【2004年1月5日〜1月11日】


■パキスタン、大統領に対する陰謀で9人逮捕[040111 AP]

パキスタンの警察は、ムシャラフ大統領に対する暗殺計画に関わったとして、9人を逮捕した。

学生を含む容疑者たちは土曜日に、ラホール東部の町のイスラム学校に対する取り調べの際に逮捕された。

hoonPakistan Arrests 9 in Plot on President
By MUNIR AHMAD、ISLAMABAD


■ムシャラフ襲撃、容疑者に情報流したとして警官を逮捕[040111 Paktribune]

イスラマドード特別警察の警官Muhammad Naeemが、ムシャラフを25日に殺害しようとした自爆テロ犯たちに情報を流していたとして、逮捕された。信頼できる情報源によると、逮捕は12月28日にすでに行なわれていたという。

Muhammad Naeemはラワルピンディ警察に引き渡され、現在、取り調べを受けているという。Naeemは犯人たちに、大統領の車が出発する時間を漏らしていたらしい。この警官は当日Convention Centerで、通常の任務についていた。情報源によると、Naeemは犯人たちに携帯電話で、出発の時間を知らせたという。携帯電話の着信記録から、足がついたらしい。

本誌が特別警察の監察官Raja Nasir Nawazに本件について問い合わせたところ、Naeemの逮捕を認めた。しかし今のところまだ取り調べの最中で、正式に告訴はされてない。

hoonAttack on Musharraf: Cop held for providing information to attackers
ISLAMABAD


■パキスタン人部族民、外国人武装組織と戦うことに[040111 Reuters]

部族会議は政府と協力するために、小規模な軍隊を形成して外国人テロリストと戦うという。

何百というワジール族がジルガを開催し、軍を形成することにした。「我々の地域を破壊してはならない。パキスタンは我々の大切な国だ」と、前国会議員のNur Mohammadがワナの会議で語った。「(容疑者の引き渡しを要求する)政府のデッドラインは月曜日だが、我々はこの小さな軍隊(lashkar)を形成したことを知らせ、もう少し時間をもらうことにする」とある参加者が『ロイター』に語った。

軍は今回の作戦は「外国人テロリスト」に向けたものであるというが、彼らを特定したわけではなく、目撃者によると、武装グループは山に逃げ込んだという。

ohPakistani tribesmen to target foreign militants
WANA


■米軍、ビンラディン捜索を強化[040111 Daily Times]

米軍は、ビンラディンとザワヒリの写真、さらに賞金の約束を入れた食用品を、モーマンド行政区に沿ってばらまいていると、情報源が『Daily Times』に語った。

米軍は、ビンラディンやザワヒルの写真を入れたビスケットやマッチなどの日常品を、アフガニスタンのナンガハルやラル・プラのGoshta地方でばらまいたという。

hoonUS troops step up efforts in Osama hunt
By Mukarram Khan、GHALANAI:


■フランスのジャーナリスト6ヵ月の刑を宣告される[040111 Daily Times]

フランス人ジャーナリストJoel Marc EpsteinとJean Paul Guilloteauに対して、ビザを侵害してクエッタとバローチスタンに入ったとして、6ヵ月の刑を言い渡した。

Epstein氏はクエッタに行っただけでなく、アフガニスタンに入り、そこで民家に泊まってタリバン戦士数人にインタビューしたことを認める自白を読み上げた。

その後裁判官は、2人はKhawar Mehdiの助けを借りて、クエッタとアフガニスタンに行く目的を持ってパキスタンに入り、「悪意」を持ってクエッタに入るビザを取得せず、アフガニスタンに密入国した、と判決を読み上げた。裁判官は、カラチ、ラホール、イスラマバードに行くビザがおりているのなら、申請さえすれば、クエッタに入るビザも取得できたはずだ。クエッタやその先に行く目的は、謎に包まれていると述べた。

smellFrench journalists get six months RI
By Maqbool Ahmed、KARACHI


■罪のなすりつけ合いと諜報の失敗[040111 The Nation]

2度にわたるムシャラフ暗殺事件の警備について、諜報組織の間で罪のなすりつけ合いが始まった。

国の2つの諜報組織が、過激派の活動を監視してなかったと非難されている。『The Nation』がつかんだ情報によると、大統領を攻撃した2人の自爆テロ犯は、アフガニスタンで北部同盟と戦いに出かける前、すでにパキスタンの諜報組織と関係をもっていたことがわかったために、大きな問題となっている。

また2人の自爆テロ犯の他に、数キロの爆発物を車輌に積んだ、3人目の自爆テロがいたこともわかった。3人目の運転手はおじけづき、直前に現場から逃走したと思われる。爆発物を積んだ車輌は、偶然警備組織によって見つけられた。持ち主は名乗り出てない。ある人物が車を見つけ、警備関係者が車を点検したところ、発火装置からワイヤーが垂れ下がっているのが見つかった。

自爆テロ犯はアフガニスタンでタリバンとともに戦っていたが、北部同盟に捕らえられた。イスラマバードがカブールと交渉して解放された、数百人のパキスタン人ジハード志願者たちの中に含まれ、パキスタンに戻ってからは、釈放されていた。裏切られたと感じた自爆テロ犯たちは、ムシャラフを殺そうと計画したと考えられている。

情報源が『The Nation』に語ったところによると、最初の爆破事件でも、警備上、大きな失敗があったという。当日任務に着いた探知犬が、爆発物を探知するように訓練されていなかったために、事前の捜査で、何も発見できなかったのだ。また犬が訓練されてなかったばかりか、犬の調教師も、犬について良く知らなかったという。当日、調教師と犬は初めて会ったために、犬が何かかぎ分けたとしても、人間が理解することができなかっただろう。(後略)

ohBlame-game and intelligence failure >From Absar Alam、ISLAMABAD


■部族長、話し合いのために48時間を要求[040111 Daily Times]

政府は土曜日にワジール族に対し、軍のキャンプを攻撃した者、またアルカイダを匿ったとされる3人の容疑者を引き渡すよう、要求した。

ワジール族の枝族Yargulkhelの長老によると、長老たちは話し合いのために48時間を要求し、この間にジルガを開催し、対策を考えるという。

行政官Rehmatullah Wazirは、容疑者はZalikhel枝族であるため、取り壊しを受けた家は、この枝族のものだったという。しかし部族長は、Zalikhel族は命令には従わないだろうと述べた。「ジルガが開催されても、いい結果にはならないだろう」と、Karikhel枝族のMalik Zardal Khanがワナから電話で『Daily Times』に語った。

ワナにいる情報源によると、Zalikhel族は、すべてのワジール族に容疑者の逮捕に協力するよう呼びかけたという。自分たちだけでは容疑者を逮捕できない、と語ったという。

hoonTribal chiefs seek 48 hours for consultation
By Iqbal Khattak、PESHAWAR


■手配者の降伏を要求[040111 The News]

土曜日に南ワジリスタンの行政府はAhmadzai Wazir族に、「外国人テロリスト」を匿った容疑がある3人の部族民を、48時間以内に引き渡すよう、要求した。

この要求は、ワナで開催されたAhmadzai Wazir族のジルガで申し渡された。Ahmadzai Wazirの9つの枝族に属す50人の長老が参加した。容疑者が属しているYargulkhel族の長老たちも参加した。

行政官Rahmatullah Wazirは、ジルガ参加者たちに政府へ協力するよう呼びかけ、「外国人テロリスト」を匿う者は、部族の掟と伝統に従って処罰されると警告した。

手配されているのは、Nek Mohammad、Haji Sharif、Maulvi Abbasの3人である。Azam Warsak付近のKaloshah村にある彼らの家は、8日に取り壊された。パキスタン軍が捜索に派遣されたが、容疑者の逮捕にはつながらなかった。

同じ日、RPG-7ロケット弾が軍のキャンプに打ち込まれ、4人のセポイが死亡、7人が負傷した。ロケット弾はワナ南部のZalikhel Wazir族の居住地行きから発射されたようだという。

Ahmadzai Wazirはこれから自身のジルガを開き、対策を考えるという。枝族であるZalikhelのまた枝族Yargulkhelは、3人の容疑者の引き渡しに関して、圧力を受けることになる。

いっぽう容疑者の1人Nek Mohammad Yargulkhelは、無実を訴えている。部族長たちの中には、軍がKaloshah村で作戦を行なったときに、事前に告知されなかったと訴えた。また家が取り壊しになったときに、現場に行くことを阻まれたという。しかし家が捜索されたときには、軍に同行することを許されたとも述べた。

さらに部族長たちは、Ahmadzai Wazirはこれまで政府から無視されてきたと、不満を訴えた。Mahsud族からの反対で、28年前に建設されたGomal峠を、商売や戦略上重要な峠であるにもかかわらず、自分たちは使用することが許されてないという。またワナ谷における農業は、井戸を引くための電気がないために被害を受け、職もなく、この地域の開発事業は不適切だと訴えた。

hoonSurrender of wanted men
By Rahimullah Yusufzai、PESHAWAR


■アルカイダ狩り、北西辺境州で続く[040111 Reuters]

アフガニスタンの国境にいる米軍は、2つのルールに従う。国境を越えるな。パキスタン側でアルカイダ武装団を見つけたら、まず最初にパキスタン軍に連絡してから発砲しろ。

パキスタン将官は、Angor Addaの国境の向こう側の荒涼とした土地を指差し、パクティア州の北に位置するShikinの米軍基地に向かうジープを指す。「キャンプがあそこにある。白いのが見えるだろう」と、General Shaukat Sultan。「2ヵ月前、我々は8人のアルカイダを殺害して、18人を逮捕した」と今度は西のほうを指差す。パキスタンが、アメリカが主導する「テロとの戦争」に協力していることを強調するために行なった作戦のことだ。兵士2人が死亡した。1ヵ月後同じ地域で、さらに何人かのアルカイダが銃殺されている。

先週パキスタン軍は新たな作戦を南ワジリスタンで展開した。軍は2002年の中ごろ、この半自治地域の部族地帯に、初めて侵入した。ムシャラフ大統領は、12月の暗殺未遂事件の数日後『ロイター』に、ビンラディンとザワヒリがパキスタンにいるというカギをパキスタンが握ったのは、もう9ヵ月も前になると語った。電子偵察機器、おそらく部族地帯に設置されたアメリカの盗聴器が、どちらかがワジリスタンにいることを突き止めたのだろう。しかし捜索は無駄だった。

ワジスタンは、ゲリラ戦士にとって格好の隠れ場所だ。イギリスの諜報員T.E. Lawrence、「アラビアのロレンス」は、1928年にワジリスタンにいた。インドのラージが、カブールのやっかいな王に手をこまねいていた時代だ。150年以上、北西辺境地域の山の洞窟は、ムジャヒディンたちの隠れ家だった。当時インドを支配していたイギリスは、かれらを「インドの狂信者」と呼んでいた。ビンラディンのように、彼らはワッハーブ主義者で、1世紀にわたり、イギリスと戦った。

「洞窟にたどり着いたとき、燠はまだ暖かかった。情報提供者は、いつものように、両者に情報を与えていたのだ」。南ワジリスタンのイギリス行政官Jack Lowisは60年前、イギリスのラージを攻撃していたイスラムの聖職者、Ipiのファキールの捜索の様子をこう表現している。このファキールは捕まらなかった。歴史は繰り返す。彼の息子は、ビンラディンの同士となり、80年代、ムジャヒディンとして赤軍を追い出すために戦ったという。

パキスタンは500人以上のアルカイダを逮捕したが、米軍はいまだにタリバン戦士たちが、パキスタンへ逃げ込み、隠れていると言う。Sultanは言う。「パキスタン軍が、敵を援助することはありえない。旗に忠実であり、特定の個人に忠実であることはない」。パキスタン軍にはパシュトゥンが大勢いる。そしてタリバンはパシュトゥンだ。部族民たちは、パシュトゥンの文化に反するタリバンの教えに共鳴しないが、民族的には共感するという。

国境で敵と味方の見分け方が難しいために、最近、米軍とパキスタン軍との間で誤射があり、不信感が募った。去年の新年、米軍戦闘機F-16がパキスタンのAngor Adda近くのマドラッサを爆撃し、パキスタン軍兵士2人が死亡。両側で銃撃戦となり、米兵も1人死亡した。8月にはワジリスタンで、米軍が再びパキスタン兵2人を「誤射」して死亡させた。このときは、ムシャラフも抗議した。

Shikin基地にいる米軍高官は、Angor Addaにいる相棒と頻繁に会い、ラジオで情報を提供する。パキスタン高官によると、国境に向かって発砲するときには、まず自分たちに報告することになっているという。

ワジリスタンでは米軍とパキスタン軍による「誤射」以外でも、しょっちゅう銃撃戦がある。部族民たちは銃の文化を持ち、デトロイトが安全な場所にさえ見える。辺境州の最後のイギリスの行政官で、パシュトゥンの権威であるOlaf Caroeは、ワジール族をヒョウに、そしてそれに敵対するもうひとつの部族、Mahsudをオオカミにたとえる。「オオカミはヒョウと比べて決断力があり、結束力があり、そして危険だ」。Angor AddaはMahsudの地域だ。軍がパトロールする傍らで、2人のMahsudの若者が、村にあるFrontier Forceのチェックポストのまわりでのんびりする。まるで自分の所有物のようだ。カラシニコフを抱える。パキスタン軍の将官がうなずきながら言った。「ここはとても危険な場所だ。子供さえ、銃を持っている」。

hoonAl Qaeda hunt on NW Frontier follows old tracks
By Simon Cameron-Moore、ANGOR ADDA


■ムシャラフ暗殺未遂事件の首謀者、逮捕[040110 Paktribune]

諜報組織は、Bahawalpur出身のSyed Ghulam Yasin Amjad Bokhariを、ムシャラフに対する自爆テロ事件の首謀者として逮捕した。

非常に信頼できる情報源が、土曜日に語ったところによると、Syed Ghulam Yasinは、活動禁止を宣告されている宗教組織に所属しているという。攻撃に使用されたスズキから、逮捕につながったという。

情報源によると、Syed Ghulam YasinはAl-JehadとJaish-e-Muhammadなどのジハード組織に、人材を提供していた。またテロリストたちに訓練をしていたともいわれる。また彼は50人ほどのグループのメンバーで、他のメンバーは別の場所に隠れているという。さらにSyed Ghulam Yasinは、テロリストの訓練のためにPoonch、Kotli、Azad Kashmirに、テロリスト訓練所を設けていたという。

この捜査と関連して、諜報組織はコーヒスタンを捜索し、他のメンバーを逮捕しようとしたが、全員逃走した模様だ。隠れ家からは、膨大な量の武器が発見されたという。

以前逮捕されたSalahuddinを取り調べている情報源によると、Syed Ghulam Yasinは前者に人材を提供していたという。

ohMastermind of suicide attack on Musharraf arrested
ISLAMABAD


■フランス人ジャーナリスト、パキスタンで刑を受ける[040110 AP]

パキスタンの裁判所は土曜日に、フランス人ジャーナリスト2人を、ビザを侵害しアフガニスタンとの国境付近に入ったとして、6ヵ月の刑を宣告した。

2人とも有罪とされたが、弁護側は2人は悪意を持ってクエッタに行ったわけではなく、刑は不当だとした。パキスタン警察は、2人がタリバン戦士たちがアフガニスタンからパキスタンに侵入してくるという、偽造された映像ドキュメントを作ろうとしていたとする。

パキスタンのメディアによると、ジャーナリストたちは、タリバンがクエッタ近くで訓練所を設営している様子を報告しようとしていたという。パキスタンのState PTV networkは、フランス人たちから没収されたビデオを放映した。ビデオには、フランス人のうち1人が、武装した男の写真を撮っている様子が映っていたが、報告によると、武装した男たちはタリバンではなく、カネのためにポーズを取っているにすぎないという。

smellFrench Journalists Sentenced in Pakistan
By AFZAL NADEEM、KARACHI


■パキスタン、アルカイダを援助したと思われる3人を捜索[040110 AP]

パキスタン当局は南ワジリスタンの部族民たち、アカイダを匿ったと思われる容疑者3人を、2日のうちに引き渡すよう要求した。

いっぽうパキスタン軍は、木曜日に軍のキャンプにロケット弾を打ち込んだアルカイダ武装団、あるいは部族民を捜索している。(後略)

hoonPakistan Seeks 3 Believed to Aid al-Qaida
By MUNIR AHMAD、ISLAMABAD


■アフガンで攻撃、タリバン容疑者4人を殺害[040110 AP]

4人のタリバン戦士が、爆弾を道路に仕掛けている最中に死亡した。いっぽう、ドラッグ密輸団と思われる武装集団が、5人のアフガン兵士に発砲、殺害した。

ヘルマンド州のMusa QalaとSanginの間の道で、4人の遺体が見つかり、タリバンとの関係を示す書類が、遺体から発見された。州知事のスポークスマンMohammed Wali Alizaiによると、死亡した4人は、軍が頻繁に行き来するこの道路に、爆弾を仕掛けようとしていたらしいと述べた。

また土曜日に、20人から25人の武装した男たちが、カンダハル州のShorabak付近のチェックポストを攻撃。駐在していた10人のうち5人が死亡、2人が負傷した。

garrAfghan Violence Kills 4 Suspected Taliban
By NOOR KHAN、KANDAHAR


■パキスタン、ムシャラフ攻撃の首謀者を捜査中[040110 Reuters]

パキスタンの情報相は土曜日に、ムシャラフ暗殺を試みた容疑者のほとんどすべてを摘発したが、まだ首謀者を捜索中だと述べた。

「捜査は最終段階に達した」とSheikh Rashid Ahmedは述べた。「国外からの協力があった可能性はまだある。今それを捜査中だ。誰が首謀者だったか、ということだ」。

政府は対テロ法も改正し、資金援助した者はこれまで6ヵ月から5年の刑を受けるとされていたのを、4年から10年に改正した。

またAhmedは、部族地帯で武装組織に対して実施した作戦は終了した、と述べた。金曜日の捜索で25人の部族民を逮捕し、兵士が攻撃され、4人が死亡した。パキスタン政府側はこの地域の住民であるワジール族のリーダーたちに会い、イスラム過激派を援助したものは処罰すると、警告した。

hoonPakistan seeks masterminds of attacks on Musharraf
ISLAMABAD


■ムシャラフの命に対する諜報[040110 The News]

ムシャラフの命を狙った自爆攻撃があるという「情報」が警備関係者たちのもとに届いていたが、それほど重視されなかったと、ある信頼できる情報筋が語った。

この情報を得ていた高官は、すでに組織から異動になっているという。「情報があいまいであっても、このようなレポートに注意を向けるべきであった」と情報源が語った。

捜査陣によると、2回の暗殺未遂事件は、同じグループによるものだという。どちらの事件でも、入手が難しいC4爆弾が使用されているという。この爆弾は、アルカイダがバリで259人を殺害した際に用いた物と同一である。C4がパキスタンで用いられたのは、今回が初めてと言われる。

さらに、犯行に用いられたスズキのピックアップは、ラワルピンディであわてて購入された模様で、現金で支払われている。(中略)

hoonIntelligence slip cited in bid on Musharraf's life
By Kamran Khan、ISLAMABAD


■ワナでロケット弾発車、兵士4人死亡[040110 The News]

木曜日の夜、南ワジリスタンに駐留していたパキスタン軍部隊にロケット弾が発車され、兵士4人が死亡した。事件は「外国人テロリスト」を匿っていた部族民の捜索のあと、容疑者の家3軒が取り壊された数時間後に起こった。(中略)

南ワジリスタン行政官のMohammad Azam Khanは、土曜日にジルガを開催し、長老たちにこのような攻撃を防ぐよう、協力してもらうと語った。「ロケット弾はZalikhelsの居住地である南の方から飛んできた。これからZalikhelsの取り調べを行なう」という。

ロケット弾は、パキスタン軍と国境警備隊がKalo Shahで捜索を行なった日に起きた。軍が到着したとき、「外国人テロリスト」を匿っていたとされるNek Mohammad、Haji Sharif、Maulvi Abbasの3人は逃走したあとで、捜索のあと、家が取り壊された。「外国人テロリスト」も、捕まえることができなかった。

容疑者の1人、Nek Mohammadが『The News』に電話をかけてきて、無実を訴える間もなく、家族は家を奪われたと嘆いた。「私たち3人は、部族長やMNAのMaulvi Abdul MalikとMaulvi Merajuddin Qureshiと話し合いたい。政府は、我々が外国人テロリストを匿ったという証拠や、アルカイダやタリバン容疑者の名前を挙げるべきだ。噂にもとづいて、彼らは行動しているにすぎない」と訴えた。なぜ1月8日までに投降しなかったのか、という質問に対しては、行政側が公正な判決を下すとは思えないと語った。またパキスタン政府が彼らをアメリカに引き渡さないという約束も、信じられないと語った。

いっぽう木曜日に部族民25人が拘束されたが、行政官によると、土曜日には釈放されるようだという。

hoonFour soldiers killed in Wana rocket attack
By Rahimullah Yusufzai、PESHAWAR


■原子力科学者、機密法廷にかけられる可能性あり[040109 The News]

第三国に、核の秘密を漏らしたとして、何人かの科学者が機密法廷に懸けられる可能性があるという。

法律専門家たちは、これらの科学者を法廷にかけるために、証拠を確認している最中だという。カーン原子力研究所のFarooq Mehmood博士 とYasin Chohan博士が現在取り調べを受けている。(後略)

hoonN-scientists may be booked under Secrets Act
By Shakeel Anjum、ISLAMABAD


■カダフィの息子、核技術輸入にパキスタン人科学者の関与を否定[040109 The Nation]

カダフィ大佐の息子が、欧米のメディアが、パキスタンの科学者が核テクノロジーをリビアに輸出したと述べていることに対して、強く否定した。

リビアは規制のために、一般的な物でさえブ、ラック・マーケットから購入さぜるを得ず、飛行機の部品もブラック・マーケットから購入しているという。

核に関するパキスタンとリビアの協力については、「リビアとパキスタンの売人が、何ら関係した可能性がある、と述べただけだ」と語った。「国家としてのパキスタンや、パキスタンの科学者が関わっていたことを意味するわけではない」という。

また彼の話によると、カダフィ大佐はこの件について憂慮しており、パキスタンとリビアの関係を悪化させようとする企みがあるようだと、心配しているという。

hoonQaddafi son denies Pak scientists hand in N-tech transfer
ISLAMABAD(APP)


■パキスタン、急襲で重要な逮捕者なし[040109 AP]

パキスタン政府は南ワジリスタンでテロリストに対する急襲を行ない、28人の地元部族民を逮捕したが、アルカイダ容疑者は見つからなかった。

逮捕されたのはすべてワジール族とのこと。パキスタン軍のスポークスマンGen. Shaukat Sultanは、外国人テロリストをまだワナで捜索していると述べたが、それほど重要な作戦ではないと弁解した。「重要な作戦ではなく、捜索活動だ」という。

Sultanは、木曜日の夕方、軍のキャンプにロケット弾が撃ち込まれ、2人の準兵士が死亡、2人が負傷したという。誰がロケット弾を発砲したかはわかっていないが、今回の急襲とは関係がないという。この地域に入り込もうとする軍に対して、部族民はたびたび攻撃をしてくるという。

ワナの地元高官によると、28人の部族民が逮捕され、長老たちはその釈放を求めているという。パキスタンの法律にもとづくと、1人が犯罪を犯した場合、その部族全体がその犯罪の責任を負うことになっている。長老たちはこれから行政側と交渉をし、犯罪者と引き渡すことになる。それと引き換えに、部族民は完全な自治権を持つ。

別の高官が『AP』に語ったところによると、敷地に誰がいたかについて、取り調べが続いているという。外国人に対する捜索は今後も続くとのこと。

garrPakistan Has No Major Arrests in Raid
By PAUL HAVEN、ISLAMABAD


■軍、ワナでアルカイダ捜索を開始[040109 The News]

パキスタンのエリート軍が南ワジリスタンの村で、軍事作戦を開始した。9時間に渡ってアルカイダの捜索が行なわれたが、誰も逮捕されなかった。

(中略)軍は7件の家を捜索してから引き上げた。外国人を匿っていたとされる3人の部族民の家が、部族の掟に従って取り壊された。その所有者、Maulvi Abbas、Nek、Sharifの3人は、ワジール族のYargulkhel氏族に属し、投降するか、攻撃されるかどちらかを選ぶよう、言い渡されていた。部族の長老が、3人を投降させようと説得したが、逃走したという。軍事作戦が開始され、家が壊されたあとも、現在、行方がわからない。

南ワジリスタン行政官のMohammad Azam Khanが『The News』に、捜査活動の際、抵抗はなかったと述べた。容疑者の家の捜索には、部族長たちも参加した。「容疑者たちには既に12月8日に、投降するように言い渡していたが、拒否したために、行動に出た」という。

また行政官は、協力しなければ強硬手段に出るという、外国人を匿う部族民たちへのメッセージではない、と述べた。北西辺境州知事のSyed Iftikhar Hussain Shahは最近南ワジリスタンを訪問し、部族地帯に隠れる外国人に関する政策を発表していた。パキスタン政府に投降した外国人は、アメリカに引き渡すことはないとし、彼らを匿う部族民には、法が適応されると述べた。

Inter-Services Public Relations(ISPR)のMajor General Shaukat Sultanは以前、南ワジリスタンで「外国人テロリスト」に対する作戦を計画していると発表していた。木曜日のテレビでのインタビューで、軍は引き上げたと公表されたにもかかわらず、まだ作戦は続いていると述べた。「外国人テロリスト」も地元の協力者も、逮捕されてない。

南ワジリスタンでの軍事作戦は、メディアの興味を引きつけた。外国人ジャーナリストたちはISPRから、Kalo Shahでの作戦を見学するためのヘリコプター・ツアーに準備するよう、呼びかけられた。以前の作戦でも、イスラマバードにいたメディアは、南ワジリスタンのBagharにヘリコプターで連れて行かれた。今回のツアーは、天候上の都合で、キャンセルになった。連邦管轄部族地帯(FATA) ではこれまでも、国境警備隊や準軍隊がお尋ね者の家を取り壊すことがあった。しかしここ数ヵ月、軍はこのような行為を頻繁に行なっている。Quick Reaction Forceも、アルカイダ容疑者を捜索するために出動した。

以前の作戦も、今回と同様、Azam Warsak付近で展開されている。結局ここにいた主な者は、Islamic Movement of Uzbekistanに関わっているウズベク人だった。

garrArmy launches operation against al-Qaeda in Wana
By Rahimullah Yusufzai、PESHAWAR


■ワジリスタンでの軍事作戦、アルカイダを捜索[040109 Daily Times]

(前略)ワナにいる情報提供者が『Daily Times』に語ったところによると、Azam Warsakから1キロ離れたところでパキスタン軍が、Zalikhel族のMuhammad Sharif、Noorul Islam、Nek Muhammad、Abbas Khanの4人の家を急襲した。ここは、去年6月の作戦で、軍が兵士10人を失った場所でもある。ワナの高官によると、ヘリコプター15機が出動し、歩兵が4件の家を急襲したという。「家を取り壊したあと、徹底的な捜索が行なわれたが、誰も逮捕されなかった」。

ある情報筋によると、Sharif氏と弟のIslam氏が、アルカイダとタリバンを匿っていたといわれる。この兄弟はソ連侵攻時代にアフガンでジハードを戦い、タリバンやアルカイダと強い関係を持っていたらしい。

今回のKaloshaでの作戦は、去年10月のBagharでの作戦、6月のAzam Warsakの作戦に次いで、3回目のものである。南ワジリスタン行政官Muhammad Azam Khanは『Daily Times』に、作戦はすでに「終了」したが、「逃走した容疑者」を捜索中だと語った。対テロ専門家は、今回の作戦で誰も逮捕できなかったのは、「諜報情報の失敗」を意味すると述べた。「このような失敗は政府の信用問題に関わる。諜報情報で外国人テロリストの存在を得ても、それに続く作戦で誰も逮捕することができなければ、それは諜報の失敗だ」。

garrArmy operation in Waziristan begins to nab Qaeda suspects
By Iqbal Khattak、PESHAWAR


■対アルカイダ作戦、ワナで開始[040109 The Nation]

パキスタン軍は国境警備隊などに援助され、南ワジリスタンのワナで外国人テロリストに対しての作戦を開始した。

Inter Services Public RelationsのMajor General Shaukat Sultanによると、「軍は国境警備隊に援助され、ヘリコプターを使った作戦を木曜日、早朝に開始した。この地域に外国人テロリストがいるという情報を掴んでいる」と語った。村人がテロリストの楯となっているのか、という質問に対して、容疑者は民家に隠れている。言葉を変えれば、この地域の人々が彼らを匿っている、と述べた。これらのテロリストが最近、アフガン国境から入ってきた可能性は否定した。

今回の作戦は、去年10月、コーヒスタンでテロリストの訓練所が取り壊された軍事作戦とは異なるという。「今回は国境警備隊や準軍隊を用いた軍の捜査活動だ」という。「軍は敵の抵抗を受けている」と主張した。今のところ容疑者が逮捕されたのか、殺されたのか、逃走したのかはわからないという。

ワナにいる本特派員によると、Glosha村の3家屋と手洗いが、木曜日早朝、取り壊されたという。パキスタン軍は15台のヘリコプターを出動させた。またGlosha地域に続く全ての道路が封鎖されたという。Maulvi Abbas、Sharif Wazir、Noor Salamの3人の家と手洗いが取り壊された。また南ワジリスタンの行政官Mohammad Azam Khanは、パキスタン人も外国人も今のところ逮捕されてないという。

《APP追記》

情報相Sheikh Rashid Ahmedは、ワナを含むパキスタンの国土で、外国人部隊が作戦に参加することはないと、型通りの声明を発表した。パキスタン軍と国境警備隊は作戦を行なう能力が十分あり、外国部隊の援助を必要としないと述べた。

garrAnti-al Qaeda operation launched in Wana
From Rauf Arif、ISLAMABAD


■死に対する意識が、カシミール問題を前進させた[040108 New York Time]

8ヵ月に及ぶ水面下の交渉の結果、パキスタンは、カシミールで活動するイスラム過激派に対する支援に、終止符を打つことにした。ムシャラフに対する暗殺未遂事件が直接のきっかけだったと、パキスタンの高官が言う。

火曜日にインドとパキスタンは、2月から、カシミール問題についての話し合いを始めることを決定した。テロリストの活動を許さないとパキスタンが約束したことにより、インドの条件を飲んだことになる。(中略)8ヵ月に渡ってバジパイとムシャラフの間でやりとりがあり、やっと和解に向けて一歩進み出した。

パキスタン高官によると、新たな話し合いの合意は、先月のムシャラフ大統領に対する2度目の暗殺未遂事件が引き金となったという。インドの原理主義者たちでさえ、ムシャラフにかかった圧力を認識し、ムシャラフが最後の取り引きしてくるだろうと見ていた。インド側は、なぜ火曜日の合意に達したのか、コメントしてない。

暗殺未遂事件により、パキスタンはジハードに対する支援に終止符を打つことも、決意したようである。「彼らはやってはならないことをした」とパキスタン高官。「銃を我々に向けた」。パキスタンは以前にも、武装組織の支援をやめることを約束していた。しかし今回は、今までと様子が違う。「約束したことは、本気のようだ」と、親ムシャラフのコメンテーターMushahid Hussain Sayedは言う。「クリスマスに起きた事件」は、「非常に危険なことだった」という。大統領も政府も、パキスタンの脅威は「自国の過激主義」だと感じるようになったという(中略)。

さらにSayed氏は、インドに対する敵意は、アメリカに対する敵意に取って代わってきたという。12月25日に起きた自爆テロ容疑者は、アフガニスタンで訓練を受けた、Jaish-e-Muhammadと関係がある人間の仕業だという。今や「ジハード団とアルカイダは、非常に関係が深い」ことが明白になったとパキスタン高官が言う。9月に、ビンラディンの腹心ザワヒリが、イスラムを「裏切った」ムヒャラフを抹殺するという声明を発表している。高官は、この声明はパキスタンの活動家たちに対する合図だった、という。攻撃に使われたスズキ(訳注:スズキ製の軽自動車)は、10月に購入されている。

インドがカシミールについて話し合うことに合意した今、パキスタンが武装組織の活動を中止させること、一時的にでも中止させることは、今までよりは楽になったという。全員、納得するわけはない、とも警告した。「22年間も続いた争いだ」。さらに、ISIの下部メンバーたちによる「組織の問題」もあるという。彼らは「活動家たちに依存し、彼らの運動に依存している」という。(中略)

パキスタンの高官によると、この8ヵ月間、インドは2度、パキスタンの停戦の申し出を断わったという。しかしバジパイとムシャラフは、ともに死の影から、和平を早める必要性を感じた。バジパイは79歳である。心は健全だが体は老いてきた。パキスタン人は原理主義者の副首相のLal Krishna Advaniを、それほど信頼してない。そしてムシャラフは、今年の終わりに制服を脱ぐという。したがって軍をこれまで通りには、駆使できなくなる。さらに、自分の命も狙われるかもしれない。ムシャラフは火曜日に、自分は9つの命を持っていると語った。彼の友人は、彼は運命と敵を挑発していると、心配する。「公でそんなふうに言わなければいいのに」。

hoonSense of Mortality Gave Push to Kashmir Talks
By AMY WALDMAN、ISLAMABAD


■占領時代の霊にたたられて[040108 Asia Times]

(前略)パキスタンとインドの和平交渉について、両国の人々はあまり楽観的ではない。これまでも両国間で、何度も同じようなことが起き、失望に終わっている。

さまざまな疑問がわく。両政府とも、アメリカの要求で和解しようとしているのか? 別に理由があるのか? イスラマバードは、アメリカに西と東の両方の国境をテロ訓練所を封鎖するように言われているからか? バジパイがあと数ヵ月で選挙を迎えるため、何らかの功績を見せる必要があるからか? 

おそらく、一番の理由は、水面下の長期にわたる、周到な交渉の結果であろう。両国の声明からも、これを見て取れる。(中略)

ムシャラフは、インドとパキスタンの共同声明は、カシミールの人々にとっては勝利だと述べた。「カシミールの穏健派は勝利者だ」と述べ、両側にいる過激派は、これを妨害しようとするだろうとつけ加えた。彼がテロリズムを取り締まる保証はあるのかと聞かれると、「私は自分が言ったことをする」と述べた。インドとパキスタンが「秘密の取り引き」を行なった事実はないと述べた。

穏健派にとって勝利で、過激派にとっては敗北だと述べたことは、見当違いではない。しかしこの試みが成功する可能性が残っているのは、パキスタンの主な原理主義者たちが今のところ沈黙していることだ。例えば、Jamaat-e-Islamiの長であるQazi Hussain Ahmadは、98年にバジパイがパキスタンを訪れ、ナワズ・シャリフと和平のための話し合いをしたときに強硬に反対したが、今回は黙っている。MMAの国会議員のMaulana Fazlul Haqは去年、インドを訪問し、パジパイを始め、インドにおけるイスラム原理主義の仲間Rashtriya Swayamsewak Sanghと会見している。Haqは今回の関係改善について保証しており、パジパイに、パキスタンで行なわれるSAARCサミットに参加するよう説得したと述べている。

さらに、インドの原理主義者たちも、今のところ自分たちの意見を公表していない。現政権Bharatiya Janata Partyは、今回のイスラマバードの成功を、次の選挙に有利に使おうとしている。選挙は今年終わりに行なわれるはずであったが、数ヵ月前倒しになった。(後略)

hoonHaunted by colonial ghosts
By Sultan Shahin、NEW DELHI


■南アジアの分裂に橋をかける[040108 Asia Times]

パキスタンがタリバンとアルカイダ支援をやめ、アメリカと仲間になってから、戦略的な基盤ができるどころか、イスラマバードは追い詰められている。

火曜日に、インドとパキスタンが来月カシミールについての話し合いを行なうと発表した。しかしパキスタンの政策決定者たちは、これを歓迎せず、不安をもって見守っている。彼らはパキスタンはアメリカによって追い詰められ、インドのほうが有利になっていると考える。そして最近の展開には輝かしい未来があるのではなく、世界は今回も今後も、カシミールで解決があると期待してはならないと言う。

パキスタンとインドとの信頼回復が進んでいるなか、影の主役であるアメリカはイスラマバードに、これは利益を生み出すと保証している。しかしムシャラフが信頼するブレーンのなかには、パキスタンとアメリカのハネムーンは終わり、今では「言うことを聞かない国家」として扱われていると確信する。

アメリカはパキスタンに、パキスタン領カシミールにおける武装組織の訓練所を閉鎖、アフガニスタンのゲリラへのサポート停止などの圧力をかけ、核開発計画をめぐるパキスタンとイランとの関係を示す証拠などに、不満をもつ。これらにより、パキスタンは常に守りに入り、政府が混乱した。そしてパキスタンがまさにあぶない状態にあるときに、インドが申し出をしてきたのだ。

先週、南アジアサミットの開始前に、インドの首相の警備アドバイザーBrajesh Mishraがイスラマバードで、ムシャラフ大統領、軍の副長官General Mohammad Yusuf、ISI長官Lieutenant-General Ehsan ul-Haqと会見し、サミットと2国間の話し合いの最中には、カシミール問題は「停戦ラインをこえない」ことを合意させた。つまりパキスタンは、カシミールの民族自決権について、さらにカシミールを分断する停戦ラインを国際的な国境として認めるという話題を持ちかけない、ということだ。そして両国は信頼回復の方法についてだけ、話し合うということになった。パキスタンはこれを受け入れた。

圧力のもとで達成して合意は、誠意が欠如しているために、たびたび崩壊する。さらにパキスタンは、ますます壁に追いつめられているという認識がある。

《2度の暗殺未遂事件》

数ヵ月前、アメリカがパキスタンにアフガニスタンのゲリラ支持を止めよと警告した1週間後、アメリカはパキスタンに、イランの核開発計画と関係していたといわれる23人のパキスタン人科学者のリストを突きつけた。詳しい報告で、名前と旅行記録が記載されていた。International Atomic Energy Agencyは最近、イランのウラニウム遠心分離機は、16年前にパキスタンからの協力を得て手に入れたと発表した。その結果、アブドゥル・カディール・カーン博士を含む、数人のパキスタン人原子力科学者がFBIの取り調べを受けた。

この展開は、再びパキスタンの政策決定者たちを混乱させた。そしてこのときに、ムシャラフの命が狙われたのだ。アメリカの存在、アメリカがパキスタンに与える影響、ムシャラフのアメリカへの協力のために、「過激派」はすでにコントロールできない状態であることを、メッセージとして広めるためだ(参照「ムシャラフにとって暗殺は『予期せぬ収穫』/031219 Asia Times」)。

しかし皮肉にも、もうひとつ、そして本当の暗殺計画が12月26日に起きた。大統領に非常に近い連邦大臣は本記者に、この2度目の攻撃は全く予期せぬことで、非常に高度な計画だったと語った。この攻撃に対する捜索は、パキスタン民間と軍組織が合同で取り組んでいるが、アフガン人数人とパキスタン人が関わっているという。さらにこの計画は、アフガンとインド諜報部が、Jaish-i-Mohammedの犯行のように見せかけて実行した、というのだ。この大臣によると、このグループのリーダーMaulana Abdul Jabbarは、ムシャラフ暗殺が実行されたときに、すでに拘束されていたという。この大臣は、南アジアサミットが非常に重要だったために、インドを名指ししなかったのだという。しかし会議が終わった今、どのような反応、そして報復があるか、まだわからない。

ohBRIDGING THE SOUTH ASIAN DIVIDE
By Syed Saleem Shahzad、KARACHI


■パキスタン軍、アルカイダに向けて作戦開始[040108 AP]

木曜日にパキスタン軍は、国境に潜んでいるといわれるアルカイダ残党に対して、ヘリコプターを出動させて作戦を開始した。

この作戦は、今週アフガニスタンで、タリバンとアルカイダによって続けられていると思われる一連の事件の後、またビンラディンのテープが発表されたさなかに開始された。

パキスタン軍スポークスマンGen. Shaukat Sultanは、ワナでの作戦はビンラディンやアルカイダのリーダーたちを捕らえるためのものかどうかについて、言明しなかった。「今のところ外国人は逮捕されてないが、地元の部族民を取り調べている」と述べた。ワシントンの高官は、今回の作戦はビンラディンやオマール師などの個人を狙ったものではなく、武装組織を一掃するためのものだと語った。

パキスタンの諜報部高官が『AP』に匿名で語ったところによると、月曜日に15人から20人の武装兵士が南ワジリスタンのワナ付近のKaloshaにいて、3ヵ所に分かれて隠れているという情報を得たという。部族長たちを投降の交渉に派遣したが、男たちは降伏を拒否したために、ヘリコプターと兵士が早朝、現場に向かい、銃撃戦となったという。負傷者や逮捕者についての情報はない。家の所有者である3人のパキスタン人の行方が捜索されており、容疑者が隠れているという敷地のうち1ヵ所は、捜索のあと、ブルドーザーで家などが取り壊された。しかし容疑者は見つからなかったという。

garrPakistan Army Launches al-Qaida Offensive
By PATRICK McDOWELL、ISLAMABAD


■パキスタン、対テロ計画を開始[040108 AP]

パキスタン軍は、アフガニスタンとの国境付近で大きな作戦を開始したと、高官が『AP』に語った。

作戦で逮捕者が出たかどうかははっきりしないと、情報相のSheikh Rashid Ahmedが語った。軍スポークスマンGen. Shaukat Sultanが『AP』に語ったところによると、ワナ付近の作戦はまだ続いているという。「負傷者や逮捕者についての情報はまだない」。諜報部高官が『AP』に、3日前に、ワナの近くのAzam Warsakに武装した外国人グループがいるという情報を得たと語った。部族長たちに、男たちに降伏するよう説得させたが拒否されたので、軍事行動に出たという。

木曜日の朝3時に、男たちが隠れているといわれる敷地を、兵士たちが急襲したという。銃撃戦があり、軍のヘリコプターも出動した。

10月2日にも、南ワジリスタンで作戦が実施された。これはエジプト生まれでカナダ国籍のSaid al-Kadrを狙ったものであったが、取り逃がしたという。しかし彼の家族は、al-Kadrは現在行方不明だといい、パキスタン政府が情報を隠していると非難している。

garrPakistan Launches Anti-Terrorist Plan
By PAUL HAVEN、ISLAMABAD


■パキスタン、武装組織に対する作戦開始[040108 Reuters]

パキスタン軍は南ワジリスタンで、イスラム武装組織に対する作戦を開始した。

「外国人テロリストを逮捕するために、南ワジリスタンで捜索活動を始めた」とMajor-General Shaukat Sultanが『ロイター』に語った。「知事が、自発的に無条件で降伏するよう呼びかけたが、彼らは拒否した」。

ワナにいる目撃者によると、郊外の2つの村から銃声が聞こえ、夜明け前から、軍のヘリコプターが出動しているという。

garrPakistan launches operation against militants
ISLAMABAD


■ヘクマチアル:アフガニスタンのワイルドカード[040107 Asia Times]

イランのアフガニスタン政策に関して、一つの大きな矛盾がある。2002年2月、ヘクマチアルを釈放したことだ。(中略)

筆書も含め多くのオブザーバーは、イランがヘクマチアルを釈放したのは、アフガニスタンを混沌に落とし込むためだったと信じている。これはアメリカの外交政策の失敗、とも捉えられる。

イランがヘクマチアルを釈放したのは、アフガニスタンの治安安定のためではなく、イランのためである。国の東西にいる米軍にはさまれたイランは、自国の警備のためにヘクマチアルを釈放した。ブッシュ政権にとって、アフガニスタンよりイラクのほうが重要と思われていた。

イランは、カンダハルとクナールにいるHezb-e-Islamiの司令官を援助しているともいわれる。しかし筆者には、それは信じられない。イスマイル・ハーンとともに、ハザラやパンシールを武装化すれば、ヘクマチアルのHezb-e-Islamiを武装化することにもなるため、アフガニスタンの多数派から阻害される危険性を持つ。ヘクマチアルはイランに対するパシュトゥンの切り札として使われる、と考える者もいる。この場合は、もっと信頼できるパシュトゥンがいるはずだ。

しかしヘクマチアルがイラン政府の援助なしに、こっそりイランを脱出し、突然アフガニスタン東部に出現できるはずはない。イランのSupreme National Security Councilがイランに亡命していたヘクマチアルに国外退去を命じ、内務大臣Abdolvahed Mussavi-Lari、情報大臣Ali Yunessi and外務大臣Kamal Kharraziなどの国会議員たちが、彼をこっそり「行方不明」にしたのである。

ではヘクマチアルは、何を企んでいるのか。Hezb-e-Islamiの本部はクンドゥーズ、Takhar西部、クナール、ロガル、ラグマン、ワルダック州などにある。カブールでは、Chahar Asiab地方やSarobiに支持者がいる。Shomali平原の北西にもいる。

最近彼は、ジャララバード、クナール、ロガル、サロビの司令官と停戦し、「外国人」とだけ戦うべきだと述べた。最近では、彼は軍事的に弱体化しているといわれる。イランに彼が亡命したあと、Hezb-e-Islamiの司令官は、タリバンに合流したからだ。Hezbisが集めた膨大な量の武器は、タリバンに渡ってしまった可能性がある。さらに資金的な問題も発生しているようだ。Hezbisは資金を稼ぐために、武器を放出しているともいわれる。最近バダクシャンで、Hezbisがドラッグを扱っていると報告されている。

さらにヘクマチアルとJamiat-e-Islamiのラバニが、会談したとも言われている。去年ヘクマチアルとラバニはバダクシャンで会い、最近ではその代表がTakhar州で会談したらしい。バダクシャンはJamiatの本拠地であり、アヘン産出の中心地でもある。もしHezbisがドラッグ商売をそこで行なうとすれば、Jamiatと何らかの合意に達したものと思われる。ヘクマチアルとラバニの会談は、相互扶助に関してだったと言われる。もしHezbisがJamiatの拠点に隠れ、さらにドラッグ商売をすることができれば、Hezbisはラバニが大統領選挙に勝つよう、工面するというのだ。今のところ政治的な動きは憶測にすぎないが、ドラッグ密輸についての報告は注視するべきだ。これまでHezbisはヘロインに深く関わってきた。

Barnett Rubinによると、ヘクマチアルはアヘン商売を組織的に取り仕切っていた唯一のアフガン人リーダーだという。軍閥たちはこれまで生のアヘンを扱ってきたが、ヘクマチアルはパキスタンのヘロインシンジケートと組み、その精製にまで進出していた。

ヘクマチアルに対するイランの政策の矛盾点がまたひとつ、ここにある。イランはこの20年間、アフガニスタンとパキスタンの国境で、武装した密輸団に約3000人以上が殺されている。ヘクマチアルの釈放で、さらにこの地域の政情が悪化した。皮肉にもアメリカは、イランと協力できることが2つあり、その1つは麻薬に関してだと公言している。もう1つはイラク問題だ。

11月7日に、「Operation Mountain Resolve」がヌーリスタンとクナールで展開した。今のところ、Hezbiの司令官Ghulam Sakheeを殺害したのと、武器を発見しただけだ。これらにイランがどう関わっているかわからない。しかしイランは、ヘクマチアルがアフガニスタンに戻るために一役買った代わりに、彼と縁を切ったのだと思う。ヘクマチアルと関わると、命取りになると考えたようだ。イランの警備は、アフガニスタンの別な役者たちと、もっと平和的に協力するほうが有益であるはずだ。

ヘクマチアルの意図は、2002年2月に「外国人や外国兵の侵略と戦うよりも、内戦に従事する」発表した声明に集約される。ヘクマチアルの政策はともかく、市民戦争は彼にとって有益だ。戦争時においては、ヘロインをさらにコントロールすることで、利益が増えるからだ。アメリカとパキスタンは長いことヘクマチアルを援助してきたため、その責任は大きい。イランは彼を放出するという過ちを犯したが、アメリカはイランを脅迫するという過ちを犯した。誰に最も責任があるかはともかく、ヘクマチアルのアフガニスタンに対する野望は、一般アフガン人の生活を脅かすことになる。彼を排除することは難しい。

garrHekmatyar: The wild card in Afghanistan
By Shahin Eghraghi


■米軍、カンダハル爆弾事件を捜査[040107 AP]

米軍はカンダハルで実行された爆弾事件の捜査に乗り出した。スピンボルダックを中心に捜索が続いているという。

子供たちが遊んでいた道端に置いてあった、リンゴのカートに仕掛けられた時限爆弾と、隣のヘルマンド州で起きた銃撃戦で、27人が火曜日に死亡した。

政府高官によると、火曜日に2台の車が銃撃され、12人が死亡したという。

スピンボルダックの高官によると、米兵100人が政府関係の建物を封鎖し、建物がくまなく捜索されたが、容疑者はいなかったという。

タリバンスポークスマンMullah Abdul Hakim Latifiによると、米軍が捜索しているのは、地元の軍司令官Amin Sahib Zadaであるが、彼は現場にはいないという。「安全なところにいる」と『AP』に電話で語った。

ヘルマンド州の車を狙った攻撃の目的は明らかになってないが、死亡したのは全員ハザラ族だったという。

garrGIs Hunt for Kandahar Bombing Suspects
By NOOR KHAN


■武装兵士たちが12人のハザラ族を殺害[040107 Reuters]

武装兵士が、アフガニスタン南部で12人のハザラ族を銃殺した。

ハザラ族はヘルマンド州のバグラム地方で、車で移動している最中だった。これらのハザラはウルズガンに住む者たちで、この地域ではハザラとパシュトゥンの対立が、最近顕著になってきていた。

garrGunmen kill 12 minority Hazaras in Afghanistan
KANDAHAR


■タリバン、16人のアフガン人を殺害して「残念」[040107 Reuters]

タリバンは水曜日に、カンダハルで子供を含む16人を殺害した爆破事件について謝罪し、米軍を狙ったものだったと語った。

「我々のムジャヒディンの過ちだった」とタリバン司令官のMullah Sabir Mominが衛星電話で語った。「地方再建チーム(PRT)を狙いたかったが、小さな過ちを起こしてしまい、失敗した」という。

これとは別に、米軍はスピンボルダックで“重要なタリバン司令官”を逮捕するための作戦を展開しているという。ヘリコプターが出動しているが、戦闘の報告はない。

garrTaliban sorry for "mistake" that killed 16 Afghans
KANDAHAR


■ムシャラフのスパイはジハード団ではなく、ジンナーを尊敬[040107 Daily Times]

「1人で来なさい。名前は発表しない。テープレコーダーもなし、携帯電話やカメラも、もちろんなし」。規則を明示してから、パキスタンのISI官僚が、ISIを見分ける方法を説明し始めた。「誰でも知っている。赤い高い塀で囲まれ、決して開くことのない、黒い門がついている」。ISIは、ほとんど明るみに出てこない。イスラマバードのZero Point通りにある、窓のない要塞から、秘密の司令を出してきた。

ISIは、「原理主義的軍隊ではない」と制服を着た高官が語った。タリバンとは政略的に付き合っているだけで、理念的な関わりはないという。ジンナーは「彼は神権政治を信じてなかった」。「彼は進歩的なムスリム国家を作り、民主主義の伝統の採用を望んだ。ジンナーはがっかりするだろう」と高官が『ロイター』に語った。しかし56年間にわたって、将軍がパキスタンを支配してきた。そしてパキスタンで民主主義的に選出された3人の首相は、すべてISIを恐れていた。「欧米には、ISIみたいな組織はない。最も近いもので言えば、KGBだ」と、あるイスラマバードの欧米外交官が述べる。

ムシャラフは、宗教過激派を援助している軍隊といわれるISIの評判を、変えようとしている。ある軍高官は、ISIは「イスラムの見えない軍」だという。現在と過去のスパイマスターは、そのような秘密結社はないと述べ、軍高官はISIに3年間だけ在籍でき、規則は厳格だという。不正行為は、ほとんどないという。

しかし先月ムシャラフに対して2度の暗殺未遂事件があり、「ジハードがイスラムの道」という標語を掲げる軍の忠誠が問われた。ムシャラフはこの疑惑を否定し、2001年にテロとの戦争に参加することを決意した時期より、規律は強力だと主張した。

アフガニスタンに最初の米軍の爆弾が落とされたとき、ムシャラフはISI長官を交代させた。現在の長官Lieutenant-General Ehsan Ul Haqは、ムシャラフと同じ見解を持つ。Ul Haqは約151人のISI高官を更迭した。6ヵ月間Ul Haqのもとには、タリバンと接触させたり、情報を与える人材が1人もいなかった、とISI高官は言う。

ムシャラフは敵を作ってしまった。一部の武装組織たちの目には、タリバンとアルカイダを裏切り、インドとの平和の打診は罪として映る。80年代に軍長官だったGeneral Mirza Aslam Begは、イスラマバードとニューデリーがどのような取り決めを行なったとしても、カシミールでジハードは続くと予言する。エジプトとヨルダンがイスラエルと和平を結んだあとも、パレスチナ人が戦いを続けているのと全く同じことだ。(後略)

garrMusharraf's spies revere Jinnah not jihadis
ISLAMABAD


■アメリカのメディア、核拡散で反パキスタンを続行[040107 The Nation]

核テクノロジーをさまざまな国に移送しているとしてパキスタンを攻撃するキャンペーンが、続いている。アメリカの新聞が火曜日に、リビアの核計画もパキスタンの遠心分離機のテクノロジーから恩恵を受けたと発表した。(後略)

smellAmerican media presses on with anti-Pak N-proliferation drive
From Iftikhar Ali、NEW YORK


■パキスタン、核輸出のレポートを否定[040106 AP]

パキスタンは火曜日に、科学者が遠心分離機のデザインをリビアに与えたという報告を否定した。

リビアへの核テクノロジーの漏洩は、ムシャラフが9.11以後、原子力科学者たちをコントロールし、ならず者国家やテロリストたちの手に核技術が渡らないようにすると約束したあとに起きた、と『New York Times』が火曜日に発表した。

「このレポートはまったく根拠がない」と内務大臣のSheikh Rashid Ahmedが『AP』に述べた。パキスタンのAtomic Energy Commission高官は、政府が関わっていたことを否定したが、核が漏洩したことは否定はしなかった。「パキスタンは個人の間違った行為のために、非難されてはならない」と彼は言う。「誰がイラン、北朝鮮、リビアを援助していたかは、知らない」という。(中略)

ある欧米の外交官は、パキスタンとリビアが協力していたかどうかの言明は避けたが、ヨーロッパからアジアにかけて、ブラック・マーケットが存在すると述べた。

パキスタンの原子力の父と言われるアブドゥル・カディール・カーン博士も取り調べを受けたというが、パキスタン高官は、カーン博士は容疑者ではないという。火曜日にはSouth Asian Association for Regional Cooperationのサミットにも参加していたという。

イランについて詳しいある外交官は最近『AP』に、アメリカの諜報部はパキスタンと北朝鮮との間の核プログラムについて、「かなり明白な」証拠を握っていると述べた。イスラマバードは、北朝鮮との関係を否定している。

smellPakistan Denies Nuclear Transfer Report
By PAUL HAVEN、ISLAMABAD


■リビアとパキスタンの核ノウハウ[040106 Reuters]

リビアは核兵器テクノロジーをパキスタンから得たが、政府が関わっていた証拠はない、とブッシュ政権高官が火曜日に述べた。

ホワイトハウスは、ムシャラフは核兵器に関する「拡散活動」に関わってないと、以前保証していた。しかしホワイトハウスのスポークスマンScott McClellanは、「ならず者」をコントロールするのは難しいと述べた。「我々はムシャラフとパキスタン政府を完全に支持する」とMcClellanは述べた。「個人の私利私欲を追求するならず者の活動をコントロールすることが難しいと、よくわかっている」。

McClellanはパキスタンが過去2年の間、リビアに遠心分離機のテクノロジーを与えていたとする『New York Times』の記事を確認することは避けた。別のアメリカ高官は匿名でこのレポートを確認したが、いつ漏れたか、その時期については確認できないとした。パキスタン政府が関わっていた証拠はない、とも述べた。

アメリカとパキスタン両国にとって、非常にデリケートな時期にこの事実が暴露されたといえる。ワシントンがパキスタン政府は関わってないとの主張は、これまでパキスタンが核拡散をしてない、と主張してきたことに追随した形である。(後略)

smellLibya had Pakistani nuclear know-how -US official
By Randall Mikkelsen、WASHINGTON


■パキスタン、リビアに核デザインを提供と、名指しを受ける[040106 New York Times]

ブッシュ政権高官と別の欧米専門家が月曜日に、パキスタンが過去2年間にわたって、リビアに核兵器を作るための遠心分離機のデザイン・テクノロジーを提供していた、と述べた。

高官は、アメリカの同盟であるムシャラフ政府は、テクノロジーがリビアに渡ったことを知っていたという証拠はない、と強調した。リビアが輸入し、10月にイタリアが拿捕した遠心分離機のパーツのほとんどは、マレーシアで作られていたという。

パキスタンから遠心分離機のデザインが移送された時期により、ブッシュに核を拡散させないと約束したムシャラフの能力が問われることになる。

「パキスタンのシステムである証拠が明白だ」とワシントンのある高官が述べた。「彼らは我々が直面している核拡散問題に対する、最大の供給源だ」と、以前露見した北朝鮮、イランの核計画についても言及した。(中略)

アメリカとイギリスは、誰がリビアに濃縮ウラニウムテクノロジーを輸送しかかについては、公表を避けた。またリビアが仲介者やディーラーたちから入手した、さまざまなパーツの出所についても語らなかった。これらの積み荷は、追跡が難しい。10月ドバイで摘発されたマレーシア制の部品は、合法、非合法のテクノロジー両方を含んでいた。

ある欧米外交官は月曜日に、何人かのパキスタン原子力科学者が、“Nukes ‘R’Us.”のように活動していると述べている。それでもブッシュ政権は、パキスタン政府がこれに関わっているとは言えない、と言っている。「これは知的財産だ」とこの高官は語る。「濃縮ウランのテクノロジーは、ブラック・マーケットに出ている」。ムシャラフ政府が関わっていたと言うとすれば、「国境で逮捕されたアメリカのドラック商人は、アメリカ政府のために働いていた」と言うようなものだ、と付け加えた。(後略)

smellPakistan Called Libyans' Source of Atom Design
By PATRICK E. TYLER and DAVID E. SANGER、TRIPOLI


■NATO、アフガニスタンで任務に就く[040106 AP]

NATOが率いる国際平和支援部隊が火曜日に、アフガニスタン北部で初めての平和構築ミッションに就いた。夏の選挙に先立ち、戦闘が続いている地域に軍を拡大する、初めての試みである。

ドイツ軍が、クンドゥズに基地を持つ米軍を引き継いだ。先発隊として170人が派遣され、後には200人以上になるという。他のNATO加盟国家もゆくゆくは地方再建チームとして米軍の役割を引き継ぎ、米軍はタリバン掃討作戦に従事することになる。すでに6ヵ所で地方再建チームが活動し、これにはイギリスとニュージーランドも参加している。これとは別に米軍は、パキスタンとの国境付近でも5つのチームを派遣しようとしている。

hoonNATO Takes Over Mission in Afghanistan
By AIJAZ RAHI、KUNDUZ


■インドとパキスタン、和平会談を約束[040106 AP]

インドとパキスタンが別々に発表した共同声明で、ムシャラフは自国がテロの温床として使われることを許さないと語り、バジパイはカシミール問題に解決法を見いだすことを約束した。

パキスタンは、インド領カシミールでイスラム過激派を支持してない、というこれまでのような否定文面は含まれてなかった。またインド側は、対話の前に越境行為を止めるべきだ、との主張もしなかった。

和平の約束は火曜日早朝、バジパイがムシャラフかけた電話で印を押された。2人は前日に、イスラマバードの大統領官邸で非公式に会談した。あるインド高官は匿名で、会談では8つほどの問題が話し合われると述べた。カシミール問題、その他2つの領土問題、テロリズム、通商、信頼回復のための方策が話し合われるという。

これまで、和平への話し合いは不可能と見られていた。バジパイはイスラマバード空港を出発するまで、合意についてのコメントは発表しなかった。

ohIndia, Pakistan Set to Hold Peace Talks
By PAUL HAVEN、ISLAMABAD


■インドとの和平で武装組織激怒[040106 Reuters]

カシミールの武装組織とイスラム過激派は火曜日に、カシミールで戦いを続けることを宣言し、パキスタンがインドと問題解決のために動き始めたことに対して、怒りを表明した。

Hizbul Mujahideenの責任者Syed Salahuddinは、「我々は戦いを続ける」と『ロイター』に語った。「インドがカシミールを紛争地帯として認め、住民の意志にしたがって問題を解決することを約束し、囚人を解放し、取り締まりをやめ、軍を撤退させて、初めて戦いをやめる」。

パキスタンとインドは、2月に和平に向けての正式な話し合いを始めるという声明を発表した。カシミール問題についても話し合うという。パキスタンとインドの共同発表によると、ムシャラフはバジパイに、パキスタンの領土がテロを支持するために用いられることを許さない、と述べた。

カシミールの独立を求めているパキスタンの組織、Jammu Kashmir Liberation Frontは、パキスタンの合意を「最大の降伏」と非難した。「パキスタンはカシミールの解放運動を抑圧し、殺そうとしている」と責任者のAmanullah Khanは『ロイター』に語った。「解放闘争にとっては打撃だが、我々は戦い続ける。政府の命令でこの運動は終わったりはしない。以前はインド人と戦えばよかったが、今度はパキスタンも我々の動きを抑圧しようとしている」。(後略)

ohMilitants angered by Pakistan peace bid with India
By Amir Zia、ISLAMABAD


■インドとパキスタン、会談にむけて合意[040106 Reuters]

パキスタンとインドは火曜日に、カシミール問題を解決するための話し合いを行なうことを合意した。話し合いは2月に行なわれる模様である。

ohIndia, Pakistan reach breakthrough deal on talks
By Sanjeev Miglani and Simon Denyer、ISLAMABAD


■アフガン憲法、問題山積み[040106 Reuters]

カルザイと対立したラバニ前大統領は、日曜日に承認された憲章(訳注:憲法の典章の意)の影響力は限られたものにすぎないと述べた。

彼は政府官僚が22日間の論争に介入したことを非難し、憲法は国を代表するものではないと語った。「非常に限られた者の間で論議され、大きな問題を解決してない」とラバニは『ロイター』とのインタビューで語った。「基本的なことや緊急課題について論議しただけで、根本的なことは、何も解決してない」。「このままいけば、アフガニスタンは独裁政権になってしまう」と語った。

論争は少人数の主なメンバーの間で、秘密裏で行なわれたために、代表者たちの多くに不満が残ったようだ。ラバニは、このことがロヤジルガの信憑性を台なしにしているという。(後略)

smellAfghan constitution leaves many issues unresolved
By Sayed Salahuddin、KABUL


■アフガンで爆発、少なくとも13人死亡[040106 AP]

カンダハルで自転車に巻きつけられた爆弾が爆発し、少なくとも13人が死亡した。犠牲者のほとんどが最初の爆発の後に、サッカーを中断して集まってきた子供たちだった。

タリバンによると思われるこの事件は、米軍か、州知事をねらったものと思われる。

カンダハル警察長Salim Khanによると、トラック運転手と男性通行人も2度目の爆破事件で死亡したという。負傷者は23人とも50人以上ともいわれる。事件と関係して2人の男が逮捕され、そのうち1人は現場から逃走しようとしていた。

garrAfghan Bike Bombing Kills at Least 13
By NOOR KHAN、KANDAHAR


■「裏切り」にショックを受ける[040106 Asia Times]

核計画がパキスタン人科学者と仲介者によって流出した問題で、パキスタンは国際的にも国内的にも、今、危機に立つ。イランが暴露した問題がメディアで報道されたのは最近のことで、国の原子力科学者幹部3人が逮捕された。FBIも捜査に加わった。

これらの逮捕の打撃は大きい。裏切りとさえ、言われる。右派はムシャラフを攻撃し、Pakistan People's Party(PPP)は、科学者たちをスケープゴートにしていると非難。彼らがムシャラフの承認を得ずに、イランを援助することなどあり得ない。PPPは、核テクノロジーを拡散させないという規律を犯したこと、イランへテクノロジーを伝えたことは、これまでパキスタンが誇っていた、Command and Control Systemが崩壊したことを意味する、と主張する。MMAのMushahid Hussainも、科学者たちがスケープゴートとして使われていると抗議する。

短絡的に、ムシャラフ政権は守りに入り、当惑している。政府内の親核兵器派にとっての打撃は、これらの科学者たちが私利私欲のために、核の秘密を数年前に売った可能性があると、政府が認めたことだ。

パキスタンの核能力について唯一把握しているCIAは、以前、パキスタンのが持つ核テクノロジーを示すために、数々の記事を書かせていた。約1年前には、タリバン政権時代にアフガニスタンで活動していた容疑で、2人のパキスタン人原子力科学者がFBIの取り調べを受けた。タリバンとアルカイダに、何らかの情報を提供していたといわれる。

今のところブッシュ政権は、ムシャラフを信用していると述べる。ムシャラフの足跡は、さざまな禁止領域で見られる。しかしムシャラフの支持者たちは、パキスタンの戦略的な位置づけからして、アメリカはパキスタンを味方につけておき、できるかぎり協力を引き出すしか道はないと考える。同時にブッシュ政権は、アジア政策を重視すればムシャラフ政権を支持し、パキスタンの核計画を今のところは我慢し、経済を支えてやるしかない。

しかし長い目でみると、アメリカ政府がそのうち距離を置き始めるにちがいない、とパキスタン人たちは見る。ムラーを生み出す数多くのマドラッサ、タリバンやアルカイダを支持する大衆がいる限り、道を分かつしかないと気づいている。

パキスタンでは、1947年の独立以来、約その半分の時代を、軍の独裁者がワンマンショーを演じてきた。そして残りの半分のほとんどは、軍の長官たちが有名無実の民主主義を行なってきた。それでいて、アメリカ政府は独裁者を支持し、守ろうとしている。人々が、アメリカが主張する自由と民主主義の修辞学を本気にしないのは、正にこのためだ。

しかしイランの調印やリビアの核査察受け入れなど、新たな期待が生まれている。そして、疑問が生じる。アメリカ政府は今、核の非拡散や民主主義に、正面切って取り組むろうか? もうひとつの疑問。次は誰だ? 理論的に行ってイスラエル、パキスタン、インド、そして中国、フランス、イギリス、ロシア、そしてアメリカ自身だ。理論的にはそうだが、地政学的に、アメリカはイスラエルとインドには圧力はかけないだろう。ということは、アメリカ政府はパキスタンに圧力をかけるだろうか? インドには圧力をかけないで、パキスタンに圧力をかけるということはないだろう。いずれにしても、国際的な圧力に堪えられなくなってきたら、いずれパキスタンの番がくる。

パキスタン人の多くは、同盟国に反対することを嫌って、アメリカ政府はパキスタンの非核化に対して圧力をかけない、と見る。インドについても同様だ。ということは、中国、ロシアなどの国々に非武装化を強いる、道徳的権利がなくなる。これはパキスタンの核兵器には、まだ命があるということを意味する。

アメリカから優しい態度を期待することは、公平ではない。アメリカは現状を維持する義務があり、それが戦略地政学的目的となり、自由と民主主義の感情と観念を排除することになるのだ。アフガニスタンのカルザイのような、選挙で選ばれていない独裁者を支持せざるを得ないのも、このためだ。明日になれば、イラクで同じような「民主主義的」リーダーが、選挙されずに出現するだろう。アメリカに従順な独裁者がいて、すでにアメリカのいいなりのパキスタンに、波風を立てる必要は全くないではないか?

hoonShock over 'betrayal'
By M B Naqvi、KARACHI(Inter Press Service)


■ムシャラフ暗殺未遂で、さらに5人逮捕 [040106 Daily Times]

日曜日、ムシャラフ暗殺未遂事件と関連して、当局はさらに5人を逮捕した。

garr5 more arrested for attempt on Musharraf's life
By Shahzad Malik


■アフガニスタンの国連事務所を銃撃[040105AP]

月曜日、武装団がカンダハルの国連難民事務所を攻撃し、手榴弾を投げつけて銃撃したが、怪我人はない様子。同じ日、米軍はドラッグ工場を爆撃した。

武装団は車でやってきて、応戦されると逃げ去ったという。

それに先立ち月曜日、ザーブル州警察によると、タリバン容疑者が、アフガン人援助活動家を誘拐したという。この際、止めようとしたアフガン人2人が銃弾を受け、負傷した。タリバンのスポークスマン、Mullah Abdul Hakim Latifiが『AP』に電話をかけてきて、「彼を拘束している。無事だ」と語った。

いっぽうウルズガン州では、米軍とアフガン軍がある敷地を攻撃して銃撃戦となり、容疑者1人が負傷した。ウルズガン州知事Jan Mohammed Khanによると、敷地にはタリバンと関係がある部族長、Haji Ghulam Nabiの家があるという。彼の親戚3人が拘束されたが、Nabiは逃走したらしい。

クンドゥズの付近では、1.5トンのアヘンと半トンの化学物質や生成装置が貯蔵されたドラッグ工場を、A-10機が爆撃した。州知事Mohammed Aman Henneiniによると11人が拘束され、1人が銃弾を浴びて負傷したという。

garrGunmen Attack U.N. Office in Afghanistan
By NOOR KHAN、KANDAHAR


■世界におけるパキスタンの核の役割[040105 Daily Times]

どうもパキスタンに、無責任な核保有国家というレッテル貼ろうとする、組織立ったキャンペーンが展開しているようだ。核の秘密を守ることができず、核専門家がカネのために、または理念や政治的な動機をもって、情報を漏らしている、というレッテルだ。

ここ最近、同一の話題が続いている。これらの情報――推測に基づいた中途半端な情報は、どう考えても諜報組織が入手した情報であり、彼らがこれをメディアにリークしている。自分たちの政府や政府内の重要人物の政策に都合良くしようというのだ。パキスタンの核計画、その安全性や関係者の誠実さに対する攻撃は、すべてこのようなキャンペーンの一部だ。新聞はこのような情報を夢見たりはしない。つまり、関係者、この場合アメリカの諜報部と、あるいは政府内の個人、そしてワシントンのシンクタンクが、情報を漏らしている。

日曜日の『New York Times』は、「From rogue nuclear programmes, web of trails leads to Pakistan」という記事を載せた。(参照「 無法核計画、パキスタンに行き着く/New York Times 040104」)(中略)

smellPakistan's nuclear role in world
By Khalid Hasan、WASHINGTON


■パキスタンから核を買ったとカダフィの息子[040105 Daily Times]

カダフィ将軍の息子が『Sunday Times』に、リビアはパキスタンの科学者から「何百万ポンド」で核兵器計画を買ったと述べた。

Saif al-Islam Gadaffiは遠心分離機を含む核成分を、パキスタンの科学者を含む闇市の仲介者を通して購入し、400万ドル使ったという。マレーシアなど、さまざまなアジアの国、南アフリカの闇市で手に入れたものもあるという。(後略)

garrWe bought nuke plan from Pakistan: Gaddafi's son


■米偵察機、墜落[040105 The Nation]

アメリカの無人偵察機が土曜日夜、ChaghiのDalbundeenに墜落したとある情報源が述べた。Killi Haji Abdul Karim付近で、無人偵察機RPVが土曜日の深夜に墜落したという。

hoonUS spy plane crashes
Quetta


Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003, 2004.