【2010年10月4日〜10月10日】


■北ワジリスタンで無人偵察機の攻撃、8人死亡[101010 Dawn]

金曜日に北ワジリスタンのチャルヘール村をアメリカの無人偵察機が攻撃し、抵抗勢力を含む8人が殺害された。関係者と部族民の情報源によると、ミランシャー近くの民家にミサイル2発が撃ち込まれた。

チャルヘール村の攻撃で、5人が死亡して3人が負傷した。その後この3人も死亡したという。

(中略)チャルヘールは、北ワジリスタンのイスラーム神学者協会の元国会議員モーラナ・ネック・ザマンの村である(後略)。

hoonEight killed in another NWA drone attack
Malik Mumtaz Khan & Mushtaq Yusufzai、MIRAMSHAH/PESHAWAR

■イランと関係するアルカイダ責任者、最近の無人偵察機の攻撃で死亡か[101009 Longwar Journal]

イランのアルカイダ責任者でアメリカが指名手配していたアルカイダ幹部が、北ワジリスタンに対するアメリカの無人偵察機の攻撃により、2日前に死亡した可能性がある。この報告はまだ確認されていない。

ただ米諜報関係者が、アルカイダ工作員2人がパキスタンのFATAにいることが確認されていたと、述べた。

1人はイランを拠点とするリビア国籍のアティヤ・アブドゥル・レーマンで、イランの聖職者に対するビンラディンの大使だという。未確認情報によると、レーマンは今週初めの空爆で殺害された可能性がある。

2人目は、2000年のアメリカのコール船爆破事件に関与したとして指名手配になっていた、ファハド・ムハンマド・アフマッド・アル・クオソである。クオソは9月のパキスタンに対する空爆で死亡したと報告されたが、確認されていない。

アティヤ・アブドゥル・レーマンは、10月7日に行なわれた、北ワジリスタンのミールアリのハイスーリ村に対する建物と車輛の攻撃で死亡した、4人の「過激派」の1人だった可能性がある。別の工作員のハリッド・ムハンマド・アッバス・アル・ハラビも殺害されたと報告された。

「アルカイダ責任者のアティヤ・アブドゥル・レーマンが、10月7日の無人偵察機の攻撃で死亡したという報告を受けている」と、パキスタン人諜報関係者が述べた。「彼と一緒に、アルカイダの下士司令官のハリッド・ムハンマド・アッパス・アル・ハラビも死亡した」。

米諜報関係者は、これを確認していない。アティヤ・アブドゥル・アル・レーマンは空爆が行なわれた当時現場で活動していたと思われるが、死亡したかどうかは確認されていない。

ハリッド・アル・ハラビはハリッド・ハビーブの別名で、2008年10月にアメリカの無人偵察機で殺害された元軍事司令官である。ハビーブはアルカイダのアフガニスタンにおける軍隊055師団の責任者で、アブ・ライス・アル・リビが死亡したあと、ラシュカル・アル・ジル(影の軍団)の責任者だった。

パキスタンの諜報関係者によると、ハリッド・アル・ハラビはアルカイダの「下士官」だったと述べているために、別の人間である可能性がある。ハリッド・ハラビは、2年前に死亡している。

アティヤ・アブドゥル・アル・レーマンは、イランからパキスタン北部に入ってきたアルカイダ幹部の1人である。ビンラディンの後継者と言われるサード・ビンラディンは、2008年の終わりにイランからパキスタン北部に移動した。アルカイダの軍事委員会のメンバーであるサイーフ・アル・アデルも、これに続いた。ビンラディンの報道官のスレイマン・アブ・カイスも、今年の初め、イランからパキスタン北部に移った。

アメリカの国防省によると、アティヤ・アブドゥル・レーマンは、「ビンラディンに使命されたイランにおけるアルカイダの大使」だという。アティヤは「他のイラスム組織から人材を集めたり話し合いを行ない」、アルカイダのために「活動」させ、またLibyan Islamic Fighting GroupとAnsar al Sunnaのメンバーでもあるという(中略)。

最近殺害されたといわれる別のアルカイダ工作員は、ファハド・ムハンマド・アフマッド・アル・クオソである。米諜報関係者は、彼の死亡説も確認していないが、クオソがパキスタン北部にいることは認めた。

クオソはFBIに指名手配になっていたが、イエメン政府は彼を何度も拘束しては釈放している。最近では2007年に釈放された(後略)。

hoonAl Qaeda leader linked to Iran may have been killed in recent Predator strike
THOMAS JOSCELYN & BILL ROGGIO


■パキスタン、アフガニスタンへの補給道路を解放[101009 BBC]

パキスタンは、アフガニスタンにいるNATO軍のための補給道路を解放すると、外務省が発表した。NATO軍ヘリコプターがパキスタン国内を攻撃してパキスタン人兵士2人が死亡したあと、トルハムの国境が10日間封鎖された。

それ以後パキスタン人タリバンは、アフガニスタンに向かうNATOへの補給物資を運ぶ車列に対する攻撃を頻繁に行なっている。バローチスタンでは、燃料を運ぶタンクローリー30台が銃を持った男たちにより攻撃された。

(中略)水曜日、NATOの調査により「同盟軍がパキスタン軍ともっと協力していれば悲劇を防ぐことができた」ことが判明したあと、アメリカがヘリコプターによる攻撃に関して謝罪した。

アメリカによると、ヘリコプターは国境警察を、国境を越えてパキスタンに入った抵抗勢力と間違えて攻撃したという(後略)。

hoonPakistan 'to reopen key Nato Afghanistan supply route'

■無人偵察機、ヨーロッパ攻撃首謀者殺害[101009 Wall Street Journal]

火曜日に実施されたパキスタンの攻撃で、CIAは少なくともドイツ人2人の他に3人が殺害されたと、金曜日にパキスタンの関係者が述べた。

ヨーロッパ攻撃計画の捜索は、3人のドイツ人兄弟−−火曜日の攻撃で死亡したイムラン・アル・アマニと、攻撃を免れた二番目の兄弟と三番目の兄弟に焦点が集っていると、ドイツの諜報関係者が述べた。

(中略)去年、2人のドイツ人兄弟が「イスラームのために戦う」ために北ワジリスタンに向かった。兄弟の1人が長い剣を持ってプロパガンダ・ビデオに登場してから、治安関係者は兄弟を1年以上前から追跡していた。

火曜日の攻撃の直後、まだパキスタンに留まっている兄弟が死亡した身内の復讐をすると誓ったために、再び警戒されている。

警察は、3番目の弟を北ドイツで監視している。火曜日に殺害された2人目のドイツ人を始め、他の者の身元は明らかではない。

パキスタンが6月に逮捕したラミ・マカネシから得た情報で、攻撃が実施された。CIAとパキスタンのISIの取り調べから、ワジリスタンのミールアリでドイツ人たちが借りていた家に辿り着いた。

(中略)アルカイダの重要な工作員ムハンマド・イリアス・カシミーリも、ヨーロッパ攻撃の少なくとも1つに関与していると思われる(中略)。

最近逮捕されたアフガン系ドイツ人のアフマッド・スィディーキが、ヨーロッパ攻撃に関して詳しい情報を提供している。マカネシから聞き出した情報は、7月にアフガニスタンで逮捕されてバグラム航空基地に拘束されているスィディーキが提供した情報で裏付けられた。

マカネシは、パキスタンでの訓練に失望し、やめたがっていたという(後略)。

hoonDrone Strike Killed European Plotters
TOM WRIGHT in Islamabad and DAVID CRAWFORD、Berlin

■重要なドイツ人の標的、米無人偵察機の攻撃を免れる[101009 News]

10月4日に北ワジリスタンのミールアリを攻撃したアメリカの無人偵察機の攻撃は、2人の最も重要なアルカイダ系ドイツ人テロリストを標的としたものだったが、2人はこの攻撃を免れた。攻撃でスンニ・イスラミック・ジハード・ユニオン(SIJU)またはイスラミック・ジハード・グループ(IJG)に属するドイツ人過激派6人が殺害された。

この組織は.ウズベキスタンでいくつかのテロ攻撃を首謀し、ドイツでも同じような攻撃を試みた、故タヒール・ユルダシェフが率いたウズベキスタンイスラーム運動(IMU)の派生組織である。

(中略)諜報情報によると、米無人偵察機がミールアリのマーケットの上に立てられた家に、ミサイル3発を撃ち込んだ。ここにドイツ系のアルカイダと関係のあるテロリスト2人、ムニール・チョウカ、別名アブ・アダム27歳と、ヤシーン・チョウカ、別名アブ・イブラヒムがいると見ていた。2人は実の兄弟で、最近ドイツからパキスタンに入ってきた、ドイツ人100人強を率いる組織の責任者と見られている。チョウカ兄弟は幸運にも攻撃を免れたが、ドイツ人6人を含む8人が殺害された。

ブルカを被って北ワジリスタンからバヌーに出ようとして逮捕された、27歳のドイツ国籍のラミから得た情報により、攻撃が実施された。

ラミ・マッケンジーは自爆ベストの専門家で、テロリストとの関係のためにドイツ政府に指名手配になっていた。彼はいまだにパキスタンに拘束されており、パキスタンの仲間であアメリカ人と一緒に取り調べを受けている。

彼は重要な情報を多数提供しており、北ワジリスタンに「白い過激派」の小さな居住地を作ったチョウカ兄弟の情報もそのひとつである。ここの居住民の多数が、ドイツ人とウズベク人である。

ここ数年間、欧米からパキスタンの部族地帯に入ってくる若者たちが多数いる。中には、母国に帰ったあとにテロ攻撃を行なうように、訓練されている若者もいる。

しかし国境地帯に住んでいる欧米人は、ドイツ人だけではない。2007年以来、多数のヨーロッパ国籍の人間がパキスタンに入ってきた。オランダ、ドイツ、フランス、イギリスなどの国々の人間だ。

パキスタンの治安組織の情報源が語ったところによると、ラミの情報から、チョウタ兄弟はシェイク・アル・ファテ・アル・マスリ、別名シェイク・アブドゥル・ラジクに協力して活動していた。アル・マスリは、ヨーロッパにおけるアルカイダ攻撃の首謀者だったが、9月25日に無人偵察機の攻撃で殺害された。

(中略)ラミによると、チョウカはすでに戦いの経験を積んだドイツ人過激派とともに、ヨーロッパに送り返されたという。彼らはロンドン、パリ、ベルリンなどの欧米諸国でムンバイ型のテロ攻撃を実施しようとしている。

(中略)北ワジリスタンを拠点とするドイツ人ジハード者たちが、アルカイダのウェブサイトに、ヨーロッパ人過激派がパキスタンの部族地帯で抵抗運動に参加しているビデオを掲載した。この50分ビデオには、AK47で武装したドイツ語を話すガンマンが、ワジリスタンでパキスタン軍を攻撃する様子が映されていた。

このビデオとラミ・マッケンジーの情報により、諜報組織は北ワジリスタンのアルカイダを追跡し始め、アルカイダのヨーロッパ人過激派の排除が始まった。

hoonKey German targets survive US drone hit
Amir Mir、LAHORE

■アルカイダ、大打撃[101008 Asia Times]

パキスタン人のムハンマド・ウスマンは、1977年に警察官を殺害したために指名手配になっていたことと、イスラマバードのラール・マスジッドの祈祷リーダーとつながりがあったことのほかは、ほとんど知られていなかった。

従って、今週彼が北ワジリスタンで行なわれた米無人偵察機による攻撃で仲間の過激派と一緒に死亡したことは、ほとんど報道されなかった。

しかしアルカイダのキャンプでは、ウスマンは「かけがえのない」人間で、ムスタファ・フ・アルヤジドやシェイク・ファテ・アルミスリの殺害に匹敵するものだった(中略)。

アメリカの無人偵察機はアラブ系のアルカイダを主に標的としているが、30代中頃のウスマンは、パキスタンで生まれた新しいアルカイダの世代を代表し、部族地帯のアルカイダ幹部として、イデオロギー的に重要な役割を果たす人間だった。

ウスマンにはさまざまな名前があった。アフガニスタンのタリバン政権時代、パキスタンのジハードキャンプではチョトゥと呼ばれた。2001年のアメリカ侵攻以後、彼は北ワジリスタンに住み、ウスマン・パンジャビと呼ばれた(彼は今年パキスタンの諜報組織に拉致されたウスマン・パンジャビとは別人である。)

彼はアラブ人ではなかったが、ジハード組織の階段を駆け上がり、ビンラディンの個人的な部下となった。

パキスタンでは、彼はアラブ人のシェイク・エッサに協力し、彼のイデオロギーをパキスタン人ジハード者に広めることに協力し、治安軍に対する戦いを組織した。

ムスリム同胞団の活動家だったエッサは、パキスタンとアフガニスタンを共通の戦場にしようとしている。アフガニスタンのアメリカの戦争に協力しているパキスタンは、敵国(ダルール・ハルブ)になったと主張した。つまりジハード者は、パキスタンと対戦するべきだというのだ。当初エッサに協調するものは少なかった。唯一の例外が、2000年代中頃に治安部隊に拉致された、ラワルピンディのマスード・ジャンジュアである。彼はまだ行方不明である。

しかし、ウスマンはエッサに協力し、彼の考えを広めた。ラール・マスジッドの人間たちをエッサに紹介したのも、彼である。その結果ラール・マスジッドはアルカイダの拠点となった(中略)。

イリアス・カシミーリ司令官は、カシミールの独立運動の最も有名な野戦司令官である。2005年に彼がパキスタン政府に2度目に逮捕され、その後釈放されたあと、彼は政府と大きく対立した。この時点でビンラディンは、カシミーリに北ワジリスタンに拠点を移し、自分の戦いに協力するように呼びかけた。ウスマンが、ビンラディンのメッセンジャー役を果たした。

カシミーリはアルカイダ責任者のアドバイスに従い、彼と一緒に有名な313師団を連れてやってきた。これにウスマンも参加した。アルカイダはカシミーリの配下にパキスタン人過激派を組織し、カシミーリはウスマンを自分の直接の相談役兼運転手にした。

ウスマンはジハードに対する情熱のためにエッサの思想に深く傾倒したが、戦いの経験が豊かなカシミーリに育てられた。標的を監視して地図を作り、313師団の戦術を準備した。彼はアルカイダのスパイ頭となった。

ウスマンが死した攻撃は、実際には北ワジリスタンにいるアラブ人、ウズベク人、ヨーロッパ人を標的にしたものだった。アメリカの諜報情報には、ウスマンが現場にいることに気づいていなかった。偶然に殺害された。

hoonAl-Qaeda takes a big hit
Syed Saleem Shahzad、ISLAMABAD

■パキスタンの部族地帯でミサイル攻撃により9人死亡[101008 AP]

パキスタンの北西部で金曜日、アメリカのミサイルにより9人が死亡した。

夕方ムハンマド・ヘールで攻撃があり、4人が死亡した。またダッタ・ヘールで2度目の攻撃があり、5人が死亡した。

犠牲者の身元は明らかではない。関係者によると死亡した9人は過激派で、外国人戦闘員もいた可能性があるという。

今年に入って7回目と8回目の攻撃である(後略)。

hoonUS missiles kill 9 in Pakistan tribal area
RASOOL DAWAR、ISLAMABAD

■米軍基地の警備員、タリバンの関係[101007 New York Times]

タリバンや犯罪組織、イランの諜報組織と関係のある民間警備員が、アフガニスタンの米軍基地の警備員として雇われていることがわかった。そのために米兵たちが突然攻撃されたり、抵抗勢力との戦いに障害を与えている。

ペンタゴンはアフガン人警備員の統括はしていないため、警備は現地の米軍司令官や欧米の請負会社、抵抗運動と関係のあるアフガン人軍閥との間で取り引きが行なわれていることが、Senate Armed Services Committeeの報告からわかった。

米軍は基地の警備に関する情報がほとんどなく、ペンタゴンが契約を結んでいる欧米の会社が雇っているアフガン人たちの素性は明らかではない。アフガニスタン西部のアメリカの航空基地では、基地を警備しているアフガン人グループの責任者の名前すら知らなかったという。従って1992年のギャング映画『Reservoir Dogs』から、ミスター・ホワイトとミスター・ピングというあだ名をつけていた。

別の事件では、タリバン指導者が会合を開いていると信じて民家を爆撃したところ、その家は米軍が雇っていたアフガン警備会社の人間が所有するもので、甥−−タリバン指導者と会っているところだったことがわかった。

シンダードのそばのアドラスカンにある、アフガン警察官の訓練所の警備を米軍から委託されたEOD Technologyが雇ったアフガン人の中には、情報をイランに流していた者もいたという。EODで働くアフガン人に関して、Defense Intelligence Agencyから諜報情報を入手し、中には「この地域でアメリカに被害を与えるような活動に関与していた」者もいた。

(中略)ヘラートのシンダンド航空基地を含むアフガニスタン政府の米軍基地の警備が、特に注目された。英国を拠点とする警備会社のArmorGroupが、シンダンドの警備を委託され、その後Armor Groupが2007年に実際の仕事を2人の軍閥に請け負わせた。Armor Groupはこの2人を「ミスター・ホワイト」と「ミスター・ピンク」と呼んだ。米国人は彼らの身元をほとんど知らなかったが、隣の基地にいた米軍チームのリーダは、ミスター・ピンクを推薦していた。

「2人の軍閥がArmorGroupのために18ヵ月間人材を提供していた。この時期多数の暴力沙汰が起きた」という。

すぐにミスター・ホワイトとミスター・ピンクの間で争いが起きて、ミスター・ピンクがミスター・ホワイトを殺してしまった。ピンクはタリバンのもとに避難した。Armor Groupは次にミスター・ホワイトの弟、ミスター・ホワイト二世に仕事を与えた。しかし同時に今やタリバンに協力していることを知りながら、ピンクの人間を使用した。

2008年8月21日のアジザバードの襲撃で、米軍が地元タリバン指導者のサディーク師の家を空爆した。会合を開いていたと疑われたためである。家はミスター・ホワイト二世の家で、彼はArmor GroupまたはArmor Group Mine Actionの警備員として雇われていた7人の男たちと一緒に殺害された。この会社は地雷撤去のために、国連が雇っている会社である。

アジザバードの襲撃は、アフガニスタン人たちを激怒させた。地元の村人や人権団体やアフガン政府関係者は、この攻撃で90人以上の一般市民が死亡したと主張した。この事件でアフガン政府と米軍の関係が悪化した。

カルザイは攻撃のあと村を訪問し、ブッシュ大統領はカルザイに哀悼の意を表わした。しかし今回の報告から、この空爆は請負会社とタリバンとの間の複雑な関係が絡み、ミスター・ホワイト二世がタリバン指導者のサディーク師に会っていた際に起きたことがわかった(後略)。

garrInquiry Finds Guards at U.S. Bases Are Tied to Taliban
By JAMES RISEN、WASHINGTON

■アフガン戦争、パキスタン内部に侵入[101006 Asia Times]

パキスタン系ドイツ人ジハード者が提供した情報により、月曜日にアメリカの無人偵察機による攻撃があり、さらに8人のドイツ人が殺害された。

パキスタンの治安関係者によると、ラミ・マッケンジーが提供した諜報情報により、ミールアリの近くがミサイル2発で攻撃された。マッケンジは今年中頃に、バヌーでパキスタン人の治安関係者に逮捕された。

逮捕当初、パキスタン政府はブルカを着て変装していたマッケンジーを、自爆ベストの専門家と見ていた。

7月にカブールでアフガン系ドイツ人のアフマッド・スィディーキが逮捕されて以来、無人偵察機による攻撃が激化している。9月には22回も攻撃があった。スィディーキは、アルカイダがロンドン、パリ、ベルリンなどのヨーロッパ諸国で、ムンバイ型のテロ攻撃を計画していたことを暴露した。

「アフマッド・スィディーキの情報により、CIAが9月8日に北ワジリスタンを無人偵察機で攻撃し、ドイツ人数人が殺害された」と、関係者が述べた。スィディーキは、9.11のハイジャック犯のモハメッド・アタと同じ、ドイツのハンブルクのモスクに通っていた。

「彼の取り調べから、シェイク・ファテ・アルミスリが、ヨーロッパのテロ攻撃の首謀者で、新しいアルカイダ司令官であることがわかった」。エジプト人のミスリはパキスタンとアフガニスタンの責任者で、9月25日の無人偵察機の攻撃で死亡した。ミスリは、以前はアルカイダのメンバーではなかったが、北ワジリスタンで殺害されムスタファ・アブ・アルヤジドを引き継いで着任した。

(中略)マッケンジーは今年になってドイツでリクルートされ、北ワジリスタンて訓練を受けるために送り込まれた。しかし数ヵ月間ワジリスタンで過ごしたあと、失望した。

「アルカイダにリクルートされたヨーロッパ人たちは、みんなぼろぼろだった。イスラームに改宗した者もヨーロッパで生まれたムスリムであっても、ひどい状況に置かれていた」と、ある治安関係者が述べた。

「北ワジリスタンのひどい地形や地元のワジール族やマフスード族の乱暴な扱いに、ほとんどのヨーロッパ人が希望を失った。ラミもその1人で、イスラマバードのドイツ大使館に出頭しようとしていた。しかし運悪く、バヌーで治安組織に逮捕された」。

ウスベクイスラーム運動(IMU)は長年パキスタンの部族地帯で活動していたが、最近分裂して、イスラームジハード連合(IJU)を設立するに至った。IMUは南ワジリスタンを拠点にしたが、IJUは北ワジリスタンのミールアリを拠点とした。IMUはウズベキスタンのファルガナ谷で発足し、タジキスタン、キルギスタン、アフガニスタンで戦い、イスラームカリフ国の設立を目指している。

ウズベク人はトルコ系であるために、北ワジリスタンではトルコの過激派と一緒に行動している。トルコ人は北ワジリスタンの国境近くのシャーワル谷を拠点とし、ここから占領軍を攻撃している。

IJU傘下で、ウズベク人たちはトルコ人に同盟してヨーロッパなどを攻撃するために、国境地帯からミールアリに移るよう説得して、欧米世界にショックを与えた。

ヨーロッパには、トルコ人たちが移民として入っている。特にドイツに多く、ドイツ国籍を持つようになった。IJUはこのようなトルコ人たちにドイツに帰らせ、改宗したムスリム、特にドイツ民族やヨーロッパの人間をアルカイダにリクルートするように仕向けた。わずかの期間に、多数のドイツ人、オランダ人、ノルウェー人、スペイン人が、北ワジリスタンにやってきた。

ミールアリには、このドイツ人、トルコ人、ウズベク人からなる新たなグループが他のヨーロッパ人と一緒に現われ、アルカイダは、彼らをヨーロッパの新たな仲間として支持したと、パキスタン人関係者が述べた。

北ワジリスタンにいる者と、トルコ、中央アジア、パキスタンのその他の地域に向かっている者を含めて、アルカイダには約150人のドイツ国籍保持者がいると思われる。

(中略)「北ワジリスタンのダッタ・ヘールは、アルカイダの重要人物が集まっている場所のようだ。ザワヒリもいると思われる。したがってアフガニスタンの戦争は、今年の冬、北ワジリスタンに移ってくる可能性がある」と、ある治安関係者が述べた。

hoonAfghan war moves deeper into Pakistan
Syed Saleem Shahzad、ISLAMABAD

■カルザイ政府とタリバン幹部が接触[101006 Washington Post]

タリバンの代表とカルザイ政府が、戦争を終わらせるための幹部レベルでの極秘の話し合いを開始したと、アフガンとアラブの情報源が語った。

1年以上前にサウジアラビア主催で、話し合いが開催されていた。話し合いはまだ初期の段階だというが、タリバンの代表はクエッタ・シューラの代理人だと思われる。「解決方法に関して、非常に非常に真剣に模索している」と、タリバンに関してある情報源が語った。

これまでオマール師の代理人は、外国軍が撤退するまで話し合いは行なわないと主張していたが、クエッタ・シューラは、タリバンがアフガン政府に参加し、期限を設けて米軍とNATO軍が撤退することで合意を交わすために、話し合いを開始したようだ。

話し合いに直接関与している6人の情報源が、このことに関して話すのに同意した。全員が、話し合いの成果について語るには時期尚早だと述べた。この話し合いの内容が誤って公表され、決裂することを警戒している。

「まだ進行中の段階で話せば、うまくいかない」と、あるヨーロッパの関係者が述べた。

クエッタ・シューラとの話し合いには、ハッカーニの組織は参加していない。ハッカーニの組織は、クエッタ・シューラよりもパキスタンのISIと関係がある。しかしあるアフガン人の情報源は、パキスタンが話し合いを主導したいと主張していることから、クエッタの組織との話し合いも難しくなったという。「彼らは手綱をしっかり持っていたいのだ」と、パキスタン人に関してこの情報源が語った。

アフガン、アラブ、ヨーロッパの情報源が、オバマ政権が話し合いを支持する気配が出てきたと述べている。情報源によると、オバマと国家安全チームは軍事力だけでは戦いに勝つことはできないと述べ、話し合いを拒否するのではなく、対話を始めようとしていたようだという。

「我々の間では合意はなく、軍事的に解決できると思っていた者たちもいた」と、別のヨーロッパの関係者が述べた。アメリカの変化は、米兵の増兵にもかかわらず、NATO軍の成果が期待以下だったことや、世論が戦争に反対が強くなってきたこの夏から見え始めたという。

アフガニスタンにおけるアメリカの相棒であるヨーロッパ人たちは、それぞれ異なった背景を持ち、撤退に関して国内から受けている圧力も大きく、話し合いで解決することに積極的だった(中略)。

今回の話し合いが開催された場所、内容、回数に関しては、さまざまな説がある。ある関係者によると、最近の話し合いはアラブ首長国連邦とドバイで開催されたという。この情報源は、タリバンの代表は、オマール師を元国家代表として保護しそれに見合う扱いを受けるという条件で、サウジ・アラビアに亡命させるという条件を出したという。別の関係者によると、話し合いが行なわれたことは確かだが、まだ全く形になっていないという。

あるサウジ幹部関係者は、政府が知っている限り、去年の話し合い以来、国内で会議が開かれていないと述べた(後略)。

hoonTaliban in high-level talks with Karzai government, sources say
Karen DeYoung, Peter Finn and Craig Whitlock

■NATO軍ガソリン輸送車25台、襲撃される[101006 AP]

銃を持った男たちが水曜日に、NATO軍のために燃料を運んでいたタンクローリー24台以上に放火し、運転者1人を殺害した。1週間前にパキスタンがアフガニスタンとの国境を封鎖して以来6度目の攻撃である。

(中略)2台の車に乗ったガンマンたちが、クエッタ郊外の道路際に立つホテルの駐車場のタンクローリーを襲撃した。トラック25台が炎上した(後略)。

hoon25 NATO fuel tankers attacked in Pakistan
ABDUL SATTAR、QUETTA

■タリバン、NATOタンクローリー放火に犯行声明[101004 AFP]

パキスタン人タリバンが月曜日に、アフガニスタンのNATO軍に輸送予定だった補給物資を運ぶ車列を2度にわたって攻撃したと、犯行声明を出した。トラック60台が炎上し、今後さらに攻撃を続けるという。

イスラマバードの近くで、火炎瓶で武装した攻撃者たちが、NATO軍のガソリン輸送車20台を放火し、その際に3人が死亡した。またNATO軍の補給線に対する封鎖は、5日目を迎えた。

(中略)金曜日に南部で、銃を持った男たちがガソリンを積んだトラック24台に放火した。警察によると、輸送車を襲った12人は逃走したという。

月曜日に2件の事件に関して、パキスタン人タリバンが犯行声明を出した。「我々はトラックやガソリン輸送車に対する襲撃を行なった」と、TTP報道官のアザム・タリークが述べた。「スィンドとイスラマバードの襲撃に関して言っている」という。「今後も攻撃を続ける。パキスタンの国土が、アフガニスタンにいるNATO軍に物資を補給するこめに使用することを許さない」。「これは無人偵察機の攻撃に対する報復だ」。

(中略)これまでもNATO軍の車列は何度も狙われているが、主に北西部でおきている。警察関係者によると、首都の郊外にあるアトック石油精製所に駐車していたタンクローリーが攻撃されたという。

「ガソリンをもらうために待っていると、何人かが発砲して火炎瓶をタンクローリーに投げつけた。警備員が応戦し、銃撃戦が続いた」という。

カイバル行政区では、200台のガソリン輸送車が列を作って、国境を越えるのを待っている(後略)。

hoonTaliban claim deadly NATO tanker blaze in Pakistan
MIRANSHAH

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2010.