【2011年8月1日〜8月7日】
●アフガニスタンでタリバンとの戦いの最中にNATO軍ヘリコプターが墜落し、米兵31人とアフガン人7人が死亡したと、アフガン大統領が土曜日に述べた。
●大統領宮殿からの声明によると、隊を運んでいたチヌーク・ヘリコプターがマイダン・ワルダック州のサイーダバードに墜落した。タリバンがすぐに声明を発表して、戦闘の最中にヘリコプターを撃墜したと述べた。抵抗勢力側も激しい戦闘で8人死亡したという。
●「家の中にいたムジャヒディンたちを攻撃しようとしたが、我々のムジャヒディンが抵抗して、ヘリコプターをロケット推進手榴弾で撃墜させた」と、タリバン報道官のザビフッラー・ムジャーヒッドが述べた。「ムジャヒディン8人と米国人38人が殺害された。米兵たちが今日、ヘリの残骸や遺体を回収している」という。
●ワシントンの米政府関係者は、ヘリコプターが撃墜され、特殊部隊兵が搭乗していたと述べた。
●（中略）カブールの米国とNATO主導のISAF関係者は、金曜日の夜にヘリが墜落したことを認めたが、詳細は語らなかった（後略）。
NATO helicopter crashes in Afghanistan, killing 31
●土曜日に抵抗勢力がチヌーク輸送ヘリコプターを撃墜し、米兵30人が死亡した。ビンラディンを殺害した海軍Seal奇襲隊兵士の一部がこれに含まれ、このほかアフガン人8人が死亡した。
●ヘリコプターは、カブール西部のワルダック州のタンギ谷で夜間の襲撃作戦を実施していたところ、ロケット推進手榴弾で撃墜されたようだという。
●タリバンがすぐに犯行声明を出した（中略）。
●土曜日の攻撃は、米軍とNATO軍が撤退準備を開始する最中に起きた。今回の墜落で、抵抗勢力の拠点がいかにアフガニスタン南部から離れた所にまで広がっているかがわかる。米兵は最近、唯一残っていた前哨基地タンギ谷を、アフガン人に引き渡したばかりである。
●ワルダックの警察長官であるアブドゥル・カユーム・バキゾイ将軍によると、土曜日の午前1時頃、タンギ谷のジャワメフ・ザリーン谷にあったタリバンが拠点とする建物が襲撃されたあと、攻撃があったという。戦闘は2時間続いた。
●タリバン報道官のザビウッラー・ムジャーヒッドは、抵抗勢力が建物に集まっていたことを認め、そのうちの8人が戦闘で死亡したと述べた。
●（中略）タンギ谷はワルダックとロガール州の間にあり、この地域は過去2年間で治安が非常に悪くなっていた。抵抗勢力の拠点となっている地域のなかでも、最も危険で地形も険しく、近づくことが困難である。
●谷の近くにある前哨基地の関係者は、タンギ谷を、ロガールとワルダック州のなかでも最も問題のある地域だと述べた。「タンギではさまざまなことが起きている」と、先週のインタビューで答えた第4連隊コンバット・チームのキリスティン・マセイ大将が述べた。「タリバンの拠点だ」。戦闘員は全員アフガン人で、ほとんどが地元の住民である。
●昨年クナール州から米軍が撤退したが、この地域でも同様の問題を抱えている（中略）。NATO軍が留まらなければ、この地域はすぐにタリバンの影響下に入ってしまう。直接支配されなくても、アフガン国軍は彼らを排除するだけ能力がない。
●第4連隊コンバット・チームが4月に、タンギ谷にあった唯一の前哨基地をアフガン治安部隊に引き渡した際、隊は今後人口の多い場所の治安に目を向けたいと、米軍司令官は述べた。しかし、抵抗勢力の活動を排除するために、同盟軍は襲撃作戦は続けるという。
●（中略）しかし引き渡しが終了して間もなく、タリバンがこの前哨基地のそばに旗を立てた。アフガン治安部隊はこの地域に留まったが、タリバンに対抗する力はない。
●ワルダックの地元政府関係者は、タンギ谷の住民は自分たちの地域で戦闘があることを嫌い、タリバンの傘下に入ってはいないものの、自分たちに協力的ではないという。「軍がいることを嫌っている。タリバンであろうが、外国人であろうが」と、ワルダック州議会のハッジ・ムハンマド・ハザラット・ジャナンが述べた。「村で作戦が実施されればヘリコプターの音や軍事作戦の音で叩き起こされる。攻撃があればタリバンが村に逃げてきて脅かされるために、タリバンも好きではない」。しかし地元の住民がNATO軍兵士の犠牲になれば、抵抗勢力の味方をする。
●2週間前の7月25日にも、クナールでチヌークが撃墜されて2人が負傷した。今年チヌークは15機墜落しているが、そのうちの2機が撃墜された（後略）。
Copter Downed by Taliban Fire; Elite U.S. Unit Among Dead
●（前略）CIAのパキスタン支局長は、2月に着任したばかりだった。彼が突然帰国したことから、ISIとCIAの間の関係がいまだにぎくしゃくしていることがわかる。前の支局長も、「不可避の状況」のために帰国せざるをえなかった。
●（中略）イスラマバードの外交筋に詳しい情報源によると、カールトンの帰国は、ISIの知らない所でアメリカとパキスタンの諜報組織が協力するネットワークが存在していたことが、ビンラディン襲撃後に明らかになったからだという。
●CIA支局長は、前任者のジョナサン・バンクス支局長同様、ISIとうまくいっていなかった。バンクスは、彼の身元が暴露されたために身の安全が危うくなり、帰国せざるをえなかった。これは2008年のムンバイ攻撃に関与したとして、米連邦裁判所にISI長官が招集されたことに対する、ISIの報復である。
●連邦裁判所は、ISI長官やISIのLeT支持者の裁判への出廷を求めた。ムンバイ攻撃で妻とともに死亡した、米国籍のユダヤ人であるガブリエル・ナア・ホルツベルグの親戚が起こした裁判に召喚された。ISIが彼らの殺害に関与していたと、疑われた。
●この展開でパキスタン軍は大騒動になり、CIAとISIの関係がぎくしゃくした。
●ISI長官一行が召喚された1ヵ月後の2010年12月16日に、イスラマバード警察はバンクスを殺人罪で起訴した。バンクスは、パキスタンの部族地帯に対する無人偵察機のキャンペーンを指揮していたといわれる。
●この起訴状は、北ワジリスタンのミラリの住民でジャーナリストのカリーム・ハーンが、2009年12月31日の無人偵察機による攻撃で、無実の一般民である自分の息子と弟で死亡したと主張するものである。バンクスはこの件の責任者で、攻撃を指揮していた。
●CIA支局長に対するハーンの起訴状は、「ジョナサン・バンクスはイスラマバードの米大使館で活動しており、これは主権国家における犯罪行為に対して、外国組織が行動することを禁じる外交法に反する」というものだった。
●ハーンは、バンクスはビジネス・ビザで入国しているために外交官特権はなく、彼は外交特権に守られていないと述べた。この問題は無事解決するかのように見えたが、訴訟によりバンクスの身元が暴かれ、命が狙われた。
●（中略）オバマ政権は、ハーンの起訴に伴ってバンクスの身の安全が危険にさらされてために、イスラマバードから帰国させることを決めた。しかしイスラマバードの外交筋によると、CIA支局長の起訴は、パキスタン軍の介入なしには考えられなかったという。ISI長官がアメリカの裁判所に召喚されて以来、軍の態度が変わり始めていたからである。
●したがってバンクス起訴は、ISIとCIAの関係悪化のひとつの結果と見られている。アメリカのメディアも、CIA支局長の身元は、ISIの介入により暴かれたと報道している。
●（中略）今回もパキスタン政府は、帰国する前にカールトンの身元を暴いた。パキスタンの新聞や電子メディアに対するプレスリリースの形で、彼の身元が暴かれた（ビンラディン殺害の数日後のことである）。「ISI長官のアフマッド・シュジャ・パシャがCIA支局長のマーク・カールトンとイスラマバードに会い、アボタバードの攻撃を非難した。彼の身元が明らかにされたことにより、彼は予定より早くイスラマバードを去ることになった。CIA支局長の名前は一般には伏せられているのが常である」（後略）。
A revolving CIA door in Pakistan
●6月にアメリカの無人偵察機に攻撃されたと噂されているアルカイダの幹部指導者が、ビンラディンを賛美するプロパガンダ・テープに登場した。このビデオ・テープで、アルカイダのメディア部門最高指導者でパキスタンの「イスラミック・プロパガンダ」を率いるウテタド・アフマッド・ファルークが、パキスタンがテロ組織や関連組織を裏切ったと非難した。
●アルカイダのメディア部門である『アス・サッハーブ』が今日、ファルークやビンラディンの映像が入ったビデオテープを発表した（中略）。
●今回のテープの出現で、ファルークとイリアス・カシミリの死亡説が再び疑問視される。2人とも6月3日の南ワジリスタンにおける無人偵察機の攻撃で死亡したとされている（中略）。
●『アス・サッハーブ』のビンラディン賛辞の英訳は5月21日付けで制作されたが、これはファルークが死亡したと報道される12日前である。従って彼が6月3日の攻撃で死亡した可能制はある。しかしアルカイダが、死亡した指導者によるビンラディンの賛辞を発表するとは、考えにくい。
●このテープの中で、ファルークはパキスタンがアルカイダやアフガンタリバンなど、アルカイダ系列の組織を裏切ったと攻撃した（後略）。
Senior al Qaeda leader attacks Pakistani state in bin Laden eulogy
●パキスタンの諜報関係者によると、アメリカによる無人偵察機のミサイル攻撃があり、アフガニスタンとの国境付近で過激派4人が殺害された。
●関係者によると、無人偵察機がミランシャーの近くのクターブ・ヘール村を走行中の車に命中した。この地域には、アフガン人とパキスタン人タリバン戦闘員のほかに外国人過激派もいるという。
Suspected US missile strike kills 4 in Pakistan
●月曜日にパキスタンの北西部を走行する車輛がアメリカの無人偵察機が攻撃され、過激派4人が殺害された。
●アザム・ワルサックを走行中の車輛に、ミサイル2発が撃ち込まれた（後略）。
US Drone Strike Kills Four Militants In Pakistan