【2003年09月15日〜09月21日】


■パキスタン・アフガン国境でAl-Mizan作戦[030921 Paktribune]

パキスタンとアフガン国境で、86のチェックポストが設立され、タリバンゲリラとインドの工作員の活動を防止すると、内務省の情報源が語った。

パキスタンは治安のために“Operation Al-Mizan”を開始し、警察や国境警備隊を国境地帯各地に派遣した。すべてのポストには兵力と武器が配置され、反国家運動やインドの工作員を監視する。

内務省情報筋によると、正規軍や北西辺境州の国境警備隊のほか、エンジニアや医療部門からなる部隊がTirah谷に入った。この他Kurram、北ワジリスタン、Sahiwal地区、南ワジリスタンなど、これまで入ることができなかった地域の安全も確保したという。

hoonOperation Al-Mizan launched on Pak-Afghan border


■タリバン指導者、アメリカに対するキャンペーンを組織[030921 AP]

オマール師がタリバン指導者たちを集め、アメリカ軍とアフガン政府に対してキャンペーンを行なう会合を開いたと、抵抗分子のスポークスマンが日曜日に語った。

スポークスマンと名乗るSayed Hamid Aghaが『AP』に電話してきて、声明を発表した。「この数日間に渡って、オマール師のもとでシューラ(会議)を開いた。シューラは、4つの組織を形成することにした。軍、政治、文化、経済の各部門からなり、すべての問題に対処する」。2人いるAPのレポーターのうち1人は、タリバン戦士である彼を知っており、彼の声であったことを確認した。またペシャワルにいるタリバンと関係がある第2の人物からも、文章にした声明を受け取った。

アフガン諜報部のAmrullah Salehは、これまでも同じような声明は何度も受け取っているというが、会合の詳細を知ったのは初めてだという。「自分たちが活動しているということを印象づけるための、心理作戦だと思う」。

Aghaはさらに、タリバンの情報相Qudratullah Jamalからの声明として、一連の軍事作戦の勝利を発表した。自分はアフガニスタン外から電話していると述べたが、オマール師の所在については答えなかった。

8月にもAPは、オマール師からとされるメッセージのコピーを受け取った。それには「すべての欧米援助団体」を「イスラムと人類にとっての最大の敵」とし、攻撃をすることを警告していた。このメッセージに記載されていた署名の信憑性は、確認されてない。

AghaはSardar Aghaというタリバン司令官が最近ザーブルのDai ChupanとAtghar地方を支配しているという。「ここでは、行政は全くない」と語り、タリバンが10人の米軍を殺害したと主張。バグラム空軍基地の米軍は、米兵の死亡は最近では3人だけで、タリバンがこの地域を取ったという情報はないと述べた。アフガン諜報部のSalehも、これについて懐疑的だった。「私が知る限り、アフガニスタンではタリバンが公然と存在している場所はない」。

Aghaはタリバンは米軍を排除し、アフガン政府を崩壊させるまで戦うという。「我々はアフガン国家に対し、外国人が国を去るまで聖戦を続けることを約束する。イスラム法、平和、安全が国中に広がるまで戦う」と述べた。

ohTaliban Chief Organizes Campaign Vs. U.S.
By AMIR SHAH、KABUL


■アフガン改革、慎重な反応[030921 Reuters]

週末に行なわれた国防省人事移動にもかかわらず、大臣の派閥は以前力を保ち、アナリストたちは、これでは国連の非武装化計画が成功するかはなはだ疑問だとしている。それでも数週間のうちには、国連は非武装化計画を始める予定だという。

政府の方針は、タジークが支配する国防省に、他の民族も参入させることであったが、大きな改革とまでは言えない結果となった。パシュトゥン族が大勢参加はしたが、それでも支配力は大臣のタジーク人、ファヒム氏と軍責任者のタジーク人、ビスミッラー・ハーン氏が握っている。

非武装化計画はまずクンドゥーズで始まり、ガルデズとマザリシャフが続く。「国防省の改革をした目的は、中央でタジークが強力であるかぎり、非タジークである自分たちが非武装化を拒むからだ」とInternational Crisis GroupのVikram Parekhは指摘する。カルザイ大統領は10月15日から非武装化計画を実施すると述べるが、この人事移動が、日本が主導となっている資金提供者たちを満足させるものであるか、まだ問題は残っているという。

政府は国防省の改革により、国軍が地方の私的軍隊にとって代わるようになると述べる。しかしParekhは、軍の責任者ビスミッラー・ハーン氏は元ゲリラであり、正式な軍事訓練を受けたわけではないので、それができるとは思えないと懐疑的だった。

hoonCrucial Afghan reforms get cautious reponse
By David Brunnstrom


■アメリカ、死亡はタリバン戦士だけと発表[030921 Reuters]

米軍は、ザーブルで水曜日に実施されたヘリコプターからの攻撃で、タリバン2人だけが死亡したと発表した。「水曜日の作戦では、抵抗分子だけが殺されたか、負傷した」。

しかし土曜日にアフガン高官は、2人のタリバンとともに、少なくとも8人の遊牧民が死亡したと語っていた。女性や子供を含むという。死亡したタリバンの1人は司令官Mohammad Gul Neyaziで、タリバンが隠れていた遊牧民の家族のテントの上に、爆弾が落とされた。

米軍は日曜日に、「同盟軍は抵抗分子の司令官、Mullah Abdur RahimとMohammad Gul Neyaziが殺されたことは確認できてないと発表した。アフガン高官は月曜日に、Rahimがカンダハルの戦闘で殺された15人のタリバン戦士の中にいたと語っていた。ゲリラの高官もこれを認めていたが、先週Rahimと名乗る人物が『ロイター』に電話をかけてきて、自分は生きていると語った。声はRahimのものと似ていたという。

hoonUS confirms Taliban deaths, says only fighters die
KABUL


■アフガン指導者、国防省を改革[030920 AP]

カルザイ大統領は、待ち望まれていた国防省の改革を発表した。

まず軍の責任者Gen. Mohammed Asef Delawarを、Gen. Bismillah Khanと交代させた。また民族的配分を配慮して、パシュトゥン族のGen. Abdul Rahim Wardakをその副官とした。

これまでどおりファヒムは国防大臣の地位につくが、彼の部下を排除し、タジーク族に権力が集中しないように、配慮された。

この他、新しい副大臣を任命。ハザラ族のBaz Mohammed Jawhari、ウズベクのMohammed Humayoon Fawzi、そしてパシュトゥンのGulzarak Zadranである。

これとは別に土曜日、NATOのGen. Andrew Leslieが、軍閥たちがカブールから戦士や武器を排除しないことに失望していると述べた。「なぜ彼らはカブールに戦車が必要なのか、理解できない。犯罪者を逮捕するきに、戦車は必要ない」と『AP』に語った。

hoonAfghan Leader Reshuffles Defense Ministry
By ALEKSANDAR VASOVIC、KABUL


■アフガンの町、8月からタリバンが支配[030921 Daily Times]

カブールの南に位置するBarmalでは8月からタリバンが町を支配していると、パクティア州の治安責任者、Dawlat Khanが金曜日に述べた。

8月中旬にタリバンがBarmalを攻撃して以来、政府関係者は町を逃げ出した。約10人の政府関係者が殺害され、なかには喉をかき切られた者もいる。政府関係の建物も破壊された。タリバンは「軍事的に町を拠点としているわけではない」が、「自由に買い物をしにくる」という。親政府軍は町を引き上げてしまったと、ウルグン警察のJalil Zadraが『AFP』に述べた。政府関係者や治安部隊は、現在この地域に入ることはできないという。唯一この地域にいるのが、Shkinにいる米軍である。

hoonAfghan town under Taliban control since August
URGUN、AFP


■米軍ヘリ、アフガン人12人を殺害[030920 AP]

米軍のヘリコプターが、カンダハル南東部のNaubaharで、遊牧民のテントに避難したタリバンを攻撃し、2人のタリバンと10人の遊牧民を殺害した。ザーブル州出身のタリバン司令官Mullah Mohammed Gul Niaziが、死亡したタリバンの1人だったという。Mullah Mohammed Gul Niaziは衛星電話を使っていたところを米軍に感知され、攻撃された。

hoonU.S. Helicopters Kill 12 in Afghanistan
By NOOR KHAN、KANDAHAR


■アルカイダ、パキスタンとサウジに背を向ける[030919 Asia Times]

最近出てきたビンラディンとザワヒリのテープは、いかに「テロへの戦争」がアルカイダの活動を制限し、効果があることを物語る。『Asia Times』の聞き込み調査により、アメリカがアルカイダ滅亡作戦を始めて以来、テロ組織はさまざまな損害を受け、その組織や作戦、目標を変えざるを得なかったことをつかんだ。

ビンラディンの国際イスラム戦線(International Islamic Front)は欧米を攻撃することに目標を定めているが、これは続くだろう。しかしアルカイダは、サウジとパキスタンの状況変化に苦心している。これまでは直接的な支援でなくても、ある程度の庇護を受けていた。現在サウジには、アメリカの圧力もあり、多数のアルカイダが拘留されていると思われる。したがって、アルカイダはこの2国に、新しい前線を切り開く。「停戦」はない。

サウジ王族に属する男性1万4000人は、ビンラディンを支持する。彼らはビンラディンのワッハーブ主義を認めているわけではないが、エリートたちを支配するために、ビンラディンを利用しようというだけだ。アルカイダは当然新しい作戦においても、彼らと共にやっていくだろう。何はともあれ、資金が必要だからだ。

パキスタンでも同様だ。最初から、パキスタンはアルカイダとタリバンを支持してきた。パキスタンは2つの顔を持っているのだ。アメリカに対する顔とアルカイダ・タリバンと親しくする顔だ。いっぽうでブッシュと協力しながら、国内ではテロ一掃はポーズに過ぎなかった。しかし、これは変わった。アメリカの圧力があったのか、あるいは他からの圧力があったのか、ムシャラフの取り締まりは厳しくなってきた。これは影響力が大きい。

以前は、パキスタンはアルカイダの通過基地でしかなかった。国内で、アルカイダは活動してなかった。パール記者殺害やシェラトンの爆破事件はアルカイダの仕業ではなく、地元のグループの犯行だった。アルカイダの一員になったパキスタン人は、たった1人だけだ。一般人が思っているように、パール記者との関連で逮捕されたShiekh Omarはアルカイダと接触はあったが、独立した工作員だ。アルカイダと非常に近い関係にある唯一のパキスタン人は、Maulana Fazalur Rehman Khalilである。Harkatul Mujahideenのリーダーだ。今彼は、ISIの指示に従い、地下に潜入した。

『Asia Times』のつかんだ情報では、現在アルカイダは、パキスタンではムシャラフだけを敵と見なしている。彼を排除すれば、再び状況は良くなると考える。彼は抹殺リストのトップに名を連ね、近い将来生命は脅かされることになるだろう。パキスタン治安当局は、ムシャラフに最近の状況を忠告している。現在彼のイスラマバードの自宅は安全が確保されないために、ほとんどラワルピンディのArmy Houseか本部にいる。

サウジとパキスタンは、アルカイダの新しい、そして直接的なターゲットになり、アメリカ関連のターゲットよりも重要性は上である。ヨルダンやイラク出身の工作員がわずかにいるイラクでは、アメリカを攻撃するほど、力を持ってない。

《アルカイダの武器》

アルカイダが大量破壊攻撃が可能な武器を持っている証拠はない。しかし欧米の諜報機関によると、小さな設備で作ることができる、小規模な化学兵器や生物化学兵器を使用することはできるという。理由は次のとおりである。

 ・伝統的な反テロ用サンセーシステムに感知されない(したがって一般的な対抗策を用いることはできない)。

 ・工作員が攻撃を行ない、それが人間に影響を及ぼすまでにタイムラグがあるために、犯人は被害が出る前に逃げることができる。

 ・場合によっては、「印」がないために、暗殺者は例えば死の原因を偽造することができる。

 ・大きな攻撃を実行する能力と決意を示すために、小さな攻撃を繰り返す。

 ・国の軍隊や経済に損害を与えることができる能力。

 ・テロの恐怖を人々に植えつける。武器は超小型、無色、無臭。

これらのことに関して、パキスタンの前内務大臣のLieutenant-General Moinuddin Haiderは、『Asia Times』に次のように述べた。彼はそれまで閉鎖されていた部族地帯をパキスタン軍に開放し、パキスタンのテロ組織を撲滅しようとした。これによって、彼の兄はテロリストに殺された。「すべての抵抗グループは、伝統的に軽火器を武器として用いてきた。次に普通の爆発物を用い始めた。今では、体に爆弾を巻きつける自爆テロだ。これがアルカイダの戦法だ。化学兵器に関しては、今のところ何もわからない。アメリカはアフガニスタンに長期間いるが、アフガニスタンでアルカイダが化学兵器を作るために使った設備が見つかったという話は聞いてない」と言う。

Moinuddin Haiderの時代、400人のアルカイダが逮捕された。しかし、まだ組織は崩れてないという。「組織の幹部を逮捕したが、まだ自由に活動している者たちがたくさんいるはずだ」。彼によれば、アルカイダや抵抗グループはすぐに状況に反応するため、彼らが反応するべき出来事がある限り、彼らは繁栄するという。「我々は、逮捕した者たちすべてを精神分析した。かれらの多くが都会出身で、国際的なバックグラウンドを持つことに驚くだろう。彼らがアフガニスタンで戦う理由は、ある種の反動といえる。誰でもパレスチナやチェチェンでの出来事を知っているにもかかわらず、このテロについて語るものはいない。家が壊され、住民がミサイルで攻撃される。もし死ぬのなら、ただ殺されるのではなく、自爆して、敵を巻き込んだほうがいいじゃないか、と考えるわけだ。イスラム世界では、このような考えが育ちはじめている。これは反動だ。本当の治療方法は抑圧ではなく、正義を行なうことだ」。

アルカイダは今、サウジとパキスタンにいる「裏切り者」を始末しようとしている。しかしこれだけではない。『Asia Times』は、新しいチームが中央アジアで計画を練っていることをつかんだ。中央アジアにおけるアメリカ関連の機関を攻撃するのだ。この地域にはアフガニスタンから帰還したウズベクとチェチェン人からなる、約2000人のアルカイダがいる。

ohsmellAl-Qaeda turns against Pakistan, Saudi Arabia
By Syed Saleem Shahzad、KARACHI


■アメリカという鏡を通してのパキスタン[030919 Asia Times]

アメリカが、タリバンとアルカイダと関係する32のドキュメントを発表した。このうち26は国務省所有の物で、残りはペンタゴンのDefense Intelligence Agency(DIA:国防省諜報庁) のものである。この記事では、DIAのドキュメントのうちの3つに触れる。

まず最初のドキュメントは、1999年9月に作られた15ページのものである。「ビンラディン/アルカイダの情報活動」(Osama bin Laden/al-Qaeda Information Operations)についてまとめられている。90%がカットされているので、ほとんど重要な情報はない。おそらくアルカイダの通信方法やインターネット使用について、情報ネットワークの攻撃の仕方、アメリカができる防御策やそれに対する攻撃方法などがまとめられていたと考えられる。

2つめは、2001年9月24日の日付になっているる。タイトルは「アフガニスタンのベテラン旅行者による、アルカイダとタリバンの弱点についての分析」(Veteran Afghan Traveler's Analysis of al-Qaeda and Taliban's Exploitable Weaknesses)。「これは単なる情報であり、最終的に検討された報告ではない」というただし書きが付記される。当然旅行者の記録ではなく、イスラマバードの米大使館かワシントン本部のDIA高官がまとめたものだ。諜報分析に関する専門家の文章で、単なるアフガン旅行者のものではない。分析は次のようにまとめられている。「最終的に、タリバンとアルカイダは互い同士で戦い始めるだろう。それぞれの弱さはそれぞれのグループに属する個人の心、そしてその名前に与えられた力から派生する。アルカイダは、アフガン人ともタリバンとも同化しない。したがって、利用することが可能である」。ここでいう利用とは、タリバン/アフガニスタン対アルカイダという図式を、アメリカが利用するということだ。今となっては、なんと甘い考えか。

このアナリストは、ビンラディンとアルカイダを匿っているのはパキスタンだと述べる。「ビンラディンとアルカイダは、パキスタンの指示に従ったタリバンによって守られた。アメリカが攻撃したビンラディンのキャンプの位置、Zahawaを考えれば明白だ。国境にあるこのキャンプはパキスタンの建設会社が作り、ISIが資金を提供した。地元の部族長、Jalaluddin Haqqaniがこれを監督、監視。しかし本当の所有者は、パキスタンのISIだ。これが後にビンラディンの基地となるのであれば、ビンラディンとISIとの初期の関係について、重大な疑問が生じる」。Jalaluddin HaqqaniはJadran族のリーダーで、対ソ戦でアラブ人傭兵を受け入れる窓口となり、ISIに庇護されていた。またタリバンについては、「パキスタンが自分たちの進歩を隠すために作った、手ごろな隠れ蓑」だという。誰の進歩なのか? アルカイダなのか、パキスタンなのか? おそらくパキスタンを指すのであろうが、はっきりしない。

さらにアメリカの目的は、「タリバンとパキスタンを排除した、安定したアフガン同盟政府を作る」ことだという。そして効率の高い軍事作戦、まず空軍が出動し、空軍に援護された地上軍を派遣することを助言する。「敵は多くない。彼らにとっては、戦うのは大変なのだ」。そしてこのアナリストが言うところの、アルカイダの持つ優越感とエリート戦士という意識のために、ある日タリバンとアフガン人たちと対立するという予測は、今のところまったくはずれている。

アナリストは、2つの戦争を考える。ひとつはアルカイダの実際の力、幹部や訓練所などを破壊すること。もうひとつは人々の心の問題だ。こちらのほうは、対象となる人間の心に影響を与えるような、正確な名前や正確なイメージの重要性を説く。アメリカを「大悪魔」(the Great Satan)としてとらえる、イスラム教徒の心を指摘する。アメリカは“the Great Satan”であり、巨大な力をもつ。イスラム教徒はこの力を負の力ととらえ、嫌悪の対象でしかないと感ずる。アルカイダについても同様だ。アルカイダという言葉が喚起するイメージの重要性を説くのだが、いまだにイスラム教徒の心にそれが何を意味するのか、アメリカは明言することはできない。

3つ目のドキュメントも2001年9月24日という日付がつき、「アフガニスタンのベテラン旅行者による、タリバンとアルカイダの軍事的、政治的、文化的ランドスケープと弱点の分析」(Veteran Afghanistan traveler's analysis of al-Qaeda and Taliban, military, political and cultural landscape and its weaknesses)と題されている。2番目の報告と同様の注意書が添えられている。さらに、アフガニスタンにおけるパキスタンの果たした役割についても考察する。

「ソ連・アフガン戦争時代、欧米は否認権行使政策を維持し、パキスタンが戦争を画策し、金、武器を配布することを許可した。パキスタンは、これに力を注ぎ込んだ。パキスタン政府は、隠れた駒も持っていた。欧米と異なりパキスタンは、ソ連撤退後のアフガニスタン政府に関心があり、それに影響力を与える力を望んだ。アフガン人司令官や政党を援助したら、戦後に彼らをコントロールできなくなる。したがってパキスタンは非力な者を選んで支援し、コントロールしようとしたのだ。ヘクマチアルである。ヘクマチアルは、反欧米原理主義である。シャー・マスードのような有力で才能のあるタジーク人司令官ではなく、非力なヘクマチアルを支持すると同時に、中東のアラブ人をアフガニスタンに招いた。ソ連・アフガン戦争の初期から、すでにアラブ人たちはアフガニスタンに入り始めていた。しかし彼らはまだ少数で、力の面においても、パキスタンを満足させることはできなかった。これが後に、アルカイダに影響を与えることになる。ソ連撤退後、アフガニスタンにアラブ人たちが大勢いることに初めて気づくことになる」。

「アルカイダが最初にパクティア州で結成されたのは、そこにロシア人がいなかったためだ。当時アラブ人たちは、パクティアのムジャヒディン、ハッカーニと密接に関係していた。カブールが陥落したときに、ヘクマチアルではなく、マスードが首都に入った。パキスタンはこれを受け入れることはできず、アフガニスタンは内戦となる。ヘクマチアルはパキスタンに応援されて力をつけるが、マスードからカブールを奪うことはできなかった。ここで、パキスタンはどの戦いにも勝利できないでいることを指摘したい。最終的にパキスタンは、ヘクマチアルを見捨てる。しかしもっと合理的な政策を採るのではなく、再び同じことを繰り返した。ヘクマチアルよりももっとコントロールしやすい勢力を作り出した。タリバンである」。

「『タリバン』とは「探求者」を意味する。このタイトルは新しいイスラムという衣を着た、パキスタンの新たな駒である。タリバンを率いるために、パキスタンはオマール師を選んだ(中略)」。「これは、パキスタンのISIの戦略である。ISIが繰り返し行なうこの戦略は、アフガンのムジャヒディンたちの貧弱なゲリラ戦法を無視し、慣習に従った戦法をとることだ。タリバンがクルアーン(コーラン)から学んだように。その結果、パキスタンに支援されたタリバンは、アフガニスタンの政権を取った」。「タリバンとアフガニスタンとは、同義ではない。タリバンはパキスタンの利益を追求するために、作り出されたのだ(中略)。しかしタリバンは暴走し始め、パキスタンはタリバンをコントロールできなくなってしまった。そしてタリバンという傘の下で、ビンラディンはアフガニスタンのなかに潜入した」。

「アフガニスタンにおけるアルカイダの目的は、タリバンとは異なる。アルカイダは、独立したイスラム国を設立しようとしているのではない。彼らの使命には、タリバンの居場所はない。タリバンがアラブ人原理主義者と共に戦うのは、ソ連・アフガン戦争時代のパキスタンの政策の延長にすぎない。アルカイダはタリバンと共に戦うが、同化はしない。アフガニスタンに対する展望も異なる」。

「パキスタンの目的は単純だ。アフガニスタンをコントロールすることである。しかしタリバンをコントロールすることはできなくなり始め、さらにアルカイダにコントロールされたアフガニスタン政府であれば、なおさらだ。イスラムという切り札を使ったパキスタンの政策は今、行き詰まりはじめた。イスラマバードは時間稼ぎのため、この事実から目をそらそうとしている。ムシャラフにとっては、大変な時代となるだろう。アメリカを支持することを拒否しても問題が生じ、支持すれば国内で反対に合う。パキスタンの政策は混乱するだろう」。

2番目と3番目のドキュメントは2つとも同じ日付であるが、2番目のドキュメントは諜報に関する専門家によって書かれたことが、その文章から伺える。しかし3番目では、専門用語は使われない。おそらくDIAの専門家が書いたのではなく、末端の者によるレポートのようだ。これらのドキュメントから、アメリカはISIの役割を知っており、タリバンだけでなく、アルカイダを援助していた事実をつかんでいたことがわかる。それでもいまだにブッシュ政権は、パキスタンと協力している。なぜか? はっきりした解答はない。

hoonPakistan through the US looking glass
By B Raman


■タリバン、米軍を攻撃[030919 AP]

木曜日、米軍はパクティア州のShkinにある米軍基地の近くで、1時間近くタリバンと交戦した。負傷者はいない。戦士たちはパキスタン側に逃げていったという。

この3日間で、タリバンとの交戦で11人の抵抗分子を殺害したと米軍。またパクティア州では、音楽を聴く者、髭を剃った者の鼻を切り落とすと、タリバンが脅迫しはじめた。ウルズガン州やガズニ、カンダハルでは、ロケット弾攻撃が立て続けにあった。

またカブールのアメリカ大使館はアメリカ市民に、アメリカ人はタリバン戦士にとって「攻撃目標」であると自覚し、カンダハルやウルズガンに行くときには特に注意しなければならないと警告。これは「特別な情報にもとづく」ものだと発表した。

これとは別に金曜日、パキスタン当局は部族地帯KurramのGhoz Garhi村で大量の武器を発見し、アフガン難民を逮捕したと述べた。

hoonTaliban Insurgents Fire on U.S. Troops


■米軍、パキスタン領内に爆弾を落とす[030919 AP]

米軍の戦闘機が木曜日、パキスタン領内に50ヤード入ったWanaの畑に爆弾を3弾落としたと、パキスタンの諜報部。負傷者はいなかった。匿名希望の3人のパキスタン諜報部員によると、おそらくアメリカはパキスタン側に避難するタリバンをねらっていたという。アメリカは、パキスタン領内で捜索をすることは許されてない。

アメリカ大使館は、このことについての情報はないという。バグラム基地の米軍からも、コメントはまだない。

Wanaの住民は、アフガン側で飛行しているアメリカ機を良く見かけるという。

hoonU.S. Planes Drop Bombs Inside Pakistan


■アフガニスタンのアメリカ軍基地の側で爆発、6人死亡[030919 AFP]

バグラム空港のアメリカ軍基地の隣にある家で爆発が2回起こり、6人が死亡。家の所有者は、爆発物を扱う商売をしていた。同盟軍に負傷者はいない様子で、事故と考えられている。

爆発物を扱う商人が、迫撃砲やロケット団を家の中に貯蔵していた。警戒が厳しい基地のそばで、なぜこれほどたくさんの爆発物を置くことができたのか、今のところわかってない。アフガニスタンには武器があふれ、このような爆発物貯蔵庫が爆発する事件が頻発している。

爆発があった家には、15人(6人とも)が住んでいたといわれる。「家の所有者はロケット弾や砲弾を買っていた。これらから爆薬だけ取り出して、バダクシャンやパンシールの宝石の採掘をしている人々に売っていた。とってもいい商売で、ずいぶん儲けていた」という。

hoonAt least six killed in explosions near US base in Afghanistan
BAGRAM AIR BASE


■アフガン軍閥、山の要塞からにらみをきかす[030917 Reuters]

Padshah Khan Zadranはカルザイ大統領の名前が出ると、黒い髭の間から声を絞り出し、まゆをつり上げた。「もし相手が私を尊敬しないならば、どうして私が彼らを尊敬しなければならないというのだ? 私はコシュト州知事を約束されていたのに、約束はいまだに果たされてない」。

弾薬帯をかけ、黒とグレーのターバンをまいたZadranは、どこから見ても軍閥の長だ。彼はカルザイ政権のお荷物でもある。コシュトで『ロイター』のインタビューに答えてくれた。「我々は武器を捨てるつもりはない。パキスタンからやってくるタリバンやアルカイダから身を守るために、必要だ。もし政府が非武装化をしたいなら、まずカブールとパンシールを非武装化するべきた。あそこが一番危険だ」。

他のアフガン人同様、Zadranはカブールで権力を握るのは、パンシール出身のタジークだと思っている。これが変わらない限り、武器は捨てないという。「タジークとパシュトゥンとが平等に権力を分かち合うべきだ。しかしパンシールは、まだカブールの主要なポストを牛耳っている。パシュトゥンのために何をしてくれたか? 何にもしやしない」。

Zadranは、アフガニスタン東部に住むZadran族の有名なリーダーだ。しかしカルザイにより、パクティア州知事の地位から退けられた。その仕返しに、州都ガルデズにロケット弾を雨あられのごとく打ち込んだ。それからコシュトに移り、力で町を制圧した。1年後、再び追い出された。

一時はアメリカとともに、タリバンとアルカイダと戦った。タリバンとアルカイダがいると偽り、アメリカ軍を呼んで、自分のライバルを空から攻撃させたこともある。ガルデズの部族会議でこれが非難された。Zadranは、状況を見ながら敵味方を変える。10万人の兵力を持つというのは誇張にすぎない。

しかし、彼の見解はすべてのパシュトゥンに共通する。他のパシュトゥンと同様、彼は国王を擁護し、Zahir Shah国王が去年帰国して以来、何の役割も与えられていないことに腹を立てている。「彼をここに埋葬するために連れてきたのではない。もしZahir Shahが政府の中で役割がないのなら、アフガニスタンでは何も変わらない。パシュトゥンもタジークもハザラもウズベクも、みんな彼を支持しているんだ」。

hoonAfghan warlord defiant in mountain redoubt
By Simon Denyer、WAZIR CHECKPOINT


■邪魔者パキスタンを排除せよ[030916 Asia Times]

イスラエルのシャロン大統領がインドを訪問。パキスタンの諜報部の治安関係者はこれを不浄な同盟関係ととらえ、パキスタンにとって脅威と見る(中略)。

最近アフガニスタンでは、アメリカとフランスの諜報部に次いで、イスラエルとインドの諜報部が活発な活動している。イスラエルはモサドを通してカブールと直接連絡を取り合い、両国はさまざまな分野で取り引きをしているといわれる。

パキスタンの治安関係者によると、イスラエルとインドはパキスタン西部の国境で、活動を広げようとしている。非政府組織と偽り、彼らはパキスタンにいるパシュトゥン・ナショナリストと協力し、デュランドラインに関する問題を復活させて、「パシュトゥンの国」という観念を浸透させようとしているのだ。

現在のアフガニスタン政府は、アフガニスタン王Abdur Rahman KhanとSir Henry Mortimer Durandとの取り決めで、この国境は1893から100年間だけ有効であるという同意を交わし、1993年には無効になったと主張する。アフガン人たちはアメリカにこの国境問題を調停をするよう要求し、内々でパキスタンのペシャワルやクエッタをアフガン領に組み入れる地図をすでに製作している。この問題は最近頻発している国境地帯で小競り合いを招き、両国の関係が悪化。パキスタン・アフガニスタン・アメリカの3ヵ国会議を開き、話し合いを進めている。前回の会議でアメリカは、アフガニスタンとパキスタンの間で100年も前に決めたことに、首を突っ込みたくないと主張(中略)。

『Asia Times』がつかんだ情報によると、この数ヵ月の間に、インドとイスラエルはカンダハルとジャララバードで工作を続けている。パシュトゥン人のナショナリストたちをパキスタン側に送り込み、この国境問題を持ち上げようとしているのだ。アフガニスタンは今やインドとイスラエルが活躍する舞台となり、ISIにとっては不利な状況になってきた。パキスタンは明かに次のステップを決める時が来た。降伏するか、戦うかだ。

smellPakistan the odd one out
By Syed Saleem Shahzad、KARACHI


■タリバン司令官の運命についての諸説[030916 Reuters]

アメリカ軍は日曜日に、カンダハルのMarufでタリバン15人を殺害したと発表。アフガン高官は殺害されたタリバンの中には、アフガニスタン南部のタリバンを取りまとめている司令官、Mullah Abdur Rahimが含まれていたという。他のタリバン司令官Mullah Abdul Raufとタリバン高官のMullah RahmatullahもRahimが死亡したと確認した。「Mullah Abdur Rahimが殉教した」とRahmatullahが『ロイター』に語った。

しかしその30分前にRahimと名乗る人物が『ロイター』に電話をかけてきて、自分は生きていると語った。「私の死を宣伝することで、タリバン運動は弱体化しない。私は生きていて、ぴんぴんしている」と語った。Rahimはこれまで何度もロイターと通信してきたが、彼の声と非常に良く似ていた。ただし、回線状態は悪かった。タリバンの情報部の幹部は、Rahimの死についての情報は「単なるプロパガンダ」だと述べた。

アメリカ軍は、アフガン軍と米主導の地上軍が空軍の援助を受け、タリバン15人を殺害したと発表したが、Rahimと名乗る男はタリバンは6人、アフガン兵が12人死亡したという。「アメリカとアフガニスタンの異教徒の軍隊に対する攻撃は、今後もっと激しくなる。タリバンは、アメリカがアフガニスタン占領を諦めるまで、聖戦を続ける」と述べた。

hoonConflicting reports over fate of Taliban commander
SPIN BOLDAK


■Parachaの妻、夫のビジネスパートナーに対して訴訟を起こす[030916 Daily Times]

行方不明のパキスタン人ビジネスマンSaifullah Parachaの妻、Farhat Parachaが、夫のビジネスパートナーで、ユダヤ系アメリカ人Charles Antebyに対し、訴訟を起こした。

Farhat Parachaによると、Charles AntebyはInternational Merchandise Groupの取締役であるが、夫と息子のUzairを、ビンラディンのネットワークと接触するように図ったという。彼は2人に負っていた金融負債を無効にし、さらに財産を奪おうとしたと主張。この謀略のために、AntebyはInternational Merchandise Groupの責任者であったParachaの息子Uzairが、アルカイダをアメリカに入国するよう手配したという話をでっち上げ、FBIに逮捕させたという。後にAntebyは夫のSaifullahをバンコックに呼び、アメリカ政府が彼を誘拐したとしている。

smellParacha's wife files suit against husband's business partner
KARACHI


■クエッタの高官、テロ容疑者を援助した罪で拘束される[030916 Daily Times]

The Federal Investigation Agency(FIA) は、FBIがアルカイダとの関係で捜索中のカラチのビジネスマンSaifullah Parachaを援助した罪で、同組織の幹部を拘束した。

Saifullah ParachaはFIAの出国禁止リストに載っているにもかかわらず、クエッタからドバイに向けて出国した。情報筋によると、あるクエッタのFIA高官のほう助があったという。彼はドバイからはバンコックに向かい、そこでFBIに逮捕された。

家族によると、「Saifullahはビジネスマンで、イスラム協会Jamt-e-Islamの共鳴者である。カラチで難民救援活動をしていた。タリバン政権時代に何度かアフガニスタンに仕事で出かけ、そこで新たに仕事を始めた。しかしアルカイダとは何の関係はない」という。彼の息子のはボストン大学を卒業。4ヵ月前に、アメリカでアルカイダと関係を持ったとして、逮捕された。

smellFIA suspends senior Quetta official for helping terror suspect
By Hameedullah Abid、ISLAMABAD


■逃亡中のビンラディン、アメリカのジレンマ[030922 TIME]

山奥で、ビンラディンのグループはタリバンと共謀し、米軍を脅かそうとしている。

村人が男の死体を見つけた。拷問され、手書きのメモが貼り付けてある。「怒ったり、ショックを受けてはならない。彼はアメリカのスパイだ」。地元民によると、服装や顔つきから、おそらくアフガン人だという。しかしパキスタンのワジリスタンに住む人々は、なぜ彼が数週間前に殺されたのか、理由はわからないという。パキスタン警察は、この地域では何の権限ももたない。住民も殺人犯を捜すことに、興味はない。

アルカイダとタリバンは再び行動し始めた。アメリカを攻撃するだけでなく、地元民たちの中にも、敵を持つようになった。今年になってこの部族地帯では、11人がアルカイダの密告をしたとして殺された。3月には、ISIのエージェントが真っ昼間にバイクから撃たれ、7月には、ワナのバザールにいた部族長の息子が、車の中から撃たれた。父親がアメリカに協力した嫌疑がかけられていた。誰も殺人犯を追わない。

ワジリスタンの住民は、アルカイダに共鳴している。ワジリスタンはイスラム過激派にとって、地理的に恰好の隠れ家だ。ビンラディンがここにいることも、充分考えられる。

2500万ドルの賞金がかかっているにもかかわらず、ビンラディンの情報はなかなか集まらない。「ビンラディンはいくら金を持っていると思う? 2億ドル以上だ。たった2500万ドルで彼を売り渡すか? それにイスラム教徒の兄弟を売ることなんて、できやしない」。ワジリスタンの道路に面した岩壁には、「オサマよ、永遠なれ。我々はオサマを愛している」と書かれていた。

ワジリスタンの住民は、ビンラディンを匿っていると堂々と主張する。Kaniguramの上の、標高1万フィートにある小さな村に住んでいるという。彼らはお金は充分持っている。「でも彼らは秘密主義だ。アラブ人たちは何も言わない」。チェチェンやウズベキスタンからも、何人もの戦士たちが家族を引き連れてここに避難してきた。「彼らはみんなここにいる。地元の農民の畑仕事を手伝うので、誰も文句は言わない。

パキスタン政府から派遣されているSyed Anwar Ali Shahは言う。「ここでは何も起こってない」。しかし彼は夜は決して外出しない。イスラマバードは、この地域を支配することはできない。ワジリスタンをコントロールする宗教政党は、パキスタン軍がここでタリバンやアルカイダを追跡しようとすると、すぐに抗議する。国が部族民を非武装化しようとしたら、住民たちは一丸となって抵抗し、軍を脅迫し始めた。それ以来、軍は諦めた。

前タリバン政権高官が、『TIME』の電話インタビューに応じた。アルカイダとタリバンは、近々大きな作戦を開始しようとしているという。イラン政府が、バローチスタンの砂漠地域で活動しているドラック密輸グループを通じ、資金を提供しているという。アフガン人外交官もこの事実を認めた。

前アルカイダ高官によると、アルカイダの工作員たちは、タリバンに爆弾の製造方法を教えているという。米軍の車輌の下で、地雷をリモート・コントロールで爆破させる方法だ。またタイマーにヒューズを取り付け、工作員が逃げてからロケット弾を発射させるような仕組みもある。アルカイダ工作員たちはイランを経由して、800の衛星電話を海外から運び込もうとしているともいう。奇襲攻撃をしやすくしようというのだ。抵抗分子たちは常に変化するコードをあみだし、盗聴する人には、普通の電話のようにしか聞こえないのだという。

アメリカは、ワジリスタンでは苦戦している。去年CIAは、北ワジリスタンのMiramshahの廃校を基地とし、工作員を送り込んだ。パキスタン軍に護衛されている。地元の抗議やロケット弾を撃ち込まれながらも、アメリカ人たちはまだそこにいる。地元のインフォーマントを集めるのは難しい。疑われると、すぐに殺されてしまう。

タリバンとパキスタンの情報部、両方からの情報によると、アメリカは最近、抵抗分子を味方につけようとさまざまな試みをしている。そのひとつとして、カンダハルのCIA工作員が、アフガニスタンに隠れているといわれるタリバンの内務大臣、Mullah Abdul Razzaqに調停を申し込んだという。この情報筋によると、タリバン側は3つの条件をつけてきたという。まずキューバで収監されているタリバンを解放すること。タリバンをテロリストと決めつけないこと。そしてタリバンとの話し合いはワシントンからの要請であること。CIAはこれを拒否したという。「しかし電話で話し合うことは同意した」とタリバンは言う。カブールのアメリカ高官は、タリバンといかなる接触もしてないと主張した。

smellBin Laden at large U.S. Dilemma
By TIM MCGIRK with GHULAM HASNAIN/WAZIRISTAN


■パキスタン、90年代にアルカイダを援助[030915 Daily Times]

パキスタンは90年代にアルカイダを援助をし、ビンラディンのテロネットワークの訓練所も秘密裏に運営していたという。

Defence Intelligence Agency(DIA)が2001年秋に発表した機密文書によると、9.11の2日前に暗殺された伝説的な司令官マスードは、ビンラディンの9.11計画の何らかを掴み、「欧米に警告し始めた」ために殺されたという。非政府組織であるNational Security ArchiveがFreedom of Information Actに基づいて取得した機密文章によると、DIAは、これは生の情報にすぎないと忠告している。しかしそこには複雑な抗争が描かれている。パキスタンはアフガニスタンに影響を与えるために、タリバンとアルカイダを利用したが、「結果的に両方ともコントロールできなかった」という。

アメリカ政府の間で送られた文書によると、「パキスタンが、戦力の一部としてタリバンと非アフガンの原理主義者を受け入れることは、ソ連―アフガン戦争時代のパキスタンの政策を拡大したにすぎない」という。この文章は9.11以後、しかもアメリカがアフガニスタンでタリバン一掃作戦を始める前に書かれた。

またパキスタンのエージェントは「中東からアフガニスタンにアラブ人たちが来ることを奨励し、便宜をはかり、エスコートした」という。そしてさらに強力な部隊にするために、パキスタンはアフガニスタンのZahawa村近くに、訓練所も作った」。アメリカのミサイル攻撃を受けた訓練所は、ISIが資金を提供しているパキスタンの建設会社によって建設され、JalalludinというJadran族のリーダーによって守られた。「しかしながら、この施設の本当の主催者はISI」で、これはビンラディンとパキスタン諜報部との間の「重大な問題」を提起すると付け加える。この訓練所は98年に、ケニアとタンザニアのアメリカ大使館が攻撃されたのを受け、アメリカのミサイル攻撃を受けた。

DIAは、イスラマバードはタリバンやアルカイダを通して利益を得ようと図ったが、両者のコントロールを失い、「邪魔されずに育つ」ことを許してしまったために「裏目」に出たという。

マスード司令官暗殺に関しては、「北部同盟の諜報部を通じてマスードは、ビンラディンが98年のアメリカ大使館爆破事件よりも大きな攻撃をアメリカに対して計画しているという、何らかの情報をつかみ」、「欧米にこれを忠告し始めた」と述べられている。さらにCIAがソ連占領時代にアフガニスタンに輸送した数百のスティンガー・ミサイルを、「アルカイダが入手している」と「仮定される」と警告。

パキスタンの外務省高官は、パキスタンは正式にこのDIAレポートを入手しておらず、その内容は突拍子もなく、根拠がないと非難。「これは根拠のないレポートだ。ドキュメント自体、これは生の情報だと忠告している。確かな証拠に基づくものではないようだ」。イスラマバードの高官は、アルカイダは、79年から89年のソ連のアフガニスタン侵攻に対し、アメリカに支援を受けた聖戦で出現。「ムジャヒディンがロシアと戦うために、アルカイダは資金や武器や訓練所を提供した」と、パキスタンの前ISIの責任者Akhtar Abdul Rehmanに非常に近い人物が述べた。Rehman氏はISIを率い、アメリカの武器をアフガン・ムジャヒディンに送り込んでいたが、88年8月ジアウル・ハク大統領とともに飛行機の墜落事故で死亡した。前タリバン・リーダーとの調停に関わったアフガン・ウォッチャーのMaulana Tahir Ashrafiも、このレポートは「笑い話」だという。「ジハードが行なわれていたころ、アメリカの航空会社はアフガニスタンでソ連と戦うアラブ人には、運賃を半額にしていた」と述べた。

smellohPakistan helped Qaeda in Afghanistan in 90s
WASHINGTON/ISLAMABAD(AFP)


■アメリカ特殊部隊6人、死亡か?[030915 Daily Times]

パクティア州のSorkamarでアメリカのコンボイが何者かにより襲撃され、少なくとも6人のアメリカ特殊部隊兵が死亡、アフガン兵数十人も負傷したと思われる。この報復として、アメリカ兵はタリバンとみられるこの襲撃者たちを追っている。

目撃者によると、アメリカのヘリコプターが抵抗分子を追ってパキスタン上空に入り、北西辺境州の部族地帯で砲弾2発が当たったという。

Inter-Services Public RelationsのDirector Major Gen Shaukat Sultanは、パキスタン領内に軍隊やヘリコプターの侵入はないと否定した。「パキスタン上空が侵害されたことはないし、弾薬もロケットもパキスタンには着地してない」。Major Gen Sultanは、パキスタン軍とそれに準じる軍が国内で行動しているが、アメリカと合同での部族地帯における活動はしてないという。「彼らはアフガニスタン側で仕事をしており、我々は我々の領土で仕事をしている」。

smell6 US commandos feared dead
WANA


■国連、51人の元タリバンをテロリストとする[030915 Daily Times]

UNSCは、51人の前タリバン大使をテロリストと認定し、アルカイダと密接なつながりがあると主張。アフガニスタン政府によると、これらの容疑者はアフガニスタンに帰ってはおらず、パキスタン国籍を取得したと述べているという。パキスタンはこれを否定しているが、これらの容疑者の行方を捜査中であると述べた。

hoonUN declares 51 ex-Taliban envoys“terrorists”
By Hameedullah Abid、ISLAMABAD


Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003.