【2011年8月29日〜9月4日】


■アルカイダ、アティヤ・アブダル・レーマンのラマダン・テープを発表[110830 Longwar Journal]

アルカイダが、8月22日に無人偵察機による攻撃で死亡したといわれるアティヤ・アブドル・レーマンのプロパガンダ・テープを発表した。

アス・サッハーブが8月30日に、アティヤのラマダン明けのスピーチを発表し、アル・フジル・メディア・センターのジハード組織のウェブ・フォーラムに掲載された。『SITE Intelligence Group』が提供する声明の翻訳によると、ビデオは彼が死ぬ前に作られているが、アティヤがまだ生存していることを示す可能性があるという。

「ビデオは彼が死亡したといわれる日よりも前に作られたようで、ビデオにつけられたメッセージ・ポストには、彼の名前のあとに『アラーのご加護あれ』と書かれている。ということはアス・サッハーブとアル・ファジル・メディア・センターは彼が生存していると見ているか、8月22日以前にこの書き込みがあったことを意味する」と、『SITE Intelligence Group』が述べた。

(中略)ジハード・フォーラムを監視する『Flashpoint Partners』によると、「神の恵みあれ」ではなく「神のご加護あれ」という慣用句は、アルカイダのメディア部門がアティヤを生きていると見ている証拠だという。アルカイダは、通常戦いで死亡した戦闘員や指導者に対しては、「アラーのご慈悲あれ」とする。

またアルカイダは指導者の死亡を表明する前に、その指導者の声明を発表したことはない。また指導者の死を隠したり偽造するなど、欧米諜報組織を欺くために公的なプロパガンダ・チャンネルを利用することもない。

アルカイダは指導者幹部が殺害されると、必ず殉教の声明を出す。アティヤが死亡したといわれる日からすでに9日たつが、まだ彼の死を讃える声明は出されていない。

米政府関係者はアティヤの死を確認したと述べているが、彼がミールアリのノラークで8月22日に殺害された証拠は提供しなかった。アブ・カシャ・アル・イラキというアルカイダ指導者がミール・アリで活動している。イラキは、ウズベキスタンイスラーム運動やタリバン、その他のテロ組織とも関係がある。

アティヤは最近ミール・アリで、タリバンやウズベクの支持者と一緒に行動しているのを目撃されていたと、『ワシントン・ポスト』は報道していた。

smellAl Qaeda releases Ramadan tape by Atiyah Abd al Rahman
BILL ROGGIO

■新指導者、パキスタン攻撃を計画[110830 Asia Times]

アルカイダ系の313部隊が、イリアス・カシミーリ司令官の死を引き継ぐ新たな指導者、シャー・サヒーブを使命した(中略)。多数の過激派組織のメンバーの間で数週間話し合いを行ない、これを決定した。

有名なタリバン司令官のシャー・サヒーブは、ラマダンが明ける前に任命され、今後パキスタンの治安部隊に対して新たな攻撃を実施する。

南ワジリスタンを拠点とするジャーナリストのディン・ムハンマド・ワジールが新たな任命を確認した。「313師団の有力者と話したところ、シャー・サヒーブが新たな指導者になったことを確認した。しかし、これは暫定的なもので、その後正式の指導者が決められる」。

カシミーリは313師団を動かしているだけでなく、ハラカトゥル・ジハーディ・イスラミ (HuJI)の司令官でもあった。

カシミーリの死は、6月3日に実施された南ワジリスタンへの無人偵察機の攻撃のあと、メディアに登場した。彼の死に関する謎は残るが、地元政府関係者やタリバンは彼の死を確認している。HuJIでさえも、地元のメディアに死亡を確認した。

(中略)中国人ウイグル族のアブドゥル・シャクール・トゥルキスターニは、パキスタンの部族地帯の外国人過激派を統括する総司令官となった。彼は、パキスタン人タリバンとも仲がいい。

トゥルキスターニは、アフガニスタンで戦う過激派組織の連合体であるItehad-e-Shur-e-Mujahideenで活動する。TTPも、これに関している。

トゥルキスターニは東トゥルキスタン・イスラーム党の元指導者だったアブドゥル・ハク・アル・トゥルキスターニと、ウズベキスタンイスラーム運動の故カリ・タヒール・ユルダシェフの下で活動していた(中略)。中国政府は、最近発生したウイグル族と中国人チアン関係者との間の衝突のあと、この地域のウイグル族を一掃するために20万人の治安関係者を派遣した。

TTPの3つの関係組織が、結束している。目的はアフガニスタンの同盟軍と戦い、ドローン攻撃のための密告者を取り締まり、北ワジリスタンにいるパキスタン政府軍と対戦することである。

あるタリバン内の情報源によると、最近TTP幹部、ハーフィズ・グル・バハドゥールとナジール師の関係者が会った。ハッカーニの組織とアルカイダも、これに関係している。

南ワジリスタンと北ワジリスタンに対する無人偵察機攻撃への密告者を監視するために、ラシュカレ・ホラサンという組織が結成された。各組織から6人が参加し、バハドゥールの指揮で行動する。このグループは、地元やアフガン人部族民数十人のスパイを探し出した。あるメンバーによると、「1週間前にワナ各地で極秘作戦を実施し、マフスード族出身老人を捕まえた。取り調べを行なったところ、地元やアフガン部族民からなるスパイ組織があることがわかった」という。

パキスタンの国境地帯におけるアフガンタリバンの活動も活発になってきており、TTPと結束している。一緒にパキスタンの治安部隊と戦うこともある(後略)。

hoonNew leader plans attacks on Pakistan
Hamza Ameer、ISLAMABAD

■パキスタン政府関係者、アルカイダ工作員の死亡説に疑問視[110829 Dawn]

パキスタンの治安関係者が日曜日に、アルカイダのナンバー2がアフガン国境近くで殺害されたとアメリカが報告したことに対して、疑問を表わした。

土曜日に米政府幹部が、アティヤ・アブダル・レーマンがワジリスタンで殺害されたと述べたが、どのような状況で死亡したかは明らかにしなかった。しかし地元関係者が『AFP』に、北ワジリスタンで先週実施された無人偵察機の攻撃では、過激派4人が殺害されたと述べている。2つの出来事に関係があるのかは、明らかではない。

パキスタンの治安関係者が語ったところによると、「ニュースを調べているが、信憑性を疑う」と述べた。ミランシャーの別の関係者も、そのような事実に関する情報はないと述べた。「単なる噂に過ぎない。そのような名前の男がアルカイダのナンバー2であったことも知らなかった」。

(中略)アルカイダと定期的に接触している、パキスタンにいるアフガン人タリバン司令官は、そのようなニュースは偽物だと述べた。「うそだ。本当ではない」。

hoonPakistani officials doubt al Qaeda operative dead
PESHAWAR

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2011.