【2011年4月11日〜4月17日】


■過激派の道、パキスタンで終る[110416 News]

アブドゥル・ハミードの息子が彼の部屋に入ってきてちょっと変わったことを言ったとき、アボタバードは嵐だった。外国人のカップルが路上で震えているので、彼らに数日間食事と部屋を与えてもいいだろうか。

ハミードは、2階に使用していない部屋があり、ときどき誰かを泊めていた。妻も、2人を泊めてあげるように促した。

2人は部屋から出ることはなく、怪しかった。ハミードの末娘が客人のために1日3回食事を部屋の前に置いたが、一度も手がつけられていなかった。

9日後、男性の身元が明らかになった。重武装した諜報組織工作員が、家にやってきたからだ。「黙って手を挙げろと」と、ハミードと家族は命じられ、家宅捜索が行なわれた。2発銃声が聞こえ、数分後、血を流した男性が連れ出された。

2002年のバリ島ナイトクラブ自爆事件を首謀したことで指名手配になっていた、アルカイダ系インドネシア人過激派のウマル・パテックの運が、ここで尽きた。

パキスタン政府関係者は、1月25日パテックが逮捕されたことを2週間前まで秘密にしていた。パテックは2人のフランス人過激派と北ワジリスタンに入ろうとしていたらしい。

(中略)現在40歳のパテックは、パキスタンの陸軍病院で足に受けた銃弾の傷の治療のために、入院していると思われる。パテックの妻に関する情報はない。彼女はインドネシア人ともフィリピン人とも言われている。

ISIとCIAの間の緊張関係のために、パテックの運命に関しても疑問が残る。イスラマバードはパテックをCIAに引き渡さずに、インドネシアに送還すると言っている。しかし、ジャカルタの関係者は彼を引き受けることに難色を示し、バリ攻撃に関して彼を起訴することができるか疑問だと述べている。

なぜ、そしてどうしてパテックがアボタバードにいたのかはわからないが、同町で逮捕されたタヒール・シャーザッドというアルカイダ系仲介人の取り調べで、居場所が明らかになった。シャーザッドは、郵便局に勤めていた。彼がアラブ系テロ容疑者と一緒にいるところをアボタバードで目撃されて以来、追跡されていた。

ジャーザッドが1月23日に町から出ると、工作員が彼をラホールまで追跡し、そこで2人のフランス人過激派を空港で迎えにいったときに、一緒に逮捕された。

hoonMilitant's road ends in Pakistan

■パキスタンのジェット機、過激派18人殺害[110414 AFP]

木曜日にパキスタンのジェット機が部族地帯にあるタリバンの拠点を攻撃し、少なくとも過激派18人が殺害されたと、軍関係者が述べた。

モーマンドのバイザイ地域が、ジェット機で攻撃された。先週も軍との間で激しい衝突があり、過激派50人と兵士4人が死亡している。

「木曜日にソラン・ダラ町をジェット機とヘリコプターが攻撃し、2ヵ所にあった隠れ家が破壊された」と、地元政府関係者のマクスード・アマンが述べた。過激派18人が死亡し、25人が負傷したという(後略)。

hoonPakistan jets kill 18 militants
PESHAWAR

■米偵察機、アフガニスタンで「米兵2人殺害」[110412 BBC]

先週アフガニスタン南部で無人偵察機が誤って米兵2人を殺害したと、米軍関係者が述べた(中略)。

事件は米主導軍がタリバンを一掃しようとしているヘルマンド州で起きた(中略)。犠牲になった米兵2人は、サンギン町の外から激しい攻撃を受けていた海兵隊員たちを補強するために派遣された部隊に属していたという。

上空を飛行する武装した無人偵察機から送られ来てたビデオ映像を監視していた海兵隊たちが、自分たちに向かってくる赤外線のイメージに気がつき、仲間を敵と誤った可能性があるという。(後略)

hoonAfghanistan: Drone missile 'killed two US soldiers'

■パキスタン、米にCIA活動を大きく削減するように通告[110411 New York Times]

パキスタンが、アメリカがパキスタンで活動しているCIAや特殊部隊員の数や、パキスタン北西部にいる過激派を標的とするCIAの無人偵察機の攻撃を大幅に削減するように要求した。今回の要求は、危うい2国間の関係が崩壊に近づいている兆候と捉えられる。

パキスタン人と米関係者がインタビューに答え、アメリカの人員を削減させるよう要求したのは、1月にパキスタンでCIA関係者のレイモンド・デイビスがパキスタン人2人を殺害して逮捕されたことが直接の原因だと述べた。

全部でCIA関係者とその請負業者、特殊部隊兵士の335人の米関係者が国外退去を求められているという。

パキスタンにCIA関係者が何人いるかは発表されていないために、何人が残るかは明らかではない。しかし、パキスタンは国内で活動する特殊部隊員の数を25〜40%削減するよう要求した。この数には、CIAがパキスタンで雇う、帰国すべきすべての米国人請負業者の数も含まれている。

今回の要求で、これまでアメリカが行なっていた無人偵察機による攻撃やパキスタン軍の訓練に、大きな影響が及ぶことになる(中略)。

今回の削減は、パキスタン陸軍参謀長のキアニ将軍が個人的に要求したという。

パキスタンのISI長官であるアフマッド・シュジャ・パシャ将軍が月曜日にワシントンに到着し、CIAのレオン・パネッタ長官と米統合参謀長のマイク・ミュレン提督と4時間近く会談したあと、パキスタンの要求が発表された。

米政府幹部関係者2人があとで語ったところによると、パシャ将軍は会談で、パキスタンにいるCIA関係者や請負業者、特殊部隊員の削減に関しては特に言及しなかったという。「最終提案や、アメリカ人数十人または数百人の帰国を要求するような発言はなかった」と、ある関係者は述べた。

CIA報道官のジョージ・リトルは今回の会談を「生産的」と述べ、両国間の関係は「まだ堅固だ」と説明した。

(中略)レイモンド・デイビスは、犠牲者の家族に230万ドルの補償金を支払うことに同意したために、最終的に釈放された。

しかし代償はこのほかにもあった。キアニ将軍が、パキスタンにいる米国人の削減を命じた。去年パキスタンは、特殊部隊員を最大120名入国するのを許可した。そのほとんどが、パキスタン北西部の準軍隊の訓練に当たっている。パキスタン政府関係者によると、すでに米国人の数は上限に達しているという。

CIAのすべての請け負い業者を帰国させることに加え、デイビスが行なっていたような、パキスタンの諜報組織が知らない「一方的」な活動に関与するCIA工作員の帰国を要求した。

ある米関係者によると、パキスタン人たちはパキスタン国内におけるCIAの極秘作戦に対して、「そのような事柄に対する透明性」を要求し、「この要求は考慮中だ」という。

さらにキアニ将軍は、無人偵察機の攻撃はもはやコントロールができなくなっていると述べた(中略)。アメリカにとっては無人偵察機の攻撃に頼らざるを得なくなっているが、パキスタン政府関係者によると、米国人は標的をどのように選んでいるかという諜報情報を共有しなくなったという。米国人たちはカイバル行政区のような部族地帯でも、攻撃する範囲を拡大している。

「キヤニは、無人偵察機を中止させることを望んでいる」と、米のパキスタン人関係者も述べた。「無人偵察機はあまりにもしばしば使用され、戦略的な兵器というよりは好んで使われているとキアニは見ている」という。そこまでではないにしても、キアニ将軍は無人偵察機のキャンペーンは、本来の限定的なものに戻し、北ワジリスタンに限って使用すること要求している。

テイビスが釈放された翌日、北ワジリスタンのタリバン戦闘員に対する無人偵察機の攻撃が実施されたが、この攻撃でパキスタン軍と関係がある部族民指導者たちも殺害された。キアニ将軍はこれに激怒し、後に強い非難声明をだした。

(中略)キアニ将軍が特殊部隊兵士の数を40%削減するように要求したことにより、去年ペシャワル近くのワルサックで開始された訓練プログラムは終了することになる。40%削減すれば訓練はできなくなると言われても、キアニは動じなかったという(中略)。

CIAはデイビス逮捕後、全ての請け負い業者を帰国させたと、パキスタン人関係者が述べた。

工作員と呼ばれ、その目的が明らかではない別の米諜報組織工作員も帰国を命じられているという。

CIAとISIの亀裂に関して、「我々は米国人たちに『ISIを信じるか信じないかだ。その中間はない』と語った」という。

ohPakistan Tells U.S. It Must Sharply Cut C.I.A. Activities
JANE PERLEZ and ISMAIL KHAN、ISLAMABAD

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