【2003年12月22日〜12月28日】


■パキスタンで3人逮捕[031228 AP]

ムシャラフ暗殺を狙った事件と関連して、アザド・カシミールのRawalakot地方Androt村で、3人のイスラム過激派が逮捕された。内務省スポークスマンAbdur Rauf Chaudhryは逮捕者の数を伏せたが、Rawalakotの警察官によると、3人だという。Chaudhryは、「彼らは質問を受けているだけで、容疑者ではなく、正式に逮捕されたのではない」と述べた。

自爆テロに用いられた2台のピックアップは、1ヵ月前にラワルラワルピンディで購入され、そのうち購入者の1人は、アザド・カシミール出身だった。

garrThree Suspects Detained in Pakistan Plot
By SADAQAT JAN、ISLAMABAD


■カブールの爆発で6人死亡[031228 BBC]

警察が逮捕した男が自爆し、4人の警察官と警備関係者を含む6人が、カブール空港の近くで死亡した。警察官が逮捕しようとしたら、男が自爆したと思われる。

死亡者の中には、ファヒム国防大臣の個人的な警備隊の長官が含まれて、重傷を負った者も多いようだ。

タリバンのスポークスマンは、この事件とは関係ないと述べた。タリバンスポークスマンのHamid Aghaがペシャワルの『BBC』に、声明を出したタリバン代表と名乗るMullah Abdul Samadは自分たちのスポークスマンではない、と語った。

カブールで開催中のロヤジルガの会場の警備は厳重で、戦車2台と、何百という兵士たちが守っているという。それにもかかわらず、タリバン容疑者が、カブールの警備を潜り抜けてきたと思われる。

garrSix dead in Kabul car explosion


■カブール自爆テロ、アフガンの会議に影をさす[031228 Reuters]

日曜日にカブールで、警備関係者が逮捕した男が自爆し、5人の警備関係者が殺害された。犯人を含む6人は、車に乗っていたという。

「全部で6人が死亡した。ファヒム国防大臣の警備責任者のDr Jalalも死亡者の中に含まれている。自爆テロ犯が、体に巻きつけた爆発物を爆発させた」という。なぜ犯人が逮捕されたのかは、今のところ明らかにされていない。カブールの国際治安支援部隊によると、犯人が体に巻きつけた爆発物ではなく、車にしかけられた爆発物が爆発したと述べた。

garrKabul suicide attack overshadows key Afghan debate
By Mike Collett-White、KABUL


■カシミールとアフガンの組織、ムシャラフを狙う[031228 Reuters]

ムシャラフ暗殺を狙ったのは、カシミールとアフガンの武装グループであることが判明した。情報相Sheikh Rasheed Ahmedが、「自爆テロ犯2人の身元が判明した。1人はカシミール、もう1人は北西辺境州出身」と述べた。「カシミールからアフガニスタンに及ぶ、巨大なテロ組織が活動している。国際的な結びつきもある」という。

内務大臣は、これまであまり知られてないカシミールの組織、Al Jehadが背後にいると述べた。

「ムシャラフの政策に対する怒りは当然だ」とHarkat-ul Mujahedeenのゲリラが言う。「我々は多くの友人、兄弟、親戚をカシミールでの戦いで失った。いったい何のためだったのか? ムジャヒディンたちは、黙って座っていると思ったら大きな間違いだ」と述べた。去年、カラチでHarkat-ul Mujahedeen al Alamiという組織がムシャラフ暗殺を試みている。

情報相Sheikh Rasheed Ahmedは、捜査の手は、組織のネットワークの中に入り込んだという。カシミールとアフガンの武装組織は、これまでパキスタン軍と密接なつながりを持っていた。アナリストたちは、どうしてムシャラフの行動が外に漏れたか、疑問を持つ。自爆テロリストは木曜日、ムシャラフの囮の車列を襲わなかったという。これはパキスタンの諜報部に過激派が入り込んでいるか、あるいは機密情報を与えられているか、どちらかだという。

smellKashmir, Afghan groups target Musharraf -Pakistan
By Amir Zia、ISLAMABAD


■携帯電話とムシャラフに対する自爆テロとの関係[031228 Daily Telegraph]

ムシャラフを狙った自爆テロ犯の2人のうち1人が、大統領が通過する直前に、携帯電話に連絡を受けていたことがわかった。

目撃者によると、続けざまに2件の電話を受けた男が、ガソリン・スタンドから猛スピードで車を発車させたといい、ムシャラフに近い人間が、情報を与えていたことを伺わせる。電話を受けて10分もたたないうちに、2台の車輌を運転した犯人が、ムシャラフの車列に突っ込んだ。

警察は、現場から回収した皮膚から、犯人は外国人だったと発表した。ムシャラフは、警備に対しては「満足している」と述べたが、軍や警察は、ムシャラフの個人的なスタッフを尋問して、捜査しているという。犯人はアルカイダかタリバン、その他のムシャラフが最近活動を禁止した過激派ジハード組織のメンバーと関係があると思われる。または、ムシャラフが最近カシミールに対して見せている、和解的な態度に反発を感じての行動とも考えられる。ムシャラフが最近、FBIがパキスタンの原子力科学者を取り調べていることに対して、反発している者も多い。

ムシャラフの暗殺未遂事件が起きてたった12分後に、カタールの衛星テレビ局「アルジャジーラ」が事件を報道したことに対して、パキスタンの治安当局は不審がる。「事件が起きることを知っていたか、あるいは直後に過激派から情報を得ていたとしか考えられない」という。

smellMobile call link to suicide attack on Musharraf
By Massoud Ansari in Karachi


■タリバンの攻撃で5人殺害[031228 The News]

アフガン警察官とタリバンスポークスマンは、コーシュト南部で5人が殺害された事件について、食い違う証言をした。

コーシュト警察長のSaboor Allahyarは、アルカイダとタリバンに車輌を攻撃され、諜報部高官のHayatullahが殺害され、部下の2人が負傷したと発表した。当地で活動していた米軍が、武装集団4人を殺害し、別の4人は逃げたという。殺害された4人のうち2人はアラブ人で、残りの2人はアフガン人だった。

しかしタリバンのスポークスマンHamid Aghaは、武装組織は1人も殺されなかったと述べ、米兵は市民を誤って殺害し、あたかもアルカイダであるが如く、偽装したという。アルカイダは、今回の攻撃には参加してない、と強調した。

Hamid Aghaが『The News』に語ったところによると、タリバン戦士たちはコーシュトのNadir Shah Kotにいた情報部高官の車輌を攻撃し、彼と部下2人を殺害したという。「コーシュトの情報部長官のQudratullahも撃たれたが、彼が死亡したかどうか不明」という。

コーシュトにいるBBC特派員Kamal Sadatは、Qudratullahは負傷したが、Hayatullahは殺害されたと発表した。車輌はIsmail Khel-Mandoziで攻撃されたと述べ、米軍兵士から聞いた話として、パトロールしていた米軍が応戦し、4人の武装団を殺害したという。米軍戦闘機もバグラム空港から飛び立ち、空爆を行なったらしい。米軍は遺体を回収してしまったという。

コーシュトの警察司令官Khiyal Bazは、武装団の何人かはアラブ人だったと述べた。遺体から回収された手紙は、下手なパシュトゥン語で書かれていたという。米軍やアフガン政府に協力しないよう呼びかけるパンフレットも、所持品から見つかった。

garrFive killed in Taliban ambush
By Rahimullah Yusufzai、PESHAWAR


■チェチェンとカシミールのリンク[031228 The Nation]

木曜日のムシャラフ大統領に対する自爆テロ犯人、2人を特定。1人はチェチェン人で、もう1人は2年前に活動を禁止されたカシミール過激派のメンバーだったという。

政府筋が『The Nation』に土曜日に語ったところによると、この2人の暗殺者の特定に続き、イスラマバード、ラワルピンディ、アザド・カシミールのRawala Kotで、数人が逮捕されたという。自爆テロリストの遺体や、1人が所持していた携帯電話のチップ、使用された車輌のエンジン・ナンバーやシャーシが決め手となった。

エンジンとシャーシ・ナンバーより、車の所有者はアザド・カシミール出身の者だったことがわかった。車の所有者のうちの1人は、自爆テロ犯の1人の写真を見て、この男がクリスマスの2日前に、彼から車を購入したと証言した。

当局は約20人の容疑者を逮捕。そのうち重要な容疑者の1人は、イスラマバードで逮捕され、残りの4人はRawala Kot、15人はラワルピンディで逮捕されたという。インド空港ハイジャック事件で人質と交換されたカシミールの過激派がリーダーとなった、2年前に活動禁止されたグループのメンバーが含まれていたようだ。

情報相のSheikh Rashidと内務大臣は、2人とも、犯人はパキスタン人ではないと述べていた。捜査陣は、2人のテロリストの身元により、カシミールとチェチェンの過激派とのリンクが浮上したという。アザド・カシミールに捜査チームが派遣されている。いっぽう、2台目の白い車輌のシャーシから、北西辺境州にも捜査陣が派遣されている。

smellInvestigators see Chechen, Kashmiri link
from UMAR CHEEMA & Raja Assad、ISLAMABAD


■ジハードの子供達[031227 The News]

「ジハードの子供たち」が今、ムシャラフ大統領と戦っている。Ahmed SalimとA. H. Nayyarが“The State of Curriculum and Textbooks in Pakistan”というレポートの中で、いかに教育省が5歳から17歳の子供達に、「ジハード」を教え込もうとしているか、報告している。79年以前と以後では、「ジハード」や「shahadat」のテーマは、明らかに違う。イスラム化以前の教科書には、これらについての指摘はないが、79年以後のカリキュラムや教科書では、公然と「ジハード」や「shahadat」を賛美し、学生に「ムジャシディン」や殉教者になることを勧めるのである。

公的なカリキュラムであるPrimary EducationのClass K-Vでは、「ジハード」を促す簡単な逸話が紹介されている。Activity 4では、3〜8歳のパキスタン人の子供は、「ジハード」や「shahadat」についてのスピーチをすることになっている。また教育省のカリキュラムであるNational Curriculum、Social Studies for Classes I-Vでは、生活の上で、「ジハード」の大切さを確認することを目的としている。(中略)教育省は教師たちに、生徒に「『ジハード』の大切さを確認させ、教師たちは「生徒たちの心に『ジハード』に対する欲望を植えつけなければならない」とする。教科書作家は、「世俗と宗教を区別してはならず、すべてをイスラム的観点から捉えなければならない」とする。(中略)

Punjab Textbook Boardの社会学Class VIのための編集者はDr. Fouzia Saleemiである。Dr. Fouzia Saleemiは、「Sitara-e-Imtiaz」 と「Izaz-e-Fazeelat」を授けられている。Punjab Textbook BoardとCurriculum Wing of the Ministry of Educationは、「ジハード」とゲリラ戦法を同一視している。「ジハード」は「聖戦」ではないはずだ(クルアーンでは、「戦い」は“harb”または“qital”である)。「ジハード」の本質は、「正義を勝ち取る」ことである。「ジハード」は「暴動」から人間の権利を守ることである。したがって、「ムジャヒッド」は「善を行ない、社会から不正、抑圧、悪を排除」することであるのだ。ムシャラフは、パキスタンを「進歩的でダイナミックで、前向きなイスラム共和国にしたい」という。しかしアメリカはすでに、南アジアは中東に代わって、世界のテロリズムの中心になったと見ている。2002年3月に、教育省は学校のカリキュラム改訂を行なったが、「ジハード」に関する項目だけは、ほとんど変化してないといえる。

我々の教科書はまだイスラム、パキスタン、「ジハード」を同等に扱う。我々はいまだに、子供たちがゲリラ戦士になるよう「暗示」を与えている。イスラム共和国パキスタンは、子供たちに「『ジハード』の恵みを確認し」、「『ジハード』についてスピーチ」させ、「『ジハード』に対する欲望を植えつけ」、「『ジハード』を愛し、熱望するよう教え」ている。欧米は我々の「マドラッサ」について心配している。我々は教育省が5歳から17歳の子供たちに何を教えているか、注目すべきである。いかにPunjab Textbook Boardが憎しみ、不寛容、暴力を植えつけているか、注意すべきである。ムシャラフが言うところの「少数派」は、もはや少数派ではなくなってしまう。

ohgarrChildren of jihad


■アフガンで銃撃戦[031227 AP]

土曜日、コーシュトの東部で、アルカイダがアフガン警備隊を攻撃し、米軍が戦闘に参加して銃撃戦が展開されたと地元司令官が述べた。

6人の武装集団が殺されたと、コーシュトの軍司令官Khial Bazが述べた。アフガン高官たちがピックアップで移動中だったところに、武装集団に攻撃されたという。諜報部高官が殺害され、その上司のQudratullah Madezaiが負傷したらしい。かけつけた米軍が応戦し、武装団6人を殺害したという。攻撃してきたのは、アルカイダのアラブ人戦士だったようで、遺体は、アラビア語で書かれた書類を所持していたと、Bazが述べた。

garrDeadly Afghan Gunbattle Draws in GIs
By AMIR SHAH、KABUL


■地元と外国人のネットワークがムシャラフを狙った[031227 Reuters]

パキスタンの情報相Sheikh Rasheed Ahmedが土曜日に、ムシャラフ暗殺を狙ったのは、地元と外国人過激派で、近々逮捕されるだろうと語った。また内務省の情報源によると、パキスタンの過激派とアフガン人の仕業とし、約50人が取り調べを受けているという。

アナリストたちは、ムシャラフの行動がなぜ2度も外部に漏れたか、疑問視する。『Dawn』紙は、「暗殺計画は我々のトップシークレットを盗み出したか、その情報をもらっていたことは明らかだ」とし、「国家の諜報組織の捜査が必要」と述べた。また『Daily Times』紙は、このような攻撃は、内部の者の援助がない限り不可能とし、「ムシャラフは、外部の過激派に狙われたのではなく、内部にいる過激派に狙われているということに気づくべきだ」と書いた。

garrLocal, foreign network targeted Musharraf-minister
By Amir Zia、ISLAMABAD,


■政府、大統領暗殺計画の証拠を掴んでいた[031227 The Nation]

政府は、ムシャラフ大統領に対する自爆テロに対する諜報情報を事前につかんでいたと、内務大臣Makhdoom Faisal Saleh Hayaが金曜日に『Nations』述べた。また捜査の結果、自爆テロ犯人はパキスタン人ではないという。2人の自爆テロ犯人のうち、1人の頭部の鑑定結果により、犯人はアラブ人のようだという。

これより前にFaisalは、3人の自爆テロ犯人のうち、2人の身元が確認されたと述べたが、警備上の秘密により、その身元は明かさないと述べていた。情報大臣のSheikh Rashidも、犯人はパキスタン人ではないとテレビで発表した。関係者によると、今回の反抗の背後には、Jaish-e-Muhammadかアルカイダが絡んでいると見る。

またFaisalは、大統領に対する自爆テロ計画の情報があったために、沿道の警備を強化していたといい、警備に不備があったという指摘を否定した。

garrGovt gets clue to attack on President
From Umar Cheema、ISLAMABAD


■2人の自爆テロ犯を特定する[031226 Los Angels Times]

FBIとの合同捜査により、パキスタン政府はムシャラフ大統領を暗殺しようとした、2人の自爆テロ犯を特定したと発表した。内務大臣Faisal Saleh Hayyatは、自爆テロ犯の頭部は損傷されず残っており、彼とその仲間が誰なのかをつきとめたという。

Faisalは犯人は過激派であるとしながらも、身元の発表を控えた。また犯人が外国人かどうかはについては、いくつかの情報が入り乱れている。

Faisalは、「3人の自爆テロ犯の遺体がみつかった」と発表した。情報大臣のSheikh Rashidは、自爆テロ犯人は外国人のようだと述べた。

軍諜報部とISIが捜査にあたり、FBIもこれとは別に、捜査を行なっている。パキスタンの捜査陣は、いくつかの可能性を探っているといい、ムシャラフに近い軍内部の者が、彼の行動計画をテロリストに漏らしたと疑われているという。また自爆テロに用いられた車輌のナンバープレートを回収した結果、北西辺境州で登録されていたことがわかった。この地域では、イスラム過激派に対する支持が強い。パキスタン政府は今のところ事件の背後にアルカイダがいるとは発表してないが、ビンラディンが関係している可能性はまだ残っている。今のところ捜査の焦点は、誰が情報をテロリストに流していたかに絞られているようだ。

garrPakistan Identifies 2 Suicide Bombers
By Mubashir Zaidi, ISLAMABAD


■パキスタンの自爆テロ犯、1人の身元判明[031226 AP]

ムシャラフ暗殺を狙った自爆テロ犯の3人のうち、1人の身元が判明したと政府高官。内務大臣Faisal Saleh Hayyatは、警備上、犯人の名前を明かさないと述べた。また現場に残された証拠から、犯人はパキスタン人ではない可能性があるという。目撃者によると、犯人は短い顎髭を生やし、長髪だったという。

ムシャラフは、軍の最高司令官の地位を退くことを表明しているが、親アメリカで知られる4つ星司令官Mohammed Yousaf Khanが、ムシャラフに次いで軍の指揮を取る地位にいる。

smellOne Bomber Identified in Pakistani Plot
By SADAQAT JAN、ISLAMABAD


■15人死亡、しかしムシャラフは無事[031226 Daily Telegraph]

ムシャラフ大統領は、今月になって2回目の暗殺計画を、すんでのところで免れた。2人の自爆テロ犯人が、大統領が乗った車のコンボイに突っ込んだ。大統領は無事だったが、15人が死亡、50人が負傷したという。

ハイウェイの両側にあったガソリンスタンドに駐車していた車が同時に発車し、コンボイに突っ込んだ。どちらの車も、65lbの爆発物を搭載していたようだ。2人の自爆テロ者は死亡し、爆発した車の破片がムシャラフの乗った車のフロントガラスに当たり、損傷した。

ムシャラフは国民に無事を証明するためにテレビに登場し、過激派の行動は、「イスラムを危機に陥れている」と非難した。(中略)大統領は14日にも、きのうの爆発現場からたった200ヤード離れた橋の下に設置された爆弾で、暗殺されかけた。

政府は前回の攻撃について、アルカイダの仕業と非難したが、今のところ犯行声明は出されず、逮捕者もない。それ以後、ムシャラフが用いる道路は、厳重な警戒態勢がしかれている。どちらの爆発も、イスラマバードと、軍本部があるラワルラワルピンディの間の軍宿営地で起きている。ラホールの軍退役高官は、イスラム過激派やアルカイダ、さらに退役軍人や軍高官による陰謀ではないかと疑っている。

1月3日にイスラマバードで計画されているインド高官との重要な会議は、延期される可能性がある。イスラム原理主義政党からの圧力で、ムシャラフは24日に2004年12月までに、軍の最高司令官の地位を退くと表明した。しかし2007年までは大統領の座につくという。この野党との論争のため、国会は1年以上も麻痺状態であった。これまでムシャラフは、可能な限り権力と軍にしがみつこうとしていた。

garr15 killed but bombs miss Musharraf
By Ahmed Rashid in Lahore


■ジハードと、国内主権の損失[031225 Daily Times]

外務省スポークスマンによると、「個人の野望と欲」が、原子力テクノロジーをパキスタンからイランに移したという。政府は、このような行動をしていた人を摘発すると述べた。もうひとつ注目すべき事件は、10月2日、南ワジリスタンで行なわれた作戦で、中国のトップ「テロリスト」Hasan Mahsumが殺害されたことである。これらの事件から2つの結論が導き出される。まず、原子力の秘密の流失は、我々の原子力研究所で働く人々に対する管理が甘かった結果であること。そしてHasan Mahsumの殺害は、我々の国に、いかにテロリストが多く流入しているか、という点である。そしてどちらも、わが国の内政や司法の欠如が指摘される。

smellJihad and loss of internal sovereignty


■ムシャラフ暗殺未遂で14人死亡[031225 United Press International]

ムシャラフ大統領は、2回目の暗殺未遂を免れた。2人の自爆テロ犯人を含む14人が死亡し、40人以上が負傷した。

ムシャラフはテレビ演説で、この事件について説明した。「イスラマバードでの会議を終え、家に帰る途中、前回、私の命が狙われた場所付近で、2人の自爆テロ犯人が我々の車隊を攻撃した。まず1台の車が突っ込んできて、爆発した。少し行くと、再び自爆テロ者を乗せた車が突っ込んだ。爆発物の破片が我々の上に降ってきたが、私は無事だった。しかし14人の無実の命が失われ、40人が負傷した。死亡した者たちは、私のために命を失った。私が標的である。政府は、亡くなった人々の家族の面倒はみる」。「攻撃をした者は、テロリストや過激派、間違った考えの持ち主だ。名指しはしたくない。ただ、これらの誤った考えの持ち主は、パキスタンだけでなく、イスラムの教え、イスラム社会全体にも悪い影響を与えている」。

ビンラディンのアルカイダと関係があると思われるイスラム原理主義者が、以前ムシャラフをアメリカに協力する裏切り者と名指ししている。(中略)

イスラマバードでは、1月4日から6日まで開催予定の、インドを含む7つのの南アジア国家のリーダーたちを招いた会議が開催される予定だ。ムシャラフはこれらのリーダーたちにも、声明を発表した。「これは、一般的なテロや爆破事件ではない。これは、特定の標的を狙った爆破事件である。私が標的だ。私は危険にさらされているが、客人に危険はない」。

軍高官は、攻撃の仕方からアルカイダが関係していると発表した。中東で訓練を受けたテロ組織は、爆発物を車に載せ、自爆する方法を用いるという。「パキスタンの組織は、これまでこのような方法をとってない」と軍スポークスマンMaj. Gen. Shaukat Sultanが述べた。

ムシャラフにはたくさんの敵があいる。まずアルカイダとタリバン。さらにインドからの独立を戦うカシミールの組織である。ヴァジパイも参加する今度の南アジアサミットで、ムシャラフがカシミール紛争を解決しようとする可能性もある。カシミールの過激派たちは、先週ムシャラフがインドに、和平と引き換えに、カシミールの国民投票を諦めてもよいと申し出たことに関して、強く非難している。またタリバンを見放したことで、イラスム過激派の怒りも買っている。それだけでなく、タリバンを攻撃するアメリカ軍に、パキスタンの諜報情報を与え、航空回廊や空軍基地の使用を許可した。さらにイスラム過激派を取り締まろうとし、2001年8月以来、13の過激派組織の活動を禁止している。

garr14 die in suicide attempt on Musharraf
By Anwar Iqbal


■パキスタン大統領、暗殺計画を免れる[031225 AP]

木曜日、ムシャラフを乗せた車が通過したところに2件の自爆テロが起きた。ムシャラフの車は損傷を受けたが、大統領自身は被害を受けなかった。

ムシャラフのコンボイがラワルラワルピンディを通過しているときに、2人の自爆テロ犯人がピックアップ・トラックにしかけられた爆発物を点火した。2人の警官を含む14人が死亡、46人が負傷した。ムシャラフの乗った車は、風よけが損傷を受けたが、大統領自身は無事で、そのまま逃げきった。

garrPakistani President Escapes New Death Plot
By MATTHEW PENNINGTON、RAWALPINDI


■アメリカ、パキスタンとサウジに睨みをきかす[031225 Asia Times]

パキスタンの戦略に通じている情報源が『Asia Times』に語ったところによると、イスラマバードの「テロとの戦争」の協力にもかかわらず、ワシントンは満足してないという。パキスタンとイランの核疑惑もそのひとつだ。(中略)パキスタンは、原子力科学者が、「個人的な野望と欲」のために、原子力テクノロジーを売ったと述べているが、アメリカは納得していない。したがって、ワシントンはパキスタンに原子力計画を放棄するよう、圧力をかけている。

もうひとつは、パキスタンの部族地帯の問題だ。パキスタンはこの地域をコントロールすると、繰り返し約束しているが、いまだ効果がない。パキスタンの治安組織のなかには、タリバンを援助し、補給を行なう者がいる疑いがもたれている。

パキスタンと対処するために、ワシントンはまずその原子力を支配し、次いでパキスタンにさらに米軍基地を設けようとしている。この戦略は、パキスタンを再び60年代に後戻りさせる。当時パキスタンの軍の力は限られており、戦略も貧弱だった。あるものといえば、すべてアメリカの合意のもとで存在していた。(後略)

smellUS draws a bead on Pakistan, Saudi Arabia
By Syed Saleem Shahzad、KARACHI


■パキスタンのテロリスト、再結成[031224 San Fransisco Chronicle]

パキスタンの過激派は最近、Muslim United Armyという傘のもとで、あらたに再結成しはじめたようだ。「我々は混沌とした状況を捜査している。改称したりして再結成していたグループは、これまであまり関係がなかったグループとも結束を持つようになり、欧米や政府を標的にしている」と警察内の犯罪捜査部門の者が述べる。

MUAとして知られるこの組織は、2002年10月に出現した。カラチの警察と政府関係の建物に、5つの小包の形をした爆弾が仕掛けられた。そのうち4つが爆発し、9人が負傷した。Asif Ramziと名乗るMUAのスポークスマンでアルカイダのシンパが声明を出した。RamziはLashkar- e-Jhangviのリーダーで、ダニエル・パール記者誘拐殺人事件とも関係があるとして、当時すでに手配状が出ていた。

Ramziは、去年の12月、カラチの武器倉庫での爆発事件で死亡したといわれる。「それがMUAの最後だと思った」と警察官は言う。しかし今年の6月になって、再びMUAが浮上した。カラチで21ヵ所のガソリンスタンドに爆弾が仕掛けられた事件に対して、声明を発表したのだ。被害は大きくはなかったが、MUAは一躍有名になった。当局は、MUAはLashkar-e- JhangviとHarkat al Mujahedeen al Aalmの幹部が運営し、Ramziの死後、以前知られていなかった人物、あるSheikh Ahmedがリーダーになったと思われていた。

Lashkar-e- Jhangviの母体であるSipah-e-Sihabaの前財務責任者、Mohammad Ilyas Saheerは、Sipah-e-Sihabaは、Jaish-e-Mohammad、Harkat ul Ansar、Lashkar-e-Tayyabaなどのテロ組織と協力していると証言している。しかしMUAとは関係がないという。「すべての組織、すべての戦士について知っているわけではない。何人かがMUAに参加しているかもしれない。しかし、すべての組織が協力してスーパーグループを結成するというような合意は、今のところない」という。ここ5ヵ月の間、カラチでは大きなテロは起きてない。「ここには隠れるところが、何百万ヵ所とある。警察がすべての過激派を摘発することは不可能だ。たった1人の男が、何らかの動機を持ち、武器を手にすれば、町全体が混乱する」と、あるカラチ大学の学生が語った。

garrTerrorists in Pakistan regrouping, cops say
Juliette Terzieff


■パキスタンのリーダー、軍最高司令官を降りることに同意[031224 AP]

パキスタンの軍人大統領が水曜日に、2004年の終わりまでに、軍の最高司令官の地位を退くことを認めた。これは野党であるイスラム政党、MMAとの取り引きの一つであり、国家の民主主義を麻痺させていた長い論争に、終止符をうつことになる。

さらにムシャラフ大統領は、99年のクーデターで権力の座について以後独占した権限のいくつかを、手放すことも約束した。ムシャラフは大統領に着任し続けるが、最高司令官から退いた1ヵ月後に、議会で信任されることになる。

「民主主義のためにも、国の安定のためにもいいことだ」と情報大臣Sheikh Rashid Ahmedが『AP』に語った。「大統領が民主主義を大事に考えていることが、証明された」という。MMAのスポークスマンHafiz Hussain Ahmadも、これを確認した。また、2004年12月31日までに軍の地位を退くことを約束する書類にも、署名した。

アメリカが支援するムシャラフとMMAとの間のこの取り引きは、意外な結果となった。MMAはムシャラフの政党、PML-Qには反対し続けるが、この件には同意したために、信任のための選挙ではムシャラフに投票するという。

MMAはこれまでムシャラフの体制に、強硬に反対。ムシャラフが首相を解任し、国会を解散させる権力を独占していたことに、抗議し続けてきた。今回の合意の結果、ムシャラフは国会を解散する前に、首相の承認を得なければならなくなり、その後は最高裁の承認も必要となる。

MMAは政府と何ヵ月も話し合いを行なってきたが、この結論は大きな逆転となった。これまでムシャラフは、国にとって益があると思われる限り、軍の地位を退かないと言い続けてきた。彼が軍を退いたら、いつまで大統領でいられるかと疑問を感じる者が多い。

12月14日にムシャラフ暗殺未遂が行なわれた。過激派の反抗と見られているが、今のところ、逮捕者はいない。

ohohPakistan Leader Agrees to Cede Army Post
By PAUL HAVEN、ISLAMABAD


■アフガンリーダー、権力を分かち合うことを拒否[031224 AP]

カルザイ大統領は水曜日に、強力な大統領制に固執し、力の分散を否定した。「大統領制は、世界的に知られている。その権力、権力の限界もわかっている。我々は大統領制を作るべきだ。混乱ではない」。

hoonAfghan Leader Rules Out Sharing Power
By AMIR SHAH


■タリバン容疑者、アフガニスタンで逮捕[031224 AP]

米軍とアフガン国軍は、ザーブル州Dara Bagh地域で、14人のタリバン容疑者を逮捕した。このほかカンダハル北東部で、AK-47ライフル16丁や重機関銃5丁が押収された。逮捕された者たちのなかには、タリバン幹部は含まれてない模様。

これとは別に、ザーブル州の前州知事Hamidullah Khan Tokhiの家から、AK-47が60丁見つかった。当時、前州知事は家にはいなかった。

hoonTaliban Suspects Arrested in Afghanistan
By NOOR KHAN、KANDAHAR


■パキスタン裁判所、フランス人の保釈を認める[031224 Reuters]

水曜日に、渡航許可を受けてない地域に入ったとして逮捕された、2人のフランス人ジャーナリストMarc EpsteinとJean-Paul Guilloteauの保釈が認められた。有罪となれば、3年間の服役を言い渡されることになる。一緒に逮捕されたパキスタン人ジャーナリストKhawar Mehdi Rizviは、依然として拘束されている。

地元の新聞によると、ジャーナリストたちはタリバンについて取材中で、クエッタやその他パキスタンの町で、イスラム過激派が再組織化している様子を調査していたという。

smellPakistan court orders French newsmen freed on bail
KARACHI


■タリバン、誘拐インド人を釈放[031224 Reuters]

タリバンによって誘拐された2人のインド人労働者が解放された。タリバンは、2人のインド人と引き換えに、50人の過激派の釈放を要求していたが、インド人の解放は無条件だったという。

hoonTaliban frees kidnapped Indians -Afghan official
KABUL


■投降する武装団、引き渡さないと北西辺境州知事[031224 Daily Times]

部族地帯に隠れている地元や外国人の過激派は、パキスタン政府に投降した場合、第三国に引き渡されることはないと、北西辺境州知事Syed Iftikhar Hussain Shahが述べた。

さらに、南ワジリスタンの部族民たちに、これらの過激派と関わらないよう、呼びかけた。過激派たちを匿った者たちは、許されないとも語った。

hoonSurrendering militants won't be extradited: Shah
PESHAWAR


■アフガニスタン、独裁政権を憂慮[031223 AP]

軍閥たちの力を軽減させるために、アフガニスタンに強い大統領制を採用する計画は、独裁政権を生み出す恐れがあると心配される。パシュトゥン族を含むカルザイの身内の者たちは、地方権力者の影響力を排除し、首相を置かないことを希望している。アメリカやアフガン高官たちは、ロヤジルガで憲法草案が認可されると自信満々だが、少数派民族集団のなかからは、非難が挙がっている。

北部同盟に近い関係にあるHafiz Mansourは、「我々は、独裁者はいらない。もし国際社会が沈黙を守るのであれば、アフガニスタンに民主主義はない」と『ロイター』に述べた。ドスタム将軍も議会制を支持し、少数民族の言語にも、公的な地位を与えることを主張している。Mansourは、同じタジーク族である国防大臣のファヒムに、抵抗をやめるように言われた、と訴えた。ファヒムは大統領組織のなかで、自分の地位を確保しているという。

hoonDictatorship Worries Afghanistan Critic
By STEPHEN GRAHAM、KABUL


■イランとパキスタンの核疑惑、拡大[031223 Reuters]

イランとパキスタンとの間の核疑惑は、予想以上に大きな問題に展開しそうである。パキスタンの原子力科学者と「仲介者」が、イランを援助した疑いがあるという。またパキスタンの個人が、北朝鮮にもノウハウやハードウェアを提供したと疑われている。

欧米外交官が『ロイター』に、5〜6人のパキスタン人原子力科学者の名前が、イランを援助したとして浮上しているという。しかしパキスタンとイランとの関係はここで終わるわけではなく、「仲介者」もパキスタン人だったとされる。「パキスタンにいないパキスタン人」だという説もある。また、ある外交官によると、IAEAが特定した「仲介者」の1人はすでに死亡しており、また別の1人は「まだ商売をしている」ために黙秘、もう1人はすでに引退し、国連に協力している、と語った。今のところIAEAは、イスラマバードを名指しして、非難はしてない。

garrSuspected Iran-Pakistan nuclear link widens-diplomats
By Louis Charbonneau、VIENNA


■中国闘士、銃殺[031223 BBC]

中国が要注意「テロリスト」としてリストに挙げている活動家が、パキスタンで、パキスタン軍によって銃殺されたと、中国のメディアが発表した。

アルカイダの援助でEast Turkestan Islamic Movementを立ち上げたHasan Mahsumが、10月2日に南ワジリスタンで銃殺されたと、パキスタン軍のスポークスンが述べた。南ワジリスタンで行なわれた作戦で銃殺された8人のなかに、含まれていたという。以前中国では、Hasan Mahsumがパキスタンとアフガニスタンの国境で活動していると、報道されていた。中国は、パキスタンとアメリカの合同作戦で殺害されたと発表したが、パキスタン軍スポークスマンは、パキスタン軍だけで行動したと述べた。

Hasan Mahsumは中国の新疆省出身で、ウイグル人ムスリムである。

hoonChinese militant 'shot dead'


■インド、ISIの活動の証拠を握っていると主張[031223 Daily Times]

インドは水曜日に、パキスタンのISIのインドでの活動についての調査書の草案を作ったと述べたが、一般には公表しないという。9.11以後閉鎖されたパキスタンのテロ訓練所が、再開されているという。

ジャムー・カシミールの反対側に位置する国境付近に訓練所は設置され、インド側に攻撃をしかけるために用いられているという。パキスタンやアザドカシミールで、武装集団が活動している証拠もあるという。

smellIndia claims it has proof of ISI activities
NEW DELHI


■ビンラディンの難しい捜索[031229 Newsweek]

タリバン戦士たちは、ビンラディンやザワヒリ、オマール師がフセインのように捕まることはないという。彼らはボディーガードや地元民、そしてアフガニスタンの険しい地形に守られている。そしてフセインと違い、ビンラディンの支持者たちは「イスラムでつながっており、カネではない」と、Zabihullahの名前で通っているタリバン司令官が語った。

ビンラディンは、秘密の隠れ家の周りに地雷を埋め、爆発物をしかけるよう、支持者たちに言っているという。これらはもちろん彼を守るためであるが、もし逃げることができなければ、自爆するのだという。決して生きて捕まったりはしない、と周りの者に言っている。(中略)

しかし、ビンラディンも少し心配になっているようだ。司令官Hamatと呼ばれるビンラディンの前ムジャヒディンは、フセイン逮捕後、ビンラディンは自分の周りの警備の「輪」を強化したという。

アメリカの諜報部は、ビンラディンの逮捕が難しいとはいうが、以前よりは獲物に近づいてきたという。イラクで用いたソフトウェアがここでも用いられ、ビンラディンのネットワネークの中の民族的、家族的、部族的弱点を探っているという。Analyst's Notebookと呼ばれるこのソフトウェアは、バージニア州のスプリングフィールドで開発され、膨大な量のデータを実際の諜報情報に転換し、例えばメンバー間で頻繁に用いる電話番号などから、複雑なネットワークのチャットを作り出すのだ。このプログラムは、フィリピンのコンピュータ・ヴィールス“love bug”の解明にも、用いられた。

Zabihullahも、ビンラディンが最近、近親者から電話を受けたと言っていた。米軍の飛行機が頭上を飛んだために、あわてて隠れたこともあるらしい。飛行機は彼らに気づかなかったようだ。Assadullah Zarafatと名乗る別のタリバン戦士は、数ヵ月前ウルズガン州で米軍はオマール師と居合わせたが、彼に気づかなかったと述べた。オマール師は祈りを捧げるために、地元のモスクに立ち寄った。すると米兵とアフガン兵がモスクに車でやってきて、アフガン兵たちは祈りのためにモスクに入ってきたという。オマール師は武器を隠し、何食わぬふりをするよう部下たちにいいつけ、一緒に祈った。

ビンラディンは最近隠れるだけでなく、敵と戦うギャンブルにでてきている。ビンラディンの弱点は、案外パキスタンで証明されるかもしれない。もしムシャラフに対する最近の暗殺未遂事件がアルカイダと関係があるとしたら、これが逆にビンラディンにとって致命的になるかもしれない。パキスタンの大統領が、決定的な行動に出るかもしれないからだ。アメリカの諜報部は、ビンラディンを逮捕できるかどうかは、パキスタンの協力次第だという。「ジハード団に対するムシャラフの行動は、アメリカの圧力のもとで、仕方なく実行されている。たいてい、アメリカ要人の訪パ前や直後に行なわれる」と前パキスタン外交官Husain Haqqaniは言う。

いつの日にか、ビンラディンも過ちを犯すかもしれない。Abdullahという名で知られているイスラム過激派は、2月に、クナール州の森の中に隠れていたビンラディンのために、薬を持って行ったと述べた。「病気で、弱っていた」。「身近な護衛とともに動き、1ヵ所に長く留まることはない。追跡されるのを恐れ、夜や天候の悪い時に動いている」という。

※掲載は12/22

hoonThe Harder Hunt for Bin Laden
By Sami Yousafzai and Michael Hirsh


■パキスタンのリーダー、カシミール政策に変化なし[031222 Reuters]

ムシャラフ大統領は月曜日に、カシミールの国境問題は、数十年も前から問題になっている国連決議の「精神」で解決する必要がある、と述べた。「カシミール政策に変化はない」という。ムシャラフ大統領は先週『ロイター』とのインタビューで、イスラマバードは、国連の決議を要求するこれまでの態度を取り下げる、と語り、インドに寛大すぎるという批判を受けていた。

smellPakistani leader says no change in Kashmir policy
ISLAMABAD


■パキスタンの核爆弾の父、イラクとの問題で質問される[031222 Reuters]

パキスタンの「原子爆弾の父」アブドゥル・カディール・ハーン博士が、パキスタンとイランのとの間の原子力計画に関わっていた疑いで、取り調べを受けているという。国連の原子力調査団の捜査を受けての捜査だという。テヘランは、パキスタンが核兵器計画で用いた遠心力分離機と、同一の機械を用いていた。

外務大臣のスポークスマンMasood Khanは『ロイター』に、「普通の尋問を受けるには、あまりにも著名な科学者すぎる」。「しかし、現在の取り調べで、いくつかの疑問点が出ている」と述べた。また、一部で報道された「軟禁状態」という情報については否定したが、それ以上のことは発表しなかった。何人かの情報源が『ロイター』に語ったところによると、ハーンは先週以来、イスラマバートの自宅で人に会うことも、外出することも禁止されているという。「すべての原子力科学者が取り調べを受けている。ハーン氏も同じで、特別な状態ではない」とある情報源が語った。

ウィーンの外交官が先月『ロイター』に、International Atomic Energy Agency(IAEA) は、イランの遠心分離機が、パキスタンのある特定の個人から与えられたかどうか、捜査していると述べた。テヘランは、「仲介者」から手に入れたと述べていた。

パキスタンは、原子力テクノロジーを輸出していることや、イランとの関係も否定している。IAEAの外交官によると、イランはオランダの会社がデザインした遠心分離機を使っていたという。カーン氏は83年にパキスタンに戻ったあと、アムステルダムからスパイ行為をしたとして、4年間刑を言い渡されたが、その後取り下げとなった。

smellFather of Pakistani bomb questioned over Iran link
By David Brunnstrom、ISLAMABAD


■アフガンリーダー、再び挑戦を受ける[031222 Reuters]

カルザイ大統領の治安アドバイザーであるドスタム将軍が、大統領が推進している強力な大統領制に反対し、議会制を中心に置くよう申し立てた。

「人々の同意がなければ、憲法は意味がない。我々は人々が要求していることを知っている。みんな議会制を求めている」と述べた。カルザイに反対する者たちは、憲法草案は、彼のために作られたようなものだという。北部同盟に属す少数民族は、強い議会制を求め、首相の設置を望んでいる。

議会はこれからが勝負で、大統領制について、議論されることになる。もうひとつの争点は、言語の問題である。憲法ではパシュトゥ語(パシュトゥン族)とダリ語(タジーク族)がふたつの公用語になるが、国家はパシュトゥン語だけでうたわれるとされる。ウズベクやトルクメン、バルーチのような少数民族は、自分たちが除外されていると非難している。

hoonAfghan leader faces fresh challenge to his vision
By Sayed Salahuddin、KABUL


■タリバンのビデオ、クナールでの活動を映す[031222 The News]

タリバンがクナール州で軍のコンボイを攻撃し、政府関係事務所を占領するビデオを発信した。このビデオはCDに録画され、『The News』に届けられた。約44分のビデオは、タリバンのアマチュア・カメラマンが撮影。パキスタンのGeo TVで放映された。パキスタンのテレビでタリバンの活動が放映されたのは、初めてである。

テープを届けたタリバンシンパによると、テープはクナール州で最近撮影されたという。何十人ものタリバンがWattapur地域の政府の建物を夜間攻撃している様子が、録画されている。9人のアフガン兵を捕虜にし、その後司令官が釈放を命じたために、釈放される様子が映っている。

garrTaliban video shows their military operations in Kunar
By Rahimullah Yusufzai、PESHAWAR


■アフガン高官、アルカイダと関係したとして逮捕[031222 Daily Times]

諜報部が、ペシャワルにいるアフガン外交官の親戚にあたるアフガン下部高官を、アルカイダと関係があるとして逮捕した。

アフガン国籍のAbdul Hananは、ペシャワルのAfghan Ministry of Transportationで働いていた。アフガン領事館のHaji Abdul Khaliqは、この従兄弟の逮捕を、事実無根として抗議した。諜報部は、Hananの逮捕は「完璧な調査」と「明確な証拠が存在」するために逮捕された、という。「彼は重要な事件とかかわっている」という。Hananの逮捕は、これまでのテロとの戦争ではなかった種類のものだという。情報源は、何の罪で逮捕されたかは述べなかった。「現在、当局が捜査している」とのこと。

smellAfghan official picked up for Qaeda links
By Iqbal Khattak、PESHAWAR


■アフガン兵7人、タリバンに殺される[031222 Daily Times]

アフガニスタンで、タリバンによる別々の攻撃によって7人のアフガン兵が死亡し、7人が負傷した。土曜日の夜Shehrobaで7人のアフガン兵が殺害された。タリバン司令官Rehmatullahは、チェックポストにいた9人の兵士全員か死亡したと述べた。しかしスピンボルダックの警察は、5人が死亡、政府側司令官が負傷したと発表した。タリバンは、パキスタン側から攻撃してきたという。

これとは別に土曜日、カブールとコシュトを結ぶ道で、軍車輌が時限爆弾により爆発し、兵士2人が死亡した。

garrSeven Afghan troops killed in Taliban raids
QUETTA


■アブドゥル・カディール・ハーン、「軟禁」される[031222 Daily Times]

パキスタンとイランとの核をめぐる疑惑が続く中、核科学者、アブドゥル・カディール・ハーン氏が「軟禁」された。

『Daily Times』は、ハーン原子力研究所を設立したカディール博士が自宅軟禁され、「報告」を受けていることを突き止めた。この軟禁は、現在取り調べを受けている2人の核科学者に続くものである。『Daily Times』がこの情報を確認するために外務省に接触すると、スポークスマンのマスード・ハーンが、「自宅での取り調べが続いており、何人かの科学者たちの報告を受けている。まだ現在捜査中であるが、近々この件については発表がある」と述べた。マスードは、パキスタン政府は核テクノロジーを第三国に渡すことを認可してないと、繰り返し語った。

別の情報源によると、イランはInternational Atomic Energy Agency(IAEA)に、何人かパキスタン人核科学者幹部が、テヘランに核と関係したノウハウを伝えたと語ったという。「イランがパキスタン人科学者の名前を挙げたと聞いて、大統領は打撃を受け」、すぐさま捜査に乗り出すよう命じたらしい。情報源によると、これらの科学者は「物質的利益」のために、機密情報を流したという。「これらの科学者の所有物や資産が調査され、国家機密を個人の利益のために売り渡したのかどうか、捜索中」という。イランは、IAEAの捜査で、ウラニウムの残存量が、イランが報告している量よりも多いことが判明したため、このパキスタン人科学者の名前を挙げたのだといわれる。

「アメリカがイランに対して圧力をかけはじめて以来、イランは、当時外国訪問中だったムシャラフにこの情報を伝えた後、IAEAにも情報を与えるしか道はなかった」という。パキスタン科学者のほか、核情報をイランに流したとして、3人のドイツ人商社マンとスリランカ人ムスリムの名前も挙がっている。「イランはこれらの名前はすべてIAEAに伝えた」という。

garrAbdul Qadeer Khan "restricted"
By Rana Qaisar、ISLAMABAD


Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003.