【2011年5月30日〜6月5日】


■カシミリ殺害でパキスタン過激派の心配[110605 BBC]

カシミリの死亡でひとつ確かなことは、アルカイダとタリバン指導者たちは現在逃げの態勢にあるということだ。

ある有力な情報源から、カシミリは金曜日の夜に南ワジリスタンのラマン村に到着し、ここに移動してくることに関して話し合う計画だったという。彼の拠点である北ワジリスタンを、パキスタン軍が攻撃し始める恐れがあったためだという。

アメリカの無人偵察機による襲撃は、カシミリがラマンにやってきて30分もたたない頃に起きた。お茶がふるまわれたところで、まだ全員が挨拶も終えていなかった。

ということは、誰が無人偵察機を彼に仕向けたか? すぐには答えは出せない。

ここ数年間、CIAはパキスタンの部族地帯に数十人の工作員を雇い、タリバンやアルカイダ戦闘員の行動に関するリアルカイムの諜報情報を入手してきた。これらの「スパイ」の多数が発見され、タリバンに斬首されている。

またパキスタン政府関係者によると、いくつかの重要な無人偵察機の攻撃は、パキスタンの諜報組織が提供した情報にもとづいて実施されたともいう。

『AP』によると、最近アメリカとパキスタンの指導者が合同諜報チームを立ち上げ、アルカイダとタリバンの重要人物を逮捕あるいは殺害することに合意したという。

カシミリが死亡したのは、この合意が交わされた数日後のことであるから、パキスタンが疑われて当然だ。問題は、カシミリは以前のように、パキスタンの「駒」であるかだ。

(中略)カシミリが最近では逃走中だったことから、パキスタンの部族地帯における過激派の居場所がなくなりつつあることを示す。重要なグループが別の地域に移ることができるかどうかは、まだわからない。

hoonKashmiri killing: Worrying Times for Pakistan militants
M Ilyas Khan、Islamabad

■HUJIのイリアリ・カシミリ死亡声明に疑問[110605 Longwar Journal]

パキスタンのテロ組織が、自分たちの指導者だったイリアス・カシミリが先週アメリカの無人偵察機に殺害されたと発表した声明に、疑問が生じた。死亡したカシミリだという写真は、実際には2008年のムンバイ事件のテロリストのジハード者の写真であることが判明し、また書面による声明に過ちがあった。

(中略)カシミリが死亡したとされた翌日、HUJI報道官のアブ・ハンザラ・カシールが、カシミリが死亡したという声明を書面で発表した。「ハラカット・ジハード・アル・イスラミ313部隊として、我々は指導者で最高司令官であるムハンマド・イリアス・カシミリが仲間とともにアメリカの無人偵察機により殉教した。アメリカはすぐに我々の復讐を受けるであろう。我々の唯一の敵はアメリカだ」と、カシールが述べた。

この声明は、アルカイダ系のジハード組織のウェブサイトである、シャムーフ・アル・イスラーム・フォーラムに死、亡時のカシミリの顔写真とともに掲載された。

しかしカシミリのものとされるこの顔写真は、実際にはラシュカレ・タイバの戦闘員でムンバイの自爆襲撃チームのメンバーだったアブ・デーラ・イスマイル・ハーンだった。またHUJIのオリジナルの声明は、組織の名前が誤った綴りで書かれていたと、『The Pakistan Policy Blog』編集者のアリーフ・ラフィークが述べた。

「HUJIはパキスタンの組織だが、名前はアラビア語である。組織の名前はハラカトゥル・ジハード・アル・イスラミである。しかしこの手紙を書いたカシールは2ヵ所で名前を間違って綴っている(中略)」。

米諜報関係者は、まだカシミリの死を確認できていないと述べた。写真や声明の過ちから、カシミリが実際に殺害されたのか生存しているか決めることができないという。「現場に行けない。DNAのテストができない」と、ある関係者が述べた。

別の米関係者は、カシミリ死亡説はアルカイダやHUJIの「策略」で、アメリカがカシミリをこれ以上追跡しないようにするためのものである可能性もあるという。しかしこれまでアルカイダもタリバンも、指導者幹部が死亡したと嘘の声明を発表した例はないという(後略)。

smellQuestions emerge over HUJI's statement on al Qaeda leader Ilyas Kashmiri's death
BILL ARDOLINO AND BILL ROGGIO

■アフガンタリバンの話し合いに始動か[110605 AP]

タリバンと和平のための話し合いが始動する可能性があると、土曜日にアフガン和平委員会責任者が述べた。委員会は抵抗勢力の3つの組織と接触しており、米国防省は今年末までに和平交渉を開始するという。他にも、抵抗勢力との話し合いが前進しつつある兆しがある。

アフガニスタンとパキスタンの米特使マーク・グロスマンは、3つの抵抗勢力組織と直接または間接的に接触していると、欧米関係者が述べた。

国連は今月末までに、国連がブラックリストに乗せているタリバン関係者をリストから除外するかどうかを決め、これらの関係者が話し合いに参加するために海外に出る事ができるようになる可能性がある。

ある欧米関係者が語ったところによると、米国人とオマール師の個人的な元秘書だったタヤーブ・アガとの間で、タリバンの捕虜となっている米兵に関する話題がでたという。アメリカは、2年前からタリバンに拘束されている米兵の解放を目指している。

アガがいまだにオマール師と関係があるかは、明らかではない(中略)。

カルザイ大統領は土曜日の記者会見で、米軍主導の同盟軍とアフガン軍がタリバンから奪った領土を確保できるなら、また安全をさらに確保できたなら、「年末までに和解の話し合いを開始することに成功するかもしれない」と述べた。

(中略)カルザイは、銀行口座の凍結と渡航を制限されている50人のタリバンを国連の制裁リストから外すように要求した。タリバンメンバー100人以上が、このリストに入っている。

国連は、30人に関して制裁を解くかどうかを6月16日に決めるという(中略)。これら中には鉱物省副大臣のサイード・レーマン・ハッカーニと、平和委員会のメンバー4人が含まれている。平和委員会メンバーは、タリバン政権の元高等教育副大臣のアルサラ・レーマニ、サウジアラビアの元大使だったことがあるハビブッラー・ファウジ、タリバン元副大臣だったファキール・ムハンマド・ハーン、宗教警察元幹部だったサール・アンダズ・カラムッディンである。国連平和委員会の常任メンバーであるロシアは、これらのタリバンをリストから除外することに反対している。

平和委員会を率いる元アフガン大統領だったブルハヌッディン・ラバーニが語ったところによると、過去5ヵ月間、委員会は順次クエッタ・シューラのタリバン、アルカイダ系のハッカーニの組織、ヘクマチアルが率いる組織と接触したと述べた。

(中略)パキスタンの諜報組織関係者が語ったところによると、今のところ抵抗勢力組織から和平に関する申し出は何もないという。またアメリカは、パキスタンが拘束しているアブドゥル・ガニ・バラダール師と自由に接触することを認めているという。

hoonAfghan Taliban talks appear to be gaining traction
DEB RIECHMANN and KATHY GANNON、KABUL

■無人偵察機、イリアス・カシミリ殺害[110605 Dawn]

ハラカトゥル・ジハード・アル・イスラミ(HuJI)司令官のムハンマド・イリアス・カシミリが、金曜日に南ワジリスタンのワナ近くでアメリカの無人偵察機による攻撃で殺害されたと、関係者が述べた。カシミリは、カラチの海軍基地に対する攻撃を首謀したと思われる。

行政官のショアイブ・ハーンが、グワハワ地域の過激派の拠点に対する攻撃で死亡したことを確認した。カシミリは数日前から、南ワジリスタンで目撃されていた。「カシミリが深夜の攻撃で殺害された」と、ハーンが土曜日にジャーナリストに発表した。土曜日にワナのHuJIが、自分たちの指導者が仲間8人とともに無人偵察機で殺害されたという声明を発表した。

(中略)「イリアス・カシミリ司令官が仲間とともに殺害された」と、1枚の紙に書かれた声明が配られた。彼の復讐をするという。「アメリカが我々の主な標的だ」。

南ワジリスタンの過激派組織司令官のナジール師の報道官であるララ・ワジールも、彼が死亡したという声明を発表した。

(中略)情報源によると、金曜日の夜11時頃、ワナから20キロ南のガワ・ハワにあった建物に、アメリカの無人偵察機がミサイル3発を発射した。建物はナジール師と関係のあるミール・アジャーム・ハーンのものだった。建物の2部屋にミサイルが撃ち込まれたという。パンジャーブ出身の9人が死亡した。死亡した5人は、ウスマン、イブラヒム、ファルーク、アミール・ハムザ、イムラーンだという。アミール・ハムザは、ナジールの直接の部下である。

ガワ・ハワ出身の部族民アルムギールによると、過激派たちが現場を包囲して、救出作戦を行なうために地元民が入ることを禁じている。犠牲者は全員近くのカリコットに埋葬された。「タリバンが、昨晩のミサイル攻撃でイリアス・カシミリも死亡したと言っている」と、過激派の話として引用した。

情報源によると、カシミリは最近北ワジリスタンを訪れたばかりだという。彼はナジール師を含む地元の過激派たちと、密接に連絡をとりあっていた。

(中略)パキスタン政府関係者は、カシミリが殺害されたことが「強く示唆される」が、100%保証できないという。遺体は大きく損傷して身元確認ができず、すぐに埋葬された。

関係者によると、カシミリは現場周辺に数日前からおり、殺害されたのは全員HuJIの戦闘員だったという。「彼の2人の信頼のおける部下であるハムザとムハンマド・ウスマンが今回の攻撃で殺害された。彼らはいつもカシミリと一緒に行動していた」という。

カシミリは、イスラマバードが北ワジリスタンで作戦を実施した場合の戦略を話し合うために来ていたらしい(後略)。

ohDrone strike kills Ilyas Kashmiri
Sailab Mehsud、LADHA

■パキスタン、合同諜報作戦を認める[110604 Dawn]

パキスタンの外務省は、パキスタンとアメリカが作戦協力を行ない、過激派に対するキャンペーンのために諜報を共有するという。

今回の声明により、ビンラディン殺害後、アメリカとパキスタンがお互いに関係を修復しようとしていることがわかる。

木曜日に発表された声明によると、両チームとも諜報情報を共有するが、だからといって米軍がパキスタン国内に入ることを意味するのではないという(後略)。

hoonPakistan confirms joint intel operations with US

■米攻撃、「パキスタン過激派のイリアス・カシミリ殺害」[110604 BBC]

パキスタンの最も重要な過激派の1人が、アメリカの無人偵察機による攻撃で死亡したと、地元の人間や関係者が述べた。

関係者が、イリアス・カシミリが南ワジリスタンで深夜に実施された攻撃で死亡した、という地元の報告を確認した。攻撃で死亡した9人のうちの1人といわれる。

(中略)地元の人間や目撃者によると、カシミリはつい最近ワナ南東部のラマン村に移ってきたという。カシミリの一行はリンゴ畑でお茶を飲んでいたところを攻撃された。

地元民によると、数秒の間にミサイル2発が発射された。

あるパキスタン政府関係者も、カシミリが殺害された者のなかにいたことを認めた。

(中略)パキスタンのテレビ局『Express TV』と『Sama TV』に313部隊の報道官と名乗る男性が、カシミリが殺害されたというファックスを送りつけた。アブ・ハンザッラーと名乗る男が、米国人に復讐すると述べた。

ohUS strike 'kills' key Pakistan militant Ilyas Kashmiri

■米攻撃「イリアス・カシミリ」殺害[110604 BBC]

パキスタンの最も重要な過激派が、南ワジリスタンに対するアメリカの無人偵察機の攻撃で死亡したと、報告された。

地元民によると、昨晩ラマーン村で実施された攻撃で死亡した9人のなかに、彼と彼の部下がいたという。

(中略)南ワジリスタンの地元民や目撃者によると、カシミリは金曜日に、ワナ西部になっか過激派の隠れ家に対するアメリカの攻撃で死亡した。

政府関係者によると、カシミリが死亡したという情報を受けているが、まだ裏付けが取れていないという(後略)。

hoonUS strike 'kills' key Pakistan militant Ilyas Kashmiri

■米無人偵察機、パキスタン人アルカイダ戦闘員殺害[110604 AFP]

米無人偵察機がパキスタンで過激派9人を殺害したが、この攻撃はアルカイダ司令官幹部のイリアス・カシミリを標的とするものだったと、地元関係者が土曜日に発表した。裏付けはまだとれていない。

カシミリ(47歳)は、ビンラディンの組織の最も恐れられている作戦司令官で、インドやパキスタンで欧米人を標的としたさまざまな攻撃を実施している。

(中略)パキスタン人関係者によると、金曜日に南ワジリスタンのカワハワ地域にある建物が、アメリカの無人偵察機で攻撃された。「攻撃はイリアス・カシミリのグループを狙ったものだが、彼が現場にいたかどうかはまだわからない」。「昨晩の無人偵察機の攻撃で、過激派9人が殺害された。全員パキスタンのパンジャーブ人タリバンだった」と、ペシャワルの治安関係者が述べた。「殺害されたのは全員カシミリの戦闘員だったが、情報源によると遺体は激しく損傷しているために、身元確認ができない」という。

(中略)カシミリはパキスタンのハラカトゥル・ジハード・アルイスラームの指導者で、アルカイダの作戦司令官の重要人物である。

ワナの諜報関係者2人も、金曜日に殺害されたのは全員カシミリの戦闘員だったことを認めた。

しかしパキスタンのタリバン傘下の組織は、カシミリは「生きていて元気だ」と述べ、攻撃があったときに現場にはいなかったと語った。「我々の地元の仲間が今回の無人偵察機の攻撃で死亡した」と、エーサンウッラー・エーサンが語った。「我々はすべての無人偵察機の報復をすると言ったはずだ。今回の報復もする」。

(中略)カシミリは64年にアザド・カシミールで生まれた。身長は6フィートで、91キロ。黒髪で、白や黒、赤などで髭を染めている。片目を失い、サングラスをかけている。片手の親指がない。

金曜日の無人偵察機の攻撃は、ビンラディンが死亡してから9回目の攻撃である(後略)。

hoonDeadly US drone targeted Pakistani Al-Qaeda fighter
Emmanuel Giroud、ISLAMABAD

■数百人、3日目になってもアッパー・ディールを包囲[110603 AFP]

金曜日にパキスタンで、アフガニスタンとの国境と接する地域を過激派数百人が包囲した。34人が死亡した戦いが発生したあと、軍はこの地域を制圧したと発表したばかりだった。

「過激派が再び攻撃してきた。数百人もいる。この地域を包囲して、公立学校に放火した」と、地域の警察長官カリ・ジャミルゥール・レーマンが語った。過激派たちはアフガニスタンからやってきたという。

レーマンによると、戦闘ヘリコプターがアッパー・ディールのヌスラット・ダラ地域に入ったという。この地域は2日前に過激派に破壊されたシャルタル検問所から10キロ離れた場所にある。この際激しい戦いで、警察官28人と一般市民6人が死亡している。

警察によると水曜日に始まった今回の衝突で、過激派45人も死亡した。戦場には遺体が残されていないために、裏付けは取れていない。

少し前に警察が、シャルタルを制圧したと発表したばかりだった。「この地域は軍に制圧された。捜索活動を開始したところだ」とレーマンが語った。

近くのバラワル警察署の警察官ラヒーム・グルが、その後再び攻撃があったことを確認した。

(中略)シャルタルとヌスラット・ダラは山や森で囲まれ、アフガニスタンのクナールから6キロしか離れていない(後略)。

hoonHundreds besiege Upper Dir border area for third day
PESHAWAR

■国境間の衝突で56人死亡[110602 AP]

越境してきたアフガニスタンの抵抗勢力がパキスタンの検問所を攻撃して、兵士23人と過激派35人が死亡した。

パキスタンの将軍が部族地帯で軍事作戦を実施すると述べたが、北ワジリスタンで作戦を開始するというメディアの報道を否定したばかりである。

(中略)衝突は水曜日に勃発して、木曜日まで続いた。場所はアッパー・ディールのシャルターロである。

警察によると、過激派200人がアフガニスタンからパキスタンに越境してきて、警察の準軍隊が駐屯する検問所を襲撃した。パキスタン人兵士23人が死亡し、3人が負傷した。過激派側は35人が死亡したという。

木曜日の正午までには、状況が平定された。

(中略)部族地域や北西部の軍事作戦を管轄するアシーフ・ヤシン・マリーク准将によると、地元の長老たちの要請により、次の軍事作戦はクラーム部族地域で実施されるという。

(中略)マリークは、軍の作戦は変更されておらず、最近「メディア」が北ワジリスタンで大掛かりな作戦を実施すると報道したことを否定した。「北ワジリスタンでは、今後数ヵ月の間に作戦を実施することはない。実施したいときに作戦を行なう。国家の利益になるときに行なう」。

hoonPakistan: 58 die in militant-security border clash
RIAZ KHAN、PESHAWAR

■北ワジリスタンの作戦、限定的か[110601 Dawn]

軍は、北ワジリスタンでアルカイダやタリバン、外国人戦闘員を標的にした限定的な作戦を実施し、ハッカーニの組織を一掃するものとされた、以前の予測とは異なることがわかった。

軍司令官たちは、南ワジリスタンで実施したような大掛かりな作戦は実施しないと、インタビューで語った。両地域は条件が異なるために、同じことはできないという。

南ワジリスタンは2009年10月に軍事作戦を実施したときには、「立ち入り禁止の危険地域」だったが、「北部はすでに多数の軍が駐屯しており、無視することができない部族民との和平協定もある」という。

軍はミランシャーに駐屯基地があり、ミラリ、ダッタヘール、ラズマックには、旅団レベルの指令センターがある。また難しい地形や地理的に孤立している地域であることも、作戦実施を難しくしている。

別の幹部は、「作戦は限定的で、諜報情報をもとにしたものとなる」という。作戦はテロリストが存在する地域は2〜3ヵ所のボケットに限られており、ここを一掃するという。ハッカーニに関する言及はなかったが、インタビューからは、ハッカーニに対する政策はこれまでと変わらないようだ。ハッカーニは伝説であり、彼らが脅威であるという見方は誇張されているとする。

主な標的は、南ワジリスタンから逃げてきたTTPで、「自爆者の訓練センターを一掃できれば、大きな成功といえる」とある関係者が述べた。

(中略)司令官たちは、アメリカからの技術面や諜報面での協力を拒否している(中略)。「アメリカの協力を得ることは自殺行為だ」と、別の関係者が述べた(後略)。

hoonNorth Waziristan operation likely to be of limited scale
Baqir Sajjad Syed

■治安とテロを取材したパキスタン人ジャーナリスト、殺害される[110531 New York Times]

パキスタンの有名なジャーナリストが週末に拉致され、遺体で発見された。このジャーナリストはパキスタンのISIから繰り返し脅迫されていた。

(中略)ジャーナリストのサイヤード・サリーム・シャハザードは数年前に、脅迫を受けたためにカラチからイスラマバードに移った。去年の10月にISI幹部関係者に呼び出され、最近彼が書いた記事の情報源を明らかにしなければ殺害すると脅迫された。

シャハザード自身の文章によると、この2人の関係者は海軍関係者で、ISIのメディア部門長官のアドナン・ナジール少佐と部下のハリッド・ペルヴェズ提督である。ペルヴェズは、先週起きたカラチのメーラン海軍基地の司令官に、数日前に任命されたばかりである。

(中略)去年の9月に受賞経験のあるレポーターのウマル・チーマがイスラマバード近郊で拉致され、6時間にわたって暴力を受けた。チーマは『The News』紙記者で、軍に批判的だった。彼も、ISIの仕業だったと述べてる。

「ジャングルの法のようなものだ。武装した連中はあなたを暗殺したり、逆さまに吊るして殺すことができる。それが国家組織だということは、恐ろしいことだ」。

しかしジャハザードは恐れなかった。彼と一緒に仕事をしていた若いレポーターのイーサン・ティプが、彼が死亡する数日前にパキスタンで報道することの危険性を訊ねた。「彼は、『辞めるな。私を見なさい。脅迫されても、まだ報道している』」と語った。

garrPakistani Journalist Who Covered Security and Terrorism Is Found Dead
CARLOTTA GALL、ISLAMABAD

■ジャーナリストのサリーム・シャーザッド、イスラマバード近くで遺体で発見[110531 Dawn]

ジャーナリストのサイード・サリーム・シャーザッドの遺体が、火曜日にイスラマバードから200キロ離れたサライ・アラムギールで発見された。

シャーザッドは『Asia Times Online』のパキスタン支局長である。彼は日曜日の夕方行方不明になった。

報道によると、彼の遺体は確認され、拷問された跡があったという(後略)。

ohJournalist Saleem Shahzad found dead near Islamabad
ISLAMABAD

■行方不明のジャーナリストの車、発見される[110531 Dawn]

サイード・サリーム・シャーザッドの車が、火曜日に発見された。シャーザッドの車は、イスラマバードから200キロ離れたサライ・アラムギールで発見された。

車から少し離れたところに遺体が発見された。警察によると、まだ遺体の身元は判明していないという。

シャーザッドが行方不明になる前に、海軍関係者とアルカイダとの関係に関する記事を書いていた。

garrCar belonging to missing journalist found in Sarai Alamgir
ISLAMABAD

■行方不明のジャーナリストISIが拘束、と人権団体[110531 Daily Times]

Human Rights Watch(HRW)は、ある信頼のおける情報源から、ジャーナリストのサリーム・シャーザッドがISIに拘束されていることを突き止めたと、HRWのパキスタン代表のアリ・ダヤン・ハサンが月曜日に語った。

(中略)シャーザッドに近い人間によると、彼はISI関係者に拘束されたが、匿名の電話ですぐに釈放されることを約束したという(中略)。シャーザッドはこれまで何度もISIから警告を受けていた。今回は、彼のメーラン基地に関する記事のために、拉致された可能性があるという。

garrMissing journalist in ISI custody, says HRW
Afnan Khan、LAHORE

■北ワジリスタンの作戦決定、とミュレン[110531 Dawn]

月曜日にマイク・ミュレン提督が、パキスタン政府は北ワジリスタンの過激派に対して大きな作戦を開始すると述べた。「これは非常に重要な戦いで、重要な作戦だ」と、米統合参謀長がテレビに出演して発言した。

(中略)最近クリントン国務省長官とミュレン提督がパキスタンを訪問した際に、作戦を実施することが決まったと思われる。

計画によると、パキスタンの航空機が過激派の拠点に「打撃」を与えたあと、地上軍が投入されるという。パキスタンはすでに作戦の計画を準備し、これがクリントンとミュレンのパキスタン訪問中に決定した。

ワシントンのパキスタン外交筋は、「両国とも作戦を実施することに大旨合意した」という。

(中略)『ロイター』によると、パキスタンの北西部にいる人権団体は、北ワジリスタンで行なわれる軍事作戦に先立ち、避難民となると予測される36万5000人の避難場所を用意するように、政府に極秘に依頼されたという(中略)「FATAとハイバル・バシュトゥンフワで活動する人権団体は2週間前に、政府から約5万家族が非難してくる可能性があると言われていた」という。

hoonPlan for operation in N. Waziristan finalised: Mullen
Anwar Iqbal、WASHINGTON

■オラクザイで過激派17人殺害[110531 Dawn]

軍の情報源によると、火曜日にアッパー・ディールの各地で、ジェット戦闘機が爆撃作戦を実施した。

情報源によると、ジェット戦闘機がオラクザイのマムザイにある過激派の隠れ家を爆撃し、抵抗勢力17人を殺害、隠れ家5ヵ所を破壊した。まだ空爆が続いているという。

hoonForces kill seventeen militants in Orakzai agency
PESHAWAR

■元海軍奇襲隊員、拘束される[110530 News]

月曜日に『Geo』ニュースが、パキスタン海軍のメーラン航空基地に対する攻撃と関連して、元海軍奇襲隊員と仲間2人が逮捕されたと報道した。

カムラン・アフマッドは10年前に、拷問の疑いで裁判にかけられたことがある。彼の弟と別の仲間が、金曜日に一緒に逮捕された。

hoonPNS Mehran: Ex-Navy commando held
LAHORE

■パキスタン、北ワジリスタンの作戦開始予定[110530 News]

パキスタンは、北ワジリスタンで注意深く軍事作戦を実施することに決めた。

(中略)政府は金曜日に、2年間閉鎖されていたラズマック軍事大学を再開し、バリケードをすべて解除した。これは部族地帯の状況が安定したことを示す。軍事作戦の規模や方法は軍の指令塔に任されている。興味深いことに、NATO指導者たち、特にワシントンは、タリバンの拠点であるホーストと接する部族地帯で作戦を実施するように、長いことパキスタンを説得していた。

作戦の実施は、クリントン国務省長官とマイキ・ミュレン提督がパキスタンを訪問したあとに発表された。

(中略)ある情報源によると、北ワジリスタンで作戦を実施することはずいぶん前から計画され、パキスタンの空軍がまず作戦を実施する。諜報組織がすでに決めた標的をまず攻撃して打撃を与えてから、地上軍が投入される。同盟国との合同作戦も話し合われたが、まだ結論はでていない。もし両者が協力し合うことになれば、パキスタンの了解を得て外国軍がパキスタン国内で活動する初めての機会となる。

情報源によると、軍はすでに北ワジリスタンにいるという(中略)。情報源によると、すでに3万兵が北ワジリスタンにおり、アナリストの中には、パキスタン陸軍はすばやくこの地域に再び配置されるという。軍はアフガニスタンと接する部族地帯に、14万兵を駐屯させている。

過激派間の亀裂は、2月にハキームッラー・マフスードが、元パキスタン軍准将だったスルタン・アミール・タラールを殺害するビデオを発表したときから大きくなった。マススードのグループは、イマーム大佐を10ヵ月拘束した(後略)。

ohPakistan to launch operation in North Waziristan
Muhammad Saleh Zaafir、ISLAMABAD

■ジャーナリスト、行方不明[110530 Dawn]

シンガボールを拠点とする『Asian Times』のパキスタン局長のサリーム・シャーザッドが、日曜日の夜にイスラマバードで行方不明になった。

警察によると、サリーム・シャーザッドは『ドゥニア』テレビに出演するために自宅を出たにもかかわらず、局に到着していなかったという。5月27日に『Asian Times』に書いた記事に関する番組に出演することになっていた。

局の関係者が5時45分頃に連絡をとろうとしたが、携帯電話は切られていた(後略)。

hoonJournalist goes missing
ISLAMABAD

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