【2003年11月10日〜11月16日】


■タリバンはますます強く、恐ろしくなり、戻ってきた[031116 Observer]

(前略)先週、タリバンは都市にいる同盟軍たちを攻撃し始めた。以前は辺鄙な土地で、政府のチェックポストを目標にヒット・エンド・ランを繰り返していた。しかし最近になって戦法を変えた。パキスタンとの国境付近にいる武装した車の隊列を狙い、ルーマニア人兵士を殺害。カンダハルやザーブル州の州都、カラートで一連の爆破を続けている。タリバンのリーダーは、2週間前に誘拐したトルコ人技師をいまだに釈放せず、今度は欧米のジャーナリストを誘拐すると、脅かし始めた。

タリバンは、急速に広がり始めた。ザーブル州副知事は、ザーブルのほとんどは、タリバンに支配されているという。オルズガン州のほとんどとカンダハルの半分には、政府の権限はもはや及ばなくなった。

政府に忠実な地域にも、オマール師を支持する人々が多い。カンダハルのMaiwand地方の長のSher Ahmed Hakiyaは語る。「この地域の者は、皆タリバンを支持していた。今は、私に忠実になることを書面で誓ってくれた。だから問題ない」。しかし楽天的な者は少ない。

新しいタリバンは4つのグループに分けられる。まず、2001年の戦いを生き抜き、パキスタンを根拠地としている高官たち。次にアフガニスタン内にいる「戦う」司令官たち。彼らはもう何年間も戦ってきた。なかでも、前タリバン内務大臣、Abdul Razzaqが有名だ。今はSangesarの北の遥か遠くに見える丘から、指令を出している。

3番目のカテゴリーは、タリバンの「旅の仲間たち」である。彼らはそれぞれの理由で政府に対立する、武装した部族集団である。そして最後は筆者がカンダハル刑務所でインタビューしたアブドゥッラーのような、歩兵である。

アブドゥッラーは故郷のヘルマンド州を出て、クエッタに行った。国境を越えるのは、簡単だった。クエッタのマドラッサにいる間、母国でジハードをするよう、聖職者に勧められた。他の2人ととも、タリバンの一団と会い、武器をもらった。「彼らは何でも持っていた。衛星電話でお互い同士や、パキスタンにいる仲間と話していた。鉄砲も、火器類も、何もかも持っていた」。他の囚人たちも同じような話をする。クエッタでカネをもらった者もいる。母国を開放したいと願うもの、宗教的義務だと信じる者。

カンダハル知事のYousuf Pashtunは、「ここで起きている問題の50%だけが、タリバンのせいだ」。「残りの半分は我々が悪い。我々はタリバン運動が起こってしまう、その根本的な原因に対して、何にもしてない。彼らが戻ってきても、驚きではない」という。(中略)

6月に、オマール師は10人議会を開き、南東部を孤立させる作戦を打ち出した。カブールにいる欧米外交官によると、その目的は、地方を不安定にして、再建を遅らせることだ。「もし国の再建を妨げ、地方にその恩恵がいかないようにすれば、地元の人々は失望し、それがタリバン支持につながっていく」。今のところ、この作戦は成功している。南東部はあまりにも危険で、NGOは尻込みをし始めた。

10人議会が組織されてから、タリバンのジハードは向上したと、タリバンの高官のMullah Abdul Raufは電話インタビューで語る。アフガニスタンは、分裂した。カブールでは援助金が行き届き、治安も良くなり、商売も始まった。町は変わった。タリバンの支配下だったころは、道も店も閑散としていた。今、バザールは生き生きしていて、物であふれている。

しかしこの発展は、南東部にはない。カンダハルには、アヘン商売が盛んだ。町はドラッグがあふれている。(後略)

garrStronger and more deadly, the terror of the Taliban is back


■パキスタン、イスラム過激派のリーダーを拘束[031116 Reuters]

パキスタンの警察は、Islami Tehrik-e-PakistanのリーダーSajid Ali Naqviを、一連の過激派の取り締まりで逮捕した。その他にも、全国のモスクや過激派組織の事務所を家宅捜査し、過激派を取り締まった。

Millat-e-Islamia PakistanのリーダーMaulana Mohammad Ahmed Ludhanviは、ムルタンで50人以上の活動家が逮捕されたと語った。

hoonPakistan detains Muslim militant head, dozens more
ISLAMABAD


■パキスタン、改称したイスラム武装組織の活動を禁止する[031115 Reuters]

パキスタン政府は、3つの武装組織、Khudam-ul Islam(前Jaish-e-Mohammad)と、それぞれ改称して活動しているスンナ派過激派Sipah-e-Sahaba Pakistan、シーア派過激派Tehrik-e-Jafria Pakistanの活動を禁止した。また、Lashkar-e-Taibaの活動が禁止される前に結成されたJamaat-ud-Dawaは、監視下に置かれた。

Khudam-ul Islamの事務所はすぐに封鎖され、Bahawalpur市に住むリーダーMaulana Masood Azharの家が家宅捜査されたが、本人は自宅にはいなかった。Maulana Masood Azharは、99年のインド航空ハイジャック事件で人質と交換された、3人のうち1人である。

hoonPakistan bans regrouped Islamic militant groups
ISLAMABAD


■政府、部族民の行動を監視[031115 Daily Times]

政府は、カブール政府高官に会見しに行った部族民たちの活動を、監視しているという。

情報筋が『Daily Times』に語ったところによると、カルザイ政権内の反パキスタン勢力たちが、パキスタンの国境で混乱を起こすよう指図したという。先週政府は、オラクザイ行政区出身の2人の部族民を、「否定できない証拠」を元に逮捕した。カブールやアフガニスタンの国境の地域では、インドがその領事館をとおして、連邦政府直轄自治区地(FATA)で混乱をおこし、イスラマバードを困らせようとしているという。

ペシャワルにいるFATAの警備責任者、Brigadier (r) Mehmood Shah は、「2人の部族民が、アフガン高官と会ったという情報がある。彼らは、アフガン高官と会見する許可を持ってなかった。この会見は、パキスタン国家安全に関わることだと考えられている」という。Shah は今後、部族民がアフガニスタンに行くことを禁止するという。「彼らが親戚に会いに行ったり、アフガンにいる親戚がパキスタンに来ることは知っている。しかし国家安全のために、これらの行動を監視する必要がある」という。

smellGovernment watching tribesmen's activities
By Iqbal Khattak、PESHAWAR


■オマール師の腹心、逮捕[031115 Daily Times]

オマール師の腹心、Abdul Qadirがペシャワルで逮捕されたと、federal security agency。オマール師に非常に近いタリバン高官が逮捕されたのは、初めてである。

hoonMulla Omar's close aide held
PESHAWAR


■アルカイダ掃討作戦[031114 BBC]

アフガニスタンの山岳地帯で、かつてない大きな作戦が実行されている。米軍諜報部は、ヌーリスタンとクナール州にアルカイダと関係がある武装組織が隠れていると信じる。「Operation Mountain Resolve」は、これらの組織とその基地を一掃しようとするものである。戦闘が始まったようだが、敵はすでに逃げ始めたらしい。

「ここはアフガニスタンでも、もっとも厳しい土地だ」と、米軍のMajor Rodney Davisは語る。米軍戦闘機も出動し、地上部隊に先立ち、上空を視察。イランから数機、アフガニスタンに回されてさえいるという。バグラム空港からは毎日のように、ヘリコプターや戦闘機がヌーリスタンに向かっている。

hoonElusive hunt for al-Qaeda
By Frank Gardner


■アフガニスタンで米特殊部隊兵、殺害[031114 Reuters]

米中央司令部は金曜日、アサダバードで米軍の車が爆破され、米特殊部隊兵1人が死亡したと発表。

木曜日には、コーシュトのShaplungで戦闘があり、アフガン軍が4人の武装集団を殺害。残りはパキスタン側に逃走したという。

hoonSpecial ops soldier killed in Afghanistan - U.S.
KABUL


■アフガニスタン:治安がさらに悪化?[031114 Daily Times]

(前略)カルザイ大統領はタリバンの抵抗に苦しんでいるだけでなく、政府の中枢を牛耳っている北部同盟にも悩まされている。穏健派タリバンとの交渉もうまくいってないようだ。アフガニスタンに戻りたいタリバンも、北部同盟の報復を恐れている。ムシャラフの協力も得られない。パキスタンはアフガニスタンがインドと仲良くしていることや、国境問題に不満を持つからだ。第三国が、まだアフガニスタンという美味しいパイに、指を突っ込んでいることを知っている。それでいてイスラマバードは、カルザイが政権に居つづけることを望む。タリバン政権崩壊後、敵の手に渡ったパシュトゥンたちの面倒を見てもらうためだろう。

米軍はタリバンに、米軍を攻撃しなければ停戦することを申し出た。これは、カルザイ大統領が一部のタリバンリーダーたち、おそらくムタワキルと交わした取り引きのひとつだろう。しかしムタワキルとだけ取り引きしても、解決にはつながらない。カルザイは、パキスタンのタリバン政策に満足してない。問題は、アフガニスタンにはそれぞれの野望をもった者が多すぎる、という点だ。例えばインドは、パキスタンがアフガニスタンから出て行くことを望んでいる。しかし地理的、歴史的、戦略的に、これは許されない。

したがって、アメリカはアフガニスタンでの権力争いに、もっと効果的な政策を用いるべきだ。北部同盟の力を弱め、パシュトゥンにも力を与えなければならない。またパキスタンを、舞台後方に押し込めても無駄だということも、認識しなければならない。パキスタンの協力を得るためには、これは重要だ。しかしアメリカは、パキスタンに国境を封鎖させることさえ、できないでいる。南ワジリスタンとモーマンド行政区にパキスタンがチェックポストに設営して以来、両国間で銃撃戦が続いている。

米軍は、軍閥を支援することもやめなければならない。軍閥たちは一般アフガン人たちに、嫌がらせを続けている。タリバン運動が立ち上がったのも、そもそもこの軍閥たちが起こした現象に対抗してであった。タリバンが、バローチスタンで再組織化されているということが事実であろうとなかろうと、彼らがアフガニスタンで支持を得ていなければ、アフガニスタン内で自由に行動することはできないはずだ。ワシントンとカブールはこの現象を注視しなければならない。パンシール出身者たちのために、アフガニスタンを再び混乱させてはならない。

hoonAfghanistan: renewed instability?


■アメリカ機、パキスタンの上空侵害[031114 Daily Times]

木曜日、アメリカのジェット戦闘機2機がパキスタン上空を侵害し、モーマンド行政区に侵入した。目撃者によると、ジェット機はパキスタン領内の上空に数秒留まってから、アフガニスタンに引き返したという。

モーマンド行政政府はこの件に関して、コメントを控えている。

garrAmerican planes enter Pakistan
By Mukaram Khan、GHALANAI


■アフガン高官:「タリバンはパキスタンで自由」[031113 UPI]

パキスタンはタリバンのリーダーたちにパキスタンで自由を与え、インタビューしたり将来について話し合い、欧米に対するジハードを呼びかけたりしていると、アフガン外務大臣アブドゥッラーが木曜日に語った。

「この建物から、クエッタにいるタリバンのリーダーに電話をかけられる。タリバンはそこから自分たちの意図や計画について語るだろう」とアブドゥッラーが『UP』とのインタビューで語った。

メディアによると、タリバンのリーダーたちはクエッタを根拠地とし、新人を募集しているというが、パキスタンはこれらの報道を否定。ワシントンのパキスタン大使館のMohammed Sadiqは『UP』とのインタビューで、タリバン何人かが村に隠れている可能性はあるが、都市にタリバンのリーダーはいない、と語った。

しかしアブドゥッラーは、タリバン戦士たちはパキスタンで再編成しているという。「彼らはどこから来る? どこから武器を得ている? どこで負傷者を治療している?」と疑問を投げかける。クエッタで、タリバンたちは頻繁に「記者会見を開き、閣僚会議のようなものを開催している」。「彼らは隠れていない」。そしてパキスタンで自由に行動しているタリバンリーダーとして、Mullah Asadullah、 Mullah Kabir、前国防大臣Mullah Ubaidullahの3人の名前を挙げた。

先週アフガン高官と米軍高官が『UPI』に、米軍はタリバン前外務大臣のムタワキルを釈放し、彼は現在カブール政府と話し合い、政府内に地位を与えられたと語った。アブドゥッラーは木曜日に、ムタワキルは米軍の監視下にはないことは認めたが、自由であることは否定した。「彼は釈放されていない。カブールにいる」という。

さらにアフガン政府が、穏健派タリバンリーダーたちと調停しているという報道も否定した。「穏健派タリバンとの調停はない。なぜなら、穏健派タリバンなどいないからだ。もし穏健派なら、タリバンではあり得ない」という。ただしカブールは、テロ犯罪と関わってない「人々」と交渉しているという。「我々はテロリストの使命を持ったテロリストと、普通の生活を送りたい人々との間を区別すべきだ」。

smellAfghan official: Taliban free in Pakistan
By Shaun Waterman and Anwar Iqbal


■米軍近くでの爆発、アフガン人4人を殺害[031113 Reuters]

水曜日クナール州で、米軍車輌を狙ったと思われる遠隔操作された爆弾が爆発し、通りがかったアフガン人4人が死亡、3人が負傷した。

村人たちによると、ヌーリスタンにいるヘクマチアルの最高司令官Mawlavi Faqirullahが、8人の仲間とともに殺害されたという。2週間前、ヌーリスタンの村で米軍の空爆があり、アフガン人家族が8人殺害された。米軍はこの事実を認めてないが、村人によると、Faqirullahが隠れていると疑った可能性があるという。

hoonBlast near US troops kills four Afghans-witnesses
ASADABAD


■米軍大将、パキスタンのリーダーと会見[031113 AP]

米軍高官が木曜日にムシャラフ大統領と会い、対テロ戦争への取り組みをさらに強化することに関して、話し合った。

U.S. Central CommandのLt. Gen. Lance L. Smithとムシャラフ大統領の会見は、アルカイダやタリバンと関係があると思われるアフガン人、Abdul Azizの逮捕後に実現した。

諜報官によると、 Abdul Azizはペシャワル郊外で逮捕されたというが、詳細は今のところわかってない。

hoonU.S. army general meets with Pakistan's leader
ISLAMABAD


■タリバンのリーダーらしき者からテープ[031113 Reuters]

木曜日スビンボルダックで、バイクに乗った男が『ロイター』に、オマール師からと思われる声明が吹き込まれたテープを手渡した。ジハードを諦めたタリバン司令官たちに警告を発するこのテープは、数週間前に録音されたと、タリバンスポークスマンのMullah Abdul Samaが語った。

「ジハードに参加してない司令官たちに、信仰とイスラムについて語りたい」。「私は自分の支配や、持っていた物すべてを犠牲にした。私が名誉を保っているのに、なぜあなた方はそれができないのか? もし名誉を持つことができないのなら、それは信仰が浅いからだ。もし信仰に忠実な者であるなら、なぜ犠牲を恐れる? 私は何もかも犠牲にした」。「もし深い信仰を持つならば、立ち上がり、国と信仰を守るべきだ」。

このテープが本物であれば、彼がまだ生きており、タリバンの再結成に直接関わっていることを示す。Samaによると、この5〜6分のスピーチが録音されたテープは、タリバンの10人議会で発表されたという。さらに、身元が特定されないタリバン司令官の長いスピーチも、録音されている。

ohTape released purporting to be from Taliban leader
By Saeed Ali Achakzai、SPIN BOLDAK


■タリバン、4つの組織を形成[031113 Daily Times]

、反政府運動を強化するために、タリバン政権の残党たちが4つの組織を形成したと、ある情報源が『Daily Times』に述べた。「タリバンは、アフガニスタンにいる同盟軍に対する活動を合理化するように、政治、軍、文化、経済を扱う組織を形成した」という。

まず、前タリバン副外務大臣のMulla Chahil Akhundと、パキスタンにおける前タリバン特使Maulvi Shahabuddin Dilawarが政治部門を司り、パシュトゥン族が支配する地域でタリバンの力を強化するという。軍事部門は、前防衛大臣Mulla Abdullahを筆頭に、Mulla DadullahとMulla Biradar Akhundが抵抗運動を助けるために、武器や武装集団を確保。前情報大臣のQudratullah Jamalとラジオ・シャリアの責任者だったIshaq Nizamiが、文化部門を担当し、同盟軍やカルザイ政権に対してプロパガンダを広めるという。またヘクマチアルやオマール師を始め、他のタリバンやアルカイダのリーダーたちの声明を発表するために、短波放送を始める。経済部門を担当するのは、前財務大臣のMulla Agha JanとMulla Jalil Akhundで、抵抗運動を維持するために、資金を確保する道を獲得するという。

hoonTaliban form 4 bodies
By Mohammad Imran、ISLAMABAD


■タリバン、攻撃を認める[031112 AP]

水曜日にアフガン軍司令官Gen. Said Mohammadによると、訓練されたアフガン兵が、アフガニスタン南部のチェックポストで同盟軍のコンボイに発砲し、ルーマニア人兵士1人が死亡、1人が負傷したという。Mohammadは、犯人は現場から逃走したというが、この事件はタリバンやアルカイダとは関係ないだろうと付け加えた。

いっぽう、タリバンのスポークスマンMullah Abdullah Zabulwalは、発砲したのはタリバンで、先日起きた国連事務所爆発事件も自分たちが実行したと述べた。『AP』に電話をかけてきたZabulwalには、ルーマニア兵に対する攻撃の詳細は述べなかったが、両方の事件を起こした男は、隠れ家に無事帰ってきたという。

カブールで国防大臣のスポークスマンGen. Zaher Azimiは、ルーマニア兵を攻撃したのがアフガン軍兵士だったかどうかはまだ明らかではないが、もしそうだとしたら、同盟軍によって訓練された兵士による最初の裏切りだ、と発表した。

水曜日にカブールで実施された記者会見で、米軍スポークスマンの Col. Rodney Davis は、最近テロ攻撃が頻発しているが、全体的に見て、国の状況は良くなっていると語った。「2年前、全国中が戦っていた。今、戦いはアフガニスタンの東部と南部だけに限られている」と述べ、残りの80%の地域では反政府軍は活動していないと述べた。

hoonTaliban Takes Blame for Afghan Attacks
By JONATHAN FOWLER、KABUL


■アフガン兵士、同盟軍を攻撃[031112 AP]

アフガン軍司令官のGen. Said Mohammadが、火曜日、スピンボルダックへもどる最中のルーマニア軍のコンボイがチェックポストで止められ、アフガン兵士が銃撃を始め、ルーマニア兵1人が死亡、1人が負傷したと述べた。犯人はよく訓練されたアフガン兵で、犯行のあと逃走したという。チェックポストにいた他のアフガン兵たちは、食事の支度をしている最中だった。

Mohammadは、事件はタリバンとは関係がないと述べたが、タリバンのスポークスマンMullah Abdullah Zabulwalが電話で『AP』に、先日のカンダハルの国連事務所爆撃事件とともに、2つの事件はタリバンの犯行だと語った。両方の事件を起こした男たちは、無事に隠れ家に帰ったという。

この他のニュースとしては、月曜日パクティア州で起きたそれぞれ別の戦闘で、3人の特殊部隊の兵士が負傷した。また米軍スポークスマンCol. Rodney Davisは、先日アラブの衛星テレビ『Al-Arabiya』が、タリバンがアメリカ軍のパトロール隊を攻撃し、9人を殺害したとして流したビデオについて、「我々はこの2年間、9人の兵士を失ったことはない」とし、「完全な嘘だ」と述べた。アフガン東部で展開している作戦について触れ、パキスタンとの国境付近にいるテロネットワークを一掃するまでは作戦は終えない、と述べた。「予定表はない。もし彼らが明日降参すれば、明日攻撃を停止する」という。

garrAfghan Soldier Opens Fire on Coalition
By JONATHAN FOWLER


■アフガン大統領、さらに攻撃がある可能性を警告[031112 Reuters]

カルザイ大統領は水曜日に、タリバン崩壊2周年を迎え、今後さらに反政府軍き動きが活発になる可能性を警告した。

タリバンスポークスマンHamid Aghaが『Reuters』に、タリバンのゲリラがカンダハルに戻る最中だったルーマニア軍に対して、ロケット砲と機関銃を用いて攻撃し、ルーマニア人1人を殺害し、1人を負傷させたと述べた。

garrAfghan president warns of more attacks to come
By Mike Collett-White、KABUL


■カルザイ、タリバンと和平協定結ぶ可能性[031112 Daily Times]

タリバン政権が崩壊して2年、カルザイ政府は暴力に終止符を打つために、以前の敵と話し合う兆候を見せている。

タリバンたちはこの半年で、アフガニスタンの南部と南西部で活発に行動し始めた。カンダハル、ヘルマンド、ウルズガン、ザーブル、ガズニ、パクティカ、パクティア、コーシュトでは、住民の支持を得ている気配もある。10月に出された国連の報告では、パキスタンとの国境に付近のいくつかの州では、タリバンが直接支配している地域もあるという。この地域に住むパシュトゥンたちの間では、タジークに支配され、再建がはかどらないアフガン暫定政府に対して不満が大きく、この不満がタリバンへの支持につながっているようだ。

カルザイ大統領は、パシュトゥン族の支持を得るために、犯罪を犯してない普通のタリバンはアフガン社会に歓迎する、と呼びかけてきた。カルザイがいうには、アフガン政府が受け入れたくないタリバンは、「50人にものぼらない」という。そして残りの何千という普通のタリバンは、歓迎するというのだ。パキスタンに逃げ、後に投降した多くのタリバンたちは、すでにアフガン社会の中に戻った。行政や政府の警備隊にも着任している。

たとえば、タリバン政権のもとでガズニ州の警察長官だったMohammad Ali Jalaliは、パクティア州知事に任命された。先月、前外務大臣たったムタワキル氏も釈放された。しかし今のところ政府は、ムタワキルやオマール師の支持者たちと協議を始めたという情報を、否定している。ムタワキル氏などのタリバン前高官たちが、カルザイに協力を申し出る手紙を書いてきただけだ、という。アフガニスタンを訪れている国連視察団は、タリバンについて直接言及はしてないが、カブールが「南部の複雑な状況を解決するために、内包的な政策」を採用し、治安問題を解決することを望む、と述べた。

hoonKarzai might negotiate peace with Taliban
AFP


■米軍とアフガン軍13人死亡[031112 The Nation]

月曜日の夜、パクティア州Shikin付近のMargha で、米軍とアフガン兵が乗ったコンボイが襲撃され、13人が死亡した。

《AFP追記》

カンダハルの国連事務所で車が爆発し、通りがかったアフガン人1人が負傷。

garr13 US, Afghan troops killed
From Allah Noor Wazir、WANA


■禁断の辺境地3-2・貧しい村人、密輸で生き残る[031111 San Fransisco Chronicle]

パシュトゥン族の密輸人たちは、深刻な問題だ。国境の両側にいるアルカイダやタリバンに物資が流れていく。「法的であろうが違法であろうが、どうでもいいじゃないか? 家族のために食事と衣服、靴がある。好きな物が買える。他の仕事を考えてくれるなら、考え直してもいいけどね」と密輸人Karamat-ullahは言う。

密輸は、バヌーでは大きな商売だ。バヌーの人口の半分が密輸に関わっているともいわれる。「パヌーは天国だが、住民は悪魔だ」という言葉があるほどだ。しかしKaramat-ullahの仲間たちは、単にお金の問題と考えてない。外国人たちと戦うジハードに貢献していると考えているのだ。戦士に武器を与え、武装団が国境を越えるのを助け、パシュトゥンの仲間たちの生存に必要な物資を供給する。住民は皆、タリバンが好きだ。助けが必要な時にはいつでも助けてあげると、ある長老が言う。

密輸は、ソ連の侵攻の時代から始まった。北西辺境州の部族民たちがアフガンムジャヒディンたちに物資を調達。その後アメリカやイギリスの諜報部も、アフガン政府軍を援助するために、このルートを使った。タリバン政権時代、アフガニスタンが全世界から孤立していたときも、このルートはパキスタンとアフガニスタンを結ぶ生命線として残っていた。今でも同じだ。ドラッグも密輸される。(中略)

「国境をコントロールすることは、不可能だ」とスピンボルダックでアフガン軍を指揮するMaj. Abdul Razikは言う。毎日、何千という人々、一般市民、遊牧民、密輸人、タリバンが通る。「アメリカ人はアルカイダとタリバンにしか関心がないし、パキスタン人は何もわかってない」と前述の長老。突っ込むと、密入国が頻繁に行なわれていることを認める。「いろいろな組織やコンタクトがある。この地域は非常に宗教的な土地で、人々はタリバンに共感している」という。「密入国なんか、簡単だ。国境は広い。あらゆる場所に、チェックポストを設置できるはずがない」。

密輸人たちは、運ぶ物資に応じて、さまざまなルートをとり、さまざまなネットワークや使い、密輸人たちだけが知っている、協力者たちの助けを借りる。「もしライフル5〜6丁だったら、人間が持って行く。もし何十丁だったら、ラクダやロバを使う。もっと多かったら、車を使う。アメリカ人に見つかるから、前より少しは用心して、あまり大きな荷物を持たないようにしているけれどね」とKaramat-ullahは言う。しかし彼にとっては、買い手の国籍や党派、宗教はどうでもいい。重要なのは、1日の稼ぎだ。「もし相手がカネを払うなら、誰にでも売るさ。もしFBIが2500万ドルくれるというなら、ビンラディンを売ったっていいさ」。

garrForbidden frontier -- Impoverished villagers smuggle for survival
Juliette Terzieff、Bannu


■禁断の辺境地3-1・タリバンの村の中で[031111 San Fransico Chronicle]

「私はタリバンだ。私はこの運動を信じ、オマール氏を信じる」と25歳のRahimullahは語る。彼と女性記者とのやりとりを聞くために集まった、20ほどの男たちも、皆うなずく。

彼は他の者たち同様、タリバン運動のために動き回っている。96年にアフガン政府を追い払い、2001年にアメリカの侵攻と戦い、最近はアメリカ占領に対するゲリラ戦を繰り広げている。3回とも、アフガニスタンのコシュト付近で国境を越えた。かつてアルカイダは訓練所をここに設営し、タリバンのシンパが多い。

パキスタンの部族地帯の外にある、人口約3800人の小さな農村から、約185人の男たちが協力を申し出てくれた。残った者たちは物資や資金を調達し、農民からジハード志願者に転じた者たちの畑の面倒をみる。ここは、ペシャワルから車で約1時間ほど西に行った、ある村だ。

戦士たちは北ワジリスタンに入り、コシュト近くに出るために、近くの国境を越える。以前は堂々と国境を越えた。今はアメリカやアフガンのパトロールがあるために、山を越える。しかし去年の春に攻撃に出かけたら、当惑した。「我々はアメリカ人を殺しに行った。しかし行ってみると、相手がいなかった。なぜなら、パシュトゥン人のライバル同士で戦っていたんだ。政治的な内部抗争だ」。

最も戦いが多いアフガニスタンの国境地帯、パクティア、パクティカ、コシュトではここ2年間、パシュトゥンの軍閥、Bacha Khan Zadranをめぐるライバル同士の戦いが続いている。Bacha Khan Zadranは以前カルザイを支持していたが、今はアフガン軍と米軍と戦い、パキスタンから入ってくる旅人たちからカネを巻き上げている。 (中略)

パキスタンのパシュトゥン族は、ソ連のアフガン侵攻の時代から、アフガニスタンで終わりのない戦いに加わってきた。そして2001年9月11日以後の戦いでは大きな被害を受け、何千人というパキスタン人が死亡、あるいは逮捕された。しかし、信仰を持つ者たちを阻止することはなかった。(中略)

ムシャラフはテロと対戦することを誓っている。しかしパキスタン人の多くは、タリバンをテロ組織と見ない。「政府は、アルカイダを一掃するという基準を設けているが、タリバンに関しては別問題だ」とペシャワルのアナリストSohail Anwarが言う。「彼らは国境のこちら側で援助され、匿われているが、アフガニスタン外で攻撃を行なったことはない」。数ヵ月間にわたるアフガニスタンでの活動が終わると、ジハード志願者たちは家に帰り、農民に戻り、再びアフガニスタンにいる仲間から声がかかるのを待つ。「もしオマール師が呼びかけたら、その日のうちに国境を越える」とRahimullahは言う。

外国人記者がいると聞いて、村人たちが集まってきた。銃を持たないのは老人と子供だけだ。そして全員、タリバン政権とオマール師を賞賛する。「オマール師は100%正しい。我々は彼の道に従う」。

しかし、タリバンが女性が働くのを禁じたり、女の子が学校に行くことを禁止することに関して聞くと、言葉を濁す。「オマール師は、女の子の教育に反対したのではない。それは誤りだ」と、中年のJamshidが叫んだ。「BBCの放送で、先生が、女の子のための学校を自宅で開いていると言っていた」。しかし記者が、BBCラジオが伝えたのは、命懸けで教えていた先生たちについての報道だったと指摘すると、ざわめきが起きた。「みんな欧米のプロパガンダだ。あんたはアフガンに入ったことがないじゃないか。我々のほうが知っている」とJamshidはいいながら、記者にライフルを向けた。しかし記者がアフガニスタンに行ったことがあるとわかると、「彼女と話し合っても仕方ない。彼女にはわからない。外国人はわかるはずがない。だから、敵になるんだ」と文句を言い、去っていった。彼がいなくなると、残った者はお茶やビスケットを出してくれて、動揺した記者と和解しようとした。

32歳のジハード志願者Rashidは言った。「オマール師は、少し厳しすぎた面もある。でも、彼が直面していた問題を考えてみなさい。20年も戦った後は、秩序を取り戻すために、厳しくならざるを得ないでないか」。37歳のSadiq Khanは言う。「もし父親が望むなら、娘を教育する場所は必要だ。女医や婦人警官と接することも、できなくてはならない。しかし、限度は必要だ」。「オマール師は正しい。本当の戦士だ。彼はソ連と戦うために、無から立ち上がった。もし彼が過ちを犯したとしても、我々は皆、彼を許す」。今、別の敵がいる。それはアルカイダではない。

Hajji Ghulab Khanは、アフガニスタンのパシュトゥンは、最近やってきた侵略者に侮辱されているという。彼はコシュト出身のアフガン人で、しょっちゅうパキスタンにヒッチハイクをしたり、歩いてやってくる。「本当のことを教えてやろう。アメリカ人たちは我々の武器を奪い、我々部族民のメンバーを逮捕し、仲間を殺している。これ以上、重大なことがあるかい」?

ohForbidden frontier -- Pakistani tribesmen stay fundamentally faithful to Taliban
Juliette Terzieff、Northwest Frontier province


■アメリカ、イラクの罠からの逃げ道はない[031111 Asia Times]

(イラクの部分は省略)アフガニスタンでは、アメリカは撤退準備をしているように見える。アメリカは、アフガニスタンでの戦争にすでに勝利した。タリバンはアルカイダを匿ったために「罰を受け」、そのネットワークは打撃を受けた。残ったことは、撤退するだけで、アメリカはこの国で今後何が起ころうと、関心がない。したがって、カブール政府に「穏健派」タリバンを参加させ、それにより国は落ち着き、アメリカは面子を失わずに撤退できる。

最近の情報によると、前タリバン大臣のムタワキルは、アメリカに支持され、新たな党派を造ろうとしている。この政党を通して、パシュトゥンの宗教勢力は、カブール政府内に代表を置くとこになる。

しかし、タリバンは分裂するようには見えない。彼らは再組織化し、国の中に足がかりを作っている。今までアフガニスタンでは、前支配者は常に殺害されたり、亡命していたから、これは前代未聞のことともいえる。オマール師はぴんぴんしているようで、抵抗活動を指揮している。アメリカはこのために、撤退できないでいる。アメリカが、オマール師と取り引きをしなければならなくなるのは、それほど遠い将来ではないだろう。

hoonNo US escape from Iraq trap
By Syed Saleem Shahzad 、KARACHI


■米主導軍、新たな作戦でアフガン抵抗分子を殺害[031111 Reuters]

月曜日に米軍主導のパトロール隊が、ヌーリスタンのMarzeh 地方で6人の「敵」と銃撃し、1人を殺害、3人は逃亡したという。同日、同じ地域で、別の2〜3人の武装団が米軍を攻撃、米軍ヘリコプターが到着する前に逃走したという。

「この作戦は、今までの中でも最も難しいものだ」と、米軍スポークスマンのColonel Rodney Davisがバグラム米軍基地で語った。「この作戦の目的は、反政府分子を全滅させ、武器やテロ基地を一掃することにより、隠れることができなくすることだ」という。

garrU.S.-led forces kill Afghan rebel in new operation
By Yousuf Azimy、BAGRAM


■パキスタン、アフガン武装団150 人を逮捕と発表[031111 Reuters]

パキスタンの警察は火曜日に、武装集団と関係があると思われる150人のアフガン人を逮捕したと発表した。警察は、アフガン人たちはクエッタで一連のロケット弾や爆弾攻撃を繰り返していたと述べている。

バローチスタン州警察長官Shoaib Suddleは、「密入国者たち」だと述べ、「犯罪やテロ活動をしていた容疑で、捜査されている」という。月曜日に起きた事件では3個の爆弾が爆発し、ジャーナリスト2人と警察官7人が負傷した。

パキスタンを拠点とするAfghan Islamic Pressは、ヘクマチアルの声明を発表した。隣国、特にパキスタンは「抑圧されたアフガン人たちを殺害する野蛮人」を支持してはならない。「いつかアメリカはアフガニスタンを去り、そしたら我々は再び一緒に住まなければならない」という。この声明には11月8日の日付が記されているが、ヘクマチアルが活動していると思われるヌーリスタンとクナールで、米軍が作戦を開始した翌日にあたる。

hoonPakistanis say detain 150 Afghan militant suspects
QUETTA


■アラブのテレビ、タリバン戦士を放映[031111 Reuters]

火曜日にAl Arabiya衛星テレビが、米軍と戦うタリバン戦士を映したビデオを放映した。

ライフルを発射するタリバン戦士と思われる一団と、アメリカの国旗をつけた軍の車輌が山を登り、ヘリコプターが旋回する様子が映し出されていた。さらに、タリバンスポークスマンと思われる人物が、自分たちが米軍に勝利するよう祈ってほしいと、イスラム教徒に呼びかけた。

Al Arabiyaテレビは、このビデオをいつ入手したかについては述べてない。「米軍は、アフガニスタンを占領したら、我々はもう存在しなくなると思っていた」とスポークスマンは述べた。

hoonArabic TV shows tape of Afghan Taliban fighters
DUBAI


■同盟国、 MI5 のスパイ活動について釈明を求める[031111 Guardian]

パキスタンは昨日、 MI5工作員がロンドンのパキスタン大使館で盗聴を試みたのかどうか、そして同盟国に対するこの行為をブレア政権が公認していたのかどうか、これらの点についてイギリス政府から釈明がないことを非難した。これに対してイギリスの外務省スポークスマンは昨日、「我々は国家の諜報活動については、コメントしない」と述べている。

この問題は、11月2日に『Sunday Times』紙が、MI5が建設作業員たちと組み、2001年に、ある大使館に侵入した、という記事に派生する。その後パキスタンの『Daily Times』紙が、この大使館はパキスタン大使館だったと述べた。

この事件は、非常にお粗末で、素人的な事件だった。MI5が「Notation」というコードネームで呼ぶ作業員が、大使管内部に侵入し、書類を盗み出した。しかしラジオ通信機や電話、その他の交信機器を盗聴する計画は、「Notation」が怖じ気づいたので、実行されなかった。

さらに警備関係者たちが当惑することがある。イギリスにおいて、大使館であれ、その他のすべての機関において、電話などの盗聴をするためには、内務省の許可がいる。しか内務大臣のDavid Blunkettは許可を出してないと主張する。もし内務省が真実を告げているのであれば、MI5は独自の行動を取ったことになる。

事件は2001年、パキスタン大使館の建物が古くなりすぎたので、ドアや窓、タイル、絨毯などを新調しようとしたことに始まる。これは9.11の直後で、イギリスがまだパキスタンを信じていいかどうか、決めかねていた時期だった。そしてこの大使館の内装を受け持ったある人物が、MI5に接触してきた。最初、MI5から反応がなかったために、この男はCIAに接触し、CIAはスコットランド・ヤードの反テロ部門に行くよう、進言したらしい。

結局MI5はこの男と取り引きを行ない、大使館を盗聴し、信頼できる廃物処理会社によって処分されるという名目で、機密書類を盗み出すよう、依頼した。「Notation」は、作業員に扮したMI5が大使館内の極秘情報が保存されている部屋に入れるよう、手配したという。MI5は、この男に6万1000を現金で支払ったといわれる。ある情報によると、MI5は大使館から暗号を盗み出したともいわれるが、パキスタン政府はこれを否定している。

ところがMI5は知らないことだったが、この男は精神保健法の下で、取り締まりを受けたことがあった。彼はプレッシャーに堪えられなくなり、MI5が不手際をしたとして使命を放り出した。そしてパキスタン政府とロンドンのアメリカ大使館に駆け込み、この作戦について語ったのだった。

昨日の抗議にもかかわらず、パキスタン大使館は不思議とあまり語らない。おそらく作業員が自由に部屋を出入りできるほほど、大使館の警備があまりにもお粗末だったからだろう。(後略)

ohAlly demands answers on bungled MI5 spy operation
Ewen MacAskill and Richard Norton-Taylor


■パキスタン、アメリカに守られる[031111 Asia Times]

最近 Capitol Hillで開かれた「アジアにおけるテロリズムの挑戦」と題する会議で、国会議員たちは、パキスタンの現状、その原理主義との取り組み、タリバンとの関係、武装組織を育成しているマドラッサについて質問した。しかしブッシュ政権は、これらの質問をすべてうまくかわした。インドに侵入する活動家たちの取り締まりやタリバンに関するパキスタンの失敗を指摘しても、行政官たちはあいまいな返答をし、テロリストたちが国を行き来していることを認めもしなかった。無益な論争が3時間も続いた。ブッシュ政権の代表としては、東南アジア担当の次官Christina Roccaと対テロリズム担当のCofer Blackが出席していた。(中略)

ブッシュ政権は、ムシャラフが約束したことに対して、これ以上に圧力をかける気持ちは毛頭ないようだ。パキスタンは「テロとの戦争」の最大のパートナーであり、ブッシュはムシャラフを困らせるつもりはない。しかしアメリカ国民は、自分たちがの税金が、このようなパキスタンに流れることを望んでない。この6ヵ月間、アメリカのメディアは、タリバンがクエッタで公然と活動していることについて、パキスタンを非難しつづけてきた。(中略)

パキスタンの経済援助と引き換えに、非公式の条件が3つ取り交わされた。核テクノロジーの拡散を中止、インドへテロリストを送らないこと、国を民主主義に戻すことである。このうちパキスタンが守りそうなのは、核に関してだけだ。テロ訓練所を封鎖やテロリストのインド流出を防止に関しては、パキスタンとブッシュ政権はひとつの合意に達したようだ。つまり、目標達成は好ましいが、現在のところそれは難しい、ということだ。ブッシュ政権は、パキスタンがアルカイダ掃討作戦に協力する限り、カシミールのテロを容認している。これは、アーミテージ副長官の言動でも証明される。2002年にアーミテージは、「ムシャラフが約束したために、インドへのテロリスト侵入は終わる」と、公的に発言した。しかし翌年、アーミテージもムシャラフも、このことに関して何も触れてない。

カリフォルニアの民主党議員Brad Shermanは、これは単に国境侵害の問題ではないと語る。「パキスタンの諜報部は、インドとカシミール両方で活動しているテロリストを支援している」という。ムシャラフは、今年の6月にワシントンを訪れ、できる限りのことをしていると述べた。しかし、もしインド軍が国境を警備できないのであれば、パキスタン側も国境を封鎖できないと述べている。アーミテージは7月にイスラマバードを訪れ、テロリストがインドに入っていることは認めながらも、この説明を受け入れた。

Roccaもパキスタンを擁護する。「パキスタンはインドで活動しているテログループに対して、多大な努力をしている。おそらくアルカイダやタリバンよりも、彼らのほうが手ごわい。一般市民の共感を得ているからだ。しかし、パキスタンがテロリスト取り締まっていることは知っている。もっと活発になればいい」。

南アジアのアナリストは、アメリカはパキスタンを大事にしすぎているという。切羽詰まらない限り、カシミールで活動しているジハード組織に対しては何も処置をしないだろうとも語る。前国務省高官で、ジョンホプキンス大学の Walter Andersenは「アルカイダを時々アメリカに引き渡しさえすれば、アメリカは自分を支持するだろうと、ムシャラフは思っている」と述べる。アメリカに対するテロは悪だが、インドやアフガニスタンに対するテロは容認しうる、という政策をパキスタン政府が取り出したら危険だ。

アフガニスタンの外交官は、パキスタンはデュランド・ラインを侵し、アフガニスタン領内深く、入り込んでいると抗議する。「我々はすぐにアメリカに警告した。彼らは自分たちの目でこれを確認し、軍の動きも把握している」。「我々はアメリカに、このような国境侵害を起こさせないよう、念を押した。しかしパキスタンには、誠意が見られない」とインタビューで語った。別のアナリストは、パキスタンは足元を見た戦略しかとってない、と分析する。この間に、原理主義者が自国で成長している。パキスタンの意のままに過激派をインドで活動させておきながら、逆に彼らがパキスタンで政治的な権力を持つことはないと考えているが、ことは絵空事だという。ムシャラフはあるアメリカ高官に、宗教政党を強く取り締まれないのは、大きなしっぺ返しがくるからだ、と個人的に述べている。

共和党のJim Leachは次のように発言した。「我々は政策の均衡を取る必要がある。この地域に限らず、世界中どこにおいても、政治家たちはルーズベルト大統領の言葉を思い出すことが重要だ。アメリカは優しい言葉で語りながらも、大きな棒を持たなければならない」。

hoonPakistan squarely behind US shield
By Seema Sirohi、WASHINGTON


■カブール、7つの地方で支配力を失う[031111 The Nation]

ザーブル州副知事が月曜日、7つの地域で政府は支配力を失ったと語った。この地域では、タリバン残党ではなく、むしろ部族の長老たちの力が大きいという。

「Atghar、Naw Bahar、Shinkay 、Shamazaiでは政府の力は全く及ばない。またShahjoy、 Daychopan、Khak-e-Afghanでは、政府もタリバンもいない。タリバンたちはバイクでこの地域の周囲を廻っている」。「しかし彼らは行政を脅迫するほどは、強くない」という。

政府軍は、人員と装備がないために、この7地域に行くことができないという。先月米軍は、ガズニ州知事から得た誤った情報をもとに、この地域の兵士たちの武器を上げてしまったため、Naw Baharから政府軍は撤退してしまった。同盟軍が武器を返還すれば、再び戻ることはできるという。

いっぽう米軍は月曜日に、ヌーリスタン州で新たな作戦を開始することを宣言した。この「Mountain Resolve」作戦は、11月7日、空爆とともに始まった。「この作戦の目的は、反政府軍を追い払い、隠れることができないようにする」ことだと、バグラム空軍基地にいる米軍スポークスマンColonel Rodney Davisが発表した。10th Mountain Division部隊、特殊部隊と空軍がパキスタンのチトラルと面した山岳地帯で作戦を開始した。

ヌーリスタン諜報官のSyed Omarが『AFP』に語ったところによると、米軍はヌーリスタン渓谷の中心、WantとWatapoに配置しているという。このあたりでは、最近地元の官公庁がヘクマチアルの一味に攻撃されたという。

アフガン高官は、10月30日にワイガル谷で、米軍による空爆で8人が殺されたというが、米軍はこれを否定している。

garrKabul loses control of seven districts
KABUL (AFP)


■禁断の辺境地2・ジャーナリスト、武装組織を垣間見る[031110 San Fransisco Chronicle]

Jaish-e-Mohammed (Army of Mohammed)が、欧米のジャーナリストと会見をすることは希だ。「準備はできた」と、スポークスマンのSalamat Gulが他の武装した5人と車から出てきて言った。

Jaish-e-Mohammedは2000年3月に、カシミールのジハード団として組織された。しかしアメリカやパキスタン、インドの捜査官たちは、このグループはこの地域でさらに大きなテロ活動を計画しており、今や、アルカイダやタリバンと結びついていると疑う。

「我々はイスラムのために戦う。カシミールと世界のムスリムの権利が保証されるまで、戦う。我々のグループは独自の組織をもつ。しかしタリバンのような別のグループが援助を求めてくれば、いくらでも協力する」という。

Gulは最初アフガニスタンに行き、Shomali Plainでムジャヒディンとしてソ連と戦った。その後カシミールのジハード団、Harkat ul Ansarに参加し、彼の司令官が新たにJaish-e-Mohammedを組織したので、そちらに移った。「Jaish-e-Mohammedは最新のテクノロジーを備え、カネも家もあり、みな同じゴールを目指している」。

Gulは現在45歳の野戦司令官だ。このグループの事実上のリーダー、イギリス生まれのAhmed Omar Saeed Sheikhは、ダニエル・パール記者誘拐殺人事件の犯人として、死刑を宣告されている。「パールは我々と敵対していた。だから、あのような結果になった」という。SheikhとJaish-e-Mohammedの創始者、Maulana Massoud Azharは、2人ともHarkat ul Ansarのメンバーだった。2人は99年に起きたインド航空機ハイジャック事件で、人質と交換にインドの刑務所から釈放され、アフガニスタンに来た。Azharはこのときにビンラディンと会い、Jaish-e-Mohammed設立のために、資金を約束されたといわれる。「アメリカに対する憎しみが、彼らを結束させる。アメリカに協力するムシャラフに対する憎しみも、同じだ」。

組織の資金については、心配することは何もないという。アメリカにテロリストとして名前が掲げられ、資金を凍結され、ムシャラフに活動を禁止されたにもかかわらず、Jaish-e-Mohammed はさらに地下に潜ったにすぎないのだ。「ムシャラフは何をしようと勝手だ。彼は重要ではない。我々を止めることなどできない。ほら見ろ。彼は我々の活動を禁止した。事務所を閉鎖し、メンバーを拘束した。でも、我々はまだいるじゃないか」。

Gulによると、Jaishの戦士たちは9.11当時、アフガニスタン内にいたという。しかし米軍の侵略が明らかになった時点で、パキスタンに呼び戻された。「今はアメリカ人と戦う時期ではない。少しあとに、戦うチャンスがくると言われた」。今年の9月に、Jaish-e- Mohammedの戦士たちはパクティア州のShkinで米軍を攻撃し、10月25日には2人のCIA工作員を殺害したと自慢する。

アルカイダたちは、パクティアに隠れていると噂される。アルカイダはパキスタンの武装組織内に潜入し、そのネットワークを南アジアに広げようとしているようだ。「我々はアメリカより前から、ここにいた。彼らが去るときも、ここにいる」。

garrForbidden frontier -- Jaish-e-Mohammed: Journalist gets rare glimpse of feared, elusive militant group
Juliette Terzieff、Northwest Frontier Province


■アメリカ、アフガニスタン北東部で新たな作戦開始[031110 Reuters]

米軍はアフガニスタン北東部に移動し、ヌーリスタンやクナール州にいるイスラム武装集団に対する、新たな作戦を開始した。

バグラム米軍基地のColonel Rodney Davisは、金曜日に“Operation Mountain Resolve” が開始し、10th Mountain Divisionの部隊が空から輸送され、今後、新たな大きな作戦を展開するという。アフガン軍も参加している。

クナールとヌーリスタン地域では、ヘクマチアルが活動しているといわれる。米軍はすでにクナール州のアサダバードに基地を設営しているが、たびたびロケット弾で攻撃を受けてきた。

ヌーリスタン州警察長官は今月初めに、 Arsent村で空爆があり、一般市民、一家8人が死亡したと発表したが、米軍はこれについては何もコメントしてない。

hoonU.S. launches new operation in northeast Afghanistan
BAGRAM


■アフガンの地方都市、力を失う[ 031110 Reuters]

月曜日にアフガンの地方高官が、政府はザーブル州ではほとんど力を持たないと訴え、カルザイ大統領が今後、軍を派兵して増強しなければ、ザーブル州の治安はさらに悪化すると警告した。

ザーブル州副知事のMawlavi Mohammad Omarは、地元の兵力は、州の7〜8地域では「ほとんど力を持たない」ため、タリバンの活動を抑えることができないという。この理由は、この数ヵ月間、米軍がAtghar、Naw Bahar、 Shinkai、 Shamolzaiで、地元の兵士たちから武器を取りあげたからだという。

Omarによると、米軍は「地元にいるスパイたちが誤った情報」を流し、長老たちが「タリバンに協力している」と吹聴しているという。「そしてダイチョパン、Khak-e-Afghanなどの地域責任者たちは、兵力がほとんどないためにタリバンに攻撃され、辞任してしまった」という。「ほとんど兵士はいないし、さらに、彼らは数ヵ月も給料が払われてない。そのようなカネは、政府側には全くない。地元の部族民たちがこれらの地域を支配している。政府は軍事力を持たない」。

ザーブルでは今年になって、大きな戦いが続き、8月には武装集団を一掃するために10日もかかった。Omarは、政府側には兵力がないために、タリバンたちは「夜の間、大胆に」行動するという。カルザイは、ザーブル州の治安と政治高官を最近交代させた、地方にまで、中央政府の力が及ばないようだ。

hoonOfficial fears power vacuum in Afghan province
By Sayed Salahuddin、KABUL


Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003.