【2003年10月06日〜10月12日】


■アフガン軍閥、政治から除外される[031012 Reuters]

日曜日に、アフガン政府は軍閥の長たちが政治に参加することを禁止した。この動きにより、国のトップレベルが来年の選挙に参加できなくなる。

この新しい法律は、安定した民主主義国家になるためには、不可欠である。「武装した軍を持った者は、政治活動に参加できなくなる」と法務大臣のAbdulrahim Karimiが語った。

この法律が施行された場合、国のリーダーたち、北部同盟に大きな影響を与える。例えば国防大臣のファヒムである。

hoonAfghan Warlords Are Banned From Politics
By DANIEL COONEY、KABUL


■タリバン、警察官10人殺害[031012 Reuters]

日曜日の早朝、100人近くのタリバンがザーブルのArghandab地方の政府機関を攻撃、8人の警察官を殺害し、2人を負傷させた。

タリバン側に死傷者がいたかどうかは不明だが、タリバンが遺体を持ち帰ったという情報もある。夜明け後、政府軍がこの地域を再び支配下に置いた。

hoonTaliban kill eight policemen in Afghan attack
KABUL


■41人の脱獄犯、捕まえられず[031012 Reuters]

カンダハル刑務所から脱獄した41人の囚人は、いまだ捕まってないという。タリバン司令官、Mullah Sabirが『ロイター』に語ったところによると、一味は脱獄囚1人に対して、2000ドルの賄賂を刑務所側に払ったという。何人かはすでに目的地に到達した、と付け加えた。ただし、それがどこなのかは、明らかにしなかった。脱獄犯の中には、前タリバン国防大臣のObaidullahの兄弟Mawlavi Abdullahと、Aziz Aghaという司令官が含まれているらしい。

カンダハル警察長官のMohammad Jashimが『ロイター』に語ったところによると、脱獄犯はまだ1人も捕まってないという。カンダハル知事のYusuf Pashtunは、囚人は全員、鎖で繋がれ、さらに30メートルの長さのトンネルを掘って脱獄したために、看守の援助がなければ実現できたはずがないと述べた。掘った土はトラック15台分にもなるからだ。脱獄囚の中には、5〜6人の重要人物がいたとつけ加えた。

「刑務所側とタリバンが結託したに違いない。30メートルのトンネルは、1日や2日で掘れるものではない。少なくとも1ヵ月かかる」。この事件は政府にとっては大きな恥となり、特に8月に着任したばかりのカンダハル知事の面目は丸つぶれだ。

ohohAfghans fail to recapture 41 Taliban jailbreakers
By Mohammad Ismail Sameem、KANDAHAR


■ワジリスタンでさらに60人逮捕[031012 The Nation]

南ワジリスタン行政区は、さらに60人の部族民を逮捕し、ショッピングセンターを封鎖した。ワジール族のなかのAhmadzaiとZalikhel族に、アルカイダを匿った容疑者を引き渡させるための強制措置である。

取り締まりは、南ワジリスタンの他にも、タンクとデーラ・イスマイル・ハーン地方に定住したYargul Khel、Karay khel、Utman khelの3枝族が対象となっている。すでに100人以上が逮捕され、さらに何百人もに逮捕令状が出されているという。部族民たちの中には地下に潜ったり、逮捕を免れるために他の地域に移った者もいる。232の店舗とガソリンスタンド8店とレストラン3店も封鎖された。

行政側のスポークスマンは、3つの部族の逮捕を今後も続け、さらに他の部族の取り締まりも近々開始するという。容疑者が逮捕されるまで、取り締まりは続くという。

この取り締まりのため、南ワジリスタン全域のビジネスが被害を受け、日常生活にも影響がで始めている。

いっぽう部族長たちはジルガを開き、ワジリスタンで行なうはずの開発計画やプロジェクトを開始するよう、要請した。リーダーのMalik Amir Barakによると、なんらかの理由で、保健所10ヵ所の建築が止まっているという。

garr60 more arrested in Waziristan
From Irfan Barki、SOUTH WAZIRISTAN AGENCY


■アメリカ特使、タリバンの件でパキスタンを非難[031012 Daily Times]

ブッシュ政権のアフガニスタン特使Zalamy Khalizadは、イスラマバードはタリバンに対して充分なことをしてないと非難した。ブッシュ政権の高官や国会のメンバーたちも、同様の意見を持つ。パキスタンはアルカイダに対しては、大いに評価できる措置をとっているが、タリバンに対しては同様の努力をしてないと非難する。アーミテージもパキスタンを訪問した際、同様の意見を語った。

hoonUS envoy flays Pakistan over Taliban
WASHINGTON


■MMA、アザム・タリクの殺害犯指名に政府の意図、と述べる[031012 Daily Times]

Muttahida Majlis-e-Amal(MMA) は、アザム・タリク殺害犯として、MMAの一員で、Islami Tehrik Pakistan(シーア派)のAllama Sajid Naqviの名前が出たのは、政府がMMAに揺さぶりをかけようとしているためだ、と述べた。

MMAのDeputy Secretary General Liaqat Balochが『Daily Times』に語ったところによると、「政府がタリクの殺人犯として、MMAの副総裁のAllama Sajid Naqviを最初に名指ししたが、これはなんとかして我々の政党に揺さぶりをかけようという魂胆があるからだ。しかし、政府はこれに失敗するだろう」。

Sipah-e-Sahaba Pakistan(スンナ派)とTehrik Nifaz-e-Fiqa-e-Jafaria(シーア派)の間には、当然対立がある。これまでAllama Naqviは何度もさまざまな嫌疑をかけられてきたが、立証された試しがない、と述べた。

smellAzam Tariq's murder: MMA sees govt hand in naming Naqvi in FIR
By Mohammad Imran、ISLAMABAD


■タリバン41人、刑務所から脱獄[031011 AP]

40人以上のタリバン戦士たちが、30フィートのトンネルを掘り、外部の援助を受けて脱獄した。

前タリバン国防大臣のMullah Ubaidullahの兄弟を含む41人が、カンダハル警察から脱獄したと、カンダハル知事のYousaf Pashtoonが語った。囚人は、今月逮捕された54人の中の41人である。匿名を希望する2人の情報源によると、5人の刑務所職員が行方不明だという。この5人が、何らかのほう助をした可能性があるとのこと。「タリバンは30フィートのトンネルを掘っていた。おそらく数ヵ月間かかったと思われる」と州知事。

oh41 Taliban Escape From Afghanistan Jail
By NOOR KHAN、KANDAHAR


■アフガン刑務所からタリバン脱獄[31011 Reuters]

金曜日の夜、カンダハル刑務所から40人のタリバンと政治犯が脱獄したと、カンダハル治安責任者のGeneral Salemが『ロイター』に語った。

「昨晩深夜、40人のタリバンが30メートルのトンネルを掘って脱獄した。Mawlavi Obaidullahの兄弟を含む、何人か重要なタリバンがいた」。Obaidullahはタリバンの国防大臣で、タリバンの10人議会の一員。

ohKey Taliban prisoners tunnel out from Afghan jail
By Mohammad Ismail Sameem


■パキスタンに降り落ろされようとしている槌[031011 Asia Times]

Maulana Azam Tariqの暗殺は、パキスタン政府にとって、過激派や「お尋ね者」を取り締まる良い機会である。

国会議員で、 活動禁止を言い渡されたSipah-e-Sahaba Pakistan(SSP)から蘇ったMillat-i-Islamia(MII) の責任者であるTariqは、10月6日に銃撃を受け、暗殺された。

現在、反シーア派運動には2つの側面がある。ひとつはMIIで、これは国会を通して、パキスタンをスンナ派ムスリム国家にすることだ。もうひとつがLashkar-i-Jhangvi(LJ)で、これはシーア派根絶を目差す。LJはSSPから派生した組織であるが、SSPの創始者をはじめ、代々すべてのSSP責任者は、暗殺されてきた。

LJとSSPは別の組織ではあるが、幹部の多くはTariqとコンタクトを持ち、Tariqの意見だけに耳を傾けた。逆にTariqはLJにも耳を傾けていた。Tariqが暗殺されるや否や、LJのメンバーはイスラマバードとジャングに集い、シーア派に復讐することを誓った。

LJは、パキスタンにおけるアメリカ関係者たちを攻撃する。カラチの領事館やホテルの爆破、ダニエル・パール記者誘拐殺人事件は、LJと関係があると見られている。

Tariqが去年の10月に議席を獲得したときに、彼はMMAに参加することを拒み、パキスタン・ムスリムリーグ・カイディ・アザーム派Pakistan Muslim League-Quaid-i-Azamに入党し、ムシャラフを支持した。その結果、逮捕されていたすべてのSSPとLJメンバーは釈放され、彼の組織も取り締りを免れた。何よりも選挙の際、彼自身が刑務所から釈放されたのだ。

LJの活動家はタリバン政権時代、アフガニスタンで訓練された。9.11以後、Harkatul MujahideenとJaish-i-Mohammedも、パキスタンにおけるアメリカの機関を攻撃。この3つのグループは今や連動している。地下深くに張り巡らされたコネクションのために、彼らの摘発は容易ではなく、すべてのジハード組織を捜査する必要がある。Tariq暗殺とそれ以後の不穏な動きを取り締まることは、パキスタンにとっていい機会である。

hoonThe hammer poised to strike in Pakistan
By Syed Saleem Shahzad、KARACHI


■パキスタンのエージェント、東南アジアの学生を尋問[031011 Daily Times]

先月逮捕された東南アジアの留学生たちに関して、パキスタンのエージェントは、インドネシアの捜査員から「重要な情報」を得たという。

逮捕された留学生のうちの1人は、パリ島のテロ容疑者ハンバリ容疑者の弟Rusman Gunawanで、パキスタンのJemaah Islamiyahの「スリーパー・セル」のまとめ役であった。彼は5万ドルをハンパリに送金したと言われる。

これらの留学生はまだパキスタンで尋問を受けるという。(後略)

hoonPakistani agents busy interrogating Southeast Asian seminary students
By Hasan Mansoor、KARACHI


■高官、「テロリスト」を匿ったとして控訴される[031011 The Nation]

数ヵ月前にコハートで逮捕された軍高官のLt Col Khalid Abbassiが、アルカイダ工作員を匿い、軍の資金を回していた罪に問われる模様。また2人目の容疑者、Major Attaは、自分の先輩に対して行動することを拒んだために、逮捕された。

逮捕された軍高官に対する捜査の結果、Colonel Abbassiは2人のテロリスト(うち1人は外国人)を匿い、資金を提供したことが明るみに出た。コハートで逮捕された2人目のMajor Attaは、先輩のColonel Abbassiに対して行動するよう命令されたにもかかわらず、これを実行しなかった罪に問われている。

Colonel Abbassiは、テロ容疑者が彼に電話をかけてきて、数日間2人の人間がColonel Abbassiのもとに滞在してもよいかと尋ねたことから足がついた。アメリカがこの電話を盗聴していた。Inter Services Public RelationsのMaj Gen Shaukat Sultanは、何人かの軍高官が犯罪を犯していることを認めた。「3人ないし4人」と、正確な数を述べることは避けた。

現在わかっていることは、この2人とは別に、これとは全く別のケースで3人目が逮捕されている。彼はKhalid Shaikh Mohammadを匿った罪で問われている、Ahmed Quddus Khanの親戚である。Sultanは、捜査は現在進行中で、「軍の内部の問題」であるために詳細は公表しないという。

Colonel Abbassiは非常に宗教的人間で、ラワルピンディのマリー・ロードの映画館のそばで、「Zikr」セッションを開催している友人を持っていた。アフガニスタンからAbbassiに電話をかけてきたテロリストは、この「Zikr」に属する他のメンバーについて言及。AbbassiはSignals Training Centre in Kohatにいたが、アメリカが盗聴していることを知らなかったはずがないという。「彼はすべての電話やインターネット、地上通信が盗聴されていることを知っていた。彼は相手がテロリストであることを知らずに、客を泊めることに同意したのではないか」とある情報筋はいう。

これらの軍高官の捜査は4ヵ月に及んでいるが、彼らとテロリストの関係は今のところ明らかになってない。Major AttaはColonel Abbassiを逮捕するの拒んだために逮捕された。Abbassiの客についての情報はない。

それにもかかわらず高官たちの逮捕は、パキスタンにおけるアメリカの諜報部の立ち入った、また圧倒的なネットワークの威力によって明るみに出た。政府は、この逮捕はFBIとは関係ないと述べたが、FBIではなく、CIAがこの事件に関わっていたとある情報筋が言う。パキスタンの各都市には、少なくとも24人のCIA要員がいる。衛星電話や地上電話、e-mailやファクス、チャットを傍受している。安全のため、アメリカは数ヵ月でそのメンバーを交代させている。CIAは盗聴のために、US National Security Agencyが開発した「Echelon」を用いる。このシステムを使うと、ほとんどなんでも監視できるが、パキスタンでは地上電話だけは盗聴できない。これをするためには、CIAはパキスタンの協力が必要である。パキスタンは9.11以後、アメリカと情報と諜報を共有することに合意している。

smellgarrOfficers face charges of giving refuge to 'terrorists'
from Absar Alam、ISLAMABAD


■パキスタン、部族民50人を取り締まる[031011 AP]

パキスタン軍は50人の部族民を逮捕し、アルカイダを匿った3人の容疑者を捜索している。Kari Khel族のPayo KhanとZari Gul、Desi Khel族のNoor Islamの3人の長老がアルカイダを匿っていたといわれる。

さらにYar Gul Khel族にも容疑がかかり、5人が逮捕されたという。

「全体責任」といわれる規則にもとづき、パキスタン軍は、法を破った者が属する部族全体を逮捕する権限がある。容疑者が引き渡されるまで、これは続くという。

イスラマバードでは、部族地帯の立法者たちがこの作戦に反対。国会のメンバーのMaulana Abdur Rashidは、「政府がすぐにでも、この作戦を中止することを要求する」と語った。

garrPakistan Arrests 50 Tribesmen in Sweep
By RIAZ KHAN、PESHAWAR


■ワジール族、さらに10人逮捕[031011 Daily Times]

南ワジリスタンの行政官は、さらに10人の部族民を逮捕。3日で52人が逮捕された。Yargulkhel族長Malik Zalam Khanの息子2人も逮捕され、バジョール行政官の兄弟Khanzada Khanも連れて行かれたという。

《AP追記》

Yargulkhel族もアルカイダを匿っていたという情報が入り、この部族から5人が逮捕された。イスラマバードでは、部族地帯出身の議員たちが作戦を非難し、すぐに中止するよう要請した。

rightgarrTen more Waziris arrested
By Iqbal Khattak、PESHAWAR


■FATA議員、政府を警告[031011 The Nation]

連邦政府直轄部族地域Federally Administered Tribal Area(FATA)に属す国会議員が金曜日に、政府がこの地域で行なっている、アルカイダとタリバン残党の掃討作戦について、すぐにでも中止しないと部族民たちから反撃されるだろう、と忠告した。

作戦で逮捕されたのが、アラブ国籍のアルカイダだという主張に反撃し、FATAの下院議員たちは証拠を見せてほしい、と要請した。反対派は、もし部族長たちが政府側に反撃したら、彼らを支持するという。政府側は、パキスタン軍はアメリカの指示に従い、傭兵として使われている非難した。

さらにISIと軍諜報部が、国会議員のMaulana Azam Tariq殺害に加わったとし、国の政策に反対している他の議員たちも、スパイたちから脅迫を受けていると述べた。

南ワジリスタン出身の国会議員Maulana Abdul Malikは、作戦で逮捕されたのはアルカイダやタリバンではないと主張。この地域にはアルカイダはおらず、住民にいやがらせをしているだけと警告した。すぐにでも作戦を中止しないと、住民たちは軍を攻撃するだろうとも。またバジョール行政区出身の議員は、部族民たちは過去においてイギリス軍に抵抗してきた。これからも、自由のために戦い続けると語った。(後略)

MMAのリーダーは、反対派は一丸となって、部族民たちの抵抗運動を支援する。軍は国家のために使う武器であり、帝国主義者たちの言いなりになるべきではないと語った。(後略)

rightgarrFATA legislators warn govt against operation
ISLAMABAD


■カナダ、パキスタン人のアルカイダに対する容疑を取り下げる[031010 Daily Times]

「Project Thread」の一環としてカナダが8月に拘束した21人(内20人がパキスタン人)の弁護士が、アルカイダを援助したという彼らに対するは罪には根拠がなく、告訴すると述べた。21人は入国管理局が拘束し、警察が容疑者たちとアルカイダとの関係を捜査していた。

Royal Canadian Mounted Policeは、彼らが治安を乱そうとしていたのではなく、これは入国管理の問題だと述べた。(後略)

hoonCanada backs away from Qaeda-allegations against Pakistanis
TORONTO(Reuters)


■混乱に向かうアフガニスタン[031010 BBC]

アフガニスタン北部での軍閥同士の戦いは、アフガン暫定政権と国際社会が直面しなければならない、大きな問題を表わす。

《政情不安定なアフガニスタン》

北では軍閥が戦い、南では毎日のようにタリバンが攻撃をしかけてくる。ドラッグ関係の暴力も国中で発生する。NATOの防衛大臣が、アフガニスタンについて話し合うことになっているが、アフガン国内では机上の話し合いではなく、もっと根本的な解決策を考えなければ、90年代のような混沌に再び陥ってしまうだろうという。

《PRT解決策》

治安支援部隊をカブール外に派遣する方法も、検討されている。ほとんどが地方の町の治安の確保に焦点があてられている。これは地方の町に拠点を置く、兵士や開発ワーカーで構成されるProvincial Reconstruction Teams(PRT) のモデルを踏襲する。アメリカ軍がガルデズとクンドゥーズで、イギリス軍がマザリシャリフで、そしてニュージーランド軍がバーミヤンでPRTを行なっている。理論的にPRTの利点は、地域を限定していることだ。その地域に治安をもたらし、その地域のニーズにしたがって、開発ワーカーたちが動く。

《ピンを打つ大ハンマー》

しかし現実的に、PRTは小規模で、限られたガイドラインの中でしか活動できない。つまりPRTの兵士は、派閥間の争い、人権問題、ドラック取り引きに、介入することはできない。また資金も少なく、権限もない。今回のマザリシャリフのケースも同様だ。マザリシャリフにいるたった72人のイギリス兵は、何百人という抵抗分子の戦いを、どうして止められるだろう?

NATOは国連に、クンドゥーズにいるアメリカのPRTとドイツ軍を交代させたいと申し出た。450人の兵士が派遣されるといわれる。あるワーカーによると、「まるでピンを打つ大ハンマーのようだ」という。クンドゥーズは比較的安定している。しかしアフガニスタンの大半は非常に危険な状態だ。カンダハルが最も不安定な状況にあるのに、なぜクンドゥーズに兵を派遣する必要があるのか? なぜもっと地方都市に、例えばヘラート、カンダハル、カラート、ガズニ、マザリシャリフ、シバルガンではないのかと、批判されている。

《ケシ税》

もしこれらの地域に、外見だけでも治安がもたらされれば、周りの道路や町と町をつなぐ幹線道路をパトロールできるようになる。理論上、そこから連なる7つの道も安全になり、通商もスムーズになる。

でも、これはすべてうまくいった場合である。現実は、アフガニスタンの主要な町にさえ、兵士は派遣されそうもないという。さらにたとえ何千という兵士が派遣されたところで、国は安定からはほど遠い。

南部と東部ではほとんど毎日タリバンが攻撃し、ドラッグ商売が国を不安定にする。アヘンを取り扱う地方の軍閥は、「ケシ税」を徴収する。(後略)

hoonAfghanistan's slide towards chaos
By Crispin Thorold、Kabul


■パキスタン、さらに部族民の手入れ[031010 Reuters]

パキスタン軍は金曜日に、タリバンとアルカイダを匿ったとして、別の2つの部族民も逮捕し始めた。

金曜日に地方行政側は、12人の容疑者の引き渡しを要求していた部族の取り締まりを始め、車を押収したり、店舗を封鎖したり、部族のメンバーを逮捕した。今のところ38人が逮捕されたが、15人の容疑者は引き渡されてない。

これまでパキスタン政府は、部族地帯の住民の取り調べに消極的だったが、最近はアメリカから大きな圧力をかけられている。ある政府高官は、アルカイダやタリバンが、この地域からアフガニスタンやバローチスタン南西部に逃げ込んでいると述べた。「外国人たちが移動している、という情報が入ってきている。どこへ行くのだろうか? 今のところわからない」。政府当局は、容疑者が引き渡されるまで、取り締まりを続けるという。

南ワジリスタンの行政官Muhammad Azam Khanは「圧力をかけている」と述べ、必要であるなら、中東や湾岸諸国に出稼ぎに行っている部族民たちも、国際手配を行なうと付け加えた。

地元民によると、水曜日に取り締まられた部族たちは、政府に協力することを拒んだという。部族民たちは容疑者を探し出すことができず、時間がかかると言っているようだ。「我々は非常に保守的な社会だ。部族民たちは政府に協力せず、真のムジャヒジィンと信じる者たちを引き渡すことを拒否している」と、ある部族民が電話で語った。

hoonPakistan sweeps on more tribes sheltering al Qaeda
PESHAWAR


■アメリカ、ワナの作戦を録画する[031010 Daily Times]

アメリカは、去年の6月、南ワジリスタンのAzam Warsak地域でパキスタン軍が行なった作戦を、録画していた。アメリカは衛星を用いて録画を撮り、テープに編集、パキスタン軍に公開した。去年の6月、Azam Warsakで軍はアルカイダ容疑者たちと戦い、10人のjawanと高官1人を失った。

南ワジリスタンのワナでこれを見たある高官は「信じられなかった。でもこんなすごいテクノロジーを持っているのなら、なんで彼らはビンラディンを見つけ出せないのか」と尋ねた。彼が言うには、当時の様子が全くそのまま再生されたという。「パキスタン軍の准将が、なんで軍とアルカイダが戦っているときに私が走っているのかと、尋ねた。生きていて幸運だったと言われた。本当に生きていて幸せだ。Azam Warsakの作戦後の私の人生は、神によって与えられたボーナスみたいなものだ。衛星から撮られた映像は、すべてが想像を絶するほど明確だった」。「あんなテクノロジーを持っているアメリカさえ、ビンラディンの居場所がわからないというのに、設備もテクノロジーもない我々に、どうやってそれを突き止めろというのだろう」。(後略)

ohUS films Wana military operations
By Iqbal Khattak、PESHAWAR


■ワジリスタンでさらに10人逮捕[031010 Daily Times]

パキスタン軍は、アルカイダを匿ったとされる3人の容疑者を拒否している部族民を、さらに10人逮捕した。これまで逮捕されたのは、全部で42人になる。

ワナの行政官Anwar Ali Shahが『Daily Times』に電話で、「さらに10人を逮捕し、ZalikhelとKarikhel族が運営する18店舗を封鎖した」。「Ahmedzai Wazir族とKarihelとZalikhel枝族の車を20台押収、何百という店舗、ガソリンスタンド、ホテルを封鎖した。もし3人を引き渡さなければ、彼らの家も破壊する」。「犯罪者を匿った場合、家を取り壊す」と決められている、7つの部族地帯に適用される法的措置Frontier Crimes Regulationを引用した。

ohTen more held in Waziristan
By Iqbal Khattak、PESHAWAR


■アフガン軍閥、和解する[031009 AP]

マザリシャリフでライバル関係にある軍閥の衝突は、一応和解に向かい、48時間以内に戦車や武器を引き上げることにしたという。しかし両陣とも停戦を約束しているにもかかわらず、果たしてこれが実現するか、まだわからない状態だ。

モハメッド・アタとドスタムは両方ともカルザイ政権には忠誠を誓っているが、今回の両者の戦いは、最近のものでは最も激しかった。アタの方は、60人以上が殺されたと主張している。

アタは、すぐに停戦に入り、両陣とも48時間以内にすべての武器を基地に戻す、と語った。「停戦は続くだろう」という。ドスタムの司令官Gen. Majid Roziも停戦を確認し、武器を引き上げ始めたと述べた。

停戦の合意は、アフガン内務大臣Ali Ahmad Jalaliとイギリス大使Ron Nashが調停役となり、実現した。戦いになった原因ははっきりしないが、土地か水路をめぐる紛争ではないかという。この2年間、この問題を巡って、何度も小競り合いが続いていた。住民は停戦に懐疑的で、すぐにまた戦いは始まるのではないかと、恐れている。(後略)

garrAfghans Sign Truce After Scores Killed
By AMIR SHAH、MAZAR-E-SHARIF


■タリバン、アフガニスタン南部で人気[031009 Daily Times]

タリバンは、アフガン南部のザーブルで人気がある。州都のQalatの政府関係者さえ、抵抗分子の存在に目をつむらなければならない。

ザーブルは、表向きには平和だ。「8月末に米軍がダイチョパンでタリバンを攻撃してから、すべてが平和になった」と、州知事Affizulah Akimは語る。「ダイチョパンの部族リーダーたちは、これからはタリバンの味方をしないと約束した。すべての地域が、政府の支配下に入った」と、2ヵ月前に着任したAkim知事は語る。「タリバンに寛容な政府代表が何人かいたが、彼らは排除され、すべてが元どおりになった」。

パシュトゥン族が住むザーブルは、これまで伝統的にイスラム過激派の拠点だった。今は、パキスタンから入ってくるタリバンの中継点である。政府関係者たちは、Qalatから外に出ようとはしない。AFPの記者も、町の外に出ることを禁じられた。「盗賊がいて危険だ」と警察長のMohammad Yakubは言う。「政府関係者は、この町を支配できてない。他の町がどのようだか、想像できるだろう」と、お茶屋(チャイハナ)の店主。道行く人々は、皆タリバンのトレードマークの黒いターバンを巻く。「Qualatの外の武器を持った男たちは、皆タリバンだ。ザーブルでは、人々は誰でもタリバンが好きだ。山にはタリバンがそこいら中にいる」。

地元民は皆、同じ意見だ。「孤立した政府軍は、タリバンに気が付いてない。どちらにしても、何もできやしない。タリバンはとても強い」とトラック運転手。「政治的譲歩とタリバンが権力に参加しない限り、平和はない。ここは彼らの故郷だから」。警察長官は言う。「ダイチョパンの作戦以前、我々は地方の軍隊をコントロールできなかった。タリバンは自分たちの警察、司法を持ち、地元に支えられた行政を築いた。部族民たちはタリバンに忠実で、政府の命令には逆らった」。「ダイチョパン以後、我々は和解を望み、部族長や長老たちに、自分たちのリーダーを指名するよう、申し出た。そのかわり、政府には協力するよう、取り引きした」という。

治安が悪くなったために、州から引き上げた援助ワーカーが語った。「新しい知事は、他になすすべがない。折り合いをつけ、黙認するしかない。この地域の幹部は、みなタリバンに近く、彼らと取り引きしている」。

ohTaliban maintain popularity in Southern Afghanistan
QALAT(AFP)


■パシュトゥン族の地域でタリバン復活[031009 The Nation]

アーミテージは10月5日にカブールに飛び、最近のタリバン攻撃は、彼らが絶望的になっている結果だと、自信満々だった。しかしクエッタでは、何千人というタリバンがモスクやマドラッサで生活し、パキスタンの過激派に援助され、こちらも自信満々だ。「操り人形カルザイの政権は、崩壊寸前だ。アメリカは、アフガニスタンから逃げ帰る」とクエッタにいるタリバンのムラー(聖職者)。バローチスタン情報大臣でイスラム神学者協会のMaulana Hafiz Hussain Sharodiはつけ加える。「カルザイは終わった。タリバンだけが、アフガニスタンで真の政府を築ける」。

アメリカとNATOは、治安支援部隊をカブール外にも派遣することにした。しかし、大きな難問に立ち向かう。カンダハル知事のYousuf Pashtunは、「我々はパキスタンの政策に、ほとほと困っている。アメリカは、パキスタンがタリバンを支持していることを黙認することで、アフガニスタンを不安定にしたいのだろうか」と尋ねる。アフガニスタンを安全にすることは、パキスタンとムシャラフを不安定にすることなのだ。

カンダハルの欧米とアフガン諜報部高官たちは、パキスタン諜報部が再びタリバンを援助し始めたと非難するが、パキスタンはこれを否定する。しかしムシャラフと軍が、アフガン人パシュトゥンに影響力を持ちたがっていいることは確かで、そのためにはタリバンと協力するしか方法がない。パキスタンはカブールにおけるインドの影響力にも対抗し、北部同盟を牽制したい。もしアーミテージのように、これらの現状に目を背けるのなら、アフガンやパキスタンは再び混乱するのは目に見えている。

ブリュッセルにあるNATO本部も、パキスタンの政策を懸念する。NATOはタリバンからの攻撃に、さらされるからだ。カルザイ大統領は、パキスタンを強く非難する。アフガンのリーダーたちは、ワシントンがパキスタンを黙認しているのは、アメリカの陰謀であり、ブッシュ政権はアフガニスタンのパシュトゥン族地域をパキスタンに手渡そうとしている、と見る。これは考えすぎではあるが、ブッシュ政権は国会や米軍から、パキスタンにおけるタリバンの活動を取り締まるよう、圧力をかけられている。

アフガニスタンにいる米軍高官は、腹立たしそうに言う。「パキスタン軍は国境にチェックポストを設営し、そこから手を振ってタリバンをパキスタン側に招き、再び手を振ってアフガニスタンに送り出すのを見る。ワシントンはなんとかしないのか?」。ワシントンはパキスタン軍を取り締まりたいが、パキスタン軍がイラクに9000人を派兵することも、望んでいる。さらに来年のアメリカの総選挙の前に、ビンラディンをなんとか捕らえたい。いっぽう、ムシャラフは際どい作戦をしている。アメリカの批判を受けない、ぎりぎりのことだけをしているのだ。南ワジリスタンの作戦が、良い例だ。

しかしクエッタにはタリバンがいることは、事実だ。車輌ディーラーは、タリバンが900台のバイクをクエッタで購入、Loralaiでは250台購入したという。タリバンのお気に入りはHonda125で、これはタリバンの移動性の象徴ともなっている。資金はドラック商売やアルカイダからタリバンに流れ込む。

カンダハルの諜報部は、タリバンは冬の到来の前に、2500人の戦士を小さなグループに分け、カンダハルに送り込もうとしているという。クエッタからチャマンを越えてザーブル州に入り、そこからQila SaifullahとLoralaiを経て、Zhobからパクティカに入る。全部が、クエッタの北部に位置する。タリバンの次の攻撃は、南部の都市に広がるだろうと予測されている。

タリバンのリーダーたちは、家族とともに公然とクエッタで生活している。9月の下旬に、タリバン警察司令官のムラー・ダドゥッラーは、クエッタ付近の村で開催された結婚式に参加した。ダドゥッラーはイスラム神学者協会(JUI)やアルカイダと共謀して、バーミヤンの大仏を破壊した人物だ。赤十字職員の殺害を命令したのも彼だ。JUIが、タリバンを支援する。JUIのリーダーMaulana Nur Mohammedが運営するShaldaraマドラッサがタリバンの本部になっている、とカルザイは指摘したが、逆にMaulana Nur Mohammedは「我々の使命は、パキスタン全土がタリバンを支持するよう、働きかけることだ」と述べた。

タリバンを止める措置はない。クエッタからチャマンの間には12のチェックポストがあるが、どれも役たたずだ。国境に向かう車は、全くチェックされない。逆にアフガニスタンから来る車は、密輸品がないかどうか徹底的に調べられる。タクシーやトラック運転手は、チェックポストに来るたびに嫌がらせを受けるため、怒っている。「まったくマンガのようだ。タリバンがクエッタでぬくぬくしているのに、なんでこんなものが必要なんだ」とあるタクシー運転手。

しかし、全てをパキスタンのせいにするカルザイも、公平ではない。自身がパシュトゥン族であるカルザイは、この2年間、南部のパシュトゥンたちの支持を得ることに失敗している。部族のリーダーたちは、カルザイを北部同盟たちに囚われ、無力だと評価する。ほとんどのパシュトゥン族は、カブールの権力組織から隔たりを感じ、評判は良くないが再建計画を崩壊させる能力をもつタリバンと、前国王ザヒール・シャーが率いる君主制を受け入れようという欲望との間で、板挟みになっている。これらは、過去へのノスタルジアかもしれない。憲法草案を話し合うロヤジルガが、12月に予定されているが、550人のメンバーのうち100人のパシュトゥン族が、これをボイコットする可能性があるという。新憲法は大統領制を強く打ち出しており、国王には象徴的な役割しか与えてないからだ。さらに次期選挙で、北部同盟がカルザイを支持しないかもしれない、という憶測も流れてきた。これらの動きは、再び民族間の対立を生み出す怖れがある。

カルザイ自身も、このような状況では来年の選挙を延期せざるを得ないかもしれない、と忠告している。しかしブッシュ政権は、なんとしてでもいくつかの選挙を実現させ、対テロ戦争に勝利している印象を与え、アメリカでの総選挙に望みたい考えだ。アメリカは国連に、大統領選挙だけでも実施するよう、要請している。アーミテージはカルザイ大統領に、20億ドルの援助を約束した。しかし、パキスタンに支援されたタリバン、軍閥、ドラッグ商売、北部同盟の君臨を抑圧する戦略を持たない国に金を捨てても、そこから得るものは何もない。

rightrightResurgence of Taliban in Pashtun areas
Ahmed Rashid in Brussels, Quetta and Kandahar


■部族民を捜査し始める[031008 Dawn]

南ワジリスタンで、Zalikhel-Qarikhel部族の3人が、アルカイダとタリバンを匿っていたとされるが、引き渡しの期限が過ぎた水曜日、政府関係者は捜索を開始した。政府は、容疑者はアメリカには引き渡さないと、部族民たちに約束した。

南ワジリスタンの行政官Mohammad Azam Khanが、電話で『Dawn』に「取り締まりが始まった」と述べた。容疑者の属する部族のメンバーを逮捕し、店を封鎖し、バイクや車輌を押収した。3人が引き渡されないことの処置として、今のところ32人のZalikhel-Qarikhel部族が逮捕され、車輌20台が押収され、経済制裁の一環として、財産が法的に封鎖された。部族民たちは、3人はどこかに隠れてしまったという。

Azam Khanは、「容疑者はアメリカに引き渡すことはなく、パキスタンで、パキスタンの法のもとで裁かれることを、保証した。彼らは満足し、協力するようだ。容疑者を引き渡すだろうと見ている」という。また行政側は、この3人のほかに別の12人の容疑者を特定し、この引き渡しも要求している。12人に関しては、金曜日が最終期限だと述べた。

さまざまな部族が、この状況を話し合うためにジルガを開いているという。「自分たちの置かれた状況を考えようとしているようだ。政府に協力しようとし始めているが、私は猶予を与えるつもりはない。アルカイダを匿わないという、取り引きを守らなかったからだ。私の仕事は政府の令状を強制することで、それをするつもりだ」とAzam Khanは述べた。

hoonCrackdown launched as tribesmen seek time
By Ismail Khan、PESHAWAR


■アフガン軍閥が衝突、60人死亡[031008 AP]

マザリシャリフの北部で、強力な軍閥であるドスタムとモハメッド・アタが衝突。60人が死亡し、何十人もが負傷したという。この衝突は、カブールで、アフガニスタンと国連が軍閥たちの非武装化についての合意にサインをした直後に発生した。

garrAfghan Militia Fighting Kills 60
By AMIR SHAH、KABUL


■タリバン大臣釈放情報、混乱[031008 Reuters]

カルザイ大統領とアメリカ高官が水曜日に、タリバンの前外務大臣、ムタワキル氏の釈放を否定した。しかしアフガニスタン南部のアフガン外務省高官は、釈放されたという最初の情報を撤回せず、「時間とともに、釈放されたことがわかる」と述べた。

カルザイ大統領は、アメリカ特使のZalmay Khalilzadとともに会見を行ない、「全く根拠がない。釈放されてない」と語った。Khalilzadも「まだ釈放されてない」と述べた。

これに先立ちアフガン外務省高官は、ムタワキル氏はバグラム米軍基地から釈放され、カンダハルにいるタリバンと米軍との架け橋をしていると述べた。ムタワキル氏と親しい友人も、彼が4日前に釈放され、「カンダハルの家族とともにいる。私自身、彼と電話で話した」と語っていた。いっぽう『ロイター』がカンダハルにいるムタワキル氏の親戚の家を訪れると、彼らは氏の釈放について何も知らなかった。

イスラム過激派のスポークスマン、Mullah Abdul Samadは『ロイター』に、ムタワキルは水曜日にタリバンと接触し、「秘密の会議」を開いたと述べた。穏健派といわれるムタワキルは、「アメリカのために」タリバンと折衝をしているという。米軍スポークスマンColonel Rodney Davisはコメントを拒否し、これはアフガン政府の問題であるとした。この発言は、氏がもはやアメリカに拘束されてないことを意味するともとれる。Davisは、FBIが「反同盟軍の要員」と会ったというレポートは読んだが、事実は確認できてないという。

何人かのタリバン高官が『ロイター』に語ったところによると、タリバンの前内務大臣のMullah Abdul Razzakが、オマール師の了解を得ず会談を行なったという情報がある、と述べた。

最高裁判官のMawlavi Fazi Hadi Shinwariが『ロイター』に語ったところによると、政府は「ムスリムの血で汚れてない」タリバンに対して、交渉の扉を開いているという。カブールは話し合いを望んでいる30人のタリバンのリストを受け取っており、前副法務大臣のMawlavi Jalaluddin Shinwariがカブールと話し合いの機会をもち、その後、新政府に参加したという。アナリストによると、穏健派タリバンに対して扉を開くことで、カルザイはアフガン南部の抵抗分子から協力を得ようとしているという。

いっぽうアメリカは、タリバンやアルカイダとの戦いに費やす資金を減らし、国の再建に回そうとしているが、南部におけるタリバンゲリラがこれを阻んでいる。そしてタリバン側もここのところ、米軍主導の軍との戦いで、打撃を受けている。

smellsmellConfusion surrounds ex-Taliban minister's release
By Frankie Fathers and Saeed Ali Achakzai、KABUL/SPIN BOLDAK


■パキスタン軍、アルカイダを匿った部族を急襲[031008 Reuters]

水曜日にパキスタン軍は、南ワジリスタンでタリバンとアルカイダを匿ったとされる部族民たちの家宅捜査を実施した。

政府関係者は、アルカイダを匿った3人の男たちを捜索。Zalikhel-Qarikhel族のリーダーたちに火曜日まで期限を設け、男たちの引き渡しを要請していた。期限が過ぎると、準正規軍が部族民を逮捕しはじめ、店を封鎖し、交通を遮断しはじめた。「我々は3日の猶予を与えた。期限は過ぎた」とワナの副行政官のSyed Anwar Shahが『ロイター』に語った。「部族民たちは容疑者の引き渡しができないという。隠れてしまったという」とつけ加えた。

州政府は、部族長たちは「外部の者」を匿わない、という取り決めに反したという。パキスタンの部族地域では、部族民が法を犯した場合、それぞれの方法で罰せられるという。政府はすでに、国境付近にある3人の容疑者の家を取り壊した。

住民たちは、先週のAngor Addaでの作戦が、地元の人々の怒りをかっているという。「人々は、アラブ人ムジャヒディンの殺害や地元民の逮捕を、快く思ってない」と地元のジャーナリスト。Shahは、憤慨は「当然」と語ったが、抵抗されることはないだろうと述べた。「彼らは守りに入っている。我々はZalikhel-Qarikhel族を大量に逮捕する。これは部族民たちに容疑者を引き渡すための圧力だ」。

garrPakistan forces swoop on tribe sheltering al Qaeda
PESHAWAR


■ムシャラフの政治の矛盾[031008 Reuters]

今週起こった過激派の暗殺事件は、スンナ派とシーア派の抗争を激化させる可能性がある。さらにこの事件で、ムシャラフのイスラム過激派に対する対策の矛盾も、浮き彫りになった。

ムシャラフ自身は穏健なイスラム教徒で、過激派の敵であることを打ち出してきた。しかし自分の支配を正当化するために、宗教過激派を優遇し、国会での支持を得ようとしてきたことも事実だ。「軍事政府は政権の正当性に注目ばかりし、政権の存続は宗教政党の支持如何による。どうやって正当性を打ち立ててくれる者を、取り締まれるだろうか」と、ブリュッセルのシンクタンクのSamina Ahmedは語る。

暗殺されたAzam Tariqは国会議員で、刑務所から釈放されてからは、親ムシャラフ政権支持者となった。ムシャラフは欧米からは、米主導の「テロとの戦争」の協力者として支持されているが、隣国からは過激派とリンクを持ち、「国境をまたぐテロリズム」を支持していると非難されている。2002年1月に、暗殺されたTariqが率いるSunni group、 Sipah-e-Sahaba Pakistan(SSP)をはじめ、5つの過激派の活動を禁止させた。何千という容疑者が摘発され、刑務所に入れられた者もいる。去年、キリスト教徒や欧米を攻撃対象としたいくつかの事件はあったが、カラチで主要なリーダーが自爆してからは、過激派の活動は少し下火になったかのように見えた。

しかしムシャラフは過激派に対して、充分対処してない。例えばSSPは名前を変えて蘇った。Tariqは刑務所の中から国会での議席を勝ち取った。そしてシーア派を攻撃するスピーチを公然と行なう。彼は明らかに、シーア派から復讐されたといえよう。

無血クーデターで権力の座についたムシャラフは、パキスタンの経済を改善し、欧米の協力者にもなった。しかし去年の国会の選挙で、勢力のある政党を封じ込めることで、宗教的右派に場所を与えてしまった。

宗教政党は今年になって国会の機能を停止させ、ムシャラフがアメリカと協力することを非難し続ける。同時に、大統領の権力を奪うことになる、憲法改革を要求している。先週ムシャラフは、パキスタンの宗教過激派の脅威を警告し、一掃を誓った。しかし彼の言葉はむなしく響いく。「彼は内部にいる敵について語った。しかし同時に、彼は敵の代表たちと交渉しているのだ。矛盾がありすぎる」。インドとアフガニスタンは、パキスタン軍が過激派とリンクを持ち、いまだにゲリラたちを送り込んでいると非難。ムシャラフは強くこれを否定する。国内と海外の圧力の間で、なんとかバランスをとろうとしている。

パキスタン人の大多数は、今までの汚職や腐敗に満ちた大統領よりも、ムシャラフを好む。しかし軍事政権特有の矛盾が、支持者たちをいらだたせる。彼の生命も脅かされている。「なんとか渡り綱を乗り切ろうとする彼の能力は買うべきだ。しかし渡り綱がありすぎる」と、ある外交官が語った。

rightSlaying underlines contradictions in Musharraf rule
By Simon Denyer、ISLAMABAD


■タリバン戦士、国境の攻撃準備[031008 Daily Telegraph]

タリバンは冬になる前にアフガニスタンを攻撃しようと、パキスタンで準備を進めている。バローチスタン州では2500人の戦士が準備を始めていると、欧米とアフガン人諜報部員が語る。タリバンは、クエッタのいくつかの郊外の村を支配下に置いているという。今彼らは、カンダハルとザーブルにいる米軍を攻撃しようとしている。

クエッタのPushtunabadで夕方の祈りが済むと、何千人というアフガン人とパキスタン人のタリバンが、モスクやマドラッサから出てきて道にあふれ出る。「我々は米軍とその操り人形を追っている。すぐに崩壊させる」と、Pushtunabadのバザールにいたタリバンのムラー(聖職者)が語った。

タリバンたちはホテルや店や家を買い取り、地元の住民を追い払った。車輌ディーラーによると、タリバンはこの3ヵ月間で900台のバイクをクエッタで購入。Loralaiでは250台購入したという。バイク・ゲリラたちがアフガニスタンの地方に繰り出し、援助団体の車輌や孤立した警察の詰め所を攻撃している。ディーラーたちは、タリバンはバイクを一度にたくさん購入し、許可書などの手続きは要求しないという。彼らが好むのはHONDA 125。

さらに通信用のために、何百という衛星電話を湾岸地方から輸入している。パキスタンで購入したものは、アメリカの諜報部で盗聴されてしまうからだ。武器はアフガニスタンに隠されている。

タリバンは、ヘロインの売買にもかかわっている。これで約7億稼いだ。これは、アフガニスタンの再建のためにかかった費用と同額。そしてイスラム神学者協会Jamiat-e-Ullema Islam(JUI) が彼らを支援している。

最近カルザイ大統領はJUIのムラーやパキスタン軍に、クエッタのタリバンを支援しないよう、要請した。しかし、これはJUIを怒らせただけだった。「アフガン政府とカルザイは、アメリカの人形だ。すべてのイスラム教徒とアフガン人は、これを知っている」とバローチスタン州情報大臣のMaulana Hafiz Hussain Sharodi。「タリバンだけがアフガニスタン政府を作ることができる」。

カルザイ大統領によると、タリバンはJUIの国会議員Maulana Nur Mohammedが運営するクエッタのShaldaraモスクに集まり、計画を練っているという。「我々はタリバンがここで形成され、ここで支援されていることを誇りに思う。我々の仕事は、パキスタン全土がタリバンを支持するよう仕向けることだ」とNur Mohammed。何百というパキスタン人タリバンが、アフガンの兄弟たちに協力している。それでもパキスタンは、まだこれを否定する。

アメリカ高官たちは、パキスタンがいかにタリバンを援助しているか、その規模に唖然としている。国会はパキスタンに批判的になってきているが、今のところ、ホワイトハウスはまだムシャラフを非難してない。ホワイトハウスは、パキスタンがイラクに派兵することを期待しているからだ。

クエッタからカンダハルは、80マイルだ。カンダハルの郊外で活動していた欧米援助団体は、活動を停止した。タリバンにより、2人のアフガン人援助ワーカーが殺害され、地雷撤去をしていたエンジニアが負傷した。カンダハル知事のYousuf Pashtunは、パキスタンは6つのタリバン訓練所をバローチスタンに作ることを許したと非難する。パキスタン政府は「タリバンが政府軍と新たな戦いを起こすことを後押し」ていると訴え、次の局面では「タリバンは都市でテロをはじめる」のではないかと恐れている。

garrohTaliban mounted militia prepares for border strike
By Ahmed Rashid、Kandahar


■シーア派の警告[031008 Asia Times]

シーア派が怒ると、パキスタン軍もISIも恐れをなす。88年のことを思い出すからだ。北部地域でパキスタン軍に押え込まれたシーア派が反逆したとき、パキスタン軍はビンラディンをギルギットに送り込み、シーア派を制圧させた。彼らは、何百人ものシーア派を虐殺した。その結果怒ったシーア派が、88年のジア・ウル・ハク大統領の飛行機事故を企てたとのではないかといわれる。さらにハク大統領と近い関係にあり、シーア派指導者殺害を計画したといわれるLieutenant-General Fazle Haqを暗殺した。パキスタン軍はハクの飛行機事故の真相を発表してないが、同機に搭乗していたギルギット出身のシーア派飛行士の仕業と一般には考えられている。

ビンラディンがシーア派を虐殺したあと、ISIは北部地域の周囲に鉄のカーテンを張り巡らせた。したがって、ドーン紙の月刊誌『ヘラルド』が90年6月号でそのカーテンを突破するまで、世界はこの事件を知ることがなかった。これは、あるISI要員がリークしたスクープだった。ISIは当時、Zulfiquar Ali Bhuttoに近く、Benazir BhuttoによってISIを改革するために引き抜かれたMajor-General Kallueに率いられていた。

『ヘラルド』は次のように書いた。「88年6月に、何千という武器を持った部族民たちがギルギットに入ってきて、政治的・宗教的対立を引き起こした。彼らを止められる者は、誰もいなかった。穀物や家を破壊し、ギルギット周辺の村人を焼き殺した。死亡者や負傷者は何百人もにのぼる。しかし数字だけ語っても、彼らの行なった虐殺の恐ろしさは、語ることができない」。

今、パキスタンのシーア派は再び怒っている。反シーア派の過激派Sipah-e-Sahaba Pakistan(SSP)のリーダー、Maulana Azam Tariqが暗殺された。Maulana Azam Tariqに対しての恨みは、数え切れない。9.11以前のアフガニスタンで、何百人ものシーア派ハザラ族を虐殺。ビンラディンと国際イスラム戦線に協力。カラチでシーア派の医者や知識人を数十人殺害。カラチ在住のギルギット人の虐殺、今年になってからはバローチスタンのハザラ族シーア派を虐殺。(中略)カラチのシーア派たちは、シーア派がビンラディン、アルカイダ、国際イスラム戦線のメンバーをFBIに売っているとSSPに疑われている、とみる。

ISIも軍も、シーア派に対してテロを実行した犯人について黙秘しているが、カラチの警察高官は、SSPの武装部門であるLashkar-e-Jhangvi(LEJ)、Harkat-ul-Mujahideen al-Alami(HUM-AA) 、Harkat-ul- Jihad-al-Islami(HUJI)が「313」と呼ばれる新たな組織を作り、国際イスラム戦線のために活動しているという。今のところシーア派だけをターゲットとしているが、今後は欧米人たちも狙うことになるという。

Azam Tariq暗殺犯人の正体は、まだわからない。しかしまだはっきり全貌はつかめてないが、新しく組織されたと思われる、シーア派過激派の犯行の可能性がある。シーア派は、ムシャラフに対しても恨みを持つ。ムシャラフは2001年8月にSSPとともに、シーア派過激組織Tehriq-e-Jaffria Pakistan(TEJ)の活動も禁止した。さらに2002年1月にはLEJとともに、TEJの武装部門Sipah Mohammadも禁止した。シーア派は、自分たちは厳しく取り締まられているものの、SSPやLEJに対する取り締まりは甘いと不満を持っている。驚くべきことに、ムシャラフは去年の10月に、それまでテロ容疑で拘束されていたAzam Tariqの告訴を取りさげ、釈放している。その結果、彼は国会議員となった。Azam TariqはSSPと関りがあることを否定し、Millat-e-Islamia Pakistanという新しい組織を作ったが、シーア派たちはこれはSSPが名前を変えたに過ぎず、Azam Tariqは国会議員を隠れ蓑に、いまだにSSPとLEJを指示していると信じる。

シーア派の怒りは軍にも向けられているだろうか? 今のところは、まだ。しかし、注意深く見守る必要がある。

garrgarrShi'ite warning shot in Pakistan
By B Raman


■実体がなく、外見ばかりの戦争[031008 Asia Times]

アメリカはアフガニスタンに秩序をもたらそうとしているが、なかなかうまくいかない。

パキスタンの国境の村、Angoor Addaでの作戦は、前例のない試みだったといえよう。パキスタン軍は、南ワジリスタンの連邦自治区(Federally Administered Tribal Areas)で、FBIの指図のもとに作戦を実施した。さまざまな情報が出回ったが、そこで殺されたり逮捕されたのはアラブ人ではなく、ウズベクやアフガン人、地元パキスタン人だった。これらは、アフガニスタンからパキスタンに逃げてきた、タリバンやアルカイダの「歩兵」に過ぎない。

この作戦の直後、再びFBIの指図に従い、今度は北部パキスタンのディアミール地方で別の作戦が展開された。『Asia Times』の情報源によると、武装したパキスタン軍が作戦を遂行したが、発見したものは、カシミールの過激派組織Harkatul Ansarが使用していたと思われる、空き家だった。

パキスタンを最近訪れたアーミテージは、パキスタンの行動を賞賛。(中略)しかし現実的にみて、どちらの作戦からも本質的な結果は何も出てない。アメリカはいまだに、アフガニスタンで右往左往している(中略)。

いっぽう、Hizb-e-Islami Afghanistan(HIA)のヘクマチアルは、新たな戦略を打ち出した。HIAは、戦いはアフガン人に対して行なうのではなく、アフガニスタンから外国勢を追い払うものだという声明を発表。この新たな政策を掲げ、HIAはジャララバード、ソロビ、ローガル、クナールなど、アフガニスタン東部の地元司令官たちと停戦を結んだ。停戦を実施したことで、ヘクマチアルは人気を上げている。特に、北部同盟支配を快く思ってないパシュトゥン族の支持を得た。これらの、ある意味でのナショナリストたちによって、抵抗分子たちを支えるよう、部族地帯のパシュトゥン族支配者たちはけしかけられているといえよう。

アメリカに支持されたカルザイと、ロシア・イラン・インドに支持された北部同盟がカブールで勢力争いをしているが、伝統的には北部同盟の領土であるアフガニスタンの北部では、抵抗分子を根づかせるもうひとつ別の要因がある。最近頻発するバグラム空軍基地への攻撃は、これを証明するといえよう。そして例えばJaishul Muslimのように、「穏健派」タリバンをアフガン政府内に招き入れようとアメリカが努力しても、オマール師抜きでは、これは実現できないといえる。

しかしアメリカは、「タリバン」路線に期待をかけているようだ。前タリバン大臣のMullah Abdul Wakeel Mutawakilが、オマール師とコンタクトをとるために釈放されたという。南ワジリスタンやディアミールでの作戦やタリバンとの取り引きなど、アメリカはなんとか「面子」を保ったまま、アフガニスタンから脱出するための最終段階に差しかかっているといえる。

ohA war short on substance, long on form
By Syed Saleem Shahzad、KARACHI


■アルカイダを匿った部族民、引き渡されず[031008 Daily Times]

南ワジリスタンでアルカイダを匿った部族民を、政府に引き渡すことはできないと、部族民。軍はワジリスタンでのアルカイダとタリバン掃討作戦で、4軒のZalikhel族の家から抵抗分子を逮捕したと主張していた。

ワナの行政官は部族長たちに、抵抗分子を匿っていた部族民の引き渡しの期限を月曜日としていた。行政官が『Daily Times』に電話で語ったところによると、Zalikhel族は「お尋ね者たちに投降を説得できない」と言っているという。部族民たちは2002年5月に、アルカイダやタリバンを匿わないという取り決めを行政区と取り交わしていた。取り決めを破った場合、罰則を受けることになり、その部族の内から誰かが逮捕される可能性がある。「いつでもこの罰則を受けることになる」と高官が警告した。

ワナの部族長が『Daily Times』に語ったところによると、Zalkihelの枝族のUtmankhelがお尋ね者を説得したという。しかし別の枝族のYargulkhelが、この男の引き渡しを妨害。したがって、Zalikhelの長老たちは罰則を受けることにしたという。しかし別の長老Khanzadaは行政官に、投降を説得するために、10月9日まで行動を起こさないよう要請したという。しかし今のところ行政側は、何の返答も行なっていない。

いっぽう2人の軍高官が、状況収集のためにワナを訪れた。

rightTribals wanted for harbouring Qaeda militants not handed over
By Iqbal Khattak、PESHAWAR


■アフガンの米主導政府、「汚れていないタリバン」と接触[031007 Dawn]

アフガニスタンの米主導政府は、アフガンの裁判長によると「公明正大なタリバン」と接触しているという。「無実な者の血で染まってないタリバンと接触するたとが、カルザイの政策だ」と述べた。

ohAfghanistan's U.S backed government has contact with "clean" Taliban
ISLAMABAD、(DPA)


■前タリバン大臣「釈放」[031007 BBC]

前タリバン外務大臣のWakil Ahmad Mutawakilがバグラムにある米軍基地から釈放され、カンダハルに帰ったという。

パキスタンでMutawakilを支援する者が匿名で語ったところによると、彼は4日前に釈放され、現在カンダハルの親戚のもとにいるという。タリバン崩壊後米軍に投降し、18ヵ月間拘束されていた。

Mutawakilは、品行方正なタリバンと言われてきた。米軍がアフガニスタンに侵攻する直前、ビンラディンを匿うかどうか、オマール師と意見が対立していたという。米軍がアフガニスタンを攻撃するのを防ぐために、ビンラディンの退去を望んでいた穏健派である。タリバンの外務大臣になる前は、オマール師のスポークスマンと秘書を努めていた。Mutawakilがどういう条件で釈放されたのかは、わかってない。

ohsmellTop ex-Taleban minister 'freed'


■2年経って、アメリカがタリバンの行動に警告[031007 Reuters]

米軍がアフガニスタンに侵攻した2周年に合わせて、アメリカのアフガニスタン特使Zalmay Khalilzadが記者会見を行ない、タリバンがさらに大きな攻撃をかけてくる恐れがあると述べ、ムシャラフ大統領はイスラム過激派を抑えるために、いっそう努力しなければならないと述べた。

Khalilzadは、ここ数週間タリバンの攻撃が続いているが、今のところ、米主導の同盟軍の作戦は効果的のようだと述べた。しかし「タリバンは懸命になっており、もっと大きな攻撃を計画している兆しがある」という。

Khalilzadは治安に関する積極的な展開があったと、治安支援部隊の拡大を指して語ったが、まだ規模があまりにも小さく、また派遣したとしてもすでに遅すぎるという意見もある。

援助団体CAREのPaul O'Brien氏は、「事態は毎日ひどくなる。国際治安協会の反応は悪く、話し合いも行動もほとんどない」。(後略)

hoonTwo years on, U.S. warns of spectacular Taliban acts
By David Brunnstrom、KABUL


■アーミテージ、カンダハルのタリバンと接触[031007 The Nation]

アーミテージが今回のアフガニスタン訪問で、カンダハルにいるタリバンの前外務大臣Wakeel Ahmad Mutawakalに会ったと、ある信頼のおける情報筋が月曜日に語った。アメリカがタリバンと直接接触するのは、初めてである。会見後、Mutawakalはカンダハルの自宅に帰ることを許されたという。

Mutawakalはタリバン崩壊後米軍に投降し、軟禁されていた。彼が家に帰ることを許されたということは、タリバンリーダーとアメリカとの間の橋渡しを行なうのではないかと推察されている。

今のところ、Wakeel Ahmad Mutawakalが釈放されたという情報は、確認できてない。

smellArmitage contacts Taliban in Kandahar
PESHAWAR


■欧米、アフガンで悪戦苦闘して2年[031006 Reuters]

NATOは月曜日に、国際治安支援部隊をカブール以外の場所にも派遣することに同意した。ドイツの案を受け入れ、450人の兵士をクンドゥーズにも派遣するという。(後略)

hoonWestern forces struggle in Afghanistan, 2 years on
By David Brunnstrom、KABUL


■スンナ派政治家、銃殺される[031006 AP]

月曜日に、スンナ派の国会議員Maulana Azam Tariqが、車に乗っていた他の4人とともに銃撃され、死亡した。Maulana Azam Tariqは、活動を禁止されている過激派Sipah-e-Sahabaの長である。

日中、イスラマバード南西の料金所近くを走っていた車にスポーツカーが接近してきて、銃撃を浴びせたという。Tariqが組織している新しい政党Millat-e-Islamiaはすぐに非難声明を発表し、犯人が捕まらなかったら抗議行動に出ると述べた。Tariqと敵対するシーア派過激派Tahrik-e-Nifaz-e-Fiqa-e-Jaaferiaも、非難声明を発表。「パキスタンの平和を望まない者の犯行」と述べた。内務大臣(シーア派)も、事件の徹底解明を要請した。

Tariqは40台半ばの政治家で、2001年に親タリバン運動を起こさないよう、パキスタン政府によって拘束されていた。しかし2002年10月に、刑務所にいながらにして、国会での議席を獲得。その直後ラホール裁判所は、証拠不十分としてTariqを釈放した。Tariqは武器を使用した闘争への支持は否定しているが、Sipah-e-Sahabaはこの数年間で400人のシーア派とキリスト教徒を殺害してきた。このグループは、タリバンとも関係が深い。Tariqは4月に、新しくMillat-e-Islamiaを組織した。釈放後はジャマリ首相を支持していた。

ohsmellSunni Politician Gunned Down in Pakistan
By PAUL HAVEN、ISLAMABAD


■アフガン同盟、混乱か?[031006 AP]

アフガニスタン北部の軍閥たちが、カルザイが海外にいる間に会議を開いたと、国防省のファヒム氏。しかし来年の選挙でカルザイを支持しないことにした、という報道は否定した。

ファヒム氏は、会議では国の現在の政治情勢や治安について話し合い、「次期の大統領候補を誰にするかということについては、話し合わなかった」という。

北部同盟の意見を代弁する週刊紙Payum-i-Majahidの編集長Hafiz Mansourが、北部同盟はカルザイを支持しないことにしたと語っていた。「カルザイ大統領は国の再建に失敗した。北部同盟は次期の選挙で彼を支持しない」と『AP』に述べた。

hoonAfghan Coalition Faces Possible Upheaval
By DANIEL COONEY、KABUL


■タリバン司令官他19人死亡[031006 AP]

月曜日にアフガン高官が、タリバン高官Mullah Abdul Razzaq Hafeesと19人の戦士を殺害したと述べた。Hafeesは10日前にダイチョパン地方で殺されたと、軍司令官Khan Mohammed。米軍スポークスマンは、まだこれを確認してないと述べた。

このほかに、19人のタリバンも殺されたと、隣のウルズガン州知事Jan Mohammed Khanが発表した。戦いは、ダイチョパンと接するウルズガンで起こったという。

米軍は9月18日にはMullah Mohammed Gul Niazi司令官を殺害、その2日後にはタリバン政権時代の警察長官Hafiz Abdul Rahimを殺害している。

hoonTaliban Leader, 19 Fighters Reported Dead
By AMIR SHAH、KABUL


■タリバン最高司令官殺害される[031006 Reuters]

オマール師の側近でタリバン最高司令官の1人、Mullah Abdul Razzaq Nafeesが殺害されたと、アフガン高官が月曜日に発表した。Mullah Abdul Razzaq Nafeesは、6月に結成されたタリバンの10人議会のメンバーである。数日前に確認されたMullah Abdur Rahimの死亡ととともに、タリバンにとっては大きな打撃である。

アフガン軍高官のAbdul Razzaq Achakzaiによると、Nafeesは10日前にウルズガン州中部で展開された、アメリカとアフガン同盟軍との戦いで死亡したという。Nafeesは8月のダイチョパンの戦闘でも、アメリカと戦っていた。「タリバンは弱体化している」とAchakzai。

タリバンの諜報部高官Mullah Abdul Samadは、Nafeesのとはこの2週間、コンタクトがないと述べた。「現時点では生死は確認されてない」と『ロイター』に語った。

hoonTop Taliban commander killed, says Afghan official
SPIN BOLDAK


■Diamerキャンプはアルカイダと関係なし [031006 The News]

パキスタン軍はタンギール谷捜索後も、北部地域のDiamer地方を警戒している。チラスのgovernment Degree College ChilasとGooner police stationに250人のJawansが待機しているという。金曜日に、トラックに武器とJawansを満載したトラックがチラスに入ったという目撃情報もある。

目撃者によると土曜日の作戦で、つい最近まで過激派によって使用されていた訓練所が解体されたという。「もうひとつ別の作戦が現在進んでいるようだ」という情報もある。

《AFP追記》

日曜日に軍スポークスマンが、テロリスト訓練所が解体されたが、アルカイダと関係はなく、宗教過激派のものだと発表した。軍スポークスマンのMajor-General Shaukat SultanがAFPに語ったところによると、キャンプには誰もいなかったので、逮捕者はないという。「この訓練所と関係があるグループについては、今のところ発表することはない。ただ、宗教過激派のようだ」という。

また北部地域のシーア派とスンナ派との間の闘争と関係のあるグループではないかと、北部地域行政官がチラスにいるAFPのレポーターに語った。テログループは、パキスタンとチラスを結ぶカラコルム・ハイウェイを妨害していた。谷全体に非常線が張られ、テロリストの捜索が行なわれているという。

smellDiamer camp not linked to al-Qaeda
GILGIT


■無実の市民が爆撃されたと部族民[031006 Daily Times]

日曜日にアルカイダ掃討作戦で家を破壊された50歳の部族民が『Daily Times』に語ったところによると、イスラマバードの政府関係者はどこにアルカイダが隠れているか知っていたにもかかわらず、「無実な市民を爆撃した」と述べた。

「パキスタン政府は異教徒だ。そうでなければ、軍が我々を爆撃したはずがない。私の息子3人も連れて行かれた」とNawab Khanは怒り狂う。「彼らはアラブ人たちがどこに隠れているか知っているにもかかわらず、逮捕しないのだ」。

Nawab Khanが朝の祈りを終えたと同時に、家がヘリコプターから攻撃されたという。「最初に銃撃されたときに、結婚式かと思った。でも、家が四方八方から攻撃されていた」。Nawab Khanはアルカイダはこの地域にはいないと否定する。

軍に対する怒りは、部族民の間で広がっている。しかし部族のリーダーたちは、軍を表立って非難はしない。しかし若い部族民たちは、気持ちを率直に語る。「このような作戦が続けば、我々はいつか軍を攻撃するかもしれない」とタクシー運転手Wahidullahは言う。彼もアルカイダやタリバンはいないと言うが、部族地帯の人々は信心深いから、タリバンに対して共感は持っていると付け加えた。

hoonInnocent civilians were bombed in anti-terrorist operation, say tribals
By Iqbal Khattak、WANA


Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003.