【2004年1月12日〜1月18日】


■アルカイダ、オンライン・テロリスト・マニュアル発行[040118 Observer]

アルカイダは治安組織に追跡されていない新人に、武装化するよう呼びかけた。インターネットで発信されたテロリスト・マニュアルで、ビンラディンは「イラクとアフガニスタンのあとは、サウジに十字軍がくる。世界中の戦士は、準備を整えよ」と語った。

このマニュアルは、組織の3番手で、ザワヒリのパートナーであるSaif al-Adelが発行している。このマニュアルはアルカイダ内部のものであり、治安関係者にとっては非常に興味深いものである。エジプト人al-Adelが危険を犯してでもこれを発行したことは、その重要性を示すといえる。

あるイギリス警察の高官は、「これまでさまざまな訓練所を取り締まり、アルカイダが活動しにくくしてきたにもかかわらず、まだ新人がたくさんいるということは、非常に心配だ」と述べた。

マニュアルの中でビンラディンは新人に対して、監視が厳しいために、注意深く行動するよう呼びかける。異教徒が占領している土地に住むムスリムは、このマニュアルを研究し、行動する準備をしなければならない、と語る。

このマニュアルは、月刊で発行され、アルカイダの宣伝媒体でもある。「殉教」した自爆テロ者の遺書や、精神的な訓練に対する技術的なアドバイス、テロ組織の警備や、軽武器の使用法なども説明される。前書きには、「信心深い若いムスリムが、戦士の技術を体得するための方法」と書かれている。

Al-Adelは、メディアを信じないようにと忠告する。「他の組織を摘発したような、虚偽のレポートを発行し、モラルを低下させようとする」という。またAbdul Aziz al-MukranまたはAbu Hajjerは、「神経の戦争」と題する記事で、生物兵器から核武器にいたる大量破壊兵器の使用法を述べ、「最近の戦争」に重要な戦術とする。

garrAl-Qaeda launches online terrorist manual
Jason Burke


■7人のアルカイダ容疑者、逮捕[040118 AP]

パキスタン当局が、カラチで7人のアルカイダ戦士を逮捕し、武器を押収した。

警察は手榴弾4発、ハンドガン4丁、弾薬とパキスタンとアフガニスタンの地図を発見したという。逮捕された者には、エジプト人2人とアフガン人3人、アラブ人女性2人がいた。

情報相Sheikh Rashid Ahmedは、「彼らはアルカイダだ。1人は名の通った者だ」という。約50人から60人の武装した警官が、Gulistan-e-Jauharにあるアパート を取り巻いたという。容疑者たちはここに2ヵ月住んでいたようだ。

garr7 al-Qaida Suspects Held in Pakistan Raid
By SHEIKH SABIR、KARACHI


■いかにしてパキスタンが核兵器競争を刺激するか[040118 Guardian]

オーストリアのSeibersdorfは、ほとんど知られてない。しかしここには巨大な研究所があり、研究所の科学者たちは戦争を始めるか、平和を維持するかを決定する大きな権力を持つ。彼らは世界の核の探偵であり、国連の査察団が収集した小さな断片を分析する。そこから核開発計画の証拠を、見いだすことができるのだ。

去年の夏、イランの研究所から採集した埃から、濃縮ウランが検出された。(中略)イランとリビアから出てきた証拠により、北朝鮮、マレーシア、中国から、ロシア、ドイツ、ドバイへと高度なネットワークが広がることがわかった。そしてその中心にパキスタンがある。不正放射能商売のネットワークは、すべてパキスタンにつながる。正確にいうと、カーン原子力研究所だ。

(中略)70年の中庸、パキスタンの科学者アブドゥル・カディール・カーンは、オランダのUrencoと呼ばれるイギリス・オランダ・ドイツの合弁核開発研究所で働いていた。そこで彼は、2種類のウランの遠心分離機の設計図に注目した。ひとつはアルミ製、もうひとつが高度な鉄合金である。カーンは、これを盗み出した。そしてカーン原子力研究所をパキスタン政府の力で設立し、中国の援助を受けて、核兵器を作り出した。(中略)

最近『Observer』紙は、リビアを訪れた国連の捜査員が、カーンが盗み出したUrencoの設計図を元にしたとみられる、アルミ製の遠心分離機の部品を発見したことを知った。パキスタンは、合金の遠心分離機を使う前、このアルミ製を使っていた。

リビアの査察に詳しいウィーンの外交官は、「びっくりしたのは、発見した部品は、トルコで簡単に手に入る装置だったことだ。まるでイケア(訳注:世界展開している会社。日用雑貨品や家具を扱う)で買い物をして、組み合わせただけでできるようなものだった」。これは、イランの秘密の核兵器研究とは異なる。科学者がチームで研究に関わり、技術的も問題を解決する、という性格のものではない。「リビアのような小さな国がこれらの装置を扱うことができるなら、大きな国は簡単に核兵器開発を行なえる」。

リビアは、介在した仲介者の取り調べに関して協力している。10月にスエズ運河でリビアに向かっていたドイツ国籍の船から、何千といアルミ遠心分離機の部品が発見された。この部品はマレーシア製だが、パキスタンのデザインをもとにしたものであった。

国連は、リビアとイランの核開発に、同じ仲介者が介在している証拠を掴んだ。11月にイランは、ついに核開発計画を認めた。カネに目が眩んだパキスタンの科学者が、ドバイを根拠地とする、ドイツとスリランカのビジネスマンに援助されたと思われている。この仲介者は、ヨーロッパ、アジア、北アメリカの会社から、部品を調達したと確信される。

これまでパキスタン政府は、核開発が輸出されたことを否定してきた。しかし今、「ある個人が、個人の欲のために、パキスタンの法を侵害した恐れがある」と認める。先月からパキスタンは科学者を取り調べ始めたが、欧米高官は、捜査からは何も出てこないだろうと心配する。国家的英雄であるカーン博士を逮捕したら、大変なことになる。「悪い科学者」の理論はイランやリビアに関しては都合がいいが、北朝鮮となると、問題はもっと複雑だ。

アメリカの諜報では、パキスタン政府はカーン研究所を通じ、北朝鮮と取り引きをして、パキスタン製の遠心分離機の技術と北朝鮮の長距離ミサイルを交換したという。韓国が2002年にこの取り引きに気づき、その夏、アメリカのスパイ衛星が、パキスタンの輸送機が北朝鮮でミサイル部品を積み荷している写真をとらえた。

パキスタンは、この取り引きを否定している。またパキスタンの核科学者が、ビルマを訪問していることもわかった。核兵器テクノロジーのブラックマーケットの存在は、今その発端が明らかになったにすぎない。

smellRevealed: how Pakistan fuels nuclear arms race
Antony Barnett(The Observer)


■パキスタン、核開発計画に関係した8人を尋問[040118 New York Times]

パキスタン政府は、核兵器開発に関わった8人の高官の取り調べを行なった。アブドゥル・カディール・カーン博士の個人的なアシスタントと、2人の退役した准将が含まれているという。

情報相Sheik Rashid Ahmedは、取り調べの詳細や、取り調べが始まった時期については言及しなかったが、ムシャラフが、パキスタンは核の拡散国ではないということを世界に確信させなければならない、と発表した後に明らかになった。

Ahmedは、取り調べを受けている者の中には、カーン博士の個人的なアシスタントが含まれると述べた。またカーン原子力研究所の警備を担当している、退役准将2人も質問されているという。

今週のインタビューで、1ヵ月以上拘束されている科学者Farooq Muhammadの親戚は、下級科学者たちが、アメリカに対するスケープゴートとして使われていると非難し、Muhammadがアメリカの監視下にいるのではないかと心配する。「権力は正しい」と科学者の甥が述べる。「無実な者を捕まえ、アメリカを賞賛し喜ばすためのものだ」。イスラマバードのアメリカ大使館高官は、コメントを避けた。パキスタン高官は、Farooq博士はパキスタンにいると述べた。

パキスタン政府高官は、今のところ、不正行為は何も見つかってないと強調。先週イランとリビア高官は、パキスタンから核援助を受けてないと発表した。

パキスタン軍のスポークスマンMaj. Gen. Shaukat Sultanは日曜日に、捜査は続いており、「法を破った者は逮捕される」と述べた。12月の末、政府高官が、カーン博士自身が取り調べを受けているが、拘束されてないと述べた。今のところ取り調べを受けた者すべてが、彼の側近である。

欧米外交官が述べるには、カーン博士自身が取り調べの中心になるべきだという。「カーン博士が知らないところで、核の拡散が行なわれたはずがない」と匿名を希望する外交官が言う。「それだけは、明らかだ」。

野党はアメリカの攻撃をでっちあげだとし、唯一の核を持つムスリム国家を非武装化しようとしている、と非難した。MMAのスポークスマンS. A. Shamsiは、「我々の政府は、他人が要求することをしている」と日曜日に述べた。

1月2日に、コロラド州警察は、南アフリカに住むイスラエルのビジネスマンAsher Karniが、核兵器を作るために用いられるトリガー装置を、パキスタンに密輸しようとしたとして、逮捕した。アメリカ高官は、パキスタン政府がこの事件に関連している可能性があると述べた。

smellPakistan Questions 8 Connected to Its Nuclear Program
By DAVID ROHDE


■パキスタン、核捜査を拡大[040118 AP]

パキスタンは、核研究所に関する捜査を拡大し、7人の科学者を逮捕した。パキスタン政府は核の拡散を強く否定し、科学者が個人的に情報を漏らした可能性があると主張している。

情報相Sheikh Rashid Ahmedは、ここ数日間、5人から7人のカーン研究所の科学者が取り調べを受けていると述べた。しかし拘束された者は、「何かに関わったり、容疑がかかっているわけではない」と強調した。拘束された者の中には、研究所所長Islam-ul Haqも含まれている。彼は、パキスタンの原爆の父、アブドゥル・カディール・カーン博士の家で夕食を取っている最中に拘束された。

ハクの妻Nilofar Islamは、カーン博士が彼女の夫が拘束され「彼と接触できない。彼がどこにいて、何を質問されているのかわからない」と述べたという。(後略)

smellPakistan Expands Nuclear Investigation
By MATTHEW PENNINGTON


■内なる怪物[040124 Time]

Mohammed Jamilが命を終える30分間、彼は忙しかった。C4プラスチック爆弾を積んだピックアップの中に座り、109回もの電話をかけたり、受けたりした。彼の電話から、何十というムシャラフ暗殺計画の容疑者の足がついた。多くの者がJaish-e-Muhammadのメンバーと関係があった。中でも、Jamilとムシャラフの警備担当の警察官の電話が気になる。この警官がJamilに、ムシャラフがどの車に乗るかを教えたという。

Jaish-e-Muhammadが、内部から情報を受ける能力があったことは、ムシャラフ自身に責任がある。政府は長い間イスラム過激派を援助してきた。中でもムャラフは、Jaish-e-MuhammadのリーダーMaulana Masood Azharを擁護してきた。Azharは2000年に起きたインド航空ハイジャク事件で、人質との交換で、インドの刑務所から釈放された。ムシャラフはカシミールのジハード団たちに、Azharのもとで統合するように呼びかけたが、これは失敗した。

9.11以後、ムシャラフと過激派の関係は試練を迎える。ムシャラフは最初は、地元の過激派には寛容だった。しかしワシントンからの圧力で、かれらの活動を禁止せざるをえなくなった。それでもリーダーたちには手をつけず、改称して活動することを黙認していた。特にJaish-e-Muhammadに対しては、パキスタン国内でテロ活動をしはじめた後も、見て見ぬふりをした。欧米外交官たちは、ムシャラフがイスラム過激派に対して厳しい措置をとらないのは、自分の政権を支えるために、彼らの力がいるからだと考える。

しかし2度の暗殺未遂事件のあと、ムシャラフも態度を変えた。Jamilの電話から、先週パンシャブで35人の容疑者が逮捕された。ほとんどがJaish-e-Muhammadと関係があった。多くが釈放されたが、やっとムシャラフはJaish-e-Muhammadの取り締まりを開始したと、アメリカ高官は見る。

先週の逮捕者の中には、ダニエル・パール記者殺人事件と関係がある者がいた。パキスタン政府はすでにJaish-e-Muhammadと近いAhmad Omar Saeed Sheikhを、首謀者として逮捕している。しかし目撃者によると、アルカイダの司令官Khalid Shaikh Mohammadが、実際にパール記者を殺害したという。Khalid Shaikh Mohammadは2003年3月に逮捕され、あるパキスタン人高官によると、Diego Garciaで、アメリカの監視下にいるという。内務大臣のFaisal Saleh Hayatは、12月25日の事件にも、アルカイダが関わっていた可能性が強いと述べた。

この2つの組織は、深い関係がある。90年代にJaish-e-Muhammadの戦士たちはアフガニスタンで、アルカイダのキャンプに参加した。パキスタンの諜報部は、今度は逆を見る。パキスタンの高官によると、最近Jaish-e-Muhammadはアルカイダ戦士を匿い、アルカイダは資金や指針をJaish-e-Muhammadに与えているという。退役軍人General Talat Masoodは、「軍はこれらのジハード団と組んでいたが、今や、コントロールできなくなった」と述べた。

自爆テロ犯Jamilについて、パキスタンの諜報部はすでに知っていた。(中略)しかしJamilは25日の暗殺計画の首謀者だっただろうか? もちろん違う。「首謀者は、自爆しない。それをするのは、下部要員だ」と内務大臣のHayatは言う。

木曜日に、カラチのテロリストがキリスト教徒の建物を爆破した。14人が負傷した。「かれらの活動は広がった」とHayat。彼らは追い詰められ、さらに危険になった。ラホールの過激派組織の前司令官がいう。「彼らは誰の命令にも耳を傾けない。彼らはやけくそになっている。ジハードの日々が終わったことを、受け入れない」。

(発行は17日)

garrThe Monster Within
By TIM MCGIRK、ISLAMABAD


■パキスタンのリーダーへ、やじが飛ぶ[040117 AP]

ムシャラフ大統領の初めての国会での演説で、野党は「軍の独裁者」との野次を飛ばし、辞任を要求した。

野党は「ムシャラフ引っ込め」「独裁者と裏切り者の友人」という野次を40分間のスピーチの間中、飛ばした。ムシャラフ支持者はテーブルを叩いて対抗し、演説が聞き取れなくなることもあった。

いっぽう、国内線2機が行く先を変更し、少なくとも3人の野党議員がスピーチに参加できなかった。関係者は、行く先変更の理由について、相反する説を発表した。

スピーチの中でムシャラフはテロを一掃し、パキスタンの核武器の安全を確保し、原子力武器の拡散を防ぐ必要性を強調した。またインドと、カシミール問題の解決の重要性を呼びかけた。

ムシャラフは軍服を脱ぎ、伝統的な白いジャケットに着替え、最後は拳を振り上げてスピーチを終えた。

野党議員のSen. Farhatulalh Babarは、イスラマバードに向かった2機の飛行機が行く先を変更したことについて、「政権によるハイジャック」と非難した。飛行機のうち1機は、ラホールを出発し、少なくとも2人の野党議員を乗せていた。飛行機はイスラマバード空港の滑走路に50分間止まったあと、乗客を降ろさずにペシャワルに向かった。これとは別にカラチを出発した飛行機は、イスラマバードに着陸せずに、再びカラチに戻った。この飛行機に野党議員が乗っていたかどうかは不明。

飛行機会社高官Imran Gardeziは、空港に爆弾が仕掛けられた可能性があったと述べたが、情報相Sheikh Rashid Ahmedは「技術的な問題」と声明を発表した。また別の飛行場の高官は、天候のためと、語った。

hoonPakistan's Leader Heckled During Speech
By PATRICK McDOWELL


■アフガニスタンで5人死亡、13人負傷[040117 Reuters]

土曜日にカンダハルで、タリバン戦士たちがアフガン政府の車輌を攻撃し、5人が死亡、13人が負傷した。

「タリバン3人が死亡し、4人が負傷した」と州政府のスポークスマンKhali Pashtunaが発表した。「政府側も2人が死亡、9人が負傷した」という。同じタリバン戦士40人がKhakraizでも、13人の兵士を運んでいる車輌を攻撃した。

この地域では過去2週間で、70人もの人々が死亡している。

hoonFive killed, 13 wounded in Afghan clash
KANDAHAR


■パキスタンで手荒な裁判[040117 Asia Times]

Khawar Mehdi Rizviはパキスタン人ジャーナリストだ。1ヵ月近く、パキスタン当局の管理下に置かれている。どこにいるのかわからない。『Asia Times』の情報源によると、ISIに監視されているらしい。

Khawar Mehdiは、2人のフランス人ジャーナリストとともに逮捕された。ビザを侵害し、クエッタに入り、さらに国境を越えたという。2003年以来、パキスタンが発行するプレス・ビザは「カラチ、イスラマバード、ラホールにのみ有功」と手書きで書かれるようになった。

12月16日、警察はフランス人ジャーナリスト2人を逮捕した。そしてそれ以来、Khawar Mehdiを見た者はいない。フランス人は今週、やっとフランスに戻った(中略)。

いっぽうKhawar Mehdiは本人不在のまま、PTV(Pakistani Television)によって攻撃を受けている。12月24日のテレビレポートによると、フランス人2人は、Khawar Mehdiの力を借りてタリバン訓練所の「やらせ」ビデオを撮ったという。『ロイター』のこのテレビ番組に関する記事によると、「パキスタン人の力を借りてフランス人が撮ったビデオで、パキスタンの部族民Abdullah Shakirがタリバン司令官になりすました」という。このレポートのなかでShakirは、「Khawar Mehdiが『アフガニスタンに一緒に行こう。毎日50ドルだ。フランス人2人が一緒にくる。そこで映画を撮る』と語った」という。

フランス人の1人Epsteinは、約7時間Shakirにインタビューし、本物のタリバン司令官だと確信したという。Shakirはいくつものタリバンの作戦について、詳しく語った。ラワルピンディに住み、部族地帯で活動しているのだという。

12月9日にShakirは、イスラマバードからクエッタにフランス人1行とともに飛行機で飛び、次の日に国境に行ったという。EpsteinはGPSをもっていたが(ラップトップコンピュータ、衛星電話、ノート、Guilloteauの写真機材を持ってていた)、国境のどちら側にいるのか、確認しなかったという。いずれにしろ、国境だ。

PTVによると、すべてが「やらせ」の映画だったという。「Shakirはタリバン司令官として出演し、パキスタンでタリバンに軍事訓練を与えていると語った。また、アフガニスタンでの彼の活動について話した。しかしこの映像が、パキスタン国内で撮影されているということには、気づいてなかったと告白した」と報告している。カメラ2台あり、ひとつははKhawar Mehdiが、もうひとつはEpsteinが持っていたが、ドキュメンタリー性のある映像は何もなかったと、PTVは語る。

Epsteinは、Khawar Mehdiは「カメラを持たなかった。彼は何も撮らなかった。これまで活字レポーターだった私が生涯で初めて、いくつかのシーンを撮った。もしよければ、後で使おうと思ったのだ。さらに『パキスタン』という言葉は、これらの場面の中では、一度も使われない。私のノートにも、どこにも書かれてない」と主張する。

彼らが逮捕されたとき、フランス人たちはビザの侵害で告訴された。しかしEpsteinは、「パキスタンのイメージを害する映像をでっち上げようとしたことでも、告訴された。しかし実際には起訴されなかった」という。しかしこの「やらせ」ビデオは、Epsteinの映像を使ってパキスタンのテレビがでっちあげたものだ。Khawarのテープは、彼が何も撮らなかったために、空だった。Shakirは嘘を言って免れ、Khawar Mehdiが逮捕された。

パキスタンについて詳しいジャーナリストは、今回のKhawar Mehdiの件は、赤裸々なメッセージだという。ムシャラフ政権とISIは、外国人ジャーナリストと外国人のために働くパキスタン人ジャーナリストに、「もし部族地帯内外、国境付近のタリバンとISIのつながりを捜査するのなら、歓迎しない」と警告している。

Khawar Mehdiは消えた。ムシャラフも非協力的だ。Khawar Mehdiはこれまで『Chicago Tribune』、『the New York Times』、『Le Monde, Liberation』、『French Television』そしてこの『Asia Times Online』のために協力してきた。彼はいい仕事をしてきた。彼を援助する団体が、フランスに立ち上がった。国境なき記者団も活動し始めた。

来週、彼の兄弟によって起こされた裁判が、シンド最高裁判所で始まる。フランスからの圧力で、フランス人ジャーナリストは釈放された。しかしKhawar Mehdiは、自分の国の政府が公正な裁判を行なってくれることを期待できない。

smellRough justice in Pakistan
By Pepe Escobar、PARIS


■南ワジリスタンの影を追って[040117 Asia Times]

アメリカ主導によるパキスタン軍の南ワジリスタンの作戦は、結局大きな逮捕もなく、部族民たちがお尋ね者を捜索するという結果に終わった。

同時に南ワジリスタンからパキスタン、アフガニスタンにつながる全ての道が封鎖され、アルカイダ容疑者をアフガニスタンのShakinとパキスタンのAngoradaの間で孤立化しようとするさなか、米軍はコシュトでこれまでで最大の攻撃を受けた。

南ワジリスタンにおける最近の作戦は、ザワヒリがShakinとAngoradaの山中に隠れているという米軍の諜報で開始された。過去6ヵ月間、この地域はアメリカにとってはトゲであり、抵抗分子は絶えずShakinとガズニの米軍基地を襲っては、パキスタン側に逃げていた。しかしこの作戦が開始されると、アメリカの技術的な援助にもかかわらず、外国人戦士たちは部族民たちに援助され、逃走したという噂された。パキスタン軍も負傷した。

その後作戦は、テロリストを匿い、パキスタン軍を襲った部族民の捜索に変わった。行政側はAhmadzai Wazir族に、容疑者を引き渡すか、罰されるかという選択肢を迫り、その結果5日間で、15人の部族民が行政側に引き渡された。

アメリカはなんとかして容疑者を逮捕するために、この地域にネットワークを張り巡らしてきた。しかしパキスタン軍に攻撃を依頼すると、いつも同じ結果になる。逮捕者はなく、逆にパキスタン軍が攻撃されるのだ。そして作戦は放棄されるか、地元の犯罪者の捜索に変わってしまう。

今回の作戦の失敗は、アメリカにとっては大きい。冬のうちに抵抗運動を封鎖しなければ、春と夏には、痛手をくらう。これから抵抗分子たちは再結成し、アフガニスタンの主要都市で攻撃を開始するだろう。

garrChasing shadows in South Waziristan
By Syed Saleem Shahzad KARACHI


■部族民、テロリストを匿った者の家を取り壊しにかかる[040117 Daily Times]

部族民の軍隊lashkarは、降伏しなければ家を取り壊すと容疑者たちに警告するとともに、さらに5人の容疑者を行政側に引き渡した。

「部族民たちが政府に協力しはじめた。もう少し時間をもらえれば、結果は自ずとわかるだろう」と、南ワジリスタンの行政官Rehmatullah Wazirが『Daily Times』に電話で語った。

いっぽう金曜日に、新たな準軍隊がワナに到着した。「キャンプに国境警察のトラックの車列が入って行った」という。行政側によるとは、地域の秩序を保つために派遣されたと説明した。

hoonTribals to demolish houses of those sheltering wanted men
By Iqbal Khattak、PESHAWAR


■米軍中央指令長官、パキスタンとテロを話し合う[040116 AP]

アメリカの中央司令長官Gen. John Abizaidが金曜日にムシャラフと会い、テロとの戦い方や、アフガニスタンとの国境を封鎖する方法を話し合った。

長官の訪問は、1月9日のパキスタン軍による南ワジリスタンでの作戦直後に実現した。アメリカとパキスタン当局は、この作戦に米軍が参加することはなかったが、兵站上や技術的な援助をしたことを認めた。

パキスタン当局は、18人の外国人テロリストを逮捕したというが、重要人物はいないようだ。またテロリストを匿った部族民、23人も逮捕された。

「Abizaid長官は、国境の問題とタリバン、アルカイダについて話し合うために来た」とある高官が述べた。パキスタン軍スポークスマンMaj. Gen. Shaukat Sultanは、「相互の専門的な問題」を話し合っているという。

hoonU.S. General, Pakistan Discuss Terror
By PAUL HAVEN、ISLAMABAD


■部族民48人、アフガニスタンに逃げる[040116 Paktribune]

アルカイダと関係があると見られる48人の部族民が、金曜日にアフガニスタンのパクティアとコシュト州に逃げ込んだ。

VOAによると、「これらの部族民は、ワナ、ルスタム、Azam Warsak、Angoor Adaで手配になっている54人の容疑者の一部」だという。Ahmedzai族のジルガは、地元行政によって結成された議会に、48人がアフガニスタンに逃亡したことを報告した。

hoon48- suspected tribesmen escape to Afghanistan
WANA


■タリバン、アフガニスタンの米軍基地にロケット弾12砲を撃ち込む[040116 Daily Times]

アフガニスタンの米軍基地にロケット弾12砲が撃ち込まれたが、負傷者はいないと、米軍スポークスマンが木曜日に語った。

ロケット弾は水曜日の夜、パキスタンとの国境付近にあるコシュトの米軍基地に打ち込まれた。米軍は敵と交戦したという。「パトロールを出動させたが、敵に負傷者がいたかどうかはわからない」という。

タリバンのスポークスマンAbdul Samadが『AFP』に電話連絡し、約35砲のロケット弾と追撃砲を基地に撃ち込んだと語った。

ohTaliban fire 12 rockets at US base in Afghanistan
KABUL


■パキスタン、アフガンタリパン30人を逮捕[040116 Reuters]

パキスタンの警察は金曜日に、宗教学校の学生を含む30人以上のアフガン人を、タリバンと関係があるとして逮捕した。

警察官Mumtaz Khanが『ロイター』に、28人のアフガン人学生が、バローチスタン州のKuchlakにある3つのマドラッサで逮捕されたと語った。学生たちは「不法入国者」であるといい、同地域からさらに3人が逮捕されたらしい。タリバンと関係があるかどうか、取り調べの最中である。

hoonPakistan detains 30 Afghan Taliban suspects
QUETTA


■部族民、さらに10人の容疑者を引き渡す[040116 The News]

南ワジリスタンで、さらに10人の容疑者が行政側に引き渡された。

ワナの行政側は、ウレマが、部族民の反国家的な要員に対して起こした行動を支持していることを、指摘した。宗教学者たちが初めて、この地域にいる非パキスタン人は出て行くか、政府に降伏するべきだと述べた。

hoonTribes hand over 10 more wanted men
PESHAWAR


■逮捕で、パキスタンと核闇市の関係浮上[040115 AP]

今月パキスタンに核爆弾のトリガーを密輸しようとしたビジネスマンの逮捕は、パキスタンが核のブラック・マーケットで、いまだに暗躍していることを示す証拠となる。

Asher Karniは、パキスタンの会社のために核兵器の爆発を誘因する、何十もの電子部品を購入するための仲介者とされる。Karniは1月にデンバー空港で逮捕された。

もし部品がパキスタン宛のものであれば、パキスタンはさらに原子爆弾を作る予定であったことを意味する。アメリカは核やミサイル部品をパキスタンに販売することを禁止している。

パキスタンの高官は、政府は核のブラック・マーケットには関わっていないという。「我々は捜査したが、証拠は何もない」と、ワシントンのパキスタン大使Ashraf Qaziが述べた。

Karniは、南アフリカのケープタウンの軍需品の取り引きをするTop-Cape Technologyを運営する。アメリカの輸出規制をうまく回避して、パキスタンに禁制品を輸出しようとしていたという。南アフリカのある情報源がアメリカにKarniに関する情報を流し、逮捕につながった。パキスタンにいるKarniの相手は100から400のスパーク・ギャップを購入するよう、指示していた。KarniはこれをアメリカのマサチューセッツのPerkinElmer Optoelectronics of Salemから購入。(後略)

hoonArrest Ties Pakistan to Nuke Black Market
By MATT KELLEY、WASHINGTON


■マドラッサの学生、アメリカとパキスタン人ジャーナリストを拘束[040115 Daily Times]

水曜日にイスラマバードのGolra Morマドラッサの学生が、アメリカ人ジャーナリストPaul WatsonとパキスタンジャーナリストMubashar Zaidiを、学校の写真を不当に撮ったとして拘束した。

情報相Sheikh Rasheed Ahmadの介入により、マドラッサの関係者は後に2人のジャーナリストを解放した。情報相は、欧米のメディアはパキスタンの宗教学校を、テロリスト養成所として描こうとしていると語った。「このような出来事を防ぐために、外国人ジャーナリストに対して適切な法も設け、その行動を制限する必要がある」と述べた。

hoonMadrassa students detain US, Pakistani journalists
LAHORE


■部族民、さらに2人の容疑者を引き渡す[040115 Daily Times]

南ワジリスタンに、新たな軍の補強部隊が到着した。また部族長たちは、さらに2人の容疑者を行政側に引き渡した。

Tojikhel枝族のMaulvi Amir AjamとAbdul Razzakが降伏したと、部族の長老が『Daily Times』に語った。これまでの捜索活動に効果が認められるために、木曜日に設定されていた引き渡しの期限は、延期されるべきだとも語った。南ワジリスタンの副行政官Rehmatullah Wazirは、ワジール族との取り引きはうまくいっていると述べた。「満足している」という。

ワナにいる行政側の情報源によると、軍の補強部隊が、この2日間でワナに集結した。部族民が協力しなければ、政府の作戦を展開するという。「期限が切れ、長老たちに満足できなければ、いつでも作戦を開始する」とある行政官が『Daily Times』に匿名で語った。

hoonTribals hand over two more wanted men
By Iqbal Khattak、PESHAWAR


■イラン、核開発計画にパキスタンの科学者は援助してない[040115 The Nation]

イランは水曜日に、イランの核開発計画にパキスタンの科学者の手を借りたことはなく、仲介人を通して、国際的な一般市場から装置を買ったと述べた。

「イランの核開発計画は自国のもので、自国の科学者の貢献による。第三国の科学者が、我々を援助したことはない」と、パキスタンを訪れているイランの副外務大臣Mohsin Aminzadehが述べた。「我々は国際原子力協会(IAEA) に5人の名前を挙げた。そのうち3人はヨーロッパ人で、残りの2人はアジア出身だ。二重国籍を持つ者がいる可能性もある」という。

また、イランは核の拡散に違反するようなことはしてないと述べ、テヘランに力を貸してくれた者はブローカーで、科学者でないことは確かだと述べた。「これらの者はブローカーで、仲介者としてわが国を援助してくれたビジネスマンだ」という。さらに「彼らについて、詳しい情報はない」とつけ加えた。(後略)

hoonIran says no Pak scientist helped N-plan
ISLAMABAD


■ムシャラフ大統領暗殺の捜査、パキスタンの組織の犯行か[040114 Washington Post]

携帯電話の記録から、ムシャラフ暗殺の一部は、一時、アルカイダとの関係でISIの仲間であった、イスラム過激派Jaish-i-Mohammedの犯行である可能性が高くなってきた。

犯人の所持品に残されたメモリー・チップの記憶から、Jaish-i-MohammedとLashkar-i-Jhangviのメンバーを含む40人が逮捕された。先週、逮捕されたり尋問を受けた者の中には、国会の野党の核となる、スンナ派原理主義の宗教政党と関係が深い、パンジャブ州のいくつかの宗教学校の学生や教師が含まれていた。

Jaish-i-MohammedとLashkar-i-Jhangviは、これまでも共に活動してきた。ダニエル・パール記者の殺害にもかかわったとされる。「ダニエル・パールの事件を見ても、地元のジハード団がアルカイダと協力していることがわかる」とパキスタン人捜査員が語る。「大統領に対する計画がすべて暴かれるまで、アルカイダの容疑は晴れない」。

長いあいだパキスタンは、アフガニスタンとインドにいる敵に対する戦略として、この自国の武装組織を育ててきた。それがアルカイダに助けられ、犯行に加わっていたとしたら、大きな脅威といえる。20年にわたって、パキスタンの市民と軍は、これらの武装組織を不正規軍として繁栄させてきた。まずはCIAが支持したソ連の侵略に対するアフガニスタン戦争で、そして最近はカシミールで、彼らは戦った。しかし9.11以後、パキスタンはタリバンに対する援助をやめ、アメリカと協力することになった。パキスタンはアルカイダを500人引き渡したが、タリバンやカシミールで戦う過激派に対しては、慎重な態度をとっている。

パキスタンは過激派の取り締まりも始めた。カシミールに対する態度も、軟化させている。前国防省高官のAyesha Siddiqaは、武装組織は「少しずつ、弱まっていくだろう」と言う。しかし彼女はムシャラフの過激派に対する態度に関しては悲観的だ。「武装組織はなくならない。すべてがパキスタンを標的にし始めるかもしれない。特にスンナ派の過激派が、これまで外国の敵やシーア派に対してしてきたように、今度はムシャラフとその政府を攻撃し始める可能性がある」と語る。「ひとつの目的に向かって戦っていたために、不満が募っている。不満が募れれば、彼らの怒りが内側に向く危険性がある」とアフガン戦争の末期でISIを指揮していたHamid Gulが、ムジャヒディンたちについて語る。

武装組織が課する危険は非常に強く、ムシャラフの警備を担当する者たちは、大統領を警護する兵士や警察官から、携帯電話を取りあげた。再び暗殺者たちと結託する可能性があるからだ。ムシャラフも、自宅をイスラマバードに移そうとしている。移動する時間を短縮するためだ。

12月14日の最初の暗殺未遂事件からは、ほとんど手がかりがない。しかし2度目の事件では、暗殺者の遺体や所持品から、たくさんの手がかりが残されたという。これらから、背後にあるテロ組織の概略が見えてきた。警察は自爆テロ犯の1人が持っていた身分証明書により、犯人はアザドカシミール出身で、最初はHarkat ul-Ansar、後にJaish-i-Mohammedと関係があったことがわかった。90年代には、アフガニスタンで軍事訓練を受けていたようで、2001年にはタリバンを援助するために、アフガニスタンに出かけて行った。アフガン軍に逮捕され、カブールで投獄されたが、後にパキスタンに戻り、釈放されたようだ。2人目の自爆テロ犯の身元は、確認されてない。残された彼の顔の一部から、アフガンかアラブ人と見られ、アルカイダとの関係が疑われるという。「80年以来、我々が進めてきた戦略に対するツケだ」とパキスタン高官が言う。自爆テロ犯は、ムシャラフのカシミールに対する態度の軟化に腹をたてたと思われる。「政策の転換は、常に大きな反応を生み出す」。

Jaish-i-Mohammedが事件に関わっているとすると、欧米の大使館は、ISIとグループのリーダーMasood Azharの強い繋がりに関心が集まる。Masood Azharは、99年のインド航空ハイジャック事件の際、インドからパキスタンに返還された過激派だ。彼は2002年に、ムシャラフがJaish-i-Mohammedの活動を禁止させ、家宅軟禁になった。しかし昨年初頭に釈放され、Azharは再び資金を稼いで政治的活動も開始した。暗殺事件のあと、パキスタン人高官はAzharが「逃亡」し、彼がどこにいるのかわからないと公言した。しかし別の高官は内々に、Azharは地元Bahawalpurにいて、監視下にあり、爆弾事件との関わりを取り調べられていると述べた。高官たちは、暗殺にグループのリーダーたちが関わったかどうか、それとも幹部の許可なしに下部メンバーが計画したのかはわからない、と強調する。「明らかに最初は」Jaish-i-Mohammedと関わりがあると思われ、「それが事実かもしれない」と内務省のTasnim Nooraniが電話インタビューで語った。「しかし全く別の可能性もある」。

smellInvestigation of Attacks on Musharraf Points to Pakistani Group
By John Lancaster and Kamran Khan


■灼熱地獄をなだめすかす[040114 Asia Times]

(前略)『Asia Times』は、タリバンの冬の戦略として、自爆テロを行なうだろうと予言した。(「タリバン、アフガニスタンで力を増す/031030 Asia Times」)そして今、アフガニスタン各地で自爆テロが頻発している。(中略)外国人侵略者に対抗する戦略としての自爆テロは、これまでのアフガニスタンにはなかったものだ。

アフガニスタンの抵抗運動は、パキスタンとの国境沿いのパシュトゥン地域を中心として広がる。抵抗分子がパキスタンに隠れていることは、確かだ。抵抗運動が下火になる模様はまったくなく、増加をたどる一方だ。アメリカは今、パキスタンが、あるいはパキスタン軍のある要素が、ゲリラの訓練や武器の調達など、アフガニスタンの抵抗運動に関わっていると確信している。その関係がどのくらい深いのか、ムシャラフの同意を得ているのかが、今一番知りたいことだ。

『Asia Times』はラワルラワルピンディの軍本部の情報源から、以下の事実を知った。ワシントンはイスラマバードに、タリバン政権下とその崩壊後にムシャラフが支援し、昇格もさせた、アフガニスタンで密かに活動してきた軍工作員の名前を列挙するように、「申し出た」。この要請は受理されたが、これはパキスタンのアメリカとの協力において、非常に重要な意味をもつ。なぜなら、アフガニスタンやその他の地域における、ISIの軍事活動に関する情報が明るみに出るからだ。

この情報により、情報筋が『Asia Times』に語ったところによると、アメリカは南ワジリスタンとその周辺のアフガニスタンに続く荒涼とした地帯に、タリバンやザワヒリを含むアルカイダの幹部が潜んでいると結論づけた。ここは非常にデリケートな地域であり、中央政府が間接的に管轄しているにすぎない。

以前にもパキスタンとアメリカはこの地域で活動してきたが、ここにきてアメリカ当局は、木曜日に南ワジリスタンで開始した作戦は、アメリカの要請によって展開されたことを公認した。パキスタン軍はヘリコプター戦闘機も動員して大規模な作戦を展開し、兵士4人が死亡した。そしてパキスタン軍は部族の長老たちに、軍に協力するよう要求するとともに、この地域の道路をすべて封鎖。ワナの部族会議は、政府に協力するために、小さな軍を組織することに同意した。

ワナからの情報によると、状況は非常に緊迫しており、アメリカは事の推移に目を光らせているという。近い将来、別の作戦を実施するとともに、国境の向かい側のアフガニスタンのShakinでも、作戦を開始しようとしていることは明らかだ。容疑者をはさみうちにしようとしているのだ。アメリカは夏を迎える前に、何らかの措置をとろうとしている。というのは、 ・主用都市で国を再び支配するための戦いが開始される前に、抵抗組織を摘発する必要がある。 ・同盟軍は「穏健派タリバン」を手なずけることも、抵抗組織を分裂させることもできなかった。 ・今回のロヤジルガから、北部同盟のメンバー、Jamiat-i-IslamiとIttahad-i-Islamiは、アメリカが支持する新たな憲法においては役に立たず、 それどころか、Hizb-i-IslamiのGulbuddin Hekmatyarと接触しようとさえしている。ムジャヒディンのリーダーとヘクマチアルは、抵抗組織の中心となっている。

アフガン国軍の新兵何千人が軍から去ったというニュースから、彼らはヘクマチアルやその仲間の味方につこうとしている、と憶測される。こういう状況のなかで、南ワジスタンの作戦は非常に重要な意味を持つ。アメリカはアルカイダという獲物を獲得することを、当然まず望んでいる。そして抵抗運動を現段階で掃討できなければ、アフガニスタンは長い、過酷な夏を迎えることになる。今、ボールはパキスタン側にある。

garrTAMING THE TORRID ZONE Pakistan running out of options
By Syed Saleem Shahzad、KARACHI


■部族民、3人を引き渡す[040114 Daily Times]

ジルガは、Jangikhel枝族の3人の容疑者Sher Muhammad, Gul Abaz and Arsal Khanをワナの行政区に引き渡した(中略)。

Yargulkhel枝族の責任者、Mir Zalam Khanが『Daily Times』に、約束の1月15日までに容疑者をすべて引き渡すことができるかどうか、保証できないと述べた。容疑者たちはアメリカに引き渡されることを恐れて、降伏を拒んでいるという。「パキスタンは、アメリカに引き渡さないという。でも、我々の支配者の言葉を信用できるかどうかだ」。

行政官のMuhammad Azam Khanが『Daily Times』に語ったところによると、今後の作戦は、ワジール族の協力にかかっているという。「もし部族民たちが協力すれば、新たな作戦を行なわない。協力しなければ、今後さらに作戦を続行さぜるを得ない」という。

パキスタン軍部は、部族民たちのlashkar(軍)が容疑者を逮捕するという考えを支持しているという。軍はlashkarに対して、兵站学やその他の援助をするという。外国人や地元武装集団やの居場所についての諜報を与えることにしている。「lashkarが望めば、準軍隊を提供してもいい」と軍事関係者は語る。しかし軍は、作戦には参加しないのだという。「状況を監視し、成り行きを見守る」そうだ。lashkarを援助することは、パキスタン軍の部族地帯における戦略的な変更ではないという。「部族民の方法を用いて、我々の目的を達成したい」。

いっぽうカイバル行政区の部族民の代表団と話し合ったとき、北西辺境州大臣のAkram Khan Durraniは今回のFATAにおける作戦について説明し、部族民の「愛国主義と伝統」を疑っていると語った。彼は部族民は政府に協力することを嫌がっており、容疑者たちが外国に引き渡されることを心配していると述べた。この問題についてジャマリ首相やムシャラフ大統領と相談した結果、部族民たちと話し合いの場を持つことに同意したという。

hoonTribesmen hand over 3 wanted men
By Iqbal Khattak、PESHAWAR


■3人の容疑者、ワジリスタンで降伏[040114 The News]

南ワジリスタンの行政側はAhmadzai Wazir族に、お尋ね者のうち3人を引き渡させることに成功した。

Gangikhel枝族のArsala Khan、Gul Abbas Khan、Sher Mohammadの3人が、ワナ行政区に引き渡された。3人は「外国人テロリスト」を匿った容疑で、取り調べを受けている。9つの枝族からなるAhmadzai Wazirの武装した長老たちが、容疑者たちに投降しなければ、強攻策に出るというメッセージを送ったという。

Ahmadzai Wazir枝族の中で最大のZalikhelは、29人の容疑者を引き渡すことになっている。Zalikhel族の50人以上の長老たちが、Nek Mohammad、Sharif Khan、Maulvi Abbasをはじめとする容疑者たちと交渉するために、Azam Warsakに出かけていった。残りの8つの枝族は、28人の部族民を引き渡すことになっている。

hoonThree wanted men surrender in Waziristan
PESHAWAR


■ムシャラフ暗殺を計画したとして、ナジームを逮捕[040113 The News]

警察とエリート部隊によるチームが日曜日夜に、Lodhran地方Bahawalgarhのナジーム(地方自治体の頭)の家を急襲し、ムシャラフ大統領暗殺計画の容疑でMalik Ghulam Mustafa Arainを逮捕した。

土曜日には弟のGhulam Yasinが、Jaish-e-Muhammadのリーダー、Maulana Masud Azharと関係していたとして、逮捕されている。また警察はSargodhaから私営病院を経営するDr Saeed Ahmedと2人の息子、Jawad AhmedとMuhammad Imran、さらに小売商人Zaheer Ahmedを逮捕した。全員イスラマバードに送検された。

地元警察はこれらの逮捕を否定しているが、病院関係者は逮捕を確認した。情報源によると、政府はあるタリバンがこの病院で手当てを受け、何人かがいまだに手当てを受けていると説明しているという。しかし病院には、該当する容疑者はいなかった。警察は、病院がタリバンや他のテロリストと関係を持っていたと確信している。

いっぽうムシャラフ暗殺事件を捜査では、私立病院の2人の医師Dr Hafiz Abdul RehmanとDr Tahir Bashirが取り調べを受けたが、尋問のあと釈放された。しかし2人の病院のスタッフAlamgirとAhmed Nawazがまだ取り調べを受けている。この2人は退役兵で、過激派との関係を取り調べられているという。

hoonNazim held for plotting Musharraf's murder


■250人の特別部隊が、北ワジリスタンからワナに移動[040113 Daily Times]

情報源が『Daily Times』に語ったところによると、政府は南ワジリスタンで、軍のキャンプを攻撃した容疑者とアルカイダを匿った容疑者を逮捕するために、大きな作戦を開始するという。

250人の特別部隊Special Services Group(SSG) と、正規の歩兵隊が北ワジリスタンからワナに入った。Zeri Noorとワナで、軍のキャンプがロケット弾攻撃を受けて以後、外国人の侵入を防ぐために、政府は南ワジリスタンの国境を封鎖した。アフガニスタン側からの報告では、パクティア州のBirmal地方で、同盟軍がタリバンとアルカイダの捜索を強化しているという。国境の両側で、反アメリカの行動をとる過激派たちの動きを封鎖する作戦が、開始されるようだ。同盟軍は日曜日に、30人のPepliとSafli Kabulkhel部族をBirmalで逮捕し、取り調べているという。同盟軍はこれまで南ワジリスタンと隣接するBirmalで、たびたび攻撃を受けてきた。

Ahmadzai Wazir族の長老たちMalik Mirza Alam Khan、Malik Janbaz Khan、Malik Hadin Khan、Malik Ali Shahは、政府の行動を「冷酷」と非難した。政府は、部族の長老たちに告知することなしに作戦を行なったとし、住民はこのことに関して怒りを感じているという。法を犯す者がいた場合、長老はFrontier Crimes Regulations(40-FCR)のSection 40にもとづき告発されるが、作戦が行なわれたとき、事前に告知を受けなかったといい、不当を訴えた。

容疑者の1人が『Daily Times』に語ったところによると、政府は確固たる理由なしに、自分たちの家を取り壊したという。「我々は家を取り壊されたことに対して怒りを感じる。しかし軍のキャンプを攻撃するほど、深刻な問題とは考えてない」。部族の長老の中には、自らの利害関係のために、自分たちに危害を与えようとしている者がいると付け加えた。しかし、当局には絶対に出頭しないという。

南ワジリスタンの行政官Azam Khanは、Ahmadzai Wazirのジルガで長老たちに会い、容疑者を引き渡さなければ何らかの措置をとると警告した。長老たちは協力を申し出た。自分たちで部族民によるlashkar(軍)を組織し、容疑者を逮捕するという。必要があれば、軍の援助も乞うと述べた。

oh250 SSG personnel moved from North Waziristan to Wana
MIRALI


■部族民のLashkar、南ワジリスタンでお尋ね者捜索へ[040113 The News]

政府との取り引きで、Ahmadzai Wazir族は部族民によるlashkar(軍)を組織し、タリバンやアルカイダを匿ったとして行政政府が要求している、22人の部族民を捜索することにした。

ワナで開催されたジルガでこの同意に達し、200人以上の長老たちが、南ワジリスタン行政官Mohammad Azam Khanと副行政官Rahmatullah Wazirと会見し、協力することを申し出た。

『The News』との電話インタビューでRahmatullah Wazirは、lashkarの捜索の様子や、降伏することを拒否する者たちに対するAhmadzai Wazir族の態度を監視するという。「3日間、lashkarの行動を見て判断する。もし要求されれば、政府はlashkarの捜索を援助する」という。

lashkarは2組、組織されるという。ワナ谷に住むAhmadzai Wazir族のものと、その他のAhmadzai Wazirの8つの枝族のものになる。部族民はそれぞれ武装して、ワナに集結することになる。お尋ね者たち22人名前のリストが、部族民たちに配布された。3人は枝族ZalikhelのYargulkhel分派の者で、タリバンとアルカイダを匿ったとされる。残りはパキスタン軍にロケット弾を撃ち込んだ容疑者とされる。(後略)

hoonTribal Lashkar to hunt wanted men in S Waziristan
PESHAWAR


■米軍、アフガニスタンで100人目の死亡者[040112 AP]

カブールでの交通事故で負傷した米兵が死亡し、アフガニスタンでの米軍の作戦が開始して以来、100人目の死亡者となった。(中略)

アメリカの国防省のウェブサイトによると、2001年10月にアメリカがアフガニスタンで作戦を開始して以来、30人が敵による攻撃で死亡、69人が「敵によらない」事故で死亡したという。土曜日の兵士の死亡で、死亡者は100人となった。

フロリダのアメリカ中央司令のスポークスマンCapt. Bruce Frameによると、ペンタゴンが発表している100人の死亡者は「公的」な数字であり、負傷後に死亡した者も含まれているために、これ以上正確なものはないという。これらの中に、CIA工作員が含まれているかははっきりしない。

hoonU.S. Suffers 100th Death in Afghanistan
KABUL


■10人、アフガニスタンの攻撃で死亡[040112 Guardian]

タリバンによると、アフガニスタンの南西部の警察チェックポストを襲い、10人を殺害したという。

ニムローズ州のKhashrow地方で武装したタリバンによる攻撃があり、ライフルやロケット弾で攻撃をしたと、過激派グループのスポークスマンHakim Latifiが述べた。これに先立ち、州知事は4人の警察官が殺害されたと発表した。

政府当局は、ニムローズでの警備を強化していた。この攻撃は、昨日北部のマザリ・シャリフでの爆破事件に続く。マザリシャリフでは、フランスの援助団体Agency for Technical Cooperation and Developmentの事務所前で爆発があり、2人が負傷したという。これに先立ち木曜日には、マザリシャリフの国連事務所前に爆発物が仕掛けられているのが発見され、これを取り除いた。

先週以来、アフガニスタンでは36人が何らかの攻撃を受けて死亡している。

garrUp to 10 killed' in Afghanistan attack


■タリバン、アフガンのチェックポスト攻撃で兵士10人を殺害と発表[040112 Reuters]

月曜日にタリバン戦士たちが、アフガニスタンのチェックポストにロケット弾を打ち込み、兵士10人を殺害したと、イスラム過激派のスポークスマン。

反抗分子たちは、ニムローズ州のKhashrud地方のチェックポストを襲撃したと、タリバンのスポークスマンHakim Latifiが、衛星電話で『ロイター』に語った。州知事のKarim Barawもこれを認めたが、殺害されたのは4人だと述べた。「もっと殺害されたかもしれないが、今のところは4人と聞いている」という。

garrTaliban say attack Afghan post, kill 10 soldiers
KANDAHAR


■ラホールのSargodhaで15人逮捕[040112 The News]

政府当局はラホールの2つの宗教学校を取り調べ、3人の教師と有名な書家を含む10人を逮捕した。

土曜日の夜遅く、モスクで捜索が行なわれた。当局はKareem Park在住のSyed Anwar Hussain Nafees Raqamと、Baqiautush Shuhada(for boys)and Darul Uloom Madnia-Lil-Muslimat(for females)の9人を逮捕した。

Anwarは数時間後に釈放され、『The News』に、「警察はIhsanというある男の写真を見せ、どこにいるか尋ねた。私は知らないと言った」と語った。JUI-Fのベアラーによると、警察は建物全体を捜索したというが、持ち去ったものは何もないという。逮捕された9人のうち、3人は教師だと言い、まだ取り調べを受けている。警察が写真を見せたIhsanは、大統領を暗殺しようとした犯人だという。

これとは別に諜報組織と警察は日曜日に、Sargodhaの病院と2つのマドラッサを取り調べ、5人を拘束したが、全員釈放された。

警察官と特別部隊がRafiqa Medical Centreを封鎖した。外国人2人も取り調べに参加していたという。地元警察はこのことに関して関知していないと述べた。サテライト・タウンのMaqam-e-Hayatにある、2つのマドラッサも取り調べを受けた。

情報筋によると当局は、この5日間に病院に入院した、怪我を負った人物について質問しているという。情報筋によると、Jamaat-e-IslamiのDr Hafiz Abdul Rehmanを捜しているということだったが、不在だった。この作戦は、アルカイダかタリバンがこの病院で手当てを受けている、という情報に基づいて行なわれたという。

hoon15 picked up from Lahore, Sargodha
LAHORE


■フランス人ジャーナリスト、釈放[040112 AP]

フランス人ジャーナリストが2人、ビザを侵害してパキスタンの国境付近に入った罪で6ヵ月の刑が言い渡されたが、シンド州最高裁判所裁判官は土曜日、刑を6ヵ月から7日に減刑した。彼らはすでにその期間を警察に拘留されているために、釈放された。

フランスの雑誌『L'Express』の記者2人の釈放に関して、フランスの外務大臣Dominique de Villepinとパキスタンの外務大臣Khursheed Kasuriとの間で、先週何回も電話のやりとりがあった。

2人と一緒に逮捕されたパキスタン人ジャーナリストKhawar Mehdi Rizviは、まだ拘束されている。

smellTwo French Journalists Freed in Pakistan
By SHEIKH SABIR、KARACHI


■アフガン国軍、3000人が辞める[040112 Daily Telegraph]

アフガン国軍の何千人もの兵士たちが、訓練が終わる前に辞めてしまったという。

「約3000人の国軍兵士が、軍隊から逃げてしまった」と政府スポークスマンGen Mohammad Zahir Azimiが述べた。彼らが戻るまで、新兵は彼らの訓練費用を持たねばならないという。

hoonNew Afghan army hit by 3,000 deserters


■部族民、テロリスト捜索を援助[040112 The News]

日曜日にAhmadzai Wazir族のジルガが開催され、「外国人テロリスト」の捜索に、長老たちを参加させるよう申し出た。

ロヤジルガでは、政府による容疑者の家の捜索に協力することにしたという。「しかしながら、容疑者がどの村や家に住んでいるのか、政府は我々に知らせるべきだ。そうすれば、協力できる。我々の協力なしに行なった捜査が失敗したからといって、我々に責任をなすりつけるのはおかしい」とある長老が述べた。

ジルガには2000人以上の部族民が参加。50人のマリクが含まれていた。Ahmadzai Wazirの9つの枝族すべてが参加した。中でも最大のZalikhelの長老が一番多かった。3人の容疑者は、Zalikhelのさらにその枝族Yargulkhelに属すために、圧力がかかっている。3人の容疑者はともに容疑を否定。ロケット弾攻撃についても、無実を主張している。

ワナには、新たな軍が到着し、住民の不安感は増している。

hoonTribesmen to help hunt terrorists
By Rahimullah Yusufzai、PESHAWAR


Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003, 2004.