【2004年2月16日〜2月22日】


■アフガニスタンで秘密の作戦[040222 Washington Post]

CIAによるビンラディンを逮捕する最初の計画は、別の犯人捜査から浮上した――2人のCIA職員を殺害したパキスタン人移民、Mir Aimal Kasiの捜査である。彼は1993年にCIAのラングレー本部前で車で待ち構え、ライフルを乱射したのだ。

この乱射事件の数年後まで、Kasiはアフガニスタンとパキスタン、イランの国境地帯に隠れていた。CIAはイスラマバードに、Kasiを捕まえるためにの工作員を派遣するよう要請した。また1980年代にCIAに協力していたことのある、部族戦士たちにもコンタクトをとった。

これらの工作員は暗号名、FD/TRODPINTを与えられ、カンダハルに移住してきた。みすぼらしい格好の男たちで、10人ぐらいのグループで四輪駆動車に乗り、アフガニスタン南部を動き回って、地元の武装集団たちに溶けこんでいった。

9.11以前、CIAはビンラディンの捜査を密かに行なっていたが、うまくいかなかった。まずはアフガン部族民工作員たちが、後には、アーマッド・シャー・マスードのような伝説的なゲリラのリーダーをも巻き込み、さまざまな工作員や協力者を巻き込んでいったのだ。しかし計画は失敗し、クリントン政権とCIAとの間もぎくしゃくしていった。

大統領からは制止されていたにもかからず、CIAはビンラディンを捕まえようとした。逆にホワイトハウスは、CIAがビンラディンの居場所を突き止められないでいるために、その能力に疑問を投げかけた。

TRODPINTがKasiを捜しに出かけたとき、1人ないし2人のチームの幹部が、CIAと直接交渉を交わした。イスラマバードのアメリカ大使館高官が現金、ライフル、地雷、バイク、トラック、盗聴器、通信機を配給した。協力してKasiを捕まえ、アメリカで裁判にかけるために送り返す計画を立てた。もしアフガン工作員がKasiを見つけだしたら、米軍特殊部隊が密かにアフガニスタンに飛び、彼をしばらくの間拘束することになっていた。TRODPINTが彼を見つけ出す役割を負い、CIAはカンダハルに、米軍機が着陸できる滑走路を砂漠の中に探し出した。ホワイトハウスはこの計画を承認し、クリントンは密かに特殊部隊をアフガン南部に派遣し、関係者と話し合い、滑走路の確保にあたった。

結局Kasiは1997年5月、全く別の場所で逮捕された。カラチのアメリカ領事館にバローチ人がやってきて、Kasiの居場所を教えたのだ。彼はCIA高官のもとに連れて行かれた。この情報提供者は彼女に、偽名を使ったKasiの運転免許証を差し出した。Kasiの写真と指紋があり、Kasiのものであることが確認された。

3週間後、CIAのチームとパキスタンの情報官、FBIがパキスタンのホテルにいるKasiを逮捕し、アメリカに連れて行った。(1997年に殺人で告訴され、98年に死刑が宣告、2002年11月14日に刑が執行された。)

Kasi逮捕の数週間後、CIAでは別の問題がもちあがった。装備と資金を手に入れたTRODPINTをどうするか? 工作員たちはKasiの居場所の情報を提供していたが、役にたったものはない。業績は悪かったが、彼らを放置していてもしょうがないとラングレーの高官たちは考えた。

《捜査が始まる》

Kasiを探し出す捜査班は、CIA本部のCounterterrorist Centerに設置されていた。このすぐ向こうに、「ビンラディン捜査班」があった。この捜査班は1996年に設置され、ビンラディンを監視していた。当時アメリカは警備上の理由で、スーダンのハルツームにある大使館とCIA事務所をたたむことにしていた。1996年にサウジはビンラディンを国外退去にし、このサウジ人は5月にアフガニスタンに入った。

CIAはアフガニスタンに事務所を持ってなかった。カンダハル近辺にいるKasiの工作員以外は、ドラッグ商売やスティンガー・ミサイルの回収にあたっている工作員が数人いるだけだった。ラングレーではビンラディン捜査班が、ビンラディンがテロリストであることを各方面にアピールし始めていた。ここにきて、TRODPINTが役に立つのではないかと見られるようになった。CIAに雇われたアフガン工作員たちは、CIA配下でビンラディンを監視できるかもしれない。さらに逮捕もできるかもしれない。論議の末、1997年夏、Counterterrorist Center長官のジェフ・オッコーネルとポール・ピラーは、武器やスパイ道具を持ったTRODPINTのチームを、ビンラディン捜査班に引き渡すことを決定した。こうして1997年にCIAは、ビンラディンを監視するのではなく、逮捕する計画をたて、クリントン政権から承認されたのだ。TRODPINTはKasi逮捕計画を修正し、ビンラディンを逮捕することになった。

《ビンラディン逮捕に向けて、長くて苛立たしい捜査開始》

9.11以前の3年間、ビンラディンの捜査はCIAがアフガニスタンとパキスタンで雇った地元民、ウズベク特殊部隊から抜擢された秘密部隊、パキスタンの退役した特殊部隊員、北部同盟のマスード司令官によって行なわれた。しかしビンラディンは逃げつづけた。後になっても、この秘密の捜査はなぜうまくいかなかったか、誰の責任なのか、当事者たちの意見は一致しない。

パキスタンと中央アジアの前線にいたCIA高官は、9.11の前に緊迫した、いやな雰囲気を感じたという。しかしビンラディンを攻撃しようとする提案は、計画が用意周到ではないとの理由で、ラングレーやホワイトハウスによって制止された。あるいはクリントン政権内の意見の不一致でお流れになることもあった。

ラングレーのCIA高官たちは、クリントンはビンラディンの敵に武器を与え、タリバンと対決することに臆病になっていると感じていた。しかし逆にクリントン政権はCIAの行為を、保守的で、非効果的と見ていた。CIAはビンラディンの行方を収集し、ビンラディンのアルカイダネットワークのメンバーを逮捕、または殺害する計画をたてた。どちらもCIAのCounterterrorist CenterとDirectorate of OperationsのNear East Divisionが、密かに遂行していた。

《大胆な計画、根づく》

1998年にTRODPINTのチームが活動し始めると、ニューヨークの連邦大陪審は、サウジのテロ支援を密かに調べ始めた。ビンラディン内部の裏切り、エジプトのテロ攻撃、ニューヨークのテロ事件などから、少しずつ実態が見えてきた。大陪審の捜査結果については、司法省以外は知らないはずだったが、CIAの計画により、少しずつリークされていった。

1988年、イスラマバードで活動していたCIAは、Gary Schroen主導のもとで工作員がビンラディンを逮捕したら、大陪審はすばやく彼を起訴すると見た。起訴しなければ、CIAかクリントン政権は、エジプトかサウジにビンラディンを引き渡し、裁判にかけてもらうよう要求することにしていた。

TRODPINTチームはビンラディンをアフガニスタン南部の洞窟で捕らえ、米軍特殊部隊が彼を密かにアメリカに連行する前に、30日間拘束する計画をたてた。工作員たちは彼を隠す洞窟を探し出した。食料や飲料水も十分確保したと、CIAに報告してきた。ビンラディンを洞窟に監禁することで、工作員たちは彼を国外に連れ出すことが容易になると考えた。ビンラディンの逮捕後、十分時間がたてば、アルカイダの部下たちは、アメリカ人が彼を連れ出したことに気づかないかもしれない。またアメリカの検事か外国政府が、刑事責任を言い渡すための時間も稼げる。

もしCIA高官と雇われた工作員たちがビンラディンを拘束し、アメリカでの裁判にこぎつけたら、彼らは行政命令12333を執行することができるようになり、CIAは海外の犯罪者たちを追うことができる。同時に行政命令12333により、CIAやその工作員は、暗殺を禁止される。CIAはパキスタンにいるTRODPINT工作員と会い、ビンラディンを捕まえることが大事で、暗殺してはならないと告げた。「ビンラディンを生きて捕らえろ」。

《物質的、政治的危機》

1998年にビンラディンを誘拐する計画を洗練させるとともに、CIAのCounterterrorist Centerのビンラディン捜査班は、Tarnak Farmに注目しはじめた。これはカンダハルから3マイルほどのところにある、100エーカーほどの無人地帯だ。ビンラディンは妻の1人とともに、このTarnakで夜を過ごしていた。この間、衛星電話でかなり堂々と通信し、ボディーガードに守られていたようだ。そこで問題が生じた。CIAが雇った部族民工作員たちは、ビンラディンの家を襲い、彼をベッドから連れ出すことができるか?

Tarnakの主な建物は10フィートもある高い土塀に囲まれている。中には1階建と2階建の建物が、約80戸建つ。周りを平らな砂地が何マイルも取り囲む。カンダハルのバザールは30分ほど離れている。

イスラマバードのCIAは、TRODPINTのリーダーと長いこと計画を練った。アフガン人たちはTarnakを丹念に調べ、CIAは衛星写真を撮った。約30人からなる工作員たちを選び出し、車輌を集め、Tarnakから数マイルのところまで運転していくことにした。主力部隊は、朝2時に、砂漠を歩いて目的地に向かう。何度も道を確認した。排水溝を這って塀を乗り越える。2つ目のグループは2台の車輌で正門に静かに乗りつける。サイレンサーのついたピストルを持ち、ゲートにいる警備員を攻撃する。残りの者たちがビンラディンの妻たちが寝泊まりしている部屋にながれ込む。ビンラディンを見つけたら、手錠をはめ、引きずり出し、車に押し込む。

衛星写真や地上からの情報により、約10数人の妻と子供たちが、Tarnakに住んでいることがわかっていた。CIA高官たちは、工作員たちが真剣であり、セミプロ戦士で、できる限り協力していると信じていた。それでいて、「アフガン人の発想を知っていたら」とある高官は言う、アフガン人たちは無差別に発砲することは明らかだった。

1998年の春、ホワイトハウスの対テロコーディネーターRichard ClarkeがCIAのO'Connellに会い、Tarnak計画について話し合った。ホワイトハウスの対テロチームは、懐疑的だった。TRODPINT工作員たちは、年取った反ソ連ムジャヒディンであり、もう戦う適齢期を過ぎ、金のために働いているに過ぎないと見ていた。それにTarnakの急襲が成功したとしても、女性や子供たちが死に、ビンラディンは逃げるのではないかと恐れた。このようなことがあったら、イスラム世界から非難されるに決まっている。

CIAの幹部は、1998年6月にこの作戦を再び検討した。CIAの中でも、同じような恐れを心配する声が挙がった。最終的に、CIA長官テネットが後に暴露したように、当時の作戦の責任者、Jack Downing、そしてJames Pavitt、O'Connell、Pillar全員が、反対したのだ。その頃になると、ホワイトハウスでもこの計画に興味を失いつつあった。

テネットは、この計画を正式にはクリントンに提出しなかったと、計画に関わっていた高官たちは述べる。この決定はイスラマバードにも伝えられた。部族民たちが立てた計画は保留にし、工作員たちはビンラディンをTarnak外のところで捕まえる機会を探るようにといわれる。市民が巻き込まれないところが望ましい。

その2ヵ月後の1998年8月7日、アルカイダの2チームが、アフリカの米国大使館を爆破した。数ヵ月のうちに、ニューヨーク連邦大陪審はサウジに、ビンラディンの調査をするよう、要請した。

ラングリーのCounterterrorist Centerでは、CIAアナリストや高官たちが怒り狂っていた。ビンラディン捜査班のアナリストが、テネットに詰め寄った。「あなたに責任がある」。「我々が持っていた情報にもかかわらず、彼に対して行動しなかった。捕まえられたかもしれないのに」。テネットは非難を受け入れ、その後ビンラディン捜査に力を入れ始めた。

しかし、ビンラディンはこのときになると、警備を強化していた。衛星電話の使用を止め、アフガニスタン内をこっそり移動するようになる。Tarnak計画を練った人々にとっては、なぜ、CIAはこの計画を実行しなかったのか、という疑問がわいてきた。

8月20日、ビンラディンとアルカイダリーダーが会うという諜報情報にもとづき、クリントンは75発のミサイルを、アラビア海から発射した。この攻撃で、パキスタン人21が死亡したが、ビンラディンは逃げた。

《週末戦士》

1999年中庸になると、ホワイトハウスとテネットは、Counterterrorist CenterがTRODPINTの部族民工作員に頼りすぎていると感じ始める。彼らは「週末戦士だ」という声もあがった。中年の、裕福なアフガン戦士で、カラシニコフを数丁持っている男たちだ。そしてホワイトハウスでも、これらの戦士たちに対して「良くて懐疑的だったのが、あざけり」の態度を見せはじめた。

あるとき、工作員たちがカブール北の郊外に行き、農家を借り受けた。ビンラディンがたまに姿をみせる、カブールの家を見つけ出し、家を襲う計画を立てた。逃走路を確保するために、小さな橋を爆破しなければならなかったので、CIAは工作員たちに爆発物を提供した。しかし工作員たちは行動しなかった。彼らが借りた農家は、ぶどう酒製造所だった。パキスタンのアメリカ大使がCIAに聞いた。「彼らは何も待っているのだ? ワインは発酵しすぎたか?」

捜査を強化するために、テネットはRichと呼ばれる男をビンラディン捜査の責任者に据えた。またビンラディンがスーダンにいるのを見つけたCofer BlackをCounterterrorist Center長官に任命した。Blackが任務についたとき、ビンラディン捜査班には25人の専門家がいた。ほとんどが女性で、その三分の二はアナリストとしての経験を積んでいた。自分たちを“the Manson Family”と呼んでいた。(中略)

イスラマバートにいるCIAと協力し、ビンラディン捜査班はアフガニスタンを旅することができる、新たな工作員を募集した。タリバンと政治的に反対の立場を取る者だったり、給料に引かれてやってきた者もいた。タリバンのリーダーたちも買収し始めた。ある若い高官は、東部で活動していたタリバン司令官6〜7人を連れてきた。しかし、ビンラディンと近い者は誰もいなかった。CIAは、アルカイダの重要人物を1人として、雇うことができなかった。

Blackは、CIAがビンラディンの組織に入り込めないでいるのを知っていた。CIAはカンダハル周辺には、最高の工作員を送り込んだが、情報は、ビンラディンの行動より1〜2日遅れて入ってくるのがせいぜいだった。アルカイダ組織内部に工作員を送り込めないことで、ビンラディンの逮捕は難しかった。さらに、カンダハルはタリバンの砦だ。タリバンは、ビンラディンに安全な隠れ家を提供していた。CIAがビンラディンを突き止めても、彼を捕まえることはできない。タリバンに邪魔されることは明らかだ。

1999年夏に、オマール師のカンダハルの自宅の外で、トラックが爆発した。後に、ビンラディンはこのタリバンのリーダーのために、資金を提供して新しい家を建ててやった。そしてウルズガンにあるオマール師の故郷には、アルカイダ戦士のための訓練所を作った。CIAはこの訓練所の偵察を命じた。ビンラディンが来ることを期待したからだ。ある晩、TRODPINTの工作員4、5人が訓練所に近づいた。アルカイダの警備員が発砲し、負傷させられたという。

カブールは比較的偵察がしやすい場所だ。ある時点で、CIAはビンラディンが妻のうち2人を、カブールに滞在させていると信じていた。彼はその家を定期的に訪れているようだ。イスラマバードのCIAはビンラディンの家を警備していたアフガン人1人を雇った。しかしこの工作員はビンラディンの行動を知っている中枢からほど遠かったために、彼がいつくるか、全く知らなかった。ビンラディンの車が近づいてきて、初めて仕事に呼ばれるのだった。

《「サーキット」を旅する》

しかしビンラディンの後を追うことで、彼の道を予知できるようになった。カンダハルの西に行き、北から東にゴール州を通って移動すく。CIAはゴールにあるゲストハウスに注目した。ここからビンラディンは東のカブールに向かい、時にはジャララバードに足を向ける。この足取りを研究したアメリカ人は「サーキット」と名づけた。ホワイトハウスでは、これに基づき、ビンラディンの行動を予測しようとした。

CIAのビンラディン捜査班はビンラディンを“KKJ”外で待ち伏せようと考えた。“KKJ”はカブール、カンダハル、ジャララバードを示す暗号だ。あまり人口がないところで捕まえようとしたが、なかなかむずかしい。1999年の夏になると、アフガニスタンではただ1人、伝説的なタジークのゲリラのリーダー、アーマッド・シャー・マスゥードだけが、タリバンに対して精力的に諜報情報を集めていることを知るようになる。

1977年以後、マスードの北部同盟は、タリバンと戦い、ビンラディンの配下であるアラブ人、チェチェン人、パキスタン人と面と向かって対戦していた。彼らはビンラディンを単に師として、資金提供者として、あるいはテロ計画者としてだけではなく、野戦司令官として熟知していた。当時クリントン政権内では、マスードの北部同盟が、ドラッグ商売や人権侵害を行なっていることで、問題になっていた。しかしCIAは、ひとつの確信を持っていた。マスードは、敵の敵だ。マスードと力を組むことで、ビンラディンが再び攻撃してくる前に、逮捕できるかもしれない。

ohA Secret Hunt Unravels in Afghanistan
Mission to Capture or Kill al Qaeda Leader Frustrated
by Near Misses, Political Disputes By Steve Coll


■パキスタン、対タリバン作戦の準備[040222 Reuters]

パキスタンは、部族地帯にいるアルカイダとタリバンに攻撃をかける準備を開始し、準軍隊を派遣することを考慮していると高官が日曜日に述べた。

「我々はこの者たちに十分、圧力をかけている。この圧力を解いてはならない。彼らは逃走中で、我々はこの作戦を最後に、終わりにしたいと思っている」と、南ワジリスタン高官Muhammad Azam Khanが述べた。

パキスタン軍1隊がすでに部族地帯に入っている。土曜日に行政側は、これまですでに配置された4000人に加え、8000人の準軍隊を派遣するよう、要請したという。「正規軍1隊がすでにあるが、それは援護軍としてだけ用いたい」とKhanが語った。

情報相Sheikh Rashid Ahmedは、ワジリスタンでの作戦は「テロリズム」を一掃するためのものだと述べた。「個人に対するものではなく、テロリズムに対するものだ」という。また、パキスタンはビンラディンとザワヒリの衛星写真を受け取った、というメディアのレポートを否定した。

諜報部の情報源が『ロイター』に語ったところによると、国境警備隊がバローチスタン州の南西部に派遣され、ワジリスタンから逃げてくる武装集団を捕らえようとしているという。

ワナの目撃者によると、準軍隊が幹線道路に沿って塹壕を掘り、戦いの準備をしているという。また武装集団が逃げ出さないように、チェックポストが設立されている。「町は興奮している。人々は作戦のことを心配しているが、今のところ、パザールは平常通りだ」。

行政側は部族長に、アルカイダ戦士を匿った80以上の容疑者を引き渡すよう要請していた。今のところ40人が引き渡されたというが、行政側はもう堪忍袋が切れたという。

アフガンのアナリストRahimullah Yusufzaiが『ロイター』に語ったところによると、部族民たちが行政側に引き渡した容疑者たちは、それほど大きな情報を与えてないはずだという。逮捕を免れた者は、もっと情報を持っているという。

garrPakistan gears up for anti-al Qaeda operation
By Hafiz Wazir、WANA


■アフガンが攻撃、オーストラリア人パイロット死亡[040222 AP]

1人の戦闘員が、離陸しようとしていたアメリカの会社が所有するヘリコプターを銃で攻撃し、オーストラリア人パイロットが死亡、少なくともアメリカ人乗員1人が重傷を負った。

外国人4人とアフガン人の通訳がヘリコプターで、カンダハルにあるThaloqan村の病院建設を監督に来た。このグループはThe Louis Berger Group Inc.の従業員だった。ヘリコプターが離陸しようとしていたところ、カラシニコフで武装した男が銃撃し逃げたと、カンダハル州知事情報官Khalid Pashtoonが述べた。一行に同行していた警備官がヘリコプターの外に出て、応戦したという。オーストラリア人パイロットが死亡し、アメリカ人女性が重傷を負ったと、アメリカ大使館高官が『AP』に述べた。

アフガン国軍は、容疑者を捜査している。Pashtoonによると、この村はHezb-e-Islamiのヘクマチアルの故郷だという。

タリバンの代理というAbdul Samadが『AP』に電話をかけてきて、イスラム過激派の犯行であると述べた。彼によると、8人のゲリラの犯行だと述べ、目撃者の証言と食い違う所がある。

garrAfghan Attack Kills Australian Pilot
By NOOR KHAN、THALOQAN


■アフガニスタンでヘリ墜落、パイロット死亡[040222 Reuters]

日曜日に、タリバンの戦闘員がアメリカの会社が雇った従業員を乗せたヘリコプターを打ち落とし、パイロットが死亡、2人が致命傷を受けた。カンダハル近くで起きたこの事故に対して、タリバン高官が声明を発表した。

アメリカ大使館によると、ヘリコプターが離陸しようとしているところ、戦闘員がAK-47を発射したという。パイロットはその場で死亡した。警備官と監督が重傷を負ったが、別の警備官は無事だった。

イギリス大使館は、警備官はイギリス人だった述べ、アメリカ大使館の報道官は、負傷した1人はアメリカ人女性だったと発表した。4人は全員Louis Berger Group Incの従業員で、病院の建設を監督していた。

タリバン高官は、ヘリコプターが着陸しようとしていたときに、銃で攻撃したと述べた。「2方向からマシンガンで銃撃した」とタリバン司令官Mullah Sabir Mominが、アフガニスタン南部のある場所から語った。「何人死傷者がいたかは不明だが、攻撃者は逃げた」という。

garrPilot killed as helicopter shot at in Afghanistan
By Ismail Sameem、KANDAHAR


■村での生活、米軍に恩恵[040222 BBC]

アフガニスタンの同盟軍によると、南東部での新しい作戦が、効をなしているという。

ここ数ヵ月間、米軍は要塞のような基地を離れ、村で生活している。その結果Lieutenant General David Barnoによると、今まで以上に情報が入ってくるようになったという。今年中にビンラディンも捕まるだろうと楽観的だ。

米軍情報官によると、新しい作戦はザーブル、ウルズガン、カンダハル、コーストが中心になるという。兵士のほとんどは、特殊部隊らしい。

兵士たちは、地元のリーダーとの絆を深めようとしている。この地域を理解し、より良い諜報情報を得ることが目的だ。

さらに、米軍の存在により、抵抗分子がこの地域に侵入しないようになる。今のところ結果は良好だと、Lt Gen Barnoは『BBC』に述べた。「我々のユニットが同じ長老や同じリーダーと常に接触すれば、諜報情報も向上する。この2ヵ月間、その兆候がある」という。武器や武器庫の情報も入ってくる。

Lt Gen Barnoは、クナール州のアサダバードで開始された地方再建チームProvincial Reconstruction Team(PRT)の開始時に記者会見を開催した。PRTは文民と軍からなる、国家再建計画である。

クナールは、ヘクマチアルの根拠地だ。彼はここに隠れていると言われる。ソ連時代にはアメリカの寵児だったが、今、彼が率いるHezbi Islamiは、アメリカの目の敵となっている。しかしビンラディンとオマール師の逮捕が、アメリカにとっての最大目標だ。

Lt Gen Barnoは『BBC』とのインタビューで、今年中にビンラディンを捕らえると語った。アサダバードで会見したときにはこの話を繰り返さなかったが、期待を裏切るようなことも言わなかった。「明らかに、彼らの組織は機能する能力をもっている。我々は彼らを逮捕し、殺すことに目標を定め、今年はいい年になるだろうと楽観的でいる」。彼の新しい作戦の結果「アフガン人との関係が向上」し、「目的の達成に役立っている」と、付け加えた。

ある意味で、この新たな方法は過去の戦術の延長線上にある。つまり、重要な地点に、小さな特殊部隊のユニットを配置する方法だ。しかし今はその単位が30人〜40人からなり、将来はこれらの村の「基地」に歩兵隊も派遣される。

重点の置き方も変わった。最近まで米軍の作戦は、特定の地域を対象に急襲をかけ、すぐに撤退していた。しかしこのような急襲で、市民が巻き添えをくらうことが何度もあった。最近では、アフガニスタン政府によると、米軍の空からの攻撃で、女性7人と子供を含む10人を殺害している。米軍はこれを否定し、5人の武装した男を殺害したと主張する。しかし米軍は去年12月に、子供15人を殺害したことは認めた。これらの間違いは、誤った諜報情報の結果といえる。

カブールの米軍情報官Lt Col Bryan Hilfertyは、新しい戦略はこのような間違いを反省して立案したのではないと否定する。「常に戦術を進化させ、敵の行動範囲内にいるようにしている」。

アフガニスタン政府高官は、公には米軍を非難しないが、これまでの米軍の戦略に批判的だった。新たな戦略は、何らかの影響力を与えそうだ。

アサダバードで開始されたPRTも、これで9カ所目だが、新たな試みの一つだ。このような計画は、軍の配下で再建を推進することを目的としている。ほとんどはアメリカが運営しているが、ニュージーランド、イギリス、韓国、ドイツも参加している。米軍は例えばクナールのようなところでも、PRTを始めたいと考えている。しかし治安が問題だ。今のところアサダバードのPRTは、ジャララバードへの道路の再建に重点を置いている。

NGOは、米軍とともに行動するのを嫌がる。しかしアメリカは6月までにPRTを16に増やし、そのうちの11を南部と東部で始めたいと考える。

hoonVillage life benefits US troops
Andrew North、Kabul


■タリバン、力を失うとアメリカ[040222 Daily Times]

アフガニスタンにいる米軍は、タリバンが再結成して攻撃に備えているという情報を否定した。

「タリバンはもはや大きな脅威ではない」と米軍情報官Lieutenant Colonel Bryan Hilfertyが記者会見で述べた。「戦術上の脅迫や、地域的な攻撃はできても、大きな人数を集めることはできないと思う」という。「彼らが集まれば、一度に攻撃して簡単にやっつけられる」。「彼らが集結した去年の夏、我々は何百人をも殺すことができた」。

hoonTaliban losing strength despite warnings: US
KABUL


■アルカイダと接触しようとした男、逮捕[040222 Daily Times]

Federal Investigation AgencyのSpecial Investigation Group(SIG) の高官が金曜日に、アルカイダと関係があるとしてイスラマバードのある男を逮捕した。

情報源によると、この男は部族地帯での作戦となんらかのつながりがあるようだ。SIG高官は、イスラマバードのF-11から、アルカイダと接触しようとしていた男を逮捕したという。アルカイダのリーダーと、インターネットをとおして何度も接触していた男を追っていたらしい。

hoonMan arrested for contacting Qaeda
By Shahzad Malik、ISLAMABAD


■対ソ連時代の戦士、今はタリバンとして活躍[040221 Paktribune]

アフガニスタンの南東部ではハッカーニ(Jalaluddine Haqqani)の名前はすでに伝説である。しかし彼は対ソ連戦の英雄だけではなく、今はタリバンの重要人物だ。

彼は2003年3月に、オマール師によりタリバンの軍事作戦の総司令官として任命された。彼はオマール師の左手だ。ハッカーニは「オマール師のナンバー2だ」と、『AFP』とのインタビューで、タリバンのスポークスマンMohammad Saiful Adelが述べた。

「ハッカーニはパクティア、パクティカ、コーストの軍事作戦をすべて指揮している」という。Adelによると、タリバンはこの春、再び大きな攻撃をしかけようとしているという。

ハッカーニは、アフガニスタンのもっとも有名な戦士だ。89年のソ連撤退後、1991年4月にコーストを征服し、ムジャヒディンによる最初の勝利を飾った。「ガラクタ商人」を意味する“Kabari”というあだ名を持ち、スクラップとなった壊れた戦車の車体をパキスタンに売りつけた。13年経った今も、コースト南部、Zhawaの山の中にあるInzarkaiで、彼の力はまだ強大だ。

1989年、ハッカーニはアフガニスタン暫定政府のリーダーとして名前が挙がったが、92年に市民戦争が勃発したために身を引き、タリバンが台頭してきた1996年まで表舞台には立たなかった。オマール師と近い思想を持っていたために、1996年にタリバン政権によって、部族問題の大臣として任命された。常に戦場に立ち、北部同盟と戦い、1996年カブール北部のショマリ平原ではタジークを全滅させ、民族浄化を行なったとして非難されている。アメリカの攻撃も何度も免れてきたが、爆撃で負傷もした。

タリバンの「穏健」派といわれ、大パクティア(パクティア、パクティカ、コースト)の多くのパシュトゥン族を配下に置くが、ハッカニはオマール師に常に忠実だ。湾岸諸国の王室とも近く、ISIの寵児でもあるハッカーニには、スポンサーから資金がたっぷり流れる。資金は、マドラッサやモスクを作るために用いる。コーストの高官によると、コースト、パクティア、パクタィカ、ミラン・シャーを行ったり来たりしているという。

hoonAnti-Soviet holy warrior now Taliban inspiration in Afghanistan
INZARKAI


■パキスタン、部族地帯で警備を強化[040221 AP]

パキスタンはアフガニスタンとの国境沿の警備を強化し、アルカイダやタリバンに対する作戦に備えている。

9.11以後、4度目の大きな作戦となる今回は、パキスタン人女性と結婚して部族地帯、主にワジリスタンに住んでいるとみられるアルカイダやタリバンが対象となる。ビンラディンが直接の目的ではないというが、作戦を行なうことで「最大の悪」につながるカギをつかむことに、期待をかけている。「ビンラディンを追っているのではない。しかし過去の努力は、すべて彼を捕まえるためのものだった。今はアルカイダの残党を捕らえ、彼についての情報を引き出そうとしている」と、パキスタンの諜報部高官が述べた。

部族地帯の警備を強め、容疑者が逃げ出さないようにしていると、軍の情報源が『AP』に述べた。

イギリスの『Sunday Express』は、ビンラディンとその追随者たちがアメリカとイギリスの特殊部隊により、国境付近に追い詰められたと報道した。「2人のアメリカ人情報源」――共和党員と諜報部――から得た情報として同紙は、ビンラディンはアメリカのスパイ衛星にモニターされ、10マイル四方の範囲にいるという。

土曜日、パキスタンの情報相Sheikh Rashid Ahmedは『AP』に、彼が知っている限り、ビンラディンは「追い詰められて」ないという。「そのような情報はない」と述べた。

hoonPakistan Boosts Security in Tribal Areas
By MUNIR AHMAD、ISLAMABAD


■パキスタン、原理主義聖職者の行動を制限[040221 Reuters]

パキスタン政府は、シーア派が聖なる月Muharramを迎える来週から90日間、300人以上の原理主義聖職者たちに、地元を出ることを禁止した。シーア派のモスクも、厳戒体制をとる。スンナ派は、月曜日から始まるMuharramをイスラムの精神に反すると考えている。

hoonPakistan bans hardline clerics from travelling
KARACHI


■9番目の学校、破壊される[040221 BBC]

パキスタン北部でここ5日の間に、9つの学校が攻撃され、壊された。地元高官は、女性教育に反対するイスラム過激派の犯行だという。

8つの学校は女子校だったが、最後に放火されたチラスの学校は、男子校だったという。3人が逮捕され、これまでに逮捕された者は全部で20人になった。

ほとんどの学校が外国のNGOの援助で設立された学校である。

garrNinth Pakistani school destroyed


■アフガン、パキスタン、アメリカ、春の作戦開始[040221 Daily Times]

パキスタン軍、米軍、アフガン国軍がパキスタンとアフガニスタンの国境付近で、大きな作戦を開始しようとしている。参加国の軍幹部が4月にイスラマバードで会合をもち、計画を決定すると、情報源が『Daily Times』に述べた。

「パキスタン軍は米軍と協力して、パキスタンの部族地帯で小規模な作戦を実施している」と情報源は述べる。水曜日に米軍司令官Lieutenant General David Barnoがラワルピンディを訪れ、部族地帯とともにアフガニスタンにおける作戦について、パキスタン軍幹部と話し合った。

情報源によると、アルカイダとタリバンに対する春の作戦の内容はほとんど決定しているが、開始時期はまだ不明だという。「Barno将軍のパキスタン訪問は通常のもので、パキスタン軍と親密になるためのものだった」という。Barno将軍が今回の作戦を指揮し、パキスタン軍とアメリカに支援されたアフガン軍が、国境を挟んだそれぞれの領土で作戦を行なう。しかし必要であれば、どちらも国境を越えることができるという。

「我々はアフガニスタン側で、パキスタンから逃げてきたアルカイダを捕らえる。その反対も同じことだ」と、Barno将軍に同行した米軍高官が述べた。情報源によると、アメリカはパキスタンの部族地帯とアフガニスタンの地域再建チームを、今年の夏までに11から16に拡大するという。このチームはそれぞれ80から200人のメンバーからなり、軍、諜報組織、人道的再建技術者で構成される。

これと関連する展開のなかで、南ワジリスタンの行政府は金曜日に、スモークガラスを用いた車輌に、その取り外しを命令した。また飛行場に通じるWana Roadの使用も禁止されたという。テロリストは移動するときにスモークガラスの車輌に乗るために、取り締まりは効果的であるはずだという。Azam Warsakの商店街では、車輌を使用することも禁止された。ワナ空港も閉鎖され、軍事作戦で用いられる戦闘機が飛行場として使用するようだ。

ワナでは、軍事作戦が開始されるという噂が広まっている。「いつ開始されてもおかしくない。将来が不安だ」と、ワナの店員が『Daily Times』に語った。「いつものように無実な者が犠牲になり、犯罪者は逃げる」。政府高官は、ワナとイスラマバードで秘密の会合が開かれている、と語った。

南ワジリスタン行政区の行政官Muhammad Azam Khanは、軍はテロリストに対する作戦で行政側を援助する、という。しかし、いつ作戦を開始するかは決定されてなく、部族長との話し合いが続いているとも述べた。「テロリストの隠れ家と、匿っている人々を攻撃する」という。

《作戦は大袈裟になっている》

パキスタン軍情報官Major General Shaukat Sultanは金曜日に、ワナの作戦は大袈裟に報道されていると述べた。Sultanは、パキスタン軍はワナの塹壕や崖に配備され、800キロに及ぶチャマンの国境は封鎖されたと述べた。またワナで米軍がパキスタン軍と一緒に作戦に参加することはないと否定した。「パキスタン軍だけがパキスタンの国土で、テロリストに対して行動する」という。また米軍の戦闘機が、南ワジリスタンに向けて飛行したという噂も否定した。

hoonAfghan, Pakistani, US forces set for spring offensive
By Amir Rana and Iqbal Khattak、LAHORE


■タリバン、アフガニスタンで新たな攻撃を予告[040221 Daily Times]

タリバンはアフガニスタンにいる米軍と同盟軍に新たな攻撃を開始すると、原理主義運動の代表と名乗る男が『AFP』に表明した。

コーストで行なわれたインタビューで、以前も武装グループの情報を提供していた男が、ビンラディンとオマール師は2人ともアフガニスタンで暮らしていると述べた。

ビンラディンとザワヒリは2人ともアフガニスタンで生きており、別々の場所にいるとMohammed Saiful Adelがコーストで『AFP』に述べた。またムジャヒディン戦士のハッカーニはタリバンの司令官となり、軍事作戦を指揮していると付け加えた。「ハッカーニは個人的にパクティア、パクティカ、コーストの作戦を指揮している」という。

欧米のアナリストは、タリバンはその力を誇示し、選挙を妨害しようとしていると警告する。タリバンはヒット・アンド・ラン的な攻撃をしてくるだろうが、大きな危害を加えることができないだろうという。

garrTaliban man warns of new attacks in Afghanistan
KHOST


■軍、カイバルとモーマンド行政区間の道を完成[040221 Daily Times]

軍が、カイバル行政区とモーマンド行政区を結ぶ、19キロに及ぶhilman〜Shinpokh道路を完成した。12キロに及ぶInzari Kandao〜Choota Frontier Roadも完成し、タィラ谷には14キロのKemia Gul〜Tor Dara trackが近々開通するという。

軍の将軍はこの機会を利用し、部族民に武器を捨て、子供たちをペンの力で武装するように呼びかけた。

hoonArmy completes road linking Khyber and Mohmand agencies
PESHAWAR


■軍、Angoorに前進[040221 The Nation]

米軍とアフガン軍が南ワジリスタンやコースト、パクティア、ザーブルなどのパキスタンと接する地域にいるアルカイダや過激派に対する共同作戦を開始したのと連動して、パキスタン軍は南ワジリスタン各地で異例な作戦を開始した。

軍は、この地域においてスモークガラスを用いた車輌の使用を禁止し、その取り外しに全力を注いでいる。何百という兵士がワナからAngor Addaに移動し、アフガニスタン側では米軍とアフガン軍がAngor Addaのチェックポイントから10キロ離れたMacha Dad Kotに集結した。

この異例な軍事作戦の結果、アルカイダと関係がある数多くの長老や宗教者たちが地下に潜った。

いっぽうTribal Affairs in Governor SecretariatのBrig(Retd)Mehmood Shahがワナに入り、過激派やテロリストに対する作戦を見守っている。ある高官によると、アフガニスタンからパキスタンに入ってくる容疑者たちを逮捕しようとしているという。

hoonTroops move towards Angoor
WANA


■パキスタン人、核の容疑者との関係を認める[040220 AP]

アメリカの裁判所の書類で核拡散の首謀者と取り引きをしたことを認めていたパキスタン人が、犯罪は何も犯してないと『AP』に述べた。

フマユーン・カーン(Humayun Khan)は、1月にデンバーで逮捕されたイスラエル人、アシェール・カルニ(Asher Karni)の捜査から浮上した。カルニは、アメリカで核兵器のトリガーを購入してパキスタンに輸出しようとして、逮捕された。

カーン氏は、自分の会社はパキスタン軍のためにハイテク機器を輸出していることは認めたが、それは軍の修理所で用いるためのものだったと主張する。一般の会社やパキスタン教育省のためにも、物資を供給しているという。

カーン氏は、自分が不正な武器を扱っていたとしたら、家族が所有する会社Pakland PME Corpを堂々と用いるはずはないという。「核システムの何かがほしいと、自分自身の名前を使ってこの男のところに行くと思うか。突拍子もない」。

カーン氏は『AP』に、2002年7月にカルニ氏が所有する南アフリカの会社に4580ドル払い、特殊なパワー・サプライ装置を買ったことを証明する書類を見せたが、これは一般向けのものだったという。後に2003年7月にもカルニ氏から飛行場で使用する磁力計を購入しようとしたが、そのときカルニ氏があまりいい評判を持たないこと、またイスラエル人であることを突き止め、中止したと述べた。パキスタンとイスラエルは外交を持たず、パキスタン人はイスラエル人と商売をすることを禁止されている。カルニは、自分はパレスチナ人だと述べたという。(中略)

アメリカの裁判所の記録によると、カルニ氏はオレゴンの会社Tektronix Incに、パキスタン向けにオシロスコープを購入できるか、問い合わせている。会社はアメリカの輸出許可書を提出するよう、要求したという。カーン氏によると、彼の会社はパキスタンのTektronixの代理店であり、カルニ氏に会社にコンタクトをとるよう頼んだことはないと述べた。自分のe-mailはコンビュータ・ウィルスに冒され、すべて失ったために、自分の無実を証明できるものはないという。

smellPakistani Admits Ties to Nuclear Suspect
By PAUL HAVEN、ISLAMABAD


■不正輸出と関係したパキスタン人、軍と関係する[040220 New York Times]

アメリカからパキスタンに、高速スイッチを密輸しようとした嫌疑がかけられているパキスタン人ビジネスマンは、長期にわたってパキスタン軍と関係していたことが、アメリカの裁判所の記録とインタビューから判明した。このスイッチは、核兵器のトリガーとしても使用される。

パキスタン人ビジネスマンHumayun Khanはインタビューで、彼と父親は20年にわたってパキスタン軍に装置やテクノロジーを提供していたと述べた。彼の事務所の住所宛てに、去年の秋に66のトリガーが出荷されていた。カーン氏は、アメリカ製のトリガーをパキスタンに密輸したことはないという。

「私の住所であることは間違いなく、すべてが私と私の会社Pakland P.M.E.を指している」とカーン氏は述べる。「率直にいって、これらの取り引きをしたいと思ったら、自分の会社を使うほどばかではない」。

しかしカーン氏が提出した書類によると、彼は制限されていたテクノロジーをパキスタン軍に供給していたことを証明する。この書類は、南アフリカ在住のイスラエル人ビジネスマン、カルニ(Asher Karni)に関する裁判の際に、浮上した。彼は1月1日にデンバーで逮捕され、南アフリカ経由でパキスタンに精巧なスイッチを不正輸出した罪に問われている。

アメリカ政府は、2003年6月から9月にかけて、カーン氏はカルニ氏に何度もe-mailを送り、トリガー・スイッチを要求したと述べる。スイッチがアメリカから南アフリカのカルニ氏の会社に出荷される前に、事件は判明した。

別のe-mailでは、2003年5月から6月にかけてカーン氏はカルニ氏に繰り返し、パキスタン軍のミサイル戦闘機のために赤外線照準機を購入できないか、と問い合わせていた。アメリカ政府の了解なしに、このような装置をパキスタンに輸出することは禁止されている。

カーン氏は、2002年と2003年にオシロスコープや磁力計、遠隔測定機や飛行機誘導装置をアメリカから購入しようとしていた手紙を見せた。これらの装置はすべて、一般の会社に向けたものだったという。アメリカの専門家によると、カーン氏が要求したものは、すべて軍でも使用されるものだと述べる。

パキスタン高官は、カーン氏の問題についてのコメントは避けた。カーン氏はインタビューで、彼の会社は通常学校にむけての商売をしており、パキスタン軍のために装置を購入したことは希だったという。(中略)

アメリカの捜査によると、高速スイッチはAJKMC Lithography Aid Societyという会社のために注文されたという。カーン氏は2003年12月27日付けの、このグループから来た手紙を見せた。スイッチはパキスタンとスリランカの病院に出荷されたと書かれていた。しかしこのグループのレターヘッドには、カーンのイスラマバードの事務所の住所が記載されていた。

カーン氏は、この組織がなぜ自分の事務所の住所を用いたのか、彼らが何者なのかはわからないと述べ、e-mailで接触しただけだと主張する。彼のe-mailの記録は、コンピュータ・ウィルスのために、失ったという。

カーン氏がオシロスコープを注文した会社Tektronixの情報官Alisha Goffは、カーンはパキスタンの会社を相手にした供給者で、彼の扱うものはすべて通産省に認可されているという。パキスタンにいる彼の顧客は、ほとんどが学校やテレコミュニケーションの会社らしい。カーンの会社に向けた積み荷は、すべて停止されている。

smellPakistani Linked to Illegal Exports Has Ties to Military
By DAVID ROHDE、ISLAMABAD


■マレーシアの核拡散商売[040220 AP]

マレーシアの捜査によると、カーン博士がイランに300万ドルで濃縮ウラン製造装置を売り、核兵器の闇マーケットの一環でリビアとの契約書にサインをしていたという。

タヒール(Bukhary Syed Abu Tahir)の取り調べから、パキスタンとイラン、リビアとの関係が明らかになった。マレーシア首相の息子が所有する会社や、イギリスやスイスのブローカーが、闇マーケットに参加していたようだ。

スリランカ人のタヒールは、カーン博士の核の闇マーケットの協力者の1人である。カーンはイランに300万ドルで核の設備を売り、リビアにはウラン化合物を供給したと語った。タヒールによると、リビアは1997年にカーン博士と接触し、濃縮ウラン計画の援助を乞うたという。イスタンブールでMohamad Matuq Mohamadというリビア人とパキスタン人科学者の間で、話し合ったという。

2001年頃にカーン博士はタヒール氏に、パキスタンからリビアにウランを「一定量」送ったと述べた。また遠心分離機のユニットも、パキスタンからリビアに出荷された。カーンのネットワークがリビアに直接供給できなかったものは、“Project Machine Shop 1001”と呼ばれ、機会や技術者をリビアに派遣して援助したという。 (中略)

タヒール氏は、1994年にカーン博士のネットワークに参加した。同年タヒール氏はカーン博士の指示のもとで、パキスタンから中古の遠心分離機2台をイランに送った。イランはアラブ首長国連邦の通貨で、300万ドル払ったといわれる。現金は2つのスーツケースに入れられ、パキスタン人の核兵器専門家がドバイを訪れるたびに、彼が使っていたゲストハウスに運ばれたらしい。

カーンに協力していた工作員の1人はイギリス人のPeter Griffinで、このほかにスイス人Freidrich Tinnerとその息子Urs Tinnerがいる。(中略)

あるマレーシア人高官によると、タヒール氏はマレーシアの法を犯した証拠がないために、逮捕されることはないが、厳しい監視下に置かれているという。

hoonReport Reveals Malaysia Nuke Trafficking
By ROHAN SULLIVAN、KUALA LUMPUR


■ビンラディン、カナヅチと危険な場所に挟まれて[040220 Asia Times]

(前略)“Hammer and Anvil”と名づけられた米軍のビンラディンの捜索は、アフガニスタンとパキスタンの国境で実施される。パキスタン側は、南北ワジリスタンが焦点となる。国境の片方には米軍とNATO軍が、片方にはパキスタン軍が配置されると、ある情報源が『Asia Times』に語った。「今回は、大きな、長い作戦になる」。作戦のもうひとつの面は、パキスタン軍内にいる「アルカイダとタリバン擁護者を一掃することだ」とこの情報源は述べる。

アラブ人Waleed bin Azmiと何人かのウズベク武装団が、カラチで逮捕されたあと、この動きが始まった。何十人もの武装団が逃亡したが、逮捕された者はFBIに引き渡された。その結果、工作員たちはワナ付近で捕まったにもかかわらず、パキスタン軍高官が逃がしたことがわかった。工作員たちはカラチに逃げたが、地元警察の諜報ネットワークにより逮捕された。

アメリカはこの事実をムシャラフに突きつけた。これまでもこのような事実は暴露されているが、今回は工作員たちを逃がした高官を処分し、イスラム過激派とパキスタン軍高官との関係の取り調べに、アメリカが参加することを要求した。軍高官何人かが逮捕される予定だ。同じような事件が去年も起こり、Lieutenant-Colonel Khalid AbbassiとあるMajor Attaが逮捕されている。

《振り上げられたカナヅチ》

国境での作戦は、しぱらくの間続く予定だ。パキスタン軍は部族リーダーに対決し、アルカイダを匿ったら処罰すると脅迫している。これはイスラマバードの手が及ばない地域での、非常にデリケートな問題である。「パキスタン軍は部族民たちに対決し、この地域の行動に責任をもたせようとしている。これはこれまでにないことだ」と米軍のBarno将軍は述べた。

今回の米軍の新たな作戦は、アフガニスタンのコーストで開始された。ムジャヒディンのリーダー、ハッカーニを取り締まるためだ。彼の影響は、コーストから北ワジリスタンにまで及ぶ。北ワジリスタンからアフガニスタンのクナール州は、ヘクマチアルの地域だ。これまでの作戦のように、目標を定めて短期間で行なうのではなく、今回の作戦はすべてのアフガンの抵抗運動を根絶することにある。もちろん、究極の目的はビンラディンの逮捕だ。NATO軍がアフガニスタンの拠点に配置され、パキスタンから抵抗分子たちが逃げてくるのを捕らえようとして待ち構えている。あとはパキスタンがパキスタン側で、やるべきことをやるだけだ。

そしてアメリカも用意周到だ。アメリカのCIA長官テネットは、最近非公式にイスラマバードを訪れた。彼の一行が地元のホテルに滞在する間、テネットはアメリカ大使館に滞在。パキスタン高官やISIの長官と密かに会った。この会談について詳しい情報源が『Asia Times』に語ったところによると、部族地帯での作戦が詳しく話し合われたという。そしてビンラディンとオマール師を捕らえるために必要であれば、「完全な戦争」も考えられるという。

アメリカがアフガニスタンを去ろうとしているこの時期――アフガニスタンの選挙は遅延される可能性がある――この大規模な作戦がもし失敗したら、アメリカはさらに泥沼に陥る危険性がある。

smellohBin Laden between a hammer and a hard place
By Syed Saleem Shahzad、KARACHI


■部族民、米軍の作戦についてパキスタンを警告[040220 Daily Times]

行政官と軍高官がアルカイダに対する計画を話し合った際、部族民がパキスタンと米国に、南ワジリスタンで軍の作戦を開始しないよう警告した。

部族民たちは、アルカイダはこの地域にはいないと主張した。「パシュトゥンの諺に『日中は残酷な者のものであったなら、夜中は貧しい者のもの』というのがある。先月、軍が日中作戦を行なった。部族民は夜、軍を攻撃して復讐した」と、Khojelkhel枝族の長老Malik Behram Khanが電話で『Daily Times』に語った。

Khan氏によると、行政側は以前は「自由の戦士」といわれ、今では「テロリスト」と呼ばれる人々と関係ある部族民を標的にしているという。彼は、Ahmedzai族が行政に協力しなかったというのは、真実ではないという。「Zalikhel枝族は行政が望むていどには協力的でなかったかもしれない。しかし残りのAhmedzai族は協力的だった。私の氏族は、要求されていた12人すべてを引き渡した。軍事的解決は望まれてない」という。

なぜ残りの容疑者が投降しないのかと尋ねたところ、信頼の問題だと答えた。「軍は親米だ。もし投降したら、政府はアメリカに引き渡すと信じられている」。

部族長Nisar Ahmed Wazirはワナから電話で、「この状況は、我々がアフガンのジハードを戦うよう要求されたとき以来、25年間続いた。そう簡単に解決する問題ではない」と語った。彼もまた、アルカイダがワジリスタンにはいないと主張した。「何人かはいるかもしれない。しかし彼らは年寄りで、ISIが雇った者たちだ」とWazir氏は述べる。「我々は、ジハードやジハード志願者を支持していることで罰せられている。しかしそれは政府が要求したことであり、アメリカのドルのためにやったのだ」。

ある情報源によると、今回は正確な諜報情報が重視されるだろうという。「軍はアルカイダが隠れている地域を攻撃する。目的地では容疑者や外国人が捜索される。すでに重要地帯が挙がっている」という。

ある部族民からの情報によると、アルカイダは逃走中で、行政側が思っているほど作戦は成功しないという。「彼らが思っているように、一ヵ所に隠れてはいない。追われていることを知っているからだ」。ある高官によると、作戦はいつでも開始される準備が整い、いつになるのかはまだ秘密だという。必要であれば、軍も参加するという。Malikがワナのレポーターに、アメリカ人はこの作戦にはかかわっておらず、パキスタン軍だけで行なっていると述べた。

hoonTribals warn Pakistan and US against military operation
By Iqbal Khattak、PESHAWAR


■100人以上のタリバン、アフガニスタン南部で再結成[040220 The Nation]

100人以上の武装したタリバンがアフガニスタン南部の山岳地帯で再結成していると、金曜日に地元高官Hajji Hashimが述べた。タリバンはザーブル州に集まっているらしい。

「昨日、Arghandab、Khak Afghan、Daychopanから、100人以上の武装したタリバンがMazinの山地に集まった」と、村の副知事Hashimが金曜日に『AFP』に述べた。Hashimはこの件に関してザーブル州知事と話し合ったという。「大きな脅威だ」。

Mazinでは70〜80人の兵士たちが警備にあたっている。「タリバンが攻撃してきたら自分たちを守ることはできるが、タリバンを攻撃することはできない」。「この地域にはタリバン共鳴者たちがたくさんいる。アメリカ人たちは、この地域をパトロールしていない」。

garrOver 100 armed Taliban re-group in southern Afghanistan
KANDAHAR(AFP)


■米兵とアフガン兵、コーストでアルカイダ捜索開始[040220 The Nation]

コーストで、パキスタン人6名を含む18人が、タリバンに対する作戦で逮捕された。

米軍とアフガン軍が、コーストの近くのBangi DaarとGurbaz地域で作戦を行なった。ワジリスタンとクラム行政区からの情報によると「木曜日の早朝、Bangi Daarと Gurbaz地域を焦点に、作戦が始まった」という。外国人を捜しているらしい。アフガニスタン側ではクラム行政区から15キロのあたりに、新たなチェックポストが設置された。米軍とアフガン軍がこのチェックポストで作戦を監視している。アフガン軍の司令官Ghaffarも、作戦が開始されたことを認めたが、詳細は避けた。

部族民からの情報では、作戦初日に18人が逮捕されたという。中には6人のパキスタン人も含まれ、アフガニスタンに不法に滞在したことで逮捕されたという。逮捕されたパキスタン人は商人で、ビジネスでこの地域に滞在していたといわれる。残りの12人はアフガン人で、多くは不法に武器を持っていたことで逮捕されたらしい。アルカイダは逮捕されていないようだ。

部族地帯からの情報によると、地上部隊は米軍のアパッチヘリコプターに援護されているという。ヘリコプターがコーストと国境付近を飛び交い、Sher Khelでは、パキスタン領内にも侵入していると報告されている。

いっぽう木曜日、コーストで爆弾が爆発して米兵2人が死亡した。詳細はまだわからない。

木曜日に米軍のMyers将軍が、国境付近に隠れているといわれるビンラディンを逮捕するために、作戦を開始したと述べた。Myersは作戦の詳細は述べなかったが、アメリカの諜報組織はこの作戦ために「膨大な努力をした」と認めた。「彼が隠れていそうな地域がある。そこにまだ隠れている。何ヵ月も同じ地域にいるようだ」という。ビンラディンがパキスタン側にいる可能性があるか尋ねたところ、「わからない。国境地帯にいる。それがどこか、正確にはわからない」。

hoonUS, Afghan forces launch al-Qaeda hunt in Khost
PESHAWAR


■タリバン、アフガニスタンで再結成[040219 AP]

何百というタリバン戦士がアフガニスタン南部で再結成され、村人たちを脅迫し、選挙を妨害しようとしているとアフガン高官が木曜日に語った。

ザーブル州は、カンダハルから約60マイルしか離れてない。多くのタリバンがこの地域に逃げた。しかし米軍情報官は、この情報についてはコメントしなかった。「もし何百人もの戦士がいるなら、我々は彼らを殺害する」とカブールでLt. Col. Bryan Hilfertyが述べた。この数ヵ月間、ザーブル高官は一連の爆破事件や誘拐に対処するために、援助を要請している。

村人たちは、ここ数日間、ザーブルのMizanとAtaghar地方にタリバンがいるのを目撃していると、州副知事Maulvi Mohammed Omarが述べた。カンダハルと隣接するMaruf地方にもいたという。400人以上のタリバンが山岳地帯で、小さなグループになって行動しているのが目撃された。

Mizan地方の行政官Haji Mohammed Hashimも、「大勢のタリバンが山岳地帯に出没している」と述べた。「政府に対してジハードを戦うよう、人々に広めている」という。

ザーブルで目撃されたタリバン司令官の中には、10月にカンダハル刑務所から脱獄した有名な戦士Mullah Qadirもいた。

garrTaliban Regrouping in Southern Afghanistan
By NOOR KHAN、KANDAHAR


■パキスタンの武装組織、女子校7校を爆破[040219 Reuters]

イスラム武装組織が、パキスタンの北部で7つの女子小学校を爆破した。

北部の山岳地域で爆発はあったが、負傷者はいなかった模様だ。女子が学校に行くことに反対する勢力の仕業だという。「人口の大半は女子教育に賛成しているが、反対する者がわずかにいる」とある高官が述べた。「約100のコミュニティー・スクールがあるが、今回の攻撃にもかかわらず、女の子たちは学校に通っている」。

警察によると、事件と関連して16名を逮捕したという。Diamir地方で6件、チラスで1件爆破事件があった。

garrPakistani militants dynamite seven girls schools
ISLAMABAD


■パキスタンの核スキャンダルの根、ヨーロッパに[040219 New York Time]

カーン博士は核の秘密を輸出したことで欧米では評判が悪いが、そもそもこの商売はイスラマバードではなく、欧州で始まったことが、裁判所の記録から判明した。

この記録を見ると、何十年も前から核テクノロジーが欧州から輸出されていることを、企業の科学者や諜報組織は知っていたことがわかる。パキスタンに核開発計画に必要な材料や知識、設備を与えていた供給者やブローカーたちは、欧米の濃縮ウラン業界においては、有名な人々である。そのうちの何人かは、不正な輸出をしたことで訴えられている。

核拡散は、欧州がアメリカから独立して核を持とうとしたこと、核兵器のテクノロジーに対して警備が甘かったことに根ざす。諜報組織がパキスタンは信用できないと警告していたにもかかわらず、欧州政府の中には、パキスタンの核開発を援助し続けていた国もある。

カーンの商売から浮上した名前の1人に、スイスの技術者、Urs Tinnerがいる。彼はマレーシアの工場で、遠心分離機の部品の生産を監督した。この部品は、リビアに出荷されるものだった。Tinner氏の父親Friedrich Tinnerも技術者だが、1970年代には国防省の査察を、さらに最近はスイスの輸出管理と国際原子力機構の査察を受けたことがある。パキスタンとイラクに、濃縮ウランを作るために必要なテクノロジーの輸出した疑いがかかったからだ。

Friedrich Tinnerが1970年代にVakuum-Apparate-Technik(VAT)で輸出の管理をしていたとき、パキスタンが核に用いられると疑われる部品を輸出したとして、会社が国防省の査察を受けた。その後彼は自分の会社、PhiTec AGを立ち上げたが、1966年にイラクに濃縮ウランを作る遠心分離機のバルブを輸出しようとして、スイスの査察を受けた。しかしTinnerは、法を犯すことはなかったという。

問題はイギリス、ドイツ、オランダが、アメリカと離れて、共同で遠心分離機の開発を始めた1970年に遡る。翌年、Urenco(Uranium Enrichment Company)が設立された。(中略)そしてカーンはここから遠心分離機の設計図を盗み出し、遠心分離機に関連する部品の供給者のリストを持ち、1975年にパキスタンに戻った。アメリカはただちに、カーンが「買い物」を始めることを予測した。そしてカーンがUrencoのネットワークを使い、以前の学友や友達をエージェントとして用い、欧州からパキスタンに部品が流れていることを察知した。

オランダ政府は1976年に、2つのオランダの会社がパキスタンに6200もの部品を輸出したことを突き止めた。政府は1983年にオランダの裁判所に、カーンが設計図を盗み出したことを訴えたが、これは却下された。1987年、ドイツの会社がパキスタンに、核兵器のパワーを強めるために必要なトリチウムを回復させるための設備を輸出。この設備を使うためにパキスタンに派遣された2人のドイツ人は、罰せられた。

しかしテクノロジーはさらに輸出されているようだった。1984年にイラク、イラン、北朝鮮がUrencoから盗まれたウラン濃縮設備を受け取った可能性がある。1989年にドイツのMAN New Technologyで働いていた2人のエンジニアBruno StemmlerとKarl Heinz Schaab、さらにUrencoの1人が、イラクに遠心分離機の開発計画を売った。彼らは装置を動かすため、バグダッドにも出かけていった。Schaabは後に罰されたが、1年投獄されただけだった。Stemmler氏は裁判に懸かる前に死亡した。(中略)最近になってドイツの税関は、北朝鮮に向けて輸出されたドイツ製の高張力ウラニウムチューブを見つけ出した。これはUrencoのものと同型だった。

イランに部品を供給した者のリストの中に、Henk Slebosがいる。彼は1960年代にカーンとともにベルギーで学んだ男だ。1980年代にSlebos氏は遠心分離機をテストするために用いるオシロスコープを、パキスタンのカーンに輸出しようとして逮捕され、1985年に処罰された。1988年には再びパキスタンに「二重に使われる」部品を輸出しようとして、輸出を差し止められた。去年の9月、パキスタンでカーンが計画したシンポジウムのスポンサーの1人に名を連ねている。彼はまだカーンと商売をしているようだった。

smellRoots of Pakistan Atomic Scandal Traced to Europe
By CRAIG S. SMITH、Paris


■ドイツの科学者、パキスタンへの輸出で取り調べられる[040219 Daily Times]

ドイツの科学者がパキスタンに、核兵器計画に用いられた疑いのある装置を輸出した可能性があるとして、取り調べを受けている。

ある男が、去年の11月にパキスタンの会社に分光解析システムを輸出したという。

hoonGerman scientist quizzed over supplying Pakistan
BERLIN


■アフガニスタン、動き出す[040219 Asia Times]

アフガニスタン史の最終章で、2人のアフガン人が、1人はコーシュトで、もう1人はクナールで焦点を浴びている。伝説的な司令官ハッカニ(Maulana Jalaluddin Haqqani)と、Hezb-i-Islami Afghanistan(HIA)のヘクマチアルだ。イスラマバードの情報源によると、春になればコーシュトでまず抵抗運動に対する作戦が展開するという。すでに部族長や軍閥たちと交渉し、中立な立場を取るという保証を得ているという。抵抗運動はハッカーニが指揮し、サイフラー・マンスール(Saifullah Mansoor)などのアフガン人司令官とともに戦うことになる。

この攻撃が始まるにあたってアフガニスタンでは、さらに自爆テロが実行されるだろう。ヘクマチアルや彼の腹心の部下“Engineer” Kashmir Khanが最近クナールで集い、計画を練ったといわれる。

欧米の組織に通じる諜報官が『Asia Times』に語ったところによると、「3人から4人で形成される自爆テロ軍団が組織され、同盟軍を攻撃するようだ。同時に、欧米のNGOも標的となる。目的は、アフガニスタンから欧米人を一掃することだ」。このインタビューの直後、タリバンがアフガニスタン西部で、アフガン人援助活動家を殺害した。

『Asia Times』の情報源によると、抵抗分子の春の攻撃は、タリバンとHIAのメンバーが協力して行なうという。これは、今までにないことだ。米軍による空からの攻撃を回避する作戦も、練られているという。

《同盟軍の反応》

NATOの軍がパキスタンの北ワジリスタン行政区の向かいで、待ち構えている。Miran Shahの郊外では、特殊な諜報設備が導入されているという。NATO軍はコーシュトとクナール渓谷を孤立させ、抵抗運動の春の攻撃を防ごうとしている。

武装団の攻撃が増えてきたために、アメリカは外交的な解決法も模索している。これに関して、パキスタンは大きな役割を果たす。ワシントンが核の拡散に対してパキスタンに圧力をかけなかったのは、このためでもある。

パキスタン高官によると、Miran Shahの部族長たちはコーシュト付近でハッカーニと会い、アメリカに休戦を申し込むよう助言した――抵抗運動を止めれば、政治に加えてやる、と。しかしハッカーニはこれを拒否。しかし高官は、これが彼の最後の答えではないことを期待している。

同時にパキスタンのグループは、Miran ShahでHIAのメンバーと会った。HIAに選挙に参加する資格を与え、ヘクマチアルも参加できるというのだ。ヘクマチアルの義理の息子Dr Ghairat Baheerも釈放されるという。Ghairatはイスラマバードを根拠地とし、HIAの政治面を切り盛りすると同時に、報道官を勤めていた。2001年の終わりに、ヘクマチアルの代理人としてタリバンとともにアメリカと対戦することに同意、調印した。その後アメリカとISIの共同作戦で逮捕され、バグラム空港に連行された。

ヘクマチアルとHIAは今後この申し出をどうするか、考慮する必要がある。彼の決定は、今後のアフガニスタンに大きな影響を与えるだろう。有名なムジャヒディンが抵抗運動をやめて政治の主流に加われば、他の抵抗分子のリーダーも彼に従うだろう。特にカンダハル、ジャララバード、クナールでは、HIAの影響が強い。同時にヘクマチアルは、アフガニスタン北部でも大きな支持を得ている。さらにカルザイ政権に参加している重要なアフガン人高官の多くは、いまだにヘクマチアルに忠誠を誓っている。したがって、彼がつく側に彼らも従うだろう。

簡略的にいうと、もしヘクマチアルが「崩れ」れば、すべての抵抗運動がトランプのカードのように崩れる。ヘクマチアルは頑固な性格で有名だが、政治権力を渇望している(彼はタリバン出現前は、短期間だが首相だった)。

もしヘクマチアルがアメリカの申し出を拒否すれば、彼はアフガニスタンの土地を熟知しているし、反ソ連時代はアメリカの寵児だったことや、今はテロリストであることなどから、アフガニスタンの全面戦争は現実的になる可能性が出てくる。さらに悪いことに、今回の戦争はパキスタンの領土でも起こり得る。テロリストたちの温床を払拭し、補給源を切り離すためだ。ヘクマチアルは多いに悩みそうだ。

garrAfghanistan: When push comes to shove
By Syed Saleem Shahzad、KARACHI


■FBIの存在はパキスタン各紙の報道より小規模[040219 Daily Times]

FBIのRobert Muellerは火曜日に、パキスタンにおけるFBIの存在は、パキスタンの新聞で報告されているほど多くはないと述べた。

「それほど多くはいない。パキスタンの新聞が主張するほどはいない。したがってパキスタンでの存在は、欧州や南アメリカなど、その他の国々と同じような人数だ」。

『Daily Times』が、アルカイダは現実に存在するものというよりは包括的な名前ではないかとMuellerに聞いたところ、「アルカイダと言うときは、アルカイダ、あるいはビンラディンを意味する。アフガニスタンからはアルカイダはすでに取り除かれ、散り散りになった。しかし彼らはさまざまな国に存在し、アルカイダやビンラディンの教えを守る組織はある。これまでほど活動することはできなくなっている。しかしまだ活動している者たちがいる」と答えた。

hoonFBI presence smaller than reported in Pakistani press
By Khalid Hasan、WASHINGTON


■軍、南ワジリスタンでの捜索の準備完了[040219 Daily Times]

水曜日に南ワジリスタン行政府は、アルカイダやタリバンに対する捜索はいつでも開始されると警告した。

ワナの行政官Rehmatullah Wazirが『Daily Times』に、「南ワジリスタンで行なわれる外国人に対する作戦は、すぐにでも始められる」と電話で述べた。行政側は、容疑者を引き渡すための期限をこれ以上は延期しないという。Ahmedzai族には、外国人の存在が報告されたら、すぐにでも作戦を開始すると警告したという。「今のところ、準軍隊と部族警察Khasadarsが作戦に参加する」と付け加えた。作戦の初期段階で軍が準軍隊と部族警察を援助し、後になって米軍が参加するという情報は否定した。

「外国人を匿ったものは7年の刑に服し、150万ルピーの罰金を申し渡す。部族全体も100万ルピーの罰金が課される」という。さらにFATAの外で所有する部族民の財産は没収され、資産は凍結されという。

FATAの警備長Brig(r)Mehmood Shahが水曜日にワナに急行し、南ワジリスタン行政官Muhammad Azam Khanと軍高官に会った。「通常の訪問だ」と、行政官のRehmatullahは述べた。

smellArmy ready to search South Waziristan
By Iqbal Khattak、PESHAWAR


■タリバン300人、アフガニスタンで自爆テロの準備[040218 Paktribune]

タリバン情報官が、アフガニスタンの各地で何百人というタリバンが自爆テロをする準備をしていると述べた。

タリバンの情報官Saiful Adilが『Radio Tehran』に語ったところでは、カブール、ザーブル、パクティア、パクティカ、コーシュトで、約300人のタリバンが米軍と同盟軍に対して攻撃をする準備をしているという。

情報官は、アメリカはタリバンと数回交渉しようと申し出たが、タリバンのリーダーはこれを拒否したという。アフガニスタンで十字軍の攻撃をした者とは、いかなる取り引きもしないと断わったという。

hoon300 Taliban ready for suicide attacks in Afghanistan
KABUL


■タリバン司令官、アフガニスタンの選挙を脅迫[040218 Reuters]

タリバン幹部が水曜日に、今年行なわれる選挙に参加するアフガン人は攻撃されるだろうと脅迫した。

タリバン司令官Mullah Dadullahはアフガン人に、選挙に参加しないよう警告した。「アフガニスタンの人々は選挙に参加するべきではない」。「参加したら、タリバンの攻撃を受けるだろう」。

現在、選挙人の登録は大幅に遅れ、1050万人のうち、100万人が登録されたに過ぎない。特にアフガニスタン南部は治安が悪いために、登録が進んでない。

Dadullahは、アメリカを援助して働くイスラム教徒を今後標的にし、米軍やNATOに対して自爆テロを行なうと警告した。「米軍と国際治安支援部隊がいる所では、どこであろうと自爆テロを行なう」。「アメリカや非ムスリム同盟軍のために働いているイスラム教徒を殺害する」。「我々はイスラムで国家を建設する。道路で建設するのではない。彼らは道路を建設するごとに、300人のムスリムを、非ムスリムにしていく」。

hoonTaliban commander threatens Afghan elections
By Mirwais Afghan、KANDAHAR


■ムシャラフ、過激派に対抗のため聖職者に援助を乞う[040218 Reuters]

ムシャラフ大統領は水曜日に、イスラム過激派を取り締まり、アルカイダやタリバン容疑者を引き渡すよう部族長たちを説得するために、イスラム学者たちの支持を求めた。

またテロリストの温床であり、核拡散に巻き込まれていたという世界の認識を崩さなければ、社会的に追放される恐れがあると警告した。

「テロリズムと過激派に対して、行動しなければならない」と、イスラム宗教者会議で発言した。「イスラムがテロや過激派を擁護する宗教ではなく、平和を愛する宗教であるというメッセージを発する必要がある」。もしこのイメージを変えることができなければ、世界的な制裁を受け、部族地帯は攻撃され、核に対する制裁も受ける恐れがある、とも述べた。

パキスタンはアメリカの圧力により、この数ヵ月間、アルカイダとタリバン戦士たちに対する取り締まりを強化してきた。ムシャラフは、イスラム過激派を取り締まらないかぎり、パキスタン自体が攻撃される可能性があると述べた。「もしパキスタンがテロを続けているというイメージをぬぐい去ることができなければ、米軍が爆撃を始める」と、アフガニスタンにいる米軍について述べ、「そうしたらどうしたらいいだろう。あなた方しだいだ」と呼びかけた。

部族長たちには、部族地帯に隠れている過激派を引き渡すよう要求したという。「彼らを引き渡せば、彼らは第三国に引き渡されることはないと約束する」。

smellMusharraf seeks clerics' help against extremism
By Zeeshan Haider、ISLAMABAD


■パキスタンの原理主義の宗教学校、タリバン崩壊を「嘆く」[040218 Daily Telegraph]

パキスタンの宗教学校、Dar ul-Uloom Islamia Madrassahの教室では、教師と先生たちが胸を痛めている。「我々はタリバンの崩壊を嘆いている」と宗教学校のリーダーMaulana Gouhar Shahは述べる。「彼らのために、まだ涙を流している。兵士や支配者として、タリバンは立派に人々を治めていた」。(中略)

2年近く前、ムシャラフ大統領は宗教学校から過激派の影響を取り除こうとし、広範囲な教育を含む、現代的なカリキュラムを導入するよう要請。生徒150万人を抱える1万校に、2002年までに改革を行なうように要求した。しかし、Dar ul-Uloom madrassahには何の変化もない。

「政府は我々のカリキュラムを改革したがっている。政府の学校のようにしたがっている。しかし我々は、これを受け入れるつもりはない」。53年の歴史を持つShahのマドラッサは1000人の生徒を抱え、パキスタン最大の、そして最古のマドラッサのひとつだ。彼は、マドラッサはイスラム過激派の温床であるという噂を、強く否定する。「我々の目的は生徒たちに宗教教育を授け、生徒たちが洗練された良い人間になること、両親を敬う、良い市民になるように教育している」という。「社会が平和であることを望んでいる」。

それでも、タリバンはマドラッサから誕生した。Shahの学校からは、有名なタリバン司令官Jalal Uddin Haqqaniが生まれている。タリバンが瀕死の状態のとき、マドラッサは志願者たちを送り出し、タリバンのために戦わせた。彼もそうしたかどうか尋ねるとShahは、「もちろん。でも、それについては書かないでほしい」と述べた。

しかしShahは、今は生徒たちにアメリカと戦うようには奨励してないという。「まだそれだけの力がない。まだ9.11を起こしたのが誰か、わからない。それが誰であろうと、非難する」という。

Shahは、イスラム神学者協会(Jamaat-e-Ulema-Islam)の議員でもある。学校では英語も教えているというが、学校の先生で英語を話せる者は誰もいない。コンピュータの授業もあるという。

2002年の世界銀行の報告によると、15から20%のマドラッサで、軍事訓練が行なわれているという。パキスタン人が20歳でマドラッサを卒業すると、ほとんどの者が武装組織に加入する。それが特権であり、目的でもあるのだ。

武装集団がパキスタン北部で、外国資本の慈善団体の活動が活発になってきたことに立腹し、女子校7校に放火したと政府が発表した。

hoonPakistan's extremist religious schools 'in mourning' for Taliban's
collapse David Blair


■パキスタンとアメリカ軍、アルカイダに対抗[040218 The News]

パキスタン軍は、ビンラディンが隠れている可能性のある地域で、部族長たちと対決している。部族民に攻撃をしかけたり家を取り壊すと脅かし、彼らから過激派の情報を引き出そうとしていると、米将軍がアフガニスタンで述べた。

Lt. Gen. David Barnoは、最近パキスタン軍が米軍の対テロ作戦と協力していることで、部族地帯で展開している“hammer-and-anvil”作戦は成功する可能性があると述べた。

パキスタンでは兵士や政府の準軍隊がここ6週間、部族長たちと話し合い、協力しなければ「家を取り壊す」などの強制的措置をとると脅迫しているという。「部族長たちと対決し、この地域での行動に責任を持たせていることは大きな前進だ」とBarnoは述べた。

パキスタンは、米軍にパキスタン国内で活動してほしくないと述べ、パキスタンの許可なくして、国内に入ることはないという。住民は、部族地帯で行なわれる作戦に外国人が同行するのを目撃したと述べるが、政府はこれを否定している。

hoonPak, US forces move against al-Qaeda
WASHINGTON


■タリバンに対する米作戦、失敗とザーブル知事[040217 Paktribune]

ザーブル州知事が、パキスタンとの国境で繰り広げられている米軍のタリバンとアルカイダに対する作戦は、今のところ失敗していると述べた。

イランのRadio Mashedによると、米軍とアフガン国軍の作戦にもかかわらず、アフガニスタンでの問題はまだ残っているという。また米軍は、パキスタンとの国境で新たな作戦を開始したという。

アフガニスタンのヘルマンド州で、タリバンとアルカイダを逮捕するための新たな作戦を開始した。Radio Mashedによると、ヘリコプターに援護された何百人もの米軍が、この作戦に参加しているという。

アフガニスタンの米中央指令は、ヘルマンドのMutakalai地方で、Mullah Dadullahを逮捕するための作戦を開始したことを確認した。

hoonUS operation against Taliban a failure so far: Zabul governor
KABUL


■米将軍、パキスタンのアルカイダに対する取り締まりを賞賛[040217 Reuters]

パキスタン軍はアフガニスタンとの国境地帯での作戦を強化し、アルカイダを掃討するための大きな一歩を踏み出したと、米軍将軍が評価した。(中略)

ペンタゴンの高官Barnoは、アメリカはアルカイダに対する春の作戦を国境付近で開始するという。ムシャラフ大統領は、米軍が国境を越えてパキスタンに入ることはあり得ないと述べた。

Barnoは、アメリカとパキスタン軍は国境の両側での合同作戦“hammer and anvil”を行ない、「アメリカは、パキスタンがパキスタン側から追い出したアルカイダ戦士たちを捕まえる」という。

hoonUS general lauds Pakistan efforts against al Qaeda
By Will Dunham、WASHINGTON


■パキスタン、2人の過激派を逮捕[040217 AP]

警察は火曜日にイスラム過激派のメンバー2人をカラチで逮捕し、440ポンド相当の爆発物を押収した。Mohammed AtharとSajid Jabbarは、活動を禁止されているLashkar-e-Jhangviのメンバーである。

警察は、2人がパール記者誘拐殺人事件と関係があると報道されたことに関しては、否定した。

hoonPakistan Arrests Two Suspected Militants
KARACHI


■パキスタン、パール殺害容疑者逮捕[040217 Reuters]

パキスタン警察は、ダニエル・パール誘拐殺人事件と関係がある2人のイスラム過激派を逮捕した。

容疑者のSajid JabbarとMohammad Atharは、過激派のLashkar-e-Jhangviに対する取り締まりの際、カラチで逮捕された。Jabbarは、パール記者殺人事件とも関係があるといわれる。「彼には50万ルピーの賞金が懸かっていた」と、警察官が述べた。Jabbarは、2002年12月に爆弾製造中に死亡し、パール記者殺害事件と関係があったAsif Ramziとも親しかったといわれる。

JabbarとAtharは、カラチで新たなテロを行なうことを計画していた。「大量の武器と爆発物を押収した」という。Atharはシンド州のLashkar-e-Jhangviのリーダーで、少なくとも10件のテロ攻撃に関わったとして指名手配になっていた。「今回の逮捕は大きな成功で、テロリストには打撃となったはずだ」。Lashkar-e-Jhangviは、タリバンやアルカイダと緊密な関係を持つ。

hoonPakistan arrests Pearl murder suspect, colleague
By Amir Zia、KARACHI


■アメリカ、タリバンは「卑怯」な戦いしかできないと[040217 Reuters]

タリバンゲリラたちは大きな打撃を受け、今や自転車爆弾のような「卑怯」な行動しかできなくなったと、カブールを訪れた国防省の高官Zakheimが火曜日に述べた。

また、アフガン国軍の穴を埋めるような、国家警備隊を組織する計画だという。約1万人が国軍兵士として訓練されたが、給料が低いことと、過酷な訓練のために脱走者が相次いでいた。しかし脱走問題は解決し、今や訓練する場所以上の志願者がいるという。

hoonU.S. says Taliban reduced to "cowardly" attacks
By Scott McDonald、KABUL


■タリバン司令官、戦いつづけることを誓う[040217 Reuters]

アメリカがタリバンを一掃しようとしても、タリバンは米軍を国から追い払うために戦い続けることを誓った。

タリバン司令官Mullah Dadullahは、『ロイター』との衛星電話インタビューに応じ、米軍の作戦は「ジハードの活動」を止めることはできないと述べた。またタリバンはアメリカが支援するアフガン政府と話し合うことはないという。「アメリカが国を去るまで、タリバンは誰とも話し合う意志はない」。「アメリカはタリバン政府を崩壊させるために、何千という無実なアフガン人を殺した。無実なアフガンの子供たちさえも殺した。アフガン人の虐殺は、いまだに続いている」。

Dadullahは去年、エルサルヴァドール出身の赤十字職員を殺害。タリバン支配の最中には、大虐殺を行なっている。またバーミアンの大仏を爆破したのもDadullahである。

hoonNotorious Taliban commander vows to fight on
SPIN BOLDAK


■核のループから抜け出る[040216 New York Times]

パキスタンから発信されるニュースは、下手なフィクションのようだ。悪い科学者が核を輸出、感情的な告白、何も知らなかったと主張する大統領。カーンが核テクノロジーを売ったことは現実だ。そしてワシントンは、カーンの個人的な行動だったというムシャフの説明を受け入れた。

カーンの告白は、パキスタンにとってもアメリカにとっても都合がいい。アルカイダやタリバンを一掃することが、最大の関心事だからだ。しかし誰もが、政府はカーンの行動を知っていたと信じる。ムシャラフ、軍、諜報組織はみんな核の犯罪の共犯者だ。

嘘のように見えても、ムシャラフが真実を言っていることもあり得る。しかしこの行為をイスラマバード政府や軍が知らなかったことうことは、世界をいっそう不安にさせることであり、ワシントンはパキスタンに対する態度を考え直さざるをえなくなるだろう。

戦略的に、パキスタン軍、あるいは諜報部高官が、北朝鮮やリビア、イランに核を売るよう指示したとは考え難いパキスタンにとって、北朝鮮と仲良くするより、中国といい関係を保つことのほうが重要だからだ。事実北朝鮮に核を売ったことで、中国は憤慨した。リビアやイランに関して言えば、パキスタンの戦略家たちは、中東が核兵器を取得するよう援助すればイスラエルの怒りを買う結果になることを、熟知している。

しかし、カーン博士は戦略家ではない。彼は名声を手に入れたいだけだ。また彼は、政府が1970年代に組織したテクノロジーを盗み出すパキスタンのグローバルな窃盗組織の一員である。カーンは結果的に自分の活動範囲を拡大し、テクノロジーのセールスにまで着手した。彼はコールセンターを設け、核を入手する野望をもった権力者たちがここに電話をかけてきて、爆弾作りを援助されるのだ。カーンはパキスタンの新聞社を牛耳り、国家的英雄に変身していった。

問題は、軍がこのことを知っていたということではなく、彼を押え込めなかったという事実だ。その結果、パキスタンの核開発計画の一部は、政府高官、文民、軍の手の届かないところに行ってしまうところだった。

問題はパキスタン国家の性格に根ざす。ムシャラフは国を民主主義に向けて動かしていると主張する。しかしその兆しはほとんどない。それでいて彼の支配のもとで、パキスタンは独裁主義国家としても失敗しつつある。独裁国家であるなら、カーンが秘宝を売るために自由に旅することを許さなかったはずだ。ムシャラフは、細かいことを気にしない男と言われる。人の言葉に耳を傾けず、自分の能力を過大評価しているという評判だ。

従って、アメリカが彼と関係を持つことは危険になる。今のところワシントンは、テロとの戦争の同士であるムシャラフの味方についている。しかし味方につくことで、好意的ではあるが、危険が差し迫っているかもしれない男に賭けをしていることになる。ワシントンの政策は、あるがままのムシャラフを受け入れ、この問題が多い国家に経済的、軍事的援助を続けることだ。

しかしカーンが人気を持ち続けたとして、また彼の行為が文民政治の下で起きたとしたら、すぐに民主主義に戻るようパキスタンに圧力をかけることはばかげている。そのかわり、軍は少しずつ政治や市民生活から引き下がる必要がある。ムシャラフは核疑惑の責任を認め、自分の限界を認めるべきだ。それにより、彼は成長さえするはずだ。

ワシントンにとって最も重要なことは、パキスタン政府と軍が核開発計画を掌握すること、そしてしっかり管理できるように援助をすることだ。核戦略と外交を握っている者は軍の中にいる。核は弱体化した文民政府より、軍が握ったほうが安全だ。今のところ、我々は間違った質問をしている。ムシャラフや軍がカーンの行動を知っていたかどうかではなく、なぜ知らなかったのかということだ。

hoonOut of the Nuclear Loop
By STEPHEN P. COHEN、WASHINGTON


■米軍、2人の中堅タリバンを逮捕[040216 AP]

アメリカは最近アフガニスタン南部で頻発している、暴力と関わる2人の中堅タリバンを逮捕した。

米兵はヘリコプターで移動しながらヘルマンド州で急襲を行ない、40人を逮捕したという。そのうち2人は中堅タリバンリーダーだったという。残りの逮捕者は取り調べのあと釈放されると、Lt. Col. Bryan Hilfertyが述べた。

日曜日にMusaqala地方の州の長老が、逮捕されたのはMulvi Abdul GhafarとGul Aghaで、タリバン司令官Mullah Dadullahの部下だと述べた。Hilfertyは、2人がDadullahと関係があるかどうかはわからないという。

Hilfertyによると、さまざまな諜報情報にもとづいて急襲が計画されたという。

hoonU.S. Arrests 2 Midlevel Taliban Leaders
KABUL


■米軍、タリバンを逮捕[040216 Reuters]

米軍は月曜日にアフガニスタン南部で、タリバン数人を逮捕したと軍報道官が発表した。

米軍とガンシップがヘルマンド州のMusa Qila地方で急襲を行なった。発砲はなく、負傷者もいないという。この急襲は、先月から数千人の兵士を派遣して展開している“Operation Mountain Blizzard”の一環である。

約40人が逮捕されたが、その中の2人はタリバン幹部のMullah Dadullaと関係がある、中堅クラスのタリバンだという。

hoonU.S. troops detain suspected Taliban members
By Scott McDonald、KABUL


Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003, 2004.