【2012年3月5日〜3月11日】
●パキスタンのアルカイダ報道官のウスタッド・アフマッド・ファルークが、組織の幹部司令官だったバドル・マンスールが、最近実施された北ワジリスタンに対するアメリカの無人偵察機の攻撃で死亡したことを認めた(中略)。
●ファルークによると「カイバル・パシュトゥーンフワ州の勇敢な息子は、パキスタンの諜報組織が提供した情報によって実施された無人偵察機攻撃で殉教した」という。マンスールの妻も負傷したとし、アメリカとオバマ大統領が無実の人間を攻撃していることを非難した。
●マンスールは2月9日に北ワジリスタンで実施された無人偵察機の攻撃で、他の「パンジャーブ人タリバン」6人とともに殺害された。彼はハラカトゥル・ムジャヒティンとパキスタン人タリバンの両方と関係のあるアルカイダ幹部で、人材を発掘・訓練し、アルカイダに送り込んでいた。またアフガニスタンに戦闘員を送り込んでいたという。
●(中略)ファルークは以前、2011年6月に実施された無人攻撃で、イリアス・カシミーリとともに殺害されたと言われていた。カシミーリは最近、ハキームッラー・マフスードと一緒にいるところを目撃されている(後略)。
Al Qaeda eulogizes senior commander killed in recent drone strike●ビンラディンの3人の未亡人がパキスタンに不法入国をしたとして、起訴された。
●レーマン・マリーク内相によると、サウジ国籍2人とイエメン国籍の女性が起訴されたが、公聴会には出席しなかったという。3人はビンラディンが殺害された際に、アボタバードの建物内に住んでいた。
●マリークは、女性たちはパキスタンに不法入国し、「偽造や改ざんの疑い」があるという。「大人だけが起訴」され、子供たちは母親が望めば、いつでも母国に戻ることができるという。現在女性と子供たちは、「疑似収容所といえる」家屋に軟禁されている。
●『BBC』特派員のイリアス・ハーンによると、女性たちは法廷でメディアにさらされて裁かれる可能性はないという。彼女等が、誰にも知られずにパキスタンにこれほど長い期間留まることができたかが、明らかになることを恐れているからである(後略)。
Pakistan charges Osama Bin Laden's widows●アルカイダの重要な作戦司令官で、ハラカトゥル・ジハード・アル・イスラミ(HJI)指導者のムハンマド・イリアス・カシミーリが、最近北ワジリスタンで目撃された。カシミーリは、去年南ワジリスタンでアメリカの無人偵察機による攻撃で死亡したと言われていた。
●HJI指導者は今週北ワジリスタンを訪れ、TTP指導者のハキームッラー・マフスードと話し合ったと言われる(中略)
●情報源によると、カシミーリはマフスードの客人として、夜、マフスードと過ごした。カシミーリがTTPの仲間を訪れた際、イスラマバード出身の有名なジャーナリストもここに同席したという。マフスードと一緒に、カシミーリはジハードに関する今後の戦略を話し合った。
●情報源によると、アメリカやパキスタンの諜報関係者はカシミーリの死亡を確認することができず、メディアは去年の7月にも、彼がパキスタンとアフガニスタンの国境付近で活動していると報告した(後略)。
Top Qaeda operative Ilyas Kashmiri still alive●今週になって抵抗勢力の議会で更迭されたと報告されているパキスタン人タリバン副指導者は、パキスタン政府と和平の話し合いをすることをまだ望んでいると述べた。
●バジョールのTTP指導者のモーラビ・ファキール・ムハンマドは、パキスタン政府と和平の話し合いを行なっていたと言われる。
●(中略)TTP幹部は、パキスタン政府との新たな対話に関して意見が対立し、過激主義者たちはこれを拒否している。しかしムハンマドは、議会に背いたことはないと述べた。「パキスタン政府と話し合うときは常に許可を得て、TTP幹部のアドバイスを受けてから行なう」と述べた。「アフガニスタンのタリバンがアメリカと話すことができるのなら、我々だってパキスタン政府と話してもいいはずだ」。
●パキスタンは先月アフガンタリバン幹部に、カブールで和平の話し合いを行なうように促した。
●TTP指導者のハキームッラー・マフスードも参加したと報告されている議会がムハンマドを更迭したが、ムハンマドは「この議会や参加者、開催地に関して何も聞いていない」と語った。「メディアと接触したエーサンヌッラー・エーサン以外、重要なタリバン指導者とは会っていない」という。エーサンヌッラーはTTPの報道官で、ムハンマドの更迭を発表した。
●パキスタンとTTPは数ヵ月にわたって話し合いを行なってきており、ムハンマドはなかでもこれを支持していた。バジョールで和平協定を結ぶ予定であると12月に語り、うまくいけば今後このような協定が各地で結ばれるかもしれないと述べていた。
●アルカイダと近い関係にあるTTP指導者のマフスードは、話し合いに強く反対していた(後略)。
Ousted deputy leader of Pakistan Taliban favours talks with govt●パキスタンタリバン指導者が副司令官を更迭したことを認め、組織内の力関係が緊張していることが露わになった。
●日曜日にタリバンの幹部会議でハキームッラー・マフスードが、タリバンのナンバー2だったモーラビ・ファキール・ムハンマドを更迭した。理由は明らかにされていないが、内部抗争があることが明らかになった。
●モーラビ・ファキール・ムハンマドの代わりはまだ発表されていない。
●パキスタンタリバンの報道官が語ったところによると、彼は即刻更迭されたが、組織内の別の地位につけることを考えているという。
●『BBC』のイリアス・ハーン特派員によると、パキスタン人タリバン内の対立が目立ってきたことが明らかになったという。パイトゥッラー・マフスードが2009年に殺害された当時、モーラビ・ファキール・ムハンマドはもっとも高い地位にいる人間の1人だった。しかしTTPは、指導者をワジリスタン内の人間にしたかったために、副指導者となった。
●それ以来、TTPの中央指令部とは、ぎくしゃくした関係にある。去年TTPのメンバーのなかには、彼がパキスタン政府と関係を持っていると非難したこともあったが、ムハンマドはこれを否定している。以前『BBC』に、タリバン指導者と「若干」の考えの違いがあることを認めた。モーラビ・ファキール・ムハンマドは、バジョール地域のタリバンを率いる。バジョールは、ワジリスタンとは少し距離があり、部族地帯の最北端に位置する(後略)。
Pakistan Taliban removes deputy head Maulvi Faqir Mohammad