【2010年12月13日〜12月19日】


■パキスタン、米諜報部員の名前を暴露か[101217 New York Times]

パキスタンのイスラマバードにいたCIA責任者が、木曜日に出国した。アメリカとパキスタンの諜報官の対立が目立ってきており、米関係者は、パキスタン軍の諜報組織が故意に米諜報官の身元を暴いたと見ている。

米諜報官が急遽帰国したことで、両国の間の緊張が高まっていることが判明した(中略)。

イスラマバードでスパイドラマが展開している間、100マイル西部ではCIAが無人偵察機を用いて過激派を攻撃している。木曜日以来、CIAのミサイルはカイバル行政区で過激派数十人を殺害している。スパイ組織はこれまで、パキスタンの部族地帯にあるこの地域における活動を避けてきた。ペシャワルにあるマーケットに近いためである。

米関係者によると、今週の無人偵察機による攻撃の犠牲者の遺族たちがパキスタンの警察に送った告訴状が公開されたあと、CIAの駐在責任者が何度も脅迫されたという。

米関係者は、パキスタンのISI関係者がCIA工作員の身元を故意に暴いたと疑っている。先月プルックリンであった、2008年のムンバイテロ攻撃にISI責任者が関与していたとする告訴状に対する報復である可能性がある。

(中略)イスラマバードのCIA駐在責任者の仕事は、海外におけるCIAの仕事のうちでも最も重要なものである(中略)。

先月、ムンバイ攻撃で犠牲になった米国人遺族が、ISI責任者のアフマッド・シュジャ・パシャがテロ攻撃に関与していたとする告訴状を、ブルックリンに提出した(中略)。

月曜日に提出された駐在責任者を名指しした訴状は、少なくとも4人のパキスタン人を殺害した無人偵察機に関するものである。金曜日に『AP』が、CIAが駐在責任者を出国させることに決めたと最初に報道した。

その直後、ISIと関係がある多数のパキスタンのウェブサイトに、この責任者の名前が公表された。12月14日にはあるウェブサイトが、このCIA関係者の写真を追跡するように呼びかけていた(中略)。

CIAに対する訴訟を持ち込んだ弁護士のアクバル氏は、駐在責任者がいなくても訴訟を続けると述べた。アクバル氏は、息子と弟を無人偵察機で殺害されたと訴えている、北ワジリスタンの住民のカリーム・ハーンの代理人である(中略)。「弟の息子は無実だった」とハーンが述べた。「私の家にはタリバンはいなかった」。

しかし欧米やパキスタンの諜報関係者は、この無人偵察機の攻撃でハッカーニやアルカイダと関係のある幹部司令官、ハッジ・オマルも殺害したという。

アクバル氏は、諜報関係者は安全のためにイスラマバードから移されたのではないと思うと述べた。「彼の名前が公表されたことは間違いない。彼は警察や裁判所を恐れたのかもれない」。

しかし米関係者は反論する。責任者に対する脅迫は「深刻なもので、行動せざるを得なかった」という。

hoonPakistani Role Is Suspected in Revealing U.S. Spy's Name
MARK MAZZETTI and SALMAN MASOOD、WASHINGTON

■米無人偵察機、パキスタンで16人殺害[101217 AFP]

前日に続いて金曜日に、カイバル行政区をアメリカがミサイル攻撃し、過激派16人を殺害した(中略)。パキスタン人関係者によると、無人偵察機による3回の攻撃は、カイバル行政区を狙ったものだったという。

ミサイルが、ティラ谷各地の家屋を攻撃した。木曜日にもカイバルで2度攻撃があり、いずれかの攻撃で、過激派7人が殺害された。

金曜日の最初の攻撃は、シパ地域にあった建物が崩壊し、過激派5人が死亡した。その後、無人偵察機がマラクディン・ヘール地域でもミサイル2発を撃ち込み、5人を殺害した。

「多数のミサイルが過激派の建物に撃ち込まれた。過激派6人が殺害された」と、治安関係者が述べた(後略)。

hoonUS drone missiles kill 16 in Pakistan
S.H. Khan、PESHAWAR

■カイバル地域、2度の無人偵察機攻撃[101217 BBC]

カイバル行政区で2度目の無人偵察機による攻撃があり、過激派10人が死亡したと、地元関係者が述べた。

無人偵察機がミサイルを発射し、ティラ谷のピーン・ドラングとシャンダナ村の家屋に命中した。

木曜日にも同じティラ谷で無人偵察機による攻撃があり、過激派5人が死亡している(後略)。

hoonUS drones attack Pakistan's Khyber area for second day

■無人偵察機「英国人2人を殺害」[101216 BBC]

パキスタン北西部に対するアメリカの無人偵察機の攻撃で、英国籍の白人アルカイダメンバー2人が殺害されたと、パキスタン関係者が述べた。ムスリムに改宗した2人は、5日前に北ワジリスタンのダッタ・ヘールの近くに向けたミサイル攻撃で死亡した。

男たちは48歳と25歳で、攻撃当時、他の2人の過激派と一緒に車に乗っていた。男たちはアブー・バクルとマンスール・アフマッドという仮名を使用していた。

地元の人間によると、過激派たちが乗っていた車は破壊され、乗車していた者たちは焼死した。遺体の一部を過激派たちが持ち去った。

地元行政官によると、無人偵察機の攻撃は12月10日に起きた。ミサイル3発が、ダッタヘールのハデルヘール村近くの車輛に撃ち込まれた。英国人の名前はスティーブンとディアスミスだったという。

スティーブンはこの地域のタリバン訓練所で、兵器や戦術を教えて回っていたという。スティーブンは「アフガニスタンの組織と作戦を行なった経験がある」アルカイダ工作員だという。ヨーロッパ出身のムスリム改宗者が、アフガニスタンとパキスタンの過激派とともに戦っていたことが判明したのは、初めてのことではない。

『ガーディアン』紙は、ロンドン出身の運転手と別のイギリス出身の男性が、「戦いの季節」の間アフガニスタンでタリバンとともに戦っている、と報道していた(中略)。

9月には、英国籍のテロ容疑者が、パキスタンの北西部で無人偵察機により殺害された。『BBC』がつかんだ情報によると、アブドゥル・ジャバールはイギリスのアルカイダ系組織の責任者として訓練を受けていたという。ムスリム式の奇襲攻撃を、イギリス、フランス、ドイツで行なおうとしていた(後略)。

hoonDrone attack 'kills two Britons' in Pakistan

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2010.