【2003年04月14日〜04月20日】
■インドがタリバンの再集結を心配[030420 Daily Times]
●インドの外務大臣が、武装化したタリバンの再集結を憂慮。パキスタンによる援助を非難。
India concerned about Taliban resurgence in Afghanistan
NEW DELHI
■新しい原理主義政党結成[030420 Reuters]
●パキスタンで活動禁止されていたイスラム闘争グループ、Sipah-e-Sahabaが新しい政党 Millat-e-Islamia(イスラム革命)を結成。
●9.11以来、ムシャラフはいくつかの原理主義政党の活動を禁止してきたが、その多くが名前を変えて活動している。スンナ派のSipah-e-Sahabaは、90年代に、数百人のシーア派を殺害した。Sipah-e-Sahabaの党首、Maulana Azam Tariqは、これまでの活動よりもさらに過激な活動になるだろうと語る。10月の選挙当時、服役していたにもかかわらず、 Tariq下院で議席を獲得し、そのために釈放されている。キリスト教徒に対するテロの疑いもかかっているが、テロ活動との関係は否定している。Sipah-e-Sahabaはタリバンと同じ、デオバンド派。
Leader of outlawed Pakistan group forms new party
By Amir Zia
■ジハードのウェブサイトが急増[030420 Daily Times]
●パキスタンの宗教団体とジハード組織が75のウェブ・サイトを、150の宗教学校がウェブ・サイトをもっている。
●原理主義者たちは現代テクノロジーがムスリムの若者たちを西欧化させていると非難する一方で、それを用いて、若者を西欧化から守ることも必要だという。宗教について論じたり、論争を展開したり、国内外から献金を集める手段にもなっている。
Jihadis on-line
By Amir Rana
■パロチスタンでヘリが攻撃[030420 The Nation]
●バロチスタンのLoti 地区のDera Bugtiで、低空飛行をしていたアメリカ兵3人を載せたアメリカ軍ヘリが地上から攻撃され、墜落する。アメリカ兵3人が負傷。パキスタン軍も同乗していた。なぜこの地区にアメリカ軍がいたのかは不明。
3 soldiers hurt in attack on US helicopter
By Shahzada Zulfiqar
QUETTA
■アメリカがパキスタン・アフガン国境紛争の解決を援助[030420 Daily Times]
●アメリカの仲裁で、ここのところ続いたGhulam Khan村での衝突を解決。パキスタン国境警備隊と部族地帯のポリティカル・エージェント、アメリカ軍の代表が話し合いをもつ。地元の人間が自分たちの利益のためにアフガン側を呼び入れたことで同意。問題は対決。
●しかしアメリカを代表するZalmay Khalilzadは、国境での衝突は、アメリカの利権を侵害するものだと発言。
US helps settle Pak-Afghan border dispute
ISLAMABAD
■7人がヘリ攻撃で負傷[030419 AP]
●19日に、3人のアメリカ兵を含むヘリが、パロチスタンのBugti regionで地上から攻撃される。この地域はBugti族が住む地域で、ガスの使用権を巡って、政府と対立が続いている。2ヵ月前も、ガスパイプを切断する事件が発生。
Seven Hurt As Pakistan Copter Fired On
By SATTAR KHAN
Associated Press Writer, QUETTA
■アメリカ代表がパキスタンに国境問題で警告[030419 Reuters]
●アフガンのアメリカ代表が、パキスタンに、国境での衝突はアメリカの利権を侵害するものだと警告。
●最近のタリバンによるゲリラ戦は、すべてパキスタンから来ている。チャマンでアフガンの高官の従兄弟殺害についてもパキスタンの関与を非難。
U.S. envoy warns Pakistan on Afghan stability
By David Brunnstrom
KABUL
■パキスタンとアフガンで国境の衝突 について話し合う予定[030418 Dawn]
●ここのところ続いた、南ワジリスタンでの両国の衝突について話し合うことを、パキスタンとアメリカ・アフガン側が約束。両方とも、その地域は自分たちの国だと主張していた。
●9人のアフガン兵と3人のアメリカ兵がパキスタン側に、村人に何らかの策動のために呼び寄せられたという。パキスタン側が空砲をうち、追い払ったという。けが人はない。
●アメリカとアフガン兵は、この地域に潜伏していると思われるアルカイダ・タリバンの情報を得るために、この地域に潜入、ドルで情報を買っていたと思われる。
Joint body to resolve border feud with Kabul
By Qudssia Akhlaque
ISLAMABAD
■パキスタンとアフガンの交戦いまだやまず[030418 Reuters]
●きのうに引き続き、パキスタンとアフガン国境の村Gulam Khanで、交戦。アフガン側はパキスタンを非難、パキスタン側は国境を越えてないと主張。
Fire traded at Afghan-Pakistan border before visit
KABUL
■白人とテロリストとの関り[030418 Daily Times]
●今年の1月9日に、カラチで2人のLashkar-e-Taibaのメンバーが逮捕された。そこから得た情報で、国外に退去しようとしていたオーストラリア人(白人)Jack Thomasを逮捕。Jack Thomasは2001年3月にオーストラリアを出ている。
●続いて、9日にJamaat-e-Islamiのリーダー Sabiha Shahidとアラブ人2人を逮捕。ホッケーのスターShahid Ali Khanとその家族も逮捕。その後、何人のアラブ人が逮捕される。ハイデラバードのケンタッキーに時限爆弾がしかけられた事件もこの一環と考えられている。
●去年の10月6日に、いくつもの小包爆弾が警察関係者に送られた。
●アルカイダや中央アジアのテロリストがパキスタンにいることはそれほど気にならないが、Jack Thomasのように、白人がパキスタンやアルカイダとつながりがあるという事実は重要だ。Jack Thomasのほかに、2人のオーストラリア人、David HicksとMamdouh Habibがキューバの収容所にいる。
Hunt for Al Qaeda operatives gains momentum in Karachi
By Hasan Mansoor
KARACHI
■アフガニスタンで武器発見[30418 AP]
●ルーマニア軍が、カブール南西のvillage of Hazarkhelの洞窟で、大量の武器を発見。これまでで最も多い。
●Orgunの米軍基地に、5つのロケット弾が発射されたがけが人はなし。
Troops Find Weapons Stash in AfghanistanBy
D'ARCY DORAN
■パキスタンとアフガンが交戦[030417 AP]
●アフガンの内務省によると、パキスタンの軍隊が国境の村、Ghulam Khanに入り交戦したが、今は平静をとりもどしたという。しかしアフガン軍によると、パキスタン軍600人が国境をこえ、いまだに留まっているという。
●パキスタンの情報省によれば、交戦はなかったという。パキスタンの貿易商、Ahmad Khanによると、アフガン軍が国境を越えてGhulam Khanに入ってきたという。パキスタンのセキュリティー・オフィサーによると、パキスタン軍がこの地域を偵察にきて、短い交戦の後、アフガン軍が撤退。その後、この地域の警備を強化したという。
●パキスタンとアフガンは違った国境線をもっている。
Pakistan, Afghan Border Forces Trade Fire
By TODD PITMAN
■パキスタンとアフガンの衝突[030417 Daily Times]
●Khostの国境の村、Ghulam Khan Villageでパキスタンとアフガンが衝突。お互い、お互いが国境を越えたと主張。
●ワジリスタンがDaily Timesに言ったことでは、アフガン軍が、 Ghulam Khan Villageの住民からの要求で村にきたのだという。Ghulam Khan Villageはアフガン側にあるという前提で、アフガン軍がチェック・ポストを作りにきた。
●アフガン軍とアメリカ軍を村に呼び入れたとされるMalik Bahadur Khanの家族6人が逮捕され、パキスタン軍が銃を発砲したあと、アフガン軍とアメリカ軍は撤退。16日以前、3月29日と30日にも越境してきたという。Malik Bahadur Khanは、アフガン側を呼び入れ、パキスタンの住民にその国籍を捨てることを説いたという。しかし信頼できる筋によると、Malik Bahadur Khanは、Ghulam Khan Villageはアフガン側の村だと嘘をついて、アフガン軍を呼び入れたという。アメリカ軍のヘリコプターが16日中この村の上を飛んでいた。
Pakistani, Afghan forces clash over border village
By Azizullah Khan
QUETTA
■パキスタンとアフガンが国境で衝突[030417 Reuters]
●パキスタンとアフガンが、Khostの国境にある村Gulam Khanで衝突。
●アフガン側は、国境で交戦した後、パキスタン民兵がアフガン側に侵入したという。パキスタンによると、部族同士の対立があったところ、パキスタン軍がかけつけ、それとともにアフガン側が退去したという。アメリカによると、パキスタン軍が動いていたが、国境は越えてないという。
Afghans say drive out intruding Pakistani guards
KABUL
■カブール付近で武器発見[030417 AP]
●カブール近郊で大量の武器をアメリカ軍が発見。
●カブールの南西、Khar Bolahの村で、大量の武器を発見。村の住民は武器を持っていることを否定したが、家から家に強制捜査した結果、大量の武器が出てきた。271ロケット弾と4つの RPG launchers、40 mortar rounds 銃弾100。Mohammed Aminの家に大半が隠されていた。「ただ、置いておくんだ。もしかして、いつの日にか、必要になるかもしれない」とMohammed Amin。AK-47s (カラシニコフ)と猟銃は村人に返し、あとはすべて爆破処理。
U.S. Troops Step Up Afghan Weapons Hunt
By D'ARCY DORAN
KHAR BOLAH, Afghanistan (AP)
■Durand Lineの緊張さなかにアメリカの使者到着[030417 The Nation]
●カルザイは4月22日にパキスタンを訪問して、Durand Lineについて話し合う。会見に先立ち、イスラマバードにアメリカから使者。
●水曜日に、アフガンがパキスタン側に侵入した直後だけに、Durand Lineの議題は重要。1月にも、アメリカがパキスタン側に侵入して爆撃したこともある。簡単に話し合いがおわるはずはない。
●この他の議題として、Afghan Transit Trade の見直し、アフガニスタンに拘束されているパキスタン人の解放など。
US envoy arrives as Durand Line tense
By Shaiq Hussain
ISLAMABAD
■タリバン高官逮捕[030417 AP]
●タリバンの元大臣Moulawi QalamuddinがLogar provinceで逮捕。 彼はVice and Virtue Ministryの大臣で、人々に怖れられていた。
Ex-Taliban Minister Seized in Afghanistan
By TODD PITMAN
KABUL, Afghanistan (AP)
■ダニエル・パール殺害犯逮捕[030417 AP]
●ダニエル・パール殺害犯の1人が逮捕された。容疑者、Fazal Karimが薬物所持の疑いで逮捕されたが、弁護士によれば、去年の5月から行方不明で、すでに警察に逮捕されていたいう。警察は否定。当時警察は、Karimをパールの遺体の埋葬場所を教えた人物としていた。
Suspect in Pearl Case Jailed in Pakistan
By ZARAR KHAN
Associated Press Writer, KARACHI
■タニエル・パール殺害犯人の1人つかまる[030417 Reuters]
●ダニエル・パール殺害の容疑者Fazal Karimが捕まった。Fazal Karimの家族が、彼が警察に8ヵ月拘束されていることをつきとめた。Fazal Karimが7月に既に逮捕されていたという噂は常にあったが、警察はこれまで否定し、2日前に、ドラッグ所持で逮捕されたという。
●死刑を求刑されたAhmed Omar Saeed Sheikhの裁判に支障をきたすため、これまでその逮捕は秘密裏にされていたと思われる。Fazal Karimは、ダニエル・パールの遺体が見つかった敷地の持ち主、Saud Memonの運転手をしていた。Saud Memonは行方不明。
Pakistani lawyer says Pearl suspect in custody
KARACHI
■イスラエルのArt Student Spy Ring[030416? CCR]
●2000.1……この頃、イスラエルの “Art Student Spy Ring”がアメリカに潜入しはじめると思われる。
●2000.6……インドの税関で、パングラデシュに行こうとしていた、イスラエルのパスポートをもったアフガン人11人が拘束。インドからの情報として、モサドがアルカイダに近づこうとしたが、失敗したとのだという。
●2000.4.19……イスラエルの犯罪グループがEcstasyをばらまいている。“Art Student Spy Ring”はこの犯罪グループと関係有り。
●2000.12〜2001.4……ドイツからの情報では、“Art Student Spy Ring”が、Atta と Marwan Alshehhi を尾行していたという。2人の近くに住む。
●2001.6……これらのイスラエルのエージェントや犯罪グループ120人は、6月ごろまでに国外追放になる。
●2001.8……ドイツの新聞によると、イスラエルのモサドが、アルカイダのテロについてアメリカに警告。テロリストのリストを渡す。詳細は不明だが、Nawaf Alhazmi, Khalid Almihdhar, Marwan Alshehhi, and Mohamed Attaの4人が入っていたことは確実。モサドが“Art Student Spy Ring”を通して、アルカイダの計画を把握していたことは充分考えられる。モサドの目的はなんだったのか? 一方、この情報に対してアメリカは反応しない。アメリカ政府は、9.11以前にアタについての情報はなかったと主張。
●2001.9.4……イスラエル政府が49%出資しているイスラエルの船会社がWTCから引っ越す。6ヵ月前から引っ越しを計画。もう1社WTCにイスラエルの会社が入っていたが、9.11当日、全員無事。
●2001.9.11……イスラエルの会社Odigo, Incの職員2人が、WTCに飛行機が突っ込む2時間前にテロの警告を受ける。どこから情報が入ったかは、追跡できない。Odigo, IncはWTCのふたつ隣のビルにある。イスラエルの警察とFBIは、テロの直後に知らせを受ける。
●2001.9.11……WTCが崩れる様子をビデオに写し、狂気している5人のイスラエル人が逮捕される。うち1人は靴下の中に現金を隠しもち、もう1人はふたつパスポートをもっていた。その他地図やカッターがワゴンの中から出てくる。FBIは、少なくともこのうち2人はモサドと確信。全員、71日後に釈放される。
●2001.9.11……ハイジャックされた飛行機で殺された1人は、イスラエルの国防省の特務機関 Sayeret Matkalのメンバー。
●2001.9.14……イスラエルからSayeret Matkalがアメリカに来て、アメリカ兵を秘密の基地で特訓。パキスタンの核兵器が「間違った相手」に渡ったときにそなえ、パキスタンを攻撃し、核兵器を取り上げる訓練をはじめたという。この日、パキスタンのイスラマバード航空は閉鎖された。
●2001.9〜11……この間に、60人の挙動不審のイスラエル人が逮捕、拘束される。FOXNEWSが“Art Student Spy Ring”の特集を放映、Webにも載せるが、のちに圧力がかかり、Webから取り下げる。
●2002.3.6……ワシントン・ポストは、“Art Student Spy Ring”は存在しなかったという記事をのせる。New York Timesはこのことについてはひと言もふれない。
●2002.5.7……“Art Student Spy Ring”の学生は本当のスパイが活動するための、おとりだったのか? イスラエルはテロリストに目をつけることでアメリカを助けたのか?
●9.11でいったい誰が一番、得をしたか?
Israeli_"art_student"_spy_ring, Israeli_foreknowledge_evidence
By Paul Thompson
■パキスタン国籍のテロリストはアメリカに引き渡さない[030416 Dawn]
●アメリカでひらかれたU.S.-Pakistan joint working group on terrorismで、パキスタンは、パキスタン国籍のテロリストはアメリカに引き渡さないことを言明。
●Ahmad Omar Shaikhであってもも引き渡さない。アメリカはこのことをすでに了承しているので、テロリストの引き渡しについて話題にならなかった。
●パキスタン生まれで、今アメリカ国籍をもっている女性アルカイダMs Siddiquiは、もしかしたら引き渡すかもしれない。
Pakistanis will not be extradited, US told
By Our Correspondent
WASHINGTON
■アフガニスタンの国家づくり[030416 Washington Post]
●アフガニスタンの国家づくり。アメリカ主導の国づくりはなかなかうまくいってない。
●アフガン兵を訓練する一方、アメリカは今だに原理主義者に対抗できるよう、武将たちに武器を配給している。これが逆に、たびたび中央政府に対して用いられている。また、アメリカは逮捕状なしに、テロ疑惑者たちを拘束しているが、これがアフガン人たちに大きな不満となっている。
●一方、アメリカは、アメリカ資本の会社が道路を造ったり、お金の援助をも行なっている。地方にも、建設事業を始めている。アメリカと国際社会は、Nation-buildingではなく、state-buildingをしている。
●アメリカは去年、人道援助にほとんどのお金を使ったが、今年は軍隊づくりに使う。アフガン国民は、政府高官の贅沢品として援助金が使われていると考え、いらだっている。これを受けて、カルザイ政権は、もっと慎重に援助金を使い方を決めることを決定。
●アメリカと日本、サウジが180万ドル寄付し、カブール―カンダハル間のハイウェイをアメリカ資本の会社が造る。しかし地元の人は不満。自分たちが造ればもっと安くつくと訴える。お金を道路に使いすぎていること、アフガン人に仕事がこないことに不満。
●これまで通りの援助金がもらえたら、アフガンは10年後に自立できるが、援助金が途絶えたら、また混沌の世界になると大蔵大臣が言う。それでも、今までは銃で解決していたことを、話し合いで解決するようになった。しかし、選挙に関してはまだ混沌とした状態。また安全も確立されていない。
Nation-building in Afghanistan
By Marc Kaufman
THE WASHINGTON POST
■Warlordはやりたい放題[030415 Washington Post]
●カンダハルの知事、Gul Agha Shirzaiは、元武将で、今はアメリカ公認のカンダハル知事である。アメリカを利用しながら、好き勝手なことをしていて、いまだ武将の体質は抜けない。カンダハルがいまだになんとか安定しているのは、アメリカがいるおかげ。そのうちタリバンにやられるにちがいない。
Afghan Governor Strains To Shed Warlord Image
Gul Agha's Rule in Kandahar Dismays Some in Kabul
Washington Post Staff Writer
■最近のパキスタンの印刷物[030414 Reuters]
●最近のパキスタンの原理主義系の印刷物は危険だ。
●ほとんど根拠がなく、陰謀の不正確な情報に満ちていると、Ahmed Rashid(『タリバン』著者)。
●最近のパキスタンのウルドゥ語新聞全体が、反西欧の見解を載せている。
FEATURE-Pakistan's radical papers preach jihad, target US
By Amir Zia
KARACHI
Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003.