【2011年5月23日〜5月29日】


■パキスタン、アメリカの「諜報協力」センター中止へ[110527 Los angels Times]

アメリカに対する不信感から、イスラマバードはオバマ政権に対して国内にいる米軍の数を削減することを要請し、軍事諜報協力センターを3ヵ所閉鎖することにしたという。

米特殊作戦ユニットは、ペシャワルに2ヵ所とクエッタにある3つのセンターのおかげで国境の両側で合同作戦を実施してきたと、米関係者が述べた。アメリカのユニットはこの3つのセンターからの引き上げを命じられ、センターは閉鎖される。

これは永久的なものかどうかは、明らかではない。木曜日にマイク・ミュレン提督がパキスタンに急行して、キアニ将軍と会談した。ペンタゴン関係者によると、パキスタンが米軍の存在の削減を要求してきたことに対処するためだった可能性があると述べた。

センターの閉鎖は一般には公表されていないが、パキスタンの過激派との戦いの前線から、アメリカのアドバイザーを引き上げることになる。米軍のデイビッド・ペトラウス将軍は、国境地域におけるアメリカの存在を増やすことに尽力してきた。

(中略)センターの閉鎖で、CIAの無人偵察機の飛行に影響がでることはない。

(中略)ペシャワルにある2つの諜報センターは2009年に設置された。ひとつはパキスタン軍第11Corpsに、もうひとつは国境警察隊に合同センターができた。

3つ目は去年、クエッタのパキスタン軍第12Corps本部に設置された。米軍はこのクエッタのセンターには一時的にしか派遣していなかったという。

閉鎖により、国境警察隊に対するアメリカの訓練が中止された(中略)。

ペシャワルの国境警察隊のセンターはバラヒサールにあり、米特殊部隊員10人程度がいたことが『ウィキリークス』の機密文章から明らかになっている。この文書は『Dawn』紙が報道し、特殊部隊チームが準軍隊やパキスタンの奇襲隊と一緒に行動することを許されることを、アメリカが期待していることが明らかにされた。

2009年にペシャワルのバラヒサールに、「我々はパキスタンの奇襲部隊SSGと国境警察の両方と協力する諜報協力センターを作った」と、文書にある。「しかし今のところ、パキスタン軍に同行することをパキスタン軍に許されていない。しかしこれらのセンターで我々はパキスタン人たちが現存する諜報情報を収集、研究することに協力している」という。

別の米大使館文書によると、ロワー・ディールにいるタリバンに対する作戦に関して、「米特殊部隊」が国境警察に「映像、ターゲット・バッケージ、作戦計画」を提供した。

2009年9月にパターソン大使が、協力センターは「対抵抗作戦に関与するユニットと、リアルタイムの諜報を共有できるようになり」、「パキスタンの過激主義に対する大きな一歩」だと書いている。

クエッタの協力センターはペシャワルほどは活動していなかった。バローチスタンの州都クエッタは部族地帯の外にあり、パキスタンはここに米軍が存在することを良く思わないという。

アメリカとの間の緊張は高まっているが、パキスタン政府はCIAの捜索チームがビンラディンの隠れ家に入ることを許した。パキスタンはアメリカの諜報アナリストに、現場から押収した書類を分析することを許した(後略)。

hoonPakistan shuts down U.S. 'intelligence fusion' cells
David S. Cloud、Washington

■アルカイダ、パキスタンの攻撃を警告していた[110527Asia Times]

アルカイダと関係があるとして逮捕されていた海軍関係者の釈放に関して、アルカイダと海軍との間で話し合いが行なわれていたが、失敗に終ったためにメーラン海軍基地への攻撃が起きたことがわかった。

(中略)一般には過激派6人の犯行で、そのうちの4人が殺害され2人が逃走したとされる。しかし非公式には、過激派は10人いて、そのうちの6人が逃走した。攻撃者たちは、アルカイダの作戦部門であるイリアス・カシミーリが率いる313部隊である。

先月、海軍のバスを狙った攻撃が3回あったが、これは拘束されている容疑者を解放を求めるアルカイダの要求を受入れさせるための警告だった。この攻撃で9人が死亡している。

(中略)数週間前に海軍の諜報組織が、カラチにあるいくつかの海軍基地内に、アルカイダ組織があることを突き止めた。「軍内にイスラーム主義傾倒者がいることはよくあることだ」と、ある海軍幹部が語った。「そのことはそれほど気にならなかった。世界中の軍関係者、アメリカであろうがイギリス、インドであろうが、敵に対して宗教的な動機を持つことはよくある(中略)。しかしカラチのいくつかの海軍基地に、不穏なグループがあることに気づいた。宗教儀礼やイスラームの研究をしていることで軍関係者を摘発することはできないが、このグループは、軍の規律に反するものだった。これがきっかけで、海軍内部諜報情報の収集が始まった」。

この関係者によると、グループは軍の指導者に対立し、イスラーム過激主義を摘発しようとするアメリカとの関係に反対していた。パキスタンを訪問中の米関係者に対する攻撃を計画していた気配が盗聴されたために、慎重な調査の結果、少なくとも10人が逮捕された。ほとんどが下士官だった。

「これが大きな問題の始まりだった」という。逮捕された者たちは、カラチの政府関係者の居住地の裏側にある海軍諜報組織事務所に収容された。しかしその後正式な取り調べが開始される前に、男たちがどこに拘束されているかを知っていると主張する過激派たちから、直接脅迫され始めた。

拘束者たちはすぐにもっと安全な場所に移されたが、脅迫は続いた。この件に関与していた関係者たちは、取り調べから海軍内に送り込んだ仲間が逮捕されることを恐れたようだ。従って、逮捕された者たちが釈放されなければ海軍施設を攻撃すると、自分たちの意思をはっきり告げた。

容疑者たちの収容場所を常に把握していたために、過激派たちが内部情報を得ていることは明らかだった。かなりの数のアルカイダ関係者が海軍内にいることが、はっきりした。会議で諜報関係者たちは、問題を慎重に扱わなければ最悪の事態になると主張した。全員これに賛同し、アルカイダと接触することを決めた。

カラチ出身で今は北ワジリスタンに住む、313部隊の元学生連合活動家アブドゥル・サマド・マンスーリと接触することが決まり、話し合いが開始した。アルカイダは、これ以上取り調べをする前に、関係者の釈放を求めた。これは却下された。

拘束者たちは家族と話すことを許されて、丁寧な扱いを受けたが、海軍関係者は彼らの取り調べをすることに必死で、アルカイダがどのていど海軍内に力を及ぼしているかを調べようとした。過激派たちには、取り調べが終了したら、男たちは免職になり自由になると伝えられた。

アルカイダはこれらの条件を却下し、4月に海軍のバスを攻撃して、自分たちが不満であることを表明した。

ビンラディンが殺害されると、過激派たちは大きな行動を起こすことに決めた。1週間もたたないうちに、メーラン基地内部の者が、地図や日中と夜に撮影されたさまざまな入り口や出口の写真、格納庫の場所や外から来る治安部隊の予測される動きなどの詳細を提供した。

その結果過激派たちは厳重に警備された施設内に入り、ひとつのグループは航空機を、ふたつ目のグループは軍を攻撃、そして最後のグループは援護射撃を行なって仲間の逃走を助けた。中に残った者たちは、殺害された。

ohAl-Qaeda had warned of Pakistan strike
Syed Saleem Shahzad、ISLAMABAD

■米、タリバン指導者の部下と話し合った[110526 New York Times]

米政府関係者がタリバンとの和平にむけての直接的な話し合いとして、過去数ヵ月内に少なくとも3度、タリバン指導者であるオマール師の幹部と会ったと、この地域の関係者が述べた。

この話し合いはドイツとカタールが仲介したが、米関係者が常に出席し、オマール師の個人的な部下であるタイーブ・アガと会ったという。CIAと国防省関係者もこの話し合いに関与していると、ある関係者が述べた。

この会合は先週『ワシントンボスト』が報道し、その後ドイツの『シュピーゲル』誌が報道した。アフガン政府や欧米政府関係者も、この報道の内容を認めた。

ビンラディンが殺害されるかなり前から、オバマ政権がタリバンとの話し合いを行なっていたことがわかる(中略)。

タリバン指導者の個人的な部下であるアガが話し合いに参加していることは、一般的には和平交渉に反対しているものの、これを真剣に考えていることが明らかになったといえよう(中略)。

アガは英語とアラビア語を話すために、本人確認が容易であった。以前はタリバン司令官に扮したアフタール・ムハンマド・マンスール師が、アフガン政府とNATO関係者との話し合いに臨んだ。アガは、数年前にサウジ王が主催する晩餐会にも出席した。これはアメリカがタリバンに歩み寄った、最初の出来事ととらえられている。

しかしアフガン政府関係者は、アガはもはやオマール師とそれほど親しい関係にはないと言われるために、多くは期待できない可能性があると警告した。アガは1994年から2001年まではオマール師の信頼を受けた個人的なアシスタントで、電話を受けたりオマール師の予定を組んだりしていた。現在30代後半であるが、クエッタに住み、タリバン指導者たちとの接触は続けているといわれる。しかし彼が抵抗勢力の代理人であるかは、明らかではない。

またオマール師が、過激主義化した司令官やタリバンに協力するさまざまな組織をコントロールする能力が残っているかどうかも、疑問である。彼はタリバン運動の精神的な指導者であり、いまだにアフガニスタン南部のタリバン軍に対しては強力な司令官として存在している。しかしアフガニスタンやハッカーニ一族に人材を送っているパキスタン人タリバン組織は非常に過激化し、パキスタンの部族地帯で独自に行動している。オマール師に忠誠を誓いながらも、彼の命令に背いている。

今回の話し合いには、タリバンとの話し合いの必要性を主張してきたパキスタンは参加していない(中略)。パキスタンはこれまでタリバンを庇護してきたことから、カブールやワシントン、NATO諸国から疑いの目で見られている。現在問題視されているのは、第三国、トルコかカタールに、タリバンのための代表事務所を設置することである。

「パキスタンなしに和解はできない。しかし、彼らはスポイラーになる可能性もある」と、あるヨーロッパの外交関係者が語った。

代わりにオバマ政権は、並行して別の対話を行なっている。ひとつは米国・アフガニスタン・タリバンの話し合い、そして米国・アフガニスタン・パキスタンの話し合いである。今のところパキスタンはこれに満足しているようで、火曜日にカブールで開催される3ヵ国会談に、パキスタン外務省のサラーム・バシールを派遣した。

バシールの兄弟のナーマン・バシール提督はパキスタン海軍の司令官で、パキスタン軍組織と密接に活動している。最近では文民政府の外交に関して、大きな発言力を持つ(中略)。

タリバンとの話し合いにドイツが大きく関与し、いくつかの話し合いを主催した。いっぽうカタールも、話し合いを主催している。

ドイツの外務省は話し合いがあったことを認めていないが、ある関係者は、ドイツのアフガニスタンとパキスタンの特使であるマイケル・スタイナーが仲介して、何度も話し合いを行なったと述べた。スタイナーはボスニア戦争を終結にホルブルックと一緒に大きく尽力したが、米外交筋により、アフガニスタンのために50人からなる交渉グループを率いることを依頼された。

アフガニスタンに軍を派遣しているヨーロッパ諸国は、撤退戦略として、タリバンとの話し合いを開始することに尽力してきた(後略)。

ohU.S. Has Held Meetings With Aide to Taliban Leader, Officials Say
CARLOTTA GALL and RUHULLAH KHAPALWAK、ISLAMABAD

■米、パキスタン内の軍の数を削減[110526 Dawn]

水曜日に米軍が、イスラマバードの要請を受けてパキスタンにいる米軍の数を削減することを計画していると述べた。「2週間前に、パキスタン国内のアメリカの存在を削減するよう、パキスタン政府に書面で要請された。従って削減を始めた」と、デイブ・ラパン大佐が記者にeメールで知らせた。

現在パキスタンには米軍関係者が200人以上いるが、ほとんどがアルカイダなどの過激派と戦うための長期訓練に携わる訓練士である(後略)。

hoonUS cutting back troops in Pakistan: PentagonAFP(3 hours ago)Today
WASHINGTON

■中国、パキスタンの基地が攻撃された際に技術者がいたことを認める[110524 New York Times]

中国の外務省の姜瑜報道官が、カラチの海軍基地が攻撃された際に「ある会社の技術スタッフ」が捕虜になっていたことを認めた。

記者会見で姜瑜は、中国人が負傷したという報告は受けていないと述べた。何人が捕虜になったかは語らなかった。

カラチの海軍基地に中国人技術者がいたことで、中国がパキスタンにこれまで以上に関与していることがさらに明らかになった。パキスタンの国防大臣のアフマッド・ムフタールが、中国が今後グワダール港の管理を行ない、中国が海軍のための港を建設することを歓迎すると述べた。

ムフタールの声明は、ギラニ首相が北京を訪れたあとに発表された。パキスタン政府関係者によると、北京は両者の協力で開発した戦闘機の受け渡しを早めることに同意したという(後略)。

hoonChina Admits Its Technicians Were Held in Pakistan Base Attack
IAN JOHNSON、BEIJING

■過激派の攻撃後、海軍基地奪回[110523 AFP]

パキスタンが月曜日に、武装したタリバンの狙撃者に攻撃されてから17時間後に、海軍基地を奪回した。米国製の偵察機2機が破壊され、10人の関係者が殺害された。

(中略)レーマン・マリーク内相によると、日曜日の深夜、過激派6人がはしごを使用して海軍の航空基地に入り込み、銃撃戦と爆発が起きた。

関係者によると、中国人11人と米国人6人の整備会社関係者は無事に救出したという。しかし、メーラン基地に対する攻撃が平定されたと宣言するまでに、17時間かかった。「基地を平定した。作戦は終了し、基地は制御されている」と、イルファン・ウル・ハク提督が発表した。

マリークによると、テロリストたちが居住地と接する3ヵ所から基地内に忍び込んだという(中略)。「6人のテロリストがいたと思われるが、そのうちの4人の死亡が確認された。2人は逃走したといわれるが、現在捜査中だ。すべてが夕方までに明らかになる」。

攻撃者の1人は自爆したと思われ、この他に3人の遺体が発見されたという。一行は日曜日に梯子2脚を使用して、暗闇の中で基地の塀を乗り越えた。マリークは攻撃者を、映画スターウォーズの登場人物にたとえ、洋装をしていたと述べた。「スターウォーズの映画のように黒い服を着て、1人は自爆ベストを着用していた。髭をはやし、そのうちの2人は20〜22歳で、3人目は25歳くらいだった」。

パキスタン人タリバンの報道官が、1週間に15〜20人ずつの自爆志願者を送り込んでいると述べた。「オサマの殉教後、これまで以上に大きな攻撃を行なうと警告したはずだ」と、タリバン報道官のエーシヌッラー・エーサンが述べた(中略)。

マリークによると、治安関係者10人が殺害され、15人が負傷した。「P-3C Orion機2機が破壊された」と、海軍報道官のサルマン・アリ司令官が述べた。今回の攻撃で、パキスタンの核兵器の安全性が疑問視される。『ニューヨーク・タイムズ』によると、メーラン基地から24キロしか離れていない場所に、パキスタンの核兵器格納庫があるという(中略)。

カラチの作戦が終了した直後、イスラマバードではペシャワルを結ぶハイウェイにかかった橋が爆破されたが、犠牲者はいないという(後略)。

garrPakistan retakes naval base after militant attack
Hasan Mansoor、KARACHI

■軍「メーラン海軍基地攻撃を終了」[110523 BBC]

パキスタン軍が、カラチの海軍基地を攻撃して占拠していた過激派を平定したと、海軍関係者が述べた。軍は襲撃の「後始末」をしているという。この襲撃で兵士12人が死亡した。

攻撃者たちが深夜メーラン海軍航空基地になだれ込み、捕虜をとったという。過激派何人かがまだ敷地にいる可能性がある。

パキスタンタリバンが、襲撃はビンラディン殺害に対する報復だと述べた。「ビンラディンの殉教に対する報復だ。我々がまだ一致団結し、強力であることを証明した」と、エーサヌッラー・エーサンが『ロイター』に述べた。

日曜日の夜、過激派たちがメーラン基地にある航空機の格納庫3ヵ所になだれ込んだ。最初の標的は、装備されて近くの格納庫に止まっていた航空機だったという。過激派たちはロケット推進手榴弾を使用し、戦闘機のうちの何機かを破壊した。なかには、対潜水艦戦闘機である米国製のP-3C Orionも含まれていた。数百万ドル相当の航空機2機が、炎上した。

その後、銃を持った男たちが発砲し始めて海軍関係者を数人殺害したあと、基地の中心に移動していった。

海軍奇襲隊や海兵隊が応戦し、その後重装備した軍の補給部隊が到着した。過激派のなかの数人が殺害されたという。

残りの狙撃者たちが関係者何人かを捕虜にとり、建物内に立て籠った。当初、中国人の軍関係者が捕虜の中にいたとされるが、明らかではない。

月曜日の夜明けに大きな爆発音が3回聞こえ、銃撃音が続いた(後略)。

ohTroops 'end attack on Mehran naval air base'

■米偵察機、パキスタンで7人殺害[110523 AFP]

月曜日に北ワジリスタンでアメリカの無人偵察機による攻撃があり、車輛が破壊されて過激派7人が殺害された。

ミールアリ郊外で攻撃があった。「米無人偵察機がミサイル2発を発射して、車輛に命中した。過激派7人が殺害された」と、ある治安関係者が述べた。「重要人物がいたかどうかはわからないが、殺害されたのは全員外国人だった」という(後略)。

hoonUS drone strike 'kills seven' in Pakistan
Hasbanullah Khan、MIRANSHAH

■オマール師、パキスタンの隠れ家から「消える」[110523 Dawn]

アフガニスタンの諜報組織が月曜日に、タリバン指導者のオマールが5日前にクエッタにある「隠れ家から消えた」が、死亡したかどうかは確認できないと述べた。

「バローチスタンのクエッタにある隠れ家から消えたことがわかっている」と、National Directorate of Securityのヌトファラー・マーシャルが述べた。「4〜5日前から、彼がいたところから消えてしまった」。「今のところオマール師が殺害されたとは確認できていない」。

アフガンの情報源がオマール師が死亡したと述べ、別の関係者が11日前から行方不明になっていると主張したあと、マーシャルが記者会見で語った。

hoonMullah Omar'disappears'from Pak hideout: Afghan official
KABUL

■タリバン指導者殺害と報道[110523 Asia Times]

タリバンが月曜日に、タリバン指導者のオマール師がパキスタンで殺害されたとするアフガンメディの報道を否定した。

「アミール・ウル・モエミニーン(オマール師)が殺害されたという報道は嘘だ。彼はぴんぴんしている」と、カリ・ムハンマド・ユーサフ報道官がパキスタンを拠点とするアフガン・イスラミック・プレス通信に語った。

これに先立ち、今日、アフガニスタンの民放テレビの「トーロTV」が、「オマール師がクエッタから北ワジリスタンに向かう間に殺害された」と報道した。いくつかの他のテレビ局も、彼の死亡説を報道した(中略)。

オマール師がどのように、誰に殺害されたかは明らかにしなかった。

信頼のおける情報源にすぐ確認したところ、タリバン報道官のザビブッラー・ムジャーヒッドがこれを否定した。またパキスタンの南西部とアフガニスタンを拠点にし、シューラの重要人物である別のタリバン関係者も、「事実無根」と語った。

「もしアメリカ人たちに殺害されたなら、なぜ情報を発表しないのか」と、シューラのメンバーが語った。「アフガン政府はなぜこのニュースを報道しない。このような重要な情報がアフガンのメディアに極秘にリークされるはずがない」。「アメリカ人とアフガン政府はこのようなニュースを流して、パキスタンに圧力をかけたがっているのだ」という。

トーロTV幹部が語ったところによると、アフガンの諜報組織が情報を局にリークしたという。

パキスタンの治安軍関係者も、情報がないと述べた(後略)。

ohTaliban leader reported killed
Syed Saleem Shahzad、ISLAMABAD

■アフガンタリバン、オマール師死亡説を否定[110523 AFP]

アフガニスタンのタリバンが月曜日に、アフガニスタンの諜報組織の話としてオマール師がパキスタンで殺害されたという報道が出たあと、「完全なるプロパカンダ」だとして自分たちの指導者死亡説を否定した。「完全なるプロパガンダだ。ありえない」と、タリバン報道官のザビフッラー・ムジャーヒッドがどこかから電話をかけてきて『AFP』に述べた。オマール師は現在アフガニスタンにおり、「ムジャヒディーンを導いている」という。

またパキスタン人タリバン報道官のエーサンヌッラー・エーサンも、オマール師は「安全な場所で無事にいる」と述べた。「彼が殺害されたということに真実はない。タリバンを弱体化させるための情報だ」。

アフガンの諜報組織の情報源が、オマール師がパキスタンのISIにに殺害されたと語り、また別の関係者は、彼が11日間行方不明になっていると述べた。

最初の情報源によると、オマール師は金曜日に殺害されたといい、ハッカーニ組織内の情報源からの報告だという。「ISIのハミッド・グルISI元長官の指示に従い、オマール師はクエッタから北ワジリスタンに移るように言われた」という。「ISIがオマール師をクエッタから北ワジリスタンに連れて行く途中で、ISIに極秘に殺害された」。

しかし別のアフガン諜報組織の情報源は、オマール師はグルに会ったあと、11日間行方不明になっていると述べた。「彼の内輪の人間、彼の周りの人間が彼の居場所がわからなくなって11日が経つ。タリバン指導者たちは、オマール師が突然いなくなって、非常に心配している」という。

グルはこれらの主張を「完全なる偽り」。「オマール師に会ったことはない。生涯このかた一度もない」と『AFP』に語った。「これは、パキスタンと私を侮辱するためのインドの陰謀だ。彼はパキスタンにいないと思う。パキスタンに一度も来たことがないだろう。ソ連戦争のときでさえもだ」。

(中略)アフガニスタンのNational Directorate of Securityが月曜日の午後2時に記者会見を開催する予定だったが、これはオマール師が殺害されたという報道がなされる前だった(後略)。

ohAfghan Taliban deny Mullah Omar is dead
Mamoon Durrani、KANDAHAR

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2011.