【2003年12月08日〜12月14日】


■パキスタン大統領、暗殺を免れる[031214 Reuters]

ムシャラフ大統領は日曜日に、あわやのところで暗殺を免れた。ムシャラフ大統領はカラチからイスラマバード空港に戻り、ラワルラワルピンディに向かっていた。途中、橋を通過した数秒後に橋が爆発したという。

garrPakistani president escapes assassination bid
By Zeeshan Haider、RAWALPINDI


■厳戒体制の中で、ロヤジルガ開始[031214 Reuters]

日曜日、厳戒体制のもとで、ロヤジルガが開始、500人の代表が、全国から集まった。何百人とい警察官や兵士、平和支援部隊の兵士たちに警備にあたった。

ロヤジルガは10日から数週間にわたって開催される予定で、ドイツのNGOが寄付した、巨大なテントの中で話し合いが行なわれる。

hoonSecurity tight as Afghans start key assembly
By Sayed Salahuddin、KABUL


■タリバン支配地で、種類密造者が活躍[031214 Reuters]

ペシャワルの酒類密輸業者は、大儲けをしている。北西辺境州が原理主義政権に支配されるようになった1年後、アルコール密売人たちの元には、ウォッカやウィスキーの注文が殺到するようになったと、ペシャワルにある15の密売業者の1つで働く男が言う。

このラマダン明けの祭日だけで、40万ドルの儲けがあったらしい。彼をはじめ多くの男たちが、Muttahida Majlis-e-Amal(MMA)が「新しいタリバン」になっている、とする欧米メディアの報道を笑い飛ばす。この1年間、ほとんど暮らしは変わらない。「ペシャワルの暮らしは楽しいよ」と地元ジャーナリストは言う。

MMAは6月にシャリア法を適応した。音楽は禁止され、女性のポスターは取り外され、映画も禁止された。しかし一般的にペシャワルの人々は、これまでとの変化は限定的であるにすぎないと見る。MMAは自己満足をしているにすぎない、という批判も受ける。

アフガニスタンは、国境付近におけるイスラム過激派への支持が、タリバンやアルカイダ掃討作戦に悪影響を与えていると恐れる。ペシャワルの大臣Akram Durraniは、北西辺境州の「タリバン化」について『ロイター』に語った。「我々は民主主義者だ。そして民主主義によって、権力の座についた。我々はタリバンのイデオロギーに従ってはない」。彼はアフガニスタンで起きていることと北西辺境州とは、関係がないと主張する。

北西辺境州の野党議員で人権擁護者のAfrasiab Khattakは、MMAは原理主義が繁栄する土壌を作り出していると指摘する。「寛容さを否定する雰囲気を、人権や女性の権利を侵害する、文化的気質を作り出している」。

Durraniは、女子校や女子大学が近々作られると述べ、男女共学の時代の終わりを予告する。「我々は共学が悪いと言っているのではない。大学のレベルでは、男女が一緒に勉強していい。しかし両親が、娘を共学の学校に行かせたがらない」という。 (中略)

新聞の編集者でアフガン専門家であるRahimullah Yusufzaiは、宗教過激派たちはその力を乱用するだろうが、タリバン風の支配はしないだろうと見る。「タリバンを再現しようとしているのではないと思う。民主主義を通じて、権力の座についたと主張しているし、諜報部や連邦政府など、さまざまな権力と戦わなければならないことも知っている」。州の収入の90%は連邦政府の国庫から来るために、イスラマバードは州をコントロールすることができる。禁止令や規制に関しては、少なくとも今のところは象徴的なものだ。アルコールの件がいい証拠だ。「子供たちにするな、と言えば、必ずやるでしょう」と、ある酒類密売人の顧客が述べた。

ohBootlegger's paradise in "Taliban" Pakistan province
Mike Collett-White


■パキスタン、イギリス大使館の盗聴を試みる[031214 Daily Times]

ロンドンのパキスタン大使館が盗聴されていた件が明るみに出る数ヵ月前に、イスラマバードのイギリス大使館は、大使館が盗聴されている証拠をつかんでいた。

欧米の情報源によると、6ヵ月前に、イスラマバードのイギリス大使館に盗聴器が仕掛けられているのが見つかったという。イギリス政府は正式にパキスタン政府に抗議したが、今にいたるまで、パキスタン政府からは、何の説明も受けてないという。イギリスは、パキスタンとの関係を悪化させることを恐れ、この事件を公表しなかった。これと同じような事件が、逆にロンドンのパキスタン大使館でも発覚している。パキスタン政府がイギリスに対して反応しなかったと同様に、イギリス政府もこの件に対しては、何も発表してない。「これでお互い様だ」と、ある情報筋が『Daily Times』に述べた。(後略)

ohPakistan tried to bug the British HC
by Khalid Hasan、WASHINGTON


■アルカイダとタリバン、南ワジリスタンでは匿わないと長老[031213 Paktribune]

南ワジリスタンの長老が、今後タリバンやアルカイダを匿ったり、活動を行なうことを許さないと述べた。

「タリバンとアルカイダはカラシニコフ文化を我々の土地で展開していたが、これからは若者や我々の文化を保つために、そのような要員を追い出すことを計画している」と、SarwoaikiのMolay Khanで行なわれた集会で長老たちが述べた。若者たちがカラシニコフを手放し、ペンも持つ時期が来たという。

hoonAl-Qaeda, Taliban not to be given asylum in SW, tribal elders


■アフガニスタン北部の空爆、ヘクマチアルを狙った[031213 AFP]

10月下旬、アフガニスタン北部で6人の市民を犠牲者を出した空爆は、ヘクマチアルを狙ったものだったと治安関係者が『AFP』に述べた。

10月30日に3時間以上もかけて、ヌーリスタンのWaygal村を米軍が空爆したが、これはヘクマチアルと彼の部下のMullah Faqirullahを狙ったものだったという。2人は空爆が開始する直前に、逃げたらしい。「たった3、4キロの違いだった」という。

この空爆で、6人の市民が殺されたが、全員前ヌーリスタン知事Mullah Rabbaniの親戚だったという。山肌にへばりついたように建つ、小さな家に住んでいた。米軍は、ヌーリスタンでの出来事については、コメントできないと述べた。

garrUS bombing raid in north Afghanistan 'targeted fugitive Hekmatyar'
KABUL


■カルザイ苦戦[031213 Daily Telegraph]

(前略)ロヤジルガの代表の3分の1は、政府が発表した憲法草案が独裁制を確立すると信じる。アフガニスタンには強い中央政府が必要と誰もが見るが、強い大統領制は懸念されている。「大統領制はほしい。しかし大統領を監視する議会もほしい」と、クナール州の代表のQazi Abdul Sattarが言う。カルザイは、ロヤジルガで大統領制が採決しなければ、立候補しないとも宣言した。

これに反対するのが、ウズベク、タジク、トルコメン、ハザラ族など、北部の少数民族だ。これまでの敵対していたが、大統領制に反対するために、団結している。北部出身の者たちに、アフガニスタン西部や中央アフガニスタン出身のイスラム原理主義者、国王擁護派、民主党員たちも加わる。

カルザイは南部に支持者を持つ。アメリカの外交官やカルザイの高官たちは、憲法の他の部分については改正を認めるかわりに、大統領制を認めるよう、代表者たちを説得し、さらに派閥がこの制度を受け入れたら、そのリーダーに仕事を約束するなど、取り引きを行なっている。

カギを握るのはアメリカ大使館だ。6月の選挙に向けて、欧米諸国に援助金を出すよう説得するためにも、憲法を承認させる必要がある。ブッシュは、次期アメリカ総選挙で勝利するために、アフガンのサクセス・ストーリーが必要だ。

hoonNo easy ride for Karzai, even after 500 free lunches
By Ahmed Rashid、Kabul


■アフガン議会、延期される[031212 Reuters]

人権団体が金曜日に、憲法を決める議会で買収が横行しており、来年行なわれる選挙に悪い影響を与えていると非難した。また地方の有力者や軍閥たちは不正をおこなっているために、ロヤジルガ自体に問題が生じる恐れがあると、警告する。土曜日に予定されていたロヤジルガは、日曜日に延期された。

人権団体のJohn Siftonは、「候補者たちは、武器を持った男たちに買収され、候補者を変更するよう迫られたと言っている」という。カルザイ大統領は、いまだにアフガニスタンをまとめることができる、唯一のリーダーと見られている。大統領制が採決されないかぎり、来年の選挙には立候補しないと、宣言もしている。しかしアナリストたちによると、地方有力者や軍閥は、自治権がある政治と、強いイスラム法を求めて、彼と対立すると見る。

選挙は当初、水曜日に開始される予定が、土曜日に延期され、さらに日曜日にまで延期された。憲法設立委員会の責任者Farooq Wardakは、使節団のうち50人がまだカブールに到着してないためだと、説明した。しかし遅延の大きな理由は、カルザイが自分を支持するよう使節団を説得するのに、時間がかかっているため、と見る者も多い。もう一つの理由は、前国王のMohammad Zahir Shahが、13日というのは、運の悪い日だと述べたからだという。

Siftonは、アメリカの高官たちは派閥のリーダーたちと裏で調停を進めており、強い大統領制を支持するよう、圧力をかけていると述べる。「我々も大統領制がほしい」と、クナール州から来たQazi Abdul Sattarは語る。「しかし同時に大統領を監視できる、議会制もほしい」。

アフガンの専門家のAhmed Rashidは、いくつかの組織、特に北部の組織は自治権を求めている。別のグループは、イスラム法シャリアの解釈を強めたいと希望しているという。「カルザイは勝利すると思う。しかし、反対派は非常に強いはずだ。数日間は取り引きと圧力のかけあいに終始するだろう」と予測した。

hoonCrucial Afghan Assembly Postponed Amid Wrangling
By Sayed Salahuddin、KABUL


■ロヤジルガで買収が横行する恐れ[031212 Los Angels Times]

カブール東部にある人口10万人のサロビ地方は、パシュトゥン族の住む地域だ。タリバンやヘクマチアルを支持する者も多い。しかしこの地域からの代表は、ロヤジルガには参加してない。他の地域でも同じようなことが起きているが、サロビの代表を選出するはずなのに、集まった人々は別の地域の候補者に票を入れたのだ。票の売買が横行している。「我々の代表がロヤジルガに行けなければ、憲法に正当性はない」と、落選した候補者は言う。このように、代表者選出のための論議や、買収など、憲法を設立るす前に、ロヤジルガの正当性が問題になっている。

アフガン高官たちは、なんとか憲法設立の経緯に不正がないように、買収したと思われる代表者を無効にするなどしている。(中略)しかし、カブール近郊地域の人々の多くは、自分たちの地域外の候補者に票を入れたと証言する。買収に応じたというのだ。20万人の人口を抱える、カブールのDehsabz districtも、2人の候補者のために、51人の選挙人を選んだにもかかわらず、代表を選出することができなかった。(中略)候補者の1人だったAbdul Akbar Shahaghaは、白昼堂々とお金のやりとりをしているのを目撃したという。軍閥の仕業と言うが、報復を恐れ、名前は伏せた。「4人の軍閥が、別の地域からの投票者を募るためにやっている。自分たちの地域からは、自分に票を入れてくれる者がいなかったからだ」。

ロヤジルガは、500人の代表で実施される。344人の代表を選ぶために、1万6000人の候補者が登録された。これに加えて女性や難民、少数民族のために106席が用意された。残りの50人は、カルザイが指名する。その半分は女性である。

カブールのDistrict 8では、ある怪しいアフガン・アメリカ人女性が、この地域外の候補者に票を入れるよう、選挙人に300ドルを配ったという。District 8は78人の選挙人を選出したが、そもそもこの数は正規の人数より30人も少ない。立候補者は2人だ。しかし選挙当日、ほとんど選挙人はやってこなかった。行かないように買収されたのか、あるいは怖くて行かなかったのか。八百長は2つのグループ、ファヒム国防大臣のJamiat-i-Islamiと原理主義党派Ustad Abdur Rasul Sayyafのグループが行なっているという。逮捕者も出た。この2つの党派は、カブールに用意されたロヤジルガの議席の大多数を取ってしまった。カルザイは票の買収はしていないから、これらの代表は、全て反カルザイを表明するだろう、とShahaghaは言う。ロヤジルガの代表者の名簿がいまだにできてないことも、人々に疑惑をもたらす種になっている。(後略)

garrFears of Vote Buying Muddy Path to Loya Jirga
GOBy Paul Watson、SAROBI


■国連、アフガン撤退を強いられるかも[031212 AP]

国連は、2年間にわたってアフガニスタンの安定を図ってきたが、撤退を余儀なくされる可能性がある、とLakhdar Brahimiが述べた。

hoonU.N. May Have to Abandon Afghan Effort
By STEPHEN GRAHAM、KABUL


■ロヤジルガ、再び延期[031212 AP]

土曜日に開始される予定のロヤジルガが、再び24時間延期された。「使節団の一部が、まだカブールに到着してない。天候が悪いせいもある。彼らが到着したら、オリエンテーションをしなければならない。それも延期の理由のひとつだ」と、報道スポークスマンSultan Baheenが述べた。

hoonCouncil Delayed Again in Afghanistan
By PAUL HAVEN、KABUL


■政府の核科学者の捜査は当然[031212 Daily Times]

(前略)Kahuta Research Laboratories(KRL)の研究員が拘束されたという報道は、イスラマバードのウルドゥー語新聞で数日前発表された。すぐにこれをインドのメディアが取りあげたが、我々『Daily Times』は、政府の様子を見守ることにし、その結果、外務省から4行のコメントを引き出すことに成功、翌日すぐに報道した。その後我々は、MMAのリーダー、Liaquat Balochが2日前に、ムルタンでの会合でKRLの高官が尋問のために拘束された、と話したことを突き止めた。そして今、政府はKRLのYasin Chohan博士とFarooq Mohammad博士が拘束され、核の情報をパキスタン以外の国に漏らした件について、「話を聞いている」と発表した。

いっぽう2日前に、野党は国会でこの件を取りあげることにし、パキスタンは「国の主権が侵害され」「アメリカ人に降伏した」という結論に達しようとすると思われる。「国の主権が侵害された」という意見は、野党だけでなく、昨日の新聞でも一斉に報告されている。Mohammad氏は「外国人」を伴った治安当局に連れて行かれたと報道し、国の主権を危ぶむ。しかし現段階では外国人の介入はなく、科学者2人はアメリカには引き渡されてないという事実により、そのような心配は覆される。全体像をはっきり見極め、感情的にならないで、理性的に捉えるべきだ。(中略)

hoonGovt justified in investigating nuclear scientists


■インド、アフガニスタンにコマンド隊派遣[031212 The Nation]

インドは、アフガニスタンにいるインド関係者を守るために、コマンド隊を派遣することにしたという。

『The Hindustan Times』によると、「治安上の危険」があるために、カンダハルのインド領事館に、インド−チベット国境警備隊から隊員を派遣することに決定したという。アフガニスタンにある他のインド領事館も、警備をさらに強化する必要があるという。

土曜日に、インド人道路建設作業員が2人、ザーブル州で誘拐されている。タリバンのスポークスマンは、2人は「ムスリムではない」から殺されるだろう、と述べた。2人はアフガン人の仲間と買い物に行っている最中に誘拐されたという。

hoonIndia to send commandos to Afghanista n
NEW DELHI(AFP)


■ゲリラのチーフ、カルザイを切り落とすか[031211 Christian Science Monitor]

週末に予定されているロヤジルガに、ソ連と戦ったゲリラたちが、多数参加する。彼らはカルザイ大統領の権力を、議会制を追求することで、弱めようとしている。

カルザイは水曜日に、もしゲリラたちの目的が達成されたら、大統領には立候補しないと宣言した。「もし議会制が導入されたら、私は立候補しない。もしロヤジルガが首相を置くことに決めたら、それならそうすればいい」。

アメリカ政府をがっかりさせたことに、ムジャヒディンたちのほうに分がある。『AFP』の報道によると、選出された500人の使節団のうち、70%がムジャヒディンたちと関係がある。残りの30%のうち、何人かはカルザイの味方だが、他は王制擁護者たちだ。

「もしカルザイがロヤジルガを支持しなければ、混乱がおき、政治的対立が生じるだろう。カルザイは政府内に、敵を作るだけだ」とJamiat Islamiの高官Abdul Hafiz Mansoorは述べる。カルザイ政府は、未来の憲法を自由に討論したいと言うものの(アメリカの外交官は、反対があることを常に予測していたと主張)、これは、彼らが予測していたロヤジルガではない。全権力を大統領に与える、10日間でできたような現在の形式的な憲法草案とはほど遠く、ロヤジルガは派閥間の対立が強くなり、アメリカが支援するアフガンリーダーは、ますます弱体化する。さらに、ロヤジルガは数週間、場合によったら数ヵ月も続く可能性があるとも予測されている。

1ヵ月前に憲法草案ができあがったとき、国際社会はこれを賞賛し、人権団体も女性や民族、宗教の少数派を擁護していると評価した。(中略)しかし実際にはその水面下で、議論は沸いていた。非武装化を強いられている前ゲリラ司令官たちは、一生権力を奪われるのではないかと、恐れる。そして以前は互いに戦っていた7つの宗教政党たちが、今、政治力を保つために、団結し始めたようだ。

この2週間、ファヒム国防大臣、Yunis Qanooni、Abdul Rab Rasool Sayaaf、Kareem Khaliliと故マスード司令官の弟、Ahmed Waliは、何度も会議を重ね、戦略を練っている。これらのムジャヒディンたちを支持するロヤジルガの使節団たちは、議会制度のための研究を重ねている。「昨晩何百人もの使節団を招き、この問題について話し合った」とJamiat IslamiのリーダーAqa Mohammad Nazariは語る。「大多数は首相がいる議会制を望んでいる。支配者はいらない。カルザイであろうとなかろうと、1人の男の手に権力が集中することを望まない」。

ムジャヒディンたちは、議会制を導入するために、思いもしない仲間がいる。会議に出席した者は、国王擁護派the Movement for National Unity of Afghanistanのメンバーも、憲法を再構築し、大統領の権限を弱める方法を見いだそうとしているという。

現在の草案では、大統領は高官を辞めさせたり、地方知事を更迭する権限を持つ。立法権を許しはするが、大統領は法令を通して、責任者を追放できる。欧米の外交官は、大統領の権力が弱められれば、アフガン政府は効力がなくなるという。「現在何かができるのは、すべてカルザイの力があるからだ」とアメリカの外交官は言う。

しかしアメリカは公には、憲法を設立できるという事実自体、アフガニスタンが今までよりも自由である証拠だという。「アフガニスタンはこれまで5000年の歴史で、実現されたことないことを論議している。彼らは自由と自信をもって、論争している」とアメリカ大使Zalmay Khalilzadは言う。

憲法の草案を作った者たちは、草案への反応は肯定的だと言う。「これを読んだ者は、みんな同意する。不満を言うのではない」と憲法設立委員会の副会長Abdul Salam Azimi。

ムジャヒディンたちは、自分たちはアフガン国民の声の代表だと言う。しかしアフガン人自身は、これまでの長いパワーゲームが、再び国を派閥主義の闘争に巻き込むのではないかと、心配する。(中略)女子校の校長であるSafia Niaziは言う。「私はこの憲法を読みました。アフガニスタンの人々にとってはとてもいいと思います。しかし、アフガニスタンの人々が、この憲法をどうするか、見てみましょう。これに従うでしょうか?」

しかし、アフガン人たちの多くは、4年間の内乱で国を破壊し、タリバンの厳しい政権を招き入れたムジャヒディンを責めるいっぽうで、ムジャヒディンたちは自身は、力を分かち合い、共に支配する準備ができていると言う。「ジハードの間、死ぬことがわかりながら、ジハードのために自分たちの息子をゲリラのリーダーに与えていました。当時、彼らはムジャヒディンを信じていました。今、彼らは軍閥と呼ばれています。なぜでょしう? 我々は今も同じ人間です」。

rightGuerrilla chiefs to undercut Karzai
By Scott Baldauf、KABUL


■タリバンがベッドと志願者を捜しに行く場所[031211 Christian Science Monitor]

タリバン司令官Maulvi Pardes Akhundとその一団は、アフガン難民キャンプで暖かく迎えられた。Akhundの一団はパキスタンのバローチスタンに、志願兵を募りにやってきたのだ。今週になって新たに10人の戦士たちが参加したという。

「夏の間、アメリカ兵に善戦した。洞窟に住み、異教徒たちへの攻撃をそこで計画した。ほとんど眠らなかった。だから、冬の間は少し休息が必要なんだ」。

イスラマバードはタリバン運動を一掃しようと努力しているというが、バローチスタンには約30万人のアフガン難民が住み、宗教政党が州政府を支配している。そういう土地柄だから、抵抗分子にとっては有利で、軍は取り締まりに苦労する。「バローチスタンはタリバンにとって、常に第二の故郷だ」とパキスタンにいる欧米外交官は言う。「タリバン政権時代には、カンダハルに次ぐ本部があり、今は米軍に対するゲリラ戦争に、新たな人員を供給している」。「バローチスタンで足がかりを強めれば強めるほど、彼らの運動は強化される。資金的支持も、理念的な支持も得ることができる」。

《大きな避難所》

パキスタンの43%を占めるバローチスタンの面積とその位置が幸いし、タリバンはここで再結成できたといえる。カンダハルに通じるアフガニスタンへの入口であり、ヘルマンド州のように、アヘン生産地とも直結する。国連のAl Qaeda and Taliban Sanctions Committee(ATSC) は、難民を装って、数多くのタリバンがパキスタンに入ったと見る。委員会は、親タリバンやアルカイダ組織の銀行口座は、すべて封鎖しなければならないと指示する。宗教関係者の情報源によると、タリバンは、活動を禁止された慈善団体Al-RasheedやAl-Akhtar Trustをはじめ、その他の組織からいまだに資金援助を受けているという。カラチに住む金持ちや影響力のある商人たちは、毎月のペースでタリバンに献金をしているとも言われる。

《鏡に移ったアフガニスタン像》

バローチスタンでは、タリバンは宗教政党から支持を得ている。パシュトゥン族の難民のなかに、簡単に同化できる。マドラッサに保護された者も多い。難民キャンプには、親タリバンを示すパシュトゥン語の標語が、掲げられているところもある。過激派のなかには、自分たちの家にタリバンの白い旗を掲げる者さえいる。

タリバンの影響は、イスラム文化とパシュトゥンの文化的価値観に対する防衛のように見える。「我々の村だけで、3万ドルをタリバンに献金した。さらに、トラック2台分の毛布、暖かい服、薬を贈った」とKilli Karbala村のAbdus Salam。「人々がタリバンを支持するのは、単に同じムスリムだからではなく、彼らが力を持っていた時代、国境を行き来するのが簡単で、平和と安全が確保されていたからだ」。

タリバン支持者たちは、それぞれの任務を持ち、チームで動く。Mir Waizは、負傷した兵士や病人の面倒を引き受け、医者に連れて行ったという。他の者は家で面倒をみたり、資金を集めたり、移動手段を確保したりする。

《メディアの実力者としての武装集団》

タリバンの情報源によると、バローチスタンにおける自分たちの影響力は非常に大きく、バローチスタンから、パシュトゥン語の雑誌や新聞を出版しているという。前タリバンリーダーMullah Muttaqiが、編集長をしているらしい。同じ情報源によると、タリバンの最高司令官10人が、クエッタを訪れるという。オマール師もタリバンの再組織化のために数回やってきて、親タリバンの急進派のリーダーが運営するマドラッサに泊まったらしい。

Akhundのような下級司令官にとっては、人生は戦場にある。「私はオマール師が片目をソ連との戦争で奪われた当時から、彼と共に行動してきた。死ぬまで、彼のもとにいる」とAkhundは語る。「アラーの名の下で、アメリカ人に対するジハードを呼びかける、オマール師のメッセージを届けるのだ」。

カルザイ大統領は、最近オマール師がクエッタのモスクで目撃されたと述べたが、パキスタンはこれを否定している。Akhundは、自分がオマール師と会ったのは、アフガニスタンの国境付近だったという。「最後に会ったのは、3ヵ月前だ。少し変わったように見えた。髭をわずかにそろえ、15台ほどのバイクに取り囲まれていた。彼自身はイラン製のバイクに乗っている。1ヵ所に1日以上留まらない」。

《衛星電話は使わない》

オマール師は、タリバン司令官とは手紙でやりとりする。「我々はオマール師の命令と、ダドゥッラー師の司令に従う」とAkhundは語る。「すべての司令官は、2週間に1回ダドゥッラー師のもとを訪れる。彼は聖職者に変装して、アフガニスタンにあるモスクにいる。そこで教えを説くとともに、司令官と軍事作戦を練るのだ」。

地上戦を行なう戦士たちは、アメリカの攻撃をいつも警戒している。「衛星電話や無線は使わない。伝令を用いてメッセージを送る。用いるのはふたつの暗号だけ、「援助を乞う」と「敵から逃げろ」だ。

《アフガンの支持》

幸運にも、アフガン人自身がタリバンを援助しているという。「10家族のうち、7から9家族が我々を支援してくれる。食糧や保護を与えてくれたり、危険を察知したらすぐに知らせてくれる。だから、狙われない」。

現在バローチスタンに隠れている前タリバンリーダーは、「物事が変化しはじめた。カルザイはコントロールを失いつつある。以前はアフガニスタンやパキスタンに隠れていたが、今は地元民と同化できるようになり、あらゆる援助が与られるようになった」。このタリバンリーダーは、クエッタのPIAの支店から、国際線を予約した。

Mohammad Jalil(偽名)は今、バローチスタンの家族のもとにいるが、普段はカンダハルのアフガン国軍司令官のコックとして働く。彼は入手できるあらゆる情報を、タリバンの仲間に流す。「政府のために働いているが、秘密をムジャヒディンに流す。ときに直接情報を伝えることもあれば、メッセージを送ることもある。我々の仕事はジハードの仲間を、異教徒の攻撃から守ることだ」。彼は情報を、カンダハルにある地元のホテルで、仲間に流すのだという。「イスラムのために戦っているから、タリバンを助けるのだ。危険な仕事だ。しかし我々の命はアラーと、彼の道のためにある。お金や見返りのためにタリバンのために働いているのではない。しかし彼らは、我々や家族をいつでも助けてくれる」。

タリバンは、武器はすでにアフガニスタンにたくさんあるから、バローチスタンでは買わないという。「ソ連の時代から、武器はアフガニスタンにいくらでもある。あと15年間は戦える。カラシニコフも地雷も、ロケット弾も爆発物もある。あらゆる武器がある。唯一持っていないのが、B-52に対抗する武器だ」。

《必要なのは銃ではなく、戦士》

経験豊な司令官として、Akhundはアフガニスタンにはもっと戦士が必要だと語る。近々新たな戦士とともにヘルマンド州に帰り、アメリカと戦うのだという。しかしAkhundや仲間は、アフガニスタンの冷たい風を気にかける。「冬は我々の行動は制限されため、攻撃も縮小しなければならない。だから異教徒に対する政策を強化し、ロヤジルガを妨害しなければならない」とクエッタにいる、前タリバンリーダーが言う。「しかし同時に、冬の間も再組織化するために努力する。そうすれば、春になったら我々の目的が花開く」。

garrWhere Taliban go to find warm beds and recruits
By Scott Baldauf and Owais Tohid、KAMALZAI


■ザーブル州の80%は政府のコントロール外[031211 AFP]

ザーブル州副知事Mawlawi Mohammad Omarは、州の80%を政府はコントロールできなくなった、とAFPに述べた。

「タリバンが直接支配しているわけではないが、州行政府は80%を支配できなくなった」という。カブールを結ぶハイウェイ沿いの3地域、Shahjoy、Shahr-e-Safaと州都のQalatだけがコントロールされているという。

「我々はタリバンと戦う手段がない。何ヵ月も給料は払われてないし、武器も車輌もない」。タリバンは若者たちをリクルートし始め、地元やパキスタンで訓練して、武器を与えている。「タリバンは作戦を開始した。政府のために働く人々の武器を取りあげ、政府のために働く者は殺すと脅かした」。2つの地域では、タリバンに認知された、独自の行政を組織しているという。「DaychopanとAtgharでは、人々はタリバンと話し合って物事をコントロールしている。他の地域には、全く行政がない」。

タリバンスポークスマンと名乗る、Abdul Samadが『AFP』に衛星電話で、「政府、同盟軍、国連、NGOのために働く人々は、直ちに止めない限り、殺される」と語った。Omarによると、警察は危険地帯にあるチェックポストで警備に当たるのを放棄したという。ザーブルの問題は、中央政府の関心がここにないことと、州知事Hafizullah Hashimの行政の仕方に問題がある、と副州知事であるOmarは非難した。

garrNo government control in 80 percent of Afghan province
KABUL


■パキスタンの核科学者、尋問を受ける[031211 AP]

パキスタンの情報源によると、パキスタンの核研究所Khan Research Laboratoriesに所属する2人の科学者が、尋問を受けているという。

木曜日にパキスタンの新聞で発表されたことによると、2人の科学者、Yasin ChohanとMohammad Farooqが拘束されたという。Farooqはパキスタンの核兵器を開発したAbdul Qadeer Khanの前助手である。情報源は、2人に対する容疑の内容については語らなかった。またラホールの新聞が、2人がイランの核開発との関係について取り調べを受けていると報道した内容も、否定した。(中略)

外務省スポークスマンMasood Khanは、2人の科学者から「話を聞いている」だけで、容疑者として尋問を受けているのではないと語ったが、それ以上のコメントは拒否した。

『Dawn』紙は、FarooqとChohanが1週間にわたってKhan Research Laboratoriesから行方不明になっていると報道。『The Nation』は、Farooqを逮捕した警備関係者の中には外国人がいたとし、『Dawn』紙は外国人はFBIかもしれないと報道した。

smellPakistan Nuke Scientists Being Questioned
By SADAQAT JAN、ISLAMABAD


■アメリカ、アフガニスタンでの空爆に対して弁護[031211 AP]

米兵は木曜日に、パクティア州で何百という追撃砲や対戦車砲、ロケット弾などが貯蔵されていた反政府戦士の敷地を攻撃した結果、6人の子供たちが死亡したことに関して、責任はないと述べた。

12月5日のパクティア州での攻撃と翌日のガズニでの攻撃で、子供たちが合計15人が死亡したことで、アフガン人や国連から強い非難が出ている。米軍はガズニに対する攻撃に関しては謝罪したが、米軍スポークスマンは、容疑者と一緒に住んでいる限り、一般市民を守ることはできない、と述べた。ガズニで攻撃しようとした標的は、すでに逃走したと思われている。

パクティアでは、ヘクマチアルと関係があるMullah Jalaniが武器を貯蔵していた敷地が、攻撃された。数多くの武器が発見されたが、Jalani自身は当時現場から消えていて、別の9人が逮捕された。

アフガン政府が発信するテレビでは、パクティアでの子供たちの死亡を発表してない。政府スポークスマンのHamid Hilmiは、このニュースを故意にアフガン人に隠しているわけではないという。(後略)

hoonU.S. Defends Action in Afghanistan Raid
By PAUL HAVEN、KABUL


■米軍、アフガン人6人を逮捕の際に殺害[031211 Reuters]

ジャララバードで、米軍が地元軍司令官を逮捕しようとして産院で交戦があり、アフガン戦士6人が死亡したと目撃者。

米軍兵士が衝突の後に病院への道を封鎖したというが、目撃者によると、Esmatullah司令官のボディーガード4人とジャララバード軍隊の兵士2人が殺害されたという。『ロイター』の記者は後に、5人の遺体を確認、3人は軍服を着用し、2人は一般市民の服装をしていた。別のアフガン人戦士が傷の手当てを受けていた。病院によると、遺体は産院から運ばれたというが、詳細は伏せた。

衝突の数分後、産院近くにあるインド領事館の外で爆発が発生したが、被害はなかったという。

ジャララバードの米兵は、この事件についてコメントを拒否、バグラム空軍基地からの声明も発表されてない。ジャララバード警察長のHaji Ajab Shahは、衝突は米軍がEsmatullahを逮捕しに病院に到着したときに発生したという。Esmatullahは隣のLaghmanで、親政府軍を指揮する司令官である。

hoonU.S. troops kill six Afghans in arrest attempt
JALALABAD


■アメリカ、アフガンでの最大の作戦は失敗[031211 Reuters]

アフガニスタンの「悪の部族地帯」に入って1週間近く経って、米軍はタリバンや抵抗分子に対する戦いに失敗していると述べた。逆に、15人の子供たちを殺害したとして、住民の怒りを買っている。

米軍スポークスマンLieutenant-Colonel Bryan Hilfertyが、米軍501パラシュート部隊が月曜日にパクティア州にヘリコプターから兵士たちを送り込んだが、今のところまだ敵に遭遇してないという。しかし100平方キロメートル以上にわたって、パトロールや洞窟の捜査を続けていると発表した。「大当たりを取ってないという事実は、空からの急襲が失敗したことを意味するわけではない」。「我々は彼らが用いるルートを探り当て、最終的には彼らを探し出すだろう」。

ゲリラがいまだに活動しているという証拠として、水曜日にパクティア州のOrgun-Eにある米軍基地周辺にロケット弾が打ち込まれた。米軍1人とアフガン市民が負傷した。

Hilfertyは、ガズニ州で起きた子供たちへの誤爆について、米軍が標的への攻撃を急ぎ過ぎるのではないかという批判は否定したが、悪い効果があったことに関しては認めた。「同盟軍に影響は与える。誤爆はアフガニスタンの人々のためにはならないことは確かだが、我々は彼らを助けるために来ているということは、理解してくれていると信じる」。(後略)

hoonU.S. says biggest Afghan push fails to find rebels
By Yousuf Azimy、BAGRAM


■タリバンのスパイ、南部を固守[031211 Guardian]

(前略)ヘルマンドは、タリバンの兵站上の中心地である。東部に3マイルほど入ったGereshkの小さな基地にいるCaptain Ed Crootは、「この数ヵ月間、我々は攻撃を受けてない。比較的安定している」と述べた。

しかし先月ここで米兵1人が殺され、その通訳も負傷した。現在150人の米軍特殊部隊とCIA工作員たちが、この地域で活動しているという。3日前には、2人のアフガン人情報提供者の遺体が見つかった。アメリカ側の地元協力者とGereshk警察との間で戦闘があり、戦いに巻き込まれて40人の一般市民が殺害された後の出来事だった。この戦闘は、Gereshkの警察長が、民兵のリーダーMohamed Edrisを殺害したのが発端だった。民兵たちによると、殺害されたリーダーは6ヵ月の間で、アメリカのために22人のタリバンメンバーを逮捕したために、殺害されたのだという。「村の90%はタリバン政府のために動いている。もちろん、アメリカ人が来てくれてうれしいと、表向きには口をそろえるが、それは嘘だ。みんなうれしくない。アメリカ人たちに、いてほしくないんだ」。アメリカ兵たちもこれを知っている。「我々が基地を離れるや否や、ハイウェイに沿って、光が点滅し始める。町に入れば車の警笛がなり始める。敵のスパイ活動は、我々のあらゆる行動を監視している」。

アフガニスタンの南部と東部でも、同じような状況だ。軍事アナリストやカブールの援助団体は、アメリカの2年間の活動は、失敗していると口をそろえる。「タリバンはますます強くなっている。再び集結し、再組織されている。今、盛んに攻撃を受けるようになってしまった」と米軍のSergeant Ken Green。「この5週間で、主に空爆で1000人殺した」。(中略)「我々は国を安定させようとしている。そのためには、悪い奴らを殺さなければならないのだ」とCpt Crootは言う。しかし「悪い奴らは」あとからあとから出てくる。そして、米軍は市民をも殺す。アフガニスタン南部では先週から、子供たち15人が殺害された。

カブールのアナリストによると、問題は2つある。まずアメリカの国防省の方針により、アメリカは秩序と発展をもたらすために、敵を殺し、逮捕することに集中している。しかし、最近援助団体は治安悪化のために撤退し始めており、援助のための資金はほとんど入らなくなった。次に、ワシントンの軍事行動は失敗しつつある。敵を見いだすために、アメリカは地元の協力者を頼りにしている。「一握りのアメリカ人やイギリス人、フランス人が、悪い奴らを捕まえるか? 捕まえやしない。敵の諜報活動は、すごいんだ」とCapt Crootは言う。「我々が敵を見つけたとしても、それはほんの偶然であり、ほとんどの場合、彼らから行動してくるんだ」。

アメリカの地元の協力者たちは、専門家ではない。「フィールドに出ている米軍は、その地域の政状をほとんど理解してない」とInternational Crisis GroupのVikram Parekhは指摘する。「アメリカは、地元協力者の根拠のない情報に頼っている。その結果、タリバンと関係がない、もともと存在する敵対関係をますます悪化させているだ」。

「いい日もあれば、悪い日もあるさ。でも最後にはいい日が来ると思うよ。ここでやっていることは無駄ではない」と准将のGary Borrowdaleは言う。タリバンを破ることができるか、という質問に対しては、「できないかもしれない。でも、テロリストたちのほとんどは、みんなそうだ。負かすことはできない」。

hoonTaliban spies keep strong grip on south
James Astill


■アフガン軍閥、同盟軍に対する戦いを促す[031210 AP]

水曜日に発表されたビデオで、ヘクマチアルがアメリカとその同盟軍に対する聖戦を行なうよう、アフガンの人々に、呼びかけた。スピーチの入ったコンパクトディスクは本物で、最近のものとみられている。「抵抗運動は、もはや撲滅させることが不可能な段階にまで到達した」と声明を発表した。

garrAfghan Warlord Urges War Versus Coalition
By THOMAS WAGNER、ISLAMABAD


■アフガン大臣の派閥、武器を谷から運び出す[031210 Reuters]

アフガン国防大臣が水曜日に、カブール北部の本拠地から、武器を運び出し始めた。

ファヒム大臣の派閥であるJamiat-e-Islamiがパンシール渓谷から運び出した武器は、スカッドミサイル2、中距離ミサイル13、ロケット弾38、タンク11であるが、アナリストたちは、これは彼が所有する武器のほんの一部と見る。国防副大臣Rahim Wardakは、ロヤジルガのあとに、さらに武器が引き渡される予定だという。

ファヒムは自分の本拠地と欧米との同盟のどちらをとるか、決断を迫られているといわれる。パンシールにいる仲間に武器を引き渡すよう説得するのに、苦労しているようだ。北アフガニスタンでも、軍閥たちの武器の引き渡しが始まっているが、ウズベクのドスタム将軍は、対応を遅れさせている。

hoonAfghan minister's faction moves arms from valley
PANJSHER VALLEY


■米軍、アフガニスタンで抵抗分子の捜査強化[031210 Los Angels Times]

(前略)米大使Khalilzadは、アメリカや他の外交官たちが、抵抗分子を分裂させるためにカブールでヘクマチアルの4人の司令官と秘密の会談をしたという情報を否定しなかった。「私は、彼らには会ってない」と述べた。

ヘクマチアルが率いるHizb-i-Islamiは、アメリカが任命するテロリスト組織のリスト名を連ね、ヘクマチアルはテロリストと指名されている。アフガン人たちはヘクマチアルを戦争犯罪人と考え、96年にタリバンが政権を取る以前、何千件という略奪やレイプ、殺人を犯してきたといわれる。「人道に反する犯罪、アフガン人やテロに対する犯罪に対して責任があることは確かだ。しかしアフガン人たちには和解も必要で、前進しなければならない。過去に対する責任は必要だ。しかし平和と進歩のためには、和解も必要だ。バランスが大事だ」とKhalilzadは述べた。(後略)

smellU.S. Troops Step Up Hunt for Insurgents in Afghanistan
By Paul Watson、KABUL


■インドの会社、タリバンの労働者解放を期待[031210 Reuters]

アフガニスタンで誘拐された、2人のインド人道路建設労働者の会社側が、誘拐犯たちからは何の要求もなく、タリバンが彼らを殺害すると脅迫したにもかかわらず、近々釈放されると思う、と述べた。

「今のところ、労働者に危険はないようだ」とB. Seenaiah & Co(Projects)Ltd.の責任者、B. Seenaiahが『ロイター』に述べた。「1週間か10日のうちに、無事解放されると確信している」という。なぜそのように確信しているか、その理由は述べなかった。

以前、トルコ人技師を誘拐したタリバンリーダーは『ロイター』に、アフガニスタン政府がタリバン2人を釈放した見返りに、技師を解放したと述べた。カブールは、取り引きの存在を否定している。Seenaiahは、「我々は、タリバンとは敵対関係にはない。誘拐されたのは、普通の労働者で、技師でもない」という。2人はAndhra Pradesh州の貧しい家庭の出身だという。

smellIndian firm expects Taliban to free its workers
HYDERABAD


■誰がパキスタン技師を殺害したか[031210 Daily Times]

タリバン高官が、パキスタン技師Anwar Shahを殺害したと発表し、インド人技師2人も殺されるだろうと警告した。

タリバン副司令官のMullah Sabir Mominが、Shahが「アメリカの工作員」であったから殺害したと『ロイター』に電話が語った。しかしアフガン高官がAFPに語ったところよると、Shahが殺害され、その同僚が負傷したのは、アフガニスタン南部をパトロールしていた警察が、ドラッグの取り締まりの一環で発砲したためだったと述べた。事件は、米軍が週末に誤爆で9人の子供を殺害した現場付近で起きた。

「パキスタン人は警察のチェックポストで止まらず、逃げようとした。そのためにアフガン警官が車輌に発砲し、技師1人が死亡し、1人が負傷した」とアフガン内務副大臣Hillaludin Hillalが述べた。遺体は火曜日に、故郷のスワートに戻った。

smellWho killed the Pakistani engineer?
SPIN BOLDAK


■アフガンの子供6人、米軍に殺される[031210 AP]

米軍のスポークスマンが水曜日に、米軍がアフガニスタン東部で子供たち6人を殺害したと発表した。

米軍がガルデズ付近で、反政府アフガン司令官Mullah Jalaniが武器を貯蔵していたと思われる敷地を攻撃している最中に、子供たちが死亡したという。「翌日、瓦礫の中から大人2人と子供6人の遺体を発見した。非戦闘員がいたという情報を得てなかった」と 米軍スポークスマンのLt. Col. Bryan Hilfertyが述べた。Jalaniはその場所にはいなかったが、9人が逮捕されたという。米軍は夜間に敷地を攻撃、爆発させた。遺体は、壁の下敷きになっていた。

「我々は人間を殺さないよう、最大の努力をしている。テロリストを殺害するよりも、逮捕することを望みたい。しかし、もし非戦闘員がテロリストの敷地内で爆発物や榴弾砲や追撃砲で囲まれていたら、我々はその結果に対して責任はない」。

garrSix Afghan Children Killed in U.S. Attack
By STEPHEN GRAHAM、KABUL


■タリバンが空爆で死亡かどうか不明、と米国[031009 AP]

米軍は、土曜日に9人の子供を誤爆したときに、標的だったタリバン戦士を殺害したかどうかわからない、と述べた。(中略)

米国防省長官ラムズフェルドは、アメリカの代表がアフガニスタン軍閥の部下と会い、非武装化して民主主義的政党を結成するよう説得した、という情報は確認できてはないが、本当だと思うと述べた。『Los Angeles Times』が、アメリカの高官がヘクマチアルの4人の部下に会った、という報告を発表している。

「常に、もっと多くの者が我々の敵になるより、味方になるよう、働きかけている。そして、ヘクマチアルは我々の敵だ。彼は国で、あらゆる悪い行ないをしてきた。彼の周りにいる者を彼から遠ざけることができれば、とてもいいことだ」。

smellU.S. Unsure if Taliban Man Died in Raid
By MATT KELLEY


■アメリカ、アフガン反抗分子に鞍替えを説得[031209 Los Angels Times]

秘密の取り引きで、アメリカや欧米の外交官たちが、米軍を攻撃している抵抗分子の司令官たちと会い、リーダーを裏切り、武器を捨てて民主主義的な政党を組織するよう、工作している。11月の最後の週には、ヘクマチアルの4人の司令官との話し合いが、欧米の大使館や大統領官邸で開かれたと、ある情報筋が語った。

米軍はヘクマチアルを空爆で殺害しようとしているが、これまで彼は逃げ延び、米軍に対して聖戦を挑んでいる。ヘクマチアルはビンラディンを公然と支持し、彼が組織するHizb-i-Islamiは、アメリカのテログループリストに名を連ねる。

カルザイ政府は、アメリカの外交官の支持を受けて、政府に参加できる「穏健な」タリバンやその他の抵抗分子のリーダーたちと、話し合いを進めている。カルザイは、少しずつ中央政府の権力をカブール外にも広げようとしており、反抗的な州知事を置き換えたり、敵に武器を捨てるよう、説得している。もし、ヘクマチアルのようなパシュトゥンゲリラを分裂させることに成功し、地方や別の民族集団の指令官を除外することなしに、そのリーダーたちを政治に引き込むことができれば、カルザイはアフガニスタンを平和に一歩近づけることができる。しかし秘密の取り引きは逆効果となり、再びアフガニスタンの社会に大きな傷を残すことになる危険性も残っている。

ヘクマチアルの支持者たちには、司令官はもちろん、穏健派がいるとは思えない、というのがほとんどのアフガン人の考えだ。「Hizb-i-Islamiの党員であるということは、過激派だ」とアフガニスタン国防省のMaj. Gen. Sher Karimiは述べる。「ヘクマチアルの組織には、穏健派はいない」。先日の会合は、欧米とヘクマチアルの司令官との4回目の会合で、会合はここ数ヵ月間、続いていたらしい。

アメリカ大使館スポークスマンのLarry Schwartzはコメントを拒否し、「進行中の外交事情に対しては、コメントしない」と述べた。ワシントンの国務省高官によると、アメリカの高官は、以前ヘクマチアルと軍事的関係があった地元リーダーたちと会っていると述べ、武器を捨て、組織を麻痺させ、国の新たな政策に加わるよう、説得していると述べた。しかしヘクマチアルの組織に属しながら、アメリカと戦っている司令官とは取り引きしてないという。

ヘクマチアルの組織は、毎日のように外国人部隊やアフガン軍に戦いを挑んでいる。その司令官が見つかったら、逮捕されたり殺されることは確実だ。それにもかかわらず、彼らがスモークガラスの四駆に乗って、カブールに入ってくるのが目撃されている。カルザイから、安全を保証されているという。司令官たちが、ヘクマチアルの知らないところで外交官たちと会っている可能性はある。

前出のKarimiによると、2つの可能性があるという。「司令官とヘクマチアルとの間に意見の相違があるのかもしれない。ということは、ヘクマチアルを信頼しないため、また彼と対立したくないために、裏切ったと考えられる。そしてヘクマチアルは彼らを止めたり、追跡させるような状況にはいないのだ。以前は、敵が世界のどこにいようと、簡単に殺すことができた。今、彼はそういう状況にはないのだろう。もうひとつの可能性としては、欧米と話し合うのは、彼自身の計画なのかもしれない。彼らの計画を聞き出し、政策を探ろうとしているのだ」。

カルザイは先週、反政府勢力と話し合っていることを認めた。国営テレビでのインタビューで、タリバンの中のほんのわずかの者だけが、民主主義から除外されると述べた。またヘクマチアルの組織のメンバーは、80年代にアフガニスタンをソ連から解放するジハードに参加したために、政治に参加することを歓迎するとも述べた。「ジハードのために結成された、ヘクマチアルの組織に属する我々の兄弟には、良い人々がたくさんいる。彼らが我々と話し合いたいのなら、いつでも歓迎だ」。

ヘクマチアルはソ連が撤退したあと、アフガニスタンの首相だったが、タリバンがカブールに入ったときに、イランに逃げた。Karimiは、ISIがいまだにヘクマチアルを援助しているという。ある情報筋によると、ヘクマチアルの組織の使節団には、パクティア州の司令官Khaled Farooqi、ジャララバードの司令官Abdul Ghafar、パルバン州の司令官とジャララバードの聖職者がいたらしい。4人はそれぞれ自分たちの基地に戻り、話し合いをしているといわれる。おそらく金額の交渉をしているのだろうとKarimi。「政治には必ずお金がつきまとう。いつでも金額の交渉がある」。

先月、米軍は“Operation Mountain Resolve”で、アフガニスタン北東部のヘクマチアルの砦で、大きな作戦を繰り広げ、米軍にもアフガン軍にも犠牲者が出た。アメリカがアフガニスタンで攻撃を開始した2年間で、ヘクマチアルの腹心の部下2人が、組織を辞めている。ヘクマチアルの腹心だったWahidullah Sabaunは現在、カルザイ政権に参加しており、自分のイスラム政党を結成している。また同様に腹心司令官Qutbuddin Helalは、現在パキスタンに亡命し、自分の政党を組織している。

アフガン人の大多数は、北部同盟とともに、ヘクマチアルを戦争犯罪人と見る。アメリカ国務省は、ヘクマチアルをテロリストに指定し、ビンラディンと長い間関係を持ちつづけているという。「90年代にはアフガニスタンでテロ訓練所を運営し、傭兵をイスラムの戦いに送り出していた。96年にビンラディンがスーダンから逃げ出したときに、匿った」という。ヘクマチアルは何百人というベテラン戦士を持ち、タリバンよりも危険と見られている。

smellsmellU.S. Secretly Urging Afghan Rebels to Quit
By Paul Watson、KABUL


■タリバン、アフガン議会を攻撃する恐れ[031209 AP]

米軍は、ここ2年間で最大の軍事作戦を始めたが、タリバンとアルカイダが近々開催されるロヤジルガを攻撃するという「特別な」な情報を入手したという。

「タリバンたちは今後、もっと活発に行動するだろう。ロヤジルガ関係の活動やロヤジルガ自体を攻撃しようとしている」と米大使Zalmay Khalilzadが述べた。「ロヤジルガに対する攻撃計画があるという諜報をつかんでいる」と米軍スポークスマンLt. Col. Bryan Hilfertyが発表した。「しかし、警備上、問題がないと思う」。

いっぽう非武装化計画は進んでいるが、今のところ、国全体では2000人、カブールに限れば184人しか武器を捨ててない。国連は3年間で10万人を非武装化する計画だ。

米軍の新たな作戦“Operation Avalanche”は火曜日に始まったが、これはロヤジルガに先立ち、抵抗分子を撹乱し、敵が「身を守ることに精一杯にさせる」ことを目標としている。アフガニスタン東部では、パラシュート部隊に属する数百人の兵士が、ヘリコプターでコシュトに運ばれた。そこで戦闘があったかどうかは、今のところ不明である。

アフガニスタン政府は、ロヤジルガは4日遅れの土曜日に開始すると発表した。

hoonU.S.: Taliban Would Attack Afghan Council
By PAUL HAVEN、KABUL


■米軍、標的を狙ったことを弁解[031209 Reuters]

ラムズフェルド米国防長官は火曜日に、犠牲者が出たにもかかわらず、アメリカは標的を捕まえることを優先すると述べた。「我々は彼らを捕まえたい。彼らを降参させたい。もし降参しなければ、殺したい。今そうしている。『狙い撃ち』が意味することは、非常に残念なことだ。なぜなら、殺したいという意識があるような錯覚に陥るからだ」。

米軍のGen. Richard Myersは、土曜日の空爆で、標的としたMullah Wazirが殺されたかどうかははっきりしないという。「彼が殺害されたかどうかは、まだわからない。しかし、我々が追っていたのは彼だ。彼は道路工事に関わっていた者の殺害に関係していた。彼がアフガニスタンの有名なテロリストと関係があったことは、確かだ」と述べた。

hoonUS defends targeting insurgents after child deaths
By Charles Aldinger、WASHINGTON


■米軍、ヘリコプターで攻撃[031209 Reuters]

火曜日に米軍は、南アフガニスタンでこれまでで最大の作戦を開始し、兵士たちがパキスタン国境付近のコシュトに、ヘリコプターで運ばれた。

今回の作戦は、南西部と南部に同時に行ない、この地域にいる反抗分子全体を一掃しようとするものであるという。カブールテレビによると米主導のアフガン軍は、抵抗分子2人を負傷させ、15人を逮捕したという。

hoonHelicopter assault by U.S. troops in big Afghan push
By Yousuf Azimy、BAGRAM


■タリバン、アフガニスタンでパキスタン人を殺害[031209 Reuters]

タリバン高官が、アフガニスタン南部でパキスタン技師を殺害し、道路工事に携っていた誘拐されたインド人は、諜報部員であるために殺害すると述べた。

月曜日、アフガニスタン南部で武装した男たちが車輌を攻撃し、パキスタン人技師Anwar Shahは殺害され、もう1人が負傷した。2人のインド人は土曜日に誘拐された。

アフガニスタン南部のタリバン副司令官のMullah Sabir Mominが、パキスタン人Shahはアメリカの手下であったために殺害したと述べた。「これまでも、アメリカのために働いてはならないと言いつづけてきた。技師であろうと、運転手であろうと、医者であろうと、関係ない」と『ロイター』に電話で語った。「アメリカあるいはアフガン政府を援助する者は、殺される。イスラム教徒であろうと、アメリカ人のエージェントの命を保証しない。時が来たら、殺害する」。

タリバン情報部高官のMullah Abdul Samadは、2人のインド人技師、MuraliとVardharaiはインド人諜報部員であると述べた。彼らが所持していた書類や知事から、アフガニスタンとパキスタンの国境で起きている爆発事件と関係があり、両国間の関係を悪くしようと目論んでいるという。「彼らはアフガニスタンでのタリバンの活動を監視し、タリバンの隠れ家についての情報を集めていた。カンダハルとカブール間の道路建設は、彼らの活動を隠すための見せかけだった」。このインド人技師をどうするかは、タリバンのリーダーが決めることだと述べ、「おそらく殺されるだろう」とした。

インド大使館のスポークスマンは、2人がスパイだということは「考えられない」と述べた。「全く根拠のないことだ。彼らは建築会社の作業員だ」と述べた。建築会社BSC-C&C(JV)の責任者C.S. Sethiは、2人の釈放を要求し、『ロイター』に、2人の捕虜とコンタクトをとってほしいと依頼した。「彼らは会社の雇用人だ。政治とは関係がなく、土曜日以前にはキャンプを出たこともなかった。彼らは単なる道路建設作業員だ」。

パキスタンのAfghan Islamic Pressはガズニ州知事Assadullah Khan Khalidの言葉を引用し、パキスタン人を攻撃した5人の武装グループは逮捕されたという。殺害されたAnwar Shahは、アメリカの会社Louis Berger Group Incのために、学校や病院建設に携わっていた。Khalidによると、彼が襲われたのは、米軍が9人の子供を誤爆して殺害した村の近くだったという。

Louis Berger社のスポークスマンMike Staplesは、武装グループによる度重なる攻撃にもかかわらず、カブールとカンダハル間の道路の第1区間の389キロを完成したという。

garrTaliban says killed Pakistani in Afghanistan
By Saeed Ali Achakzai


■タリバン、いまだにパキスタンで活動[031209 Reuters]

アフガニスタンで爆発事件が起きたり、米軍が攻撃されると、パキスタンのジャーナリストは衛星電話でタリバンに電話をかけ、情報をもらう。武装勢力の電話は、必ずしもいつも電源が入っているわけではない。しかし中堅司令官とコンタクトを取るのはそれほど難しくない。タリバンは、もはやパキスタン内では堂々とは活動してない。しかし国境付近ではパシュトゥン族の支持を受け、秘密裏に動いている。

イスラマバードは、カブールの非難に怒りをもって反応する。最近はカルザイ大統領が、オマール師をクエッタで見かけた、と述べたことに対して強く否定した。しかし国境にタリバンの存在があることは、否定できない。何人かのタリバンの主要メンバーとは、衛星電話でコンタクトできる。彼らはチャマンにいると噂される。治安関係者は、タリバンがパキスタンにいることは疑いないという。「これは政府がしていることではない。タリバンはパシュトゥン族であるから、地元民と同化できる」という。

タリバンは、アフガン人学生が多いマドラッサに隠れているといわれる。カンダハルのパシュトゥン族の家に隠れているタリバンやアルカイダは、パキスタン内のマドラッサでリクルートされたと、『ロイター』に語っている。

コシュトの前知事だったタリバンのリーダー、Mullah Abdul Raufは、最近パキスタンで活動することは、難しくなってきたと『ロイター』に述べた。「ISIが我々を追っている。アフガニスタンにいたほうが安全だ」と衛星電話で語る。アフガニスタンにいる米軍は、いまだにイスラム過激派たちを、掃討できないでいる。8月以来約400人の人々が死亡した。うち、反乱軍は100人だという。イスラマバードは、なんとかしてアフガニスタンの国境を封鎖するよう、努力しているという。しかし、アフガン人の流入出は防げない。

チャマンでは、マドラッサの40から50%がアフガン人学生だ。「彼らは、行ったり来たりする。彼らに対して、学校の門を閉じることはできない」と、80年代にソ連と戦ったいた地元のパシュトゥン族は語る。バローチスタン州警察長のShoaib Suddleは、髭を生やした者すべてが戦士であるわけではない、と述べる。「過激派がいるという情報を受けて、はじめて行動する」そうだ。

パキスタンが「テロとの戦争」に参加し始めてからは、マドラッサはアフガン・ジハード志願者の募集や、そのための資金集めを公的には停止した。「タリバンはもはや隠れてしまい、おおっびらに活動はできない」とバローチ国民主義者のRaziq Bugtiは言う。「これはいい変化だ。しかし裏の活動を止めることは難しい。険しい土地柄や、パシュトゥン族の間に支持があるからだ」。彼はイスラマバードの政策を非難したために、数年間アフガニスタンに亡命していたことがある。

前述のタリバンリーダーRaufは、パキスタンは何百人ものタリバンを逮捕して、アメリカに引き渡しているという。「我々を支持する者がここにはいるが、政府の圧力により、沈黙を守っている」という。チャマンの国境警備隊員のAbdul Basitは、これまでの不法侵入の10%が減ったという。「我々は人々の動きを監視している。めったに使わないルートも見張っている。この3ヵ月間で、1900人以上のアフガン人が、不法にパキスタンに侵入して捕まった」。しかし親タリバンをうたうリーダー、Jamiat Ulema-e-IslamリーダーMohammad Haneefは、国境の封鎖は成功しないだろうと述べる。「彼らは、ベルリンの壁を造ろうとしている。家族や部族を分断しようとしている。これは不可能だ」。

garrAfghan Taliban active in Pakistan despite crackdown
By Amir Zia、CHAMAN


■パキスタンへの疑惑、深く浸透[031209 Asia Times]

今月、パキスタンがアフガニスタンの国境に「Friendship Gate」を設立するが、国防大臣のファヒムは、ゲートは2年前にタリバン崩壊後パキスタンが占領したアフガニスタン領地に建っていると、すぐに非難声明を出した。

ファヒムの非難や、国境間に設立されたゲートの記念行事に関係者が出席をキャンセルした事実は、両国間の緊張を浮き彫りにしている。「このゲートは、国境を不正に行き来する者たちの動きを阻止することにある」と国境を警備するPishin Scoutsのスポークスマンが、電話で『Inter Service Press』に述べた。ゲートは、チャマンの入口に建っている。「パキスタンはゲートを設置する前に、アフガニスタンの行政側とはコンタクトを取ってなかった。近々、イスラマバードとこの件に関して話し合う予定だ」。

パキスタンとアフガニスタンとの関係はあまり良くない。しかしアフガニスタンの北部同盟に支配されたアフガン政府に対する不信は、今に始まったことではない。パキスタンがタリバンを支援し始めて以来、続いていることだ。(中略)夏にカブールのパキスタン大使館に対して起きた暴動は、歴史的な敵意が背景にあり、パキスタン軍がアフガニスタン北東部30キロを侵略した、というアフガン側の主張のもとに、勃発した。カブールの治安の悪化は、パキスタンがアルカイダやタリバン残党との戦いに本気ではないからだ、とアフガニスタン側は非難する。どちみち、これらのグループはパキスタンの保護のもとで成長したというのだ。

しかしパキスタンが注意すべきことは、カルザイ大統領自身も、パキスタンを非難していることだ。「パキスタンが協力しないかぎり、このテロを止めることはなきない。パキスタンはテロ阻止に対して、もっとするべきだし、できるはずだ」とドイツのメディアに語っている。この発言に対して、イスラマバードは当然反論した。「アフガンのリーダーたちがするべきで、できるはずのことは、発言するよりも家を整えるよう努力することだ」と外務省のMasood Khanが発言した。(中略)

言葉での非難の押収が続くさなか、カルザイは『The Times』に、オマール師がクエッタで目撃されたと発言をした。モスクの名前さえあげたが、パキスタンの内務大臣Sheikh Rashidは、「この報告に真実はない」と対応した。

パキスタン政府の北部同盟に対する懐疑心は非常に深く、外務省は北部同盟がインドと共謀しているとさえ、信じるほどだ。インドは、パキスタンとアフガニスタンとの関係を「機能するレベル」にだけ留めておこうとしているようだ。12月2日に開催されたアメリカ、アフガニスタン、パキスタンの3ヵ国会議は、イスラマバードとカブールの敵意を、ある程度緩和させたに過ぎない。(中略)

いっぽう、パキスタンの政治家たちは、イスラマバードはカブールと関係を改善したいと考えているという。「隣国アフガニスタンとの関係悪化は、パキスタンの治安にとって益にはならない。アフガニスタンの安定は、パキスタンだけでなく、外の社会の安定にも必要だ」とベナジール・ブット前首相は述べる。「イスラマバードは北部同盟とムシャラフとの間の近況を緩和し、友人カルザイと電話で話し、無意味な言葉による攻撃を止めるべきだ」と、ラホールの新聞『Daily Times』は先週述べた。「しかしカルザイは、北部同盟が支配する、反パキスタン的態度を取る外務省を制御するべきだ」ともいう。

hoonSuspicion of Pakistan runs deep
By Muddassir Rizvi、ISLAMABAD(Inter Press Service)


■カルザイの弁解[031209 Daily Times]

カブールでパキスタン人編集者たちを前に、カルザイ大統領はパキスタンに広まっている不安、つまり彼がオマール師がクエッタを自由にうろつきモスクで祈っていたという以前の言葉に対して、弁解した。カルザイによると、クエッタのモスクの出来事を正式な抗議としてではなく、「未確認の情報」に基づく「兄弟からの抗議」として述べたのであり、パキスタン人が政府高官のレベルで怒りを持って反応したことを申し訳なく思う、と語った。3人のパキスタン人高官(1人は武装)がカンダハルで逮捕されたが、これまで築いてきた友好関係を重んじて、パキスタンに返還されたとも述べた。

さらにカルザイはカブールが最近インドと開始した「新しい」関係について、アフガニスタンは「自国を、インドがパキスタンを攻撃するために用いるようなことは絶対にしない」と保証した。またアフガニスタンはインドの援助でカブールに新たなダムを建設し、パキスタン側のインダス川の重要な支流を遮断しようとしているという情報は、カブールにはダムを作るほどの水がないために、デマであると述べた。アフガニスタンの面倒をみている両国、パキスタンとインドとの関係が緩和されることを望むという。自分の政権がカブール外では権限がないというのは間違いであり、単にスタッフが足りなく、村のレベルにまで達することができないのだとも述べた。

カルザイのジェスチャーは、表面的に受け入れられる。パキスタンはアフガニスタンの防衛面を考慮した彼の以前の言葉や、外務大臣の言葉に対し、怒りをもって対応したわけではない。しかしパキスタンでは、アフガニスタンのインド領事館が行なっている「新しい」活動、そしてアフガン側がモーマンド行政区に対して行なう不公平な行動については、たびたび取り上げられている。どちらの場合も誇張表現は慎み、第三者であるアメリカが参加する3国会議で、問題が解決することを信じたい。カルザイが望むインドとパキスタンとの緊張緩和も、肯定的に捉えるべきだ。

しかし、カブールが注意しなければならないことがある。アフガニスタンの行政が弱いように、パキスタンの国境地帯も完全な自治を持たない。部族地帯だけでなく、バローチスタンの90%は政府の管轄外にあり、行政官によって管轄されている。したがってアフガニスタンの政治秩序は、上記の理由のためだけにイスラマバードの関心の核となり、アフガニスタンが西方の脅威にならない限り、パキスタンの防衛戦略は東に向けられる。パキスタンが、デュランド・ラインをカブールが受け入れるという正式な声明の発表を望むのは、このような理由のためであり、「柔軟な」西方の安全を確保したいのだ。もちろん、タリバンが今日パキスタンの脅威になっていることは、大きな皮肉だ。パキスタン西部の国境地帯の状況や、90年代タリバンを援助したことで、アルカイダのような組織を「柔軟」な土壌に導入し、さらに弱体化してしまった。 (後略)

hoonKarzai's disarming words


■誘拐されたインド人、アフガニスタンで無事[031209 Daily Times]

月曜日にタリバン高官が、週末に誘拐された2人のインド人は無事であると伝え、追って解放のための条件を出すと述べた。

10月にトルコ人技師を誘拐した犯人と関係があるとみられているMulla Roazi Khanが、『ロイター』に電話をかけてきて、タリバン前国防大臣Mulla Obaidullahと関係のあるゲリラが、インド人技師を誘拐したと語った。「後に関係者が、誘拐の目的を語るだろう」と述べ、「私が知っている限り、彼らは無事である」としている。

hoonKidnapped Indians safe in Afghanistan
KANDAHAR


■パキスタン人労働者、アフガニスタンで射殺[031208 AP]

月曜日、パキスタン人技師の車がガズニ州のMuqur付近で武装勢力に襲われ、1人が銃殺され、1人が行方不明になった。技師は、カブールとカンダハル間のハイウェイを移動中に襲われた。

警備関係者が、窓ガラスが割れた車が道路に放置され、別の2人のパキスタン人がいるのを発見した。誰が攻撃したのかは、まだ明らかではない。ここのところ、アメリカが中心になって進めている道路工事計画に携っている者が、立て続けに襲われている。

garrPakistani Worker Shot Dead in Afghanistan
KABUL


■アメリカ、アフガン最大の作戦開始で、子供たちの死を後悔[031208 Reuters]

米軍は月曜日に、アフガニスタンのイスラム武装勢力に対して最大の地上作戦を開始したと発表したが、9人の子供たちの死により、アフガン人の協力を得られないのではと心配する。

米軍はアフガニスタン東部と南部で、“Operation Avalanche”を開始したという。米軍2000人が参加し、武装勢力を殺害、あるいは逮捕し、国を安全にするための作戦だと、米軍スポークスマンLieutenant-Colonel Bryan Hilfertyが発表した。「これは我々にとっての最大の作戦だ」。4つの普通科(歩兵)大隊とアフガン国軍が参加する。

しかし米軍により9人の子供たちが死亡した事故が、大きな影を落としている。アフガン高官は、米軍が殺害しようとしたMullah Wazirは当時家にいなかったといい、村人も、殺害されたのは別人だと証言した。

ヌーリスタンとクナール州で行なった“Mountain Resolve”が週末に終結し、新たに作戦“Operation Avalanche”が開始されたという。

hoonU.S. in biggest Afghan push, regrets deaths
By Yousuf Azimy


■アフガン議会、延期[031208 Reuters]

今週予定されていた、アフガニスタンの新憲法草案を決議するための会議ロヤジルガは、使節団が首都のカブールに到着するまでに時間がかかるという理由で、数日延期されることになった。ロヤジルガは10日に予定され、数週間は続く予定である。約500人の使節団が集まる。

情報源によると会議が遅れるのは、カルザイ大統領が使節団たちに憲法草案の承認を説得するのに、時間がかかっているからだという。承認されれば、カルザイは大きな権力を手に入れることになる。「10日に開始されるとは考えられない」と外務省スポークスマンが『ロイター』に語った。「遅れは、使節団が遠くから来るために、時間がかかるからだ。何週間も遅れるというのではなく、数日遅れるだけだ」という。

いっぽう、「裏では、カルザイと彼の外国人の支持者たちは、使節団たちに憲法草案を承認するよう、説得している」という意見もある。「これにはまだ時間がかかるようで、そのために会議は遅れているのだ」。

タリバンゲリラたちは、この会議を外国人占領者による「見世物」と非難している。会議に先立ち攻撃を強化すると宣言し、会議に参加する者は死に値すると脅迫している。

カルザイは来年行なわれる大統領選挙に勝つと見られているが、彼自身は強い大統領制が承認されなければ、立候補しないと宣言している。

hoonAfghan assembly delayed as Karzai woos delegates
KABUL


■2人のトルコ人、カブールで解放[031208 Daily Times]

カブールで誘拐されたと思われた2人のトルコ人技師は、土地をめぐる紛争に巻き込まれ、拘束されていたとアフガン内務大臣のAli Ahmad Jalaliが日曜日に述べた。

「前ムジャヒディン司令官のAfzel Khanが、2人のトルコ人が紛争中の土地で井戸を掘ることを妨害するために、自宅に拘束していた」という。地元警察は司令官の武器を取りあげ、トルコ人を救出したという。

またJalali大臣は、トルコ人技師を以前誘拐したタリバン司令官は、インド人2人を誘拐したことを否定しているという。タリバン司令官Mullah Roazy Khanは、インド人たちを捜すことに協力するとものべている。

hoonTwo kidnapped Turkish men freed in Kabul
AFP


■パキスタン軍、サウジに軍を派兵[031208 Daily Times]

国防省からの未確認の情報としてPPIが、イスラマバードとリヤドとの間で、3000人のパキスタン軍をサウジに2ヵ月派遣するという話し合いが、この2ヵ月続いていると発表した。

smellTalks on for Pak troops for S Arabia


Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003.