【2003年06月30日〜07月06日】


■パキスタン、19人を自爆テロで拘束[030706 Reuters]

パキスタンは53人を殺害したシーア派のモスクで起きた自爆テロ事件と関連して、19人を拘束したと発表。ジャマリ首相は、「外国人の仕業」である証拠を見つけたと述べ、タリバンとアルカイダか、またはインドの諜報部の仕業であることをほのめかした。

「今のところ、我々が得たすべての証拠は外国人の仕業であることを示している」とテレビで述べた。アフガン国境に近いこの町では治安が強化され、軍がシーア派のモスクを警備した。

政府高官は、政府はこの地域の宗教的過激派を取り締まることを決定し、スンニ過激派の家を家宅捜査した。

「今のところ拘束者を調べているが、外国人の仕業であるという他の局面からも捜査中」とバルーチスタン州の警察長官。死亡した犯人の所持品を調べているという。「遺体はまだ我々の所にあり、誰も身元確認に訪れてない」とのこと。3人がモスクの門までトローリーでやってきて、銃を乱射。3人とも腰に爆弾をまきつけ、そのうちの2人が自爆した。3人めは銃の応戦で負傷し、その後死亡したという。

ここのところ、スンナ派とシーア派との争いが増えてきて、何百人もが犠牲になっている。

また土曜日には、チャマンで7人のアフガン人を拘束したという。「これらの者が今回の攻撃に関係しているかはまだ捜査中」。

hoonPakistan holds 19 after Quetta killings


■クエッタ事件、宗派の争いか、政治的争いか?[030706 Daily Times]

クエッタで12人のハザラ人の警察官が殺害されてまだ間もないのに、またしてもシーア派に対する攻撃が行なわれた。以前の事件とともに、政府は宗派に関係したテロとみているが、証拠はない。ここで焦点になるのは、なぜいまになって急にバロチスタンが狙われているのかということだ。

これまで宗教テロに関わってきた組織は、活動停止命令が出ているSipah-e-Sahaba Pakistanとその派生グループであるLashkar-e Jhangvi(LJ)、さらにHarkat-ul Mujahideen(HM)とJaish-e Muhammad(JeM)である。後者の2つの組織は、カシミールでジハードを実行してきた。しかしほとんどの検察関係者は、これらの組織ははっきり区別されてなく、それぞれ役割を頻繁に変えているだけであることを知っている。タリバン時代には、これらの活動家はアフガニスタンのキャンプで訓練され、アルカイダとの関係をもっていた。アメリカがコシュトのキャンプを攻撃したときに、そこで死亡したのはほとんどHMに属するパキスタン人だった。

9.11以来、これらの活動家たちの多くが逮捕されたり殺害されたりした。LJのトップ・リーダーたちも一掃された。それなら今回の事件はLJが関係しているのか? その背後にいるのは誰なのか?

もう一つ考えられることは、タリバン・アルカイダ分子がバロチスタンで何か企てているのではないかということだ。アメリカを支援しているムシャラフ政府に対抗するためだ。これまで、最近起こったパキスタンにおけるテロ事件はHarkat-ul Al-AalamiやLJの犯行と考えられて、その幹部はHM/JeMに属している。

もうひとつ考えられるのは、RAW(India's Research and Analysis Wing)との関係だ。パキスタンの諜報部は、インドがアフガニスタンで4つの領事館を構えていることをつかんでいる。これらはほとんどが諜報活動をしている。この理論に従えば、RAWが宗教グループに入り込み、パキスタンで混乱を起こすために、何かしでかしていると考えられる。理由としては、アフガニスタンにおけるパキスタンの役割を減少させること。そしてもうひとつは、イスラマバードがこれらの過激派組織を根絶するよう、仕向けるためである。

4つめは、これらの攻撃はアルカイダ・タリバン勢力が後ろで動いているということだ。タリバンやアルカイダに対して行動を起こしはじめている、イランに警告するためだ。ハザラはイランと近い関係にある。そのため、パキスタンのシーア派のグループは、LJ-SSPの幹部の仕業だという声明をだしている。このグループはタリバンと近い関係にあり、反シーア派の立場にある。

これまでバロチスタンでは、このような宗教対立は起きてなかった。テロは、単に混乱を作り出すもので、それだけで完結することもある。しかし、他の側面もある。アフガニスタンの北部同盟は、パキスタンを常に敵とみなしていた。ここにもパキスタンとの利害関係が生じる。当然北部同盟は、カルザイの力が減少することを望んでいる。カブールとイスラマバードがお互い疑心暗鬼でいれば、なおさら都合がいいのだ。

ムシャラフ政府はどうするべきか? もちろん、犯人を挙げることが大事だ。しかし、不利になるようなグループを一掃することのほうが必要だ。これは長い目で見なければならない。

hoonQuetta violence: sectarian or political?


■パキスタン、自爆テロ容疑で17人拘束[030706 AP]

パキスタンの警察は、クエッタで起きた44人のシーア派をモスクで殺害した事件と関連して、17人を拘束した。

パキスタンの関係者は、今回の金曜日の事件は、タリバンとアルカイダ関係者が関わっている怖れがあるとしている。パキスタンにおけるシーア派とスンナ派との対立で、自爆テロが行なわれたのはこれが初めてである。

この自爆テロは、タリバンの司令官が、スンナ派ムスリムはこれから敵に対して自爆テロを行なうだろう、という声明を出した数週間後に発生した。ムシャラフ大統領は、犯人はパキスタン外から来たのではないかと述べた。

関係者によると犯人3人がその場で死亡、1人がモスクで自爆し、2人はセキュリティー・ガードとの銃の応戦で死亡した。4人目は病院で死亡した。

今のところ、犯行声明はなく、犯人の遺体の確認も行なわれてない。しかしシーア派のリーダーは、犯人は外国人だったと述べた。

これとは別に、警察は土曜日にラホールで家宅捜査を行ない、5人のイスラム過激派を逮捕した。容疑者はLashkar-e-Jhangviのリーダー、Allah Wasayaが含まれているという。このグループは、パキスタンのスンナ派を何百人も殺害している。

自爆テロが起こった最中にモスクにいたシーア派の聖職者Allama Mahdi Najafiは、「今回のモスクを攻撃した者の後ろには、アフガニスタンで訓練を受けたテロリストがいる」と述べた。

先月、アフガニスタンのスピンボルダックで、タリバンの自爆テロを促すチラシが出回った。「我々は、アラブのムジャヒディンが行なっているような自爆テロをはじめる。タリバンのムジャヒディンは自爆テロを行なうよう、指令を受けている」と書かれていた。

hoonPakistan Detains 17 Men Linked to Bombing
By SATTAR KHAN
Associated Press Writer


■アフガニスタン北部で4人死亡、5人負傷[030706 AP]

日曜日に、アフガニスタン北部、サマンガン州のDar-e-Suf地方のドスタム将軍とアタ・ムハンマドとが対立、4人が死亡、5人が負傷した。対立は土曜日から続き、マシンガンやロケット弾の応酬があり、戦いはさらに激しくなりつつある。

ドスタムは国防副大臣。相手のアタ・ムハンマドはファヒーム国防大臣と強い関係があり、国防省から武器を流してもらっている。

ちょうどこの日、日本から特使として緒方前国連難民大使がアフガニスタンに到着した。

hoonN. Afghanistan Skirmishes Kill 4, Wound 5
By TODD PITMAN、KABUL


■アフガニスタン北部で和平交渉後も衝突[030706 Reuters]

アフガニスタン北部で敵対しているウズベクのドスタム将軍とタジーク族の司令官アタ・モハマッドとの対立は、国連が仲裁して一旦は解決したが、 サマンガン州のDara-i-Suf地方で再び戦闘が勃発した。

アタ軍のほうは、「3人殺害し、数人負傷させた」とのこと。「5時間にわたり、戦闘があった」。両者の間では、2001年以来、対立が続いている。

hoonFresh north Afghan clash despite truceKABUL


■パキスタン警察、イスラム活動家を逮捕[030705 Reuters]

パキスタン警察は、アメリカの新聞記者、ダニエル・パール氏誘拐殺人事件と関係している過激派、Lashkar-e-Jhangviの有名なイスラム活動家を逮捕した。容疑者のAllah Wasayaはラホールで拘束。「彼はもっとも重要なLashkar-e-Jhangviの一員」だという。金曜日の自爆テロとの関係は明かにされてないが、このグループは、タリバンと強い繋がりがあると考えられている。

hoonPakistan police arrest leading Islamic militant
LAHORE


■アフガニスタン国境で小競り合い続く[030705 Daily Times]

ナンガハール州の武装団のリーダーHazrat Aliが、Ghakhi KandaoとGostrey Kandaoのチェック・ポストにいるパキスタン軍に攻撃を続けていると情報筋が『Daily Times』に語った。

目撃者によると、パキスタン軍は応戦し、YaqoobiとFatah Meenaで5人を殺害したという。2人の国境警備隊も殺されたという情報もあるが、確認されてない。

hoonMore skirmishes on border with Afghanistan
By Mukaram Khan、GHALANAI


■パキスタンの辛辣な教訓[030704 Asia Time]

タリバンは力を失い、アルカイダは散った。しかしアフガニスタンから毎日報告があるように、これらのグループは再び組織化され、ゲリラ戦を展開している。そしてアメリカを援助したパキスタンは今、政治的な混乱に陥っている。

アフガニスタンでの混乱は、パキスタンの宗教政党たちの最大の関心事であり、彼らの力はこの50年来、絶大になっている。6つの宗教政党からなるThe Muttahida Majlis-e-Amal(MMA)は選挙で40議席以上を獲得。これは彼らと対抗する政党を弱体化させた結果、得た力である。

MMAはムシャラフが国会を解散させ、首相を選任する権力を保証するLegal Framework Order(LFO)に関して争っている。また大統領と軍の長官という2つの地位を兼任していることに対しても、反対している。

ここにきて、ムシャラフは抵抗を始めた。MMAが権力をふるう北西辺境州ではシャリア法を採用したが、ペシャワルのElection TribunalはMufti Abrar Sultan議員のマドラッサから受けた証明書は卒業証明書に値しないと判決を下し、議員を辞職させた。MMAはすぐに抗議。「これは裁判所が決定したのではなく、LFOに反対する我々の力を剥奪するもの」という声明を発表した。「連邦政府は、我々のLFOに対するスタンスを嫌っている」。

Election Tribunalによると、「マドラッサを卒業した者は大学卒業者と同じ資格をもつ」と決定したが、これはあくまでも対象者が教師になった場合だけという条件がついている。この採決は、ある法律家がMMAに属するすべての議員に、同様の調査をするべきだと申し立てたことによる。しかし興味深いことに、ムシャラフ自身がマドラッサでの教育を認知させた本人なのだ。

MMAのリーダで国会議員のHafiz Hussain Ahmedが『Asia Times Online』に語ったことによると、政府は今「我々の力を試そうとしている」という。「我々はムシャラフが国の大統領としての資格を持つかと問うたが、今度はムシャラフが我々にその資格を問うている」。MMAはひるんではいない。これからもムシャラフに抵抗し続け、金曜日の集会で人員を動員しようとしている。この運動はさらに広く反ムシャラフ運動にまで拡大させようとしていて、LFOやイスラエルの承認問題、アメリカを援助するためにイラクに軍を派遣すること、パキスタンの原子力計画やカシミールのロードマップなどを問題点として取り上げる。

これらの議論は白熱するだろう。この状況は、1990年代のアフガニスタンの状況と似ている。アフガニスタンの政党が混乱したために、タリバンがその空白に台頭した時期である。もちろん当時アフガニスタンには、今日のパキスタンのように、ムシャラフのような強い砦はいなかった。しかし広い意味で、MMAはタリバン運動と同じような力を作り出せる。ムシャラフはそれを試そうとしているのかどうか。

hoonPakistan's sharp learning curve
By Syed Saleem Shahzad、KARACHI


■パキスタンのモスクで44人殺害の自爆テロ[030704 Reuters]

パキスタン、クエッタのシーア派のモスクで、金曜日の礼拝中に自爆テロが起こり、44人が死亡、65人が負傷した。現在のところ、犯行声明は出されてないが、スンナ派の犯行と考えられる。

目撃者の話によると、2人が銃を乱射し、その他1人が自爆したという。また別の情報によると、2人が自爆し、残りの1人が負傷した後に死亡したという。

怒ったシーア派のハザラ族が町に集まり、店舗や車輌に火を放すなど暴動となったが、後に鎮圧された。

garrSuicide attack on Pakistan mosque kills 44
QUETTA


■アルカイダのクローン、アメリカに根づく[030703 Asia Times]

6月26日にムシャラフがワシントンで雑誌記者と会談した内容によると、パキスタンにおけるビンラディンのInternational Islamic Front(IIF)に属するLashkar-e-Toiba(LET) とJaish-e-Mohammad(JEM)を根絶したという。「Lashkar-e-Toibaは活動禁止。Jaish-e-Mohammadも活動禁止。パキスタンにはカシミールを含め、何百の事務所があるが、どれも閉鎖した。銀行口座も凍結した。誰も口座に触ることはできないし、これらの組織やそのリーダーたちと接触することもできない」。

しかし翌日、FBIの捜査でこれは誤りであることがわかった。FBIは武器を保管し、インドのカシミールでジハードを企てようとしていたとして7人をワシントンで、そして8人目をフィラデルフィアで起訴した。FBIはこれらの容疑者をLETのメンバーだとしている。またこの他に3人が同じ計画に加わっており、現在サウジにいるという。アメリカに対する攻撃計画の証拠はないとしているが、これらのグループのメンバーは海外の親ムスリムから支持を受け、最新のライフルを貰い受け、パキスタンで訓練されていた。11人のうち9人はアメリカ国民である。3人は過去において、アメリカ軍に入隊していた。また7人は過去数年の間にパキスタンに渡り、小武器やマシンガン、手榴弾などの武器の扱い方をLETと関係のあるパキスタンの北西部のキャンプで習ったという。

この11人はインドに対する陰謀計画、武器所持違反で控訴された。アメリカを攻撃する計画やアルカイダとの関係についての証拠は、今のところない。またこれらのグループを“sleeper cell”(眠れる細胞)であるとする断定は避けた。“sleeper cell”とはラカワナ(ニューヨーク州)、NY、シアトルにおけるテロ支持者たちを示す言葉で、何人かはパキスタンのTablighi Jamaat(TJ)との関連を明かにされている。しかしながら、政府高官はこれらの容疑者はインドだけでなく、チェチェンやフィリピンなどの国々におけるジハードにも協力していたという。

11人のうち、少なくとも2人はパキスタン生まれである。その1人、Mohammed Aatique(30歳)はワーキング・ヴィザを取得。Khawja Mahmood Hasan(27歳)はアメリカ生まれである。もう1人、Masoud Ahmad Khan(31歳)も国籍は明らかにはされてないが、パキスタン人らしい名前だ。他はイエメン人、アメリカ生まれのアメリカ国籍、韓国生まれのアメリカ国籍、残りはサウジに住んでいるらしい。事件が発覚したあとムシャラフは「彼らが誰であるか、どこで訓練を受け、どのように組織されているか見極める必要がある」と述べた。

遡って6月20日、ムシャラフがブッシュと会う前に、FBIはパキスタン側カシミールの住人で、1994年にアメリカに移民したIyman Farisを逮捕している。アメリカで報道されたことによると、Farisは2000年から2002年の間にアフガニスタンとパキスタンを訪問。ビンラディンと出会い、Khalid Shaikh Mohammadと仕事をしたという。アメリカに戻ってからはブルックリン橋を崩壊させる計画を実行しようとしていた。現在のところ、Farisと今回控訴されたLETに属する11人との間の関係は明らかになってないが、FBIはこの件について捜査中だ。情報筋によると、Farisはアメリカに移民する前に、パキスタンにおける反インド、反ユダヤを掲げるJamaat-ul-Fuqra(JUF)と関係があったという。この組織はアメリカ、カナダ、カリブに強力なネットワークがある。90年代に、アメリカにおけるユダヤとヒンドゥ教徒に対して数度の過激行為を繰り返している。

去年パキスタン警察は、パキスタンで殺害されたアメリカのジャーナリスト、ダニエル・パール記者が、アメリカの旅客機を靴底に隠した爆弾で爆破しようとして逮捕された犯人とJUFとの関係を探ろうとして、インドからパキスタンに渡ったと見ている。ビンラディンのIIFに属するパキスタンのいくつかの組織が結託し、パール記者は誘拐され、殺害された。

パキスタン人の秘密組織がアメリカにあったとしても、大した驚きではない。95年以来、Harkat-ul-Mujahideen(HUM) やTJのようなパキスタンの組織が、訓練された「兵士」をアメリカに送り込み、アメリカでジハードを行なおうとしているという情報が常にあった。HUMはその「兵士」をアメリカに送り込んだだけでなく、African-American Muslimsをパキスタンに連れてきて、訓練していた。

アメリカにおけるTJと関係がある組織は、Islamic Society of North America(ISNA) とthe Muslim Youth of North America(MYNA)である。ISNAの会長は、スーダン生まれのアメリカ移民、Sheikh Abdullah Idris Aliで、ニューヨークのモスクの聖職者でもある。

ISNAには、現在TJの布教者で有名なポップスの歌手のCat Stevens(Yusuf Islamと改名)がいる。彼はパキスタンでTJと接触して、イスラムに改宗した。他には、アルジェルアのSaghirやパキスタンのTanzeem Islamiの長で、TJに属するIsrar Ahmedがいる。

ISNAの例会でIsrar Ahmedは、「世界のさまざまな地域でのイスラム復興は本物だ。イスラム世界とユダヤ人が支配する非イスラム世界との最終的な対決は近い。湾岸戦争はやがて来る戦いの序奏にすぎない」と述べた。ISNAはアメリカに教育を通してイスラムを浸透させるために、10億ドル持っている。

TJはパキスタンから派遣された宣教師によって、アメリカやカリブで活動している。またアメリカにおけるパキスタンの移民社会、例えばJamaat-ul-Fuqraからも人材を得ている。アメリカのパキスタン人移民に対する説教のなかで、TJはヒンデゥやユダヤ人が保持している政治力に対抗するために、Afro-American Muslimsを育てる重要性を強調する。96年1月12日に、TJに近いと考えられるGhani Eirabieが パキスタンのDawn紙に、「黒人ムスリムを勝ち取ることは宗教的義務だけでなく、重要なことだ。黒人ムスリムから票を獲得することで、移民ムスリムは自分たちを守るための政治的影響力を得ることができる」と述べた。

2002年2月1日にラホールで発行されている『The Friday Times』で、「情報筋によると、Dawatul Irshad(活動禁止のLashkar-e-Toibaの母体組織)がアザド・カシミールで活動を始めたときに、アルカイダと関係があると疑われている非パキスタン人を一緒に連れていった。これらの組織はそれぞれお互いに関係があり、活動家は組織を渡り歩いた」と述べている。また「ムシャラフがこれらの組織に対して行動を起こす前、Muridkeにあるの本部では多くの外国人が住んでいた。これらの人々は戦争の早い段階でパキスタンに浸透したという。また政府の圧力により組織の長のHafiz Mohammed Saeedが辞任した後に、これらの人々の何人かはアザド・カシミールに流れた。Hafiz Mohammed Saeedはこの後また別のジハード組織を作った。内部に詳しい者の情報によると、これらの外国人はHezbul Tehreerやアルカイダとも関係がある」。

筆者はLETとアルカイダについての以前の文章で、「過去において、LETはインドにおけるジハードにその行動を限定してきた。直接アメリカを目標とはしてなかった」と書いた。そんな背景があったため、パキスタンで活動しているアメリカ諜報部は、あまりLETに関心を持ってなかった。アルカイダのナンバー3のAbu Zubaidahが去年の3月にLETのリーダーの家のすぐそばで逮捕された事実も、見逃している。ムシャラフによって活動を停止させられたためにLETはJamaat-ud-Dawaに名前を変えたにもかかわらず、アフガン人もパキスタン人もアラブ人もみなこの組織をLETと捕らえている。2003年以来、LETはアルカイダが演じていた役割を演じようとしている。

アルカイダは、パキスタンでLETを使おうとしていた。LETが持つ、パキスタン軍や諜報部員との密接な関係を利用していたのだ。パキスタンの原子力開発に関わっている科学者も、LETの集会に出席する。アルカイダはLETを利用することで化学兵器を手に入れようとしていた。イエメンのUSS Cole爆破事件で逮捕されたWaleed bin Atashがパキスタンの関係者に自白したところによると、去年約75人のアラブ人がアフガニスタンからパキスタンの国境地域に避難、その後カラチに移動したという。そのうちまだ50人がカラチにいるらしい。また彼と彼の支援者たちはアメリカに対して自爆テロを行なう人材をリクルートしていて、LETから12人志願者があったという。

5月15日、6月18日の筆者の記事を参照。

LETはパキスタンの各地でイラクを援助して自爆テロを行なうために、資金や人材を募集してきた。パキスタンのLETのキャンプで訓練を終えたパース党の前党員たちもイラクに戻ったという。アメリカはLETを解体しない限り、つまり党員やパキスタンの訓練所や基地を一掃しない限り、テロへの戦争に勝つことはできない。ムシャラフに頼っていても何にもならない。彼は何もしないだろう。LETはアルカイダと同じように、世界の平和に対して大きな脅威となっている。

rightAl-Qaeda clone takes root in the US
By B Raman


■パキスタン・アフガニスタン国境の小競り合い、3日目[030703 Daily Times]

パキスタンが国として独立して後、初めてモーマンド地区の国境を取り締まって以来、この地域での小競り合いは3日目を迎え、いまだアフガン側からの攻撃を受けている。報告によると、Hazrat Aliが指揮する北部同盟の民兵とパキスタン軍との間で衝突が起きているという。民兵はAnargai Kandao地域に向けて攻撃中。Anargai Kandao地域では、パキスタン側のKhogakhel族が軍の戦闘配備に抵抗している。

AnargaiとGhakhi Kandousにおける小競り合いは、ペシャワル警察のLt-Gen Ali Muhammad Jan Orakzaiが、モーマンド族のジルガの代表と話し合いを行なった後に始まった。目撃者によると、武装集団はGhakhiを通ってアフガニスタンに村人が入ることを拒んでいるというが、詳細は不明。国境付近に住む村人によると、アフガンの武装集団はFatah Meenaに付近の道を遮断し、アフガニスタンからモーマンド地区に入る車輌に独自の関税をかけているという。

hoonPak-Afghan border skirmishes continue for third day
By Mukaram Khan、GHALANAI


■アフガン反抗勢力のリーダー、アメリカ追放を誓う[030701 AP]

Hezb-i-Islamiのヘクマチアルが、アフガン人たちに、「外国の厄介者たちの手を切り落とし」アメリカや他の外国人たちを国から追放することを促すビデオメッセージを送った。

またカルザイ政権を「外国人の命令のもとに自国民と戦う楽天家」と非難。「私は民族の違いを忘れ、アフガニスタンのすべての人々と一緒に外国人を追放し、厄介者たちの手を切り落とそう」とパシュトゥ語で語った。

このビデオは,APがコンパクト・ディスクの形で入手。欧米の諜報部はヘクマチアルがタリバンやアルカイダのメンバーをHezb-i-Islamiに誘い込み、カルザイ政権に対して戦いを挑もうとしていると疑ってきた。2002年6月には、CIAが彼を殺そうとして、無人偵察機からHellfireミサイルを発射した。

ヘクマチアルは、もしアメリカや外国兵に対して攻撃を続ければ、「アメリカは自分の基地から動くことは難しくなる。彼らのコンボイも基地も、アメリカ人にとっては安全な場所ではなくなる」と述べた。

このビデオは、いつ録画されたかは不明。ヘクマチアルとその兵士たちは、冬支度の格好をしている。パキスタン国境沿いのクナール州に住んでいるのではないかとみられている。

このビデオは、来年の選挙に向けての宣伝として発表されたのではないかともいわれている。

ビデオでは、ヘクマチアルはタリバンやアルカイダと同盟を結んでいることは否定したが、タリバンとアルカイダのアメリカに対する攻撃は賞賛。「アメリカが暫定政権を維持しているのに」カブール政府を攻撃するのは「ただ時間を無駄にすること」。「アメリカと一緒に行動している者は、以前の共産主義者と同じだ」。「宗教、信仰、国家をドルで売っているようなもの。アフガンの人々は自分たちが立ち上がらなければ、自分たちの政府を持つことができないと信じている」と述べた。

またカルザイ政権を、外国兵たちが反政府分子、特に「パシュトゥン人」に対して戦いを挑むことを許していることを非難。

rightAfghan Rebel Leader Vows to Oust U.S.
By KATHY GANNON、ISLAMABAD


■宗教政党、北西辺境州でのアルカイダ逮捕に抗議[030701 Dawn]

北西辺境州のRiaz Durrani首相が、アフガン国境地帯で逮捕されたアルカイダ容疑者をアメリカに引き渡していることについて、連邦政府に抗議すると述べた。

「アルカイダ容疑者は、国の法律にしたがって、まず最初で地元の裁判にかけられるべきだ」。「地方政府が不正を行なったものを逮捕する権限があり、中央政府はまず辺境州政府に交渉するべきだ」。北西辺境州政府はアメリカへの引き渡しについて知らされてない。この問題について、連邦政府に抗議することを検討中とのこと。

hoonReligious parties complain over al-Qaeda hunt in NWFP
(AFP)、PESHAWAR


■アメリカ司令官、アフガニスタン・パキスタン国境視察[030701 Daily Times]

アメリカ司令官Major General John Vinesがアフガニスタンのクナール州アサダバードを訪れ、地方知事にパキスタン側の侵入は今後ないと約束したという。アサダバードの地方知事のSayeed Fazel AkbarがAFPに電話で語ったことによると、パキスタン軍は国境を越えないだろうとVines司令官が発言したという。

500兵からなるアメリカ軍が、先週クナール州の国境で作戦を展開していた。パキスタンも同様の作戦をパキスタン側で実行していたが、パキスタン政府はこれがアメリカとの合同作戦であることは否定している。パキスタン軍が国境を越えたのではないかという疑いがもたれていた。

hoonUS commander visits Pak-Afghan border
KABUL


■パキスタン軍、アフガン国境で発砲される[030701 Daily Times]

最近モーマンド行政地区に駐留しているパキスタン軍が、月曜日にアフガン武装勢力によって攻撃され、兵士1人が死亡、1人が負傷した。パキスタン軍は応戦氏、武装勢力はアフガニスタン側に逃走。

hoonPakistani troops fired at on Afghan border
By Mukaram Khan、GHALANAI


■ムシャラフ、「イスラエル」のボタンを押す[030701 Asia Times]

ムシャラフ大統領は、パキスタンがイスラエルを承認するかどうかという問題を公にしたが、現在パキスタン国民はそのオプションを考えることさえできない。

「我々はムシャラフのやることをよく知っている。西欧を満足させるために何を言ったらいいか、いつ言ったらいいか、ということを知りつくしている。本気で考えていくかどうかは別問題だ。しかし、本質的に非常にデリケートなこの問題を軽々しく口にしたのは不注意だった」と北西辺境州のPakistan People's Partyのリーダー、Afsarul Mulkが語った。

政府のレベルでも、パキスタンはイスラエルを承認していない。(中略)

野党はイスラエルを承認する準備はできていないが、治安や外交政策に詳しい者によると、ムシャラフのこの発言は、イスラエルを承認するよう主張しているアメリカの圧力を和らげるためだと思われる。「アメリカやイギリスのリーダーとの会見の間に出てきたことだと思う。パキスタンはこの問題にしばらく触れないでいられるだろう」とある情報筋。

ムシャラフの発言は、イスラエルとインドの関係が強くなっているこの時期に、タイミングを合わせたようだ。イスラエルは、パキスタンがイスラエルを承認するかどうかという問題を考えていることを知っているため、当然インドとの関係を拡大することに慎重になるだろうという。「イスラエルは、イスラム社会のなかでのパキスタンの役割やOrganization of Islamic Conferenceにおけるパキスタンの役割を考慮すると、パキスタンがイスラエルを承認することを重要視している」。

hoonOrganization of Islamic Conference
By Muddassir Rizvi、ISLAMABAD


■容疑者、パキスタンで訓練されたとFBI[0300630 Dawn]

FBIは、アメリカで先週逮捕された8人のテロ容疑者は、インドのテロリスト・グループLashkar-I-Taibaメンバーで、パキスタンで訓練されていたと先週報告した。容疑者はパキスタンの北西部のLashkar campで、小火器やマシンガン、地雷などを受け取っていたという。逮捕された者のうち何人かは、カシミールでインド兵と戦ってさえいたという。

金曜日に身元を明らかにされた8人のほかに、3人の身元不明者もいる。そのうちの1人はパキスタン国籍を持ち、アメリカで電気技師として働いていた。またH1-Bヴィザを持っていたことも、アメリカのパキスタン人社会を驚かせている。

このことによりインドは、パキスタンはまだカシミールのジハードのためにテロリストを養成していると非難。

hoonSuspects trained in Pakistan: FBI
By Anwar Iqbal、WASHINGTON


■ワジリスタンの2族、アメリカ軍と契約[030630 Daily Times]

パキスタン南ワリジリスタン州の2族が、この地域でアルカイダを一掃するためにアメリカ軍と協力することを同意した。

Utmanzai Wazir族とAhmadzai Wazir族の代表、Malik Gula、Metta Khan、Muhammad AminとMuhammad Nawazがこの地域の代表で、アメリカ司令官と合意した。Birmal地域の国境付近に秩序を維持する役割を担うことになる。アメリカ軍と北部同盟は、この地域から撤退する。

※訳註:アメリカ軍と北部同盟軍が駐留しているのはアフガン側。「この地域から撤退」というのは、南ワジリスタン州と国境を接するアフガン側の地域から撤退、という意味であろう。パキスタン領にアメリカ軍やアフガン軍がいるとしたら、たいへんな騒ぎになるはず。

ohTwo Waziristan tribes sign pact with US forces


Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003.