【2010年11月22日〜11月28日】


■米偵察機、パキスタンで3人を殺害[101126 AFP]

金曜日にアメリカの無人偵察機が走行中の車を攻撃し、アフガニスタンとの国境付近で過激派3人を殺害したと、地元の治安関係者が述べた。無人偵察機が、ミランシャーから10キロ離れたピール・ケレイ村の車輛を攻撃した。「アメリカの無人偵察機による攻撃で、過激派3人が殺害された」と、パキスタン人治安関係者が述べた。「攻撃時、重要人物が標的にされていたかは明らかではない」。

2人目の治安関係者も攻撃で犠牲者の数を確認した。ミランシャーの別の諜報関係者は、犠牲者の数は4人だったと述べた(後略)。

hoonUS drone attack kills three militants in Pakistan
MIRANSHAH

■ISAF、パキスタン国内のヘリ攻撃を否定[101126 Longwar Journal]

ISAFが、自分たちのヘリコプターはパキスタン領内に入っていないと、今週2度目の声明を発表した。

今日ISAFが、米軍ヘリが北ワジリスタンのダッタヘールに侵入したという『シンハー』紙の報道を否定した。「ISAF軍は、パキスタン領内にNATO軍2機が侵入したと『シンハー通信』が報道したことを知っている」。「ISAFは作戦報告やパキスタンの米大使館を通じて、ISAF機が国境を越えていないことを確認し、負傷者がいたという報道もない。ISAFは、『シンハー』の記事の掲載に先立ち、コメントを求められたこともない」という。

『シンハー』は、NATO軍ヘリ2機がパキスタン領内に1キロ侵入し、ラワラ・マンディ村にミサイルを発射して3人を負傷させたと報道した。『ドーン』紙も、この出来事を報道している。

「地元政府が攻撃があったことを認め、負傷した3人が北ワジリスタンのミランシャーの病院に運ばれたと述べた」と、『シンハー』が主張した。

ISAFは11月23日にも、米軍ヘリがパキスタン上空を審判したという『シンハー』の記事を否定している。このときには、ミサイルが発射されたとは報道されていない(後略)。

hoonISAF denies helicopters struck inside Pakistan
BILL ROGGIO

■偽タリバンは英国のせいとカルザイの腹心[101126 Washington Post]

木曜日にカルザイ大統領の首席補佐官が、偽タリバンを大統領官邸に連れてきたのは英国政府の責任で、外国人たちはアフガニスタンの抵抗組織とのデリケートな話し合いには関与するべきではないと述べた。

ムハンマド・ウメル・ダウドザイとのインタビューで、7月か8月に英国人がアフタール・ムハンマド・マンスールに扮した男をカルザイと会わせるために連れてきたが、会合に出席したアフガン人は、「彼が偽物である」ことを知っていたという。

後にアフガン諜報組織が、この訪問者はパキスタンのクエッタ出身の店番であると断定した。

「このことから、話し合いはアフガンが主導するもので、完全にアフガニスタン流のものである必要があることを示す」とダウドザイが述べた。「教訓は、国際パートナーたちは、このようなことにすぐに興奮してはならないということだ。アフガン人たちは、このようなビジネスを熟知している。どうやってやるか。気をつけてやる。結果が出るような方法で、そして他の事柄に影響を与えないような方法でやる」(中略)。

ダウドザイのコメントは、これまでのものの中でも最も直接的な非難であるが、米関係者も、偽マンスールはそれぞれ英国のプロジェクトだったと述べた。米関係者が、英国は戦争終結のために政治的な解決策を押し進めることに熱心だったと述べた。

偽マンスールは「英国人の男」だったと、この件に詳しい米国関係者が述べた。「英国人たちが彼を連れてきた」。

カブールの英大使館関係者は、コメントを拒否した。

ダウドザイによると、アフガン政府は6〜8ヵ月前に、マンスールの代理だという男と接触したという。彼は和平の話し合いに積極的で、マンスールは外国軍の撤退のタイムラインと、イスラーム法を導入して憲法を改正することを要求した。しかし大統領宮殿は、「男は知名度がなく、地位の低い人間」だったために、このマンスールの代理人と会うことをやめたと、ダウドザイが述べた。

しかし英国はこれに飛びつき、この代理人を介してマンスールをカブールに連れてくるようにお膳立てした。ダウドザイは、男がカルザイと会った際英国人は立ち会ったが、米国人はいなかったという。

米国関係者は、当初から疑っていたという。マンスールは有名で、タリバン政権時代航空大臣だった。しかしこの男は自分たちがマンスールに関して得ていた諜報情報のデータよりも数インチ背が低く、彼が連れてくると言っていた人間を連れて来なかった。CIA関係者は、カブールのCIA事務所責任者を含め、時に懐疑的だった。しかし英諜報組織は本物だと信じていたと、ある米幹部関係者が述べた。

「CIAは初期の段階で、これがマンスール師であることを疑っていた」と、別の米関係者が述べた。「もっともな疑惑だった」。

この件に関与しているアフガン幹部関係者は、英国はマンスールをカブールに連れてくるという後方支援しかしなかったと述べた。彼はダウドザイの態度を欧米に対する政治的攻撃と述べ、実際に責任があるのはアフガン人だという(中略)。

ある米国人関係者は、この偽タリバンが店番だったというアフガン人の主張に疑問を投げかけた。男は、タリバンの内部事情に詳しかった。ダウドザイによると、男はパキスタンの諜報組織が「様子を見に」送り込んだ可能性があるというが、「確信はない」という。

いずれにしても、英国を始めとする欧州諸国はタリバンとの話し合いを「急ぎすぎて」おり、隊を早く撤退させようとしているという。元タリバン関係者を含むアフガニスタンの70人からなる和平委員会が事柄を主導するべきだとダウドザイは述べ、それは敵をよく知っているからだという(後略)。

ohKarzai aide blames British for bringing Taliban impostor to talks
Joshua Partlow

■極秘会談参加のタリバン指導者は偽物[101122 New York Times]

タリバンとアフガン指導者たちとの間で戦争を終結させるための極秘会談が数ヵ月間続き、何らかの成果が出そうな様子であった。しかしそれは、1人の抵抗勢力指導者のおかげだった。タリバン運動の幹部司令官の1人、アフタール・ムハンマド・マンスール師が参加していたおかげである。

しかし今、マンスールは別人であることがわかった。スパイ小説のような話だが、このアフガン人は偽者で、NATOの協力で行なわれていたこの幹部会議は、ほとんど何も実を結んでいないことがわかった。

話し合いに参加していた欧米外交官は、「彼ではない」。「我々は彼に多額の金額を与えてしまった」と述べた。

NATOとアフガン人関係者は、パキスタンからやってきたこの男と3度会ったという。偽タリバン指導者は、NATO機に乗ってカブールの大統領官邸まで飛び、カルザイにも会っていた(中略)。

田舎の出身で、やっと読み書きができる宗教者からなるタリバン指導者たちのほとんどに、米国人もNATOもアフガン人関係者も会ったことがない。

米国人によると、オマール師の次に地位が高いともいれわるマンスール師だと名乗るこの男の身元を、最初から疑っていたという。カンダハルでアフガン人関係者たちと行なった3度目の会合の時から、男に対する疑問があがってきた。数年前マンスールに会ったことがあった男がアフガン人関係者に、男はマンスールに似ていないと述べた。「彼が誰だかわからなかったと言っていた」と、アフガン人指導者が述べた。

欧米外交関係者によると、このアフガン人は話し合いに参加するために、そして戻ってくることを説得するために、前もってかなりの金額を与えられたという。

アフガン関係者は、この男が話し合いのために再び戻ってくることを期待していると述べたが、米国人や他の欧米関係者は、問題の男はマンスールではないと結論づけたという。なぜ米国人たちがこのような結論に確信を持っているかはわからない。

先月中は、米国人やアフガン人たちも話し合いの結果に大いに希望を持っていた。ペトラウス将軍を含めた米国人幹部関係者は、戦争を終らせる方法を話し合うことに、タリバン指導者たちは少なくとも乗り気のようだと発言していた。

米国人関係者によると、自分たちやNATO政府の関係者たちは、パキスタンからくるタリバンを空路で運んだり、道路を使用する場合は安全を確保するなど、話し合いを成功させるために協力していると述べた。

先月ホワイトハウス関係者は『ニューヨーク・タイムズ』に、平和のための話し合いに関する記事にマンスールの名前を乗せないでほしいと依頼してきた。マンスールの命が狙われ、話し合いに障害が生じることを恐れたためである(中略)。

ここ数週間に行なわれた最期の話し合いで、この男が誰であるか、アフガン人や米個人関係者が疑問を持ち始めたという。ある関係者は、富を得るためにタリバン指導者のふりをした、フリーランスの偽物だという。

別の関係者は、タリバンの工作員の可能性があると述べた。「タリバンは米国人や我々の諜報組織よりも頭がいい」と、この件に詳しいアフガン人関係者が述べた。「引っかけようとしている」。また別の関係者は、まだその身元が判明しない偽タリバン指導者は、ISIに送り込まれたとみる(中略)。

タリバン首脳陣は、公には話し合いは全く行なわれていないと主張している。最近オマール師は支持者たちに、話し合いはいかなる段階でも行なわれていないと述べた(中略)。

しかしタリバンの幹部指導者の中には、少なくとも1月には、アフガン政府の代表と話し合う意向を示していた者もいる。

当時タリバンの副司令官だったアブドゥル・ガニ・バラダールが、カラチで逮捕された。パキスタン人関係者は、バラダールが逮捕されたのは、彼がISIの許可なくして和平のための話し合いを行なっていたからだと述べた。アフガン人指導者たちもこれを認めている。

偽マンスール師と会った米国人もアフガン人も、面と向かって彼に疑問を投げかけなかった。アフガン人指導者たちの中には、まだ彼がマンスール師であると、あるいはマンスールの代理人であると見る者もいる。そして彼がじきに戻ってくると考えている(中略)。

アフガン人指導者によると、仲介者が、マンスール師と名乗る男が、他のタリバン指導者たちを含む彼の仲間と一緒に戻ってくるように説得しているという。そして、身元を明らかにしようとしている。

話し合いは、アフガン政府とタリバンの両方と関係するアフガン人によってお膳立てされた。

アフガン人指導者によると、米国人とアフガン政府首脳陣は、当初このアフガン人の身元と動機を疑っていたという。しかし最初の会合のあと、両者ともこの男がマンスールであることに比較的自信を持ったという。男の本当の身元を明らかにするために、いくつかの方策が行なわれた。最初の会合のあと、マンスールを知っていると思われるタリバンの囚人たちに、彼の写真を見せた。全員が否認した。

男が誰であれ、米国人とマンスールだと名乗る男との間の話し合いは、実を結びそうだったという。タリバンを代表すると主張するこの男は、和平協定のための驚くほど謙虚な条件を出してきた。タリバン首脳陣は、アフガニスタンに安全に戻ることが保証されること、タリバン兵たちには仕事が与えられること、囚人は釈放されることである。

タリバンが過去に行なっていたように、外国軍の撤退やタリバンが政府に参加することを要求しなかった。

かつてタリバン司令官だったサイード・アミール・ムハンマド・アガは、タリバンをやめ、かつてはタリバン運動の仲介者を行なっていたと主張しているが、彼はこの偽者の話は知らないと述べた。

しかしタリバン首脳陣は、話し合いに応じる様子は全くないという。「私のような人間が来て、『私はタリーブで有力者だ』と言うかもしれない」という。「しかし、何も進行していないことは事実だ」。「タリバンと話すと、彼らは和平を受入れず、戦い続けたいという」。「彼らは疲れていない」。

ohTaliban Leader in Secret Talks Was an Impostor
DEXTER FILKINS and CARLOTTA GALL、KABUL

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2010.