【2010年9月13日〜9月19日】


■米偵察機、パキスタンで過激派5人殺害[100919 Dawn]

諜報関係者によると、パキスタン北西部でアメリカのミサイル攻撃があり、過激派5人が殺害された。

関係者によると、日曜日の攻撃は北ワジリスタンのダッタ・ヘールで行なわれ、地元過激派の家が攻撃された(後略)。

hoonUS missile kills five militants in Pakistan
MIR ALI

■ETIP指導者、2月の無人偵察機の攻撃で死亡[100917 Longwar Journal]

アルカイダの首脳会議のメンバーで東トゥルキスタンイスラーム組織(ETIP)指導者のアブドゥル・ハク・アル・トゥルキスターニが、2月にパキスタンで実施された無人偵察機による攻撃で死亡したと、米諜報関係者が述べた。この組織は、中国西部の中央アジアにイスラーム首長国を設立しようとしている。

トゥルキスターニは2010年2月14日に、北ワジリスタンのミールアリ近くのゾール・ババール・アイダックの建物に対する攻撃で死亡した。この建物は秘密の訓練所として使用され、トゥルキスタニを含むテロリスト5人が2発のミサイル攻撃で死亡した。

ミールアリは、アルカイダ指導者のアブ・カシャ・アル・イラキ、別名アブ・アカシュの拠点である。彼は、タリバンやハッカーニと関係がある。ハッカーニとハーフィズ・グル・バハドゥールも、ミールアリに影響力を発している。

ETIPは、ウズベキスタンイスラーム運動の派生組織であるイスラームジハードグループとともに、ミールアリで活動している。

パキスタン政府は5月に、トゥルキスターニを殺害したと主張していた(中略)。しかしETIPの戦闘員数百人が、いまだに北ワジリスタンで活動している(中略)。

ETIPはトゥルキスターニの死を告知していないが、アブドゥル・シャクールが現在組織を率いている(中略)。

《アブドゥル・ハック・アル・トゥルキスターニと東トゥルキスタンイスラーム組織の背景》

ハックはマイマイティミン・マイマイティとも呼ばれ、2003年にETIM指導者になった。前任者は、ワジリスタンで殺害されている。

アルカイダは、ハックを2005年に首脳会議のメンバーにした(中略)。アルカイダは彼の影響力を認め、敵対するタリバン組織を仲介させたり、軍事的に重要な事柄があると、首脳会議の代表を勤めさせた。2009年6月に、ハックはバイトゥッラーと重要な会議に出席するのを目撃されている。ハックとタリバンやアルカイダ幹部の代表がパキスタンの部族地帯に赴き、南ワジリスタンに対するパキスタン軍の作戦に関して話し合った。この会議に参加した人間の中には、シラージュ・ハッカーニと、アブ・ヨヤヨ・アル・リビがいる。

ハックは中国を攻撃するための資金を集めるために、工作員を各地に派遣している(中略)。2009年8月には、各国の中国大使館や、中国国内を攻撃すると警告していた。

アメリカがアフガニスタンに入る前には、トラボラでアルカイダの訓練所を運営していた。その後パキスタンの部族地帯に、ETIPの訓練所を再び作った。中国はパキスタンに、これらの訓練所を排除するように圧力をかけている。

ハックとアルカイダの関係や、ETIPがグローバル・ジハードに一役買っているにもかかわらず、アメリカはグアンタナモから組織の戦闘員を釈放している。2001年と2002年にアフガニスタンの戦場で逮捕された組織の戦闘員のうち、いまだに拘束されているのは7人だけである。5人がブッシュ政権時代に、オバマ政権時代になると10人が釈放された。

hoonETIP leader killed in February Predator strike
BILL ROGGIO

■米無人偵察機、ハッカーニ組織を標的に[100916 Dawn]

パキスタン軍がハッカニーの組織に手を出さないことに苛立ち、アメリカは今月になって北ワジリスタンに対する無人偵察機の攻撃を激化している。アフガニスタンで最も活動的な過激運動を行なっているこの組織の活動能力に、打撃を与えようとしている。

9月2日以来、北ワジリスタンでは13回攻撃があった。今年全体ではすでに70回を越えている。

軍の情報源によると、北ワジリスタンの作戦は、他の部族地帯での掃討作戦や洪水の救援活動のために遅延した。過激派組織は、これを大いに利用している。「アメリカは、無人偵察機の攻撃で、ハッカーニが活動できる場所がどの程度になったかを見極めたい」という。

アメリカでは、パキスタンの説明を真に受けるものはほとんどなく、遅延は戦術的なものだと見ている。パキスタンは6月に、カルザイ政府とハッカーニとの間を取り持ち、アフガニスタンの戦争が終った際に彼に場所を確保するために尽力した。

情報源によると、パキスタンは、カルザイ大統領がパキスタンを訪問している今、和平協定にそなえてハッカーニと平和に関して話し合おうとしている。

今月の攻撃のパターンから、ハッカーニの組織が狙われていることがわかる。彼を匿っているハーフィズ・グル・バハドゥールやアルカイダの外国人過激派も狙われている。

今月の攻撃は、主にミランシャー付近で、ハッカーニの本部がある地域である。資金や兵器を集めたり、戦略計画を練る場所である。

攻撃のうち5回は、グル・バハドゥールが所属するウトマンザイ・ワジールの拠点であるダタヘール地区で実施された。またダンディ・デルバヘールはジャラウッディン・ハッカーニの家族が住む地域で、ここも狙われている。

北ワジリスタンの抵抗勢力組織を率いるグル・バハドゥールは、ハッカーニにとってはホスト以上の人間である。ハッカーニに欠けている部族的な協力のもかに、国境に通じる道も提供する。

ミランシャー以外唯一狙われたのが、シャーワルである。ここには、アルカイダ系の戦闘員の隠れ家がある。

アメリカはハッカーニを攻撃する傍ら、米国主部隊がアフガニスタン東部で激しい攻撃を行ない、多数の「司令官」を殺害している(後略)。

hoonUS drones keep up heat on Haqqani group
Baqir Sajjad Syed

■米無人偵察機が北ワジリスタンを攻撃する理由[100916 Christian Science Monitor]

先月CIAが北ワジリスタンのイソリ村を無人偵察機からミサイル攻撃したあと、ジャムシェッド・ハーンは仲間の部族民と、標的となった土でできた家に急行した。部族民たちが遺体を片付けはじめ、何人かの男たちがやってきて犠牲者のために祈りを捧げると、帰って行った。

部族民たちによると、家に出入りしていた人間たちは顔なじみだったという。アルカイダに属するものの、以前TTPと関係があったハーフィズ・グル・バハドゥールの関係者たちである。

南ワジリスタンで軍事作戦が実施されたあと、数千人のTTPがここに逃げ込んできた。9.11以後からすでに多数の過激派たちがここに侵入していたために、ますます多数の人間が集まった。国籍もさまざまだったが、全員協力し合っているようだ。

「アフガニスタンでジハードを実施するという目的で、みんな結束している」と、TTP報道官のアザム・タリークが語る。自分たちの共通の目的はシャリア法の導入だ。「それだったら協力し合って当然」だという。

この結束のために、アメリカはイスラマバードに北ワジリスタンを攻撃するよう促した。しかし、パキスタンの治安関係者は腰をあげない。

「過激派たちを一掃したあとも、永久的にここを確保しなければならない。軍靴の跡を残しても、何もならない」と、ある治安関係者がスワート、バジョール、南ワジリスタンの軍事作戦に言及して語った。

パキスタンのこのような態度のために、アメリカの無人偵察機は北ワジリスタンに入ったアルカイダやタリバン司令官、その他の過激派たちとの戦いを開始したようだ。

今月初め以来、アメリカは過激派の隠れ家や訓練所と思われる土でできた家々をに対して、12回の無人偵察句の攻撃を実施し、外国人過激派を含む77人を殺害している。

司令官たちは、古いジハード仲間をつてに若い戦闘員たちを集め、自分たちの訓練所に連れてくる。訓練士はたいがいアルカイダ幹部だが、現在では、もっと複雑なネットワークを作り出している。

ジャイシェ・ムハンマドのような組織と関係があるパンジャビ・タリバンは、今ではパキスタン人タリバンやアルカイダと一緒に、北ワジリスタンから攻撃を行なっている。

肩までの髪とカラシニコフやロケットで武装したこれらの若い過激派たちは、四輪駆動に乗ってうろつく。「彼らは無遠慮で短気で、仲間同士で喧嘩する。いばり、静かで目立たないアラブ人たちとちがって、我々と同じような車に乗る」と、地元の部族民が述べた。

彼が言うアラブ人とは、モロッコ、エジプト、アルジェリア、スーダンの高度の訓練を受けたアルカイダのことだ。彼らは、今年無人偵察機により殺害されたムスタファ・アブ・アルヤジド、別名シェイク・サイダル・マスリに訓練された。今は、シラージュッディン・ハッカーニが、これらのアルカイダたちと協力している。

アメリカによると、この地域に約2000人のアルカイダ過激派が潜んでいる。主な隠れがはミランシャーとアフガン国境の間で、アメリカの無人偵察機もここを狙っている。北ワジリスタンでは、ウズベク人、ウイグル族、チェチェン人やタジーク族もいる。

ウズベク人3000人が、この地域に隠れているといわれる。去年ウズベクイスラーム運動責任者のタヒール・ユルダシェフを殺害してから組織は分散したが、ウズベク人たちは主にTTPと一緒に行動している。

さらに東トゥルキスタン過激運動(ETIM)の過激派、数百人もいる。この組織はウイグル族の過激派で、新疆省の独立を目指して中国と戦う独立主義者たちである。アゼドゥル・シャクールという司令官が、今年初めに無人偵察機で殺害された、アブドゥル・ハク・アル・トゥルキスタニを引き継いだ。

部族民によると、最近ウズベク人司令官2人と地元の女の子との結婚式に参加したという。外国人過激派と部族民との間の結婚は、両者の関係が深まり、お互いの行き来が盛んになっていることを示すという。

新たな過激派が訓練されると、ハッカーニやバハドゥールのキャンプにまず送られ、そこからアフガニスタンに入る。

「パキスタン人たちが北ワジリスタンに入らないのは、パキスタンの過激派がシラージュ・ハッカーニとグル・バハドゥール、アルカイダの傘下に入っているからだ」と、『最も危険な場所』という著書のあるイムティアーズ・グルが語る。「我々パキスタン人が北ワジリスタンで大掛かりな作戦を実施すれば、都市部に被害が出る」。

garrUS drones are pounding Pakistan's North Waziristan. Here's why.
Owais Tohid

■北ワジリスタンの無人偵察機攻撃、12人死亡[100915 BBC]

北ワジリスタンで抵抗勢力に対してアメリカの無人偵察機がミサイルを数発発射し、12人が死亡した。

24時間経たないうちに3度の攻撃があり、今回の夜明け前の攻撃は、北ワジリスタンのミランャー近くのダルガ・マンディ村で実施された。ハッカーニの組織が標的となったという。

今月に入って、12回目の攻撃である(中略)。「米無人偵察機が村に近づいてくると、人々が『偵察機が来た』と叫びながらあちこちに走り始めた」という。

(中略)住民によると、攻撃された家は地元部族民のもので、抵抗勢力に貸していた。

火曜日には北ワジリスタンのシャーワルの抵抗勢力の隠れ家が狙われ、8人が殺害された。またクターブヘール村では、抵抗勢力の車輛にミサイルが撃ち込まれ、4人が死亡した(後略)。

hoonDrone attack kills 12 in Pakistan's North Waziristan

■パキスタンの無人偵察機攻撃、北ワジリスタンで8人死亡[100913 BBC]

関係者によると、アメリカの無人偵察機がパキスタンの北西部でミサイル攻撃を実施し、抵抗勢力8人が殺害された。標的は、北ワジリスタンのシャーワルの抵抗勢力の隠れ家だったという。今月に入って、10回目の無人偵察機の攻撃である。

(中略)ミランシャーの関係者によると、死亡したのは全員ハーフィズ・グル・バハドゥールの関係者だった。住民によると、ミサイル6発が発射され、攻撃のあとも、無人偵察機が現場上空を飛んでいた(後略)。

hoonPakistan drone attack kills eight in North Waziristan

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2010.