【2011年3月7日〜3月13日】

■パキスタンの発砲事件、危うい同盟が露見［110312 New York Times］

●（前略）CIA極秘工作員のレイモンド・デイビスの発砲事件により、危険なゲームが行なわれていることが露見した。

●米関係者によると、デイビスが仕事をしていたCIAのチームは、ラシュカレ・トイバに関する諜報情報を極秘に収集する使命を受けていた。パキスタンの治安組織はラシュカルを庇護して、インドやインド領カシミールにいる敵を攻撃させていた。これらの米政府関係者や他の関係者によると、ラシュカレはパキスタンがインドと戦うための影の兵士でいることに満足できなくなったという。彼らの目標は拡大し、アメリカやヨーロッパ、アフガニスタンにいる米軍を標的にし始めた。

●（中略）したがって、ラシュカルの存在でパキスタンとアメリカの治安関係者の間に緊張関係が生じ、その対立が公然になるのは時間の問題だった。デイビスは問題の原因ではなく、衝突が赤裸々になったにすぎない。

●デイビスもわかったように、一般的なスパイ・ゲームの法則はここでは通用しない。人々が騒ぎ立てる前に、デイビスをパキスタンから極秘に出国させるための取り引きをすることはできなかった。ラシュカルは長い間ISIに庇護されてきたために、この組織に対するアメリカのスパイ活動は非常に危険であり、パキスタンのスパイたちにも敵視されている。

●（中略）ラシュカルのカリスマ的リーダーであるハーフィズ・ムハンマド・サイードは、金曜日になるとラホールで定期的に説教を行ない、アメリカ・イスラエル、インドの帝国主義を非難する。サイードはここ10年間何度も自宅軟禁になっているが、2009年にラホール最高裁判所が彼に対するすべての起訴状を無効にして、釈放した。

●この裁判所が今、デイビスの運命を握っている。

●ラシュカレの本部はラホールのムリドケにある。過激主義のマドラッサだけでなく、病院や魚の養殖場もある。

●（中略）ラシュカルは長い間グローバルジハードを掲げ、アメリカとイスラエルを非難してきた。（中略）しかし、これまでその活動はインドとカシミールに限定していた。標的はISIの利益になるものである。

●（中略）しかし最近になって、組織はその活動範囲を広げてきた（後略）。

■無人偵察機の攻撃で死亡した者のほとんどが、テロリスト［110309 Dawn］

●珍しいことに、パキスタン軍が部族地帯を攻撃しているアメリカの無人偵察機に関する公的な見解を発表し、殺害された者のほとんどがハードコアのアルカイダとタリバンテロリストで、そのうちの多数が外国人だったと述べた。

●第7師団を指揮するガユール・メフムード少将が記者会見で、「アメリカの無人偵察機や犠牲者数に関する神話や噂は多数ある。しかしこれらの攻撃で殺害された多数がハードコアの人間で、その多数が外国人であることは現実である」と述べた。「確かにこのような精密攻撃で一般市民の犠牲者もでている。しかし排除された者の多数がテロリストで、外国人テロリストも含まれている」。

●第7師団の書面による公式発表では、月曜日までの時点で、2007年から2011年の間に164回無人偵察機の攻撃があり、テロリスト964人以上が殺害されたという。殺害された者のうち、793人が地元民で、外国人は171人。アラブ、ウズベク、チェチェン、フィリビン、モロッコの人間が含まれていた。

●2007年には1度だけミサイル攻撃があり、過激派1人が死亡しただけだったのに、2010年には423人も死亡している。2008年には23回攻撃があり、過激派152人が死亡。そのうちの12人が外国人やアルカイダ系の人間だった。

●2009年には20回攻撃があり、20人の外国人を含む179人の過激派が死亡。翌年には103回の攻撃で、外国人133人を含む過激派423人が死亡した。今年の3月7日までに、外国人5人を含む過激派39人が死亡した。

●北ワジリスタンの軍の責任者であるザユール少将は、地元の人間が無人偵察機を怖がって他の場所に移動するなど、悪い影響力があることを認めた。しかし社会的政治的な反響もあるという（後略）。

■パキスタン、北西部で逮捕された米国人を保釈［110307 AP］

●弁護士によると、パキスタンの裁判所が期限の切れたビザを所持した米国人建設請負人を保釈したと述べた。

●アーロン・マーク・ディヘイヴンには、保釈金2万3500ドルを支払ったあとも、バスボートは返さないという。裁判所の公聴会にはまだ出席しなければならない（後略）。