【2011年10月17日〜10月23日】
●アメリカはパキスタンに、テロとの戦いにもっと参加するべきだと圧力をかけてきた。しかしここにきて、パキスタンはアメリカに同じ言葉を返して、国際軍はアフガニスタン側からパキスタンを攻撃しているタリバン過激派を捕まえるため、もっと多くのことをするべきだと言い返した。
●パキスタン軍報道官のアサール・アッパスは10月17日に、アフガン軍と米軍主導軍は、これまでパキスタン軍や政治指導者たちが何度も要請しているにもかかわらず、国境を越えてパキスタンに入ってくるタリバンの宗教指導者である、ファズルッラー師を追跡することに失敗したと述べた。
●木曜日にはヒラリー・クリントン国務省長官がパキスタンを訪れ、パキスタン政府、軍、諜報組織は、パキスタンを拠点とする抵抗運動と戦うことを「主導」するべきであると同時に、アフガニスタンの過激派が和解するように説得するべきだとも語った。
●アッバス准将は10月17日に『ロイター』と行なったファズルッラーに関するインタビューに答えて、アフガニスタンから行動してくる最も重要な過激派司令官であり、彼がアフガニスタン東部からパキスタン側に越境してきて、ディールとチトラル地域にいたパキスタン人兵数十人を殺害したと述べた。
●「ファズルッラー師の配下のタリバン過激派が、パキスタンの治安軍100人以上を殺害した。我々はこれらの組織の居場所や情報をアフガニスタン政府とISAFに送ったが、彼らは何もしていない」という。
●いっぽうファズルッラーも『ロイター』のインタビューに答え、戦いを行なうためにスワートに戻ることを誓った。また政府が過激派と和平協定を結ぶことに関して懐疑的だった（中略）。
●陸軍と準軍隊が国境付近に配置され、過激派がアフガニスタン側から来ることを防ごうとしてるという。しかしパキスタンを攻撃してくるタリバンがいる地域に、アフガン軍もISAF軍もいないようだと述べた。国境を越えて攻撃してくるタリバンは、クナール、ヌーリスタン、ナンガルハール地域を拠点とする。「アフガン軍とISAF軍関係者と問題を話し合ったが、この地域に関する取り締まりは全くない」という。
●しかしイスラマバードの外交筋は、報道官の声明を、ハッカーニに対して行動するべきだというアメリカの圧力に対抗するためのものだと見ている（後略）。
Now Islamabad strikes back
●アフガニスタンを拠点とするタリバン指導者のファズルッラー師が、パキスタンがアメリカから新たに圧力を受けて過激派と戦うようことを強いられているために、パキスタンに戻り、新たな戦いを開始することを誓った。
●「我々はシャリアのために命を犠牲にし、家や村から出た。マラカンドを始めパキスタンにシャリアを導入するために、何でもする」と、ファズルッラーのアドバイザーであるシラージュッディン・アフマッドがファズルッラーの立場を説明した。『ロイター』からが書面で送った質問状に対する答えである。
●（中略）ファズルッラーは、2009年にスワートで軍事作戦が実施されて余儀なく逃走を強いられるまで、スワートのパキスタン人タリバン指導者だった。FMムッラーとして知られていたファズルッラーは、過激なラジオ放送を行なっていたが、アフガニスタンで再結成して、再び拠点を築いた。彼は再びパキスタンにとって脅威となっていると、パキスタン軍報道官のアサール・アッバス准将が語った。
●（中略）最近パキスタンは、アフガン軍と米軍主導軍が越境襲撃を行なっているファズルッラーを探し出すことに失敗していると、非難声明を出した。一方アフガニスタンとアメリカは、パキスタン政府はアフガン人タリバンを支持していると非難した。
●ファズルッラー配下の過激派は、パキスタンの治安軍100人を殺害しており、さまざまな過激派組織の脅威にさらされている軍を憤慨させている。
●パキスタン人タリバン抵抗勢力の重要人物であるファズルッラーは、クナールとヌーリスタンを拠点としていると、アッバスが述べた。
●約12のグループを傘下に入れるパキスタン人タリバンの他の指導者と政府は、これまで数千人を殺害してきた対立に終止符を打つために、和平のための話し合いを開始することをほのめかしている。
●しかし、ファズルッラーは政府の意図に懐疑的だ。「パキスタンの指導者たちは、アメリカとの関係が悪化するたびに、誰かを通じて我々に接近して、国家の安全を回復するために我々に協力するように懇願している」と、彼のアドバイザーが語る。「しかし、アメリカとの関係が回復すると、すぐに約束を忘れて無慈悲で残忍になる。パキスタン人支配者たちの手の内はわかっているから、彼らの約束は信じない」。
Taliban leader Fazlullah vows new war in Pakistan