【2003年07月28日〜08月03日】


■NATO、カブールだけを監視[030803 Reuters]

NATOは、カブールの外国勢からなる平和維持軍の司令を近々始めるが、アフガニスタン政府や国連の強い要請にもかかわらず、カブール以外の地域に軍を配置する予定はないという。

hoonNATO peacekeepers to police Kabul, but not beyond
By Sayed Salahuddin


■アルカイダのボス、捕虜についてアメリカを警告[030803 AP]

アラブの衛星放送Al-Arabiyaは、ザワヒリからのものとして、日曜日に録音テープを放送した。テープの信憑性は今のところわからない。

ドバイのテレビ局のディレクターによると、局は土曜日の夜遅くテープを受け取ったという。イスラム原理主義者を代表するエジプト人の弁護士で、ザワヒリの友人Montasser el-Zayatによると、声の主は本人だという。

テープでは、もしキューバにいる捕虜たちに危害が加えられたら、アメリカは償いをしなければならないと語られていた。そして「アメリカにひと言。これまでのことは始まりにすぎない。本当の戦いはまだ始まってない」。

7月3日にペンタゴンは最初のテロ容疑者として、6人を裁判にかけると発表した。日取りはまだ決められてなく、人物の特定もされてないが、おそらくギュンタナモにいる捕虜であると考えられている。

「アメリカとそのエージェントは、あなたたちの囚人を痛めつけている。さぁ、どのように復讐するか、見せてやれ」。

hoonal-Qaida Boss Warns U.S. Over Detainees
By DIANA ELIAS


■北西辺境州、インドのプロパガンダ阻止を望む[030803 Daily Times]

北西辺境州知事はFederal Information Ministryに、インドがアフガン―パキスタン国境で起きている小競り合いに対して、反パキスタンのプロパガンダを始めていることに対処してほしいと要求した。

最近設立されたジャララバードとカンダハルのインド領事館で、インドの諜報機関Research and Analysis Wing(RAW)が活動を行なっているという。インドはカルザイ政権成立後、アフガニスタンの国境地域に急に接近してきた。

情報筋によると、インドの組織がNGOという形をとって、インドの「待ち望んでいた目標」を達成しようとしているという。これらのNGOはクナール、ナンガハール、コシュト地域で活動し、住民に反パキスタン感情を植えつけているとつけ加えた。インド政府と個人の会社がカブール川のGhamberi Dagでダムを作り、さらにジャララバードではDarontaダムの建設を計画している。これらのダムは、パキスタン側にあるWarsakダムに障害を与えると考えられる。パキスタンがモーマンド行政区に軍を派遣して以来、国境地域ではインドの「扇動」によって、反パキスタンプロバガンダが広がっている。

smellNWFP wants federal govt to block Indian propaganda
By Mukaram Khan、GHALANAI


■アルカイダのザワヒリ、捕虜処遇をめぐりアメリカに警告[030803 Reuters]

アルカイダの高官ザワヒリによるものとされる、キューバのグアンタナモ米軍基地にいる捕虜たちに何らかの危害が加えられたらアメリカはその償いをすることになるだろう、という内容の録音テープが日曜日に放送された。

ドゥバイのアラブテレビ放送の「Al Arabiya」が、このテープを放送。「アメリカはギュンタナモにいる捕虜たちの裁判を始め、死刑に処すると発表したが、神の御名前のもとで、十字軍アメリカがムスリムの捕虜に危害を与えたら、致命的な犠牲を払うことになるだろう」。

hoonAl Qaeda's Zawahri warns US on detainees - TV


■アルカイダ、ムスリム慈善活動から搾取[030802 AP]

サウジの慈善団体が9.11のテロを実行するために資金を集め、アルカイダに流していた可能性があると、土曜日にアナリストが発表。サウジはテロリストとの関係を否定した。

9.11に関する「Congressional report」の削除された部分を見たことのある人物によると、サウジのビジネスマンと王族の関係が分析され、意図的にか、あるいは知らずにか、アルカイダまたはハイジャック犯を援助していた可能性があると報告されていたという。

アメリカのサウジ大使Prince Bandar bin Sultanは、大使夫人から資金を受け取り、ハイジャックが行なわれた当時サンディエゴにいたl-BayoumiとOsama Basnanが、サウジのエージェントであるという事実を否定した。アメリカはこの関係が単なる偶然なのか、それともテロ容疑者たちが裕福なアメリカの友人たちから支援を受ける、ひとつのパターンなのかを捜査中。

「これはサウジ文化に対する純粋な誤解だ」とハーバード大学のSuleiman al-Hattlan氏。「海外にいるサウジ人たちは、社会的にも宗教的にもお互いに助け合うことを義務と思う。知らない人であっても同じだ」。

9.11の犠牲者たちの一部は、サウジがテロを支持し、サウジのビジネスマンを名指しで訴訟を起こしている。経済学者のBishr Bakheetは、サウジの銀行がテロリストによって使用されたことはあり得るが、だからといってサウジに罪があるといえないと述べる。

smellReport: al-Qaida Exploited Muslim Charity
By FAIZA SALEH AMBAH


■イラン、アルカイダとイラン人活動家交換をアメリカに提案[030802 Reuters]

イランは、アルカイダと引き換えにイランの反政府活動家を引き渡すことをアメリカに望んでいると、 『New York Times』が土曜日に発表した。

新聞によると、ワシントンはスイス大使館を通してテヘランと接触し、アルカイダ高官のひとりSaif al-Adelを含むピンラディンのネットワークのメンバーを引き渡すよう、要求したという。しかしテヘランはこれを拒否。ブッシュ政権の高官は、イランがアメリカにテロ組織と認定されているMujahideen Khalqのメンバーの引き渡しを要求しても、これを拒否すると語った。現在イラクでは、イランのMujahideen Khalqメンバーがアメリカの監視下におかれている。Mujahideen Khalqはイランの宗教政権に対立する武装グループ。79年にイスラム革命で王制を崩壊させたが、後にイランの宗教リーダーたちと離反した。アメリカのイラク侵攻後、サダムに擁護されていたMujahideen Khalqは、イラクでのゲリラ基地を失った。

hoonIran wants US to swap rebels for Qaeda men -Times
NEW YORK


■パキスタン、9.11の資金と関係[030802 Daily Times]

FBI高官のJohn S. Pistoleは議会で、9.11の資金源はパキスタンにまで辿ることができ、アルカイダの有名な活動家が、金をアメリカ在住のハイジャック犯に送っていたという陳述を行なった。これらの資金がどのようにしてパキスタンで集められたのかは述べなかった。

FBIは、9.11のために約17万5000ドルから$25万ドルかかったという。資金はドイツやアラブ首長国連邦にいる関係者からハイジャック犯に渡され、攻撃の大部分を計画したKhalid Shaikh Mohammadに報告された。Khalid Shaikh Mohammadはパキスタンを根拠地として活動していた。

財務局のRichard Newcombは、サウジの組織がテロをかなり援助していたという。「どの程度かはまだはっきりしないが、かなり、と言っていいと私は思う」と述べた。当時特定の組織の資金を凍結するよう自分のオフィスは助言したが、他の部門がこれを握り潰したという。どの部門だったかを明らかにすることは避けた。

ブッシュ大統領は「9.11のレポート」から削除された28ページを見せてほしいと、サウジの外務大臣がワシントンを訪れたにもかかわらず、これを拒否した。サウジは隠すことは何もないと述べている。このため、両国間には緊張が生じている。

hoonPakistan linked to 9/11 funds
By Khalid Hasan、WASHINGTON


■アフガニスタン、「従属」はしないとカルザイ[030801 Daily Times]

アフガニスタンはパキスタンに「従属」しないとカルザイ大統領が木曜日に出版された『Far Eastern Economic Review』で、ラシッド(Ahmed Rashid)とのインタヴューで語った。

カルザイはインタヴューの中で、アメリカとパキスタンとの間で、アフガニスタンはパキスタンに「従属」されるべきだという認識があるようだが、「アフガニスタンは、第三国によって支配されるという妄想を持つことは許さない。我々は自分たちで自分たちの運命を決める」と情熱的に語った。

アフガニスタンは「パキスタンや他の隣国と良い関係を築きたいのと同様に、外から入ってくる過激派、テロ、原理主義に対抗したい。お互いを欲している部分がある一方で、もし介入が続けば、もし国境を越えてテロや暴力、過激派が入り続けたらどうなるか、という問題がある。アフガニスタンはそれらに対抗するしかない」。パキスタンとは「まず友達になりたい。そして通商やビジネスをしたい。そしてアフガニスタンに対する侵略行為や過激派の支持を防御する、パキスタンの規律ある関係を求める」。「もしパキスタンがアフガニスタンにおけるインドの役割を心配しているのなら、私はインド人たちに、アフガニスタンを第三国に暴力を振るうために用いてはならないと忠告したことを明言する」。「私はパキスタンとの間にあった良い出来事を思い出したい。ソ連に対するジハードを行なったときに、いかに助けてくれたか、パキスタンが何百人という難民を受け入れ、面倒を見てくれたか。私が辞職したときには、私はこの地域の住民になりたい。私はアフガン人たちが休暇でイスラマバードに行き、パキスタン人には週末にカブールに来てほしい。私たちはパキスタンとの友情を強化するために、あらゆることをしてきた。しかし我々が沈黙しているからといって、それは我々の弱さ由縁ではない」。

hoonAfghanistan won't be“sub-contracted”: Karzai
By Khalid Hasan、WASHINGTON


■アメリカ、アフガニスタン南部でゲリラ4人を殺害[030801 Reuters]

アフガニスタン南部で、アメリカ軍のヘリコプターが4人のゲリラを殺害、連合軍も別のグループをパキスタン側に逃げ込むまで追跡した。

また連合軍とアフガニスタン軍は、アフガニスタン南東部で、膨大な量の武器を洞窟内に発見した。あるトンネルの中には、約1万3000キログラムの兵器があったという。武器はロシア、中国、パキスタン製のものだった。

AH-64 Apache gunshipsによって殺害されたゲリラたちは、カンダハルでパトロールしていた連合軍を攻撃してきた約15人からなる集団に属していた。残りのゲリラたちは近くになった洞窟に逃げ込んだという。

またカンダハール南部では木曜日に、スピンボルダック近くで連合軍が少人数からなる集団に攻撃された。これらの集団はパキスタン側に逃げ込んだという。

garrUS says gunships kill 4 guerrillas in Afghan south
By Yousuf Azimy、BAGRAM


■アルカイダ司令官、密告者に転じる[030731 Times]

TIME社が掴んだ情報によると、9.11と同様のハイジャックテロを行なう計画について漏らしたのは、6月26日にサウジに投降したアルカイダの司令官、Ali Abd al-Rahman al-Faqasi al-Ghamdi、別名 “Abu Bakr”である。2つの情報源から、al-Ghamdiがアメリカや西欧、サウジに大きな攻撃を実施しようとしていることがわかった。サウジ政府はこの計画をCIAに流した。

このAbu Bakrの件を考えると、なぜブッシュ政権が、サウジがテロ組織に資金を流した可能性があるという報告がなされた政府の9.11レポートから、28ページもの部分を削ったのか、なぜサウジとの間で波風を立てたがっていないのか、その理由が説明できる。また昨日行なわれた大統領の記者会見でテロリスト逮捕者について言及し、「Abu Bakrは現在サウジが逮捕している。我々は計画実行者や計画作成者たちを捜査している」という謎めいた言葉の裏づけともなる。サウジがAbu Bakrの情報をアメリカに流すことは、サウジがテロに対処しているという印象をアピールすることになった。

アメリカは、Abu Bakrはビンラディンのキャンプで訓練され、トラボラの戦いでは共に戦ったと見ている。アメリカ軍によるトラボラ爆撃を免れたあとサウジに戻り、アメリカやその同盟国に対して第二のハイジャック事件を起こす計画をKhalid Shaikh Mohammadに報告していたらしい。アルカイダの現場の人間が逮捕されるにしたがってAbu Bakrは昇格、6月12日の事件まで隠れていた。

smellAl-Qaeda Commander Turns Canary
By ELAINE SHANNON


■パキスタンの辺境州でアルカイダと戦う[030731 BBC]

パキスタン軍は、初めて国の北西辺境州の部族地帯に入り、タリバンの残党たちを一掃しようとしている。

部族地帯はこまで歴史的に無政府状態で、部族長がそれぞれ独自の掟を守ってきた。しかし今、連邦政府がここをなんとか支配しようとしている。

パキスタン軍は国境沿いに軍を配置し、すべての道を封鎖しているという。そしてそ効果が出てきた。誰1人として、パキスタン側に入ることを許してないという。しかし国境には抜け穴がたくさんあるため、タリバンとそのシンパは再結成しているというのが大多数の意見だ。アメリカ軍はアフガニスタンでの主な戦闘は6月で終わったと言っているが、最近攻撃は頻繁になってきている。アメリカは、過激派がヒット・エンド・ランをしていて、パキスタンに逃げていくという。

パキスタンのアナリストRahimullah Yusufzaiもこれに同意する。「アルカイダとタリバン高官か、パキスタンに隠れていることは確かだ」という。500人逮捕されたアルカイダメンバーのうち、70%がこの地域で捕まっている。

しかしパキスタン人たちはもうひとつの武器をもっている。軍はこの部族地帯に学校を建設したり、電気を引いたり、水や道路のプロジェクトを進めている。一般人の支持や情報を得るためには、これが最善の方法だという。Haji Malangのような長老も軍に感謝しているという。「我々はタリバンなど見たことがないけど、もし我々の家の近くに来たなら、懲らしめてやる」という。「彼らに対して共感は持ってない。アルカイダなんかについて、言わないでくれ。大嫌いだ」。

それなら、ビンラディンはこの部族地帯にいるだろうか? Rahimullah Yusufzaiはその可能性はあるという。「もし彼が生きているなら、生きていると私は信じているが、彼はパキスタンとアフガニスタンの国境地域にいるだろう」。「彼を支持する人々がたくさんいることは知っている」。

whyFighting al-Qaeda in Pakistan's frontier
By Paul Anderson


■今度はアフガン人を支配する金を、我々は軍閥たちに与えはじめている[030731 Guardian]

タリバン政権崩壊後18ヵ月経った今、アフガニスタンの状況は悪化していると、NGOや国連は報告している。さらに重要なことは、この混乱は「連合軍」の政策によるというのだ。60近くの援助団体が、アフガニスタンに秩序をもたらすために軍の力を用いるよう、国際会議に訴えている。これを待つ間、軍閥たちがお互いに争っている北部や、「連合軍」がタリバンと戦っている南部での活動を停止している。一部の援助団体は、もうすでに遅すぎるのではないかと心配している。政治的な動きがあったとしても、その時には外国の兵力で秩序を取り戻すことができない状態になっているのではないか。軍閥たちと戦争をすることになってしまうのではないか。

「連合軍」の盟友である軍閥の長たちは、もちろん、政府の一部である。独自の軍を持ち、独自の収入を上げ、私財を追求し、財源をコントロールする。これらを手放すことはない。彼らは全員、アフガニスタンの未来を脅かし続け、また近々行なわれる選挙やカルザイ政権の安定にも障害となっている。

これはカルザイ大統領のせいではない。彼は政府内の囚人といっていい。尊敬されている、リベラルなパシュトゥンであり、政府の長に選ばれた。しかし本当に権力を握っているのは北部同盟の司令官たち、たとえば防衛大臣のモハマッド・ファヒームである。

夢物語アフガニスタン、あるいは欧米が約束したアフガニスタンでは、さまざまな民族で構成される軍隊が組織され、来年行なわれる選挙では民主主義の政府が誕生することになっている。しかし現実のアフガニスタンにおいては、ファヒームはタジーク人だけで軍を作ることを望み、これにより将来の市民戦争がどういうものになるかは、見えている。

新しい軍は7万名の兵から構成されることになっている。しかし今、4000名しかいない。新しい人材はタリバンやドラッグ輸送と関係していないか詳しく身元を調べられているが、過去の人権侵害については、何の捜査もされてない。防衛省はタジーク族が牛耳っている。武器や現金(イギリス人の税金を含む)は軍閥たちに流れる。そして国連高官たちは、選挙は本当に行なわれるのかどうか、疑心暗鬼だ。

アフガニスタン再建に与えられた資金はなかなか届かず、約束されたよりも少ない。しかしもっと重要なことは金の問題ではない。つまり金が解決することではないのだ。必要なのは権力構造が根本的に変化することだ。しかしこれは治安が維持できなければできないことで、これはイギリスとアメリカ政府がしなくてはならないことだ。

アフガニスタンには金があるが、正しい手の元にはない。地方の軍閥たちは地方の道路を管理し、関税をピンハネしている。カルザイは金をカブールに集めることができないでいる。従って、政府は外から来る金に期待する。そしてその一部がまた軍閥たちを買収するために使われることになる。アフガニスタンの一般人にはなかなか金は入ってこない。人々が収入を得るためには、ケシ栽培に戻ることしかない。

UNHCRに促されて、200万人の難民がアフガニスタンに戻った。多くの人々にとって、これは苦難の話だ。仕事はほとんどない。貧困と飢えは続く。

専門家たちは戦後の再建に必要なのは職業訓練であり、それにより国も助かり、また望む者の懐に金が入るとしている。しかしこれはアフガニスタンでは適用されていない。タリバンが崩壊したとき、アメリカがカブール以外の土地で国際治安部隊(ISAF) を配備することに同意しなかったため、治安はもたらされなかった。なぜ? ラムズフェルドが当時すでにイラク侵攻に兵士たちを確保することを決めていて、平和維持に自軍をとられることを嫌ったためだ。

ペンタゴンは、カブール外では軍閥に金を払って治めてもらうほうが都合がいいと考える。これらロヤジルガで決めたことだが、ジルガ参加者として「当選」した者の80%が軍閥だった。ワシントンの情報筋によると、有名な軍閥を封じ込めるようサポートしてほしいというカルザイ大統領の申し出を、ラムズフェルドは断ったという。結果として、再建は腐敗し、政治的進歩は存在せず、人権侵害が山積みになった。

まっとうな再建計画でさえ、アフガン人たちに恩恵を与えることができない。ひとつの例であるが、たとえは道路の補修工事は金を有効に使い、労働を与える手段となり得る。しかしカンダハルからイランに抜ける幹線道路沿いで、この道路は30年間補修されずにいるのであるが、中央政府は地元の権力の協力を得ることができないでいる。その結果、アメリカの会社が道路工事を請け負うことになり、地元の労働力を使うのではなく、大型機械が持ち込まれることになった。

進歩があったとしても、今やそれは脅かされ始めている。女子校は再び閉鎖されつつある。女子校は攻撃の対象となり、学校に向かう女の子たちは脅かされたり、暴力を受けたりしている。

火曜日に発表された人権団体のレポートによると、誘拐やレイプ、窃盗や殺人などは政府に対するいやがらせではなく、政府がしていることだという。つまり軍閥や警察、兵士たちが行なっているのであり、彼らにたいして直接的、また間接的にアメリカやイギリスの税金が払われている。

イギリスは、アフガニスタン東部の軍司令官でナンガハールの軍閥の長であり、またアメリカ軍と一緒にトラボラで戦ったハザラット・アリに、金を払いつづけている。彼の部下たちは、タリバン支持者だとして人々を逮捕し、その家族がお金を払うまで拷問を続けるのだ。

もし軍閥たちに金を与えることが緊急事態を突破する方策であったなら、選挙さえ終わり、正規の政府が機能しはじめたなら、もうその必要がないと考えることもできる。しかしこれは長期間の平和と民主主義政府が設立して始めて実現する政策であり、どうもそれは難しいようだ。

選挙まで1年もない。地方の軍閥たちが単にプロパガンダとして用いられた選挙で再選出されることを許すか、あるいは軍閥たちと対決するかの選択肢しかない。8月にISAFにとって代わるNATOは何ができるだろうか? 私は不安に思う。

rightNow we pay the warlords to tyrannise the Afghan people
Isabel Hilton


■ペン型地雷、外国兵にとって新しい脅威となる[030730 Reuters]

アメリカ主導のアフガン軍は、子供たちによって持ち込まれてくるペン型地雷が新しい脅威となっている。

木曜日にウルガザン地域で、ペンが爆発して負傷した2人の少年が救急ポストに運ばれてきた。「子供の1人がキャップをはずした途端、ペンが爆発した」。「反政府軍が、子供や女性、体の不自由な人々を使い、連合軍に近づかせ、ペン型地雷で攻撃しているという報告がある」。

この数週間、ゲリラたちは攻撃を強化している。今年に入ってから5人のアメリカ兵と4人のイタリア兵が負傷した。

garrExploding pens a new risk for foreign Afghan force
BAGRAM


■防衛省の改革近し、とアフガン大統領[030730 Reuters]

アフガニスタンの防衛省の改革が近々発表になると、カルザイ大統領が発表。これにより、何千という戦士たちの武装解除が実現にむかう。

少人数ではあるが支配的なタジーク族からなる防衛省の改革は、アフガン政府がアフガン人の代表として機能するために不可欠であり、やっかいな武装解除プログラムを開始するためにも重要だ。カルザイは数日後に防衛大臣のMohammad Fahim Qasimが現在の高官を排除し、新しい人材を適用を発表するだろうと述べた。

hoonDefence ministry reform close, says Afghan ruler
By Sayed Salahuddin、KABUL


■なぜアメリカにタリバンが必要か[030730 Asia Times]

パキスタンのムシャラフ大統領の訪米後、アフガニスタンは新たな展開を見せはじめた。アフガニスタンにおけるアメリカ軍は、これまでに増して攻撃を受けている。パキスタンとアフガニスタンの国境での小競り合いも、毎日のように報告されている。

7月16日にバグラム基地にいるアメリカの司令官、Frank “Buster” Hagenbeckがイギリスの『Electronic Telegraph』に、アメリカに対する攻撃が増えていることを語った。またタリバンがパキスタンで再結成されていて、クエッタの宗教学校で人材を募集しているとも語った。またこれらの敵はアルカイダの司令官たちと結託し、アメリカ兵を捕らえるために資金を提供しているという。またタリバンは国全体を掌握しているという、重要な情報も明にした。

【信頼できる情報】

このHagenbeck指令官の言葉はワシントンでは無視されている。またカルザイ大統領の言葉も無視されている。7月17日に政府のスポークスマンはパキスタンの新聞、『The News』に、パキスタン国境付近での小競り合いについて心配していることを指摘した。また7月24日に『The Nation』には、アーマッド・ラシド(Ahmed Rashid)氏がカルザイ大統領の言葉を引用して「パキスタンや他の隣国と良い関係を築きたいのと同時に、我々は外からテロや原理主義が入ってくるのを防ぎたい。もし介入が続くのであれば、それに対抗して防がざるをえない」と述べている。

アメリカのなかでは、アフガニスタンにおけるアメリカの特使Zalmay Khalilzadだけが、このことに関心を示している。Khalilzad氏は、パキスタンでタリバンが活動するのを全力で防がなければならない。パキスタンから「100%の保証を得なければならない。50%ではだめだ。我々はタリバンがクエッタで何か企んでいることを知っている」と述べている。

いったい何が起きているのか。何でブッシュ政権はこの問題に対して、無気味な沈黙を守り、パキスタンでタリバンが成長するのを黙って見守っているのか。なぜ今になってアメリカはカルザイ政権を弱め、タリバンの再結成を許しているのか?

カルザイ大統領は、ラシッドと同じ意見である。つまりムシャラフは訪米中に何らかの合意に達し、その結果アフガニスタンはパキスタンに従属(“sub-contracted”)されてもいいと考えているのではないか。カルザイはラシッドに、ムシャラフのカルザイ政権に対する批判的な言葉は、パキスタンがタリバンを支持し、アフガニスタンに対して大きな影響力をもっていた9.11以前を思い出させたと語ったという。ムシャラフは、アフガニスタンの大統領は、カブール以外では何の支配力も持たないと語ったのだ。しかしカルザイはラシッドとの会見で、外の者が何を企てようと、「アフガニスタンは他の国の支配を許さない」と述べた。カルザイは誇張しているのか? おそらく彼は正しい。タリバンが復活するかどうかはわからないが、少なくともアメリカにとっては、それは好ましいことであることは確かだ。

【現実を受け入れる】

第一に最初から明らかなことは、アメリカはアフガニスタンに行きたいわけではなかったということである。単に、中央アジアに進出するためのきっかけがほしかったにすぎない。アフガニスタンの再建もそれほど重要ではない。アフガニスタンの現状を知っているものにとっては、外国人がアフガニスタンを再建することは夢か、嘘の塊である。

18ヵ月にわたる「それなりの」努力の結果、アメリカはパキスタンを盟友として持ちつづけながら、北部同盟が支配するカブール政権を保つことは不可能だということに気づいた。カブールのパシュトゥン人の操り人形、カルザイ大統領は、パキスタンやパシュトゥン人の共感を得られない。したがってパキスタンを友人にするか、敵にするかを選ばなければならい。ブッシュ政権の選択は明らかだ。

第二に、北部同盟だ。北部同盟の最大の友はロシアである。ブッシュ政権にとっての、中央アジア支配のライバルである。以前アメリカがロシアを追い出すためにしたことを考えれば、今になって北部同盟とカルザイを守ろうとするとは考えられない。アフガニスタンがパキスタンに支配されるほうが、ロシアに取られるよりはましだ。

次に、北部同盟とアフガニスタンのシーア派ハザラ族はイランに近い。イランは現在Chahbaharの港とヘラートをつなぐ道路を建設して、カンダハルにも延ばそうとしている。一方ワシントンのネオコンは今、イランに対して戦いを挑んでいる。アメリカはイランがアフガニスタンに影響力を持つことは絶対に避けたい。もし北部同盟の支配するカルザイ政権が長く続けば、イランは当然この影響力を大きくするだろう。タリバンはこれをいやがる。彼らはクエッタのシーア派を惨殺することで、メッセージを送った。これはパキスタン政府も掌握していることだ。タリバンは反ロシアであるとともに、反シーア派、反イランである。ワシントンはタリバンの「利点」を知っている。

最後に、インドの要素がある。タリバン再建というオプションをプラスに転じるために、この小さな要素も大事になる。ブッシュ政権はインドとの緊密な関係を望んでいる。これはインドの立場からではなく、ワシントンの立場からだ。カルザイ政権になってから、インドはアフガニスタンで力を発揮してきた。これはイスラマバードも警戒している。ワシントンは、ロシアとイランとともにインドまでがアフガニスタンで力を持つことをいやがっている。ワシントンはこの繋がりを切りたい。特に、盟友のパキスタンがこれを望んでいるとなるとなおさらだ。ムシャラフの親戚でもある
Brigadier Feroz Hassan Khanが最近このことを直接書いている。彼は以前Wilson Centerに所属していたが、今はMonterey Institute of International Studiesにいる。

【強がっているわけではない】

Center for Contemporary Conflictの雑誌、Strategic Insightの1月号で、Khan氏はイランを観察し、次のように書く。「イランでは、ハタミ大統領はパキスタンと協力してカルザイを支持している。しかしイランでは以前の軍閥たちを支持したいと考える一派がいて、アフガニスタンの敵であるパキスタンを敵と見る。また彼らはサウジの役割も疑ったいる。イランはペルシア湾のChahbahar港から、イランのバローチスタン地域を通り最終的にはカンダハルにつながる道路を建設している。パキスタンの独占権を奪おうというのだ。アフガニスタンは現在カラチ―クエッタ、あるいはペシャワルとつながっている。つまりボラン峠とカイバル峠だ。この峠を通じて、アフガニスタンは外の世界と通商をしてきた」。

さらにKhan氏は「ロシアは、アフガニスタンの主な軍閥たちと繋がりを持っている。その1人、ドスタム将軍は最近モスクワから武器を購入。ロシアはアフガニスタンに独自の経験とノウハウを持っていて、その関係を強化するべきだと考えている。パキスタンはこの展開を非常に心配している」。

さらにKhan氏の論文は、アフガニスタンにおけるインドの役割について考える。「今インドは積極的に動いている。タジキスタンの空軍基地を通して、北部同盟に武器を供給している。これらは、タリバン時代にパキスタンの敵となった一派を強化するためだ。パキスタンが恐れることは、アフガニスタンの政策が変わったにもかかわらず、ある人々はパキスタンに対してまだ恨みを持ち、インドの言いなりになるということだ。これはインドとパキスタンの対立を、アフガニスタンにも持ち込むことになりうる」。

軍縮や武装解除や国際条約に詳しく、パキスタンの核戦争に対するの治安政策、南アジアにおける軍縮や力関係について詳しいKhanが、ただやみくもに強がっていないことは明らかだ。

【合理的な話】

さて、それではパキスタンが再びアフガニスタンを支配できるようになったとしたら、パキスタンはブッシュ政権に何を与えることになっているのか?

パキスタンはアメリカを助けることができる。まずイスラム諸国に核を与えないことを約束した。ムシャラフは、パキスタンの原発施設の管理をアメリカに託すことになるかもしれない。さらに大事なのは、ビンラディンをアメリカに引き渡し、パキスタン軍をイラクに送ることになるだろう。ビンラディンの逮捕は、アメリカのアフガニスタンにおける使命を正当化することになる。そして、アフガニスタンから撤退することができる。もうひとつ重要なのが、パキスタンのイスラエル承認と思える。

パキスタンとタリバンというコンビネーシェンに、アフガニスタンを従属(カルザイの言葉を用いるのなら)させることは、今のすでに複雑な状況を、さらに複雑にするだろうか。そんなことはない。2001年にアメリカが北部同盟に助けられてにアフガニスタンに行った時点で、アメリカのあわてて手配した取り決めは、どれも持続性のあるものではないことは明らかだった。イスラマバードが何と言おうと、どのような圧力がかかろうとも、パキスタンはそのような取り決めに合意する理由はない。

ムシャラフがMuttahida Majlis-e Amal(MMA)を権力の座につけたときに、ワシントンはこの取り決めが持続できないことに気づいた。その時点でアフガニスタンの大統領としてのカルザイの命はなくなったようなものだ。そしてワシントンはアフガニスタン復興計画を諦め、次のマシな計画に移った。再び、パキスタンに操られたタリバンのアフガニスタン支配である。

ohWhy the US needs the Taliban
By Ramtanu Maitra


■オサマ、部族長がおそらく匿う[030730 Daily Times]

オサマ・ピンラディンはパキスタンの国境付近の部族長に匿まわれていると、アメリカ在住のビジネスマン、Mansoor Ijazが雑誌『New Yorker』で語った。

Mansoor Ijazによると、ビンラディンは「生きていて、部族地帯に隠れている。半径約150マイル以内を移動している」。「パキスタン政府と密接な関係にある部族長たちによって、匿われている。部族長たちによると、彼は夜しか移動せず、衛星電話やラジオも使わない。非常に危険だということを知っている。クモの巣のような、完全な連絡手段を確立している」と語った。

Ijazによると、ビンラディンは「人間の手から手」による「手書きのメモ」を通して連絡をとっているという。またビンラディンはまず、忠実な村人、そして部族長、そして内輪の護衛というように、何重にも守られている。「忠実な僕に囲まれているために、アメリカが彼を狙い撃ちすることはできない」と述べた。

また、ピンラディンはパキスタン西部にいて、そのボディーガードには、彼の息子も含まれる。息子は父が生けどりにされることがあるなら、父を殉教させることを誓ったとと、ペシャワル在住のジャーナリスト、Rahimullah Yusufzaiの言葉を引用した。

ニューヨークのセキューリティー会社の中東部門の責任者、Dominic Simpsonがこの雑誌に語ったことによると、ある信頼のできる情報筋が、タリバンのリーダー、オマール師と、最近パキスタン内で会ったという。Simpsonがいうには、この会見の最中、オマール師は「そうです、私はオサマと一緒にいます。我々はパキスタンで一緒に移動しています」と語ったという。

smellOsama believed to be sheltered by tribal chiefs
By Khalid Hassan


■3ヵ国委員会、モーマンドを査察[030730 Daily Times]

パキスタンとアフガニスタン、アメリカの3ヵ国からなる特別委員会が国境のモーマンド地域を訪れ、カブールがパキスタンがアフガニスタン領内に侵入しているかどうか、査察した。

政府高官が『Daily Times』に語ったことによると、各国から2人ずつ、計6人からなる委員会がGostrey KandaoとAnargai Kandao地域を訪れた。またYaqoobi Kandaoにもこれから訪れるという。

この査察が行なわれている最中にも、アフガン側はGhakhi Kandaoにあるパキスタンのチェックポストを攻撃してきた。

hoonTripartite commission inspects Mohmand on Kabul's claims
By Iqbal Khattak and Mukarram Khan、PESHAWAR/GHALANAI


■イラク戦争によってアルカイダ狩りは妥協したか?[030729 NBC News]

専門家たちの間で、もしアメリカがアフガニスタンからイランへと対テロ戦略を移してなかったら、ビンラディンの追跡はもっとはかどっていたのではないだろうか、という疑問が話題になっている。

2002年の始めには、アルカイダに対する作戦、“Operation Enduring Freedom”は血気盛んだった。しかしこの作戦の最中、ホワイトハウスはすでにイラク戦争を計画していたという。情報筋によると、2002年の春、対テロ戦争のカギとなる武器、例えば奇襲部隊、無人偵察機、ハイテク観察機などはアフガニスタンから撤収された。専門家たちがNBCに語ったことによると、アメリカがアルカイダの追跡からイラクの政権崩壊にとりかかったことで、明らかな交代劇があったという。

ブッシュ政権の国家治安を担当する前高官は、サダム攻撃を強化することで、ビンラディンは一息つくことになってしまうのではないか、と注意したという。「サダムを追放するために、主要な資金、人間、機材をアフガニスタンから撤収するという決定は下された」と、ホワイトハウスの国家治安議会の前責任者、Flynt Leverettが語る。

前CIAのアナリストLeverettは「今日、アルカイダはアフガニスタンとパキスタンの国境地域やイラン東部で、リーダーたちの組織は再編成したようだ」。

【テロの戦争】

内閣の高官たちは、イラクに対する戦争はビンラディンとアルカイダに対する戦争の一環であると唱えつづけてきた。「イラクで戦うことは、テロに対する戦争から退くことになるのではないかと、異論を唱える者もいる」とブッシュは2002年10月に語っている。「しかし逆に、イラクが課する脅威に立ち向かうことは、テロへの戦争に勝利するためには不可欠だ」とつけ加える。チェイニー副大統領も同じようなことを2003年3月に言っていた。

しかし戦争にいたるまでの間、Leverettや軍事専門家によると、「アフガニスタンで急に引いてしまうと、アルカイダを追跡する我々の能力にマイナスになると心配する者が内部にいたという。

9.11以後9ヵ月間、ブッシュ政権でテロ政策をリードしてきた退役将校のWayne Downingは、「心配があったことは確かだ。諜報部員もFBIも、自分たちの情報収集源を失うのではないかと心配していた」。

【Predatorが必要】

そのひとつがPredator unmanned aerial droneだ。CIAが所有するものはHellfire missileを装備している。アフガニスタンとイエメンで大活躍した。

NBCが得た情報によると、イエメンで、司令官たちは「アルカイダに対する実行可能な作戦」を行ないたがっていた。過去においてはテロニストを攻撃するために、リモートコントロールで偵察機からミサイルを発射していた。しかしイラク戦争のために、ひとつもPredatorがなかったのだ。敵は逃げてしまった。

さらに、CIAの特別捜査隊とグリーンベレイたちは2002年6月にアフガニスタンから引き上げた。彼らはアラビア語や中央アジアの言葉がしゃべれる。代わりに残ったのは、言葉がわからない者たちだけだった。

【RIVET JOINT】

退役空軍将軍でNBCのニュース・アナリストRick Franconaによると、アルカイダに対する戦争でもうひとつ重要だったのが、RC-135“Rivet Joint”とよばれるハイテク偵察機だ。2001年の“Operation Enduring Freedom”でこのRC-135は用いられた。しかし2002年6月にはアフガニスタンから引き上げられ、イラクに送られる。やっと6月になって、アフガニスタンに戻った。「アルカイダに対する努力は台なしになったとは思わない」と彼はいう。

それでも、この間に対テロ戦争はいくつかの重要な勝利もあった。ビンラディンのトップやイエメンでPredator droneを使ってアルカイダ・メンバーを暗殺したU.S. Central Commandは、イラク戦争はアルカイダの追跡に障害を与えたという考えを否定する。

hoonDid war compromise al-Qaida hunt?
By Lisa Myers and Aram Roston


■イスラマバードとカブール、国境問題終止に衛星を用いる[030729 Dawn]

パキスタンとアフガニスタンは、両国間の国境問題を解決するために、GPSを用いることで合意した。「GPSの技術を用い、衛星写真と実際の地図と照合して、国境が侵害されたかどうか検討することになった」という。「アフガニスタン人はロシアが作った国境を示す地図を持参し、アメリカはアメリカの地図を、我々は我々の地図を持ち寄った」。

高官によると、イスラマバードは以前入ることができなかった部族地帯に軍を送り、政府の力を拡大し、タリバンとアルカイダを一掃するための作戦を開始したという。「部族地帯に行くかどうかは我々が決めたことで、この地域に軍を送り、政府の管轄内におく時期がきたと判断した」。

また「我々はzero-lineから1キロ手前にいる」とパキスタンは主張した。「これはややっこしい問題ではなく、単にテクニカルな問題だ。もし我々がアフガニスタン側に入り込んだとしたら、引き下がるまでだ。もし誤解があったのなら、それを訂正する準備はできている。パキスタンはアフガニスタンの領地を奪おうとは全く考えてない。過去においもこれからも、アフガニスタン領土を占領しようとも考えてない。国境ははっきりしていて、混乱はない」。

hoonIslamabad, Kabul to use satellite to end border dispute
By Ismail Khan、PESHAWAR


■アルカイダが新たにハイジャックを計画中と、高官注意を促す[030729 Washington Post]

アメリカ高官が昨日、アルカイダがこの夏、新たに飛行機のハイジャックによる自爆テロを計画している可能性があるという情報をつかんだと、発表した。9.11と同じようなシナリオを考えている可能性があるという。

この情報は、1人以上の逮捕されているアルカイダ高官とのインタビューを通して得たという。

新たな攻撃の可能性があるということは、先週から出はじめたと政府高官筋。逮捕されたアルカイダのうち、誰がこの情報を提供したかは明かにされてはないが、情報の信憑性を今捜査中とのこと。また「これらの情報源は一つではない」と諜報部員が語った。

hoonAl Qaeda Planning More Hijackings, Officials Warn
By Susan Schmidt


■国境でのアラブ資本の援助センター、閉鎖[030729 The Nation]

パキスタンとアフガニスタン両方の国境付近で活動しているアラブ資本の援助組織が、タリバンとアルカイダのネットワークとつながりがあるとして、閉鎖するよう命令されたと情報筋が『The Nation』に語った。

これらの団体はアフガニスタンのクラム行政地区のSaddaとShehr-e-Nauで活動していた。「クラム行政区、Saddaのアラブ資本の病院とShehr-e-Nauの同じような病院のスタッフは、タリバンとアルカイダとつながりがあるとして、ただちに排除された」。「これらの援助組織は、UNHCRが組織するPDHに引き継がれる」と、匿名のUNHCR高官が語った。これらの援助組織は活動を禁止された。

UNHCR高官によると、これらの2つの組織は負傷したタリバンやアルカイダのメンバーに、援助を施したという。アフガニスタンやパキスタンの他の地域でも、このような行為がおこなわれてないとは言い切れないという。しかし国境付近、とくにペシャワルで活動しているアラブ資本の組織には、大きな影響を与えるだろうとのこと。

hoonArab-funded relief centres at Pak-Afghan border closed
HANGU


■国連、北西辺境州でまだ仕事を中止[030729 The Nation]

国連の車輌が銃撃された事件発生後、国連は北西辺境州での活動を木曜日まで中止することを決めた。

フィールドにおけるすべての国連の活動は、水曜日以来停止している。国連高官は北西辺境州の警察所長と話し合いを行なったが、満足できる結果が出なかったという。

一方、北西辺境州のHome and Tribal Affairs Departmentは国連や他のNGO団体に、フィールドに出る前に必ず登録し、車輌ナンバーなどを報告しないかぎり、政府は安全の責任を持たないと発表した。しかし北西辺境州政府は保護を約束している。

hoonUN operations to remain suspended in NWFP
PESHAWAR


■アフガン軍閥、選挙を脅かす[030728 AP]

人権団体によると、軍閥たちはアフガニスタンで行なわれようとしている新憲法政策を脅かし、来年の選挙を妨害する恐れもあると発表した。

月曜日に発表された報告書によると、軍閥たちに忠誠な兵士や警察間たち(多くは政府の人間)が誘拐や殺人、窃盗、女性や少女、少年たちをレイプしているという。また体制に批判的なアフガニスタンのジャーナリストや下級政治家たちの生命を脅かしているとも。「これが続ければ、アフガニスタンが現代的な民主主義国家になることはできない」と、人権団体。

カルザイはなんとか中央政府の権限を地方にも広げようとしている。しかしアフガニスタンの大部分は軍閥たちによって支配され、それぞれが好き勝手をし、自身の軍を持っている。

これらの権力にいる軍閥たちは2001年にタリバンを追放したときに、アメリカによって援助され、今でも協力することも考えられている。カルザイがこれらの軍閥を現在の地位につけたのは、彼らがすでにその地域をコントロールしていたからだ。

カルザイは10月に新しい憲法を作ろうとしている。「おそろしく大変な仕事だ。でも少しずつ前進している」と政府のスポークスマン。

カブールのパグラム空港のアメリカ軍は、この人権団体がe-mailでコメントを申し出たが、それには答えなかった。

人権団体によると、最大の問題点は、こらの不正行為が「政府に属する人間によって指図されていること」だという。これらには防衛大臣のMohammed Fahim、教育大臣のYunus Qanoon、前大統領Burhanuddin Rabbani、80年代にソ連と戦った有名なリーダーAbdul Rasul Sayyafの名前もあがっている。

また女性や少女たちに対する暴力を振るい、政治への参加を拒否し、宗教的原理主義をかざして、仕事や学校に行くことを禁止して家内に閉じ込めているという。(後略)

hoonGroup: Afghan Warlords Threatening Vote
By TODD PITMAN


■タリバン、知事の協力者を脅迫[030728 AP]

タリバン残党たちが、アフガニスタン南部の町で約24人の人々を殺すと脅迫した。

この脅迫状は金曜日にスピンボルダックで押収されたパンフレットに印刷されていた。パンフレットには、スピンボルダック在住のNoorzai族に属する26人の名前が名指しにされていた。Noorzai族はタリバンに協力しているという。

「これらの人々は、政府とかかわらないよう、警告されている。あなたがたに対してジハードを行なう。次回は決して見逃さない」とパンフレットに書いてあったという。これらのパンフレットはパシュトゥ語で書かれていた。

garrTaliban Threatens Gov't'Collaborators'
By NOOR KHAN、KANDAHAR


■パキスタンの観光業、9.11以後打撃を受ける[030728 Daily Times]

9.11以後、パキスタン北部の観光業は大きな打撃を受けている。北西辺境州の高官によると、これまで経済にとって重要だった観光客たちが、2001年のアメリカによるアフガニスタン攻撃開始以来、劇的に少なくなった。

観光客たちはキリスト教徒や欧米人をターゲットにした攻撃を恐れ、また北西辺境州でシャリア法が適応されたことにも恐れをいだいている。

スワットの「グリーンズ・ホテル」のオーナーのSyed Aqil Shahは「ここ20ヵ月の間、ビジネスはゼロだ」という。またチトラルも大きな打撃を受けている。「9.11以前は3500人の外国人ツーリストがチトラルに来ていたが、去年はたったの250人だ」とマウンテン・インのマネージャーのMunir Khan。

絨毯やハンディクラフト、宝石を買っていく海外から来る観光客でにぎわっていたペシャワルも、大きな打撃を受けている。「外国人たちはみな地元のハンディクラフトに感銘を受け、我々から物を買っていった。しかし今はまったく変わってしまった。われわれはもうだめだ」と、町の店主。「観光客は身の安全を気にして、来なくなった。常に満室だったのに、今はゼロだ」とペシャワル・コンティネンタル・ゲスト・ハウスのマネージャー、Noor ul Amin。観光客や外交官御用達で、アイルランド系アメリカ人、Martin Davis Ashlayが95年に設立したKhan Clubでさえ、打撃を受けている。ラピスラズリやマグナイト、トルマリン、ガーネットなどが施された贅沢な8つの部屋は、今はどこも空室だ。「5月から誰も来ない」とマネージャーのBashir Ahmed Awan。「ロビーで行なう伝統的なラバーブの演奏さえ今は禁止されている」。

「北西辺境州に来るときに、子供たちにジーンズやズボンをはかせてもいいかという問い合わせを受けるようになった」と、Sehrai Travels and Tours Peshawarの責任者。観光業は85%も落ち込んでてしまったという。

rightTourism in Pakistan threatened by 9/11 aftermath
PESHAWAR


■アフガン、タリバンに対して行動を起こすようアメリカを説得[030728 Reuters]

アフガン南部の政府によると、タリバンのゲリラたちが数百人、町で自由に行動していると、アメリカに取り締まりを強化するよう促した。

タリバン高官は、オマール師が土曜日に新たな軍の責任者を任命し、現在負傷した有名な司令官を補佐して、アメリカと政府軍に対して攻撃をさらに強めるよ指示したという。タリバンの活動を証明するかのように、パキスタン国境に近い南部の町の住人たちは日曜日の朝、アメリカとアフガン政府に協力した25人の「密告者」を殺すというポスターが出回っているのに気づいた。

ザブル州の副知事がロイターに語ったことによると、タリバン高官たちはパキスタンのクエッタで会合を開き、現知事に対抗するために、Mullah Abdul Jabarをこの州の知事として任命したという。今ではザブル近辺では何百人ものタリバンが自由に行動していて、州に属する軍隊はアメリカや中央政府からの支援がほとんどないために、タリバンに対しては無力だという。「Deh Chopan地域には、約500人のタリバンがいる。この地域は今のところ平静を保っているが、彼らはバザールを自由に歩き回っている」。「ここで連合軍が大きな作戦を行なわなければ、大きな問題になるだろう」。

ザブル州はタリバンにとっては、活動の中心となる地域だった。タリバンの諜報部高官Mullah Abdul Samadはロイターに、タリバンと部族長の議会でMullah Sabirを南部の軍司令官に任命したという。現司令官Hafiz Abdur Rahimは3ヵ月前に受けた傷に苦しんでいるという。

Samadは、パキスタン紙『The News』に掲載された、4日前にRahimが逮捕され、ウルズガン州にいたが2日前に釈放された、とする情報は誤りだと述べた。「Mullah Rahimは少なくとも3ヵ月間、傷の手当てのためにウルズガンに行なったことはない」と衛星電話で述べた。彼によると、Rahimは政府軍との衝突で負傷したというが、どの程度の傷であるかについての詳細は述べなかった。Rahimはアメリカ主導軍によって行なわれたタリバン狩りを逃れていた。

スピンボルダックのモスクに掲示されていたポスターには、25人の密告者は「適切な時期に」殺されるだろうと書かれていた。「これらの人間はタリバンムジャヒディンを虐殺するために、重要な役割を果たしていた」という。「かれらはタリバンが警告したにもかかわらず、アメリカ軍やそのエージェントと協力していた」。

garrAfghans urge US action on free-roaming Taliban
By Mirwais Afghan、KANDAHAR


■アフガン問題を「インドのせい」する[030728 Daily Times]

パキスタンはアフガニスタンで病院や学校、道路など、何一つ作ってない。しかしインドはアフガニスタンの子供たちに学校を作り、女性のために病院を作っている。インドのバスはカブールで何百と走っている。アリアナ航空はインドから3台のエア
・バスをプレゼントされている。アフガニスタン西部では道路を作り、東部ではダムを補修している。

インドは、アフガニスタンのすべての人々を満足させるため、アフガニスタン政府から大きな経済的恩恵を受けるため、北部同盟との関係を深めるため、80年代にソビエトの侵攻を支持した国というイメージを払拭し、アフガニスタンの友達であることをアピールするために、非常に建設的で創造的な再建をアフガニスタンで行なっている。

賢いやり方か? 全然。イラン、ロシア、中央アジアも同じことをしている。これは、アフガニスタンをイラクの次にしか置いてないアメリカや国際社会にへつらっているにすぎない。アフガニスタンで良き行ないをすることによって、アフガン人にいい顔を見せ、国際社会に貢献しているかのようにふるまい、中央アジアの中心にある国と良好な関係を築こうとしているだけだ。

パキスタンはどうか? パキスタンはアフガニスタンでは何もしていない。道路も学校も作ってない。お金もほとんどあげてない。

我々は建設的な計画がない。むしろ「アフガン人の過去の犠牲」に依存することのほうを望む。例えば難民を受け入れ、タリバンを援助する。このネガティブな状況に上載せするように、ムシャラフや彼の部下たち、そしてShaukat AzizやSheikh Rashid、Faisal Saleh Hayatなどの大臣たちは、アフガニスタンをだめにしているのはインドの影響であり、パキスタンとカブールの関係を悪化させているのもインドであり、テロを支持しているのもインドだという。

全部インドのせいにする。もっとも簡単なことは、アフガニスタンとの良い関係やカルザイとの良い関係を持たないことを「インドのせい」にすることだ。しかし今回は、この使い古した方策はパキスタン人の間で共感を得なかった。

軍がFATAに入りパキスタンの歴史的領土を再度征服する一方で、クエッタ、チャマン、ピシンの三角地帯で何百というタリバンが再結成するのを許している。94年〜95年にチャマンでタリバンが生まれときのように、バローチスタンではタリバンを訓練しいる一方で、北西辺境州ではテロや過激派や部族主義と戦っているのだ。

アメリカ人たちは違いがわからないためにだまされやすく、ワシントンのネオ・コンたちはアメリカ兵が何人タリバンに殺されようと気にしない一方で、バローチスタンと北西辺境州の人々は、ありがたいことにそれほどばかではない。彼らはこのねじれを現実的に見ている。パキスタンの多数の人々は、アフガニスタンをインドとしのぎをけずる地として見るのではなく、単にビジネスや商業、売買をする場所して見ているのだ。

ムシャラフはパキスタン人に、パキスタンにとって「国家的治安に必要なもの」が何であるか、充分にわかっていると繰り返し語ってきた。アフガニスタンにおける我々の失敗をティッシュに包んで、インドのせいだと言うことが我々にとってするべきことなのか?

パキスタン政府はアフガニスタンとの良い関係を築こうとしないが、ペシャワルのパシュトゥン人たちはカブールで必死に商売をしている。6000人のバローチ人がカンダハルで労働をしている。パキスタンのセメントは国境沿いで売られ、パキスタンの建設会社は道路建設の仕事を取得しようと必死だ。

今回、人々をだまそうとしてもだめだ。パキスタン人たちは何が必要かを知っていて、大臣などの言葉に耳を傾けはしない。アフガニスタンとビジネスをし、関係を改善し、国の再建を手伝いたがっている。簡単にいえば、こちらが繁栄すれば、あっちも繁栄する。

smellTrying to“Indianise”Afghan problem
Ahmed Rashid


■パキスタンの観光業、9.11以後打撃を受ける[030728 Nations]

9.11以後、パキスタン北部の観光業は大きな打撃を受けている。北西辺境州の高官によると、これまで経済にとって重要だった観光客たちが、2001年のアメリカによるアフガニスタン攻撃開始以来、劇的に少なくなった。

観光客たちはキリスト教徒や欧米人をターゲットにした攻撃を恐れ、また北西辺境州でシャリア法が適応されたことにも恐れをいだいている。

スワットの「グリーンズ・ホテル」のオーナーのSyed Aqil Shahは「ここ20ヵ月の間、ビジネスはゼロだ」という。またチトラルも大きな打撃を受けている。「9.11以前は3500人の外国人ツーリストがチトラルに来ていたが、去年はたったの250人だ」とマウンテン・インのマネージャーのMunir Khan。

rightPakistan's tourism obliterated by security hazards after 9.11
PESHAWAR(AFP)


Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003.