【2003年12月01日〜12月07日】


■米兵、アフガニスタンで薬物中毒[031207 Paktribune]

米兵はアフガニスタンで薬物中毒になっていると、ロシアで薬物管理に携っているAlexander Mikhailovが述べた。

アフガニスタンでは米兵の間で薬物中毒患者が出ているが、アメリカはこれを伏せているという。「彼らはこの状況をコントロールできずにいる。これはタジキスタンにいる我々の軍に対して、良い教訓となるだろう」と述べた。

smellUS Soldiers Becoming Drug Addicts in Afghanistan
MOSCOW


■カルザイ、オマール師の情報は証拠がないことを認める[031207 Paktribune]

アフガニスタンのカルザイ大統領は、オマール師がクエッタのモスクで目撃されたという情報には証拠がなかったことを認め、オマール師もビンラディンもどこにいるのか知らないと述べた。

『BBCラジオ』に対して、「イスラマバードは国境付近の警備を強めている」と述べた。

hoonKarzai admits statement about Omer's presence in Quetta lacked facts


■アフガンの村、誤爆に怒り[031207 AP]

米軍は日曜日に、Hutala村で子供たちを誤って爆撃したことに対して、「非常に悲しんでいる」と発表した。国連は、調査を要求。アフガン政府は米軍に、このような事故を2度と起こさないよう、警告した。

「まず村を攻撃して、それから間違いだったという。どうやって彼らを許したらいいのだ?」とHutala村のHaji Amir Mohammedは『AP』に怒りを語った。米軍は、子供たちがいるとは思ってもみなかったと語り、米大使のZalmay Khalilzadは、殺された標的は前タリバン司令官のMullah Wazirで、「無実な命が失われたことを、非常に悲しんでいる」と語った。Khalilzadによると、Mullah Wazirは援助団体や、道路建設に携っている者を殺害していたという。

米軍は標的を捜しに現場を訪れたときに子供たちの遺体を発見し、米軍高官が日曜日に長老たちに謝罪をした。しかし住民は、米軍は誤った諜報のもとに行動したと非難する。殺害されたのはMullah Wazirではなく、彼はすでに村を去っていたという。「テロリストもタリバンもアルカイダもいない。貧しい人間たちだけだ」とAbdul Majid Farooqiは語った。

米軍はこれまでも誤爆を繰り返している。最悪は2002年7月に、ウルズガン州で結婚式に集まった人々を誤爆し、48人が死亡、117人が負傷した。4月9日にはShkinで11人を殺害、10月31日にはヌーリスタン州で8人を殺害した。

garrAfghan Village Angry After Gunship Attack
By AIJAZ RAHI、HUTALA


■アメリカの幼児爆撃の報告、疑われる[031207 BBC]

米軍は諜報情報にもとづき、ガズニ州のHutala村に、A-10 “Warthog”機を出動させて爆撃を行なったが、村人たちの間では、米軍が発表した標的と9人の子供たちが死亡したという報告に、疑問を投げかけている。

米軍高官は、前タリバン戦闘員Mullah Wazirを爆撃で殺害したと述べているが、村人はBBCのCrispin Thoroldに、Mullah Wazirは10日ほど前に、既に村を去っていたと述べた。

カルザイ大統領はこの事件に大きな衝撃を受け、政府は捜査陣を送り出し、家族に保障を約束すると述べた。また今後米軍は、アフガン政府と協力し、このような事件を2度と起こさないよう、注意すべきだと警告を発した。

我々の特派員によると、木陰に座っていた7人の少年の少女2人、25歳の男性が死亡したという。家屋が1件爆破されたが、家の持ち主についてはさまざまな意見がある。

米軍スポークスマンのMajor Christopher Westによると、標的とともに、子供たちの遺体があったという。標的のMullah Wazirはタリバンの下部構成員で、道路建設にあたっていた外国人技師の殺害に関係していたという。しかし村人たちは、死亡した若者は一般市民だったと証言する。そしてMullah Wazirの家は壊されてないとも語った。

さらに『ロイター』はガズニ知事のHaji Assadullahの言葉を引用して、「Mullah Wazirが殺害されたかどうかはっきりしないが、攻撃された家は、彼のものだった」と発表している。

garrUS child bombing account challenged


■トルコ人技師2人、誘拐[031207 AP]

2人のトルコ人技師が、カブール近郊で誘拐された。金曜日、男たちがトルコの建築会社になだれこみ、アフガン人スタッフを殴打して縛り、トルコ人技師2人とアフガン人1人を連れ去ったと、アフガニスタンNGO警備事務所のNick Downieが発表した。

内務大臣のAli Ahmad Jalaliは日曜日、技師たちが誘拐されたのか、単に犯罪の対象になったのか、捜査中だと述べた。日曜日には、2人のインド人技師も誘拐されている。

hoonTwo Turkish Workers and Afghan Kidnapped
KABUL


■ビンラディンのイランの計画[031215 NEWSWEEK]

ラマザン月の間、3人のアルカイダ幹部がアフガニスタンの秘密の隠れ家で、2人のタリバン幹部と会った。11月中旬、コシュトの山の中、アメリカの監視にもかかわらず、衛星電話を用いてアルカイダは自由に動き回っている。

タリバンからの情報によると、この会合でビンラディンの手下たちはオマール師に悪いニュースをもたらした。アルカイダは、アフガニスタンからイラクに兵士を移動するというのだ。またアフガンのジハード資金として、毎月300万ドル支援していたのを、半額にするという。

これらはビンラディン自身の命令だったという。なぜ? タリバンによると、イラクやトルコなどその周辺の国々は、アメリカ人を殺すのに好都合なのだ。

あるゲリラ、Sharafullahは、この会見の公的通訳者だと『NEWSWEEK』に語った。彼はこれまでの取材でも、さまざまな情報を与えてくれている。9.11以前は、ビンラディンの個人的な通訳を勤めていた。彼とは別に、もう1人の情報源も、ビンラディンとタリバンとの間に会合があったことを証言している。もし本当だとすると、これはブッシュにとっては悪いニュースだ。ビンラディンはイラクをテロとの戦争の「最前線」にしようともくろんでいるようだ。(中略)しかしイラクの情報源によると、これまでサダムがビンラディンとイラク戦争以前に接触していた可能性は、あまりないという。(中略)

Sharafullahは、アルカイダとタリバンの会見の様子を語ってくれた。タリバンは、ムシャラフの公言にもかかわらず、パキスタンで自由に動き回っている。カルザイ大統領は11月28日に『NEWSWEEK』に、「オマール師は10日前に、クエッタで祈っているのを目撃された」と述べた。Sharafullahによると、ビンラディンはラマダンの最中、3人のアラブ人を自分の代表として派遣した。3人は、オマール師の2人の代表に、ビンラディンは新たなチャンスが巡ってきたので、反異教徒の戦いの輪を広げることにした、と伝えた。「イラクでアメリカの血を流すことは簡単だ。アメリカ人は、押し寄せる水の中深く、溺れている」。アルカイダのメンバーは、イラクに行きたがっている。「喉がかわいた人々に、十分な水を与えてやりたい」。

ビンラディンは「資金の分配も再検討したい」と述べ、アフガンの抵抗運動に、これまで300万ドル払っていたのを、半額にしたいという。ジハード組織に対するアメリカの手入れで、資金を増やしたり分配するのが難しくなってきたというのだ。しかし約束した金額は必ず払うと「念を押した」らしい。「決して見離したりはしない」という。

ビンラディンがこれまで発表してきた声明によると、彼は常にアメリカの意志を砕くことを目論み、米軍をアラブの国から追放しようとしてきた。10月に発表されたテープでは、イラクでジハードを行なうよう、ムスリムに呼びかけた。『The New York Time』は土曜日に、アルカイダはヨーロッパを経由してイラクに向かっていると書いた。タリバンの情報源によると、約1000人のアルカイダ戦士や軍事訓練士、アドヴァイザーが、アフガンの抵抗運動に協力しているという。その3分の1が中東に行くのではないか、と見られている。パキスタンにいる32歳のタリバン諜報部員Mohammad Amirは、ワジリスタンから350人のアルカイダ戦士が出かけるという。その半分が、すでにイラクや近隣諸国に旅立ったらしい。

タリバンによると、アルカイダのネットワークは新たな戦略を始めたという。アメリカがイラクに釘づけになっている間に、アルカイダは目を盗んで新たな動きを始めた。またアメリカがパキスタン軍やアフガン軍閥に頼っていることが、アメリカにとってはアダとなっているようだ。『NEWSWEEK』が得た情報では、CIAとイギリス諜報部は、タリバンとアルカイダがどの程度やっつけられたかについて、意見が一致していない。「イギリスは、タリバンとアルカイダは復活していると見ている」とアメリカ高官はいう。この高官は、ブッシュ大統領はイラクに目標を変え、脅威を軽視したと非難する。

アルカイダ工作員たちは、イランを通過して中東に入って行くようだ。しかしイラクに専念しているブッシュ政権は、テロリストが隠れているとして、イランに対して強行策をとり続けた。「イラン人やシリアのようなアラブ人は、アメリカがイラクで活動しているために、ほっとしている」とワシントンのアラブ大使が言う。イラン政府スポークスマンのAbdullah Ramezanzadehは、テヘランはアルカイダ容疑者を逮捕しているが、「アメリカのことよりも、まずは国民のことを考えなければならない」と述べた。

イランはアルカイダにとっては好都合の場所にある。タリバン諜報部員のAbdul Alkozaiは、2ヵ月前に、ビンラディンは24人のトルコ人戦士にワジリスタンからトルコへ、イランを通って帰るように命令したという。またここ数ヵ月で、自分の部下何人をもイラクに送ったらしい。3ヵ月前には、前イラクのバース党員のAbdel Hadi al Iraqiに、アフガニスタン北部から、イラクへ行くよう命令したともいう。

オマール師は、アルカイダの方向転換にがっかりしているという。Sharafullahによると、ビンラディンの代表はタリバンにアフガニスタンの抵抗分子たち、ヘクマチアルやSaed Akbar Aghaなどを結束させるよう、助言したらしい。オマール師のスポークスマンHamid Aghaが『NEWSWEEK』に派衛星電話で、タリバンは資金的に困窮してはないと述べた。「抵抗運動をするために、資金は十分ある」という。ここ数年間、何百という前タリバンが再び結束している。軍閥たちがアメリカに協力し、カルザイが彼らを自分たちの村から追い出したのが原因だと、タリバンもアメリカ諜報部も口をそろえる。「これらの親アメリカ軍閥たちが、結局我々を助けている」とワジリスタンにいるタリバン工作員Rahman Hotakiが言う。「軍閥たちが人々を家から追い出し、我々の洞窟に追いやっているのだ」。アルカイダが去ると打撃を受けることは確かだと、彼も言う。「我々には、もっとアルカイダの専門家が必要だ。特に爆発物や軍のテクノロジーについて教えてほしい。外国の資金がなければ、戦うことはできない」。しかし、ビンラディンはもはや彼らに共鳴してないようだ。ブッシュ同様に、イラクをテロの戦争の中心にすることを望んでいる。

(掲載は、12/07)

smellBin Laden's Iraq Plans
By Sami Yousafzai, Ron Moreau and Michael Hirsh


■パキスタンの基地にロケット弾[031207 AP]

ロケット弾がパキスタンの北ワジリスタンMiranshahにある技術訓練高校と国境警備兵がいる施設に撃ち込まれた。負傷者はいない模様。

住民によると、約6人のアメリカ軍兵士がこの施設に駐留しているというが、軍関係者はこれを否定した。「部族地帯にはアメリカ軍やその関係者はいない」とパキスタン軍スポークスマンMaj. Gen. Shaukat Sultanが述べた。

smellRockets Fired at Pakistani Base


■米軍の攻撃で子供が死亡[031207 AP]

土曜日に、アメリカ軍がアフガニスタン東部のガズニで空爆を行ない、子供9人が巻き添えになり、死亡した。

米軍のA-10機が「有名なテロリスト」が隠れているといわれたガズニの南部を空爆した。「攻撃を開始したときに、子供たちがそばにいることを知らなかった」と米軍のMaj. Christopher E. Westが『AP』に語った。米軍が狙ったテロリストは、アフガンで道路建設に関わっていた2人の外国人請負者を殺したという。この請負者の人物の特定や、その生死についての詳細を述べなかったが、土曜日に2人のインド人技師の誘拐が発表されている。

Westは、米軍は「長期間、諜報情報を集め」、容疑者が「辺鄙な田舎の村」にいることがわかったという。「攻撃のあと、地上部隊が狙った目標とともに、9人の子供たちの遺体を発見した」という。

誘拐されたインド人技師2人は、カブールとカンダハル間の道路工事を請け負うインドの土建業者のもとで働き、ザーブル州で行方不明になった。インド大使館によると、技師たちはアフガン人運転手ともう1人のアフガン人とともに車で移動していたらしい。誘拐犯人は、運転手とアフガン人は解放したという。

garrKids Dead After U.S. Attack in Afghanistan
By STEPHEN GRAHAM、KABUL


■アフガンの爆発、アメリカ人を標的[031206 AP]

カンダハルのバザールで爆弾が爆発し、20人が負傷した。タリバンのスポークスマンが、バザールで買い物をするアメリカ軍兵士を狙ったが、失敗したという。

爆弾は、カンダハルのヘラートバザールにあるホテルの外に、停めてあったバイクに仕掛けられていた。

のちにタリバンのスポークスマンMullah Abdul Hakim Latifiが『AP』に衛星電話をかけてきて、爆発はイスラム過激派の仕業だと述べた。

土曜日に米軍スポークスマンが、パクティア州のガルデズ付近のアフガン人司令官の敷地を調べ、何百ものロケット弾、迫撃砲、ロケット手榴弾、対戦車、対人地雷、榴弾砲を発見した。敷地の持ち主Mullah Jalaniは、ヘクマチアルと関係があると指摘されている。

hoonTaliban: Afghan Blast Targeted Americans
By NOOR KHAN、KANDAHAR


■インド人技師2人、アフガニスタンで誘拐[031206 AP]

インド人技師がカブールとカンダハルの間のハイウェイを移動している間、ザーブル州付近で行方不明になった。「不幸にも、警備関係者に報告なしに、2人は車で移動し、タリバンによって誘拐、または攻撃された」という。

誘拐犯からは何の接触もないというが、「誘拐犯が誰であるかは明らか」で、タリバンだという。インド大使館によると、技師はアフガン人運転手ともう1人のアフガン人と旅していたという。

garrTwo Indian road engineers kidnapped in Afghanistan


■アフガニスタンで爆発、タリバンの仕業[031206 Reuters]

カンダハルのマーケットで爆弾が爆発し、18人が負傷した。警察は、タリバンか、イスラム武力勢力の仕業と見ている。

タリバンのスポークスマンMullah Abdul Samadは、「タリバンは市民を攻撃しない」と関わりを否定した。現場付近にいた警察官は、自転車に仕掛けられた爆弾が爆発したという。

hoonBomb Wounds 18 in Afghan City, Taliban Blamed
By Mirwais Afghan、KANDAHAR


■ジハード敗北者の告白[031206 Asia Times]

彼は模範生でクリケットの選手だった。そして仲間のリーダーとなるとともに、医学の良い教師であった。しかしその後心境の変化があり、ジハードを志願し、6ヵ月の訓練のあと、カシミールに殉教するために出かけた。しかしその後再び心境の変化があり、今まで本物と思っていことは妄想に過ぎず、パキスタンとインドが交わしている軍隊ゲームにおいては、命には価値がないことに気づいた。今、彼はカナダの会社の医学の研究員として働き、自宅でコンピュータに向かう。

「軍は我々のカネを消費している。今やジハードの名目で、社会全体を食い尽くそうとしている。それでいて、若者をカシミールに送りこむ。自分たちで『ジハード』をすればいいのだ」と、Dr. Ahmed(偽名)は言う。彼は80年代後半、カラチの学生の間では名の通った人物だった。医学研究員で、カラチのDow Medical College(DMC)を卒業した。(中略)

  ・Asia Times Online……あなたの人生はどのようにして変わったのでしょうか。

 ・Dr. Ahmed……私はサラフィ派(ワッハーブ)の家族の一員として生まれた。医学の教育を受けたあと、高校教師になった。そこでサラフィ派の学者と親しくなり、彼のジハード観に惹かれた。その後、6ヵ月の訓練を経て、カシミールに行くことにした。アラーに、命を捧げることにした。

 ・Asia Times Online……そこで何が起きたのですか?

 ・Dr. Ahmed……ジハード志願者の中ですぐに頭角を現わしたために、シンド州の司令官の地位に昇格した。カシミールのベース・キャンプに連れて行かれ、ジハードについて、いろいろ教え込まれた。私はイスラムの教えには忠実だが、そこで幻影と現実の違いにすぐに気づいたのだ。

 ・Asia Times Online……もう少し詳しく説明してください。 ・Dr Ahmed……カラチはジハード志願者にとって大事な場所だが、カラチ出身の志願者が少ないということに気づいているだろうか? ほとんどの物がパンジャブの田舎の出身だ。カラチで志願者を募集することは奨励されてない。なぜか? 都会出身のものは、闇雲には命令に従わないからだ。軍は頭の切れる者を必要としない。2002年、私はアザド・カシミールのベースキャンプにいた。すると准将が、1時間のうちに、500人のジハード志願者が必要だという。インドが攻撃を開始するというのだ。そこで私は准将に尋ねた。「何でインドがパキスタンを攻撃するのか、教えてほしい」と。すると彼は「パキスタンはカシミールでの自由への闘争を支援しているために、インドの神経を逆なでしている。だからインドがいつ攻撃をしかけてきてもおかしくない」という。しかし私は「それは何十年間もパキスタンがし続けてきたことだ」と反論し、「インドにとって、今この時期、急に戦いをしかけてくることがあるだろうか?

 しかも、両国が核を持つ時代になったというのに」と聞いた。准将は「アメリカはパキスタンの核を奪おうとしており、これが実現したら、そきときにすかさずインドが攻撃してくる」という。私は笑って言った。「それだったら、まずアメリカを追い払えばいいじゃないか」。私は彼をいらつかせたようで、今後、私には会いたくない、というメモを残して行ってしまった。

 その数日後、もっとひどいことが起きた。若者たちの一団が送り込まれ、これからインド側のカシミールに送り出されることになっていた。しかしそのときにLashkar-e-Toibaの作戦司令官が、インド軍のパトロールが始まったというメッセージを寄越してきた。それにもかかわらず、担当していたパキスタン人大佐は、彼らを送り出したのだ。当然、彼らは虫けらのように殺された。若者たちの顔は忘れられない。「彼らは死ぬに値しただろうか」と、自問自答を続けた。彼らは、命をアラーに捧げたのか? ジハードのために? 軍隊のゲームで殺されたとしか思えなかった。

 (中略)このようなことが続き、私はカラチに帰らざるをえなくなった。そこで、さらに精神的なトラウマが私を待っていた。あるLashkar-e-Toibaの工作員に、アルカイダに協力したという疑いがかかり、逮捕された。後に無罪だとわかった。しかし彼の携帯電話から、私の名前が出てきた。FBIとともに、600人以上の治安部隊が私の家にやってきて、私は引きずり出された。教育を受け、教師をしたこともある私は、誇りを持っていた。それが今や父、妻や子供たちの目前で、ISIに蹴られたり叩かれたりした。私の誇りや自負心は粉々になった。裁判もなく、何日もどこかで拘束された。その後ひと言の謝罪もなく、ある日目隠しをされ、一文のカネも持たされず、辺鄙な場所に放置された。家まで歩いて帰った。後に、Lashkar-e-Toibaのチーフ、Hafiz Mohammed Saeedに会い、この話をした。彼は辛抱しろ、と言った。それが私がLashkarの司令官として働いた、最後の日となった。

 ・Asia Times Online……それでは、あなたは信念を捨てたのですね。

 ・Dr. Ahmed……それは心と魂の問題であり、捨てることはない。誤解しないでほしい。私はまだ信念を持っている。単にパキスタンとインドの「軍隊ゲーム」に嫌気がさしたのだ。馬車の馬の目に、皮の覆いをかぶせて、主人が見たいものだけを見せて走らせる。パキスタン軍は、ジーハド組織をこのように使いたいのだ。動物にはできるかもしれないが、人間に対して、そういうことはできない。

hoonConfessions of a failed jihadi
By Syed Saleem Shahzad、KARACHI


■アフガニスタンの総選挙、暴力で脅かされる[031206 AP]

欧米人やアフガン人に対する、親タリバンとアルカイダによる暴力が頻発してきたために、総選挙は遅れる可能性もある。

「不完全な選挙は受け入られるものではない」と内務大臣のAli Ahmad Jalaliが述べた。「政府は計画通り実行するつもりだが、何か起きたら、延期するべきかどうか、決断をせざるを得ない」。

「選挙は来年6月を計画しているが、登録の開始が遅れたために、すべての人々を登録できない」とカブールの国連スポークスマン、Manoel de Almeida e Silvaが語った。特に南部と東南部のパシュトゥン族の居住地でタリバンによる攻撃が活発だ。

ロンドンのInternational Institute for Strategic Studiesの防衛アナリストChristopher Langtonによると、アフガニスタンの安定には時間がかかっているが、「うまくいっていることもある。悪いことは、タリバンがこれから春にやり始めることだろう」という。また「2ヵ月以上選挙が延期されれば、選挙の合法性もなくなってしまう。治安については予測不可能だ」と、欧米の外交官が述べた。

hoonAfghan Elections Threatened by Violence
By STEPHEN GRAHAM、KABUL


■カンダハルで爆発[031206 AP]

土曜日にカンダハルの中心部、Chawk Shida地方で爆発があり、負傷者が多数出た模様である。「負傷者が出たが、人数は今のところわからない。疑いなく背後にはタリバンとアルカイダがいる」とカンダハルの軍司令官Khan Mohammadが述べた。

カンダハルでは水曜日にも、2人の米兵が手榴弾を投げつけられ負傷した。米軍は木曜日に何百弾ものロケット弾や追撃法、地雷が、カンダハル刑務所に整然と積まれているのを発見した。

hoonBomb Explodes in Center of Kandahar


■アメリカがムジャヒディンを支援したのはパキスタンのせい[031206 Daily Times]

アメリカの外交官が金曜日に、アフガニスタンのソ連侵攻の際にアメリカがムジャヒディンを支援したのは過ちであったが、共産主義者のライバルとの戦いを率先したわけではない、と述べた。「足元しか見てなかった。我々にも落ち度はあった」と前インド大使のFrank G. Wisnerが述べた。アメリカはアフガニスタンでムジャヒディンを集めたことに対して責任があることは認めたが、パキスタンが「率先して計画した」とも述べた。

前パキスタン大使Nicholas Plattと経済学者Dennis Kuxとともに、WisnerはNancy Powel大使の自宅で非公式にレポーターたちに語った。この3人は“New priorities in South Asia: US policy towards India, Pakistan and Afghanistan”という106ページからなるレポートを最近作成した。

3人は、アフガンの治安は「南」から脅かされていると主張。パキスタンがタリバンを支援し、パキスタンに隠れているということに関しては、これらがことが、なぜ政府が知らない所で起こっているのか疑問だと述べた。

hoonPakistan led US in supporting mujahideen: American diplomats
ISLAMABAD


■タリバン、ロヤジルガ参加者に死を[031205 Reuters]

タリバンは、今月計画されている憲法設立のためのロヤジルガに先立ち攻撃を行ない、出席した者は殺害すると脅かした。

タリバン司令官でタリバン10人議会のメンバーであるHafiz Abdul Majeedは『ロイター』に、憲法設立のためのロヤジルガはアフガニスタンの占領者たちが演出する「ドラマ」だと語った。「アフガニスタンに関するすべての決議はアメリカ人が決めていることで、ロヤジルガは単なる見せかけにすぎない。アメリカとその仲間たちはアフガニスタンの占領を強化するためのドラマを演出している」。

Majeedは木曜日に『ロイター』に衛星電話を寄越し、タリバンは近々攻撃を強化することを誓い、ジルガに出席しないよう、警告した。「ロヤジルガの参加者は、死に値する」。

カルザイ大統領は先月、ロヤジルガに向けてタリバンが攻撃を強化してくることを警告していた。ジルガは12月10日に予定されているが、兵站的な理由から2〜3日遅れることもあり得るという。議会には約500人が参加する予定で、憲法草案について話し合われる。憲法では宗教の容認と教育を受ける平等の権利をうたっている。

garrTaliban Says Assembly Delegates Deserve Death
By Saeed Ali Achakzai、SPIN BOLDAK


■部族地帯に、反軍ビラ[031205 Daily Times]

アフガニスタンのある組織によって、(パキスタン側の)部族地帯でパキスタン軍兵士か「パキスタン人または外人ムジャヒディン」を殺した者に、何十万ルピーもの報奨金を約束するビラが出まわった。

南ワジリスタンのAngore Addaに、パシュトゥン語で書かれたビラが出回り、パキスタン軍兵士を殺した場合は50万ルピー、「パキスタン人ムジャヒディン」は30万ルピー、「外国人ムジャヒディン」は50万ルピーの報奨金を約束した。この組織は名前を明らかにしてないが、ジャララバード、カンダハル、コシュト、カブールに事務所があるという。

ビラは、部族民たちにアフガニスタンのイスラム政府を援助するよう呼びかけているが、ワジール族たちはパキスタン兵を標的にするよう要求していることから、驚きを表わしている。部族地帯には、何千という正規軍が派遣されている。

hoonsmellAnti-army pamphlets in Tribal Areas
By Rasool Wazir、WANA


■憲法の危機[031204 Washington Post]

650人以上の長老たちが木曜日に、国連が設置した選挙のためのテントの外に集まった。国連は、新憲法設立の準備をしており、長老たちは憲法設立議会に参加する候補者を選出しようとしている。

「我々は民主主義が欲しいが、それはイスラム法に従ったものでなければならない」と、ガズニ州の農民Nasrullah(55)が言う。「この書類には、罪人を殺すことを禁止している。しかし犯罪を止めるためには、qisasが必要だ」と、目には目をというイスラム法の復讐の制度について言及した。「これはタリバンの法ではない。神が決めた法だ」。他の長老たちも同意する。女性はブルカを被れば集会に加われることになっている。しかし唯一の女性候補者の姿は、どこにも見えない。彼女はその日、教室に隔離され、彼女に憲法草案のコピーを渡すものはいなかったという。

今週、憲法を決めるためのロヤジルガ出席者500人を決めるために、8つの都市から1万9000人の代表者が集まった。アフガン政府は1ヵ月前に、憲法草案を発表した。これは来年行なわれる総選挙に先立ち、まずロヤジルガで決議され、その後国会で決議される予定だ。

政府高官によると、さまざまな政治的、宗教的組織の要求に沿ってバランスを取ったと述べるが、保守派と革新派の両方から批判を受けている。人権団体は女性の権利、司法の独立、宗教マイノリティーの保護に欠けていると非難。学生たちは、高度教育を受ける権利の保証がないと訴える。ガズニとパルワン州の代表や選挙候補者たちの間では、憲法が非常に世俗的、現代的であり、イスラム法や伝統への配慮がないという意見が圧倒的だ。彼らの意見を聞くと、議会は大きく分裂する恐れがあるようにみえる。

月曜日にカブール・スタジアムに集まった500人のタジーク族の代表たちは、みんな真剣だった。ほとんどがソ連やタリバンと戦ったゲリラたちで、彼らは現代的で平和な国を作ることに熱心のように見えた。それでも彼らが集まったテントの中では、強い大統領と弱い国会をうたった新しい政権に批判的で、民族的マイノリティーやアフガン北部の自分たちのような「自由な戦士」に対する保証がないと訴える。憲法原案では首相を考案していたが、カルザイ大統領がこれを除外した。

「国の将来が脅かされている。殉職者たちの流した血を無駄にしたくない」とMahmad Yacoub(47)が言う。「我々は強い首相がいる国会がほしい。貧しい者や自由の戦士の権利が侵害されないようにしたい。ロシアと戦ったように、我々はロヤジルガと戦う」。

民族的感情は他の部分にも繁栄される。国歌はタジーク人の用いる言語であるダリ語ではなく、パシュトゥン族の言葉、パシュトゥン語で歌うべきで、前アフガニスタン王のMohammed Zahir Shahは「国家の父」とすべきだという。

治安の安定していない州の代表者たちは、1週間かけてガルデズに集まったという。保守的なパシュトゥンの地域であるガズニの代表たちは、憲法草案はイスラム法や民族的権利、伝統を侵害すると心配する。ガズニで教師をしているMahmad Samanderは、草案の161の項目を「注意深く」読んだというが、イスラムの教えに反する部分を何十ヵ所も見つけたと言う。「我々はイスラム法がほしい。国際法ではない。我々の仲間は、そのために戦ってきたのだ」。「もしロヤジルガに参加することになっから、自由の戦士として、すべての反イスラム的要素を修正するために戦う」。(中略)

地方の町では、女性の候補者はほとんどいない。ガズニでは、女性のための選挙を2回行なわなければならなかった。パクティアでは候補者が1人だけだったので、ノルマを満たすためにもう1人、選び出さざるをえなかった。ガルデズに来た、ただ1人の女性候補者は、24歳の保健婦だった。夫に伴われて、1日中学校の中で待機していた。「私の住んでいる地方では、ロヤジルガについて知っている女性は、私以外1人もいなかった。憲法草案を読む機会を与えられた者もいない。私は人々の力になり、アフガンの女性が公の場に参加できるよう、助けていきたい。これまで彼女たちはそういう機会がなかったのだから」。

hoonA Brewing Constitutional Crisis
By Pamela Constable、GARDEZ


■活動禁止令が出た過激派組織、再結成されることはない[031204 Reuters]

活動禁止令が出されたイスラム過激派は、改称して再結成されることは許されないと、ムシャラフ大統領が宣言した。また、イスラム原理主義を育成しているとして欧米が非難するマドラッサに対しては、今後、厳重に取り締まると述べた。

これらの禁止令は、アメリカ大使Nancy Powellが過激派組織の再結成に憂慮を示したあとに発令されたが、ムシャラフ大統領はこれは単なる偶然だと述べている。「政府がしていることは、外的圧力によるものではない」と情報大臣のAnwar Mahmoodが、ムシャラフの言葉を引用して述べた。ムシャラフがアメリカに追従していることに対して、宗教保守勢力からは強い非難が出ているようだ。

マドラッサに関しては「なかには急進主義や暴力を押しつけているようなので、厳重に取り調べていく」と、80人の宗教家や聖職者を集めて演説した。しかしFederation of the Sunni Deobandi school of madrassahsの総書記長であるQari Muhammad Haneefが『ロイター』に語ったところによると、政府はマドラッサの取り締まりに本気ではないという。Haneefの組織は8000のマドラッサを管轄しているが、2002年以降、これまで政府からの接触はないという。「この集まりに招かれなかったことは驚きだ。もう何百年もマドラッサは存在しているが、これが原理主義者たちを生み出す土壌となっているというのなら、何でこの10年や15年に限ったことなのか?」と疑問を投げかけた。マドラッサについては誤解されていると強調した。

smellPakistan says banned radical groups to stay banned
By Mike Collett-White、ISLAMABAD


■アフガニスタンのアメリカ大使館付近で爆発[031204 AP]

木曜日、カブールのアメリカ大使館付近にロケット弾が打ち込まれた。負傷者はない模様。ラムズフェルド米国防長官がアフガニスタンを去った直後だった。

hoonBlast Near U.S. Embassy in Afghanistan
KABUL


■ラムズフェルド、アフガン総選挙は成功する[031204 Reuters]

アフガニスタンを訪れた米国防大臣ラムズフェルドは木曜日に、来年の総選挙はタリバンによって妨害されるのではないかという一部の不安を否定した。同じ日、ゲリラが国連のプロジェクトで働く労働者を殺害した。

ラムズフェルドは、北部のドスタム将軍とアタ将軍と会見して非武装化を確認するとともに、NATOは今後アフガニスタンで、いっそう広く活動することになると、述べた。タリバンが選挙を妨害するのではないか、という質問に対しては「南部での出来事を示唆しているのだろうが、選挙が遅れることはないと思う。事故はあるだろうが、アフガン軍と同盟軍が果たせる役割を考えれば、すべてはうまくいく」。

しかし援助団体や国連は治安のレベルを憂慮し、選挙がうまくいくかどうか、心配する。木曜日には、国連のプログラムに関わるアフガン人労働者が襲われ、1人が殺され、11人が負傷した。水曜日には米兵2人が手榴弾を投げ込まれ、負傷した。

安全に対する不安は、タリバンの攻撃に限ったことではなく、軍閥たちが支配する地域にもいえる。ラムズフェルドは、北部を訪れ、ドスタム将軍とアタ将軍に会見している。水曜日に、国防省はドスタムは戦車3台だけを引き渡したと発表。いっぽうアタは、戦車50台を引き渡したという。しかしラムズフェルドは、両者とも進歩を見せていると評価した。

hoonRumsfeld confident on Afghan poll despite violence
By Will Dunham and David Brunnstrom、KABUL


■パキスタンの取り締まりに亀裂[031204 Asia Times]

パキスタンはイスラム過激派の取り締まりを行ない、インドとの和平交渉を始めたように見えるが、これは単に欧米を満足させるために過ぎず、矛盾に満ちている。宗教政党にとって、Line of Control(LoC)での停戦は「敗北である」。Jamaat-i-Islami(JI)のリーダーQazi Hussain Ahmedは、「インドは、パキスタンがテロや暴力に荷担していたという証拠のプロパガンダとして、これを用いるだろう」と語る。

ジャマリ首相による停戦の発表は、パキスタンがアメリカの圧力を受けて、イスラム過激派を取り締まり始めたことに対する批判が高まるなかで行なわれた。そして右派からの反対にもかかわらず、パキスタン政府はインドと航路を開くことも発表した。1月にイスラマバードで開催される南アジアサミットで、両国の首相が同席する可能性も強くなってきた。

しかし宗教政党によると、政府の最近の動きは、欧米を満足させるものにすぎないという。「現実では、インドはいまだにカシミールにいるムスリムに一方的な戦いを挑んでおり、今彼らはパキスタン軍にさえ、見放されたのだ」とQaziは言う。QaziのJIは、Muttahida Majlis-e-Amal(MMA)の1党である。MMAは、イスラム組織の活動が制限されていることを心配する。「最近の過激派の取り締まりは、アメリカの圧力によって行なわれた」とMMAのHafiz Hussain Ahmedは語る。政府はこれを否定しているが、11月15日にイスラム過激派3組織が取り締まりを受ける前日、パキスタンのアメリカ大使Nancy Powellが過激派を非難したのだ。政府高官は、Powellの非難をワシントンからの叱責と受け止めた。インドも、パキスタンと和平を結ばない原因として、過激派を野放しにしていることを指摘している。政府はすばやく対応し、Islami-Tehreek-e-Pakistan、Millat-e-Islamia Pakistan、Khuddam-ul-Islamの3組織を取り締まった。数日後、さらに3組織、Hizb-ul-Tehreer、Jamaat-al-Furqan、Jamiat-ul-Ansarの活動を禁止した。

11月15日に取り締まられた3つの組織は、それぞれTehrik Jaferia Pakistan(TJP)、Sipah-i-Sahaba Pakistan(SSP)、Jaish-e-Muhammadとして活動してきたグループだが、リーダーたちは今をもっても逮捕されてない。

カシミール独立を支持する組織のなかには、過激派の取り締まりとインドとの対話開始には関連があると考え、これらの出来事は、カシミールを分断し、LoCを永久的国境に変えようとしているのではないかと、危機感を持つ者がいる。Jammu and Kashmir Liberation Front(JKLF)を率いるAmanullah Khanは、「アメリカやEUは、パキスタンとインドに圧力をかけ、停戦ラインを永久的国境として認めさせようとしている」と述べる。JKLFはこれまでインドとパキスタンの平和を願ってきたが、カシミールの人々にとって、このような結果になることは受け入れがたいという。「このようなことは認めない。カシミールの人々は、カシミールの独立のために、これまで戦ってきたのだ」。

一部、パキスタンの最近の動きを賞賛する者もいるが、アナリストたちは、パキスタンが国際社会に対して交わす約束と、政府の政策とは相反すると考えている。パキスタンが今、最も関心があるのは、ムラーたちとの憲法上の論争である。MMAは、Islami-Tehreek-e-Pakistanの党員たちの除名を拒否し、Jamaat-i-Islamiはインドとの和平の動きを非難しているが、MMAの長、Chaudhry Shujaat Hussainは、政府とMMAとの取り引きは終わったと語っている。しかし、その見返りについては何も語ってない。

新聞社も、政府のイスラム過激派への態度には批判的だ。「活動禁止命令を受けた組織の活動を禁止することは、これらの組織が再び蘇る可能性があるということで、政府は再び同じ問題に直面する。新たに組織を造り、活動を始めることはすぐにできる」と、『The News』は11月17日に書いた。「政府が諜報情報を得て、はじめて行動する。しかしその頃には、組織はすでに新たなメンバーを導入し、過激活動を行なうことに成功している」。Islami-Tehreek-e-PakistanとTahrirは、活動を続けることを表明している。Pakistan People's PartyのAfsraul Mulkは次のように言う。当然「政府は、外交政策と国内政策を一致させるべきだ。インドと和平を結びたいと願ういっぽうで、政府は今まで足かせになってきた組織と、政治的取り引きを行なっている」。政府は、MMAが過激派の取り締まりやインドに対する政策に合意を表明するまでは、MMAと取り引きを行なってはならない、とAfsraul Mulkは語る。「これらの矛盾は取り除かねばならない。それによって平和への道が始め開かれる」。

smellCracks in Pakistan's crackdown
By Muddassir Rizvi、ISLAMABAD(Inter Service Press)


■急進派イスラムのもうひとつの面[031204 Asia Times]

先月のイスタンブールでのテロに伴い、イギリス、フランス、イタリア、ドイツなど、さまざまな国で取り締まりが強化された。と同時に、急進派のアジェンダが再び注目されている。欧米では一般的に、欧米世俗組織と市民社会に対する脅威と見る。容疑者が異質な者であるというよりは、その思想が異質であり、ほとんどが外部社会の者ではなくその土地に住む者であることから、これらのテロとの「戦争」は非常に難しいと諜報部は述べる。多くは教育を受け、良い家庭の出身であるにもかかわらず、急進派の道を歩むのだ。

しかし欧米のイスラム急進派に対する概念と、ムスリム社会での概念とは異なる。これを探るために、『Asia Times』はイスラム協会Jamaat-i-Islami Pakistan(JI)の総書記長Syed Munawar Hasanに聞いた。JIはパキスタン最大の宗教政党である。1941年に創始したSyed Abul Ala Maududiは、世界中のムスリムに影響を与えた。現在JIは6党からなる宗教連合党Muttahida Majlis-e-Amal(MMA)の中で重要な役割を担っている。Munawar自身は社会学とイスラム学で学位を持ち、カラチ大学では英語とウルドゥーの討論者として高い評価を得ている。

Munawar……欧米のウィケット(訳注:クリケットのゴール)でゲームはしたくない。欧米は誤った解釈をねつ造し、それをもとにして大騒ぎをしている。イスラム急進派に関しては、最初から誤解している。問題はアメリカのプロパガンダにある。それは現存しない自分たちの理論を確立する使命を持ち、人々を欺くために用いている。たとえばアルカイダだ。アメリカは9.11以前、この言葉を用いているのを聞いたことがない。しかし9.11以後、アメリカはこの名前を世界に広め、さまざまな神話をこの組織と結びつけた。すべてが完全にお膳立てされたために、ムスリムが原因となったすべての戦いは、パレスチナからカシミールに至るまで、自動的にテロ活動として描かれるようになった。イスラエル占領軍に石を投げるパレスチナ人の行為は、テロ行為となった。しかし一般市民を銃撃するイスラエルのヘリコプターは、テロ行為とは考えられてない。シャロン大統領は、アラファトを追放すると公言し、イスラエルの内閣全員がアラファトを殺したいと言っても、異議を唱える者はいない。自由のために戦うパレスチナ戦士たちは、欧米にテロリストと呼ばれるが、イスラエル人はそうは呼ばれない。このように、すべての概念が欧米によって定義されている。私は言いたい。「テロ」という言葉を定義してほしい(中略)。

Asia Times……しかし一般的に欧米は、最近の戦いは自由のための戦いではなく、市民社会、自由、人権を排除しようとする戦いとみているが。

Munawar……欧米の文明は、嘘や基本的な真実の否定に基づく。過去において、ユダヤ人は欧米の犠牲者だった。ムスリムの犠牲者だったのではない。欧米の犠牲者となったときに、彼らはムスリム社会から保護を受けた。キリスト教支配の時代、ユダヤ教徒はパレスチナにあった聖地を訪れることを禁じられていた。いっぽうムスリムは、いつでも彼らが聖地を訪れること許していた。これが歴史の真実だ。それなのに、欧米は市民社会や人権に対するスローガンを掲げ、国連の決議なしに国家を攻撃する。国連は決してこのような野蛮な行為を許さないからだ。中東の平和へのロードマップを読んだことがあるか? あの長い書類の中には、「人権」や「国際法」などとい言葉を見つけることはできない。なぜなら、もし人間が家を追い出されるようなことがあったら、援助し再び住めるようにする、というのが国際法だからだ。だから今まで言ったように、欧米は美しい言葉を並べるが、自分の利益ばかりを追求する。

Asia Times……自己決意の権利のための戦いを否定する者はない。しかしここで問題なのは、テロという方法が取られることだと思う。

Munawar……政治とテロリズムを別々に分析することは危険だと私も思う。今日テロリズムは、アメリカの政策に対する反動だ。シャロンが「国連なんてくそ食らえ」と言い、アラファトを殺せと言ったところで、問題は生じない。しかし自由を勝ち取ろうとする者が石を投げたら、彼はテロリストになるのだ。

Asia Times……あなたは欧米とムスリム社会には矛盾がありすぎると言う。ふたつの文明の間に対話や調停はあり得ないのだろうか。

Munawar……あり得ない。両者の根本的な概念の違いは、対照的だ。これはキリスト教社会としての欧米文明に言及しているのではない。神の指針が欠如した、人間の手による組織について言っている。我々の神についての概念、人間、宇宙についての概念は、欧米世界のものとは相反する。我々は人間の生活を個人と公に分けない。我々の生活は神の指針に基づく。人間が作り出した規則や自身の偏見、自身のジレンマや欠点によって特徴づけられる思考に基づくのではない。我々の宇宙に対する概念は、唯物論的なものや「偶然」ではないのだ。我々にとって宇宙は神がその計画を実行するために、造りだしだものだ。これらの根本的な概念が、我々と欧米の態度の違いを作り出している。

Asia Times……しかし欧米社会のほうが、その世俗的な組織を用いて市民に自由を与え、宗教に従い、もっと寛大な精神をもって人生を歩んでいるとは思わないだろうか。

Munawar……あの世俗的社会をもっと研究してごらんなさい。それほど自由ではないじゃないか。彼らの世俗的な概念に、明確な封印があることに気づくと思う。インドの世俗主義はヒンドゥ世俗主義だ。そこにはHindutva(国粋主義的イデオロギー)を見いだすことができる。同じように、欧米の世俗主義はキリスト教世俗主義だ。9.11以後、キリスト教徒は1人もテロリストと認定されてない。欧米社会では、テロリストと認定されるためには、ムスリムでなくてはならない。炭素菌事件を覚えているか? あれはいったいどうなった? 非ムスリムのやったことは、いつの間にか、うやむやになる。私はあれは、アメリカが自国を支持するための陰謀だったと思っている。

Asia Times……あなたの信念は、ムスリム社会の特定の学派の思想、つまり過激派の思想を代表していると思う。たとえば、サラフィ派(ワッハーブ)とスーフィ(神秘主義)がある。スーフィの教えは、あなたの考えとは異なると思う。

Munawar……それは欧米が作り出した論理で、私はそれには乗らない。欧米は常に、ある一時期、自分たちの都合に適した概念を巧妙に作り出す。例えば、アメリカのシンクタンクが、イスラム運動は選挙に参加し、体制の一部になるべきだ、と言っていた。こうしてイスラム運動を排除できると思ったのだろう。しかしムスリムの組織も、物事を処理することができるとわかると、今度は我々を過激派と非難する。そして民主主義的に行なわれたにもかかわらずに、政府が変わることに反対するのだ。ここで再び言いたい。「過激派」を定義してほしい。私の見解では、規則を侵害する者は過激派だ。それでは誰が規則を犯している? 欧米が市民社会のチャンピオンだ。それでいて、独裁者や君主主義の最大支持者ではないか。ヨルダン国王が死去したときに、アメリカは5人の前大統領を送り込んだ。そのメッセージは「国王は死んだ。新国王に永遠あれ!」ではないか。欧米はエジプトの政治抑圧に目を背け、政府がしていることを過激主義とは言わない。ここで過激主義を再検討する必要があるのではないか。そうすれば、誰が過激派で、その法則を適応しているのが誰なのかがわかる。サラフィ派やスーフィに関して言えば、これも欧米によるばかげた理論だ。欧米はサウジを標的にしなければならなかったので、この理論をメディアを通じて広めた。我々の指導者は社会を理解できない人々であるがために、欧米のトリックに引っかかり、悪い結果になってしまった。なぜなら、実際、問題は違っている。パキスタンの99%のスンニは、ハナフィ派だ。サラフィはほんの一握りの人々だ。パキスタンのサラフィ派の人々は些細なことから見分けられる。たとえば、髭の長さだとか、服の模様だとか、祈りの仕方だ。それでいて、アメリカは彼らを非常に危険だという。これらの見解がパキスタンで報道された。そこで、サラフィではないパキスタン人は、サラフィ派を反アメリカの一派と捉えるようになり、興味を持つようになった。その結果、サラフィと名乗る者が増えた。事実は、アメリカに対する敵対心が、物事を変えたのだ。それ以外の何事でもない。

hoonThe other side of radical Islam
By Syed Saleem Shahzad、KARACHI


■アフガニスタンの民主主義を警戒するパシュトゥン[031204 BBC]

アフガニスタンに40年ぶりに民主主義を与えることは、非常に難しい仕事であることは明らかだ。アフガニスタンの人口、約1050万人を、まず登録することから始めなければならない。(中略)

あるパシュトゥン人は言う。「パシュトゥン族には十分な権利がない。タジークがカブールを支配している。カルザイ以外は、みんな軍閥だ。我々は彼らを尊敬できない。選挙によって変わることを期待するが、同じ人々が政府をコントロールするのではないかと、恐れている」。女性は言う。「パシュトゥンの地域では、女性が全員選挙に加わることはできないだろう。寛大な家族を持つ者だけが、選挙に加わることができる。多くのものは恥ずかしがって、自分の名前さえ他人に言うことさえできない」。

国連は、アフガン人全員が選挙ができることを保証するための、「市民教育」をしている。しかしパシュトゥン族が住む南部、南西部の現状を考えると、選挙は不完全なものになることは確かだ。選挙管理人たちは、車、飛行機、ロバに乗って、6ヵ月の間で全アフガニスタン人のもとを訪れる計画だ。しかし南部や南西部でのタリバン運動のために、この地域には踏み込めないでいる。Afghanistan Research and Evaluation UnitのChristina Bennettは、選挙を急ぎ過ぎるとパシュトゥン族たちをさらに取り残すことになるのではないか、と恐れる。「選挙管理人たちが、彼らのもとを訪れることができないがために、選挙から除外されれば、ますます公民権を奪われたと感じるだろう。すでに彼らには不満がたまっている。それに、選挙の結果は合法とは認められない。南部からの信任がないために、中央政府として認められない」。

国がこのまま不安定であれば、公正な選挙は実現できそうもない。アフガニスタンに民主主義を実現させるためには、国際社会はそれが根づくような条件を整える必要がある。選挙が公正に実施されるためには、すべてのアフガン人たちが政治に加われなければならない。アフガニスタンに調和をもたらす前に、混乱しているアフガニスタンに民主主義を導入することは、危険ではないだろうか。

hoonPashtuns fear for Afghan democracy
By Crispin Thorold、Jalalabad


■アフガン人、軍閥の約束に懐疑的[031203 AP]

アフガニスタン最大の軍閥が、国軍に重武器を引き渡す準備をしているという。国防大臣のファヒムはJamiat軍のリーダーでもある。Jamiatはパンシール渓谷に、ミサイルやロケット弾、戦車や砲隊を所持しているといわれる。ファヒムはこれまで、非武装化を拒否してきた。タリバンが攻撃をかけている今、武器を捨てることはばかげたことだと、周囲の者たちは口をそろえる。

しかし現在、ファヒムが所持する何百という重武器をカブールから運び出す計画が進行しおり、国防副大臣のGen. Abdul Rahim Wardakによると、武器をいかにしてパンシールからカブール近くの施設に運び出すか、検討しているという。「できるだけ早く実現する。条件はない」という。

NATOのスポークスマンLt. Col. Joerg Langerによると、1月に始まる予定だという。パンシールから武器を運ぶことは「現在検討中だが、まだ具体的な案はない」とのこと。国防省スポークスマンのZahir Azimiは、ファヒムはパンシールから武器を運び出すことをアメリカ軍に約束したと述べた。米軍高官は、このことに関してコメントしてない。

タジークが支配するJamiatを非武装化することで、アフガニスタンの人口の大多数を占めるパシュトゥンの不満を解消することにつながると思える。カルザイ大統領は9月に、パシュトゥンたちの信頼を勝ち取るために国防省の改革に乗り出し、パシュトゥンのWardakを始め、非タジーク族3人を省のトップに異動した。しかしファヒムは軍の首脳陣に同胞を置いているために、パシュトゥンたちはの不満はまだ解消されてない。今回彼らが満足するかどうかは、ファヒムの誠意にかかっていると、ロンドンの戦略アナリストのChristopher Langtonは述べる。「肯定的に迎えられ、他の軍閥を刺激するかもしれない。しかしファヒムが何を引き渡すかにかかっている。単なるジェスチャーなのか、本当の非武装化なのかは、まだわからない」。

hoonAfghans Skeptical of Warlord's Pledge
By STEPHEN GRAHAM、KABUL


■「靴爆発犯」ほう助でイギリス人控訴[031203 AP]

24歳のイギリス人Sajid Badatが、「靴爆発犯」Richard Reidをほう助した罪で起訴された。イギリスでは先週、対テロ捜査で20人が逮捕された。詳細は発表されてないが、自宅から爆発物が押収されたという。

hoonBriton Charged With Helping'Shoe Bomber'
By AUDREY WOODS、LONDON


■アフガニスタンで米兵2人負傷[031203 AP]

カンダハルで米兵の車輛に手榴弾が投げ込まれ、米兵2人が負傷した。1人は重傷だという。

hoonTwo U.S. Soldiers Wounded in Afghanistan
KANDAHAR


■ジハードの根[031202 The News]

(前略)世界のどこかでテロが起きると、必ず何らかの形でパキスタンの名前が挙がってしまう。容疑者がどこかで訓練を受けたという話になると、パキスタンの登場だ。パキスタンの、この負のイメージは、冷戦時代にアメリカが目的を達するためにアフガニスタンでの戦争に荷担する、というハク将軍の決断のためにできあがってしまった。その結果、宗教過激派が世界中からパキスタンに集まり、このイメージは、後に民主主義国家になったあとも、簡単にぬぐい去ることはできない。

ムシャラフ大統領は最近、パキスタンは外部からの危険よりも内部からの危険にさられれている、と演説した。79年以後、イランとアフガニスタンで政治的革命が起きた時に、アメリカはジアウル・ハク(ジア)にあらゆる支援を与え、共産主義に対して「イスラム主義者を用いて」聖戦を行なう、という政策をとった。その結果、58の過激派とそれぞれが運営する24の武装組織がパキスタンに出現した。これらの組織は、アメリカやパキスタン当局から、武器や資金をもらった。アメリカの戦略は、一般市民にその政治的目標を達成させ、英雄にすることだった。ホメイニがアメリカにとって悪であった時には、フセインを英雄にしたてあげ、アフガニスタンの共産主義者に対抗するために、ビンラディンやムジャヒディンを生み出した。ジアも、自身の英雄をパキスタンで作り上げ、アメリカが作り上げた英雄とともに、パキスタンから、ジハードを行なうために送り出したのである。

ランディコタールからカラチに至るまで、パキスタンはムジャヒディンの基地となり、彼らはカラシニコフやロケット弾を掲げて、自由に動き回った。その多くは大学や高校に招かれ、ジハードを説いた。当時、パキスタンの政治家たちは、これらの教育施設に入り込むことができなかった。今日においては、モスクの建設にしろ保守的な法律の設定にしろ、宗教という名目で決定されたことを無効にすることはできない。宗教という名目で反啓蒙主義が進み、健康面や教育、仕事などにおいて、女性が標的になっている。女性が名誉のために殺害されることもある。今日、ムスリムによるムスリムの殺害が増え続けている。

これらのことは、宗教哲学の解釈に権威があると主張する一握りの人々の解釈によって実施されているのだ。そして現在の政府を含め、すべての政府は、これらの一握りの人々を認めてきた。これが、ジアウル・ハクがアメリカの戦略家と協力して、開始したことなのだ。そして今日、誰もパキスタンに来たがらなくなった。外国政府は、パキスタンへの渡航に注意を呼びかける。

現実的にテロ行為は、多くの場合、それぞれ個人の母国における政治的、社会的組織への反動である。アメリカによって復興させられた原理的なイスラム主義は、単に最後のステップに踏み出させているにすぎない。「ある者たちは、ビンラディンのようなカリスマに魅惑されるかもしれない。しかし彼らが引きつけられるのは、権威主義的な体制、社会的正義の布告だ」とイスラムについての著作が多いJohn Espositoは語る。サンフランシスコ大学のStephen Zunesは、「反動的な聖職者に敏感な人々には、一つのパターンがある。伝統的な地方経済を破壊する経済政策、多元的な政治の欠如が主な原因となる」と述べる。専門家によると、イスラムのテロリストたちを結びつけるただ一つの糸は、イスラムの解釈である。それは本流とはかけはなれた解釈であり、殉死を賞賛し、敵を悪魔と考え、武力が信仰に不可欠と解釈する。

過激派を取り締まるだけで、そのリーダーや創始者たちを社会に再び火をつけるままに放置すれば、我々の社会に深く根ざす問題を解決することにはならない。もっと長期的な計画を建てなければ、意味がない。教科書の再検討や改訂が、まず早急に必要だ。民主主義に価値を置き、異議に対して耳を傾けることができるオピニオン・リーダーの出現が望まれる。それぞれの政治的野望は傍らに置き、社会に対する反啓蒙主義に立ち向かってほしい。我々の社会をいまだ脅かす、ジアウル・ハクの亡霊と戦うための、計画性のある、長期的な戦いが必要だ。

rightThe roots of jehad
Dr. Mehdi Hasan


■アメリカ、アフガン再建活動を開始[031201 AP]

アメリカは、アフガニスタン西部で、新たな再建計画を開始した。米兵約60人がヘラートに派遣され、再建に従事するという。

このProvincial Reconstruction Teamの活動はこれで6件目で、アメリカはパクティアとパルワンで、イギリス、ドイツ、ニュージーランドは、それぞれアフガニスタン中央部と北部で活動している。(後略)

hoonU.S. Opens Afghan Reconstruction Mission
HERAT


Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003.