味方[100726 Guardian]

戦争ログで明らかになったパキスタンの諜報組織とタリバンの関係から、パキスタンはいったい誰の味方なのかという疑問が再び浮上した(中略)。

まずはバローチスタン州である。タリバンの歩兵はギルディ・ジャングルなどの昔からあるアフガン難民キャンプに隠れ、首脳陣はクエッタ周辺に集まる。

英米政府が圧力をかけても、ISIはこれらの隠れ家を取り締まろうとしない。アルカイダ工作員は数十人逮捕されているにも関わらず、これまでタリバン指導者はほとんど逮捕されていない。オマール師の行方も謎である。軍の専門家は、タリバン指導者はクエッタを離れてカラチに向かったと語る。カラチでは去年の2月に、ISIがバラダール師を逮捕し、政策が変わったと報じられた。

しかし、これは過ちだったのかもしれない。ある米関係者によると、バラダールはCIAと協力するISIの一部署が逮捕したという。しかしこれには、Sと呼ばれる極秘アフガン作戦を行なう部署は関与していない。ISI長官のシュジャ・パシャ将軍は、当時パキスタンにいなかったことにも注意したい。

米政府幹部も、ISIとタリバンの関係は明らかではないと語る。「指令と支配しているのかわからない。彼らに場所を提供して資金や人材を集め、戦術をアドバイスすることと、何かするように命じること、あるいは自分たちの意思で彼らを制御することは、別のことだ」。

タリバンのもう一つの拠点は、部族地帯だ。ジャラウディン・ハッカーニがここを拠点とする。戦争ログのうち377がハッカーニの戦闘員に言及する。「夜間ビラ」や自爆訓練、国境を越えて武器の密輸、カブールの高級ホテルの攻撃計画などである(中略)。

パキスタンに拠点を持つ別の軍閥が、グルブディン・ヘクマチアルだ。彼はISIと深い関係を持ち、ペシャワル近くで活動する。彼の名前は戦争ログに69回出てくる。

戦争ログの中で最も登場するのが、元ISI長官のハミッド・グル将軍である(中略)。しかしグルに関する噂よりももっと重要なのが、パキスタン陸軍長官アシュファク・キアニ将軍である。彼は去年パキスタン人タリバンに対する戦いを指揮し、ISIのおかげで、CIAは部族地帯で多数の無人偵察機による攻撃を実施して大きな成功を収めた。

しかしキアニは、2003〜2007年の間にISI長官であったことを忘れてはならない。この時期、ISIと関連する戦争ログが増えだした。逆説的に、あるいはそのために、彼は現在タリバンと和平協定を結ぶために尽力しているのかもしれない。

キアニは最近カルザイとの関係を改善し、取り引きをしようとしている。

アナリストによると、タリバンに対するISIの政策は、キアニ自身のように謎であり、実際には多重に入り組んでいるという。政策に都合がよければあるグループを支持し、そうでなければ戦う。ISIは、自身の目的のために動いているのだという。

さらに能力の問題がある。ある米軍関係者は、ISIは、望んだとしても、国内の過激派を取り締まるだけの能力があるかどうか疑問だと述べた。

smellAfghanistan war logs: whose side is Pakistan on?
Declan Walsh

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2010.