【2003年08月18日〜08月24日】


■タリバンとの衝突で9人死亡[030824 Reuters]

土曜日にザーブルのDai Chopain地方でタリバン・ゲリラたちが政府軍のコンボイを襲撃し、5人のアフガン兵と少なくとも4人のタリバンが死亡。政府軍は、金曜日にウルズガン州で起きた衝突のあとに逃げたゲリラたちを追跡中だった。

ザーブル知事のスポークスマンによると、2人のタリバンも拘束したという。南西部の外交問題を担当しているKhalid Pashtunは、拘束したタリバン人は後に死亡したと伝えた。

ウクズガン州知事のJan Mohammad Khanは金曜日に、約250人から300人のタリバン戦士がKhas Uruzgan地方を襲撃したあと退去したと述べたが、Khalid Pashtunは現在ザーブルで追跡しているゲリラたちは50人以下だという。「今回はアメリカ軍は参加してない」という。

garrAt least nine dead in latest Afghan Taliban clash
By Mike Collett-White、KANDAHAR


■タリバン攻撃で少なくとも5人のアフガン人が死亡[030824 AP]

土曜日にザーブルで、政府軍のトラックをタリバン戦士が襲撃したと、州知事とタリバンのスポークスマンが日曜日に発表。

タリバンのスポークスマンMohammed Hanifは「AP」に衛星電話で連絡してきて、政府軍12人が死亡し、タリバンの間には死亡者はないと述べた。しかしHafizullah Khan州知事は政府軍5人とタリバン3人が死亡したと伝えた。

襲撃はザーブル州のDai Chupan地方で起きた。

Mohammed Hanifは、政府軍兵士の遺体は放置してきたが、17丁の自動ライフルを奪ったという。彼によると、今回の襲撃はスピンボルダックの前タリバン司令官Abdul Rahimが指揮しているという。カルザイ大統領は、Abdul Rahimはパキスタンの部族地帯に避難していると見ている。

garrTaliban Attack Kills at Least 5 Afghans
By NOOR KHAN


■ビンラディン追跡[030823 Guardian]

今年の3月、パキスタン西部を捜査していた諜報部は、ついにビンラディンを射止めたと思った。アフガニスタン南部からパキスタン領のバローチスタンを通ってイランに抜ける密輸ルートを、コンボイが猛スピードで走り抜けるのを発見したのだ。アメリカは、このなかにビンラディンがいるという情報を掴んでいた。

きっといるに違いない。5日前、パキスタンはこれまでで最大の獲物を捕らえていた。Khalid Shaikh Mohammadである。Khalid Shaikh Mohammadがクエッタでかけた衛星電話が傍受され、逮捕に繋がった。電話番号が記録されたコンピュータのリストには、情報が満載されていたという。バローチスタンの砂漠が注目されたのも、これらの情報からだ。そしてすぐにコンボイが発見されたのだった。

捕獲作戦はパキスタン兵と米兵で行なわれた。アフガニスタン国境の町、Spin Majidで激しい銃撃戦があり、コンボイの9人が殺害された。バローチスタン内務省は、ビンラディンの息子2人が捕らえられたとテレビで発表。その後、ビンラディン自身も逮捕されたという情報が出回った。しかし数時間後には、これは否定された。ビンラディンは、このコンボイにはいなかったのだ。

この捕獲作戦について詳しい情報筋が『ガーディアン』に語ったところによると、ビンラディンの2人の息子はアフガニスタン軍閥に助けられ、数日前にこの密輸ルートを通ってイランに入った。作戦が開始されたときには、すでにイランに入ってしまった後で、ドラッグを密輸するコンボイが走っていただけだった。

パキスタンのジャーナリストでビンラディンと3回会ったことのあるHamid Mirは、「これも結局はデマ」だったという。「諜報部は、アルカイダを捕らえることは完全にできない。彼らは結託した人々であるために、その組織の内部に入ることはとうていできない」。だからビンラディンはいまだに捕まってない。

しかし『ガーディアン』は、他の方面からも情報を得た。パキスタンとアメリカのやり方に詳しい情報筋によると

 ・ムシャラフ大統領は自国で混乱が起こることを恐れ、ビンラディンは捕らえないという取り引きをアメリカとした。
 ・ビンラディンは直径120マイルにわたる三重の安全リングで守られている。
 ・ビンラディンを追跡しているパキスタン特別部隊は、1年前の状態から何の成果の進歩がない。

アメリカにとって、3月の捕獲作戦は苦い教訓となった。大統領選挙を間近に、そしてイラク戦争を控え、ブッシュにとっては、ビンラディン逮捕の効果が必要だ。ビンラディンの最後の隠れ家はトラボラの山中で確認され、彼はそこでラジオで通信していた。何百というアルカイダ戦士たちがこの洞窟に潜んでいた。また33分にわたるビデオも撮影し、やつれ、疲れ果てた様子で、9.11を賞賛した。

ビンラディンは山から逃げ、6〜7ヵ月の間、組織の再編成に努めていたとMansoor Ijaz氏は言う。Mansoor Ijazはパキスタン生まれのアメリカ人資本家で、誰よりもアルカイダを熟知している。彼はパキスタンの諜報局と密接な繋がりがあり、過去においてビンラディンと交渉した黒幕だ。97年にビンラディンの情報を集めるためにスーダンが交渉してきたときに間に入り、2000年にはアラブ首長国連邦を通じてアフガニスタンに彼を引き渡すよう交渉した。同じ年に、彼はムシャラフ大統領とISIに、カシミール武装グループに戦闘をやめることを受け入させるよう、異例の説得したこともある。91年以来、ニューヨークの巨大なファンド、Crescent Investment Managementの会長を勤め、CIAの前長官James Woolseyが彼の会社の副会長を勤める。主に国家安全テクノロジーを扱う会社だ。

Mansoor Ijaz氏は、トラボラからの逃走で、アルカイダは電子コミュニケーション、つまり衛星電話やラジオやe-mailの使用が使えなくなったという。「主な通信手段は絶たれ、再組織化されるまで時間がかかった」。「彼らは外の世界と接触できないような場所にいたのだ」とインタヴューで語っている。彼によれば、ビンラディンはパキスタンの北西辺境州の部族地帯にいるという。Ijaz氏は最近パキスタンを訪れ、そのときに得た情報では、ビンラディンは三重の警備隊に守られているらしい。まず120マイル四方を部族民に囲まれ、パキスタン軍とアメリカ特殊部隊の接近を知らせる。次に12マイル四方は部族長たちが守り、最初のリングが突破されたときに連絡してくる。そして中心にはビンラディン自身と1人ないし2人の近い親戚とアドヴァイザーがいる。ビンラディンは電子通信手段を使わないことを部族長たちと約束し、夜だけ、ごく限られた特定の地域だけを異動しているという。

最初ビンラディンとザワヒリは、メッセージを口伝えしていた。しかしこれは安全ではなかった。伝言ゲームになってしまう。そこでビンラディンは確実に危険ではあるが、手書きのメモに変えた。3月16日にパキスタン情報部は、カラチでYassir al-Jazeeriを逮捕した。このモロッコ人はビンラディンのボディーガードで、彼のポケットにはビンラディンからの手紙が入っていた。

パキスタン高官たちは、ビンラディンについての情報は非常に限られているという。入ってくる情報のほとんどはデマだ。また部族地帯の地形が、逮捕をさらに困難にしている。地元民が地元のルールで生活し、忠誠や尊敬が重んじられ、膨大な量と種類の武器を持っている。部族地帯はお尋ね者の保護のために違法行為を続ける。パキスタン人高官は、この地域を捜査する難しさを語る。9.11以前は警察権が及ばず、軍も入ったことのなかった地域である。1件の家を捜査するために、100人の兵士が必要となる。捜査を行なうための兵士に加え、捜査中に隣人から攻撃されないよう、何十名もの兵士が守らなければならないのだ。

パキスタンは最初からこの捜査が困難であることを知っていた、という者もいる。口ではビンラディンを捜査すると言いながら、じつは別の考えを持っていた。Ijaz氏は、ビンラディンがトラボラを逃走したすぐ後に、ムシャラフとアメリカはある合意に達したと確信する。パキスタンは悪評高いアフガニスタン戦争の直後にビンラディンを捕らえたり殺すことは、パキスタン国内を混乱に陥れることになる。アルカイダの報復を世界中に広めることにもなると、恐れた。「長い目でみると、ビンラディンを捕らえることは損だ。機が熟したときに彼を捕らえたほうがいい、という判断がくだされた」というのだ。アメリカ側はこの申し入れを受け入れた。イラク戦争に関心が移ったためでは決してない。そこでその後はビンラディンの逮捕ではなく、アルカイダの「報復基盤」を挙げることに集中した。

ムシャラフはたびたびビンラディンの名前を出しながらも、アメリカは沈黙を守った。去年の1月、ムシャラフは「ビンラディンは死んだと思われる」と発表。1年後には「おそらく生きていて、アフガニスタンかパキスタンの部族地帯にいる」と発表。それでも欧米の外交官は、パキスタンはビンラディン逮捕に動いていると信じている。ただし、ほとんど現実的ではない。しかしトラボラ以降、大物逮捕は続いた。退役パキスタン人将校で治安アナリストのTalat Masoodは「アメリカは、パキスタンの協力を評価している思う」と言う。

去年3月、ファィサラバードでAbu ZubaydahをCIAからの情報で逮捕。アフガニスタンで2つのキャンプを運営していた、重要な男だ。9.11の1年後には、イエメン人のRamzi al-Shibh。9.11のハイジャック犯に金を流していた。またKhalid Shaikh Mohammadの補佐役でもある。そのKhalid Shaikh Mohammadはラワルピンディで逮捕された。その他何十人という下部構成員が、アルカイダを匿ったり偽造パスポートを作ったことで逮捕されている。

これからの課題は、アルカイダを匿っているパキスタンの部族地帯の部族長たちを手なずけることである。ビンラディンが捕まらないでいればいるほど、アルカイダは自信を持ちはじめ、大きな行動に出始める。

Ijaz氏は、アルカイダの「報復基盤」が減ってしまった今、ビンラディンの殉死は1年前ほど脅威にならないと語る。しかし今このサウジ人(訳注:ビンラディンのこと)逮捕に失敗すると、アルカイダを力づけることになる。それは「放射線に強くなった癌細胞が、刺激に対してさらに大きな危険を犯すのを見ているようだ」。「だから今、パキスタンはビンラディンを逮捕し、見え透いたゲームを終わらせなければならない」。

ohsmellInside story of the hunt for Bin Laden


■アフガン政府軍、タリバン占拠地域を奪回[030823 AP]

アフガン高官が土曜日に、政府軍はウルズガン州で数百人のタリバンによって占拠された地域を奪回したと発表。しかしまだ250人から300人のタリバンが、いくつかの地域を占拠しているという。

「我々の知る限り、タリバンをいくつかの地域から追い払った。タリバンの旗を立てた政府本部の建物も奪回した」。この際、何人かのタリバン戦士と政府軍2人が戦闘で死亡したという。

またウルズガン知事のJan Mohammad Khanは、アフガン兵2人とタリバンゲリラ4人が死亡したと述べた。

hoonAfghans say they retake some areas from Taliban
By Sayed Salahuddin、KABUL


■アフガンで戦闘、タリバン8人死亡[030823 AP]

ウルズガン州で約300人のタリバン戦士と政府軍が衝突し、4人のゲリラが死亡、13人が逮捕された。政府軍も4人死亡した。戦いは約4時間続き、その後ゲリラ側は山間部に退去した。

タリバン司令官Mullah Dadullahのスポークスマン、Mohammed Hanifと名乗る男が、政府軍が30人殺され、遺体は村の長との話し合いの結果返されたと『AP』に衛星電話で語った。また10人の政府軍を拘束したという。

ウルズガン州知事はこれを否定。4人が死亡したが拘束された者はいないと述べ、土曜日には平常に戻ったという。

Mullah Dadullahはウクズガン州で活動しており、カルザイから指名手配が出ている。今年初頭に起きた赤十字の職員殺害も、Mullah Dadullahの指図によるという。

hoonAfghans Battle Suspected Taliban; 8 Die
By AMIR SHAH


■パキスタン軍、攻撃を控える[030823 Daily Times]

モーマンド行政区のpolitical agent、Sahibzada Muhammad Aneesが、パキスタン軍はアフガン武装軍からの攻撃に応戦してないと語った。「アフガニスタン軍閥が我々に発砲してくるが、アフガニスタン政府は無関係だ」という。

またこの地域の治安は万全で、開発プロジェクトは進んでいると述べた。2003年のAnnual Developmental Projects(ADP)では、教育が最優先事業となっているという。その他に8つの健康センターが設立され、飲料水を確保するために6つの井戸が掘られる。農業のためには9つの地域にダムが建設される予定だ。

また部族長たちの援助を受け、パキスタン軍はバジョール行政区にチェックポストを設立。アフガニスタンからパキスタン側への武装集団の流入を防いだという。

情報筋によると、アメリカ、アフガニスタン、パキスタンは、タリバンとアルカイダが国境地域に潜入できないように部族地帯を開放し、部族民の社会的地位を向上させるために開発を行なうことにしたという。「パキスタン政府は、この地域に健康や教育のための援助を行ない、いくつかの開発プロジェクトを計画している。我々としては彼らが国境を封鎖してもかまわないが、アフガン側にいる親戚に会えないようなら、考え物だ」と部族長は語った。軍のチェックポスト設立は、ジルガで許可された。

hoonPakistani troops holding their fire
By Mukaram Khan、GHALANAI


■シアトルで逮捕されたパキスタン人、テロと関係なし[030823 Daily Times]

アメリカに密入国しようとしてシアトル空港で逮捕された2人のパキスタン人は、テロとは関係ないと弁護士が木曜日に発表。

2人ともカナダからニューヨークに入国するために、密入国を助ける業者に金を払ったという。1人はタクシー運転手として仕事をするために、もう1人はカナダからの国外追放を免れるために、友達と合流しようとしていたという。

hoonPakistanis' arrest in Seattle not related to terrorism
SEATTL


■アフガンの女子校、炎上[030822 AP]

イスラム過激派が、カブール南部にある女子校、Abu Sofian schoolに放火。また米主導のアフガニスタン政府のために働く人々を殺すと脅迫する手紙をばらまいた。2週間前には、女子校(テント)が放火された。

hoongarrAfghan Girls' School Burned Down
By AMIR SHAH


■アメリカ兵、アフガニスタンで死亡[030822 AP]

アフガニスタン東部のパクティア州Orgunで、アメリカの特殊部隊の兵士が敵の攻撃に合い、死亡したと、米軍が金曜日に発表。

また水曜日にはコーシュト州東部で、特殊部隊が4人を逮捕。大量の武器も洞窟から押収したという。

hoonU.S. Soldier Dies in Eastern Afghanistan
By MATTHEW PENNINGTON


■パキスタン人テロ容疑者の家族、弁護する[030822 AP]

Uzair Parachaはモスクに行くのが大嫌いだったために、母親に強引に連れて行かれるのから逃れようと、金曜日は家にいるのを避けていたことを友人たちは覚えているという。友人たちは、そんな彼がアルカイダを援助した罪でアメリカに捉えられたことが信じられない、と口をそろえる。

友人たちによると、彼はイスラム原理主義者ではなかった。アメリカを尊敬し、アメリカ流が好きだった。もしビンラディンを助けたのだとしたら、騙されたにちがいない。

Uzair Parachaは、アルカイダ工作員がアメリカに入国できるように援助した罪で、3月に逮捕された。彼の父親、Saifullah Parachaの行方不明が、さらに謎を深める。彼はカラチのビジネスマンである。妻は、アメリカに逮捕されているきではないかと恐れている。

Uzair Parachaは完全にアメリカびいきだった。彼のただひとつの弱点は、初対面の人であっても、疑うことを知らず、信じすぎてしまうことだったと友人たちはいう。彼の弁護士も同意見だ。彼の父親、Saifullah Parachaは旅行代理店、テレビ関係の仕事やその他のビジネスを、70年からニューヨークで展開していて、息子をニューヨークに連れてきた。息子はニューヨークで最初の教育を受け、その後80年に家族はパキスタンに帰り、アメリカに生地の輸出をする仕事を始めた。

母親によると、彼はアメリカかぶれで、学校でもアメリカ流の服装をしたために先生に怒られたという。大学卒業後は自分の商売を始めたかったようだが、父親の勧めでニューヨークで不動産の仕事を始め、パキスタンに家を持ちたいパキスタン人にアパートを売る仕事をしていた。

Parachaは、接触していた男がアルカイダと関係があることを知っていたにもかかわらず、このアルカイダ工作員のために、イミグレーション関係者と銀行に電話をかけたことが問われている。弁護士によると、この工作員の1人はKhalid Shaikh Mohammadだったという。

Uzair Parachaの父親は、7月5日にタイ航空でパンコクに発ってから行方不明である。父親も原理主義者でも政治的信念を持っていたわけでもなかったと、妻は語る。90年代にはアフガニスタンに2度行っているが、どちらも慈善活動とビジネスだったという。

smellFamily Defends Pakistani Terror Suspect
By ZARAR KHAN、KARACHI


■カナダ、9.11と類似した事件と関連して19人逮捕[030822 Reuters]

カナダ政府は、9.11と類似した計画をしていたと思われる19人の男を先週逮捕した。

Royal Canadian Mounted Policeのスポークスマン、Michele Paradisは逮捕を認めたが、詳細を述べることは避けた。Paradisは、「先週の木曜日に19人を逮捕。全員カナダのイミグレーション・システムと関連した容疑で捜査中の組織と関連がある」。

Toronto Star紙が発表した裁判記録によると、逮捕された男たちは「疑わしい行動パターン」をとっていたという。1人の男が飛行訓練を受け、オンタリオの原子力発電所の上を飛行していた。この訓練生は、通常1年でとれる飛行ライセンスを、3年間にわたって訓練を受けていたので疑いがかけられたという。「たびたび連れを伴ってやってきた」と記録に記されている。これは9.11ハイジャック犯が、たびたび飛行訓練で世界貿易ビルやペンタゴン上空を飛行していた例と、酷似している。

また同新聞によると、疑わしい行動をしていた2人の男がオンタリオ原子力発電所付近でみつかったという。発電所はオンタリオ湖の湖畔にあり、この2人は湖畔を歩きたいので、中に入ってもいいかと申し出た。

警察によると、拘束された男たちはパキスタン人で、4人から5人のグループで生活し、たびたび住所を変更していた。“Project Thread”と名づけられたこの事件の捜査は2月から始まったといい、カナダの国籍とイミグレーションに関連しているという。

smellCanada arrests 19 in case with Sept 11 parallels
TORONTO


■アフガン知事、兵士2人とタリバン4人死亡と発表[030822 Reuters]

金曜日にウルズガン州 のKhas Uruzganで、約250人から300人のタリバンが攻め入り、3時間に及ぶ戦闘が続いた。この戦いでアフガン兵2人が死亡、ゲリラ側は4人が死亡し、9人が逮捕された。残りのゲリラたちは南東部に逃げたという。

garrAfghan governor says 2 troops, 4 Taliban killed
KANDAHAR


■アフガン・タリバンの新人豊富[030822 Reuters]

アフガニスタンでは、タリバン志願者がいくらでもいるようだ。カンダハルの刑務所には、50〜60人のタリバンが収監されている。『ロイター』はそのうち何人かの若い青年と会うことができたが、なかには10代の囚人もいた。全員パキスタンから来たという。ただ、これらの囚人はアフガン諜報部が選んだ者たちなので、果たして代表的な囚人と考えていいのか、疑問が残る。アフガニスタンが、タリバンを援助していくのはパキスタンだと繰り返し主張していることを、忘れてはならない。

ウルズガンから来たという18歳のRahmatullahは、「私はタリブだ」という。「チャマンのマドランサで勉強していたらタリバンが来て、ジハードに参加するよう誘われた」そうだ。パキスタンの国境の町、チャマンで彼はMullah Mateenと出会い、2人でクエッタに行き、そこでさらに10人の仲間と戦士になった。そこからタクシーでカンダハルのMaruf地方に行き、数日後には20人の集団で、政府高官の家を襲撃。そこで捕まった。「タリバンの考えはどうでもいい。お金をくれたから、お金のために働いた」という。3200ルピー(55ドル/訳注・約6400円)もらった。

20歳のMohammad Ramazanは、クエッタのマドラッサの聖職者、Mullah Mohammad Issahに、アフガニスタンに行ってタリバンのために戦えと言われた。「Mullah Issahはマドラッサで教えていた。アフガニスタンにはアメリカ人がいるから、タリバンと一緒にジハードをしろ」と言われたという。RamazanもMarufへ行ったが、その後「大きな間違いに気づき」逃げようと決心した。彼は戦いに参加していたが、捕まったときに、銃を持っていなかったそうだ。2人とも、タリバンのなかにパキスタン人がいたが、アラブ人はいなかったという。

タリバン司令官Mullah Abdur Rahimの補佐官、Mullah Sabir、別名Mominは『ロイター』に、アルカイダ工作員は現在アフガニスタンでは活動してないという。「ジハードは同盟軍、とくにアメリカ、イギリス、アフガン軍に対して続けられるだろう。これは我々の宗教的使命だ」と衛星電話で語った。外国人組織のために働いているアフガン人も標的だ。彼らはタリバンについての情報を流している、と付け加えた。

hoonReady supply of recruits for Afghan Taliban
By Mike Collett-White


■MMA、アメリカやインドについて政府を警告[030822 The Nation]

Mutahidda Majlis-e-Amal(MMA)は木曜日に、ムシャラフに国の安全に対して責任があり、特にアフガニスタンとの国境で起きている最近の状況に注意するべきだと警告した。

またムシャラフがイラクに派兵した場合、「MMAだけでなく、人々はみなそのような動きを阻止する」と強く警告。「アメリカ、パキスタン、アフガニスタンからなる3国会議は、国境の状況を改善するためのものではなく、アメリカがこの地域で力を持つために企てられたものだ」とMMAのMaulana Fazlur Rehman氏が非難した。

Rehman氏は、アフガニスタンにタリバン政権が存続していたなら、このような国境問題は生じなかっただろうと発言。「ムシャラフの誤った外交により、今日、西の国境は不安定になった」と述べ、さらにインドの諜報部RAWが現在アフガニスタンに20以上の拠点を作り、その影響力を増大させようとしていると付け加えた。またパキスタン大使館に対して攻撃してきたアフガニスタンは、「友人」なのかとQazi Hussain Ahmed氏も非難に加わった。

この集会では、パレスチナのリーダー、Sheikh Ahmed YasinとカシミールのリーダーSyed Ali Shah Gillaniも電話で集まった人々に話しかけた。

hoonMMA warns govt against US, India role in border areas
ISLAMABAD


■イスラム主義者、イラク派兵に対して警告[030822 Reuters]

木曜日に、何千という学生がイスラマバードで集い、イラクへのパキスタン軍派兵に反対した。アメリカはパキスタンに1万人の兵士を派兵するよう求めたが、イスラマバードは国連かOrganisation of Islamic Conferenceの要請を受けてから派遣すると答えていた。

約5000人のイスラム学を学ぶ学生がアメリカとイスラエルを非難するスローガンを掲げ、ムシャラフを非難した。「もしアメリカの命令に従ってイラクに派兵したら、それを阻止するとムシャラフに言った」とイスラム協会Jamaat-e-Islami(JI)のリーダー、Qazi Hussain Ahmed。「これはあなたと人々との間に大きな溝を作るだろう」。

パレスチナの過激派ハマスの創始者Sheikh Ahmed Yassinとカシミールの過激派リーダーSyed Ali Shah Geelaniが、電話で集まった学生たちと会話をし、大きな拍手が沸き起こった。イスラム過激派たちは、パキスタンがイラクに兵を派遣することに反対して、ファトゥア(宗教令)を布告した。

hoonIslamists warn Pakistan over any Iraq troop moves
ISLAMABAD


■テロリストのテープ、意気をあげる[030822 AP]

黒いターバンで顔を隠し、カラシニコフを傍らに置き、「キリスト教徒とユダヤ教徒」を脅迫するメッセージを読み上げる。「アフガニスタンにいるあなたの兄弟、Abu Nasir Mahmood」の声は力強く、はっきりしていた。

テロや政治過激派についての研究機関であるカナダのMackenzie InstituteのJohn Thompsonは、頻繁になりつつあるこのようなメッセージは、“sleeperテロ組織” を指示したり、戦いに引き込む作戦と見る。「パリやニューヨークで静かに待機している人々にとって、これらのメッセージは彼らのアイデンティティを再燃させ、純粋なイデオロギーを保持させる役目を果たす」という。

APが先週入手したこの最新のビデオで、Mahmoodはトルコ、イエメン、サウジ、アフガニスタンで自爆テロが起こることを、アラビア語で予告した。しかし国連を名指ししたり、バクダッドの国連爆破事件については触れなかった。またパキスタンの聖職者たちに対しては、イラク派兵を阻止するようムシャラフに圧力をかけよと呼びかけた。またカルザイ大統領を「異教徒」と呼び、カルザイの支持者は攻撃されると警告した。

British American Security Information CouncilのPaul Ingramは、これらのメッセージはフィールドにいるテロリスト工作員とリーダーたちの間のコミューニケーション・リンクだという。「テープは、『我々の戦いは続いている。我々の力がイデオロギーや信仰にある限り、我々は負けない』と言っているのだ」。各フィールドにいるテロリストたちにリーダーがエールを送り、「アルカイダや他のテロ組織の生存のためには君らが必要」だというメッセージを送っているのだという。

Mahmoodのビデオテープと、先週末にアルカイダ・メンバーと思われる、Abdur Rahman Al-Najdiが発表したオーディオ・テープは、ともにビンラディンとオマール師が健在であることに触れている。アメリカはAl-Najdiを、アルカイダの宣伝と財務を担当しているといい、以前にもアルカイダ内の士気を高めるために、メッセージを送っていたという。ビンラディンが健在であることは、ビンラディンの片腕、ザワヒリの最近のメッセージでも触れられている。オマール師とビンラディンは「元気で忠実なムジャヒディンたちとともに、アフガニスタンにいるアメリカの十字軍と戦っている」というメッセージがCDに収められていた。

Ingram氏は、一連の新しいメッセージはアルカイダが新しい局面に向かっていることを示唆するという。つまり、9.11以後の生存競争から、新しい活動の開始に向かったのだという。「再度攻撃できる自信がつき、バグダッドの国連爆破事件は、今後続くだろう攻撃の1つにすぎない」のだ。

ザワヒリのディスクは、コンピュータで制作されたコラージュが収められていた。アメリカ・コール船の爆破事件、カルザイ大統領暗殺未遂、ブッシュ大統領が大統領になる以前にイスラエルを訪問した様子などである。

アルジャジーラのようなテレビ局がアラブ世界にテープ放映することだけが、メッセージを広める方法ではないとThompson氏はいう。「彼らはいくつものメディアを作り出し、支持者やネットワークにメッセージを送り出している。アルジャジーラにテープをリリースすることは、宣伝のひとつにすぎない。このほかにもさまざまな方法を持っているのだ。「テレビで放映されなくても、人々はメッセーズを受け取る。テープは安価だ。普遍的なテクノロジーで、どこにでも隠すことができる」。

hoonTerrorist Tapes May Be Boosting Morale
By KATHY GANNON


■パキスタンでイラク人含む3名のアルカイダ逮捕[030821 Reuters]

パキスタン諜報部は水曜日に、アフガニスタンのパクティア州と接するクラーム行政区で、イラク人を含む3人のアルカイダを逮捕したという。

逮捕されたのはイラク人、Raad bin Saga bin Mohammadで、残りの2人はEhsanullah Adil Shahという名のパキスタン人だという。彼らは、パキスタンの北西辺境州のThallに向かう途中だったとみられる。

hoonThree al Qaeda suspects arrested in Pakistan
KOHAT


■タリバンの影の中で[030820 BBC]

23年間パキスタンで難民生活をしていたMohammed Ismailは、2年前にカンダハルに帰り、絨毯屋を開いた。「絨毯の商売はうまくいっている。イラク戦争で少しペースは落ちたけどね」。「絨毯を買う外国人のほとんどはカブールやパキスタンへ行ってしまったよ。みんな治安を心配しているけど、アフガン人にとったら大して危険なことではないさ」。「生活はだんだん良くなっているし、良くなれば、アフガン人たちは帰ってくる。金持ちが多いから、金を持ってくるよ」。

地元の経済再建に不可欠なのは、カンダハルとカブール間のハイウェイの修復だ。これはワシントンが掲げるアフガニスタン復興の目玉でもある。ブッシュ大統領は、年内に完成することを約束した。道の表面はまだ手入れが必要だが、今までは2日かかったのが、今は埃だらけになりながらも、なんとか12時間で行ける。

カンダハルの古いバザールは、まるで中世を思い起こさせる。男たちや少年たちが小さな店をやりくりしたり、宝石商やスズ職人が働く。これらの店は町の有名な遺跡、17世紀のAhmad Shah Durraniの墓、青のドームの周りに集まっている。

このそばに、モハメットの衣を収蔵している有名なモスクがある。タリバンのリーダー、オマール師は、タリバン政権初期にこの衣をカンダハルの人々に披露して、聖なるイスラム戦士である自分たちを支持させようとした。

カンダハルの保守的な村では、タリバンを支持する人々がまだいる。Old Kandaharとして知られる村で、Haji Mohammedは語る。「そうだね、タリバンが戻ってくることを望んでいるよ。厳しい法律と秩序をもたらしたからね。でも彼らが勝てるようにならなければ、応援はしない」という。しかし隣の村の男の意見は違う。「誰もタリバンなんて好きじゃない。だけどみんな怖がっている。彼らは戦いたいだけだ。もう戦いはこりごり。平和と安全を望んでいる」。

hoonIn the shadow of the Taleban
By Ian McWilliam


■パキスタンの宗教学校、依然として戦士を育成[030820 Reuters]

クエッタのマドラッサで学ぶ18歳の青年、Mohammad Sharifはタリバンのジハードに参加したいと言う。「タリバン政権のころはまだ髭が生えてなかったから、ジハードに行けなかった。機会さえあば、絶対に行きたい」と語る。

クエッタには約7000のマドラッサがあり、3万人の青年が学んでいる。貧困、無職、そして反米感情のために、バローチスタンなどの宗教学校の人気が高まっている。クエッタでマドラッサを運営しているMaulvi Abdul Qadir Luniは、「ここ数ヵ月間、宗教教育が盛んになっている」という。マドラッサは150人の生徒に、食事と宿泊施設を提供する。生徒を収容しきれないので、都市部に部屋を借りたり、モスクに宿泊させているほどだ。

パキスタンのマドラッサは、90年代初頭からタリバンを育成してきた。また北部同盟に対抗するための志願兵も供給。タリバン高官はほとんどこれらの学校の卒業生だ。ムシャラフはマドラッサを改革し、過激派を育成させないと約束したが、失敗に終わっている。原理主義グループの反対にあったためだ。

最近のアフガニスタンでの事件をみると、パキスタンの宗教学校が再びタリバン・ゲリラを保護をしているのではないかと、疑ってしまう。カルザイ大統領は、タリバンはパキスタンから来ると言う。アフガニスタンのアメリカ特使のZalmay Khalilzadも、タリバンはクエッタで再編成しているの述べた。しかしパキスタンはこれを否定し、これまで数百のアルカイダ工作員たちを逮捕していると主張する。

アフガニスタンの宗教学校の生徒は、自分たちの国に「外国勢力」がいることに怒りを感じているというが、国境を行き来する軍事活動には参加してないという。「アメリカ人が国を占領しているのを見て嫌な気持ちがする。ジハードに加わりたい」と21歳の学生は語った。

パキスタンの親タリバン派やバローチスタン州高官は、国境沿いにあるマドラッサは宗教教育をしているにすぎないと言う。「アメリカやアフガニスタン政府に、軍事訓練を行なったりタリバンを匿っているマドラッサがあるというのなら、それを指摘してほしい」と、パキスタンの国会議員のMaulvi Noor Mohammadは語気を強める。彼は神学者協会(Jamiat-e-Ulema-e-Islam:JUL)のクエッタ支部長でもある。「何千というアフガニスタン難民がここで生活し、我々は子供たちにイスラムの教えを説いているにすぎない。軍事訓練などとんでもない」。

パキスタンの原理主義者たちはタリバン・ゲリラとの関係を否定はするが、2001年までアフガニスタンを支配していたタリバン原理主義者たちを支持した理由については、慎重に言葉を選ぶ。「我々は政治の上ではタリバンと異なるかもれないが、彼らの理念とシステムは支持する」と、バローチスタン州政府の大臣Maulvi Abdul Wasihは語った。

hoonFEATURE-Pakistan seminaries still breed holy warriors
By Zeeshan Haider、QUETTA


■イラク、アメリカが方針を変えるべき理由[030820 Asia Times]

「アメリカは我々の思うままだ。アフガニスタンに片足を捕られ、イラクにもう片方を捕られている。アラーは偉大なり!!」と 、Lashkar-e-Toiba(LET)のHafeez Mohammad Sayeed教授が先月ラホールで開催された宗教会議で述べた。ラホール近郊のMuridkeにはLETの本部があり、ビンラディンの寄付で建てられたモスクとゲストハウスがある。ピンラディンがまだお尋ね者でなかった時代に、彼はここに泊まっていた。94年以降は来なくなったが、以後、アラブ人などのジハード志願者たちがゲストハウスを利用した。93年のアメリカ貿易センタービル爆破事件で現在アメリカに拘束されているRamzi Yousefは、95年にマニラから逃げてきて、ここに隠れていた。9.11に関わったテロリスト何人かも、アフガニスタンのキャンプへの行き帰りに寄っていった。そして今、特別な客人、サダム・フセインを匿うための準備が進んでいるという情報がある。

ビンラディンの国際イスラム戦線(IIF)に属するLETは、現在、アルカイダと国際イスラム戦線との間の仲介役を勤めている。そのジハード団たちは現在イラクでサダムを守っており、彼をパキスタンに脱出させたいと公言する。しかしどうやって? 彼らが言うには、イランを通って陸路で来るというのだ。このルートはLETや他のイスラム戦線のメンバーたちがイラクに行くためにいつも使っているルートだ。イランがこのことを知っているのかどうか、それはわからない。軍事情報筋は、アルカイダや国際イスラム戦線に属するパキスタン人のジハード志願者80人以上が、イラクでジハードをするために、すでにこの道を通ったと推察している。カラチのビノリ・マドラッサと北西辺境州のアコーラ・ハタック・マドラッサで召集がかかり、80人以上が既に去った。このなかにはハッジの期間に巡礼者を装い、偽造パスポートで空路でサウジに入り、そこからイラクに潜入したHarkat-ul-Mujahideen(HUM)などの組織の人間は含まれてない。その数は不明だ。

LETは現在、ビンラディンの代わりに世界中のジハードを計画し、他の国際イスラム戦線の組織と話し合いながら、責任の分割をはかった。タリバンとヘクマチアルのイスラム党(Hizb-e-Islami)がアフガニスタンに専念する間、アルカイダと国際イスラム戦線のパキスタン組織はイラクに専念するのだ。現在、パキスタンにイラク人たちを訓練するために連れてくるプロポーザルはない。イラクにはすでに何千という訓練された戦士たちがおり、武器も豊富だ。

中略

91年のイラク戦争の時、サダムは数週間後にエネルギーや日常物資の流通を通常の状態戻した。アメリカはいまだにそれができないでいる。アメリカは今になって、彼らが良く統率された組織、組織化されたジハード団と立ち向かっていることを認めた。サダムの2人の息子が死んで、ジハード団が消滅するだろうという期待はなくなった。インドはアメリカがアフガニスタンやイラクで失敗しようと、そのジハード団にやりこめられようと、知ったことではない。インドは93年以来、ずっとジハードの被害を被ってきたのだ。

後略

ohIraq: Why the US should change course
By B Raman


■インド、パキスタンのでっちあげ[030820 Daily Times]

インドはは火曜日に、カシミールのテロ訓練所を支援しているというパキスタンの非難をはねつけ、イスラマバードは和平に向かうために努力をするべきだと述べた。

「パキスタンがそのような妄想をすればするほど、我々や国際社会は、パキスタンがインドへのテロ活動を終結させる努力をしているとは思わなくなる」とインド政府は述べた。

hoonIndia says Pakistan makingヤwild allegationsユon terror camps
NEW DELHI、AFP


■インドのテロキャンプ?[030820 Daily Times]

イスラマバードの外務省スポークスマンは、インドが管理ライン(LoC)にパキスタンを標的とした55のテロキャンプを設営していると非難。パキスタンで破壊活動や宗教的バイオレンスを引き起こそうとしているという。これまで、インドがテロ・ネットワークを設営していることは聞いていたが、パキスタン内で活動することを目的としたキャンプというのは、初めて聞く。

インドはパキスタンが、アザド・カシミールなどにテロキャンプを設営していることを非難してきた。このために、パキスタンはテロキャンプをオープンにしており、外国の監視人たちをアザド・カシミールに送り、インドの非難が不当であることを証明している。しかしインドは外国の監視団体を自国の管理ライン内に入れ、テロを排除するための国際査察を拒否してきた。もしパキスタンが、インドがパキスタンを攻撃するためのテロリストを育成しているこを非難すれば、インドのカシミールをオープンにしてそれがないことを証明するしか、手だてがない。パキスタンの今回のインドに対する非難は、これが目的なのではないだろうか。インドの度重なる非難に疲れ、いらついたパキスタンの、インドを当惑させる作戦である。

パキスタンは、インドがパキスタン内で破壊行為や殺戮、宗教闘争を引き起こすためのテロリストを訓練をして、パキスタンに送り込んでいると訴える。もし訓練所が存在するとしたら、誰が訓練されるというのだろうか? 今のところ我々が得た情報では、RAW(インド諜報部)またはパキスタン国内にいるスパイがパキスタン人を買収して、パキスタン国内でテロを行なっているということだ。インド人がパキスタンに入り込み、テロ行為をしている例はほとんどない。不幸にも、これまで我々がRAWのせいにしても、それを証明することはできなかった。カラチのシェラトン・ホテルでフランス人技師がテロに合った事件で、政府高官はまず最初にインドのせいにして、パキスタンが高度な海軍技術を取得するのを妨げようとしているのだと発表した。しかしすぐに我々自身のジハード団の仕業であることが判明する。インドがすべてをISIのせいにするのと同じように、パキスタンも何もかもRAWのせいにする。

しかし、ふたつの間には明らかな違いがある。パキスタンの場合、テロ訓練所は世界中に知れ渡っている。というのは、これを運営していた団体が、世界中でテロをしているからだ。国境東部の訓練所はアフガニスタンのテロ訓練所と繋がりがあることは自明の理だった。隠す必要性がなかった。いくつかのキャンプはテロの教科書に載るほどで、今や非合法となったジハード団たちはそれを得意げに見せびらかし、内輪の雑誌で紹介していた。これらの組織は競い合うように、新入生たちをカシミールのジハードに送り出した。テロリスト・キャンプの訓練生はあまりにも有名であったために、もともとカシミールに存在していたジハード団たちの影は薄くなってしまい、カシミール人たちの活動は激減した。

インドは北部同盟と連帯し、タリバンに対抗した。カシミールのテロはタリバンが引き起こしていると主張した。インドはパキスタンに対して間接的にテロを行なっていることは確かだが、不幸にも我々はそれを証明することはほとんどできないでいる。今回のパキスタンのインドに対する非難も、単なる巧妙な戦略にすぎないにちがいない。

ohEditorial: India's terrorist camps?


■インド兵、カルギルに集結[030820 The Nation]

インド軍がカシミール北部のカルギルで異例の集結をしているのが観察されたと、軍が火曜日に発表した。

「Drassとカルギルで何らかの行動をしている。我々はその動きを監視するとともに、すぐにでも行動できるよう、準備している」と 軍スポークスマンのMajor General Shaukat SultanがAFPに語った。諜報部も、この地域で「軍の行動が活発化している」と報告。欧米の外交官も、インド軍が通常よりも活発に行動していることをモニターしたとAFPに語った。

smellIndian troops on the move in Kargil
ISLAMABAD(AFP)


■アフガン民主主義、脅かされる[030819 Christian Science Monitor]

タリバン政権時代、アフガニスタンの反対勢力、Republican Partyは地下で活動していた。米主導同盟軍がアフガニスタンから原理主義運動を排除して21ヵ月経つにもかかわらず、彼らはまだ地下に潜っている。

マザリシャリフのRepublican Partyの学生メンバー、Faiz Mohammad Ghoriは「警察にいつも脅かされている。目立った行動は控えなければならない」という。北部同盟は、来年実施される選挙から彼らを排除しようと、懸命になっているという。中立的な立場にいるリベラリストたちの影響を排除し、未来のアフガン政府におけるイスラム原理主義者たちを後押し、さらにアフガニスタンの最大民族、パシュトゥン族を阻害したい。

最近、北部同盟のファヒーム防衛大臣や彼に同調する司令官たちが、警察や兵士、諜報部員などを使って、政治家や新聞編集者、パシュトゥン人指導者たちに圧力を加えていると、人権団体が訴えた。カルザイ大統領はこの訴えを認めてはいるが、それでも状況は回復しているという。

2004年6月には、アフガニスタンは総選挙を行なう予定だ。しかしアフガン人たちは何を選んだらいいのか、誰を選んだらいいのかわからない状況にいる。タジーク族の北部同盟たちはファヒームの下で団結している。ファヒームは、パシュトゥン族であるカルザイのライバルになると思われる。カルザイは、ファヒームがアフガニスタンにいる10万人のガンマンたちを非武装化できずにいることを非難している。ファヒームは、他の民族グループたちと協力することう拒んでいるのだ。

最近、2つのパシュトゥン・グループが台頭してきた。まずはザヒール・シャー前国王の支持者たちで、今月始めにNational Unity Movementを結成して、王制を復興させようとしている。このアナウンスは「北部同盟を恐怖に陥れた」という。「国王はパシュトゥン族だ。彼らは団結し、まとまるだろう」。またもう1人のパシュトゥン人、Anwar-ul-Haq Ahadiは、小さなナショナリスト組織、Afghan Millat partyを組織した。反パキスタンを掲げるグループで、先月カブールでパキスタンの越境に対して抗議運動をした。

一方、アナリストたちは、タリバンたちがパシュトゥン族に支持されているのではないかと恐れている。ここのところ、再組織化された武装団やアルカイダの攻撃が頻繁になってきた。

新しい政党、特に強力なパトロンのいない政党は、組織化して資金を確保するための有事法制がないために、どうしようもない。アフガニスタンはまだ政党作りをしなければならない。法案では、海外に長期滞在せず、カブールを根拠地とするリーダーを持つ政党に限ろうとしていて、これではファヒームを有利にし、海外に亡命した経験のある人々は苦しい。

しかし活動化たちにとっては、法的危機よりも、身体的危機のほうが大きいという。タリバン崩壊後、何人もの政治家たちが、脅かされたり、狙われたりしてきたという。新聞編集者のFazal ur-Rahman Oryaは北部同盟について書いた新聞記事のおかげて車に詰め込まれ、脅迫された。

最近の政治脅迫は「以前によは少なくなった」という。武装組織は「一般的におとなしい。しかし彼らが攻撃を始めたら、止めることはできない」。

hoonAfghan democrats face threats
By Dan Morrison


■パキスタンの過激派、ジハードに集う[030719 Christian Science Monitor]

パキスタンの過激派は、ジハードをするためにいまだに集まっている。パキスタン政府が活動を禁止したにもかかわらず、先週の独立記念日に、武装組織たち――ほとんどが過激派Jamaat-ud Dawaのメンバー、約10,000人が集い、敵からイスラムを守ろうと、呼びかけた。

パキスタン人の中には、Jamaat-ud Dawa――以前はLashkar-e-Toiba(LT)と呼ばれ、インドとアメリカからテロ組織と認定された――の集会は、カシミールにいる同胞たちへの支持を表明しているにすぎないという。

「ムシャラフは過激派を逮捕はした。しかしこれらのジハード組織を支持するネットワークを取り締まることのほうが重要だ」と、国際Crisis GroupのSamina Ahmedが言う。パキスタンの軍は、これらの宗教組織との繋がりを持ち続けていると彼女は言う。「カシミールの解放」という同じ目的を持つからだ。9.11以降、この繋がりは決裂したが、去年の10月の選挙の際に、ムシャラフは再び宗教団体と取り引きを始めた。テロの罪で拘留されていたJamaat-ud Dawa(元LT)のHafiz SaeedやJaish-i MohammadのMaulana Azharを釈放したのだ。

アメリカ大使館やインド高官たちは国境でのテロは続いているという。しかし武装組織は、もはや攻撃を手柄と思わなくなっているという。「ムラーも軍も、パキスタンはカシミールに対して当然の権利を持つと信じている。カシミールのジハードも当たり前だと思っている。しかしパキスタンにとって、これらの組織を持ち続けることが大事なのだ。というのは、国際的にパキスタンの過激派は有名だし、また誰よりもパキスタン人自身が、その攻撃で殺されているからだ」。

10月の選挙で、北西辺境州とバローチスタンで宗教団体の連合政権が多数の議席を獲得した。欧米は、パキスタンは原理主義組織に対する態度を変えてないと公言し、北西辺境州とバローチスタン政府がタリバンを支持しているかもしれないと心配する。これはあり得ることだ。イスラム協会(Jamaat-i Islami)はAl Badr and Hizbul Mujahideenを支持してきた。両方とも今はカシミールの地下に潜った。イスラム神学者協会(Jamiat-i Ulema-i Islam)はタリバンと繋がっている。しかし政府高官は政府と過激派との繋がりは、9.11以後なくなったという。

Jamaat-ud Dawaは社会奉仕のネットワークを運営する。16のイスラム協会、135の中学校、5つのマドラッサ、科学高校、30万ドル以上の資金を持つ医療施設を所有する。Jamaat-ud Dawaはテロのレッテルを嫌うが、LTが掲げていた使命はそのまま踏襲しているという。つまり、イスラムの普及とイスラムの敵との対戦(ジハード)である。

「ジハードはテロではない」とJamaat-ud Dawaが発行する新聞の編集者、Qazi Kashifは言う。「市民に対して行なうのではなく、抑圧に対して、アフガニスタン、カシミール、イラク、チェチェニア、パレスチナ、フィリピンの占領軍に対して実行するのだ。我々にとっては、一番身近なカシミール、そしてインド軍だ」。そしてジハードに市民を巻き込むことをよしとするビンラディンとは違い、「市民と戦うのはジハードではない。世界貿易ピルで起こったことには同意しない」という。

しかし他のJamaat-ud Dawaのメンバーは、現在の戦争をもっと大きな目でとらえる。彼によると、ジハードの使命は、結局イスラムと欧米の最終戦争を求めることになるという。「我々の仕事は抑圧を終わらせることだ。イスラムが世界中に広まるまで、ジハードは永遠に続く。ジハードなしには、平和はない」。

hoonPakistan groups still rally for jihad
By Scott Baldauf、LAHORE


■タリバンの「ヒット・エンド・ラン」大きな脅威[030819 Reuters]

タリバンたちは、「ムジャイディン」戦士たちがソ連に対して使っていたゲリラ戦法を用いている。

アフガニスタン南西部の外交問題局長Khalid Pashtunの話では、カンダハルの大多数はイスラム原理主義運動に反対しているが、各村に1人や2人は同調者がいるという。「彼らはロシアと戦ったムジャヒディンと同じ戦法を使っている」と語る。すべてがタリバンと関係するわけではないが、先週以来、90人以上がアフガニスタンで殺されている。

Khalid Pashtunは、急増しているタリバンの攻撃は、米主導政府の自信を喪失させるのではないかと心配する。「一度気落ちしてしまうと、それはタリバンの勝利だ。誰も政府に協力しなくなる」。治安悪化のために、カンダハルでは18地域のうち、5つが「赤」、または危険地域に指定されてしまった。

Khalid Pashtunは、タリバンと対抗するためには国軍が成長するのを気長に待つのではなく、ムジャヒディン戦士たちがゲリラ戦法を用いて戦わなければいけないという。「国軍がカンダハルに来たとしても、戦法を知っているかもしれないが、地理を知らない。ムジャヒディンをタリバンに対抗させるべきだ。国軍を待ってはいられない」。

彼の考えはカブール政府の考えとは対立する。カブールは軍閥やそれぞれの私的軍隊の非武装化を実現しようとしている。Khalid PashtunはGul Agha Sherzaiに代って派遣されたカンダハルの新しい知事 、Yusuf Pashtunを歓迎している。しかし、カルザイの力を地方に拡大したかもしれないが、タリバンに対する攻撃に対しては足かせとなる。Gul Agha Sherzaiはカンダハルだけでなく、近隣にも自分の軍を派遣する力を持っていたのだ。Yusuf Pashtunにはそれがない。何万人ものタリバンが、カンダハル出身だ。国境を越えた者もたくさんいるが、シンパは明かに残っている。

hoonTaliban "hit-and-run" raids a serious threat
By Mike Collett-White、KANDAHAR


■2002年以来のタリバンによる主な襲撃事件[030819 Reuters]

[2002年]

2/14…輸送・観光大臣Abdul Rahmanが飛行場で殴打され死亡。

7/ 6…3人いるアフガニスタン副大統領の1人Abdul Qadirがカブールで射殺。Abdul Qadir氏の後継者によって殺人を支持された10人のガードが逮捕。

9/ 5…カブールの情報省付近で車が爆発。26人死亡、150人負傷。

9/5…カンダハルでカルザイ暗殺未遂。

10/21…アフガニスタン西部でパトロール中のアメリカ兵が襲撃され死亡。

[2003年]

1/31…カンダハルでミニバスが爆発。市民18人が死亡。

3/29…ヘルマンド州で車輌が攻撃され2人のアメリカ特殊兵が死亡。

4/15…ドスタム将軍の腹心Commander Shahiが待ち伏せされ死亡。

6/5…タリバン40人とアフガニスタン国軍7人が戦闘で死亡。タリバン崩壊後の最大の抗争。

7/7…ドイツの治安支援部隊の車が自爆テロに合い、ドイツ兵4人と31人が負傷。アフガン市民1人も犠牲。

7/18…コシュト州で8人の国軍がタリバン攻撃で死亡。

7/27…ヘルマンド州でタリバンとアルカイダによる6人の警察官死亡。

7/30…カンダハルのモスクの外で聖職者のMawlavi Jenabをタリバンが射殺。

8/7…ヘルマンド州でアメリカの援助団体Mercy Corpsで働く6人のアフガン兵と運転手が襲撃され死亡。

8/13…ウルズガン州の州高官とその部下の間の闘争で少なくとも25人が死亡。

8/13…ヘルマンド州でタリバンがによりバスが爆発して15人死亡。

8/13…南西部で政府軍が16人のタリバンとアルカイダを殺害。

8/16…パクティア州で400人のタリバンが警察本部を襲撃、6人の兵士を殺害。

8/17…パクティア州で200人ほどのタリバンが州本部を襲撃し、3人の政府軍が殺害され4人が連れ去られた。

8/18…カブールの南でタリバンが10人の警察官を殺害。

garrCHRONOLOGY-Major attacks in Afghanistan since 2002
LONDON


■警察官10人が殺害、アフガニスタン治安悪化[030819 Reuters]

月曜日に、ロガール州でロガール州警察長のAbdul Khaliqaを含む警察官10人が殺害されたと、ロガール州の軍司令官Fazlullah Mojadidiが『ロイター』に語った。

Fazlullah Mojadidiによると、Abdul Khaliqaはタリバンによるロケット弾攻撃で殺害された2人の警察官の葬式に参加した後、車で戻る途中で待ち伏せされたという。この事件はマザリシャリフで活動している、イギリスのSave the Children Fundで働く2人のアフガン人に対する攻撃の直後に発生。

火曜日の朝には、カブール南西部で地雷撤去をする団体の基地を20人ほどの武装集団が襲撃。職員を殴打したあと、救急車を盗み、後に炎上させた。犯人は特定されてない。

カンダハルではカルザイ大統領の弟の家で爆発があったが、これは事故でテロとは関係ないとのこと。カルザイの弟は無事だった。

月曜日と火曜日に米主導同盟軍の基地が立て続けに攻撃されたが、負傷者はいない。

garrWRAPUP 1-Ten policemen killed in worsening Afghan violence
By Sayed Salahuddin


■アメリカ、パキスタンにC-130 機を売却予定[030819 Dawn]

駐パキスタンのアメリカ大使、ナンシー・パウエルはパキスタン空軍のAir Chief Marshal Kaleem Saadatと会見し、Lockheed Martin C-130 Hercules 6機を売却すると語った。これにより、パキスタンの防衛力は強化される。

hoonUS to sell C-130 aircraft to Pakistan
ISLAMABAD


■インドのテロ訓練所、パキスタンをゆさぶる[030819 Daily Times]

パキスタンは月曜日に、「インドから非常に危険な外的脅迫を受けている」と語り、インドにインド西部の国境付近にある55のテロ訓練所を撤去するよう、要請した。「パキスタンは危険な外的脅迫をインドから受けている。我々はインドと話し合い、この脅威を取り除こうとしている」と外務大臣のスポークスマンが語った。彼が言うには、イスラマバードはこれまでニューデリーから何度も「二枚舌」を聞かされてきた。「手を差し伸べる一方で、憎しみをもつ」という。国境にあるテロキャンプは、パキスタンを直接狙っているという。「これは誇張ではない。パキスタンは、これらのキャンプについての情報を得ている。その行動は、いくつもの挑発を国際的に引き起こしている。公然のことだ。インド人はこれを知っていて、我々も知っている」。

またカシミールの管理ライン(LoC)での停戦を申し出たパキスタンに対して、インドがただちに断ったことにかみついた。「ムシャラフ大統領は重要な申し出をし、カシミール問題を解決する歴史的機会を与えたのに、インドのリーダーたちはこれを拒んだ。尊大な態度だ」と語った。さらに、パキスタンはインド軍がDrassとKargilで行動していることも知っていて、いつでも相手になると語った。

garrIndian terrorist camps destabilising Pakistan
By Shaukat Piracha
ISLAMABAD


■パキスタン、インドにテロを非難[030819 The Nation]

月曜日にパキスタンは、インドがインド西部の国境付近に、55のテロリスト・キャンプの設営を許可していることを非難。パキスタンに「ゆさぶり」をかけるために戦士を訓練していると訴えた。

「管理ライン(LoC)とパキスタンとの国境に沿って、テロ訓練所がいくつもあることを知っている」と外務大臣のスポークスマンが語った。「もし南アジアの平和を望むなら、インドはこの施設を撤去しなければいけない。この事実は公然のことだ。インドはこのキャンプのことを知っているし、我々も知っている。我々が見たところ、約55のキャンプがあり、パキスタンを直接標的にしている。破壊行為や反国家的行動をとっている。また過激派をあおり、援助している。これらは公然のことになっている」。

garrPakistan turns terror charges on India
ISLAMABAD(AFP)


■テロの名目で逮捕され[030819 Asia Times]

9.11以後、アメリカやメディアは、反米運動をすべてアルカイダの陰謀として描く傾向にある。しかし、必ずしもそうとは限らない。

この2年間、約1万人のアルカイダ容疑者が「テロへの戦争」という名目で捕まっている。これらのうち、重要な人物はキューバのグアンタナモに拘留されているが、たとえばアフガニスタンから来たという歯もないような老人は、結局釈放される。

『Asia Times』が諜報部と繋がりのあるパキスタン人高官に聞いたところ、彼自身、10人のアラブ人をカラチで逮捕したという。「FBIが携帯番号を教えてくれると、我々はそれを追跡し、盗聴し、隠れ家をつきとめる。そしたら急襲する。こうやってカラチのアルカイダ工作員、Alaviを逮捕した。そのとき彼は寝ていて、武器さえ持ってなかった」。「多くの場合、FBIが教えてくれた人物はアフガニスタンからすでに脱出して、それぞれの祖国に帰っている。でも彼らは、パキスタンで『テロを行なっていた』危険アルカイダ工作員として逮捕されてしまうのだ」。「アメリカもパキスタンも、彼らを非常に危険な人物という印象を与えるように努力する。そうして『テロへの戦争』に貢献しているように見せ、昇格や賞金をもらうのだ」。

このような状況は、パキスタンに限ったことではない。前述のパキスタン高官がイラクのクルド族の地域のSulaimaniyaに行ったときにも、同じような例を見たという。Ansar al-Islamは反米である。そのリーダー、Mullah Krekarは、タリバン政府の時代にアフガニスタンを訪れた。このことによって、Ansar al-Islamはアルカイダと関係があるとされた。

タリバン崩壊後、アフガニスタンに住んでいて、アルカイダと必ずしも関係がなかったアラブ・アフガンは、イランやイラク北部を通って祖国に逃げ帰った。イラクのクルド地域の諜報部員によると、アメリカのアフガニスタン攻撃とバグダッド陥落の間に、アラブ・アフガンの大多数がこれらの地域で逮捕された。その数は、ある情報筋によると18人だったという。前述の高官がこの18人のなかの3人をインタビューしたところ、アメリカのプロパガンダとずいぶん違う印象を受けたという。

Haqi Ismail(33)――仕事をしながら大学に通っていたが、世俗的なイラクではなく、イスラム国家で暮らして見ようと、90年代半ばにイラン、ヨルダン、そしてアフガニスタンに行った。タリバン政権が崩壊するとイランに逃げ、イラク北部からイラクに入ろうとしたときに逮捕された。アルカイダとは全く関係ないのに、カブールでアルカイダ工作員、Abdul Hadi al-Ansariと一度会ったことを認めるよう言われたという。

Asad Mohammed Khalid(23)――シリア生まれで、サウジのメディナの大学に入学。そこにいる間、アメリカがアフガニスタンを攻撃し始めた。イスラム国を助けようと思い、青年はイランを通ってアフガニスタンに入った。しかしイランとアフガニスタンの国境に来たところでタリバンは崩壊した。そこでイランに逮捕され、45日間拘束された。しかしテロリストではないことがわかり、シリアの家族とコンタクトをとることを許された。しかし家族は、周辺の人々は彼がアフガニスタンで戦うために出かけたと信じているために、政府は彼をブラックリストに載せていると忠告。イラク北部に行ってイスラム・グループの元に避難するよう助言した。イラン当局は、好きなところに連れて行ってくれるというので、彼はヨルダンに行くことにした。ヨルダン政府の尋問を受けたあと、彼はイラクに入り、バグダッドを通過し、スレイマニヤに入ろうとしたところで捕まった。2002年3月、イラク戦争がはじまる1年前だ。

Saad(30)――バグダッドのシーア派の青年で、ウルドゥー語がぺらぺらだ。なぜシーア派がアルカイダと関係があるか? しかし彼はHizbul Mujahideenのカードを持っていたのだ。彼は最初インドに行きたかったのだが、結局91年にイランに行き、93年にトルクメニスタンに入ったが、イランに送還された。しかしテヘランは、彼をアフガニスタンとの国境に放置した。そこで、彼はアフガニスタンに入った。そこでイスマイル・ハーンに会ったという。イスマイル・ハーンは彼にカブールの大学に行くように勧め、カブールに行くが、96年にタリバンが出現すると北部同盟と一緒にマザリシャリフに逃げた。しかし、タリバンが追ってきて、逮捕される。北部同盟にアラブ人がいることに驚いたタリバンは、彼に味方になるよう勧める。しかし彼は拒否したので、アフガニスタンを去るように命令され、ペシャワルに行った。そこでカシミールでジハードをしているHizbul Mujahideenのメンバーに会ったという。これは最初の目的だったインドに行く好機と考え、メンバーになった。最初に出会ったインド兵に投降して、インドに避難しようと決心していた。しかしタイミングが悪かった。9.11以後、Hizbul高官から、アラブ人はパキスタンから脱出したほうがいいと助言され、イラン国境まで連れて行ってもらう。そこからイラクに入り、スレイマニヤで捕まる。そこで結局Hizbulのカードを持っていたために、アルカイダと関係があると見られ、逮捕された。

彼らもまた、アルカイダ・メンバーと見られカウントに入れられ、アルカイダたちと同じ運命をたどることになるのだ。

ohCaptured in the name of terror
By Syed Saleem Shahzad、KARACHI


■より大規模の攻撃が、タリバンの新しい局面を記す[030818 AP]

最近までアフガニスタンのゲリラ攻撃はヒット・エンド・ランだった。しかしこの週末にかけての激しい攻撃は、タリバンの予想外の力を表わしている。何百という戦士たちが2つの町を急襲したのだ。

この攻撃は、米国追従の政府に国の政権を担当することがいかに難しいかを示す。アフガニスタン政府はこれらの攻撃に対処することを誓っている。ただ、ゲリラたちが「強くなっているのか、単に大胆になっているのかはわからない」という。「事実は、彼らが武器を持っていることと、金を持っていること、またこれを続けようとしていることだ」と外務省のスポークスマン。

これらの攻撃は、オマール師がゲリラを地域別に組織し、国中を攻撃するよう、戦士たちを再組織したというレポートの後に起こりはじめた。

日曜日には、200人のタリバンがパクティア州のBarmal地域の警察の建物を急襲して、8人の警察官を殺害した。アフガン兵たちは15人の戦闘員を殺害したという。日曜日遅くになってからは、もうひとつの大きなグループがTarwayの警察の建物を急襲して火を放った。4人の警察官が連れ去られ、ゲリラたちはパキスタンに逃げ込んだという。

「外国兵」――ウルドゥー語やアラビア語を話すもの――が中にいたという。木曜日にパキスタンの外務大臣がカブールに来たときに、大きな話題となるだろうと思われる。

アフガニスタンからのレポートを確認することは不可能だ。事件が起こった場所があまりにも遠いため、そして目撃者がいない。現場に留まった者は殺されたり連れ去られたりしてしまったのだ。

隠れているタリバンからの情報と欧米の諜報部によると、オマール師は組織をいくつかの軍事的地域に分割したという。南部と中央部には司令官を置いている。またパクティア、パクティカ、ナンガハール、クナール州はタリバンの前大臣、Jalaluddin Haqqaniと前ナンガハール知事のMullah Abdul Kabirが指揮しているという。

タリバンは、ヘクマチアルとも行動していて、ビンラディンのアルカイダがこれらのゲリラたちを訓練しているらしい。またタリバンはパキスタンから、特に北西辺境州から援助を受けているという。アフガニスタン政府は国境沿いにさらに軍を増やそうとしているが、戦うための資金がないという。

9.11以後、パキスタンはタリバン支持をやめたが、部族地帯はタリバンの恰好の隠れ家だ。「パキスタンに安全な隠れ家を持ち、そこでは安心していられることで、彼らは再び力を持ちはじめたようだ」。

パキスタンはできる限りのことはしているが、何千という戦士を止めることはできないという。「まだまだ取り締まりが甘い。言ったことに責任をもってほしい」とアフガニスタン側。

garrLarger, more brazen assaults in Afghanistan may mark new phase in fight against Taliban
KABUL


■タリバン、アフガニスタン政府オフィスを襲い3兵士殺害[030818 Reuters]

日曜日に、約200人のタリバン兵士たちがアフガニスタン南東部のパクティア州、Terwah地方を攻撃、政府本部の建物を襲撃して兵士3人を殺害、4人を捕らえた。

「彼らは建物に火をつけて全焼させた」と州警察のDawlat Khanが『ロイター』に語った。「兵士3人を殺害、4人を捕らえ、連れ帰った。タリバンは約200人で、パキスタンに逃げていった」という。ゲリラも約16人殺害された模様。「たいがいがパキスタンで組織化され、ここに来て攻撃する。パキスタンの国境警備兵たちは彼らが行ったり来たりするのを見ているが、止めようとしない」。

Dawlat Khanはカブールやアメリカ主導の同盟軍の援助や武器の不足を訴える。「我々の軍は小さな武器のための弾さえない」。「アメリカは武器を見つければ壊していく。政府は何もくれない。兵士たちはたった800アフガニ(14ドル)しかもらえない。このような状況で、どうやって戦ったらいいというのだ。援助がどうしても必要だ」。

月曜日に国連のUNHCRは、治安悪化のために難民の帰還は難しくなっている、と発表した。アフガニスタン北部では、いやがらせや略奪、誘拐などが頻発しているという。女性や子供を含む市民たちが、Sar-i-Pulでの派閥争いで負傷しているという情報もある。今年は、パキスタンやイランから約39万人のアフガニスタン難民が帰還すると見られている。昨年は180万人が帰還した。

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By Sayed Salahuddin、KABUL


■タリバンの警察本部襲撃で22人死亡[030818 Guardian]

土曜日の夜、約400人のガンマンたちがカブール南西部のBarmalにトラックの隊列でやってきて、警察本部を襲撃した。警察官7人と、少なくとも15人のガンマンが死亡したという。暴徒たちは夜の間は建物を占拠していたが、朝にはパキスタンの部族地帯に退去していったという。

この数週間、アフガニスタン南部のパシュトゥン族が住む地域で暴動が増加している。先週は24時間内に64人もの人間が殺される一連の銃撃戦や爆破事件が、立て続けにおきた。これらの混乱に対抗するために、カルザイ大統領はカンダハルの知事を自分の側近であるYusuf Pashtunと交代させた。

きのうの攻撃は明らかにこれまでのものと比べると大きく、タリバン戦士たちがもはや欧米人兵士だけを攻撃目標にしているのではなく、アフガン高官をも標的にしていることを示している。このほかに攻撃されているのが、欧米援助団体のために働いているアフガン人労働者たちや、国軍の兵士、政府を擁護した聖職者たちである。もしこの攻撃者たちがパキスタンから来たのであれば、イスラマバードはなぜタリバンを抑止してないのか、説明を迫られる。「これはテロ・グループによる行動で、パキスタンとの国境地域で起きている」とカルザイ大統領のスポークスマン、Javid Loodinが語った。「これらの地域で生じる治安問題は、国境間の問題だ。彼らは国境を越えて来る。テロ行為をしてから、国境を越えて去る」。

パキスタンの軍事アナリストは、イスラマバードはタリバン反乱軍を見て見ぬふりをしているという。パキスタンの外務大臣Khursheed Kasuriは木曜日にカブールへ行く予定で、困難な課題を背負うことになる。

昨日の攻撃までに、パキスタンとアフガニスタン軍の間でいくつかの小競り合いがあった。また2人のパキスタン兵がタリバンと間違われてアメリカ軍により誤って射殺された。パウエル国務長はムシャラフにこのことに関して謝罪している。

欧米の治安支援部隊は5000人でその行動範囲はカブールだけに限定され、1万2000人のアメリカ兵はアルカイダのネットワーク追跡に追われて、欧米各国の政府はさらなる治安支援軍の派遣に及び腰だ。アフガニスタンは国軍の育成もままならず、軍閥の非武装化もいまだ始まる気配がない。

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Rory McCarthy、Islamabad


■アルカイダ容疑者の親族、投降を説得できたと語る[030818 Daily Times]

木曜日にCriminal Intelligence Department(CID)により殺害された、リビア国籍のAbdul Rehmanの親族が、もし自分に助けを乞うていたらアルカイダ容疑者を逮捕することができたと語った。

Rahmanの妻のKhadijaの叔父、Abdul Haiが『Daily Times』に語ったことによると、当局は自分が投降を説得できることを知っていたという。「なぜ、当局は私に連絡をよこさなかったのか。私は関係者には良く知られている。政府はRehmanが私の親戚であることを知っていた。抵抗しないで投降するよう、私に説得させてくれればよかったのに」。

Hai氏は、Rehmanの殺害は「不当」だという。彼はリビア人で、80年代のアフガン戦争でソ連と戦い、イスラマバードのIslamic Universityで修士を取得したという。Hai氏自身は73年から76年にかけて防衛省で副秘書を勤めた。彼によると、Rehmanはアルイカダのメンバーではないという。「私はアラブ人が好きだ。彼らはムジャヒディンだからだ。私の姪が彼と結婚したことは後悔してない」。数ヵ月前にRehmanを紹介され、自分の家族の女性と結婚がしたいと申し込んだときに、その申し出を受け、姪も受け入れたという。また、CIDの急襲を受けたときに盗まれたお金や宝飾品の返済を警察に要求するという。

Rehmanの妻のKhadijaは、夫がアルカイダだということは知らなかったという。また警察はRehmanに投降を呼びかけたが、Rehmanは「投降するよりも戦う」と答えたことを確認した。

AFPによると、Khadijaは夫の殺害で裁判を行なうという。「夫は正規のパスポートとパキスタンのヴィザを持っていた。テロと関係はない」と語った。

パキスタン当局は、事件の際に逃走したアルジェリア人、Sheikh Ayub Sulemanをまだ捜査中だという。Sheikh Ayub Sulemanはアルカイダの重要な工作員とのこと。

smellQaeda suspect's kin claims he could have negotiated a surrender
By Iqbal Khattak、PESHAWAR


Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003.