【2011年11月28日〜12月4日】


■大統領とハッカーニ、アボタバード作戦を事前に認知[111204 News]

パキスタン系米国人ビジネスマンのマンスール・イジャーズが、論争の焦点となっているメモに関して新たな主張を行なった。

以前の主張を覆し、メモを送るという計画はザルダリ大統領自身が行なったと主張している。ザルダリ大統領はハッカーニに、メモを作成する権限を託したという。

さらにイジャーズは、ザルダリ大統領とハッカーニは、アメリカのアボタバード作戦に関して事前に情報を得ていたとさえ述べた。

米国人ビジネスマンはメモのスキャンダル以来何度もテレビに登場しているが、このような主張は初めてのことである。

マンスール・イジャーズは『Geo』テレビに登場して、ザルダリとハッカーニがアボタバード作戦に関して予め知らされていたと述べた。パキスタンの国民は自分たちの支配者が何をしているかを知るべきだとし、自分の分析によると、ハッカーニとザルダリはビンラディンに対するアボタバードの作戦に関して知っていたと述べた。

また自分が書いたことは全て、自分が持っている証拠に基づいているという。またハッカーニは、自分を擁護できるようなものは何もないと述べた。

(中略)イジャーズは、シュジャ・パシャISI長官がメモに関する事実を明らかにするために自分と会ったと述べた。

smellPresident, Haqqani had prior knowledge of the Abbottabad operation
WASHINGTON

■アフガニスタンの過激派、決死隊に[111128 New York Times]

アフガニスタンでターゲット殺人が急激に多くなっているが、米国とアフガン政府関係者は、ハッカーニとアルカイダの対諜報情報ユニットの仕業と見ており、アフガニスタンとパキスタンの国境地域にいる情報源を殺害したり、人々に恐怖を植えつけているという。

諜報関係者によると、このユニットは決死隊で、そのうちのひとつはパキスタンの部族地帯で主に活動する大きな組織である、フラーサンだという。250人を暗殺したり、公開処刑を行なっている。

アフガニスタンには、名前がわからない別のグループもあり、この組織はホースト州で今年の夏だけで20人を殺害した。逮捕された抵抗勢力が所持していたビデオからは、多数の斬首刑の映像が発見された。ビデオには10人の頭部のない遺体が舗装された道路に等間隔で横たわり、その頭部は近くに円形に並べられ、顔がさらされていた。

ハッカーニが非常に危険な組織であることを示す、ひとつの例である。

(中略)この夏、米軍がアフガニスタンを拠点とするハッカーニの幹部司令官であるハッジ・マリ・ハーンを逮捕して彼の腹心を殺害したあと、二つ目の決死隊に関する身の毛もよだつ事実が浮上した。その数日後、米国人に協力したとされる2人の男性の遺体が、ハーンが逮捕された村で発見された。彼らの足には熱された鉄棒がねじ込まれていた。1人ははらわたを出され、2人とも頭を銃で撃たれ、岩に叩きつけられていた。村は恐怖で包まれた。「ほとんど身元がわからないほどだった」と、遺体を見た人が語った。

アメリカの諜報関係者によると、アフガニスタンを拠点とするグループとフラーサンは、同じような行動をしているという。フラーサンは2009年に北ワジリスタンで結成されたようだ。黒い服に翠のアームバンドをつけ、「Itihad al-Mujahedeen Khurasan」という名前が書いてある。この地域のアルカイダと一緒に行動し、100人から2000人のメンバーがいると言われる。

ハーンの取り調べから、戦いに影響力を及ぼすような他の兵器も用いられることがわかった。取り調べに詳しい関係者によると、このハッカーニの指導者が取り調べ官に、タリバンは夏からアフガン政府や軍関係者と接触し、タリバン指導者に忠誠を誓う書類に極秘に署名するように説得しているという。ハーンは20人にサインさせたと、自慢した。

「彼らは、NATOが撤退した20日後には、タリバンが権力の座に就くと言っている。だから生き延びたいのなら、サインする」と、ある米関係者が述べた。しかしこのような誓いが本当に行なわれたか、証拠はない(後略)。

garrMilitants Turn to Death Squads in Afghanistan
RAY RIVERA, SHARIFULLAH SAHAK and ERIC SCHMITT、SABARI

■NATO空爆、米パキスタン関係に悪影響[111128 Washington Post]

アメリカは、タリバンとの和平の話し合いにパキスタンの協力を仰ごうとしていたが、NATO軍の空爆でパキスタン兵士24人が死亡した出来事の詳細が明らかになってくるとともに、その努力が台無しになった。

パキスタン軍報道官のアッバス准将によると、国境地帯にあった2つの基地の位置を、アフガン軍も同盟軍も知っていたはずだという。NATO軍の攻撃の前に過激派も軍も発砲しておらず、また同盟軍はパキスタンに、パキスタン側からの発砲があったという情報も受けていないと述べた。

攻撃が始まると、兵士たちがすぐにペシャワルにいる司令官に知らせ、そこからラワルピンディの陸軍本部に知らせが回った。さらにトルハンと北ワジリスタンにある国境に設置された、3ヵ国国境協力センターに知らせが届いた。「しかし、なぜだか攻撃は続いた」と、アッバスが述べた。「我々の側は、混乱があった可能性はないと見ている。前哨基地があった場所は、タリバンがいる場所ではなかった」。

しかしアフガンと米軍関係者は、パキスタンの部族地帯を拠点とするタリバン戦闘員たちは、ときおりパキスタン軍とともに活動していると信じている。抵抗勢力たちはパキスタンに匿われ、ときには援助されていると、アメリカは疑ってきた。

土曜日の攻撃があった現場の南にあるパクティア州では、米兵たちがパキスタンの国境基地の近くから、絶えずロケット弾攻撃を受けているという。時には、これらの基地からよく見える場所だ。米兵の中には、パキスタン軍がこれらの攻撃に共謀しているか、少なくとも制止する気持ちがないと見ている者が多い。パキスタンによると、自分たちがアフガニスタン領内に発砲するのは、逃走する抵抗勢力を狙ったときだけだと主張する。

アッバスによると、モーマンドの空爆があった現場から、抵抗勢力は「完全に一掃」されているという。だからアフガン・米軍作戦に発砲した者は誰もいない。モーマンドでパキスタンの治安軍とともに戦う反タリバン部族民民兵たちも日曜日にこの主張を支持し、NATO軍の攻撃は2〜3時間続いたと述べた。

「攻撃により、抵抗運動がさらに普及する」と、モーマンドで3年間タリバンと戦ってきた民兵を率いるマリック・スルタン・ハーンが語る。「我々は、何が何でもアメリカに復讐する」。

hoonNATO airstrike strains U.S.-Pakistan relations
Karin Brulliard and Joshua Partlow、ISLAMABAD

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2011.