【2003年09月22日〜09月28日】


■アフガン憲法、イスラム国家を提案[030928 AP]

近々策定される憲法は、アフガニスタンをイスラム国家とするが、イスラムのシャリア法を採用することはないと、アフガン高官が『AP』に述べた。

シャリア法の問題は憲法を作るうえで「非常に大変」だったと、アフガン高官が述べた。「今のところ、なんとか皆の合意を得ようとしているところだ。バランスがとれてきたところだ」。おそらく憲法は「アフガニスタンはイスラム国家である」とされ、その法律はイスラムの教えに従っていなければならないが、シャリア法を強制するものではない、とされるだろうという。

アフガニスタンの一部では、タリバンが課したシャリア法に賛同する人々もいる。またタリバンが用いた解釈とは別に、イスラム法に基づく国家でなければならないと説く人々もいる。(後略)

hoonAfghan Constitution Proposes Muslim State
By DANIEL COONEY、KABUL


■テロリストへの資金援助、妨害は困難[030928 Los Angels Times]

テロ組織に資金が流れるのを防止しようとするアメリカの作戦は、困難に直面している。アルカイダの会計係は、ドバイから9.11のための資金を流していた。アメリカの財務省の対テロ部門高官は、今でも中東やアフリカ、アジアでは、銀行や換金商、金やダイヤモンド商たちが、組織に資金を流していると述べた。

アフガニスタン、イエメン、ソマリアなどのアルカイダの活動地域では、テロリスト資産を凍結したり、組織がいかに資金を集め、動かし、使っているかなどを調べることは、困難を極めるという。このような前線でなくても、テロリストの資金の流れを停止させることは、政治的、法的、文化的、技術的な障害があり、うまくいきそうもないようだ。中東やドイツ、フランスを含むヨーロッパでは、テロの定義、何をテロへの融資とするかという問題に関して、ブッシュ政権とは意見が割れる。9.11以後、アルカイダの融資者と疑われたほとんどの者がいまだに野放しにされ、拘束されたり、起訴されたりした者はおらず、アメリカが尋問したくても、アメリカ当局は接触できない。

アルカイダだけでなく、ハマスやヒズボラなど、アメリカによって「テロ組織」と認定された組織への融資者は、完全に地下に潜った。彼らは現金を輸送するために、人間や動物を用いているという。「この調査を始めて2年経つが、手がかりが全くない。彼らがどうやって金を手に入れ、どうやって輸送し、どこに運ばれていくのか、全くわからない」と、あるアメリカ高官が語った。

テロリストたちは大勢捕まったが、組織はいまだにアメリカで活動を続け、100ヵ国に及ぶ国々から、メッセージや資金が行ったり来たりしているという。「組織はあちこちに広がっている。どこにでもある」という。

アルカイダの会計係の何人かは殺され、捕まった者もいる。捕まった者のうち、Mustafa Hawsawiが組織について、かなりの情報を自白した。アメリカ政府は321の個人と組織をテロリストまたはテロ援助者とし、1億3680万ドルが全世界で凍結された。これらの調査のほとんどはまだ進行中だが、12以上のグループや個人が裁判にかけられている。一説によると、アルカイダの資金は3分の2に減ったという。最初これらの資金凍結は、国連をはじめ、各国の協力で成功するかと思われた。しかし成功したのは9.11以後の数ヵ月間で、その後、資金はどこかに移されたり、協力していた国々は資金の在処を見落としたり、あるいは資金凍結することを拒んだりし始めた。

アメリカ当局は、これからは長期戦で作戦を行なうという。「問題は解決したか? 解決してない。資金の流出を止めることはできない」と財務局のJohn W. Snowは言う。「しかしこの2年間、ずいぶんいろいろ活動してきた。この件に関して、世界は2年前とは変わった」。今週、Snowとその一団は中東と南アジアを飛び歩き、イスラエルとサウジ、アフガニスタン、パキスタン、アラブ首長国連邦と交渉し、政治家や財務関係者たちに、もっと行動するよう、要求して回った。彼らは、作戦はうまく行っていると強調するが、そうとは限らないと関係者はいう。

サウジのアブドゥッラー皇太子は、他の国々は自分たちがテロに直面していないために、テロと「戦う重要性を感じてない」と指摘する。全世界が協力しなければ、テロリストたちの資金の流れを把握することはできない。「我々2人だけでは、どうにもならない」とSnowに語ったという。アメリカ当局は、サウジはテロと充分戦っていると述べる。しかしそれは、6月にサウジでテロが起こって、初めて動き出したにすぎない。

《ジッダの商人》

サウジには、“the Jidda Merchants”と呼ばれる人々に所有される店や銀行がたくさんある。これらのグループの少なくとも7人が、アルカイダに資金を流していると言われる。ビンラディンの友人たちで、億万長者たちである。彼らは数年にわたって、銀行や慈善事業、トンネル会社や援助団体を通して、資金を調達してきた。そのうちの2人、Wael Hamza JulaidanとYasin Qadiにまず疑いがかかり、アメリカはその銀行口座を凍結した。3人目、Adel Abdul Jalil Batterjeeはイリノアを根拠地とするイスラム慈善団体Benevolence Internationalの会長で、この組織はアルカイダのために、資金を集めていたという疑いがかけられている。Batterjeeの長年の相棒のEnaam Arnaoutは、この組織を動かしていたとして、11年の刑を言い渡された。Batterjee自身は共犯者とはなったが、起訴されてない。3人とも無罪を主張する。FBIはまだこの件は捜査中だというが、サウジがこれらの人々を捜査しているのか、彼らがテロと関わっていると疑っているかどうか、いまだにはっきりしない。

「JulaidanやQadiのような億万長者は、90年代、ビンラディンを直接援助するために自分たちの商売や組織を用いていた」という。そしてサウジは、慈善団体や援助団体を通してアルカイダやハマスに資金が流失するのを防止しなかったと、アメリカ高官は述べる。これまでサウジから、5000万ドルがハマスなどのパレスチナのテロ組織に流れたといわれる。(中略)そしてアメリカの要請にもかかわらず、サウジはいまだに何も実践していない。

《パキスタン、賞賛される》

Snowは、パキスタンが銀行口座の凍結やハワラと呼ばれる送金システムの凍結に協力したと、賞賛を贈った。しかし財務大臣のShaukat Azizは、世界的に見れば、この作戦は成功してないという。Shaukat Azizは言う。「もっとみんなで協力しなければならない。もし資金がA国からB国を通り、C国に入ったら、3ヵ国とも協力して摘発に勤めなければならないのに、現実的にはこのようなことは起こってない」。財務省のAufhauserも、同じ意見だ。テロリストの資金を凍結することが、テロ攻撃を防ぐ最大の方法だという。しかしこれを1人でやることは、不可能だ。(中略)

ヨーロッバの国々は、ハマスなどの組織をテロ組織と認めることに反対するだけでなく、ブッシュ政権の作戦自体にも反対する。国の内政によっても、さまざまな問題が生じる。アフガニスタンは銀行制度を作ろうとしている。近い将来マネローダリング法や財務情報組織、ハワラの規制などもできるだろう。そうすることによって、アフガニスタンはテロリストやヘロイン商売の目的地ではなくなる。現在は、アフガニスタンでは好き勝手ができる。現在カブールだけでも、何百というハワラがあり、大きな問題になっているという。

規制があっても、地下ハワラを通して、いくらでも資金を流すことができる。ワシントンのInternational Monetary Fundで以前仕事をしていたFitratは、Haji Abdul Bariのケースを話してくれた。「Haji Abdul Bariはオマール師とビンラディンに非常近い人物」で、アフガニスタンとパキスタンの国境地帯の ハワラブローカーとして「多額の資金を得た」という。

アフガニスタン全体の無秩序も、さらに状況を悪化させている。このような財務メカニズムを、軍閥たちにコントロールされているアフガニスタン全土に徹底させることは、不可能に近い。イエメンやソマリアでも同じような状況だという。盗聴器で交信を傍受することはできても、資金の流れを捉えることはできない。

例えば、ソマリア人のAhmed Nur Ali Jimaleの場合。彼は随分昔から、ビンラディンの協力者だった(本人はこれを否定)。2001年11月にアメリカはJimaleの送金会社、Al Barakaatの銀行口座を凍結した。ドバイの本社を通して、何千万ドルを世界中にテロリスト、主にアルカイダに送金していたと疑われている。会社は事実上停止しているが、資金の流れはまだ機能していると疑われている。資金の行方を見極めるのは、非常に難しいという。

ドバイでも同様だ。アルカイダの会計係のHawsawiがアメリカにいるハイジャック犯たちに何万ドルも送金していた。ハイジャック犯たちも銀行口座を持ち、ハイジャックを行なう数時間前に、資金を送り返したりもしている。それ以来、ドバイの高官たちは銀行やハワラの監視を強化している。(中略)

《協力の要請》

ドバイが改革を約束したにもかかわらず、アメリカ高官によると、ドバイは今でもテロリストが資金を動かす恰好の場所となっているという。「政府は何とかする、という。しかし何ともしない」。ドバイの最も有名な銀行のマネージャーは言う。私たちは、マネーローダリングと戦う訓練をずっとしてきた。これからもっとお客と注意深く接しなければならない。しかし、と言う。「もしテロ組織が何かしようとすれば、方法はいくらだってある。そうでしょう?」

garrCutting Money Flow to Terrorists Proves Difficult
By Josh Meyer、DUBAI


■アフガン反乱軍、女子校に放火[030928 AP]

土曜日、ナンガハール州のDara-e-Noor地方で、反乱軍が女子校に放火し、全焼させた。

タリバン、ヘクマチアルの兵士、アルカイダが、ジャララバードでビラを配布し、女の子は学校へ行ってはならないと警告した。またアメリカやアフガニスタン軍に対して、ジハードをするよう、呼びかけた。最近アフガニスタン東部と南部では、政府軍や援助団体、学校が攻撃される事件が頻発している。

水曜日にはヘルマンド州で、援助団体で働くアフガン人が殺され、その運転手も負傷。9月の始めには、カブール南部のMughal Khilの学校が放火された。

※訳者註:Dara-e-Noor渓谷は、ペシャワール会が診療所を設け、長年活動を展開してきた場である。そこでこのような事態が起こっていることに、注目したい。

garrAfghan Insurgents Burn Down Girls' School
By JANULLAH HASHIMZADA、PESHAWAR


■パキスタン、マレーシア国籍の留学生を近々引き渡す[030927 Daily Times]

逮捕されていた13人のマレーシア留学生は、近々母国に引き渡されると内務省高官。

いっぽう、インドネシア人留学生Gunawanは、ハンバリを援助していたことを認めたと、インドネシアのニューズエージェンシーAntaraが発表した。Gunawanはカラチのインドネシア領事館のTemu Alamに、ハンバリにお金を送金したと述べたという。

「彼ら(友人)には罪はない。ハンバリを援助したのは自分だけで、罪があるのは自分だけ。数ヵ月前に5万ドルとコンパクトディスクをハンバリに送った。サウジ出身のTohaという男が会いに来て、自分がタイにいたときに何度も会った。彼がパキスタンからインドネシアに送金するように言った」と語ったという。「友人たちは何も知らない。兄を助けたことを今は後悔している」。またGunawanは、 インドネシアの過激派聖職者のAbu Bakar Bashirの親戚と思われる男に、コンバクトディスクを送ったと述べたという。

hoonPakistan to deport detained Malaysian students soon
ISLAMABAD


■ペシャワルでアルカイダ容疑者2人逮捕[030927 The Nation]

ペシャワルで、2人のアルカイダ容疑者がインターネット・カフェで逮捕された。

パシュトゥン語を話す最初の男がインターネット・カフェにやってきて、携帯電話で何か小声で話していた。それからYahooでe-mailを出した。「今ネット・カフェで待っている。母が一緒にいる。村に行こう」と送信したという。しかしHabibと名乗るこの男は、母親を同伴していなかった。おそらく、何らかの暗号と思われる。

その後、髭をはやしたアラブ人がやってきて、このパシュトゥン語を話す男に近づいた。そこで張り込みをしていた平服の諜報部員たちにつかまった。Habibはピストルを出そうとしたが、取り押さえられ、2人とも連行された。

hoon2 al-Qaeda suspects held in Peshawar
PESHAWAR(AFP)


■パキスタン、アルカイダと3人の抵抗分子逮捕[030926 Reuters]

パキスタン当局はパシュワルで、イエメン国籍のアルカイダ容疑者をインターネットカフェで逮捕した。男は20代後半で名はKhalidいい、e-mailを送ろうとしていた。

これとは別に、活動禁止のスンナ派過激派組織Lashkar-e-Jhangviのメンバーがカラチで逮捕され、爆発物が押収された。3人のなかにはダニエル・パール記者殺害犯の1人、Fazl Karimの従兄弟、Hamid Muradが含まれていた。

hoonPakistan arrests al Qaeda suspect, three militants
PESHAWAR


■カルザイ、アルカイダはアフガンから一掃された[030926 AP]

カルザイ大統領はニューヨークでの『AP』とのインタビューで、「アフガニスタンにはもうアルカイダ組織はない。彼らは地下に潜った。リーダーも隠れている。幹部たちも隠れている。今や活発な地下組織ではなくなった」と述べた。

しかし最近の米諜報部は、アルカイダはまだアフガニスタンで行動しているという。「アルカイダとタリバンその他の抵抗分子は、アメリカと同盟軍に攻撃をかけるための準備をしている。それぞれ動機は異なるが、アメリカを追い払い、アフガニスタンの現政府を崩壊させ、自分たちに共感を持つ政府を樹立しようという目的は、一致している」。(後略)

hoonKarzai: al-Qaida Purged From Afghanistan
By KATHY GANNON


■パキスタン、学生逮捕で食い違う[030926 Asia Times]

パキスタン当局は木曜日、さらに4人のインドネシア人の留学生をJemaah Islamiya(JI)のメンバーとして逮捕した。先週末には13人のマレーシア人、2人のインドネシア人、2人のミャンマー人留学生を逮捕したが、この中にはバリ島での爆発事件容疑者ハンバリの弟、Gun Gun Rusman Gunawanが含まれていた。

逮捕当時からパキスタンは、さまざまなつじつまの合わない発表をしていた。これらを考えると、この逮捕劇の本当の動機は何なのか、幾多の憶測が生まれる。大きな意味で、これはアメリカの「テロとの戦争」の一環として捉えられる。したがって、ムシャラフの訪米と時期が一致していることは、単なる偶然ではないだろう。

しかし、いろいろ変だ。最初の発表では、学生たちはそれぞれの母国から逮捕要請があり、国外追放になるということだった。各紙もこのように発表した。しかしジャカルタ政府はすぐに、そのような事実はないと発表。さらにGun Gunに関しては、すでに逮捕されていたことが明らかになる。彼は、他の「容疑者」たちと逮捕されたことになっていたにすぎなかった。

その後新たな罪状が発表された。学生たちは不法滞在であった、あるいはパキスタンに危害を加える活動をしていたなど。しかしこれらもすぐに否定された。インドネシア大使館は、繰り返し2人の学生に「不正はない」と抗議した。

その後Gun Gunに関しては、パキスタン当局は99年にIslamic University Islamabadで学ぶ許可を与えたにもかかわらず、Abu Bakar Islamic University Karachiに入学したと発表。しかしこれも根拠がないことがすぐにわかる。カラチの領事館とパキスタン治安当局両方からno objection certificate(NOC)を発行されていたのだ。

水曜日になると、逮捕者たちとカラチのテロ組織との関係を示唆する、新たな発表があった。パキスタン諜報部は、99年から2003年の間に、Gun Gunが兄のハンバリと通信していた証拠があり、彼が「学校内の親友」である他のメンバーの名前を挙げていたというのだ。内務省の危機管理を担当するJaved Iqbal Cheema准将は、ハンバリの弟はテロ容疑者たちとの重要なリンクであり、「現在、治安当局の捜索を受けており、10日以内に母国に送還される」と述べた。

『Asia Times』がGun Gunの経歴を調べたところ、パキスタンとインドネシア政府はこの3年間、健康証明書を発行している。彼は99年からカラチで勉強していたが、Federal Investigation Agency(FIA)がしっかり機能していないため、2001年7月以前の書類はない。しかしそれ以降に関しては次のようになっている。

 ・カラチのインドネシア領事館は2001年10月にno objection certificate(NOC)を発行し、留学を許可。

 ・領事館がIslamic University IslamabadからAbu Bakar Islamic University Karachiへの転入を許可するNOCを発行。教育省もこれを許可。

 ・2002年8月に教育省がNOCを発行。内務省も2002年3月にNOCを発行。

 ・内務省が2003年3月までビザの延長。

 ・今年の2月26日に内務省が2004年3月31日までビザを延長。

どの場合も内務省は、警察やFIA、入関手続きなどに関するさまざまな書類を要求し、Gun Gunはどれも問題なく取得していた。これは彼が国際使命手配されている人物ではないことを示唆し、さらにパキスタンでは何の不正な活動をしていなかったといえる。そうでなければNOCは取得できない。それにも関わらず、Gun Gunと「親友」たちは現在拘束されているのだ。

smellPakistan at odds over student arrests
By Syed Saleem Shahzad、KARACHI


■アメリカで7人がテロ容疑で起訴[030926 AP]

アメリカで逮捕されていた11人の男たちのうち7人(アメリカ市民)は、アフガニスタンでアメリカと戦うためにアルカイダとタリバンに参加する目的で、訓練をしていたという。

11人はカシミールでジハードを行なう組織、Laskar-e-Tayyabaのメンバーに参加しようとしていたとして、罪を問われていた。うち4人はすでに武器の所有などで、控訴されている。新たな起訴状は、Laskar-e-Tayyabaに参加したあと、アルカイダやタリバンに合流し、アメリカと戦おうとしていたというものである。

容疑者たちは2001年の9.11以後間もなく北バージニアで会合をもち、Laskar-e-Tayyabaで訓練を受けた後、アフガニスタンでアメリカと戦うことを計画した。会合でこのグループの精神的指導者は、Laskar-e-Tayyabaは「正しい道を歩んでいる」と述べ、被告人の1人Randall Todd Royerが、彼らがパキスタンでテロ組織に参加できるよう援助すると述べたという。

男たちはバージニアで武器を用いて訓練を重ね、グループのうち3人は、実際にパキスタンのLaskar-e-Tayyabaのキャンプでも訓練を受けていたという。

hoonSeven Indicted on Terror Charges in U.S.


■パール記者の容疑者、新たな弁護士が担当する場合も[030925 AP]

パール記者誘拐殺人事件で控訴されている4人のイスラム過激派の裁判で、裁判官はこれ以上裁判を延期するのであれば、3人の被告の弁護士を交代させると警告した。

12月以来5回の上告審が予定されていたが、どれも弁護士のRai Bashirが出席しなかったために、延期となっていた。次回10月に行なわれる上告審に弁護士が出席しなかった場合、裁判官は3人の被告の弁護士を交代させると述べた。4人目の被告、イギリス国籍のAhmed Omar Saeed Sheikhについては、別の弁護士が担当し、上告審に出席していた。

Saeed Sheikhは死刑を宣告されているが、他の3人は終身刑となっている。弁護団側は4人すべての無罪を主張。いっぽう検察側は4人に死刑を要求している。

hoonSuspects in Pearl Case May Get New Lawyer
KARACHI


■対タリバン作戦、失敗したらアメリカにも責任[030925 Reuters]

ムシャラフ大統領は木曜日に、タリバンとアルカイダ捜索をするにあたり、アメリカはパキスタンとの協力に深く関わっているため、万が一捜索に失敗した場合、アメリカにも責任があると述べた。

パキスタンは国境付近で捜索を続けているが、これに反対する者が多い。国境地帯の人々は反感は大きいために、パキスタンはハイテク機器――衛星電話やコンピュタでのやりとりを傍受するため――に頼らざるをえないという。「パキスタンはこのような設備を持ってない。我々はアメリカの諜報部の援助を受けている」とムシャラフは述べ、ワシントンが無人偵察機を用いてパキスタンを援助していると語った。「したがってもし失敗したら、もしISIが失敗したら、アメリカの諜報部も失敗したということだ」と、Canadian Institute of Strategic Studiesでのスピーチで述べた。

ムシャラフはアフガニスタン政府からも、タリバン捜索に失敗していることを非難されている。これに対して、交通の便が悪い地域での作戦は困難を極め、パキスタンとしてはできる限りのことはしているという。「したがって、空からの行動が必要だ。ヘリコプターと武装ヘリコプターだ。これもアメリカが援助している。我々の能力は限られている。もし不足があるとしたら、それは共同作戦に不足があったことを意味する」。

パキスタンは8月に、アメリカの援助でテロに対して新しい戦力を作り始めていると発表している。「日ごとに我々は向上している。能力も向上している。確実に見えるようになってきた。あとは時間の問題だ」とムシャラフは述べた。

hoonUS also guilty when anti-Taliban ops fail-Pakistan
By David Ljunggren


■アメリカの爆撃で遊牧民9人死亡[030925 AP]

9月18日、アメリカのヘリコプターからの爆撃で、遊牧民9人が死亡したのを見たと遊牧民のリーダー、Haji Lawangが述べた。

夜中にヘリコプターが近づき、低空飛行をしてきた。続いて大きな爆発音が響いた。朝外に出ると、隣のテントが爆撃され、女性5人、子供4人が死亡、6人が負傷していたという。Haji Lawangは隣の村まで走り、トラックを借りてカンダハルまで負傷者を運んだ。アフガン高官も、遊牧民が10人殺されたと報告していたが、米軍は、敵だけが殺されたと「確信している」と主張。後に、「一般人の犠牲者」についての報告を捜査中と発表した。

タリバンとアルカイダ一掃作戦で、多くの一般住民が犠牲になっている。犠牲者の多く辺鄙な山間部や砂漠に住む人々で、米軍や人権団体によると、アフガニスタンでは一般民の犠牲者の数を数えてないという。「一般民が毎日のように殺されているが、僻地での死亡が多く、目撃者がほとんどいない。しかし戦闘が多くの一般犠牲者を出していることは確かだ」と人権団体。

前述の遊牧民Lawangは、爆撃が行なわれたとき、タリバンがテントにいたかどうかはわからないという。衛星電話を使っていたタリバン2人が、テントに逃げ込んだと言われている。

彼の証言によると、朝、タリバンの遺体はなかったという。テントの住民は自分と同じ遊牧民だったと述べた。「彼らはタリバンではない。これは災難だ。人々は、アメリカは我々の国を再建するために来ているという。でも彼らは我々を殺しているだけだ」。

爆撃後、水曜日になっても米軍関係者は誰も来てないという。砂漠は血で汚れ、テントや衣服の残骸が散らばり、ヤギが6頭腐りはじめている。一緒にいた遊牧民たちは、みな逃げてしまった。

カンダハルの病院に入院した17歳のBibi Saraは、爆撃により、兄弟姉妹3人と母親、父親の第2夫人をなくした。近くのRoghani村の長によると、死亡した遊牧民たちは金曜日に埋葬され、人々は負傷者を病院に運ぶために120ドル寄付したという。

garrAfghan Nomads Say U.S. Bombing Killed Nine
By NOOR KHAN


■インドネシアのテロリンク[030925 Daily Times]

(前略)サラフィ派のマドラッサで行なわれた捜査は、「周到に行なわれた。証拠がなければこのような行動はしない。学生数人がテロ活動に関わっていたという確かな証拠があった」とある高官が述べた。

情報筋によると、Gun Gun Rusman Gunawanは今回逮捕された学生のなかにはいなかった。「彼はJamia Abu Bakarに入学したことは確かだが、今回の逮捕よりも以前にすでに逮捕されていた」と、ある高官が述べた。この捜索はタイで逮捕されたハンバリ容疑者の供述によるという。内務大臣のFaisal Saleh Hayatは、これからさらに容疑者を逮捕していくと『Daily Times』に述べた。

hoonIndonesia terror link under probe
By Hasan Mansoor、KARACHI


■オマール師、ジハードを誓う[030925 The Nation]

オマール師が再びジハードを誓ったと、タリバン高官がパキスタンのチャマンからスピンボルダックにいるジャーナリストたちに語った。

ある場所でオーマル師はタリバン司令官たちを召集し、秘密の会議を開催した。パシュトゥン語で書かれたメッセージが、集まった50人ほどの司令官たちに配布され、それをアフガニスタン中にばらまくよう、指示されたという。

「イスラム活動の司令官たちは、自分たちの最大の使命はジハードであることを心に留めること。自分たちで行動しなければならない。すべてのタリバンとすべてのイスラム教徒は、もはや待つ必要はなく、すぐにでも自分たちの責任を果たさなければならない」とメッセージに書かれている。

アフガニスタン南部で開催されたこの会議には、10人のタリバン中央シューラ(議会)のメンバーも出席した。オマール師のメッセージは、会議に参加したMullah Sabir、別名Mominによりカンダハルの他の司令官たちに配られた。Mominは、カンダハルのタリバン司令官Hafiz Abdul Rahimの副官である。

またオマール師は「裏切り者」摘発するよう、徹底させた。「タリバンはロシアの侵略の時のように、新しいムジャヒディン組織を作る必要はない。タリバン活動は、現在のままで充分機能しているので、その必要性はない」と語った。

garrMullah Omar vows to intensify Jihad
CHAMAN(AFP)


■パキスタンのスリーパー組織捜索[030925 The Nation]

パキスタンは19人の東南アジアの留学生を逮捕後、Jemaah Islamiyahの隠れ組織をさらに詳しく捜索している。パキスタン政府はこれらの工作員がパキスタンに浸透する前に、全員を摘発する意向であるとのこと。学生たちから押収した物の中には、ジハードを勧める映像などのCDディスクがあったという。

ほとんどの学生は、9.11以前にパキスタンに入国している。そのうち4人はたびたびアフガニスタンに行っており、アルカイダの訓練所で武器の扱い方を習っていたという。

東南アジアの学生が要注意人物のリストに載ったのは、今回が初めてだ。これはパキスタンに新しいテロ組織が潜入しはしめていることを示すと、ある高官が述べた。

カラチのAbu Bakar Universityでは、新たに4人の学生が逮捕された。

hoonPakistan probes sleeper cell
KARACHI(AFP)


■再び好機が舞い降りる[030924 Asia Times]

ムシャラフの行動パターンには、一定の法則がある。つまり、アメリカが知らないうちは、アルカイダやビンラディンの国際イスラム戦線International Islamic Front(IIF)のテロリストを匿い、野放しにする。しかしアメリカが察知すると捕まえ、敏速に引き渡す。

今回もそうだ。パキスタンにおけるハンバリ容疑者の弟Gun Gun Rusman Gunawanの逮捕劇は、不審だらけだ。逮捕されたことは確かだが、いつ? どういう状況で? 今どこにいる?

9月20日にイスラマバードのFederal Investigation Agency(FIA) がカラチで、マレーシア人13人、インドネシア人と2人、ミャンマー人2人を、Jemmah Islamiyah(JI)と関係していたとして逮捕した。不法滞在の罪がかけられたという。それぞれカラチにある、2つのマドラッサの留学生だった。

FIAはパキスタンの汚職、テロ、ドラッグなど、全国的な犯罪を扱うが、ISIはFIAから、本来FIAが扱うべき対テロ関係の権限を奪ってきた。9.11以後、ISIに不信感を持つアメリカはムシャラフに、FIAの権限を取り戻すよう圧力をかけてきた。またアメリカはFIAにいる軍人を排除し、警察官と交代させようとしてきた。

政府に操作されているPakistani State TVは、事件を次のように報道。「パキスタン諜報部は昨日、13人のマレーシア人、2人のインドネシア人、2人のミャンマー人を、パキスタンに危害を与える行動をしていたとして逮捕した。それぞれの政府もこれを確認。マレーシアとインドネシア政府は、学生たちがパキスタンに滞在する許可を取り消した。捜査が終了次第、それぞれの国に引き渡される」。

22日にパキスタンのメディアを受けて報道されたジャカルタのレポートは、こうだ。カラチのインドネシア領事のTemu Alamは、「パキスタン当局はカラチで、イスラム過激派だという2人のインドネシア人を逮捕した。イスラマバードのインドネシア大使館は、パキスタン政府から逮捕について事前に通達がなかったことを、内務省に抗議した。インドネシアにいるパキスタン大使が外務省に呼び出された」。

しかし、パキスタンの内務省、国家危機管理の責任者Brigadier Javed Cheemaは、「彼らの逮捕は、それぞれの国からの要請で行なった。彼らは国家追放になる。何人かはJemaah Islamiyahと関係があると思われる。インドネシア領事館のAlam氏は、逮捕された2人のインドネシア人は、西ジャワCianjur出身のGun Gun Rusman Gunawan(27)と中央ジャワSleman出身のMuhammad Saifuddinであるという。現在2人の居場所は不明。Saifuddinはまだ新入生で、正式に入学してない」。このレポートでは、Gunawanがハンバリの弟であるとの指摘はない。弟であることは、Associated Press(AP)の報道からくる。この逮捕については色々なバージョンがある。

まずBrigadier Javed Cheemaは、「ハンバリの弟Gun Gun Rusman Gunawanが逮捕されたという報道を今、確認中。確認にはまだ時間がかかる」。外務大臣のスポークスマンは、「逮捕されたのがハンバリの弟かどうか決めるには、時期尚早。まだ決定的な証拠はない。現在捜査中で、まだ結論は出ない」。ある政府高官(カラチ政府か連邦政府かは不明)は「ハンバリの弟のインドネシア人テロリストは、逮捕してない。インドネシアとマレーシア政府と、その引き渡しについて検討中。ハンバリの弟は、逮捕された者の中にはいないと思う」。Federal Interior MinistryのスポークスマンIftikhar Ahmedは「Rusman Gunawanと確認された男が、週末に15人のマレーシア人とインドネシア人ともに、テロの疑いで逮捕された。そう、ハンバリの弟はカラチで逮捕された者の中にいる」。

しかし『The News』は、ハンバリの弟は1ヵ月前にすでに逮捕され、アメリカに引き渡されていたという。もしこのバージョンが真実であれば、彼は20日に逮捕された者のなかにはいなかった。記事はカラチのGulshan-e-Iqbal地区にあるJamia Abu Bakar Islamic Universityの学籍係Yaqoob Tahirの話をレポートしている。「Gun Gun Rusman Gunawanは1ヵ月前に、Gulshan-e-Iqbal警察から軍に引き渡された。1ヵ月前にGulshan-e-Iqbal警察が我々のインドネシア人学生、Gun Gun Rusman Gunawanを呼び出し、尋問した。彼は軍の大佐によって尋問を受けたあと、どこかに連れて行かれた。それ以来、彼の居場所については知らない。我々はインドネシア政府にこのことを知らせたが、今のところ、何の反応もない。Gun Gun Rusman Gunawanという名前は発音が難しかったために、彼はAbdul Hadiという名前で通っていた。Hadiは必要な書類はすべて持っていた。彼は宗教教育を受けるために留学してきて、5年間奨学金を受けていた。過激派との関係はない。20日の朝、Federal Investigation Agencyだという私服警官がやってきて、6人の学生を呼ぶように要求した。高官たちはこの6人の所持品や書類を検査した。各政府が、この6人の学生の送還を要求しているからと主張し、連れ去った。それ以来、我々の無実の学生たちがどうなったか、わからないでいる。すぐにマレーシアとインドネシア領事館に連絡した。今、パキスタン政府と折衝しているはずだ」。

ハンバリの弟が99年からパキスタン政府の奨学金を得て、マドラッサで勉強していたという学籍係の証言は、信憑性がある。そうとしたら、疑問が沸く。アメリカはタイに潜入したハンバリの居場所を、この弟から引き出したのか? あるいはこの逆か? マレーシア政府はハンバリの尋問によって、パキスタンにいた弟やその他の学生が逮捕されたと考えている。そして、もうひとつの疑問。パキスタン政府は、ハンバリの弟がカラチにいることを知っていたのか? そして99年以来、東南アジアからパキスタンやアフガニスタンにJIが潜入し、キャンブで訓練を受けていることをつかんでいたのか? それならなぜアメリカが行動する前に、行動しなかったのか?

garrohSwoops, once again, right on cue
By B Raman


■帽子の中から兎[030924 Asia Times]

まるで手品師が帽子の中から兎を取り出すように、ムシャラフの諜報部がテロと関係した外国人留学生たちを逮捕した。拘束された者のなかには、27歳のGun Gun Rusman Gunawan、東南アジアのテロ組織Jemmah Islamiyah(JI)の最高指導者、ハンバリの弟もいた。

アメリカの「テロとの戦争」の同盟者ムシャラフは、国内での取り締まりが不十分だと非難されるが、今回のように、彼がニューヨークに行くときだけは例外だ。タイミング良く、マレーシア人13人、インドネシア人2人、ミャンマー人2人がJIと関係があるとして、カラチで逮捕された。ほとんどが、カラチのサラフィ派の2つの大きなマドラッサの留学生だった。Jamia Abu Bakar Islamic UniversityとJamia tut Darasatul Islamyiaである。土曜日に逮捕され、異例の速さでこのニュースは全世界にリークされた。

しかし事実は違う。Gun Gun Rusman Gunawanは既に逮捕されていたと、『Asia Times』は情報筋から9月1日に聞いていた。そして彼は、1999年からJamia Abu Bakarで学んでいたのだ。それにもかかわらず、他の学生たちと一緒に逮捕されたと発表されたのである。

いつもと同じ手法だ。ISIがFederal Investigation Agency(FIA) という外郭組織を使い、留学生たちを逮捕。しかし確認したかぎり、学生たちの在留許可書も留学資格(パキスタンの書類も母国の書類も)も正規のもので、不正はなかった。インドネシア政府は直ちにパキスタンに抗議し、パキスタンが主張するように、学生を逮捕するように促したという事実を否定した。

Jamia tut Darasatul Islamyiaの校長のAbdul Rehman Abidは、次のように証言した。「土曜日、何十人もの警察官かキャンパスに押し入った。平服警官もやってきて、学生に動いてはいけないと命令した。学校に、学生リストを提出するよう要求。コンピュータのデータのコピーを渡した。彼らは何人かの名前にチェックをつけた。すべてマレーシア人で10代の若者だ。我々は彼らを呼び出した。学生は単に問答の授業だと思ったようだった。しかし、高官たちは彼らを逮捕したのだ。彼らは、学生たちは母国で指名手配されているといい、国外追放になると語った。学生たちは涙を浮かべていた。我々は無力感にひたりながら見送るしかなかった」。

「教えてほしい。もし彼らが犯罪者だとしたら、なぜ警官たちは国際犯罪を扱う正規の手順を踏まないのだ? もし彼らがパキスタンにおける犯罪に関わっていたのなら、なぜ罪の申し立てがないのか? なぜ証拠も理由もなく、極秘にされた場所に隔離されるのか? 我々は彼らの出身国の大使館と連絡を取ったが、大使館は身柄の引き渡しを要請してないという」。

「我々は、この事件を新聞社に報告したりしなかった。諜報部自身が新聞社に情報を流した。普通、彼らは事件を隠そうとする。あなたもわかるように、これはムシャラフの訪米をカラフルにするためだ。いつもこれだ。アメリカと関係する行事があるたびに、例えばアメリカの要人の訪パや9.11のアニバーサリー、パキスタン要人の訪米など、こういう時になると我々パキスタンは、この種の事件が起きることを予測するようになった」。

校長は、9.11以来、サラフィ派のマドラッサは諜報部のターゲットになってきたという。サラフィ派はサウジのワッハーブ主義の系統で、アラブ人と交流がある。校長によると、諜報部は1ヵ月に数回キャンパスを訪れ、学校に嫌がらせをし、賄賂を要求することもあるという。ここで指摘したいのは、サラフィ派はタリバンとは何のかかわりもないということだ。タリバンはハナフィ派であり、サラフィとは対立する。Akora KhattakのDarululoom Haqqania、カラチのBinori TownのJamia Farooqia、その他クエッタや北西辺境州にある数々のマドラッサは、タリバンを生み出している。しかしこれらのマドラッサには、何の手入れもない。

そして数々の嫌がらせにもかかわらず、サラフィ派の学校で逮捕者が出たのは、今回が初めてだ。帽子から出てきた兎のように、今回の事件は驚きだらけだ。「テロとの戦争」という大きな視点でこの事件を見ることしか、意味があるとは思えない。

garrohLike pulling rabbits out of a hat
By Syed Saleem Shahzad、KARACHI


■タリバン、洗練された装備で政府を攻撃[030924 Daily Times]

タリバンはこれまでよりもさらに組織化され、動きが活発になり、洗練された機器を用い、ゲリラ戦法を有効に使ったいると、アフガニスタンの治安関係者が『AFP』に語った。

「残念なことに、タリバンの力は明らかに大きくなっている」とパクティア州のMohammad Gaus Naseri。パクティア州は、南・北のワジリスタンという、超保守的な部族地帯と隣接している。タリバンがアフガニスタン撤退後も2年間、ゲリラにより、激しい攻撃が続いてきた。

武装勢力は1ヵ月前に、パクティアの国境付近にあるBarmalを支配。他の南東部も支配下に入れたと主張している。「以前は数十人という規模の小さなグループだったのに、今は150人ほどのグループを形成して、我々の地域に深く潜入してきた」とNaseriは言う。

辺境の状況は、いっそう深刻だ。「状況はますます悪くなってきた」とパクティア州副知事のSador Khanが『AFP』に、パクティアのウルグンで語った。「毎日のようにタリバンが動き回っている。さらに組織化され、パキスタンから支援金や新しい武器、衛星電話を支給されている」。

アフガン軍のメンバーで、“ウルグンの米軍基地に附属した、米軍と一緒に戦う武装団”によると、タリバンは今までよりも洗練された機器を用い、スパイネットワークも入念に張り巡らせている。「我々が行動するとき、サイレンサーを装着した武器を用い、ソ連製の暗視ゴーグルをつける」とある抵抗分子が『AFP』に述べた。「タリバンの情報ネットワークは拡大し、正確で、大きな町でスパイが活発に活動している。衛星電話のおかげで、情報は瞬時に伝わる」。

タリバンの戦法はアフガニスタン南東部、まずザーブルを、次にパクティア、そしてカーブルからカンダハルに通じる道路建設を混乱に陥れることだと、ガズニの人権団体は言う。ガズニはこの道路建設では、重要な場所にある。タリバンは対ソ連戦で身につけた戦法を用いる。奇襲攻撃、爆弾、学校や公共施設の破壊、脅迫、外国人団体や政府のために働くアフガン人の暗殺を続ける。

garrResurgent Taliban use sophisticated equipment to destablise government
URGUN、AFP


■バローチスタン州、アフガン国境での軍事運動をやめるよう要求[030924 Daily Times]

バローチスタン州議会は火曜日に、Dera Bugti、Kohlu、Gwadarの軍への宿営地設置を満場一致で反対。国境付近での軍事活動を終結するよう、要求した。国境付近のパキスタン国軍がバローチスタンの住民に嫌がらせをしているとし、住民を窮地に追いやっているという。

MMA高官は、パキスタン国軍はパキスタンにいる「アメカの警察官」だと非難。「これまで国境は安全だった。今では治安のために軍を置かなくてはならない」。国境にいる軍が、髭を生やしたり、「イスラム式の服」を着た人々に、嫌がらせをしているという。

hoonBA demands end to military activity on Afghan border
By Azizullah Khan、QUETTA


■ハンバリの弟、アメリカに引き渡されていた[030923 The News]

Jamia IslamiyaのHambali容疑者の弟Gun Gun Rusman Gunawanは、1ヵ月前にカラチのGulshan-e-Iqbal警察からアメリカに引き渡されたと、彼が属していたマドラッサ、Jamia Abi Bakarの学籍係のYaqoob Tahirが月曜日に述べた。

「1ヵ月前に、Gulshan-e-Iqbal警察が我々のインドネシア人学生、Gun Gun Rusman Gunawanを呼び出し、尋問した。彼は軍の大佐によって尋問を受けたあと、どこかに連れて行かれた。それ以来、彼の居場所については知らない。我々はインドネシア政府にこのことを知らせたが、今のところ、何の反応もない」という。Gun Gun Rusman Gunawanという名前は発音が難しかったために、彼はAbdul Hadiという名前で通っていた。Hadiは、必要な書類はすべて持っていたという。しかし信頼できる方面から『The News』が得た情報によると、Gunawanはすでにアメリカに引き渡され、土曜日の逮捕劇は、彼の逮捕を告知するために行なわれたという。

Jamia Abi Bakarによると、Gunawanは5年前に宗教教育を受けるために留学してきたといい、過激派との関りはないという。「20日の朝、Federal Investigation Agencyだという私服警官がやってきて、6人の学生を呼ぶように要求した。高官たちは、この6人の所持品や書類を検査した。各政府が、この6人の学生の送還を要求しているからと主張し、連れ去った。それ以来、我々の無実の学生たちがどうなったか、わからないでいる。すぐにマレーシアとインドネシア領事館に連絡した。今パキスタン政府と折衝しているはずだ」(以下省略)。

ohHambali's brother handed over to US
By Azfar-ul-Ashfaque


■タリバン、パキスタンから攻撃を計画[030923 AP]

タリバン司令官が最近アフガニスタンの各地で行なっている戦闘をパキスタン側から指揮していることが、傍受されている電話からわかると、アフガン諜報部員が『AP』に語った。

タリバンはパキスタンの治安関係者や、イスラム政党から援助を受けているとアフガンと欧米の高官は非難する。

カルザイは国連でスピーチを行ない、国境を越えた抵抗分子は、マドラッサの形をとった場所に入り込んでいる。テロリズムは平和と繁栄という領域に、侵入しようとしていると語った。

カブールの南西部にあるガズニは、最近戦闘の舞台となっている。タリバンたちは普通の服を着て、住民と同じ恰好で町を歩く。先週は大胆にも警察長の暗殺を試み、援助団体を脅かした。4人のデンマークの援助団体員が殺されたのもガズニだ。3人の赤十字職員も殺された。近隣のザーブルでは数週間にわたり、戦闘があった。

9月8日に米軍の空爆の最中、ザーブルにいるタリバン戦士たちに引き上げるよう指令する電話がクエッタからかかってきたのを、アフガン諜報部は傍受している。同様に3月、ヘルマンド地区で赤十字職員が殺された事件でも、電話連絡が傍受された。電話の相手はタリバン司令官Mullah Dadullahで、襲われたエルサルバドル国籍の職員を殺すよう、指示した。

バローチスタン州の厚生大臣の兄弟が先月、タリバンと関係を持ち、カンダハル州知事の親戚を暗殺する計画をしていたとして、逮捕された。「クエッタとその周りの地域は、強権派タリバン勢力の温床となっている」と、アフガニスタン内務大臣のAli Ahmad Jalaliは言う。

アフガニスタンの治安アドバイザーのZalmai Rassoulは、ほとんどの抵抗運動は外から入ってくるという。パキスタンのマドラッサがジハードを教え、政府はこれを防止することができない。「タリバンは逃げた。しかしパキスタンで休息をとり、また組織化した。再び力を持ち、戻ろうとしている」。

パキスタンは、これを強く否定する。「タリバンがクエッタで再結成し、カルザイ政権を脅かそうとしている事実はない」とBrig. Javed Iqbal Cheemaは言い切る。内務省の危機管理の責任者であるCheemaは、アメリカと協力している「テロとの戦い」の責任者だ。パキスタンはタリバンを支持していたが、9.11以後立場を変えた。しかし軍や治安部隊の一部は、まだ古い絆を保っているといわれる。

8月にガズニで赤十字職員がタリバンに襲われたとき、「警察でさえ怖がって、現場に行きたがらなかった。仕方なく私が現場に行き、遺体を引き取り、負傷者の手当てをした」と赤十字のディレクターMohammed Chaos Aolyaが語る。Aolyaは、この地域を知る者なら誰でも「タリバンとアルカイダが日中自由に動き回っていることを知っている」という。タリバン支持者は今やその印である黒いターバンは巻いてないが、その他のことは隠そうとしない。アメリカも、やっていることが充分でないと訴える。「タリバンは切り落としたが、根は残っている。そして今これが育ちはじめた」。職員が攻撃されてから、毛布や食料の援助品の配布は全く滞っている。ガズニは貧しい州だ。住民たち、女性や子供に被害がかかる」。

9月17日に、遠隔操作された爆弾が、州警察長のMohammed Ismail Azizの車の下で爆発した。4人が死亡したが、幸い彼は負傷だけで済んだ。「何人かのタリバンを逮捕したが、重要人物を暗殺する計画を立てている」とAzizは言う。「子供たちを学校に行かせないよう手紙を配布し、学校と保健所に放火した。治安が悪いということを示したいのだ。国の再建を妨害したいのだ」。

「アフガニスタンをこのままにしておけば、再び混乱し、テロが戻ってくる」と内務大臣のJalaliは言う。「アフガニスタンの治安の対価は、治安の悪さには及ばない。これはアフガニスタンにとってだけでなく、アメリカや全世界にとっての問題だ」。

garrTaliban Plans Attacks From Pakistan
By PAUL HAVEN、GHAZNI


■パキスタンで、ハンバリの弟は監視されていた[030923 AP]

パキスタンの内務大臣が、ハンバリの弟Rusman Gunawanは、土曜日に他の16人とともに逮捕されるまで監視され続けていた、と述べた。現在パキスタンで尋問を受けている。

Rusman Gunawanが欧米に対して何らかの攻撃を企てていたかどうかは、まだはっきりしない。また供述に従って、さらに4人のインドネシアからの留学生を逮捕したという。

兄のハンバリの率いる組織、Jemaah Islamiyahは10月のバリ島爆破事件を起こしたと考えられているが、Rusman GunawanはパキスタンでJemaah Islamiyahの支部を運営していたと思われる。Jemaah Islamiyahのメンバーは、アフガニスタンにおけるアルカイダのキャンプで訓練を受けていた。

garrPakistan: Hambali's Brother Was Watched
By MUNIR AHMAD


■アメリカ、アフガニスタンでタリバンとの密約を復活させる[030923 Asia Times]

アフガニスタンではますます抵抗分子の力が強くなっているが、アメリカはタリバン一派を再び政治に迎え入れようとしている。

『030911 Asia Times』で報告したように、アメリカは「Jaishul Muslim」という名のもとで結成された、新しいタリバングループと話し合いの場を持とうとしている。このクルーブはタリバン政権の国防相だったパキスタン人のMullah Abdul Razzak以外からなり、オマール師も排したタリバン下士官からなる組織だ。

この組織は、9月17日にペシャワルで正式に結成された。創始者のAkbar Aghaが、ウルドゥー語の日刊紙Nawai Waqatに、声明を発表し、“侵略者”アメリカに対してジハードを呼びかけた。同時にオマール師の“自己中心的”な政策について非難。

いっぽうカブールでカルザイは、すべてのタリバンが96年から2001年の間の犯罪に参加したわけではないという演説を行なった。従ってこの犯罪に参加しなかった者たちは、すべて政府の組織に参加できるというのだ。

タリバンは少しずつ再結成され、今や国の各地で支持を受け始めている。アメリカの諜報部はこの状況に気づいており、今年の初めからなんとか体面を保とうと、タリバンとの調停を試みてきた。

『030614 Asia Times』で報告したように、ISIはアメリカとタリバンとの会談をお膳立てした。会談はISIの代表・FBI・タリバンリーダーで、クエッタ近くのSamungliパキスタン空軍基地で行なわれた。ここで次のような条件が出た。

 ・オマール氏はタリバンのリーダーを降りる。

 ・現在外国兵に攻撃をかけているすべてのパキスタン人、アラブ人などの外国人を、ただちにアフガニスタンから追放すること。

 ・アメリカ兵または平和維持軍の兵士の捕虜をただちに解放すること。

 ・母国語を話せない、現在アメリカやイギリスに住んでいるアフガン人でも、政府の一翼を担うことができる。

タリバンが最初の条件に反発したので、会談はすぐに決裂した。その後パキスタンとアメリカ諜報部は、なんとかタリバンを分裂させ、抵抗分子の活動を邪魔するような組織を作ろうと工作してきた。そこで登場したのがJaishul Muslimだ。

Jaishul Muslimが結成された経緯に詳しい情報筋によると、まずこのメンバーはアフガニスタンのジハード訓練所に潜り込むという。そこから彼らはタリバン司令官たちを買収して、アフガン政府内に収まるよう、そそのかしていくというのだ。もし成功したら、これはタリバンのモラルに反することで、致命的だ。

しかし、疑問点はある。オマール師が存在しなければ、そもそもそれはタリバンの活動とはいえない。同時にこの組織はパキスタンで計画され、パキスタンから持ち上がった。アフガニスタンでは、ほとんど支持がないといえる。

タリバンがカブールから撤退した初期の段階で、同じようなグループが結成された。 「Jamiat-i-Khudamul Koran(クルアーンの下僕の集まり)」である。これはそもそも、タリバン活動が最初にクエッタで生まれた時の名前である。Jamiatのメンバーたちは、オマール師がビンラディンを擁護したことに批判的だった。彼らはタリバンを本来の姿に蘇らせると誓った。このグループはじきに消滅したが、情報筋によると数ヵ月前、再びタリバンと手を組み、主にアフガニスタン東部で戦っているという。アフガニスタンの現在の政情は、このようなものである。アメリカは、ますます泥沼に陥ってきた。

garrUS revives Taliban tryst in Afghanistan
By Syed Saleem Shahzad、KARACHI


■9.11立案者、計画では10機を使う予定[030922 AP]

9.11の計画を練るのに5年かかり、その後も一連の自爆テロを行なう予定だったとKhalid Shaikh Mohammad(以下、Khalid Shaikh)がCIAに述べた供述書を、『AP』は入手した。

Khalid Shaikhによると、計画は96年に始まり、最初は5機をアメリカでハイジャックする予定だったが、ビンラディンが攻撃は同時に行なうべきだと主張したために、何度も練り直されたという。

またKhalid Shaikhはハイジャック犯に資金と援助を提供したとされるサウジ人、Omar al-Bayoumiについては、聞いたことがないと述べた。アメリカ政府はOmar al-Bayoumiはハイジャック犯を援助したか、サウジの諜報部員だと考えているが、サウジ政府はこれを否定。FBIも今ではこの説に疑問を投げかけている。

Khalid Shaikhはハイジャック犯Khalid al-MihdharとNawaf al-Hazmiを援助するために、アメリカに人を派遣したことはないと主張。「2人がアメリカで暮らせるよう、ほう助するアルカイダ工作員はアメリカにいなかった」。この2人はペンタゴンに突っ込んだ飛行機に乗っていた。この2人は計画の中心人物で、モハメッド・アタよりも重要な役割を果たしていたという。Khalid Shaikhはこの2人と、インターネットのチャットで交信していた。またal-Hazmiとal-Mihdharは、ビンラディンが計画した4人のオリジナルメンバーのうちの2人でもある。これは、アメリカが9.11の前に唯一目をつけていたのがこの2人であることから、重要である。

計画ではさまざまな国から工作員を召集しようとしたが、最終的にビンラディンがサウジの若者たちを選んだ。経過が最終段階になるにつれて、Khalid Shaikhは「アメリカでのハイジャック計画の中心は、サウジの工作員たち」であることを知ったという。

サウジは、ビンラディンがサウジ人を選んだのは、アメリカとサウジとの関係を悪化させるようとしたためという。しかしアメリカ諜報部は、サウジの若者たちが自らビンラディンに従い、サウジ人がアメリカに入国するのが簡単だったからだという。

Khalid Shaikhは、オリジナルメンバーのうち何人かは、アメリカに入国できなかったために、計画を断念せざるを得なかったと語った。

このレポートを『AP』に見せた情報源は、アメリカがまだ捜査中であるために、レポートの詳細を公開しないよう要求した。このレポートをみると、Khalid Shaikhとアルカイダは、欧米やイスラエルをまだ攻撃しようとしていることが明らかだ。

Khalid Shaikhは、94年と95年に、Ramzi Yousef、Abdul Hakim Murad、Wali Khan Amin Shahとともに、フィリピンで12機の欧米の飛行機を同時にアジア上空で爆発させるBojinka計画を考えていた。96年にビンラディンに、「アメリカで10機の飛行機をハイジャックし、目標に突っ込ませたい」から資金を提供してほしいと頼んだ。ビンラディンはこの計画が成功するとは思えないから、まず4人で、al-Mihdharとal-Hazmi、イエメン人のWalid Muhammed bin AttashとAbu Bara al-Yemeniでやってみるように言ったという。「この4人は、殉教することだけを知っていた」。

最初の計画変更は99年に行なわれた。2人のイエメン人が、アメリカに入国できなかったからだ。そこで、ビンラディンはさらに工作員を増やした。2人のイエメン人は、東アジアでのハイジェック計画に専念するように言った。Khalid Shaikhはいろいろ考えた結果、Bojinka計画を縮小したり、靴に隠された爆弾で飛行機を爆破させる計画を考えた。そして結果的に、アメリカと東アジアで数機の飛行機をハイジャックし、同時に目標に突撃することに考えついたという。

99年までに、4人のオリジナルメンバーはアフガニスタンに行き、ビンラディンのキャンプで訓練を受けた。訓練は奇襲攻撃とジェット操縦である。そのほか、いかにアメリカの社会に溶けこむか、電話のイエロー・ページの見方、飛行機の時刻表の見方なども習ったという。

最も大きなイベントは、2000年1月にクアラルンプールで、al-Mihdharとal-Hazmiなどのアルカイダ工作員が集結したことだ。CIAはこの情報を事前につかみ、マレーシアに監視するよう要求していたが、その重要性に気づいていなかった。ビンラディンはさらに2000年にこの計画を再構成し、東アジアでのハイジャックは中止した。「同時に実行するのは難しすぎる」ということだった。

そのころ、Khalid Shaikhは、Jemaah Islamiyahという東南アジアの組織と接触。9.11以後のハイジャック計画に、この組織のメンバーを使うことにしていたという。

garrgarr9/11 Plotter: Plot Started With 10 Planes
By JOHN SOLOMON、WASHINGTON


■東南アジアにおけるアルカイダ指導者の弟逮捕[030922 AP]

土曜日にカラチのマドラッサで逮捕された17人のなかに、東南アジアのアルカイダ容疑者Hambaliの弟がいたと、ある情報筋が『AP』に語った。この情報筋は、パキスタンのテロ捜査に関わっている政府高官である。内務省高官とインドネシア領事館も、これを認めた。逮捕された男、Rusman Gunawanは、土曜日にカラチの3つのマドラッサで逮捕されたマレーシア、インドネシア、ミャンマーの留学生の中にいた。

兄のHambaliは、バリ島のナイトクラブ爆破事件の首謀者といわれる。インドネシアのテレビSCTVによると、Rusman Gunawanは1999年にパキスタン政府の奨学金を受け、カラチのAbu Bakar大学で学んでいたという。いっぽう、ある情報筋が『AP』に述べたところによると、彼はJemaah Islamiyahのパキスタン支部の会員だという。逮捕された17人のうちほとんどは、ビザの期限が切れ、不法滞在の疑いがかけられている。

smellBrother of Alleged al-Qaida Chief Caught
ISLAMABAD


Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003.