【2011年7月4日〜7月10日】

■クラームとアッパー・ディールの作戦、激化［110710 Dawn］

●治安部隊は土曜日に、クラーム行政区とアッパー・ディールにいる過激派の取り締まりを強化し、戦闘員21人を殺害したと主張した。クラームでは治安関係者4人が負傷した。

●クラームでは、軍がシュールコット地域で攻撃されたあとで過激派に報復し、アッパー・ディールではアフガニスタンとの国境沿いにあった隠れ家を攻撃した。今週になって過激派が準軍隊の小隊に発砲したために、治安部隊が作戦を実施している。

●地雷や迫撃砲弾、火薬がクラーム行政区のムルガンとマナト地区にあった過激派の拠点から押収された。

●戦車や戦闘ヘリコプターに援護され、治安部隊は山岳地帯の自分たちの位置を強化した。ザハイ地域のグーラブ・ハーンの家が砲撃され、女性3人を含む一般市民3人が死亡した。

●情報源によると、過激派たちは軍が捜索活動を開始すると、逃げ出したという。

●（中略）土曜日にアッパー・ディールでは、治安部隊が作戦を継続して、過激派11人を殺害した。これで2日前からの衝突で30人が死亡したことになる。

●過激派が最近ヌスラット・ダラを攻撃したあと、作戦が実施された。

●情報源によると、治安部隊はシャーティーズ、スンライ、ヌスラット・ダラを攻撃した。タリバンがここに隠れていると見られている（後略）。

■カシミリ死亡と米信じる［110707 Reuters］

●南アジアやヨーロッパにおけるテロ攻撃を首謀したアルカイダの幹部指導者の運命に関してさまざまな報告があるが、アメリカの対テロ組織は、この幹部は死亡したと結論づけた。

●先月パキスタン政府関係者が、イリアス・カシミリがアメリカの無人偵察機によるミサイル攻撃で死亡したと発表した。

●メディアは、ハラカトゥル・ジハード・イスラミ（HUJI）司令官の言葉を引用して、彼が死亡したと報道している。しかしこれらの報道が浮上したとき、アメリカはカシミリの死亡は確認できていないと発表した。カシミリは2009年9月にも死亡が報じられた。

●米政府関係者によると、カシミリの死亡に関して論争が起きてから数週間のうちに、カシミリが死亡したことを確信したという。どのような証拠があるかは、明らかにしなかった（後略）。

■米無人偵察機、ミランシャーで4人殺害［110706 Dawn］

●火曜日の夜遅く、アメリカの無人偵察機がアフガニスタンとの国境付近にあるパキスタンの部族地帯を攻撃し、過激派4人を殺害した。

●無人偵察機は、ミール・アリにあったゲストハウスにミサイル2発を撃ち込んだという。「ゲストハウスは完全に破壊された。少なくとも過激派4人がこの攻撃で死亡した」と、ミール・アリの治安関係者が述べた（中略）。別の関係者は、犠牲者の数を6人とした。両者とも、犠牲者の中に外国人過激派がいたと述べた。

■パキスタン、ビンラディンの家族に留まるように命令［110706 BBC］

●ビンラディン殺害を調査しているパキスタンの調査団が、政府はビンラディンの家族がパキスタン国外に出ることを禁じなければいけないと述べた。

●ビンラディンの3人の妻と子供たちが、拘束されている（中略）。政府か調査団の申し出を受入れるかどうかは、明らかではない（後略）。

■ジャーナリスト殺害にパキスタンのスパイ組織関係［110704 New York Times］

●オバマ政権は、軍内部に過激派が侵入していることを報道したパキスタン人ジャーナリストの殺害を、パキスタンの強力なスパイ組織が命じたと見ていると、米関係者が述べた。

●サリーム・シャヘザードが行方不明になった5月29日以前や、彼の遺体が発見されたあとに入手された新たな極秘情報から、シャヘザードの批判を封じ込めるためにISIの幹部関係者が攻撃を指図したと、2人の政権内関係者が述べた。

●信頼できると思われる諜報情報から、ISIの行動は「残酷で受入れがたい」ことがわかったという。どのような情報を入手したかは、明らかにしなかった。

●しかし、この情報が発表されたこと自体が、アメリカとパキスタンの関係に悪影響を与える可能性がある。

●（中略）別の米関係者も、他にもシャヘザードがISIに殺害されたと結論づけるだけの確かな諜報情報や兆候があると述べた。「すべてが、周到なターゲット殺人で、パキスタンのジャーナリスト社会や文民社会にショックを与えることが目的だ」という（後略）。

■パキスタン、クラーム部族地帯で作戦開始［110704 BBC］

●パキスタン北西部の治安部隊が、クラーム部族地帯にいる抵抗勢力に対する作戦を開始した。最初の報告によると、ほとんど抵抗を受けていないという。

●一般市民数千人が、目的となっている地域から避難を開始した。

●（中略）先週、パキスタン軍のジェット機が、月曜日の作戦に先立って、クラームにある抵抗勢力の拠点を爆撃した。ここには、オラクザイで軍事作戦を実施した際に逃走した過激派が多数いると見られる。

●クラームでは、シーア派とスンナ派ムスリムの間で、古くから宗教抗争が続いている。

●クラームでは、2月にはパキスタンの治安部隊とハッカーニ組織のメンバーとの間で、和平協定が締結された。シーア派ムスリムの部族民が、タリバンを閉め出すために3年前から戦いを続けてきた。

●しかし『BBC』のイリアス・ハーンによると、別の部族地帯で活動している抵抗勢力が、この協定を無効にすることを目論んで攻撃をしているという。