【2012年1月23日〜1月29日】


■米との話し合い開始、と元タリバン関係者[120128 New York Times]

タリバンの代表数人が、カタールで米関係者と話し合いを始めたと、元タリバン政府関係者数人が語った。信頼を築くための方策を、話し合っているという。

元関係者によると、4〜8人のタリバンの代表団がパキスタンからカタールに飛び、追放されたアフガン抵抗勢力組織のための政治機関を立ち上げるという。

(中略)米関係者はこのような話し合いが行なわれたことを否定しておらず、パキスタンも少なくともこれを承認しているようだ。

当初自分たちがつまはじきにされていたことを憤慨していたアフガン政府も話し合いを承認しているが、直接関与はしていない。

(中略)「現在のところ、和平のための話し合いは行なわれていない」と、タリバンの元道徳省大臣で、現在は高等平和議会のモーラビ・カラームッディンが述べた。「グアンタナモにいるタリバンの囚人の釈放を話し合っているだけだ。これについてカタールで、双方が話し合っている。話し合いを進め、今後の話し合いのための環境を作りあげていきたい」。

米国務省報道官のビクトリア・ヌランドは、アフガニスタンとパキスタン特使のマーク・グロスマンが先週カタールを訪問した際に、彼だけがアフガニスタンに関する「いくつかの話し合いに参加した」と述べた。

(中略)グロスマンは先週カブールで行なわれた記者会見で、タリバンが国際テロリズムを否定し、武装闘争に終止符をうつための和平プロセスに同意したあと、初めて和平のための本当の話し合いが開始すると述べた。

アフガン政府とカタール政府の間でも、タリバンが事務所を立ち上げるための合意を結ばなければならない。グロスマンはアフガン政府に定期的に報告しているが、アフガン政府関係者は、重要な事柄からは外されていると不平を表している。

現在カタールのドーハにいるタリバン関係者の中には、オマール師の元秘書や、タリバン政権時代の元政府関係者がいるという。

(中略)カタールでは、囚人の交換に関する話し合いがかなり前進したいう。元政府関係者でタリバン司令官だったサイード・ムハンマド・アクバル・アガによると、2回にわたり、5人のタリバン囚人が釈放される。「まず2〜3人、次に2人のタリバン囚人が釈放される」。

またカタールでは、タリバン元政府関係者に対するNATOの「殺害または逮捕者」リストから、何人かを外すことが話し合われている。引き換えにタリバンは、拘束している米兵の釈放を申し出ている。

グロスマンは先週囚人釈放に関して、まだ決めていないと述べた(中略)。欧米やアフガン関係者によると、もし釈放が実現したら、おそらくカタールに送られ、軟禁される可能性が高い。

また元タリバン関係者は、パキスタンがタリバン代表団にカタールへ行くための旅券を発行したことに、驚きを表現している。これまでパキスタンは、これらの話し合いに反対してきたからだ。「パキスタンからのゴーサインだ」と、元タリバン政府高等教育省のアルサラ・レフマーニが語った。

「パキスタンはこれを支持し、協力していることは明らかだ」と、カラームッディンが付け加えた。パキスタンが話し合いを承認していないなら、カタールに向かったタリバン使節団を逮捕したはずだという。2010年にアフガン政府との話し合いを極秘に行なったバラダール師は、逮捕されている。

hoonFormer Taliban Officials Say U.S. Talks Started
ALISSA J. RUBIN、KABUL

■米無人偵察機「過激派5人殺害」[120123 BBC]

パキスタンの北西部の部族地帯で無人偵察機による攻撃があり、過激派5人が殺害された。

北ワジリスタンのデガン村が攻撃された(中略)。地元の行政官によると、走行中の車が攻撃され、トゥルクメニスタン出身の過激派が殺害された。目撃者によると、デガンからダッタ・ヘールに向かっていた車がミサイルで攻撃され、炎上した。近くの家屋も破壊された(後略)。

hoonUS drone strike in Pakistan 'kills five militants'

■アルカイダ幹部、無人偵察機の攻撃で死亡[120119 Reuters]

アルカイダの作戦オーガナイザーを勤めていた過激派が、先週パキスタン国内で実施された2度のアメリカの無人偵察機攻撃のひとつで殺害されたと、米関係者が述べた。

米とパキスタンの情報源が語ったところによると、標的はアボタバード出身のパキスタン人アスラーム・アワンだったという(中略)1月10日に北ワジリスタンのミランシャー付近で実施された無人偵察機による攻撃で、死亡した。

(中略)アワンはアブドゥッラー・ホラーサニとも呼ばれ、アルカイダ首脳陣のなかでは重要な人物だったという。

パキスタン政府関係者は、アワンが無人偵察機の攻撃で死亡したことを認めていないが、米関係者は殺害されたと述べた。ある情報源によると、アワンはアルカイダの国外作戦を管轄する現在の責任者の部下であり、諜報関係者には知られているが、一般には馴染みのない人間だという。

「アスラーム・アワンは欧米を攻撃するために行動していた、アルカイダ対外作戦プランナーだった」と、米関係者が述べた(中略)。

国境付近を拠点とするパキスタンの治安関係者によると、アワンは、2008年以来居所を突き止めようとしていた、パキスタン人アルカイダ組織の人間だという。「ザワヒリに近い人間だと考えていた」という(中略)。

しかしアメリカの情報源は、アメリカの専門家はアワンをザワヒリに近い人間とは考えていないと語った。

(中略)米関係者は、TTP指導者であるハキームッラーも、1月12日の攻撃で死亡したという報道を確認できないと述べた。パキスタンとアメリカの情報源によると、マフスードは無人偵察機の攻撃の標的にはなっておらず、またあるパキスタン人情報源は、「彼は生きている。ハキームッラーは生きている」と述べた(後略)。

hoonSenior al Qaeda figure killed in drone strik
Mark Hosenball and Chris Allbritton、WASHINGTON/ISLAMABAD

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