【2003年05月19日〜05月25日】


■崩壊の道で[030525 Guardians]

一見カブールはサクセス・ストーリーのように見える。なるほど、廃墟はそのままだ。しかしその周りの、生き生きとした経済や社会には、目を見張るものがある。レストランが開店、イランのカバーブハウスが繁盛。アガ・ハーンが5つ星ホテルを建設中。外交官や国連の存在のおかげで家賃は高騰。タクシーが大繁盛。しかしアフガンにいなくても、その影にある力に気づかざるを得ない。

この春、タリバンとアルカイダは新しい段階に入り、新しい方法論、処刑をはじめた。まず最初の事件は、カブールの南、カンダハルからヘラートへ移動中のアメリカ兵2人が、オートバイに乗った男たちに殺された。最初は親しげに手を振ってきたのが、急に銃を発砲したのだ。その後、カンダハルの北のOruzgan地区で赤十字の職員が殺された。まず最初に連隊を組んでいた車の1台1台が捜査され、そこに外国人がいることが確認されると、外に引きずりだされた。犯人の1人が衛星電話で、おそらくパキスタンにいると思われる誰かと交信。直後に銃殺された。皮肉にも、このグループの司令官の命は、以前赤十字によって助けられていた。その数日後、今度は1人のオートバイで旅行中のイタリア人が殺されている。これらの事件は、タリバンたちが、すべての「外国人」がターゲットになるという声明の後にはじまった。国連はすぐに南部への立ち入りを禁止し、その他の援助団体もカンダハル近郊から引き上げた。先週、アメリカ大使館の警備にあたっていたアメリカ兵で、誤ってアフガン人を5人殺してしまったことも、いかに外国人が脅えているか、その様子がうかがえる。

タリバンは大胆になっている。2月にオマール氏が2001年12月以来、始めてメッセージを出した。「決起し、異教徒とその操り人形に対して剣を使え」。これらのスローガンをうたったビラは、たいがいパキスタンのアフガン難民キャンプに出回る。カブールに出回ることもある。3月にはヘクマチアルが声明を出した。アフガンの親西欧政権、カルザイを「アメリカのショーボーイ」と非難。アメリカ人は瓦礫の山になるだろうと謳った。ヘクマチアルの声明は皮肉に満ちている。彼は80年代のロシアとの戦いで、CIAのエージェントとして働き、アメリカから膨大な量の金と武器を支給されていたのだ。

西欧がアフガンで果たすことのできない約束をしてから、すでに18ヵ月経つ。2001年の労働党議会でブレアは、「他の国が何度もしたように、我々はアフガンから去ることはない」と言った。その後ブレアは国会で、アフガンに「民主的政治構造」を作ると主張。先月イラク戦争の際は、イギリスとアメリカがそろって、ならず者国家の排除のために、アフガンの国造りをモデルとすると語った。

イギリスと連合軍がバグダッドに接近している最中、私とドキュメンタリー・フィルムメーカーのPaul YuleはChannel 4の番組作りのためにカブールに飛んだ。イギリスと西欧が、我々が約束したことを実現しているか、確認したかった。アフガンがブレアが約束した、安定への途上にあるのか、明るい未来の途上にあるのか。あるいは25年来と同じ恐怖と野蛮な世界なのか。そのために武将に会い、兵士や警察官、農民や難民、援助関係者、外交官に会った。

カルザイは世界でもっとも厳重に守られた人間だ。我々は5回のチェックを受け、やっと大統領宮殿に着く。正面限界の前には、CIA職員の住居がある。宮殿の静かな敷地の中にさえ、50歩の間隔で機関銃をもったアメリカ兵が構えている。我々はバグダッド陥落の日に、カルザイと会見した。彼はシャルワーズ・カミーズを着て、おしゃれだった。彼は西欧の友人であり、それが敵を作る理由だ。彼に、先日の東京会議で、アフガン再建のために約束された金額、5億ドルは、それで充分たりるのかと尋ねた。「とんでもない。79年と同じレベルに戻るためには、15から20億ドル必要だ」。彼はまた金が行くべきところに行ってないと訴えた。西欧のドナーたちは、カルザイに直接お金を渡すのではなく、外のエージェンシーを通して献金するために、去年入ってきたお金がどのくらいだったか、どのくらい使われたのか、まったく把握できてないという。このことによって、地方の勢力は、中央政府に不信感をもつようになった。

ケチな世界銀行でさえも、アフガン再建のために、10億ドル必要といっている。道路ひとつとってもこれは明かだ。今アフガンに道はまったくない。以前ヘラートからカンダハルまで6時間で行けたのに、今回の旅では、17時間、途中で1泊を強いられた。今のところ、道路再建のために $300mの援助を受けることになっているが、皮肉なことに、これはカブールのアメリカ大使館建設のために使われている金額と同じだ。

まして、西欧は治安の確保のための資金を援助しはしない。治安にかかわるいくつかの組織はあるにはあるが、どれもそれぞれ別々の目的をもつ。11,000人のアメリカ兵 、主にSpecial Forcesがいるが、これはまだテロに対する戦いを行なっている。これは終わりのない戦いのように見える。まるでヴェトナム戦争だ。一般民衆の治安はInternational Security Assistance Forceが請け負う。しかしこのISAFはカブールだけで機能していて、地方でもこれを展開したいというカルザイの要請は断わられている。スペインとイタリア兵からなるISAFは、現地ではinternational shopping-a-lot forceと揶揄されている。

治安に対する要請は、アフガンにおける国連代表のブラヒミも要求していることである。問題を起こしている地域に、数千だけでもサポートがいれば、1〜2年でアフガンは自分たちでやっていけたはずだという。ボスニアでは113人に1人のISAF兵士がいたし、東チモールでは66人に1人、コソボでは48人に1人だ。アフガンでは、約5380人に対してたった1人のISAF兵士しかいない。ここにも、西欧の裏切りがあったといえる。中央以外にはISAF兵士は1人もいないため、武将やその武装兵たちが好き勝手をしている。その数は200,000人といわれ、国際勢力は、中央政府の治安を確保することで、やっと武将たちに対抗しようとしていえる。しかしときとして膨大な被害を受け、どんなに良く言っても、あまり役に立っているとはいえない。

ドイツによって訓練された警察組織も、あることはある。私たちがカブールのDistrict Four police HQを訪れると、警察所長が警察官に給料を払う金がないと嘆いていた。「腹がすいた人は論理や理性がない。彼らは腹がすいているから、罪人と一緒に行動している」。カブール郊外の District Fourteenで、ハザラ族が自衛団を形成している所へ行ってみた。彼らにとって、地元の警察は恐ろしい物以外ではない。警察自身がさまざまな殺人な強盗事件の裏にいるし、強力な武将と結託した警官が、カブールの戦争で敵側についたということで、ハザラ族に復讐をしているという。

警官に給料を払えないという事実は、さらなる問題をはらんでいる。市民に払う金がないために、政府高官さえも、汚職に走る。カルザイは勇気のある男だ。しかし、彼はどうにもならない問題に直面しており、それは自分自身が蒔いた種でもある。西欧が援助金を払わないことや、治安維持に強力しないことにより、カルザイは骨抜きにされてしまったのだ。カブール外で、彼は直接の権力をもたない。残りの地域は、すべて武将と地元のコマンダーの手にある。カンダハルではGul Agha Shirzai、北ではドスタム将軍とアタ。西ではヘラートのイスマイル・ハーン。

ヘラートでイスマイル・ハーンは忙しくしていた。テーブルを囲んで人々と話し合いを行なっている最中だった。1人1人呼ばれては、この武将の隣りに座り、訴える。彼は辛抱強く訴えを聞く。1人の女性がワークショップを作るためにお金が必要だという。彼は部下にお金を与えるようにいう。ある未亡人は、お金がないために病気の息子を病院に入れることができないという。彼は自身で病院に電話をして、入院を許可するように交渉する。彼のいる部屋を取り巻いている武装した兵士たちを除けば、それはまるで聖書の中のシーンのようだった。イスマイル・ハーンは白い服を身につけ、灰色のターバンをまいている。小男で、彼の顔は、さまざまな経験をしてきたことを記している。彼を見ていると、評判のいい中世のイギリス君主がどのような様子だったかが、わかるような気がする。彼はロシアと戦い、そしてタリバンと戦った。3年半投獄され、その後イランに亡命。アメリカがアフガンに侵攻してから、ヘラートに戻ってきた。ヘラートからカルザイに名目上、忠誠を誓っている。その恩恵として、自分の領地を確保する。約50,000人からなる自分の軍隊をもち、自分の学校、病院、公園をもつ。すべてイラン国境から入る関税でまかなう。1日約$800,000の収入がある。このほとんどは、絶望的なカルザイには届かない。この問題は非常に大きいために、先週カルザイはハーンのような武将たちが関税を中央政府に払わなければ辞任すると脅迫したほどだ。

イスマイル・ハーンは非常にデリケートな政治ゲームを行なっている。イランは彼をその影響下に入れようとしている。一方、中央政府は彼をコントロールしようとする。彼は自身のイスラム法を適用しているが、それはタリバンのものよりは寛容だ。我々はある金曜日に、ハーンが田舎の村々にでかけた際、お供した。彼は女の子の学校を開校しただけでなく、女性を教育する恩恵について、自分の兵士たちに厳しい講義を行なった。西欧の人権運動家が、女性に対する仕打ちに関して彼を訴えているが、私たちはそれをヘラートで確認することはできなかった。ハーンに対立する人々は、彼のことを話すとぶるぶる震える。最近、人権団体がヘラートにオフィスを置いた。ハーンの警察のチーフが、その客の1人、ジャーナリストを尾行し、意識がなくなるまで暴力をふるった。今そのジャーナリストはイランに亡命して、命を狙われている。私たちの滞在中にも、医者がこの秘密警察に狙われたことがあった。しかし彼は間違いなく人気があり、成功している。他の武将よりも魅力的でもある。しかし彼や彼みたいな武将は、カルザイや彼の後ろにいるイギリス人アメリカ人たちがしようとしている現代化にとっては、大きな障害となってたちはだかる。中央政府は、ハーンがため込んでいる関税なしでは、機能しない。そして私的軍隊がはびこっている限り、法や秩序は確立しない。

カルザイはその解決法のひとつはAfghanistan National Armyであることを知っている。70,000人の軍隊を作ることを希望しているが、まだまだ先のことだ。多くの兵士たちは部族に忠実なムジャヒディンたちだ。

軍隊を作ることは重要なことだが、武装兵士を非武装化することは難しい。我々は国連のブラヒミのもとで行われた、歴史的な非武装化合意の調印に立ちあった。これは、1年で100,000人の武装兵を非武装化する計画だ。あるものは軍に入り、ある者には仕事が与えられる。簡単なことだ。兵士たちは武器と武将からの証明書と引き換えに、お金をもらう。その金額はまだ決まってない。「オープン・マーケットで武器が買える値段よりも安くなければならない」とある国連職員。この計画は問題が多い。カルザイの防衛大臣、 そして強力な武将でもあるMarshall Fahimがこの調印に欠席したのだ。パシュトゥンの間では、この計画は北部同盟の陰謀ではないかという噂がたっている。いつイスマイル・ハーンの武器を取り上げるかということは、誰も言い出さない。公的にハーンはこの計画には賛成しているが、裏では反対している。しかしこれが最大の問題ではない。地方では、アメリカ軍が、アルカイダとの戦いで強力してくれる武将たちに武器を与え、カネをばらまいているのだ。カルザイが国の軍隊を養成しようとしている最中に、彼の同盟たちは、彼を裏切っている。希望なく、資金もなく、治安維持も実現せずに、彼を助けるはずのアメリカ人たちにさえも傷つけられ、カルザイは孤立している。彼とアフガニスタンは毎日イギリス、アメリカ、西欧に裏切られている。

right【そ】On the roads of ruin
Peter Oborne


■来年、アフガンでの作戦は縮小する可能性ありとアメリカ将校[030523 Reuters]

来年の夏には、アフガンでのアメリカ軍の規模と役割は縮小するだろうと、アメリカの司令官が語った。国連は、アフガンの治安に対して懸念を示しているとし、不安定の地域もあるが、以前よりはずっと良くなった述べ、アルカイダやタリバンもいることはいるが、その規模は縮小され、脅威ではないとも。

hoonAfghan scale-down possible next year-US general
By Olivier Fabre
BAGRAM


■ザワヒリと隠されたメッセージ[030523 Asia Times]

水曜日にアルジャジーラによって放送されたザワヒリのメッセージの信憑性は、まだ今後検討する必要があるが、当人らしいとする専門家もいる。彼の声よりも若いともいわれるが。ザワヒリのメッセージは去年の10月6日に続いて2つ目である。

去年の1月以来、ザワヒリの運命については、諸説いろいろある。ある説によると、ザワヒリとその妻はアメリカの空爆で死亡したという。またある説によると、妻だけが死亡し、彼自身はパキスタンに逃げ、そこからパングラデシュに行った。またある説によると、アフガンからイランに逃亡したという。

アフガンとパキスタンでは、ビンラディンに対して愛を感じている人が多い。従って、アフガンやパキスタンの北西辺境州やパロチスタンで、彼の逮捕に強力する人はいないだろう。しかし、ザワヒリに対しては同じ気持ちを持ってない。もし生きているとしたら、ビンラディンほど、身の安全を感じることはないだろう。彼が他の国に逃亡すると考えたほうが自然だ。

2人が完全に死亡したという証拠がない限り、反テロのエージェンシーは彼らがまだアルカイダを率いていると考えなければならない。そして彼らのメッセージも、それが偽物であるということが証明されるまで、彼らからのものと考えなければならない。

ザワヒリの放送を注意深く検討する必要がある。まず、それは完全にイラクと関連している。アルカイダがいつも強調する、パレスチナやサウジのような、イスラム国におけるアメリカの存在など、他のことに関しては触れてない。次に、メッセージの重要な部分は、彼らと同じ宗教をもつ人々の団結を強調することで、イラクの人々のモラルを保とうと試みている。3番目に、イラクに連合軍が攻め入った後に、しかも、リアドやサカサブランカの爆破前に録音されたということである。

メッセージは最後に、「近々、あなたがたの胸がすっとするようなニュースがくるだろう」と結んでいる。これは、彼が情報を得ていたリアドやカサブランカの爆発を意味するともとれるし、近日中に起こる新たなテロについての警告ともとらえられる。4番目に、エジプト、ヨルダン、クエート、カタール、バーレン、イエメンを、イラク戦争に反対しながらも、その占領者と強力したことを責めている。なぜここにサウジが入らないのかは不明だし、さらに、彼らに対してジハードを呼びかけていない。

5番目に、アメリカ、イギリス、オーストリアとノルウェーに対する攻撃を呼びかける。「イスラム教徒よ、アメリカ、イギリス、オーストラリア、ノルウェーの大使館とその機関、会社、従業員に対して攻撃しなさい。彼らの足の下の地面を燃やしさない。彼らを保護し、安全を図り、保証する必要はない。これらの犯罪者は国から追い出しなさい。イラクの兄弟を殺したアメリカとイギリスとオーストラリアとノルウェーと、他の十字軍をあなたがたの国に住むことを許してはなりません。彼らの財力を奪い、破壊しなさい」。

メッセージ全体がイラクの連合軍の占領の結果であることから、アメリカとイギリス、オーストラリアへの攻撃は仕方ないとしも、なぜノルウェーなのか? デンマークは小さな部隊を派遣しているが。ノルウェーはイラク戦争には参加しなかったが、アフガンでのテロ戦では、小さなユニットを派遣している。

ある人たちは、ノルウェーというのは、デンマークとまちがえたのではないかという。ザワヒリはインテリだといわれる。彼がそのような間違いをしたとは考えにくい。ということは、このメッセージは他の誰かによって録音され、その人はノルウェーとデンマークの区別がつかなかったといえる。ザワヒリの名前を語り、イラクの占領に対する報復として、アルカイダやIIFの生き残りを活性化させようとして。

10月6日の彼のメッセージはインタビュー形式で行われ、彼はこう語った。「神の意志により、我々はアメリカ経済の核を攻撃続ける」。このテープが世に出た4日後に、テロリストはバリを攻撃し、180人死亡した。

smellAyman al-Zawahiri and the cryptic message
By B Raman


■デリー、闘士で闘士を迎え撃つ?[030523 Asia Times]

パキスタンとインドとの関係にある程度の平和の動きがあるようには見えるが、まだまだ裏では不穏な動きがある。

パキスタン政府内のある情報筋が『Asia Times』に語ったところ、パキスタン内務省は過去3ヵ月の間に、消滅したと思われていたal-Zulfiqar Organization(AZO) が再び活動し始めたという諜報部からの報告を受け取ったという。

1979年に、 General Zia ul-Haqは、前大統領のZulfiqar Ali Bhuttoを1981年に処刑した。その結果、2人の息子、Murtazaと Shabazが、 al-Zulfiqar(剣)という反抗組織を作り、ハク大統領の暗殺を計画したり、パキスタン航空をハイジャックして、カブールに飛んだりするなど、テロ行為を行なっていた。

これと関連して、13年前にカラチで起きた爆発事件と関係があるとして、シンド警察がAli Mohammed Sonaraを逮捕したことは重要な意味をもつ。Sonaraは一時AZOのchief operations officerであった。政府高官がAsia Timesに語ったことでは、パキスタンの諜報部は、Sonaraがインドの諜報部、Research and Analysis Wing(RAW)と、パキスタンの闘争員に対する攻撃に関連して接触を図っていたのではないかと案じていたという。

ムシャラフの努力にもかかわらずに、パキスタン戦闘員のインド流失は続き、カシミールではいまだ平和が訪れない。またサウジやモロッコでの爆破テロ事件に促され、パキスタンでも何か起こるののではないかと、パキスタンは警戒している。インドにとっては、パキスタンがテロの温床であるという印象を与えたり、国が不安定になるのは、自国にとって都合がいい。これにより、インドはアメリカがパキスタンにさらに圧力をかけ、Laskhar-i-Taiba, the Jaish-i-Mohammed, al-Badrとthe Hizbul Mujahideenなどの、カシミールに流入するジハード団を根絶する力ともなることを望む。イスラマバードは既にアメリカの圧力のもとで、いくつかの過激グループの活動を禁止させた。しかし、al-Badrとthe Hizbul Mujahideenはいまだ禁止されてない。またこれらの団体のメンバーたちは、逮捕されてもすぐに釈放されてしまうので、これは見せかけの措置にすぎないという見方もされている。これに対処するために、インドはAZOを使って、闘争員たちの問題を解決しようとしているようだ。

パキスタン政府は80年にAZOを崩壊させたが、 Murtazaはシリアに逃亡、そして多くのAZOのメンバーはニュー・デリーとカブールに逃げた。当時の Pakistan People's Party(PPP)はZulfiqar Ali Bhuttoの娘の Benazir Bhuttoに導かれ、 AZOの活動を支持せず、PPPからそのメンバーを追放した。88年にBenazir Bhuttoが大統領になると、兄の Murtazaはパキスタンに帰国し、Benazirのライバル政党Shaheed Bhuttoを立ち上げた。その多くのメンバーは、前AZO党員である。

Benazirが大統領として2度目の任務についているとき、96年に諜報部は、Murtazaの右腕、Ali Mohammed Sonaraを、1990年のカラチの爆破事件と関連があるとして逮捕した。その理由として、 Sonaraとインドとの関係がとりあげられている。Murtazaはこれに怒り抗議したが、Sonaraの釈放は果たせなかった。後に保釈されたが、6月14日に再逮捕。同時に、諜報部はMurtazaをRAWとの関係で家宅捜査した。Murtazaは反抗し、銃の応酬があり銃弾を受けた。目撃者によると、Benazirは病院で弟を抱きしめ、またもや兄弟が陰謀によって殺されたと泣いたという。それに先立ち、彼女のもう1人の兄弟のShabazも、謎の死を遂げた。噂によると、彼はパリで、ISIによって毒殺されたという。

この後、 AZOは公的にはパキスタンから姿を消した。しかしその多くはPPP(Shaheed Bhutto)に吸収され、今はMurtazaの寡婦、シリア生まれの Ginwa Bhuttoをリーダーとしている。

現在、パキスタンの諜報部はAZOの復活をもう一度調べ直している。パキスタンにおけるインドに画策されたテロ行為と、パキスタンに画策されたカシミールでのテロ行為に何らかの違いがあるだろうか。

smellgarrDelhi: Fighting militancy with militancy?
By Syed Saleem Shahzad
KARACHI


■アメリカ、パキスタンが活動禁止されたジハード団の資金を凍結するよう依頼[030523 The Nation]

アメリカがパキスタンの活動を禁止されたジハードに流れる資金源を凍結し、この習慣を根絶することを要求したことがわかった。これは、パキスタンにジハード団や国際テロリストに資金を流している要素を制御するための新しい政策を行なうよう、アメリカが最近出した要求である。

政府はこの件に関して、アメリカの要求にできるだけ沿うように計画、テログループの資金援助者たちは制裁を加えられることになる。アメリカは、マネー・ロンダリングを調べる法律を設立するだけでは不十分で、数多くの抜け道をふさぐ必要があるという。また、これまでの法律はテロ組織に資金を流すパイプラインを完全に止めるには至ってないという。アメリカは、裕福な国民が、世界中のイスラム教徒を助けるために、ジハード費としてお金を寄付することは高貴な行為だという考えることに対して、懸念を示している。ムシャラフは、アメリカがアフガンでの対テロ戦を行なったときに、ジハード団体や宗教組織の活動を禁止した。当時、Hafiz Saeed率いるLashkar-e-Tayyaba、Maulana Fazlur Rehman Khalil率いる Harkatul MujahideenとMasood Azhar率いるJaish-e-Mohammadの活動を停止させた。後に、これらの組織は名前を改称して再び活動し始めた。内務大臣は最近プレスに対して、政府は、改称した過激派に対して制裁を加える準備があることを表明していた。またラワルピンディで不法営業しているmoney-changersたちを捜査し、横流しをしてないか、摘発している。

smellUS asks Pakistan to choke banned Jehadi outfits funding
From Umar Cheema
ISLAMABAD


■オマール氏の下で反カルザイ勢力結集[030523 Daily Times]

オマールの下で、反カルザイ勢力が結束しつつある。「Hizb-e-Islamiのリーダー、ヘクマチアルと、タリバンのリーダー、オマール、そしてJalaluddin Haqqani司令官の軍隊が、アメリカとアフガン新政権に対して同盟した」と情報筋。「オマールがリーダーとなり、ヘクマチアルとハッカーニは副官となった。他の有力者たちもこの3人の下でさまざまな地位についている」という。

この他に、メディアに対処するために別のグループも組織され、パシュトゥ、ダリ、ペルシア語の記事を用意、アフガン人に連合軍とアフガン政府に反旗ひるがえすよう、準備を整えているという。

ヘクマチアルはアフガンのさまざまな地域を訪れ、政府に対してジハードの準備をしているという。「アフガン全体がパシュトゥン、ウズベク、タジクというように民族的に分けられ、司令官たちも民族別に指導している」とも。

ヘクマチアルはアフガン全体に自分の諜報システムを張り巡らし、その組織のチーフは、彼だけに従うという。また「アフガニスタンのさまざまな武将と接触し、アフガン政府に対抗して戦うことを促した」。

garrAnti-Karzai forces rallying under Mulla Omar
By Mohammad Imran


■ベルギーでビンラディンを知っていた男が判決を受ける[030522 Reuters]

木曜日に、ベルギーではアルカイダの協力者たちに対する裁判が開始した。これには、チュニジアの元フットボール選手、iNizar ben Abdelaziz Trabelsiが含まれ、彼は去年のラジオ放送で、ビンラディンを知っていて、尊敬していると述べた。また、アメリカの核兵器が保存されているという、Kleine Brogel空軍基地を爆破する計画があったと述べた。Trabelsiは挙動不審でブリュッセルで逮捕されていた。

その他2人のアルジェリア人生まれのAmor ben Mohamed Slitiとチュニジア生まれのTarek ben Habib Maaroufiはアフガンの司令官、Ahmad Shah Masood殺害で起訴される。2つのベルギー国籍のパスポートが、Masood司令官殺害犯の遺体から発見されている。

hoonBelgium puts man who knew bin Laden on trial
By Gilles Castonguay
BRUSSELS


■ザワヒリのテープはアルカイダの残虐な恐ろしさを示す[030522 Reuters]

アルジャジーラが放映したアルカイダのナンバー2からのテープは、これまでのアルカイダのパターンに合致する。攻撃の直後に出現し、また次がくるかもしれないというパニックを植えつけるのだ。

オサマの片腕であるザワヒリは、いつもオサマの背後に静かに存在するため、一般にはこれまであまりなじみがないが、彼はアルカイダの頭脳である。エジプト生まれの医者で、73年にEgyptian Islamic Jihadが結成されたときに加盟。サダト暗殺の際に、逮捕もされている。アルカイダに多くのエジプト人を呼び入れた。

11月にパキスタン人レポーターとのインタビュー以来、一般には姿を見せてないが、ビンラディンと一緒に行動していることは確実と思われる。妻と3人の娘は2001年12月のカンダハル爆撃の際、死亡したといわれる。

garrZawahri tape shows importance of Qaeda eminence grise
By Jane Macartney, Asian Diplomatic Correspondent
SINGAPORE


■有名なアフガン武将、首都に移動[030522 Reuters]

カルザイのアドバイザーによると、ドスタム将軍は北アフガニスタンのdeputy defence ministerとしての任務にははもやなく、軍隊と治安アドヴァイザーとしてカブールに移動することになったという。ドスタム将軍はこれを受け入れたとのこと。これはドスタムを弱体化するための措置であるかという質問に対しては「逆に、彼は昇進したのだ」とのこと。

アナリストによると、ドスタムをカブールに移動することにより、カルザイは北部での武力衝突を緩和して、国を統一するための障害を失くそうとしているという。

ドスタムは共産主義政権以前からの将軍で、20年近くも君臨してきた。タリバン政権に対しては対抗勢力として活動。しかし北部で幾度と対立する勢力と衝突してきたために、カブールの怒りを買っていた。

ohNotorious Afghan warlord moved to capital
KABUL


■アフガン、2004年の選挙のためのレジスター[030522 AP]

2004年9月の大統領選挙のために、選挙民を登録するというとほうもない仕事を開始したいと国連の高官。

登録は困難を極める。難民をどうやって追跡したらいいのか。少なくとも200万人のアフガンが難民として海外で生活。残りの60万人が国の中にいる。「アフガニスタンでは、ともかくすべての場所をくまなく捜すことはできないにもかかわらず、遊牧民たちをそうやって捜し出し、登録しなけさばならない」という。

登録には8000万ドル必要。カルザイはUNのアナン事務局長に手紙を書き、アフガンはこれまで選挙をしたことがなく、アフガンだけでこれをやることは不可能だと述べた。アナン氏は、「我々は4000人のアフガン人スタッフを採用し、300人の外国人スタッフを派遣。我々は除外されたと思う人が誰もいないように、全力を尽くす」と述べた。

hoonAfghans to Register Voters for 2004
By TODD PITMAN


■パキスタンの原理主義、タリバンの記憶を蘇らせる[030522 Reuters]

パキスタン北西辺境州では、音楽やビデオの禁止、女性のポスターの禁止、そしてアルコールの禁止を決定。女性のヴェールの着用も、話題になっている。

北西辺境種のchief executive、Akram Durraniは「完全なイスラム社会の構造にむけて貢献するための指令」という。「社会のルールや道徳に反した行動は許さない」。先週、CDや音楽テープ、ビデオを販売していたとして、150の店主が逮捕された。

人権団体は、社会のいわゆる"Talibanisation"(タリバン化)に警戒、アフガンとの国境の町でのイスラムの力の増大を警戒している。「MMAはタリバンのパキスタン・ヴァージョン」とパキスタンの人権団体の会長のAfrasiab Khattack。

MMAが北西辺境州やバロチスタンで強力になったことにより、アメリカ主導のタリバンとアルカイダ逮捕に支障がきたすのではないかという畏れもある。しかしアナリストによると、地方政府はタリバンに同情的であるが、タリバンとアルカイダが隠れているといわれる国境での出来事については、あまり関心をもってない。

今のところMMAは、生活水準の向上には貢献せず、厳しいイスラム法を用いることで、その熱狂的支持者の気持ちを掴もうとしている。タリバンとちがって、MMAが決まりを強制するその方法は、何か中途半端だ。キサハニ・バザールの音楽ショップでは、いまだに音楽テープやビデオを売っている。道で商品を展示することはできないが、ポスターを販売することはできる。とはいえ、外から直接見えず、店の中に入ってはじめて見えるように、店の中に向けて展示ているのだ。「店はまるで銭湯(公衆浴場)のようだ」とある店主が笑っていた。

ある店主は、「宣伝しないで、どうやって売ったらいいのか」と訴えていた。「収入は半減だ」。商品は確かにあまり見れなくなったが、ペシャワールでは買いたいものは何でも手に入る。アナリストは、MMAはタリバンよりももっとプラグマテックであり、イスラム過激主義に対する民主的、国際的関心のなかで、自分たちの主義をどこまで主張できるか、その限界を知っている。逮捕されたほとんどの店主たちは、その晩にもう解放された。新聞記者のRahimullah Yusufzaiによれば、タリバンとちがって、彼らはヒゲを生やしたり、女性がブルカをかぶることは強制しないだろう、という。男女共学を禁止しようとしたが、これは今のところ実現されてない。「それは不可能だ。そんなことはしないだろう」とも。「彼らには資金源が不足していることと、軍隊や西洋の反応に敏感だ。いろいろ妥協をして、現実にあわせていくだろ」

hoonPakistani Islamists stir memories of Taliban
By Zeeshan Haider


■アメリカ、1998年にオサマを捕まえる計画を断念[030522 Daily Times]

前FBIエージェントで現在ABCニュースのコンサルタントのJack Cloonanは、98年にカンダハルを攻撃してオサマを逮捕する計画があったことを暴露。

それによると、アメリカは飛行機でカンダハルに飛び、オサマがいるといわれていた敷地に降りて攻撃、オサマを捕まえるというものだったが、当時のAttorney General Janet Renoが、危険が大きすぎるとして作戦を中止。

CloonanはFBIの秘密部隊の一員で、オサマを捕らえる任についていた。96年以来、FBIとCIAのエージェントが秘密裏にAlex Stationに送られていた。これはVirginia州のAlexandriaにある秘密基地で、オサマを捕らえるために設置された。Cloonanは13人いたチームの1人とのこと。アフガニスタンと似たような砂漠の地形を利用して、飛行機の離発着を訓練していたという。

ohUS dropped plan to grab Osama in 1998
By Khalid Hasan


■ムシャラフが軍のポストからの辞任を迫られる[030521 AP]

パキスタンの原理主義政党たちが、ムシャラフ大統領に、8月14日までに軍の責任者としての地位から辞任を要求。辞任しなければ抗議されるだろうと主張。ムシャラフ政権に反対する原理主義政党のムスリム連盟MMAは、13週間に渡ってムシャラフに、国の責任者としての地位をとるか、軍の責任者の地位をとるか、その選択を迫っている。

イギリスとその前植民地からなるThe 54-nation Commonwealthは、99年にムシャラフが無血クーデターで大統領の地位についたときにパキスタンを除外しが、火曜日に、再びパキスタンの加入を拒否。ムシャラフは民主主義を実行するために、もっと努力しなければならないと述べた。

hoongarrMusharraf Faces Calls to Quit Army Post
By MUNIR AHMAD


■アルカイダらしき団体がさらなる攻撃を宣言[030521 AP]

カタールのアルジャジーラ衛星放送が、白いターバンを巻いたザワヒリの写真と、イスラム教徒に対してユダヤ人とアメリカとその同盟に攻撃をしかけるよう、呼びかけるテープを流した。アメリカの諜報部によると、このテープはザワヒリのものである可能性が高いという。

「主張したり、デモをしたり、話し合ってもなにもならない。武器を持ち、敵、アメリカ人とユダヤ人を傷つけることしか、方法はない」。「イスラム教徒たちよ、アメリカ、イギリス、オーストラリア、ノルウェーの大使館とその機関、会社や従業員に対して決定を下せ。彼らの足の下の地を、炎で燃やせ」。「サウジの飛行場から、飛行機が飛び立つ。クェートから重装備の部隊が行進していく。カタールには作戦の本部がある。バーレンにはアメリカの第5艦隊がある。エジプトでは艦隊が運河を通過する。イエメンでは十字軍の船に燃料が供給される。ヨルダンには十字軍の部隊が駐留し、パトリオット・ミサイルがイスラエルを守るために設置されている」

カイロのジャーナリスト、Mohammed Salahによると、このテープではパグダッドの陥落については触れられてないので、イラク戦争の最中に録音されたのではないかという。サウジやカサブランカの爆破事件についても触れられてなかった。

アルジャジーラのチーフ・エディターは、火曜日にテープを入手したとAPに述べたが、その方法については黙秘。「あまりいい録音ではないが、全部で11分ある。」と。パウエルは、アルジャジーラでテープを放送したことに関して、「この地域の敵意を助長させ、テロリストに放送を利用させているだけ」と批判した。

またサウジは、スーダンに向けて飛び立とうとしていた飛行機をハイジャックしようとしたとして、3人の容疑者を逮捕した。

garr【が】Alleged al-Qaida Tape Urges More Attacks
By NADIA ABOU EL-MAGD


■パキスタンはHizbulの活動を停止する権限はないとFaisal[030521 Daily Times]

パキスタンは Hizbul Mujahideenは国内で活動しているグループではないので、この活動を禁止する権限はないと内務大臣の Faisal Saleh Hayatが発言。

Hizbul Mujahideenはカシミールの組織なので、アザド・カシミール政府が決めることだ。ただし、政府としては、第三国にテロを行なう団体を許すことはないとも。

またインドの放送局が、内務大臣のFaisalがHizbul Mujahideenの活動を禁止したと報道したことに関しても、そういう事実はないとした。またHizbul Mujahideenのスポークスマンも、これを否定。「我々はカシミール人だ。誰も我々がLine of Controlを越えることを妨げられない。我々の戦いは真実のもので、勝利するまで続ける」と主張した。Muslim ConferenceのリーダーSardar Qayyum Khanも、Hizbul Mujahideenに対して活動禁止はないと述べた。

パキスタンでの活動を禁止されたグループは、Lashkar-e-Taiba, Jaish-e-Muhammad, Harkatul Mujahideenとその他3つのグループである。

smellPakistan has no authority to ban Hizb, says Faisal
ISLAMABAD


■ジハード・グループの活動禁止は不可欠だったとFaisal[030521 The Nation]

内務大臣の Makhdoom Faisal Saleh Hayatは火曜日に、宗教団体やジハードを活動禁止することは、パキスタンにとって非常に大事だったと発言。また不法活動を行なうグループに対しても警告を発した。

BBCは内務大臣Faisalにインタヴューし、パキスタンがSipah-i-Muhammad、 Lashkar-i-Taiba、 Jaish-i-Muhammad、 Sipah-i-Sahabaを含む7つのジハード組織を不法としたと報告。リーダーの銀行口座が凍結され、事務所を閉鎖されたという。どのようなテロ活動をしていたかということに関しては、アフガニスタンに多くのメンバーを送り込みジハードを行ない、またタリバンに資金を流していたと発言。しかし、Lashkar-i-TaibaやJaish-i-Muhammadが、カシミールに対してジハードを行なっていたという印象を否定しようとした。

インドは、パキスタンがHizbul Mujahideenの活動を禁止したと発表した。それにもかかわらず、アザド・カシミールでは、Hizbul Mujahideenに対する制裁は加えられてない。それでも、これからは活動することはできなくなるだろうと内務大臣が述べたと報道。

内務大臣はいつこのグループが不法となったかについては述べてない。Hizbul Mujahideenのリーダーは、このような措置は受けていないと発言。これからもジハードを続けると表明。

smellBan on Jehadi groups was necessary, says Faisal
By Our Monitoring Desk


■パキスタンでも爆弾[030521 Asia Times]

5月15日に、パキスタンのカチラの21ヵ所の外国資本のガソリンスタンドで爆破事件があった。17日に、カラチの新聞社に、"Muslim United Army"(MUA) と名乗る団体から犯行声明が送られた。MUAの指導者はShaikh Ahmedといわれ、Asif Ramziの使命を受け継いだという。去年の10月の郵便物爆破事件で、オサマの率いる IIFのひとつ、Lashkar-e- Jhangvi(LEJ)が犯行声明を出したが、その中でAsif Ramziは、パキスタンのすべてのジハードグループは手を組み、MUAとなったと述べていた。警察によると、Asif Ramziは12月19日の不慮の爆発事件で死亡したといわれる。

ガソリンスタンド爆破事件は、アルカイダやIIFのパキスタン・メンバーの犯行だという証拠はまだないが、パキスタンはアメリカの機関に対して、アルカイダやIIFが攻撃をしかけてくる畏れがあるとして、警戒を呼びかけている。

4月29日に、カラチのアルカイダの隠れ家が摘発された。そこで2000年、イエメンのCole爆破事件の主犯Waleed Muhammad bin Attash(別名、Tawfiq bin Attash、 別名 Khalid al-Attash)と、Khalid Shaikh Mohammadの甥といわれるAli Abd al-Aziz(別名、 Ammar al-Baluchi)、そしてAbu Ammarの3人が逮捕された。

3人はパキスタンで尋問されてから、FBIに引き渡され、いまは国外にいるという。隠れ家からは、膨大な量の爆発物が押収され、この事件と関連してパキスタン人も数名逮捕された。彼らは、アフガニスタンとジャムー・カシミールでのジハードに参加していたという。

パキスタンがAttashを尋問したところ、去年、75人のアラブ人アルカイダがアフガニスタンからパキスタンに逃げ、カラチに隠れたという。そのうち、50人はいまだカラチにいるが、オサマの居場所については知らないと否定。またアルカイダは、アメリカのターゲットに対して自爆を行なうパキスタン人志願者を募集。これまで IIFのひとつ、Lashkar-e-Toiba(LET)から12人リクルートしたという。

リアドの爆破事件では、アルカイダとLashkar-e-Toiba(LET)の繋がりが見え隠れする。またカサブランカの事件ではアルカイダと地元のSalafi Jihadiが疑われている。2月11日のオサマの声明のなかで、サウジ、パキスタン、モロッコが非難され、これらの国に対してジハードを行ない、「解放」することを呼びかけていた。ヨルダン、ナイジェリア、イエメンも同様である。

モロッコのSalafi JihadiのリーダーのAhmed Raffikiは、パキスタンのLETのリーダーと深い繋がりがある。彼は80年代後半と90年代初頭にパキスタンとアフガニスタンを訪れ、LETとTablighi Jamaat(TJ)の会合に出席した。

パキスタンはアルカイダとIIFのパキスタングループが、6月にムシャラフがアメリカを訪問する前に、何らかの行動を起こすのではないかと警戒している。ダニエル・パール記者の誘拐殺人事件も、ムシャラフがアメリカを訪問する直前に行われたことは記憶に新しい。

パキスタンは警備を強化するだけでなく、IIFのリーダーたちと直接会い、外国のターゲットを狙わないように警告している。ISIのMajor General Ehtesham Zamirはこの件に関して、Mufti Nizamuddin Shamzai、 Maulana Azam Tariq、Maulana Fazlur Rehmanの3人に会ったと思われる。

まずShamzaiは、カラチのBinori madrassaの校長である。彼はタリバンの指導者、オマールの頭脳といわれる。2001年10月にアメリカがアフガンに攻撃をしかけてくる前に、Shamzaiは当時のISI長官のLieutenant-General Mahmood Ahmedとともにオマールのもとを訪れ、オサマをFBIに引渡よう説得した。オーマルはこれを拒否。

Maulana Azam Tariqは活動を禁止されたSipah-e-Sahaba Pakistanのリーダーで、これはLEJの政治的部門である。去年10月、ムシャラフは自分が選挙で有利になるように、Maulana Azam Tariqのテロ行為と関係する起訴を取り下げた。

Maulana Fazlur Rehmanは、Jamaat-ul-Ulema Islam Pakistanのリーダーである。彼はIIFのひとつ、Harkat-ul-Mujahideenの頭脳であり、オサマやオマールと親しい関係にある。

garrohBomb jitters in Pakistan, too
By B Raman


■パキスタンがアフガン戦争で担った役割に激怒[030520 AP]

アメリカの軍事レポート、 Central Command's reportで明かにされた、アフガン戦争におけるパキスタンの役割に、パキスタンの原理主義者たちが激怒。[030518 Daily Times]を参照。以前のムシャラフの発言との相違に憤慨、辞任を迫る者も出た。パキスタン軍と外務省はコメントを拒否。Central Command's reportは最初webでその詳細を公表していたが、後に更新中になり、アクセスできなくなった。Central Commandのスポークスマンはコメントを拒否。

Jamaat-e-Islami,のスポークスマンは「我々の支配者の手は地で汚れている」と発言。当初ムシャラフは、アメリカへの支援は部分的であり、アフガンアメリカ部隊を輸送るためにだけに飛行権を限定して許可すると述べていた。しかし実際にはパキスタンの上空を使用して攻撃や戦闘機に燃料を輸送していた。以下省略。[030518 Daily Times]を参照。

Jamiat-e-Ulema IslamのリーダーFazl-ur Rahmanは、「ムシャラフは空軍基地をアメリカがアフガンを攻撃するためには用いないと繰り返し言っていた。これで我々の支配者の正体が明らかになった」とのべた。

一方、このおかげでパキスタンは、アメリカから1兆ドルの負債を免除され、さらに国際援助金として1兆ドルを得たとともに、32兆ドルの負債の返済を引き伸ばしてもらった。

garrPakistani Role in Afghan War Brings Anger
By KATHY GANNON


■アフガンの支配者たちが税金収入を払うことに同意[030520 Reuters]

アフガンの地方の支配者たちが、カブールの国庫に関税による収入を支払うことを約束した。また、これらの支配者たちは、軍隊の地位と市民としての特使の両方を同時にもたないことを約束。deputy defence ministerであるドスタム将軍は、今後北部地域のためのカルザイの特使としての任務は行なわないことになった。他の高官も同様である。

この決議は、アメリカの特使であるZalmay Khalilzadがカブールを訪問したのと同時に行なわれた。

hoonAfghan governors agree to hand over tax revenues
Recasts with end of meeting
By Sayed Salahuddin


■デュランド・ラインにたちかえる[030520 Daily Times]

報告によると、イスラマバードはカブールと、デュランド・ラインについて再検討するということが、inter-provincial conference on lawで決定した。その目的はテロリストやタリバンが自由に国境を越えないように国境を定め、見張ることである。両国間で国境を確認するだけでなく、再検討することも考えられている。現在は、国境で文分断された人々が自由に行き来していて、タリバンなども同時にまぎれこんでくる。同時に、アフガンとの長い国境線は明確ではなく、ボーダー・ポストでたびたび問題が起こっている。

このほかに、inter-provincial conference on lawでは、新しいアフガンにおける「インドの要素」についても検討された。カルザイ政権のもとで、インドはカブールに大使館を開くとともに、カンダハル、ジャララバードでも領事館を開いた。89年以来、インドはアフガニスタンには根拠地をもたなかった。インドは親ソビエト政権だったナジブラと接近したが、タリバン政権後は、マスード率いるタジーク軍を支援。実際には、イラン、中央アジア、ロシアを含めた反タリバンの同盟国だった。タリバン崩壊後、カブールの新政権は、インドと親しかった官僚たちが多い。ソ連とその後のタリバン戦争のとき、かれらの家族たちはインドに逃げたのだ。

パキスタンのタリバン政策は、インドと均衡を保つための政策でもあった。万が一、インドとの戦争がはじまったときに、小国パキスタンだけでは力が及ばないとも考えたからだ。パキスタンは北部同盟と対抗するタリバンを支持し、アフガニスタンのあらゆる町に、領事館員になりすました調査員が派遣された。これらの調査員の勇気ある行動は、パキスタンの新聞で報道されている。パキスタンは、タリバンとパキスタンの義勇兵たちが北部同盟を窮地に追い込んだときに、約90%のアフガン領土で自由に行動していた。マスード司令官がパキスタン義勇兵を捕らえ、テレビに映し出したときに、パキスタン側は、彼らはすべて引退した軍人であり、イスラムという名目のもとで、個人として戦っているにすぎないと応じた。デュランド・ラインにこだわる古い協議が希薄になるとともに、パキスタンでは 「Strategic Depth」が合言葉になった。

それなのになぜパキスタンは、アフガニスタンがデュランド・ラインを法的な境界線であることを認めよと主張したのか?デュランド・ラインは1893年イギリスによって設定された。アフガンは、境界線強制的に合意すさせられたと無効を申し立てていたが、結局、1947年にこれを認めた。しかしPushtun-Afghan nationalismがこの合意に反対。このために、アフガン政策は、常にこのデュランド・ラインのことでもめる。

しかしこの政策を持ち出すことにより、パキスタンは封印しておきたい問題に直面することになる。つまりパシュトゥンの国の建設、そしてパキスタンの「territorial concept」の崩壊である。パキスタンでは、「territorial state」を信じる人はいない。しかしイスラマバードは国を結合することで、パキスタンを失う危険性に直面している。イラクのクルド族問題と同様である。今日デュランド・ラインの再認識とコントロールを持ち出す理由として、3つの要素がある。パキスタンは、戦いがあるたびに、アフガン側から不特定多数の難民を受け入れることができない。アメリカはアルカイダやタリバンの流入をふせぐために、境界線を強力にしたい。そしてカルザイ政権にいる北部同盟のメンバーたちは、パシュトゥンたちが自分たちに攻撃をしかけてこないようにしたい。パキスタンはデュランド・ラインを軽視したおかげで、2002年の選挙のときに、MMAはパシュトゥン・ナショナリストたちから票をもらうことになってしまった。その結果今は国内ではタリバン主義がはびこり、外の世界から孤立してしまった。

hoonGoing back to the Durand Line


■アルカイダの殺戮の種が実る[030520 Asia Times]

地元の資金、地元のチーム、地元の計画、世界規模の局地的戦いにより、アメリカとその同盟国は攻撃されている。このグループはオサマのInternational Islamic Front(IIF) とは距離を保ち、独自に行動している。

Asia Times調査部によると、ここ数年間、世界規模の戦闘部隊の連合体であるIIFは、指導者を中央に置いて指揮をするという構造は適切ではないことを学んだようだ。特に多くのアルカイダのメンバーが逮捕された今、この構造は難しくなった。

アルカイダは、作戦を遂行するために、複雑な組織をもっていた。軍部が作戦を練り、目標を定め、スポンサーから資金をもらい、実行部隊を選定した。その後、計画をアルカイダの宗教議会に提出。そこで計画が認められたり、却下されたりした。許可されれば、中央司令部に計画が持ち上がり、最終決定を下す。この経過は、多くの協同作業を必要とし、多くのリーダーやその傘下を暴露することになった。特に「テロのための戦争」においては、資金源が明るみに出て、打撃を受けた。

80年にアフガニスタンでソビエトと戦ったアラブ人は、アフガンが共通の戦場であったために、世界中のジハードの動きを知ることになった。ソビエトが撤退したあとも、これらのグループと接触を持ちつづけ、一緒に反アメリカの行動をとった。地元の司令官と協議し、資金源を確保し、攻撃をするために地元のジハード志願者たちと接触した。しかし、9.11以後、アラブの工作員たちは、アフガンやパキスタンではよそ者であったために、消えざるをえなかった。

アメリカのイラク攻撃で、IIFが再び活発になる理想的な条件がそろった。しかし組織は変化していた。アルカイダはもはやさまざまなジハード団の共同体ではない。それはアメリカ内で主な攻撃を計画する、独立した組織である。他のジハード団、Jamaat al-Jihadやthe Jama-i-Islamia(or Gama-i-Islamya) は今や自立しており、自分たちのターゲットを捜し、自分たちで資金を集め、攻撃メンバーを独自に集め、選抜する。アルカイダがその国にいたとしても、かれらは地元の団体の下に入るのであり、新たなアルカイダ支部を作ることはしない。

この新しい構造は、イラク戦争が終わった直後に形を整えた。最初にこの形で動きだしたのがアフガニスタンである。アルカイダはこの国にはもういない。タリバン、アルカイダ、ヘクマチアルに導かれた Hezb-i-Islamiや他の反アメリカのムジャヒディン司令官たちが、Saiful Muslameen(ムスリムの剣)という新しい団体を組織した。この司令構造は完全に地元中心であり、外国人は、いまやアフガン司令官のもとで戦っている。

諜報部によると、中央アジアにおけるアメリカの機関を攻撃することをかかげているMujahideen Jazeratul Arabは、ソビエト時代にアフガンで戦った数十人のアラブ戦士たちで構成されているという。かれらはビンラディンのIIFネットワークと直接は関係がない。このグループや似たようなグループがアメリカのイラク攻撃以後、急速に出現している。

ここのところ、モロッコやサウジで、そしてパキスタンでは21ヵ所の外国資本のガソリンスタンドだ攻撃される事件が相次いだ。これらは今まで知られていなかった地元のグループによって実行されている。現在諜報部がAsia Timesに語ったことによると、次のターゲットはヨーロッパだという。

garrhoonAl-Qaeda's deadly seeds bear fruit
By Syed Saleem Shahzad
KARACHI


■アフガン武将たちが収入を着服[030520 Guardian]

カルザイ大統領は、地方の支配者たちが関税をし続け、政府に払わないなら、辞任すると脅かした。

カルザイはテレビに出演し、3月中旬以来、地方の責任者たちは誰も政府にお金を払ってない。「数週間前に財務省が国庫にお金がないと語ったが、お金はあるはずだ。地方では数億ドルの関税収入があるはずだ」と語った。ヘラートのイスマイル・ハーンやマザリシャリフのドスタム将軍はこれらの財源を自分のもとに留め、政府に送ってこないという。未払いの関税だけで、$600m(6億ドル)あるという。

hoonAfghan warlords hoarding income
Jonathan Steele


■アフガン大統領、混乱がおさまらなければ辞任を誓う[030519 Reuters]

アフガンのカルザイ大統領は、これから数ヵ月の間に混乱した地域が安定しなければ辞任するとロヤ・ジルガに表明したと、国営新聞。2〜3ヵ月のうちに国が安定しなければ、ロヤ・ジルガを開催し、新政権は失敗したことを表明するという。そうすれば国は新しい支配者を選び、状況が改善できるだろうと述べた。

この発言は、明日(20日)の火曜日に、12地域の支配者たちが、去年関税から5億ドル儲けがあったにもかかわらず、カブールには800万ドルしか払っていなかったことが公表されるのに先立って、表明されたもの。これらの不正は、国の再建や国の給料の支払に大きな打撃を与えている。

ohAfghan president vows to quit over unruly provinces
KABUL


■オサマは北西辺境州に隠れている[030519 The Nations]

『The Los Angeles Times』によると、オサマはAyman Zawahiriとともに北西辺境州に隠れているという。

アメリカの高官が土曜日に語ったところによると、オサマが2月に送ってきたオーディオテープで、イラク戦争に関してアメリカを指示しないようにアラブのリーダーたちに忠告してきた。そこで、サウジ、モロッコ、パキスタン、ヨルダン、イエメン、ナイジェリアを名指し、「イスラム教徒はアメリカの奴隷となったこれらの政権の楔から自由になるよう、行動しなければならない。敵に対して、自爆テロの重要性を強調する。アメリカやイスラエルたちを、かつてないほど恐怖に陥いっている」と発言。

ここ数ヵ月アメリカの高官たちは、CIAとNational Security Agencyはビンラディンとザワヒリ以外のアルカイダたちは、パキスタンとの国境近くのイランにいると考えている。イランにいると考えられているメンバーのなかに、ビンラディンの前chief of securityのSaif Adel、モーリタニア人のAbu Hafsと、ビンラディンの後継者と考えられている息子のSaad bin Ladenがいる。Khalid Shaikh Mohammad逮捕以後、Adelがアルカイダのトップになったのではないかと考えられる。

アメリカは、アルカイダのリーダーたちはサウジ、パキスタン、イエメン、フィリピン、チェチェンにそれぞれその地域の指揮者を置いていると考えている。また若い世代が、新しい地位につきはじめた。

東アフリカではアルカイダのリーダの1人、Fazul Abdullah Mohammedが再び浮上。98年のナイロビのアメリカ大使館爆破事件の首謀者である。彼は大きな攻撃を計画しているという。

garrOsama hiding in NWFP: LAT
From Humayun Akhtar
NEW YORK


■シェルとカルテックス爆発事件の影に怪しいグループ[030519 Daily Times]

これまで無名だった「Muslim United Army」が、木曜日に起きたシェルとカルテックスのガソリンスタンド爆発事件の犯行声明を、ウルドゥー語新聞にファクスしてきた。これらの爆発は序段にすぎず、今後、他の施設の爆破を行なうと発表。政府がイスラムのムジャヒディンに対抗するような動きを続けるのであれば、さらに大きな事件を起こすとも。

garrShadowy group owns Shell and Caltex blasts
Staff Report
KARACHI


Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003.