【2011年4月18日〜4月24日】


■カンダハル収容所から数百人脱獄[110424 BBC]

アフガニスタン南部の収容所から、収容所の外から数百メートルにわたって掘られたトンネルを通じて、囚人470人が脱獄した。

カンダハル政府関係者によると、サルポサ監獄から脱獄したのは、タリバン抵抗勢力だったという。その後12人が再逮捕されたというが、詳しいことはわからない。

(中略)タリバンによると、320メートルのトンネルを掘るために5ヵ月かかったという。タリバンに貸与された家屋から、穴が掘られたという。

脱獄したうちの100人がタリバン司令官で、他は戦闘員だった。収容所には、1200人が収監されていた。

「監獄南部から数百メートルのトンネルが掘られ、476人の政治犯が昨夜脱獄した」と、収容所責任者のクーラム・ダスタギール・マヤール将軍が発表した。

(中略)ある脱獄者が『BBC』に語ったところによると、トンネルの入り口から出口に出るまで30分かかったという。脱獄には一晩かかり、出口には車が待機して脱獄者をどこかに連れ去った(後略)。

ohAfghanistan: Hundreds escape from Kandahar prison

■パキスタンのデモ、アフガニスタンへのNATO軍への物資補給を妨害[110423 Dawn]

土曜日に国境へ続く幹線道路をデモ隊数千人が行進して、アフガニスタンのNATO軍への物資補給を妨害し、国内で抵抗勢力への攻撃を続けるワシントンに抗議した。

警察官のフルシッド・ハーンによると、抗議運動のために、月曜日まで補給物資は足止めされているという(中略)。

デモは、元クリケット選手のイムラン・ハーンが率いる政党が企画した。彼はパキスタン人タリバンと和平のための話し合いを行なうことを要求し、国境地帯に対する無人偵察機の攻撃を長年抗議してきた。「アメリカが無実な国民を殺害するのをやめるまで、我々のキャンペーンは続く」と、ペシャワル郊外に集った支持者たちの前で演説した。「アメリカの奴隷になるのをやめる時がきた。人々は立ち上がった。腐敗した指導者や、アメリカ人のボスが国内にいられなくなるようにする」。

ハーンは、抵抗勢力との話し合いを仲介することも、申し出ている。「私には仲介する準備がある」と述べ、アメリカもアフガニスタンで話し合いをする準備があるのなら、パキスタンはここでそれをすることはないという(後略)。

hoonPakistan rally halts Nato supplies for Afghanistan
PESHAWAR

■無人偵察機、米パキスタン関係を悪化させる[110423 CNN]

明らかなことが1つある。ミサイルが、パキスタンの部族地帯上空から定期的に発射され、ときにアメリカがそう呼ぶテロリストを、そしてときには誤って無実の一般市民を攻撃している。

しかしパキスタンにおけるアメリカの無人偵察機のキャンペーンの全貌は、明らかではない。

金曜日に偵察機の攻撃があった数時間後、パキスタンの諜報組織関係者が、南部にあるシャムシ空軍基地からアメリカ人関係者が撤退したと主張して、さらに無人偵察機計画の謎が深まった。

米関係者は否定しているこの発表で、ひとつのことは明らかになる。イスラマバードとワシントンの間の関係は、こじれている(中略)。

パキスタンの諜報組織関係者は、なぜ、そしていつ米国人がシャムシ基地を去ったかは明らかにしなかった。しかし別の関係者は、基地にいた米国人たちは、無人偵察機プログラムを行なっていたという。

米関係者も、多くを語らず、「U.S Forceは、シャムシ空軍基地にはいない」と述べるだけだった。過去に関係者がここにいたかどうかにも、言及しなかった。これまで米関係者は、パキスタン国内のいくつかの場所から、無人偵察機を操作していると述べていた。

しかし別の関係者が語ったところによると、シャムシ基地における無人偵察機の作戦は中止になっていないという。「初耳だし、そうだとしたら、我々も知っているはずだ」。「もしパキスタンが強制したとしても、アメリカの反テロ作戦は続く」。

この2人の米国人の話により、請け負い業者かCIA関係者が基地に残り、無人偵察機を扱っている可能性がある。なぜなら政府はこれらの人間を「U.S. Force」とは呼ばないからである。さらにイラクでは、民間請け負い業者が無人偵察機を扱っているからだ。パキスタンにおける金曜日の無人偵察機の攻撃は、何らかの動きがあったとしても、アメリカは部族地帯における偵察機の使用を中止するつもりがないことを、明らかにした(後略)。

smellDrone issue puts strain on U.S.-Pakistan relationship
Nick Paton Walsh

■アルカイダ系組織幹部、逮捕[110422 AP]

アフガニスタンで、アルカイダ系テロ組織の作戦を率いる過激派が、北部で逮捕された(中略)。ウズベクイスラーム運動(IMU)の幹部が部下2人と一緒にクンドゥーズで逮捕されたと、同盟軍が発表した。

NATOによると、男はパキスタンのIMUとアフガニスタンのタリバン組織の間を仲介していた。「アフガニスタン北部におけるアフガン軍や同盟軍を攻撃するために、パキスタンとアフガニスタンで作戦を計画したり、戦闘員の訓練、自爆や爆発物の取り扱い方、迫撃砲の強うほうなどを管轄していた」という。「2010年にパキスタンの収容所から脱獄し、その後賄賂を払ったりなどして他の者たちを脱獄する手助けをしていた」。

アフガンと同盟軍は、数週間にわたってこのIMU指導者を追跡していた。水曜日にハーン・アバド地区で作戦を実施した。IMUと関係がある別の人間も近くで逮捕された。

過去50日の間に、NATO軍とアフガン軍はIMUと関係のある抵抗勢力20人を殺害しているという。アフガニスタンの元IMU指導者のビラール・コンドゥジなど、組織の幹部4人が含まれる。

木曜日にアメリカはドイツに、IMUメンバーを引き渡した。この男がアフガニスタンにいる米国人捜査員に提供した情報により、去年ヨーロッパでは、テロに対する警告が出された。米軍が2010年7月に、アフガン系ドイツ国籍のアフマッド・ワリ・スィディーキを逮捕した。取り調べで、アルカイダがヨーロッパの都市部で攻撃を計画していることを明らかにした(中略)。

これとは別にワルダック州では、グルブディン・ヘクマチアルの甥が戦闘で殺害されたと、ヒズビ・イスラーム組織報道官が述べた。ヘクマチアルの甥のハビブッラー・ショバーブ・ヘクマチアルはペシャワルの元学生で17歳だった。仲間と一緒にニルフ地区で同盟軍の空爆により、死亡した(後略)。

hoonKey figure from Qaida-linked group captured
DEB RIECHMANN、KABUL

■無人偵察機の攻撃で、米にたいする怒りが拡大か[110422 New York Times]

金曜日に北ワジリスタンでアメリカの無人偵察機が23人を殺害したと、パキスタン軍関係者が語った(中略)。米統合参謀長のマイク・ミュレン提督がパキスタン陸軍参謀長のキアニ将軍と会い、パキスタンは北ワジリスタンにいる抵抗勢力に対してもっと行動するべきだと語った翌日のことである。

ISI長官のシュジャ・パシャ少将がワシントンでCIA長官のパネッタと会見し、攻撃を中止してほしいと要求したが、その後2度も攻撃があり、アメリカが中止する意思がないことを示したことになる。

金曜日の攻撃で、パキスタンの民衆の反偵察機感情が高まることが予測される。北ワジリスタンの政府関係者が語ったところによると、死亡した23人のなかには子供5人と女性4人が含まれていた。

攻撃は、アフガニスタンに越境している抵抗勢力司令官ハーフィズ・グル・バハドゥールの仲間を狙ったものだった(中略)。バハドゥールはパキスタン軍と和平協定を結び、配下の者たちがパキスタン軍兵士を攻撃せずに、同盟軍兵士だけを標的にすることを約束している。

金曜日に殺害された者たちは、北ワジリスタンのミールアリ近くのスピンワムに集っていた。この地域はここ数ヵ月間に、抵抗勢力の拠点となっている。

米軍とパキスタン軍の間で神経戦が続いているが、パキスタン政府は今週末に予定されている反NATO抗議運動を容認している。政治指導者のイムラン・ハーンが、土曜日にアフガニスタンのNATO軍に補給物資を運ぶトラックを妨害するための座り込みを計画している。トラックはカラチからペシャワルを通って、トルハムを抜けてアフガニスタンに入る。

金曜日の無人偵察機の攻撃の前に、ミュレン提督がパキスタンのISIに、北ワジリスタンのハッカーニの組織を直接支持し、煽動していることを非難した(中略)。アメリカはこれまでもISIがハッカーニを支持していると見てきたが、事実を公言することは稀である。

これとは別に木曜日、アフガニスタンとの国境近くのパキスタンの国教警察隊の検問所に抵抗勢力150人が流れ込み、兵士16人が殺害された。

ディールのハルカイで12時間近く戦いが続いた。軍を援護するために出された関係者2人が、襲撃されて殺害された。

パキスタン軍兵士に対する攻撃は、パキスタン軍がモーマンドで新たな作戦を開始した直後に起きた。

オバマ政権は今月の議会で、パキスタン軍はパキスタン国内の抵抗勢力を一掃するために「明確な指針」を持っていないと報告し、モーマンドで抵抗勢力を一掃することをできなかったことを引き合いに出した。軍は「モーマンドで2年の間に3度作戦を実施したが、失敗した」と、報告された。

木曜日キアニ将軍が、モーマンドで実施された攻撃の第二段階を開始する前に、アフガニスタンとの国境にあるスラン谷を訪れた。

ここ数ヵ月の間、モーマンドの反対側にいる米軍とNATO軍は、アフガニスタンから逃げ出す抵抗勢力を攻撃できるように、パキスタンに協力していた。しかし木曜日にディールを攻撃したパキスタン人抵抗勢力は、スランの作戦が開始される前に逃げ、彼らに協力したアフガン軍の一部のおかげで、再びパキスタンに入ることができたという。

hoonDeadly Drone Strike by U.S. May Fuel Anger in Pakistan
JANE PERLEZ and ISMAIL KHAN、ISLAMABAD

■米無人偵察機、北ワジリスタンで「25人殺害」[110422 BBC]

北ワジリスタンでアメリカの無人偵察機による攻撃があり、少なくとも25人が殺害された。

スピンワムの町にあった大きな建物にミサイルが撃ち込まれたが、近くに住んでいた女性5人と子供4人も巻き添えになった。この地域はアルカイダやタリバンの拠点である。

いっぽう、アフガニスタンとの国境付近の検問所を抵抗勢力数百人が襲撃して、兵士13人が死亡した。

パキスタンの治安関係者が語ったところによると、アフガン人過激派が越境してロワー・ディールの軍の検問所を襲撃したという。治安部隊が検問所から一時的に撤退したが、現在は戻ってきており、周囲を平定して外出禁止令が出されているという。

パキスタンの関係者によると、地元の抵抗勢力司令官のハーフィズ・グル・バハドゥールの支持者たちが占拠していた大きな建物に、ミサイル4発が撃ち込まれた。

金曜日の攻撃で、複数の人間が負傷したという(中略)。イスラマバードのイリアス・ハーン特派員によると、これまでスピンワムではあまり無人偵察機の攻撃はなく、北ワジリスタンにある別の拠点から追い出された過激派にとっては、都合の良い避難所になっていた(後略)。

hoonPakistan: US drone raid 'kills 25' in N Waziristan

■タリバン、アフガン軍に侵入か?[110420 New York Times]

11月29日の午後の早い時間に、パキスタンとの国境沿いの山の高見にある前哨基地で、上司から信頼されていたアフガン国境警察隊員が突然米兵に発砲して、6人を殺害した。

タリバンがすぐに犯行声明を出して、狙撃者はNATO軍兵士を殺害するために配置されたスリーパー工作員だったと発表した。アフガンの警察や軍は、自分たちの内部に侵入している抵抗勢力を排除するためにやっきになった。新たな志願者や新人の身元調査が行なわれた。

しかし、その後狙撃者はナンガルハル州のある小さな町の出身のエザトゥッラーという名前の男で、スリーパー工作員ではなく、若い少女との結婚を父親に迫られるなど、個人的なストレスを多く抱えた、健全な兵士であることが判明した。

今月になって、アフガン軍の制服を着た抵抗勢力が、厳重に警備された政府の建物を3ヵ所攻撃したために、再びタリバンの浸透が恐れられた。月曜日にカブールにある国防省本部に対する攻撃で、アフガン兵2人が殺害された。

アフガン政府関係者の間では、軍や警察に抵抗勢力が侵入しているのではないかという恐れが高まった(中略)。

しかし捜査により、少なくとも攻撃のうち2件はアフガン軍や警察の現役メンバーの仕業でないことが明らかになったという。残りの1人も、現役のメンバーではなさそうだ。

諜報関係者によると、タリバンが主張しているほど、彼らは政府内部には入り込んでないようだ。しかしタリバンの主張により、不信感が高まり、それを払拭できないでいることは事実だ。

彼らの意図は同盟軍をアフガン国軍から引き離すことで、それが成功したかどうかはともかく、大きな影響力を及ぼしていると、ある関係者が述べた。

タリバンが侵入しているかどうかはともかく、最近の攻撃により、さまざまな警備上の問題が露になっている(中略)。

「少なくとも2人はタリバンではないが、制服を入手して誰かの協力を受けた」と、あるNATO関係者が述べた。「我々が一番恐れているのは、彼らはこの警備システムを突破できることができるのか、それとも彼らは制服などの装備を街頭で入手したり利用して、物理的な警備の弱点を突破できるのかということだ」。

スリーパー工作員に関する心配は、NATOやアフガン政府関係者の間では大きい。ナンガルハルで起きた11月の事件以来、同盟軍はアフガン防諜部隊工作員の訓練を大幅に増やした。アフガン軍内に抵抗勢力がいるかを見つけ出すのが、彼らの仕事である(中略)。現在約200人の工作員が活動しており、今年末までには、2倍以上に増える予定である(後略)。

hoonTaliban Fan Fears of Infiltration in Afghan Forces
RAY RIVERA、KABUL

■イムラン・ハーン、タリバンとの和平で脚光[110420 Asia Times]

元クリケットチームのキャンプテンで国会議員になったイムラン・ハーンが、パキスタンのタリバンとの和解計画で脚光を浴びている。

野党のテヘリーケ・インサーフ党を率いるハーンが、和平計画を率先する国際的に信頼のおける人間として浮上した(中略)。先週ギラニ首相が、キアニ陸軍参謀長とISI長官のシュジャ・パシャとともに、ワシントンとロンドンの協力を得たタリバンとの和平計画に乗り出した。アフガニスタンとパキスタン政府が、タリバンをアフガニスタンの政治の主流に迎え入れるための和平計画を主導することが、すでに決められている。

ハーンは、ペシャワル郊外で土曜日と日曜日に計画されている、アフガニスタンのNATO軍に補修物資を運ぶ車列の妨害運動を率いる。アメリカの無人偵察機による攻撃に反対し、戦争で居場所を失った人々がこの抗議運動に参加する。ハーンはパキスタン政府を強く批判し、アメリカに迎合していると主張している。

ハーンとキアニ将軍に近い、右派の有名なウルドゥー語メディアのコメンテーターが2人の間を仲介し、ハーンが国家の次の指導者になることが暗黙に了解された。

情報源によると正式な合意は交わされていないが、2013年2月に計画されている総選挙で、ハーンは首相になる。またハーンが暫定内閣を率いるという別のシナリオも、用意されている。

ハーンが指導者になるという案は、スィンド州最大の党派ムッテハダ・クアミ運動(MQM)に歓迎されている。パシュトゥーンを支配するアワミ・ナショナル党(ANP)、イスラーム協会やイスラーム神学者協会も、彼を支持している。

(中略)抵抗勢力たちはイムラン・ハーンの立場を評価し、部族地帯における彼の人気はゆるぎない。2007年にジャラウッディン・ハッカーニの息子、ナシールッディン・ハッカーニがイマラン・ハーンと会い、これによりハーンはタリバンとの対話を間接的に関わるようになった。

3月の第2週目に、ハーンはイスラマバードで米大使のカメロン・ムンターと会見した。その数日後のハーンの声明は、多くを驚かせた。ハーンはイギリスの法廷に対して、MQ指導者のアルタフ・フセインをマネー・ロンダリングの件で正式に告訴したにもかかわらず、MQMの政策を支持したのである(後略)。

hoonImran Khan in Taliban peace spotlightSyed Saleem Shahzad

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2011.