【2004年2月23日〜2月29日】


■野党、パキスタンでの銃撃戦に抗議[040229 AP]

野党が、部族地帯で警備隊が発砲して13人を殺害したことに抗議して、日曜日、国会を退場した。

日曜日には、ワナのチェックポスト数ヵ所に、ロケット弾5砲が打ち込まれた。負傷者はいない。行政官のMohammed Azam Khanは、外国人テロリストの仕業とした。「彼らは必死だ。混乱させようとしている」という。

hoonOpposition Protests Shootings in Pakistan
By MATTHEW PENNINGTON、ISLAMABAD


■アメリカ、パキスタンでビンラディン捜索の取り引き[040229 Reuters]

アメリカはこの春、ビンラディンをパキスタンで捜索するための取り引きをパキスタンと行なったと、雑誌『New Yorker』が日曜日に報告した。

パキスタンがカーン博士を許したことをアメリカが支持するのと引き換えに、米軍兵士、数千人が部族地帯に入ると、Seymour Hershが同誌に書いた。

同誌によると、ある諜報部高官が、ムシャラフのカーン特赦を認める見返りに、パキスタン内部に兵士を送ると述べたという。この他にもムシャラフは、ビンラディン逮捕のための援助を申し出たという。「ムシャラフが我々に、『パキスタン内部に、果物、野菜、ヤギなどをビンラディンとアルカイダに提供するやつらがいる』と言った」という。

春に予定されている作戦により、アメリカのイラクでの行動の足を引っ張ることが予測されるという。アメリカの高度な訓練を受けた特殊部隊が、イラクからパキスタンに移るとも報告された。

smellohDeal for US to hunt bin Laden in Pakistan
NEW YORK


■SAS、ビンラディン捜索に参加[040229 Observer]

アメリカ軍とイギリス軍が、ビンラディンやアルカイダ幹部を逮捕、または殺すために、新たな作戦を開始した。

SASが、イラクから移動した米軍の「超秘密」特殊部隊と合流し、アフガン兵とともにテロリストたちが隠れていると思われる、広大な地域を捜索する。

この作戦は、これまでで最大規模のものである。去年は特殊部隊をイラクにとられ、パキスタンが国境を封鎖しきれなかったこともあり、捜索は進んでなかった。今のところ、この地域はまだ厳しい冬だ。(中略)

作戦は、諜報アナリストが指揮する、超秘密特殊部隊Task Force 121(Navy SEALsとDelta Force)が行なう。部隊の主力関係者は、すでにアフガニスタンに入った。さらにアメリカ人たちは、イギリスの特殊部隊の協力も得る。21 SASと23 SASが最近アフガニスタンに入り、アメリカ軍とともに行動する。無人偵察機もイラクからアフガニスタンに移った。無人偵察機は、ヘルファイア・ミサイルや強力な偵察カメラを搭載。数千フィート上空から、車や人間を追うことができる。(中略)

「重要人物」を特定するためにイラクで開発された、コンピュータ・プログラムも使用される。このプログラムは、容疑者と関連のある人物数千人との関係を明らかにし、そこから重要な情報を持つ可能性のある人物を特定する。

アメリカはビンラディンに対して「心理的作戦」も展開している。メディアにニュースを流し、圧力をかけるのだ。アメリカの諜報専門家は、サダムのように、ビンラディンはメディアを常に注目しているために、同盟軍かパキスタン軍に居場所を突き止められたと圧力をかけることで、冬の隠れ家から追い出そうとしているのだ。(中略)

アメリカの諜報部高官は、ビンラディンはパキスタンの南ワジリスタンからアフガニスタンに入ったという。オマール師は、アフガニスタン南東部で、タリバンに守られ、バイクに乗って移動しているようだ。(後略)

hoonSAS joins fresh bid to snare bin Laden
Jason Burke


■パキスタン基地にミサイル[040229 Reuters]

土曜日にワナのチェックポストにミサイルが2発撃ち込まれたが、負傷者はいない模様。

ワナ行政官のMohammad Azam Khanによると、日曜日の朝、Shulam村の軍チェックポストに、2発のミサイルが撃ち込まれた。「負傷者はいなかったが、部族民たちに犯人を捜し、関係者を引き渡すように要求した」という。

Khanは、土曜日に逮捕された16人は、全員釈放したと述べた。部族民たちは、ミニバスが攻撃されたことに関して憤慨している。

hoonMissiles fired on Pakistan military, no one hurt
By Hafiz Wazir


■アメリカ、ビンラディン捜索を強化[040229 New York Times]

ブッシュ政権は、これまでより良い諜報情報が入手できるようになったこと、天候が回復してきたこと、さらにイラクから資金を回すことで、ビンラディンを逮捕、または殺害する計画を、さらに強化するという。

この計画では、あらたな兵力と戦法を適応すると、ワシントンとアフガニスタンの高官は述べた。中心となるのは特殊部隊とCIAが協力する、Task Force 121である。Task Force 121は、フセインを逮捕した。(中略)

新たな作戦によると、アフガニスタンにいる1万1000兵は、戦術を変え、急襲を行なって基地に戻るという戦法ではなく、村に何日間も滞在し、援助やパトロールを行なう。村に長期間駐留することで、数時間内に諜報情報を受けとり、すぐに行動できるという。フセイン逮捕もこの戦術で行なった。

「フセイン逮捕から学んでいる。ここは別の土地で、我々の目標は動き回っている。しかしイラクで学んだことによると、サダムやビンラディンにとって居心地がいい場所は、それほどないはずだ」。

同様に、Task Force 121とパキスタン軍は、ビンラディンの支援ネットワークに注目している。

戦略的、象徴的に、政治的に、ブッシュと治安組織は繰り返し会合を持ち、新たな戦術を洗練させてきた。アフガニスタンの天候が悪かったこと、イラクに兵を取られていたことなどから、これまではビンラディンを捕らえる動きが鈍っていた。しかし、大統領戦の策略も関係してきた。ブッシュは選挙の影響を否定するが、彼の側近たちは、フセインとビンラディンの逮捕はブッシュにとっては有利になると言う。

金曜日に大統領候補のJohn Kerryは、ブッシュの戦略を批判した。「我々はトラボラの時よりも、ビンラディンを追い詰めているが、ブッシュは米軍に行動させず、逆に忠誠心のない軍閥たちに仕事をするように、呼びかけている」。(中略)

軍高官は、パキスタン軍からも、ビンラディンの情報が多く入るようになったという。「兵を増強するほど、情報が入ってくる」と、ペンタゴン高官が述べる。「今のところ、量ではなく、質が良くなっている。向上していることは確かだ」。

問題は、ムシャラフがどう行動するかだ。これまで彼はそれほど協力的ではなかった。しかし彼への暗殺未遂事件以来、変わったという。またアメリカがカーン博士の問題について、見て見ぬふりをした。これは「我々は、彼がパキスタンをコントロールするためには、彼の好きにさせる」というアメリカの態度を表明したことになった。 (後略)

hoonNew U.S. Effort Steps Up Hunt for bin Laden
By DAVID E. SANGER and ERIC SCHMITT、WASHINGTON


■ラワルラワルピンディで自爆テロ[040229 The News]

ラワルピンディのシーア派のモスクで、男が自爆し、4人が負傷した。

27歳の自爆テロ犯が、Jama Masjid Mualla Jaferiaに入ってきた。突然爆発が生じ、自爆テロ犯とそばにいた4人が負傷した。犯人は後に死亡した。体に巻きつけていた 爆発物が、予定より早く爆発したと見られている。

garrSuicide bomber dies in attack on Rawalpindi Imambargah
By Shakeel Anjum、RAWALPINDI


■軍、ワジリスタンで13人殺害[040229 Daily Times]

土曜日に軍が、停止命令を無視したミニバスとタクシーに発砲し、6人のアフガン難民と5人のワジール族13人が死亡、4人が負傷した。これとは別に、土曜日の夜、ロケット弾が軍施設を攻撃し、兵士1人が負傷した。

2台の車輌への攻撃と軍の基地への攻撃は、ワナのすぐ外のZeri Noorで起きたという。ミニバスへの銃撃については、さまざまな説が浮上している。(中略)

2台の車輌が攻撃される前、軍のチェックポストが白い四駆によって攻撃されたという。さらに土曜日早朝、軍の基地がロケット弾で攻撃され、兵士が1人負傷した。

いっぽう金曜日の夜、バヌーの軍の敷地に、ロケット弾5砲が撃ち込まれた。被害はなかった。

hoonTroops kill 13 in Waziristan
By Iqbal Khattak & Rasool Wazir、WANA/PESHAWAR


■ワナで13人死亡[040229 The Nation]

土曜日にワナで起きたミニバスへの銃撃で、少なくとも13人、住民6人とアフガン人7人が死亡、4人が負傷したと南ワジリスタン行政本部が発表した。この事件で車輌が3台損傷し、事件と関連して16人が逮捕された。

集まった情報によると、ワナの軍施設に駐屯していた兵士たちが、車輌に発砲したという。停止命令を無視したために、発砲したらしい。いっぽう、誤射だったという説も浮上してきている。

軍の正式な発表では、ワナの外で市民が、兵士とテロリストとの銃撃戦に巻き込まれたとされた。「土曜日早朝、ワナの外で2〜3台の車輌が国境警備隊のチェックポストに近づき、発砲してきた。国境警備隊はこれに応戦し、テロリストの可能性がある市民が巻き込まれた」という。市民も死亡した可能性はあると付け加え、16人が逮捕され、行政政府の拘束下にあるらしい。

目撃者によると、10〜20人の乗客を乗せた3台の車輌に発砲したという。兵士たちが車輌を止めようとしたが、最初の車輌の運転手が止まらなかったために、発砲したらしい。

これに先立ち土曜日の早朝、軍施設が迫撃砲とロケット弾攻撃を受けた。攻撃は2時間ほど続き、迫撃砲のうち5砲が建物を直撃し、1人が負傷した。このような攻撃にさらされ、軍内部にはパニックが生じていた。

《アルカイダ容疑者3人逮捕》

行政は土曜日に、アルジェリア人3人とアフガン人3人を逮捕した。6人はアフガン難民キャンプKacha Gariで、秘密警察とCriminal Investigation Department(CID) によって逮捕されたという。6人全員ともアルカイダ容疑者だといわれる。

hoon13 killed in Wana firing
PESHAWAR


■アメリカ、ビンラディンの捜索白熱[040228 AP]

アメリカはビンラディンの行方について、アルカイダ幹部の親戚などから情報を得ようとしている。

土曜日にペンタゴンとパキスタンは、イランの国営テレビが、ビンラディンが「ずっと以前に」ビンラディンが逮捕されていたという報道したことに対して、否定した。しかしアメリカ高官は、アルカイダがもつアフガン人やパキスタン人の親戚や友人から、ビンラディンについての重要な手がかりを集めることができたという。とはいうものの、彼の居場所が特定されたとか、逮捕されたという事実はないという。

アフガニスタンの天候が回復するとともに、地上軍がビンラディンを捕らえやすくするために、さらに兵員とテクノロジーを送り出している。(中略)

hoonU.S. Hunt for Bin Laden Gathers Steam
By KATHERINE PFLEGER SHRADER、WASHINGTON


■アメリカ、ビンラディン逮捕の報道を否定[040228 AP]

ペンタゴンとパキスタン高官は土曜日に、イラン国営放送が、ビンラディンがパキスタンとの国境付近で「ずっと前に」逮捕されていたと報道したことに対して、否定した。

これまでにも、軍がビンラディンの居場所を突き止め、包囲したという報道が流れたが、パキスタンはビンラディンの行方はわからないと述べている。

イラン国営ラジオは、ラムズフェルド国防省長官がアフガニスタンを訪れたのは、このことと関連してだったと発表した。ラムズフェルドに同行したペンタゴン報道官Larry Di Ritaは、「真実だと信じる理由が何もない」と述べた。

アフガニスタンの米軍報道官Lt. Col. Bryan Hilfertyは、ビンラディンが捕まったことを示唆する情報は何もないという。「なにごともうまくいっている。ビンラディンはいずれ捕まるだろうが、この報道については、何も聞いてない」。

イランのパシュトゥン語放送のディレクターAsheq Hosseinによると、2つの情報源から、ビンラディンが逮捕されたことを知ったという。逮捕はずっと以前にあったらしい。「ビンラディンはずっと以前に逮捕されたが、ブッシュは大統領選挙戦のプロパガンダに使おうとして、事実を伏せている」という。

パキスタン軍報道官Shaukat Sultanも、この報道を否定した。

テヘランのHosseinが『AP』に語ったところによると、ビンラディン逮捕を伝えたのは、パキスタンの新聞『The Nation』のペシャワルにいる編集者Shamim Shahedだという。Hosseinは金曜日の夜に、Shahedからビンラディンは「ずっと以前に逮捕された」と教えられたと述べた。しかしShahedは、このような情報をHosseinに与えたことを否定した。Shahedはペシャワルの『The Nation』の支局長だが、編集者ではない。

「そんなことは言ってない」と、Shahedは電話でのインタビューに答えて語った。「しかし、彼はそれほど遠くにはいないはずだと、ずっと言いつづけてきた。彼はアメリカの手のと届く所にいる。アメリカはいつでも彼を逮捕できる」。

Hosseinは、ビンラディンの逮捕の情報を彼に与えた者がもう1人いるというが、「アフガニスタンの諜報部や部族リーダーと関係がある男」とだけ述べた。

ヘクマチアルの義理の息子Homayoun Jarirも、この情報は確認できないと語った。

フセインの逮捕を最初に報道したのは、イランのニュースエージェンシーIRNAだった。IRNAもビンラディンの逮捕をラジオで放送し、パシュトゥン語放送のラジオアナウンサーとコンタクトを取り、この報道を確認したと述べた。

ohsmellU.S. Denies Report of Bin Laden's Capture
By ALI AKBAR DAREINI、TEHRAN


■パキスタン、アフガン国境で11人殺害[040228 AP]

パキスタン軍が部族地帯で、チェックボストで止まらなかったミニバスと応戦し、11人が殺害されたと、軍報道官が『AP』に述べた。

土曜日の早朝、軍の敷地内で武装兵士と軍の間で銃の応戦があった。このミニバスはワナの外にあるZeri Noorのチェックポストで止まらなかったという。軍は、車の中から発砲してきたために、応戦したらしい。「テロ行為だった」という。

地元住民のAllah Dadが『AP』に語ったところによると、バスにはアフガン難民が乗り、国境に向かっていた。ミニバスの隣を走っていたタクシーも銃撃を受け、運転手が死んだという。彼によると12人が死亡し、7人が負傷した。

「パスが止まらなかったので、銃撃した」とDadは述べる。「この地域では緊張が高まり、軍でいっぱいだ。アフガニスタンへの道は封鎖されている」。

これとは別に『AP』に語った2人の地元民は、銃の応戦については触れず、どうして銃が発砲されたのかはわからないと述べた。

この事件は、地元の人々を刺激することは明らかだ。部族のリーダーたちは、軍の存在を嫌がっている。

金曜日、武装した男たちがワナにある軍の敷地に入り込もうとして、銃撃戦になったと、軍報道官のSultanが土曜日に述べた。負傷者はいない模様で、詳しいことはわからないという。「銃の応戦があったが、負傷者はいなかったようだ」。

smellPakistan Kills 11 Near Afghan Border
By AHSANULLAH WAZIR、WANA


■パキスタン軍の発砲で11人死亡[040228 Reuters]

パキスタン軍が土曜日に、南ワジリスタンでイスラム過激派を乗せていると疑われた軽トラックに発砲し、少なくとも10人が死亡したと、目撃者と諜報部高官が述べた。事件は、軍のキャンプにミサイルが撃ち込まれたあとに起きたという。

諜報部高官が『ロイター』に語ったところによると、軽トラックに乗っていたのは武装兵士ではなく、「誤射」だったという。

パキスタン軍からの声明では、殺されたのは「テロリスト」だったが、「市民も巻き込まれた可能性がある」という。軍は、16人が逮捕されたと述べた。

諜報部高官によると、軍がワナの近くの村、Shulamでロケット弾から信管をとり除こうとしていたところ、武装した4人の男が車から宙に向けて発砲してきたという。軍は逃走中の車について、付近の軍チェックポストに無線で連絡したところ、「軍は武装集団を乗せた軽トラックを間違え、発砲した」という。

この事件の前にイラン国営ラジオが、「ある情報源から」として、ビンラディンが国境地帯で捕らえられたが、逮捕をブッシュの選挙と合わせて公表しようとしているために、ニュースを差し控えている、と報道したことに対して、アメリカ国防省は否定した。「よくある、誤った報道だ」と述べた。

garrEleven killed as Pakistan troops fire on van
By Hafiz Wazir、WANA


■パキスタン、『N.Y.タイムズ』の報道を否定[040228 The Nation]

パキスタンは、1998年の核実験が北朝鮮との共同の実験だったという『New York Times』の記事を否定した。

外務省報道官Masood Khanは、これはパキスタンのプライドの問題とし、「共同実験だったというのは、まったくの作り話だ」と述べた。

hoonPakistan rejects NYT report
ISLAMABAD(APP)


■アフガニスタン、再び策略を企む[040228 Asia Times]

国境の両側でアフガン抵抗分子やアルカイダを取り締まる作戦が続く最中、アフガンの平和を取り戻そうと、政治的空白を埋めるための画策が続いている。

今回の作戦でパキスタンは、20以上の外国人を逮捕したと主張。ザワヒリの息子が捕らえられたという噂もある。また抵抗組織の戦士たちを、パキスタンからアフガニスタンに押し戻すとこにも成功。米軍がパクティア、パクティカ、コースト、クナール谷で活動している。いっぽうカルザイは、タリバンの前外相ムタワキルから「親切な手紙」受け取り、彼と話し合うことにしたと述べた。

さらに今週カンダハルで、州知事Yusuf Pashtunが、「大カンダハル」の問題を再び話題にした。これはカルザイ大統領の父Abdul Ahad Karzaiが、カンダハルをアフガニスタン南部と東南部に住むパシュトゥン族の本部(首都)にしようとする動きである。

カルザイ父はPopalzai族の首長で、政府の大臣でもあり、南部に住むパシュトゥン族から大きな尊敬を集めていた。しかし1999年に、息子が1998年の対タリバン運動を組織しようとしたとして、暗殺された。当時カルザイ息子は、タリバンがアルカイダのようなアラブ人原理主義者と関係を持つことに怒りを感じたパシュトゥン族によって、支持を受けていた。

ムタワキルの申し出(もちろん、アメリカの勧めで)とこの大カンダハルの復興は、偶然の一致ではない。これは北部同盟とのバランスの上で必要であり、さらにカブールの権力の回廊にも、重要な役割を果たす。さらにヘクマチアルと結託した、アフガニスタンの「非穏健派」タリバン残党の脅迫をくじくためのものでもある。ヘクマチアルは、アフガニスタンにいる外国人に対して、パシュトゥン族の感情を逆なですることに従事している。彼はパシュトゥン族が主要民族であるにもかかわらず、政治的に重要視されてないと考える。カルザイはパシュトゥンだが、北部同盟が政治を握っている。

今、カルザイ自身が任命したカンダハル行政はパシュトゥン族に、パシュトゥンの大きな権力と影響力を提案することで、パシュトゥンの怒りを埋め合わせようとしている。「政府内の反対」は予測されるが、アメリカの支持を受けている。アメリカも、北部同盟がカブールで握る権力に不安を感じている。

この脈絡のなかで、ムタワキルが重要になる。アメリカはこれまでもタリバンを分裂させようと画策してきた。アメリカが2001年に攻撃を開始する前から、タリバンの分裂を狙っていた。ムタワキルはその成果のひとつだ。彼の釈放とともに、アメリカはさらに「穏健」タリバンを彼のもとに引き寄せ、オマール師やヘクマチアルから引き離そうとしている。

タリバン崩壊後2年、アフガニスタンはいまだに混乱している。ラムズフェルドの木曜日のカブールとカンダハル訪問を、最近のビンラディン捜査と関連づけて見る者が多い。抵抗勢力を征服できたとしても、それでは十分ではない。アメリカが、アフガニスタンから撤退できる戦略が大事だ。「穏健派」タリバンを引きつけ、パシュトゥンの切り札を用いることが、得策である。

ohAfghanistan: Playing politics again
By Syed Saleem Shahzad、KARACHI


■軍幹部、ナワーズ・シャリーフに圧力をかけられず[040228 The News]

Pakistan Muslim League(Nawaz) は金曜日に国会で、1991年に陸軍長官をはじめとする軍幹部が、イランに核テクノロジーを売るように、ナワーズ・シャリーフ首相に圧力をかけたと述べ、文民リーダーと軍の間に亀裂を生じされた核問題とカルギル問題を捜査するため、司法委員会を組織するよう申し出た。

PML-NのリーダーIshaq Darは、当時のシャリフ首相に対して、軍将軍たちが核テクノロジーを輸出するよう圧力をかけていたという秘密の情報を持っていると暴露した。これは国家秘密であるために、新たに司法委員会を組織し、そこで話し合うことを要求した。またこの調査委員会では、パキスタンとインドが戦争に突入する危機を招いたカルギル問題の責任についても、追求しなければならないと述べた。

Darによると、1991年にいわゆる「聡明な軍将軍」と陸軍長官がシャリーフ首相のもとを訪れ、イランに核テクノロジーを売却するよう申し出た。Chaudhry Nisar Ali Khanもこれを知っていたと述べ、そもそもNisarの発案により、COASが動いたという。さらにCOASだけでなく、当時の陸軍長官の味方をしていた軍の幹部たちも、これに追随したらしい。これに対してシャリーフ首相は、援助を拒否したという。

Darは、以前の陸軍長官はこれらをすべて否定しているが、いかに彼らが文民政府に圧力をかけたか、証拠を挙げるという。(後略)

smellTop military brass pressurised Nawaz unsuccessfully: Dar
By Rauf Klasra、ISLAMABAD


■ワナに新たな補強部隊[040228 Daily Times]

金曜日、南ワジリスタンに、新たな準軍隊が到着した。

目撃者によると、何百という準軍隊兵士と武器を積載したトラックなどが到着したという。これらがどこに配置されたのかは、わからないとのこと。行政側の情報源も、新たな準軍隊が到着したことを認めた。南ワジリスタン行政官Muhammad Azam Khanは、これらは新たな軍隊ではなく、単に移動してきたにすぎないと述べた。

hoonFresh reinforcements arrive in Wana
By Iqbal Khattak、PESHAWAR


■アメリカ、ワジリスタンにおけるアルカイダのリストを提出[040228 The Nation]

アメリカは南ワジリスタンに隠れていると疑われている、53人のアルカイダのリストを提出し、治安部はムシャラフ暗殺に関して、さらに12人の容疑者を部族地帯で捜している。

「ブッシュ政権はパキスタン当局に、南ワジリスタンにいると思われる53人のアルカイダ容疑者の名前を提出した。この情報は、米軍がアフガニスタンで収集したもので、容疑者たちは数ヵ月前に、アフガニスタンからパキスタン側に入ったという」と、ある情報源が『The Nation』に語った。この情報を得てから、当局は南ワジリスタンから外国人テロリストを一掃することに決めたという。近々、再び作戦が実施されるらしい。

最近の作戦で25人のテロリストが逮捕されたが、その身元については明かされてない。ある地域では、まだ小規模の作戦が続いているようだ。

また情報源によると、去年のムシャラフ暗殺未遂事件に関連して、ワナを始めとする南ワジリスタンで、12人のテロリストを捜索しているという。

smellUS list of Al-Qaeda suspects prompted Wana operation ハ
from Shaiq Hussain、ISLAMABAD


■パキスタン軍、アルカイダを追う[040227 AP]

パキスタン軍は、アルカイダが部族地帯に潜んでいるという衛星電話を傍受したために軍事行動を開始したと、治安部高官が『AP』に金曜日に述べた。

この会話の中で、ビンラディンに関する情報はなかったが、2人の諜報部高官によると、会話の中でビンラディンの暗号名である「シャイク」について語っていたという。「アラビア語で、シャイクは元気だと語っていた」という。

この会話は去年傍受されたが、アメリカがいつこの情報をパキスタンに与えたかは不明だと、諜報部高官は述べる。ビンラディンの行方についての情報はないというが、パキスタン軍が国境地帯に配置された。

「ビンラディン逮捕に前進しているわけではないが、彼の行方をつかむカギを捜すために、作戦を行なっている」と政府高官が『AP』に述べた。「苦労の多い、長い仕事だ」。(中略)

パキスタンはワナでの作戦についてだけ認めているが、高官によると、他の「重要地域」でも軍が「静かに作戦を行なっている」という。(後略)

smellPakistani Forces Chase al-Qaida Members
By DANICA KIRKA、ISLAMABAD


■パキスタン、核をイランに渡すと脅迫[040227 AP]

パキスタンは14年前に、核テクノロジーをイランに輸出するかもしれないとアメリカに警告したが、当時のブッシュ父は何も行動しなかったと、ペンタゴン前高官が述べた。1990年、パキスタンの将軍からの脅迫は、3年後のクリントン政権にも伝わらなかったということが、『AP』のインタビューで判明した。

先月、パキスタンの科学者がイラン、北朝鮮、リビアに核を売ったことを認め、核の闇マーケットは、数年に及ぶアメリカとイギリスの諜報局によって暴露されたと、ブッシュが述べた。しかし、政府の武器コントロールを取り扱う政府前高官の話と機密書類から、アメリカは1983年以来、パキスタンの核闇マーケットの存在を把握しており、1980年の中庸から、パキスタンがイランに核を輸出していることを疑っていたことがわかる。アメリカは、1990年中庸から北朝鮮への輸出があった兆しを捕らえていた。

イランとの関係の証拠は、1990年1月、パキスタン軍長官がペンタゴン幹部に、イランに武器を輸出すると脅迫したときに露呈した。当時国防省副長官だったHenry S. Rowenは、パキスタンの将軍アスラム・ベーグがパキスタンで、彼に直接脅迫したという。「ベーグが、『もしアメリカからそれなりの援助を受けられなければ、我々はイランと核テクノロジーを共有せざるを得ない』というようなことを言った」という。Rowenは現在スタンフォード大学教授である。

ベーグは、イランから同年、パキスタンの核援助が欲しいと依頼され、アメリカの権力に対抗するために、パキスタンとイランが軍事的に協力することを公的に促進させた、と認めている。ベーグは、イランへの核輸出を認めた事実はなく、アメリカを脅迫したこともないと語った。「すべて嘘だと、これまで何度も言っている」とベーグは、電話によるインタビューで語った。「アメリカにどうしろとか、どうするなとか、そんなことをいうバカだと思うか?」。

ここ数週間の捜査で、パキスタンのイランへの核援助は1980年代半ばから始まって、1990年以後、急速に活発になり、パキスタンの最新テクノロジーまでもが輸出されたことが判明した。

ペンタゴンの前高官は、アメリカは初期のころの輸出を見落としていた可能性もある、と述べる。1990年にペンタゴンの武器コントロールに関わっていたHenry Sokolskiは、「パキスタンが悪さをしていることは知っていた」という。SokolskiもRowenも、ブッシュ政権はベーグの脅迫に注目してなかったという。「おそらくその前後に、何らかの輸出をしたのだろう」とRowenは見る。1993年から1996年まで国防省副長官だったAshton Carterは、そのような事実は聞いたことがなかったという。

Rowenはベーグに、もしイランに核兵器を輸出したら、「重大な問題」に直面すると述べたという。当時Rowenは、スンナ派が支配するパキスタン政府が、シーア派を援助することはあり得ないと考えていたために、非常にびっくりしたという。「はったりとは思えなかった。いっぽう、本当かどうかもわからなかった」。

機密文章と前高官たちの話から、アメリカは少なくとも1983年からパキスタンの核闇マーケットの存在を知っていたことがわかる。1990年代にカーンのネットワークで働いたブローカーたちのほとんどは、1980年代にパキスタンに核開発計画に援助したことで、欧州ですでに取り調べを受けたり、告訴されている。

レーガン政権時代、アメリカはソ連のアフガニスタン介入を巡って、パキスタンを利用していた。1985年から87年まで、国務省でこの地域担当していたStephen P. Cohenは述べる。「彼らはアフガニスタンで、我々のために動いていた。我々がアフガニスタンでは何もしてないように振る舞っていたから、彼らも、自分たちの存続のために必要だった武器システムの調達に、我々が目をつむるだろうとふんでいた」。アメリカはパキスタンに、欧州、アジア、アメリカから核テクノロジーを購入していたことをたびたび警告した、と述べる。しかし警告は表面的なもので、ワシントンは彼らの行動を見逃していた。

1983年の国務省の機密文章に、パキスタンは欧州のテクノロジーにもとづいた核兵器計画をもち、「さまざまな国で活動的に核拡散行動」に従事していると記されたメモがある。Cohenは、1979年のイランのイスラム革命以前に、パキスタンはイランと核協力をしていた事実から、アメリカはパキスタンが1980年の終わりに、イランを援助したと疑ったという。しかし証拠は曖昧のようだ。

smellPakistan Threatened to Give Nukes to Iran
By MATT KELLEY、WASHINGTON


■パキスタンは北朝鮮の原爆実験を援助した可能性[040227 New York Times]

カーン博士の核拡散が明らかになったところで、アメリカの諜報部では以前からの大きな疑問、「パキスタンは北朝鮮と一緒に核実験をしたか?」という問題が、再び話題になっている。

米軍の諜報部高官によると、1988年にパキスタンが地下実験を実施したあと、米軍ジェット機がバローチスタンの砂漠の空気を採集し、そこからプルトニウムを検出したという。この事実はLos Alamos国立研究所を驚かせた。なぜなら、爆弾はカーン研究所で作った濃縮ウランを用いたと、パキスタンは公言していたからだ。

この後の論争は、北朝鮮がカーンから援助を受けたお返しに、パキスタンにプルトニウムを供給し、一緒に原爆実験をしたのではないか、ということだ。この論議は結局、結論に至らなかった。しかしカーンは先月、彼の技術と装置を北朝鮮、リビア、イランに供給していたことを告白した。

ここで、再び古い論議が話題になった。もし1988年の実験はパキスタンと北朝鮮が協力して実施したのなら、北朝鮮はプルトニウムも作ることができるだけでなく、武器も作れるということになる。パキスタンは濃縮ウランから兵器を作ろうとしていた。いっぽう北朝鮮は、プルトニウムに注目した。

CIAは今、北朝鮮がパキスタンから何も得たのかを明らかにしようと懸命だ。(後略)

smellPakistan May Have Aided North Korea A-Test
By DAVID E. SANGER and WILLIAM J. BROAD


■アメリカの網、ビンラディンに近づいているか?[040227 Reuters]

ビンラディンの逮捕も間近かもしれない。しかしビンラディンのネットワークの専門家は、彼を生きて逮捕したいのなら、それほど簡単ではないはずだという。

アルカイダについての書物もある専門家Jason Burkeは、政治的な意図と資金によって、目標を捕らえる可能性は高いと述べる。「問題は、その場所で作戦を行なうことが実質的に困難なこと、そして地元民の支持だ」。

木曜日にカブールを訪問したラムズフェルドは、ビンラディンはいつか捕まるだろうが、いつだかはわからないと述べた。しかし兵士たちはもっと積極的だ。米軍報道官のLieutenant-Colonel Matt Beeversは今週の記者会見で、ビンラディンの捜索は、「これまでになく緊迫」していると語った。

米軍かパキスタン軍がビンラディンの居場所を知っていたとしても、口には出さない。国境の両サイドにいる高官たちは、ビンラディンとザワヒリがクエッタから10平方マイルのところにいたという情報を、あざ笑う。アナリストたちは、ビンラディンの居場所を特定する諜報情報の存在を疑っている。

アフガンとパキスタンの国境は、絶好の隠れ家だ。ビンラディンに会ったこともあるパキスタンのレポーターRahimullah Yusufzaiは、「明らかなカギはないと思う。まだ待つ必要があるようだ」という。

それでもパキスタンは、FATAでの軍事作戦を実施した。ビンラディン、ザワヒリ、オマール師をはじめ、武装組織たちが自分たちの意志で国境を越えることを防ごうとしているのだ。

アナリストたちによると、イスラマバードは以前と異なり、米軍と協力しようという態度が強い。ムシャラフ暗殺計画や核の拡散と関係がある、と見る者もいる。ビンラディンの首は、今年のブッシュの選挙にとっても好都合だ。

パキスタン政府は部族民たちに、匿っているアルカイダ容疑者を引き渡すよう要求している。ビンラディンを捕らえるための戦術といわれるが、パキスタンの堪忍袋は切れて、火曜日に部族地帯で軍事作戦を行なった。その結果、何があったのか、まったくの謎だ。

ラムズフェルドは、ザワヒリの息子が最近アメリカに引き渡された容疑者の中にいた、という報道についてのコメントは避けた。彼が捕まれば、ビンラディンやザワヒリの居場所がわかるはずだ。「ザワヒリはこれまで通り、ビンラディンと一緒にいると思う」とYusufzaiは述べる。

Beeversは、アフガニスタンに文民と軍隊からなるチームを派遣し、諜報情報を集めているという。『Washington Times』は、サダムを逮捕した「超秘密」部隊が、アフガニスタンに派遣されたと報道した。カブールの米軍高官は、これについては肯定も否定もしなかったが、そういうこともあって当然だろう。

ビンラディンを見つければ、問題が解決するわけではない。サダムと違って、彼とザワヒリは捕まるより死を選ぶだろう。彼らは少人数だが、忠実な警備がついている。「ビンラディンと2度会い、ザワヒリとは長期間話し合ったが、かれらが投降したり、生きて捕まることはないと思う」とYusufzaiは語る。

そしてビンラディンが捕まったり殺されたりしたとしても、「テロとの戦争」は終わらないとBurkeは言う。「イスラム過激派という観点から見れば、たいした問題ではない」。アメリカ高官はアルカイダは弱体化したが、脅威は残ると述べた。派生組織や他の過激派も存在し、欧米を目標に、攻撃を計画しようとしている。

hoonANALYSIS-U.S. dragnet closing in on Osama?
By Mike Collett-White、KABUL


■パキスタン、インドの「オサマ」を追跡[040227 Asia Times]

ビンラディンが注目を浴びる間、インドはダウード・イブラヒムを追っている。

諜報に詳しい情報源と内務省高官によると、パキスタンに隠れるインド最大の犯罪人は、ムシャラフ自身から圧力をかけられているという。ISIから抜擢されたダウードの警備官たちも、解雇されたようだ。彼は逃走中で、髭も剃り、整形手術も受けて、新しいパスポートを作ったといわれる。

先週のインド・パキスタンの会談のあとに続いた、このダウードに対する取り締まりは、インドにとっても大きなニュースだ。しかしパキスタンが急に彼を取り締まることにしたのは、インドのメディアが、インドの諜報組織RAWがムシャラフ暗殺計画を暴いた、とする報道を受けてからだった。

ダウードは、インドがパキスタンに引き渡しを要求している、20人の容疑者のトップだ。彼はISIの手先となり、インド側でテロを実行している。9.11以後インドは、ダウードがアルカイダやLashkar-e-Toibaに協力していると、繰り返し強調してきた。パキスタンがダウードやMasood Azharを援助していることを、訴えてきた。AzharはJaish-e-Mohammedのリーダーで、1999年に起きたインド航空ハイジャック事件で、人質と交換に釈放された。このハイジャック事件は、ISIと関わりのあるパキスタン人が起こしている。

パキスタンは、ダウードがパキスタンに住んでいることを否定してきた。しかし彼の豪邸がカラチにあることが、報道されている。最近アメリカはダウードを、「グローバル・テロリスト」と指定した。またアメリカの財務局は、ダウードとアルカイダの関係を認め、彼の住所をカラチに特定し、パキスタンのパスポートを持っていると主張した。(中略)

ムシャラフ政権は圧力により、政策を変えざるをえなくなってきた。ダウードはパキスタンを出ようとするかもしれない。しかし、オプションは少ない。ドバイは、もはや彼を歓迎しないだろう。アラブ首長国連邦はインドと協定を結び、インドが手配している容疑者を引き渡すことになっている。(後略)

hoonPakistan after India's 'Osama', too
By Siddharth Srivastava、NEW DELHI


■アルカイダ、アフガニスタンに逃走[040227 Daily Times]

タリバンとアルカイダを捕らえるためのパキスタンの軍事作戦で、容疑者の一部はアフガニスタンに逃走したと、木曜日に諜報部高官が述べた。

「我々の目的は彼らをパキスタンから追い払うこと、あるいは逮捕することだった」。「成功した」という。捜査官が25人の容疑者を取り調べている。そのうち4人が外国人だといわれる。アルカイダの幹部はいないようだ。

hoonAl Qaeda fleeing to Afghanistan
ISLAMABAD


■ムシャラフは何を知っていたか[040226 UPI]

パキスタンの核ハイブリッドは、世界でもっとも危険な犯罪者だ。カーン博士は、1945年の原子力時代開始以来、核兵器の拡散にかかわった唯一の罪人である。さらに彼はパキスタンの核の秘密をアメリカの宿敵、北朝鮮、リビア、イランに、欲と信念のために売った。彼の原理思想により、無敵なアメリカを無敵でなくすことは、自分の使命だと信じたのだ。パキスタンの核の父として、彼はジンナーに次ぐ国の英雄だった。

それでもムシャラフは、彼を許した。カーンはテレビで、ウルドゥー語ではなく英語で謝罪し、政府の指示ではなく、自分の判断で行動したと述べた。(中略)この話を信じたものは誰もいない。それならなぜムシャラフは、このような見え透いたショーを実行したのか。真実は、国にとって致命的だったからだ。ISIが、カーンが6回も北朝鮮を訪問したことを、知らないはずがない。ISIが、カーンを守っていた。ISIはカーンの核取り引きを知っていたが、ムシャラフがブッシュと信頼関係にあったために、彼にそのことを話さなかったのだろう。

ムシャラフは、カーンの闇マーケットについて知ったのは、アーミテージと米中央指令長官のGen. John Abizaidのあとだ、と述べる。しかしカーンは18年前から活動していた。(中略)カーンの活動はパキスタン政府の動きとも連動する。1984年に、イランの原子力協会がパキスタンの原子力委員会と、協定を結んた。1984年にイスファハンの核テクノロジー・センター長官Gnadi Mohammad Mragihが、カーンと会うために、研究所を訪れた。1991年に、少なくとも3回以上、イランの使節団がカーン研究所を訪れた。そのうちの1回には、イラン革命警備隊を指揮するイラン人将軍が同行した。さらに1991年に、パキスタンの陸軍長官が、ウラニウム濃縮テクノロジーに関する秘密の協定を結ぶために、イランを訪れている。

garrWhat did Musharraf know?
Arnaud de Borchgrave


■アフガニスタン大統領、タリバンは敗退[040226 AP]

ラムズフェルド国防長官が木曜日に、テロリストは逃走中だと述べたが、ビンラディンを捕らえる見通しについては何も語らなかった。

ラムズフェルドは、ビンラディンの逮捕のためにペンタゴンがイラクからアフガニスタンに重点を移しているかどうか言及を避けた。いっぽうカルザイは、タリバンは征服されたと述べ、アフガニスタンの混乱はテロリストによってではなく、犯罪者が起こしていると述べた。しかし2人とも、米主導の同盟軍がビンラディンを逮捕する可能性については、言及しなかった。

カルザイのタリバンについての声明は、これまでになく力強かった。「もはやタリバン運動は存在しない」という。彼によると、タリバンや前リーダーたちはたびたび政府のもとを訪れ、家に帰る許可を求めているという。カルザイは、アルカイダでない以上、そしてテロ行為をしなければ、いつでも帰れると述べた。

ラムズフェルドは、「タリバンが、アフガニスタンにとっての脅威である印は何もない」と述べた。

smellAfghan President Says Taliban Defeated
By JOHN J. LUMPKIN、KABUL


■5人のアフガン援助活動家、殺害[040226 AP]

カブールの東部で、アフガン人援助活動家を運ぶ車輌が攻撃され、5人が死亡、2人が負傷したと、木曜日に内相Ali Ahmad Jalaliが発表した。

事件は水曜日、Surobi付近で起きた。被害にあったのはFBFというアフガニスタンの援助団体で、地方経済の再建にあたっていた。逮捕者は今のところいない。

garrFive Afghan Aid Workers Killed in Ambush
KABUL


■ビンラディンの首を持ってこい[040226 Asia Times]

アフガニスタン東部とパキスタンの部族地帯の戦争はまだほとんど始まってないが、ペンタゴンの鼻息は荒い。どちらが生き残るか? アルカイダのナンパー2であるザワヒリか、それともCommando 121か?

ペンタゴンは、Commando 121あるいはTask Force 121の、自称イスラム嫌いで熱狂的キリスト教徒のWilliam Boykinが、フセインを捕まえたという。しかし実際にフセインを捕まえたのは、クルドの準軍隊である。フセインの従兄弟が密告し、その後アメリカに売られたということを、『Asia Times』の情報源はつかんでいる。今週Commando 121は、イラクからパキスタンに密かに移った。去年の10月25日に『Asia Times』は、ビンラディン逮捕の責任者にBoykinが任命された、と報告した。ラムズフェルドの閲兵式には雪が降っている。

欧州の諜報源が『Asia Times』に語ったところによると、ビンラディンやオマール師の逮捕は、サダムと同じシナリオになるとみる。ビンラディンはアフガンの部族長たちのタレコミで「追い詰められ」、彼らは2500万ドルを儲ける。そして手柄はCommando 121のものになる。

ペンタゴンは、この年最初ののろしを上げた。ビンラディン、ザワヒリ、オマールを始め、50人の幹部がパキスタン側のバローチスタンに隠れているのを発見したというのだ。ムシャラフは、あともう少しでアメリカの干渉を認めるところだ。ペンタゴンの下書きによると、容疑者たちは「追い詰められ」、アメリカとイギリスの特殊部隊によって包囲され、逃げられる可能性がないという。

まるで、2001年のトラボラの再来だ。あのとき米軍は、ビンラディンはアフガニスタンの山の中に閉じ込めたと確信していたが、実際に攻撃してみると、もぬけの殻だった。唯一の違いは、「孤立した」バローチスタンの山Toba Kakarの中にいるというだけだ。ここはクエッタの北東部で、アフガニスタンのザーブルからはかなり遠い。

容疑者たちは、KhanozoiとMurgha Faqizaiの間にいるといわれる。ふたつの村の間には道があるだけで、あとは何もない。標高は約3000メートル。逃げ道はある。険しい山を越えて、アフガニスタンの国境の町A'la Jezahに入る。またビンラディンやアラブアフガン戦士たちの間では、1980年の始めごろから知られている、それほど知られていない逃げ道もある。

ペンタゴンのリークによると、容疑者たちはCIAと特殊部隊、さらに地形学者や土壌学の専門家の分析によって見つけ出したという。予想どおり、バローチスタン政府はすべてを否定する。ビンラディンや彼の取り巻きすべてがこの地域に追い詰められているのなら、そしてその北にいないのであれば、つまりアフガニスタンのクナール州やチトラルに隠れていないのなら、全世界にこれを知らせてどうなるというのか?

《CIA対ペンタゴン》

ということは、アルカイダは追い詰められ、アメリカは彼を捕まえる「許可」を待っている、とペンタゴンがリークした直後にザワヒリのテープが出現したのは、偶然の一致ではない。ラムズフェルドは今週、アフガニスタンを訪問予定だ。ある外交官は『Asia Times』に、ラムズフェルドはこの「許可」を、すでに個人的にムシャラフと交渉しているかもしれないという。結局ブッシュ政権にとって大事なのは、ビンラディンとオマール師をいつ、どこで、どうやって逮捕するかということだ。

CIAは、すでに援護している。テネットは2月の初めにイスラマバードにこっそり出かけた。ビンラディンの居場所について、論議したに違いない。テネットは、ブッシュとチェイニーのためには何でもする。

テネットによると、ビンラディンは地下に深く潜った。彼ははっきり言わなかったし、ペンタゴンと異なり、ビンラディンとその一行50人がどこにいるかは指摘しなかった。ラムズフェルドが、テネットが知らないことも知っていることは確かだ。

もう1人の重要人物、ムシャラフも、用意されたシナリオに忠実に従っている。何万人ものパキスタン軍を部族地帯に配置し、アルカイダとタリバン容疑者を追い出すのだ。しかし情報源が『Asia Times』に語ったところによると、アフガンの抵抗運動に参加しているアラブ・アフガン人はごくわずかしかいないという。1980年にソ連とジハードを戦い、パシュトゥン語を話し、アフガンや部族地帯の山々を熟知している者たちだけだ。

外国人ジャーナリストは部族地帯に立ち入りを禁止されているために、ムシャラフの仕事は簡単になった。またパキスタン高官たちは、米軍がパキスタン国内で活動していることを、強く否定している。

《しかし彼らはどこにいる?》

ペシャワールの情報源が『Asia Times』に語ったところによると、パキスタン軍と米軍は、国境を挟んで大騒ぎをしているという。イスラマバードは戦闘ヘリコプター、準軍隊や正規の地上軍を派遣している。これは抵抗勢力による春の作戦に対するオードブルだ。米軍の作戦は、パキスタン側では北・南ワジリスタンで、アフガニスタン側ではパクティア、パクティカで始まる。

アフガニスタンのコーストにいるパシュトゥン族によると、爆撃が始まったあと、米軍とアフガン国軍たちは、いつものドルが詰まったスーツケースを持ってきて、家宅捜査を始めた。この地域はタリバン司令官ハッカーニの故郷だ。アメリカは、じきにパクティカで本格的な戦争を始めざるを得なくなるだろう。カルザイは、パクティカでは9地方をタリバンに奪われたことを認めたが、今後、全部を失ってしまうかもしれない。パクティカのいくつかの地域は、ヘクマチアルのHezb-i-Islami Afghanistanが支配している。他は、カルザイに反対する敵対勢力たちの地域となった。タリバンはザーブルも支配しているという。

イスラマバードも、ぼやぼやしてない。パシュトゥン族たちは、今や好みを余暇を過ごすこともできなくなった。スモークガラスのついたランドクルーザーを乗り回すことができないのだ。スモークガラス付きの車に乗った者は、3年の刑を言い渡され、車は没収、1200ドルの罰金を課される。情報相Sheikh Rashid Ahmedは、軍は「部族地帯全域」にいるという。「国境も封鎖」し、アフガニスタンから入ることができる者は誰もいないという。

パキスタンはワシントンから、ビンラディンとザワヒリをはじめ、幹部50人がパキスタンの領土内に隠れている衛星写真を受け取ってはいないと、情報相は主張する。しかしもっと興味深いのは、米軍は「決してパキスタン内には入れない」という言葉だ。パキスタンはアフガニスタンとの「国境を封鎖」したかもしれないが、どうやってアメリカ人のために封鎖を解くかは、今週ラムズフェルドとムシャラフが面と向かって話し合うのだろう。

パキスタン軍は法的に部族地帯に入ることはできない、という以前のシナリオは、今や崩れた。イスラム過激派、反米組織は喜んではいない。ムシャラフは、再び「テロリスト」と戦うために協力しているというふりをワシントンにしているが、ムシャラフの本意は何か、ISIの本意は、そして軍の本意は何なのか、誰にもわからない。

パキスタンの新聞Khabrainに近い情報源によると、ビンラディンは自分がもし捉えられそうなったら自分を殺すように、7人のボディーガードに約束させているという。自爆しようとするだろう。しかし欧米外交官の情報源によると、もしペンタゴンの計画に従ってビンラディンが逮捕されたら、作戦全体は秘密にされ、11月の大統領選挙の数週間あるいは数日前に、発表されるだろうとみる。

smellBring me the head of Osama bin Laden
By Pepe Escobar


■「大物逮捕」、ビンラディンを窮地に追いやる[040226 Asia Times]

『Asia Times』が得た報告によると、ザワヒリの息子、Ayman al-Zawahiriがアフガニスタンで逮捕されたという。

月曜日の夜『Asia Times』は、Khalidが南ワジリスタンのどこかでパキスタン軍に追い詰められたという情報を得た。しかしその後アフガニスタン側に逃げ、消えたと言われていた。しかし水曜日、新たな情報により、Khalidとともに、妻と3人の子供たちが逮捕され、米軍に拘束されているという。

Khalidの過去の行動は、曖昧だ。しかし彼が本当に逮捕されたとなれば、父親やビンラディンと接触しているはずであるため、彼の情報は重要だ。Khalidの逮捕は公には発表されてないが、パキスタン軍高官は水曜日に、外国人を含む少なくとも20人を逮捕したと発表している。

《アフガン抵抗勢力、隠れる》

“hammer and anvil”作戦により、アフガン抵抗勢力の行動は制限されてしまった。春まで隠れているつもりでいるようだ。「現在、抵抗勢力は戦う意志はない。アメリカに対して、機が熟したら攻撃する」と、タリバンに近い情報源が述べた。「今は鳴りを潜めることにしているが、同盟軍が疲労してきたら、若者たちを自爆テロに向かわせる」という。「この仕事のために訓練された」若者たちを派遣し、米軍や外国兵がアフガニスタンから去るように、自爆を行なう。

現在のアフガンの作戦は、2001年10月に始まった米軍の攻撃パターンと同じだ。パキスタンの空軍基地から、米軍機が5万5000回出動した。現在コハート、バヌー、ジャコババード基地が使用されているが、今のところアフガニスタンでは抵抗運動はない。Khalid al-Zawahiriだけでなく、もっと大物もこの攻撃で脅かされるかもしれないが、アフガンの抵抗勢力は時間をかせいでいる。

smell“Key capture”tightens net on bin Laden
By Syed Saleem Shahzad、KARACHI


■「RAW」戦いなしにカシミールを取る意図[040226 The News]

インドが水曜日に主張したように、RAWとISIが共同でムシャラフ暗殺を阻止した事実はなかった。

イスラマバードの高官は、パキスタンとインドの関係は良くなったが、RAWとISIの間に情報の交換はないと述べた。軍報道官のShaukat Sultanは、「インドとパキスタンの軍事作戦について毎週なんらかの接触があるが、RAWとISIの問題はまったく別だ。この件に関する報道はばかげている」と述べた。

外務省報道官のMasood Khanも、『Times Of India』のこの報道を否定した。さらに2月の第一週に、ムシャラフに対する第三の暗殺計画はなかったと主張する。インドにおける反パキスタン分子が、根拠のない話をインドのメディアに流布していると、ある情報源は訴えた。

カシミールの武装グループも、インドの諜報部がムシャラフ暗殺についての情報交換をしたという報道を否定した。「ムジャヒディンが、無線で大統領暗殺を企むと思うか? インド人はカシミール人とパキスタン人の関係を妨害しようとしている」とカシミールの武装団員が述べた。

United Jihad Council会長のSyed Salahuddinは、インド人ジャーナリストだけでなくパキスタンジャーナリストも、パキスタンとカシミールの間に不和を生じさせようと企んでいると非難した。最近の新聞報道ではムシャラフが、ジハード組織に無条件で停戦をするように圧力をかけているとされるが、「これらの話は嘘だ。インドがカシミールで残虐行為をやめない限り、停戦などありえようか?」。Salahuddinは「ムジャヒディン組織は、ムシャラフ暗殺には全くかかわってない。ガンジーの暗殺にRSSのメンバーが個人としてかかわったように、誰かが単独で関わるということはあるかもしれない」と述べた。

また、RAWとLK Advaniは、戦わずして、カシミールに勝利しようとしているという。和平を武器として用い、本当の平和を考えてない。だから、このような根拠のない話を吹聴しているのだと非難した。

smell"RAW intends to win Kashmir without a war"
By Hamid Mir、ISLAMABAD


■ワナの参戦、外国人が去るまで続く[040226 Daily Times]

南ワジリスタンは、水曜日は平穏だった。行政官のMuhammad Azam KhanはAhmedzai Wazir族のジルガで、「外国人が去るまで作戦は続く」と述べた。この作戦で、21人の地元住民が逮捕されたという。彼は部族長たちに、作戦は外国人に対するものであり、地元の人々ではないと述べ、残りの容疑者を引き渡さなければ、強硬手段に出ると通告した。

部族長たちは火曜日の作戦で、無実な住民の家が取り壊され、逮捕されたと訴えた。Khanは、「無実の者に用はない。容疑が晴れれば釈放される」と語った。

hoonWana operations will continue until foreigners leave
PESHAWAR、Iqbal Khattak


■前アフガン知事たち、罪のなすりつけ合い[040225 Paktribune]

ザーブルは最も貧しく、発展が遅れ、危険な州のひとつだ。

1年以内に3人目の州知事を迎えたこの州は、あまりにも危険であるために、人道的援助が滞っている。いっぽう2人の前任州知事は、それぞれ責任のなすりつけ合いをしている。

Hamidullah Tokhiは7月に解雇された。彼はタリバンに対して対処しない限り、この地域は制御できなくなると述べる。Tokhiは以前はヘクマチアルを支持していたが、その後カルザイに寝返った。「これからますますひどくなる。他の州に飛び火する、癌のようなものだ」という。Tokhiは地元の軍司令官で、タリバンがくる以前とタリバン政権の期間中、この地域を支配していた。彼は彼の後継者Hafizullah Hashemi Popalzaiが、ザーブルを混乱に陥れたと非難する。

「治安状況は非常に悪い。11のうち8つの地域が、タリバンの支配下に入った。行政機関はないし、ある地域にいたっては、全員タリバンだ」。この地域に、国際治安支援部隊や米軍に入ってきてほしいと訴える。そしてPopalzaiのような外部の者は無能で、中央政府はカンダハル人をザーブル州知事に着任させるべきではなかったという。「住民の支持がなければ、治安は成り立たない」。

ザーブルとカンダハルは、長い間反目しあってきた。昨年カンダハル州知事Yusuf Pashtunは、タリバンが出現してきたときに注意してなかったと、Tokhiを非難した。

南東部について詳しいカブールの情報源によると、タリバンは「完全に撤退したのではない」という。バイクに乗った機動力の強い力となって、ザーブル州都カラート以外のほとんどの地域を支配下に置いた。しかし今年の1月まで任務についていたPopalzaiは、Arghandab以外、全部の地域を支配下においたと主張する。タリバンの再出現も否定し、最近の問題を軍閥や犯罪人の抗争のせいにする。「犯罪人たちが混乱に乗じている」という。「タリバンは力を持ってない」という。

しかし2人とも、ザーブルの状況は最悪になったという。タリバンが目立った行動をしており、行政はあまりにも弱いために、人々は武装組織に翻っていると言う者もいる。また経済状態が非常に悪く、労働者たちは暖を取るために、木材を盗んでいる。

Popalzaiは、汚職を払拭し、新たな議会を設立し、病院を建てたと主張する。人々の心を勝ち取ったという。しかし1月に、カルザイは彼を解雇してKhyal Mohammadを着任させた。Tokhiは、ガズニの前副知事だったKhyal Mohammadに関して「人々の信頼を勝ち取り、助けてもらえればいい」と言う。

Popalzaiは権力の座についていたときに、不正に道路の通行料金をとって儲けたことを否認した。Tokhiは今やカブールで豪邸を建てたが、武器の不正売買で儲けたことを否定した。今、2人とも職はない。

garrEx-Afghan governors play the blame game
KABUL


■タリバン、アフガン兵15人を逮捕[040225 Paktribune]

タリバンはザーブルで、15人のアフガン兵を逮捕し、2台の軍の車輌を奪った。逮捕された兵士たちは戦争捕虜として扱われ、シャリア法のもとで、アメリカ人が捕虜を扱うよりは良い待遇を受けると、アフガンのウェブサイトに発表された。

声明によると、タリバンはいくつかの州にシャリア法を採用し、捕虜に対しても寛大な措置をとっているという。捕虜はタリバンとの交換に用いるという。

昨日、タリバンはパクティアのBarmalでパトロール隊を襲い、3人の同盟軍兵士を殺害したという。死亡したのはアメリカ兵だというが、今のところまだ確認されてない。その後、この地域は同盟軍兵士に取り囲まれ、30人が逮捕された。

これとは別に、カンダハルのKandahar〜Kabulのハイウェイで、車列が攻撃され、兵士3人が死亡した。攻撃した者たちは全員逃げた。コーストでは爆弾が爆発したが、負傷者は報告されてない。カンダハルでは、アメリカの会社のヘリが襲われてから米軍が新たな作戦を始め、タリバン3人を逮捕したという。

smellTaliban Capture 15 Afghan Soldiers
KABUL


■ビンラディンとザワヒリ、アフガニスタンに[040225 The Nation]

ビンラディンとザワヒリはアフガニスタン側に逃げたと、『ABC News』が火曜日に報道した。

匿名のアメリカ人高官の話として、2人はは山を越えて、アフガニスタンに再び入ったという。

smellBin Laden and top aide in Afghanistan: report
WASHINGTON(AFP)


■パキスタン、容疑者を質問[040225 AP]

当局は逮捕した25人の中に、タリバンやアルカイダがいるか捜査中である。「テロリストの身元を確認するのは難しい。彼らは訓練を受け、供述を変える」と、Faisal Saleh Hayyat内相が『AP』に語った。

パキスタンは、ザワヒリがアフガニスタンとの国境地帯で目撃されたという情報が昨年入って以来、この地域を監視していたと、諜報部高官が『AP』に述べた。(中略)

パキスタンの新聞『Daily Jang』は水曜日に、ある外交官からの話として、逮捕された者の中にはザワヒリの息子、Khalidがいたと報道したが、パキスタン政府はこれを否定した。「ザワヒリも息子も逮捕されてない」。「まったくの嘘だ」とHayyatは述べた。

smellPakistan Investigators Question Suspects
By MUNIR AHMAD、ISLAMABAD


■オサマ追い詰められると米軍[040225 Reuters]

「もしビンラディンがどこにいるか我々が知っているとしたら、もう逮捕している」と、米軍のLieutenant Colonel Matt Beeversがカブールの記者会見で述べた。しかし「彼の時間も尽きてきていると思う」と付け加えた。オマール師やヘクマチアルも同様だという。(中略)

パキスタンでは、ザワヒリの息子Khaled al-Zawahriが、2、3日前に逮捕され、アフガニスタンの米軍本部に連行されたという噂が飛び交っている。あるパキスタン人諜報部員が『ロイター』に語ったところ、Khaledとともに2人の妻と2人の娘が逮捕されたと述べたが、別の諜報部員はこれを否定した。

パキスタンの諜報官は火曜日にワナで行なわれた作戦で、サウジ人、エジプト人、イエメン人、ウズベク人、チェチェン人が逮捕されたと述べた。ただし軍情報官Shaukat Sultanは、これらは「推測」であるという。しかし別の諜報官は、逮捕されたのは全員地元民で、3人の女性だけはカザフのパスポートを持っていたという。逮捕された者のうち5人はすでに釈放されたらしい。(後略)

smellTime running out for Osama, U.S. military says
By Mike Collett-White、KABUL


■北部地域の組織の取り締まり[040225 Daily Times]

連邦政府は、北部地域でテロ活動にかかわったとして、Maulvi Shahzada Khanが率いる無名組織の取り締まりを行なうよう、命令した。

諜報組織が政府に、この組織はどこでも、いつでも、テロ活動をする準備があると警告したという。組織はJaish Muhammad、Tehrik-Nifaz-e-Shariat-Muhammadi(TNSM)などと関係があり、アルカイダとの関係も十分考えられるという。

Maulvi Shahzada Khanを取り調べることで、他の過激派の逮捕にも結びつくと情報源は述べた。援助団体や学校、政府関連の建物の爆破事件とも関係があるらしい。最近パキスタン軍はKhanの訓練所を取り締まり、アルカイダとの関係を疑ったが、彼は逃げてしまったために、何も見つけることができなかった。Khanは軍事訓練を行ない、ジハード団やタリバンと関係があると疑われている。9.11以後は、政府に対して抗議運動もしていた。

また情報源によると、1988年にギルギットで起きたシーア派に対する虐殺事件でも、重要な役目を負っていたようだ。彼自身、ミラン・シャーで軍事訓練を受け、1997年から98年の間には、Harkatul Mujahideenとして、Rim Sheikh村に軍事訓練所を設立した。北部地域の各地からやってきた300人以上が、彼から自爆テロや手榴弾、火器を用いた攻撃法を学んだらしい。

現在彼は、JaishとやJihadi-e-Islamiとコンタクトを取っている。BalakotのShawalにある訓練所をしばしば訪れ、Jihad-e-IslamiのリーダーQari Saifullahから、資金や武器を調達していると情報源が述べた。

garrCrackdown ordered on Northern Areas group
ISLAMABAD


■ワナの作戦で20人逮捕[040225 The News]

ワナで新たな作戦が開始され、地元の部族民20人以上が逮捕された。軍のヘリコプター14機と軍隊、南ワジリスタンスカウト、部族民警察Khasadarが参加した。

手配されていた3人の部族民の家が、Azam Warsakでとり壊されたが、所有者Metha Khan Karmazkhel、Malik Salad Khan Ghulamkhel、Abdullah別名Abdulkey Karmazkhelは逮捕できなかった。

逮捕者については、情報が異なる。軍情報官Shaukat Sultanは、Azam WarsakとShkaiで逮捕された者の中には、サウジ、エジプト、イエメンなどの外国人がいたと主張する。しかし行政側は、すべて地元民だと述べ、全員の名前を地元出版社に提出している。

3人の外国人女性が、Azam Warsakから逮捕されたとも報道された。地元部族民によると、外国人だと報道されている女性は、地元民だという。

今回の作戦では、周りに26のチェックポストを設営し、地域への出入りを監視している。女性警備官も参加しており、家宅捜査をしているらしい。外国人、特に女性と子供が、地元の住民によって匿われているという情報があるためだ。しかし今のところ、外国人は逮捕されてないと住民は述べる。

hoon20 arrested in Wana operation
By Behroz Khan、PESHAWAR


■ワナの作戦で25人捕まる[040225 The Nation]

少なくとも25人が、南ワジリスタンのAzam Warsak地方における、テロリストに対する作戦で逮捕された。逮捕者の中には、タリバン政権崩壊後に部族地帯に隠れていた4人の外国人女性が含まれている。4人とも、アラブ人だといわれる。

政府は火曜日に、国境地帯のAzam Warsakで新たな作戦を行なった。作戦は軍のほかに、準軍隊と、地元の部族警察が参加した。地上軍と空軍のほかに、婦人警官も参加していると行政側は発表した。地上軍と婦人警官が、家宅捜査をしているという。

作戦が始まる前、南ワジリスタン行政官Mohammad Azam Khanは、部族の長老たちとジルガを開催して、理解を求めた。作戦はAzam WarsakのKalu Shahから始まり、さらに隣接する村に広がっていった。行政側によるとアルカイダを匿ったとされるGul Muhammad、Noor Muhammad、Zarwali, Meeta Khan、Amir Gulの家が取り壊された。

ワナの行政側によると作戦開始にあたり、一部の部族民から抵抗があったが、すぐに鎮圧したという。負傷者はいない模様。4人の女性のほかに、21人が逮捕されたが、地元住民だという。外国人が所有していたパスポート、重要書類、や武器、爆発物、カセットなども押収された。

いっぽう軍情報官のMaj General Shaukat Sultanは、逮捕者は全部で25人で、チェチェン、ウズベク人を含む模様だと語った。すべてZera Leta村で逮捕されたが、身元はまだ明らかにはできないという。捜索は成功したが、まだ事後処理をしていると述べた。外国人が逮捕されたことで、彼らがまだこの地域にいることを証明されるという。

garr25 nabbed in Wana operation
From Shamim Shahid and Allah Noor Wazir、PESHAWAR


■ラムズフェルドの妻を含む一行、アフガニスタンへ[040224 AP]

ラムズフェルド国防長官の妻を含む使節団一行が火曜日、アフガニスタンのタリバン後の女性の社会進出の機会について話し合うために、カルザイと会見した。

ジョイス・ラムズフェルドは火曜日に、3日の予定でアフガニスタンに到着した。ラムズフェルド国防長官は、1週間後にアフガニスタンを訪れることになっている。 (後略)

hoonRumsfeld's Wife, Others Visit Afghanistan
By MATTHEW PENNINGTON、KABUL


■アルカイダのテープ、ブッシュをなじる[040224 AP]

火曜日に、ザワヒリのものと思われる2本のオーディオ・テープが、アラブのテレビで放映された。ひとつはブッシュにさらなる攻撃を脅迫し、もうひとつでは、学校でイスラムのスカーフを用いることを禁じたフランスを批判した。(中略)

これまでアメリカの諜報組織は、事件が起きる前に、テープが発表されていることに注目している。最新のテープは、アルアラビアとアルジャジーラで、数時間あけて放送された。両放送局幹部は、録音の一部だけを放送しており、ふたつの全体の内容は全く異なるという。どちらも火曜日に受け取ったらしい。テープで指摘された出来事は、先月のものだった。

アルアラビアとアルジャジーラは、テープの声はザワヒリの者であることは確かだと主張する。「ビンラディンとザワヒリの逮捕が近づいている、という噂がある。これらのテープは、それに対する反応だ」と、アラブの新聞Al-Hayatの編集長Mohammed Salahが述べた。

イスラム過激派の専門家Dia'a Rashwanは、ふたつのテープを同時に放送させるためには、「兵站学的な能力と決定力を必要とする」。「これは組織の能力としては簡単ではない」。「ザワヒリが関わっているというサインだ」。

アルジャジーラのテープでは、ザワヒリと思われる声がイラクを解放し、アルカイダがアフガニスタンから指令を出していると主張するブッシュに挑戦する。

「アフガニスタンはまだ安定してないということを、ブッシュに忠告する。なぜ我々はまだあなたの軍や工作員を攻撃する?」とテープは述べる。「アルカイダの三分の二が撲滅されてないことを、ブッシュに忠告する。アルカイダはイスラムの旗の下で、ジハードをまだ戦っている」。「ブッシュよ、目的をしっかり定め、しっかり守り、しっかり警備しろ。戦うイスラムの社会は、ニューヨークとワシントンに兵士たちを送ることを決めた。死をもたらし天国を求める兵士たちを、次から次へと送り込むことを決定した」。

アルアラビアが放送したテープは、フランスが公共の建物にイスラムのシンボルを用いることや、女性がスカーフを用いることを禁止したことを非難した。「フランスの大統領が決定したことは、欧米人がムスリムに対して持つ、十字軍の憎しみだ」。

garrPurported al-Qaida Audiotape Taunts Bush
By SARAH EL DEEB、DUBAI


■アフガン大統領、前タリバン大臣と会見予定[040224 Reuters]

カルザイ大統領は、タリバンの前幹部たちと話し合うつもりであることを公言した。

火曜日に放映されたパキスタンのPTVテレビでカルザイは、米軍から釈放されたタリバンの前外務大臣ムタワキル氏と話し合うために、使節団を送ったと述べた。アフガン政府は、穏健派タリバンを政治内に取り込むことで、過激派の勢力を弱めることができると、期待している。

「ムタワキル氏から、とてもいい手紙をもらった」とカルザイはテレビで述べた。「アフガニスタンの将来について、自分の考えを述べてくれた。妥当な考えだ。私と会うことを望んでいる」。「すでに2度、私の側近を送り、話し合いをしてもらっている。私自身も近々、彼と会うことを考えている」という。

カルザイは、アフガン人に対して、罪を犯した者を区別して考えている。100人は犯罪を犯し、残りの何千人は、犯罪を犯してないという。「この国の一員、社会の一員である、何千人(というタリバンが)がいて、彼らはアフガン人一般と同じであり、犯罪を犯してない。ここは彼らの故郷だ。彼らが村に帰り、商売をし、人生を営むことを歓迎したい」。裁判にかけられるべき者たちはビンラディンとオマール師で、国境地帯に隠れているはずだと述べた。「オマール師のもとで、何千人ものアフガン人が殺害された。人生は地獄になった。アフガニスタンは遅れ、中世に戻ってしまった」。「私にとっては、ビンラディンとオマールは犯罪者だ。逮捕して裁判にかけるべきだ」。

hoonAfghan president says may meet ex-Taliban minister
KABUL


■パキスタン軍、20人を逮捕[040224 AP]

火曜日、パキスタン軍はヘリコプターと砲兵隊に援護され、部族地帯の村に流れ込み、家を3軒取り壊し、少なくとも20人を逮捕した。

捜索はワナ近辺で開始され、夜明けとともに、準軍隊と正規軍が地元民の中に隠れている容疑者の居場所をめざした。軍は砲兵隊を用い、容疑者を匿った疑いのある3人の部族民の家を取り壊した。

拘束された者の中には、3人のアラブ人女性がいたというが、逮捕されたかどうかは不明だ。「十分時間は与えられていた」と政府高官は『AP』に述べた。「外国人テロリストを引き渡さなかったので、行動した」という。

ワナの住民は、午前のあいだ爆発音や銃撃音を聞いたという。「約25〜30回の爆発音を聞いた。銃撃戦は朝に始まり、まだ続いている」とワナの住民が述べた。

戦闘ヘリコプター機を10数機を用いたこの作戦は、南ワジリスタンのZarkai村で開始された。その後別の2つの村、KalooshaとAzam Warsakでも作戦が始まった。行政側は、長老たちが容疑者を引き渡さなければ、全ての家を家宅捜査をすると主張していた。

この作戦が事前に告知されていたことは、ビンラディンやアルカイダ幹部に不意打ちをかけることは難しいと見たからと思われる。今回の作戦では、この地域から敵を追い払い、アフガニスタンに追い込んで待ち構える米軍に逮捕させる、というシナリオのようだ。

パキスタンは、アメリカ軍がパキスタンにいることを否定するが、地元民は、米軍とみられる兵士がいるのを目撃したという。

外相のKhursheed Kasuriは月曜日に、米国が希望するアルカイダ幹部は米国に引き渡される、と述べた。しかしムシャラフ大統領は部族の長老たちに、武器を捨てて降伏した者は、引き渡されることはないと約束した。

garrPakistani Forces Detain 20 in New Hunt
By AHSANULLAH WAZIR、WANA


■少なくとも25人がアルカイダ捜索で逮捕[040224 Reuters]

火曜日に、パキスタン軍はアルカイダとタリバンに対する作戦を実施し、少なくとも25人を逮捕し、家を2軒爆破した。

1日前、米軍とパキスタン軍高官は、ビンラディンの居場所はパキスタンの山に特定されたというイギリスの報道にもかかわらず、その居場所はわからないと述べた。情報相Sheikh Rashid Ahmedは『ロイター』に、最新の作戦はワナ付近で開始されたと述べた。これはビンラディンが隠れていたといわれる場所から、約300キロ離れたところである。作戦がビンラディンを目的としているかどうか尋ねたところ、「外国人テロリストを標的にしている」と述べた。

『ロイター』のレポーターは、軍がZarai Letta村から2軒の家を爆撃し、軍のヘリコプターが上空を飛んでいるのを目撃した。

7人の容疑者が軍の車輌で運ばれていったが、中にいたのが外国人なのか地元住民なのかはわからない。情報官は、女性を含む25人が逮捕されたと述べた。「彼らの身元を確認している。ウズベク、チェチェン、アラブ人がいると思われる」。

少なくともヘリコプター14機が早朝、上空を飛行するのが目撃された。軍情報官Major-General Shaukat Sultanは、2月20日の期限を過ぎても投降しなかった「外国人テロリスト」がいるという情報が入ったので、作戦を実施したと述べた。作戦の開始は、ブッシュ大統領が、アルカイダを捕らえると誓った数時間後に、さらに今週予定されているラムズフェルド国防省長官のアフガニスタン訪問の前に実施された。CIA長官のテネットも、今月パキスタンを訪問している。

「我々はアルカイダを追っている」と、ブッシュはホワイトハウスの会合で演説した。「あらゆる方法、諜報、軍を用いて、彼らを裁く。我々はなかなかうまくやっている。それ以上だ」。

garrAt least 25 said held in Pakistani al Qaeda drive
By Hafiz Wazir、WANA


■ビンラディンの側近、アメリカへの新たな攻撃を警告[040224 Reuters]

火曜日に放送されたテープで、アルカイダの幹部がブッシュ大統領に、アメリカに対する新たな攻撃に備えるように警告した。

カタールのアルジャジーラテレビで放送されたテープで、「ブッシュよ、ムスリム国家にたいして、あなたの防衛力と警備を強化せよ」とザワヒリが警告した。フランスを敵のひとつと名指しし、パリのイスラム教徒の女子学生がスカーフの使用を禁じられたことを非難し、「十字軍の憎しみ」と表現した。

またブッシュが先月国連で演説し、アルカイダのほとんどはやっつけられ、アメリカは自由と民主主義を広めている述べた対して、嘘だと非難した。(後略)

hoonBin Laden deputy warns of more attacks on the U.S.
By Andrew Hammond、DUBAI


■脅迫のあとにアフガン攻撃[040224 Washington Post]

白いヘリが離陸しようとしていた。村人が集まり、手を振っているときに、2ヵ所からライフルが発射された。パイロットと4人の乗客、アメリカ人女性、警備官、通訳は離陸しようとしたが、5人のうち4人が被弾した。警備官2人は負傷しながらも応戦、1人は携帯電話で米軍に援助を依頼した。数分後、米軍が飛来したが、攻撃者たちは逃げたあとだった。パイロットは死亡、乗員2人は重傷を負った。

これがカンダハルで起きた日曜日の事件のあらました。一行はアメリカの建設会社Louis Berger Groupの従業員だった。この攻撃と関連して、12人が逮捕されたと『ロイター』は報じた。

今回の事件は、国の再建を邪魔して選挙を妨害すると、タリバンの情報官が声明を発表した直後に起きた。また、パキスタンが部族地帯で作戦を開始した時期とも、一致する。

ここ数週間、ビンラディンが使用していた家がクエッタで見つかったとか、ザワヒリを国境付近で目撃したなど、さまざまな未確認情報がメディアに飛び交っている。米軍はこれらの情報を確認することはできないと述べ、タリバンの脅迫も軽く受け流した。日曜日の攻撃は単独のガンマンの仕業であり、組織的な動きではないという。タリバンの脅迫も、嘘っぱちだとあしらう。

「タリバン情報官は信頼できない。まったくのでたらめを言う」と、Lt. Col. Bryan Hilfertyは語る。自称タリバン高官は、アメリカの特殊部隊の兵士50人が「雪の中で死に」、15人のイタリア人兵士がコースト州で殺されたと述べたが、両方とも全くの作り話だという。

しかしカルザイ大統領のスポークスマンJawad Luddinは、日曜日の攻撃は「非常に不運」だったが、驚きではないという。タリバンは繰り返し、「アフガニスタンを助ける人々」を攻撃し、国の再建を妨害するという声明を発表していたからだ。しかしなぜカンダハルの攻撃者たちは、このグループが辺鄙な村を訪れることを知ったのか、大勢が見守る中、なぜ逃げ去ることができたのか、不明な点が多い。情報源によると、まずヘリコプターのエンジンとローターが狙われていることから、彼らが飛行機を攻撃することに慣れているといえる。

この数週間、4人のタリバンスポークスマンがさまざまなメディアを相手にコンタクトを取り、過去の攻撃に対して声明を発表したり、新たな攻撃の脅迫をしている。そのうちの1人、Mohammed Saiful Adelは、「春に大きな攻撃を行なう」と予告した。大きな都市を占領し、米軍基地を攻撃するというのだ。さらにAdelは、タリバンは南部では地元高官とうまくやっており、アルカイダからは資金を得ていると述べた。外国政府のために働く「裏切り者」アフガン人の暗殺リストも作ったという。

ここ数ヵ月間イスラム過激派は、アフガニスタン南部で、援助活動家を中心に、攻撃を続けてきた。Bergerグループのプロジェクトも、たびたび標的になっている。

garrAfghan Attack Follows An Upsurge in Threats
By Pamela Constable、KABUL


■アフガニスタン、全面戦争[040224 Asia Times]

今や国境の両側で、ビンラディンを捕まえるための作戦が行なわれようとしている。現時点では、パキスタン側は南・北ワジリスタン、アフガニスタン側はパクティア、パクティカが焦点となっている。パキスタンの内相Faisal Saleh Hayatは、パキスタンの準軍隊が部族地帯に配置されたと発表した。数週間のうちに、作戦は大きくなり、いずれは7つの部族地帯に広がるだろう。さらにすべてのアフガニスタンの都市、ジャララバード、アサダバード、ガルデズ、コースト、ザーブル、カンダハルに広がり、アフガニスタンの対抗分子の一掃にとりかかる。

ワナにいる情報源が『Asia Times』に語ったところによると、パキスタン軍は南北ワジリスタンに大勢配置され、パキスタン軍とゲリラ、さらにアフガニスタン側にいる米軍主導の同盟軍の戦いに巻き込まれないように、人々はいくつかの村から退去させられたという。行政側は南北ワジリスタンに入る幹線道路をすべて封鎖し、通行人は厳重なチェックポストを通過しなければならない。

アフガニスタンでは、同盟軍がコーストやその郊外で、家宅捜査を実施している。容疑者が何人も(髭とターバンの)逮捕された。この捜査の目的はジャララッディン・ハッカーニとサイフラー・マンスール、さらにその配下たちを逮捕することだ。2000人から2500人が、コースト、パクティア、パクテモカ、ガルデズにいると見られている。

『Asia Times』はパキスタンで報道されているように、パキスタンがアメリカに、監視目的でパキスタンの空軍基地――コハートやバヌーを含む、の使用を許可したことを確認できた。北西辺境州の住民たちは、すでにアメリカのスパイ飛行機が、上空を飛んでいるのを目撃している。

最新の作戦は次のようになるだろう。

 ・ゆっくりした作戦
 ・広範囲に軍を配置
 ・上空からの監視、偵察機からの監視

同盟軍は広大な地域に非常線を張り、どれほど長い時間がかかろうとも、ゲリラたちを押し出そうとする。これにより、新たな段階に達する。「戦争」はパキスタンの7つの部族地帯に広がり、それと接する国境の向こうにも広がる。米軍の“hammer and anvil”作戦だ。

イギリスと『Sunday Express』は、アメリカとイギリス軍がオマール師とビンラディンをバローチスタンに追い詰めたと報道した。パキスタン軍はこれを否定し、外国兵は自国で活動してないと述べた。

《抵抗分子、隠れる》

現在のところ、アフガニスタンの抵抗分子の活動は、それぞれの「根拠地」周辺で展開している。たとえば、マンスールはザルマットやガルデズで行動。ハッカーニはパクティアで。オマール師はカンダハル、ウルズガン、ザーブルで指揮している。Ustad FareedとKashmir Khanは、クナールの基地にいる。ヘクマチアルは少し特殊だ。彼はガズニ出身だが、クナールにいる。彼はクンドゥーズで生まれ、カブールで育った。彼の本部はカブールに近いソロビにある。ザヒール・シャー国王と戦い、ソ連とも戦った。

今彼は、根拠地をクナールにしている。彼の戦略の一部は、現在カルザイ政権内にいる、彼のムジャヒディン仲間やゲリラと接触することであった。ヘラートのイスマイル・ハーンや、ドスタム将軍、Abdul Rab Rasool Sayyaf教授などである。

最近ヘクマチアルは、アメリカから停戦の申し出があり、将来、政権内で重要な役職を約束された。しかしこのベテラン戦士は、まだ返答してない。しかしHezb-e-Islamiの側近によると、現段階でヘクマチアルは、彼の抵抗運動を辞めるつもりはないという。ただし、対話を完全に遮断するつもりもないらしい。内部の情報によると、アメリカがアフガニスタンを去るやいなや、彼は政治の部隊に躍り出るつもりでいるようだ。北部同盟のマスードも、1992年のナジブラー政権と、同じような戦略をとった。マスードは、共産主義政権と戦っていたにもかかわらず、ナジブラー政権とは接触していた。したがってナジブラーが降参したとき、南部にいたHezb-i-Islamiにではなく、北部のマスードに降伏したのだ。

この新たな作戦に対し、抵抗分子は鳴りを潜めている。自爆テロも下火だ。春の作戦が開始するまで、隠れていると思われる。抵抗分子内の外国人戦士の数は少なくなった。何年間も土地に住み、言葉を話し、地形を熟知した者だけが残っている。そのほとんどがマンスールやハッカーニなどとともに動いている。ビンラディンのように1人でいる者は、少ない。現在彼は、チトラルがはじまる所からディールが終わる所の間にいると信じられている。もうひとつの可能性がカイバル行政区だ。

ビンラディンが捕まらない限り、彼がいたという噂は同盟軍たちを助け、彼らは網を広げていくだろう。パキスタン軍はすでにモーマンド行政区に派遣され、部族長たちは、武器を捨てるように警告されている。モーマンドの次はバジョール、そしてオルクザイ、カイバル行政区が続くだろう。4月か5月に、クライマックスがくる。どうころんでも、この地域では大きな戦争がはじまる。

smellohAfghanistan: Now it's all-out war
By Syed Saleem Shahzad KARACHI


■モーマンドの部族民、武器を引き渡す[040224 Daily Times]

モーマンドの枝族Halimzaiの有名な部族長老たち4人が、行政側に武器を引き渡した。これまで何百人もの部族民たちが、すでに武器を引き渡している。

北西辺境州知事Syed Iftikhar Hussain Shahがすべての行政官に、この地域から武器を一掃するように言い渡した。部族民たちは、自主的に武器を引き渡し始めたという。

部族民たちはこれまで長いこと辺境をよく守ってきた。彼らの奉仕は、忘れられることはない。しかし今は、軍がこの国境地帯に派遣された。したがって部族民たちは重武器を所有する必要はなくなったと、行政側に説得されたという。

hoonMore Mohmand men hand over arms
PESHAWAR


■部族民、何十人ものアルカイダシンパを引き渡す[040224 The Nation]

パキスタンの部族民は、アルカイダを匿った部族民何十人もを、行政側に引き渡した。

パキスタン軍が攻撃をかけるとの脅しに、部族の長老たちは屈した。「約60%が引き渡された」と高官が『AFP』に述べた。

hoonTribesmen hand over dozens of Al-Qaeda sympathisers to troops
ISLAMABAD(AFP)


■ビンラディン、アフガニスタンで攻撃を計画とタリバン[040224 The Nation]

ビンラディンはアフガニスタンにいて、アメリカに対して新たな攻撃を計画していると、タリバン情報官Mohammed Saiful Adelが『AFP』に述べた。

Adelは衛星電話で、米軍がビンラディンを捕らえる自信があるなど、でたらめだと述べた。「これはブッシュの選挙戦略だ。彼は、噂を世界中に流している。タリバンや武装組織の司令官、我々の特別客であるビンラディンとザワヒリは、全員アフガニスタンにいて生きている。反米計画を練っている」。「これは我々のリーダーと長老たちからの、特別なメッセージだ。誤ったプロパガンダを信じるな。彼らは無事で、アメリカやその操り人形や奴隷たちを攻撃する計画に忙殺されている」。

garrBin Laden in Afghanistan and planning further attacks: Taliban
KABUL(AFP)


■ペンタゴン、ビンラディン逮捕のために奇襲部隊を採用[040223 Washington Times]

ペンタゴンはビンラディンの逮捕のために、イラクにいる秘密奇襲部隊をアフガニスタンに移動させるという。

国防省高官によると、Task Force 121を移動させる理由が2つあるという。ひとつは、イランではサダムを含む重要人物は既に逮捕されたこと。次にビンラディンに行方についての情報が、多くなってきたこと。「アフガニスタンは、121が活動できる場所だ」という。

Task Forceは移動するごとに名前を変えるので、アフガニスタンでは新たな名前で呼ばれるだろう。Task Force 121は、Army Delta ForceとNavy SEALの混合部隊で、160th Special Operations Aviation Regimentからヘリコプターで輸送される。SEALsはFort Bragg, N.C.のJoint Special Operations Commandに基地をもつ。Delta-SEALのチームは目的地に入り、作戦を遂行し、軍とCIAが目的、例えばフセインに対する情報を送ってくるまで待機する。

アフガニスタンでビンラディンを追うこの新たな作戦は、Navy SEALのある人物が主導すると思われる(名前は伏せる)。軍の情報源によると、ビンラディンの行動に関する情報が、最近では非常に多くなってきたという。「これまでよりも、良い情報を得るようになった。また情報を分析することにも、上達してきた」という。

ビンラディンは、部族地帯にいるといわれる。米高官は、米軍はパキスタンには入らないという。ビンラディンを追うのは、CIAとパキスタン軍に任せるという。しかしビンラディンの居場所が特定できたらDelta-SEALを用いて、パキスタンにある隠れ家を急襲することもあるかもしれないと、高官は述べた。

米中央指令長官のGen. John Abizaidは、ムシャラフ大統領を賞賛している。「この前、暗殺未遂事件のあと、彼に会った。彼は、アルカイダが自分を殺そうとしていることを知っている。彼は、この問題を処理したいと決意しているようだ」。「しかし問題は、彼とともに働いている者たちが、部族地帯と通じていることだ。彼は1人で戦わなければならない」。

smellThe Pentagon is redeploying commandos to search for al Qaeda leader
Osama bin Laden.By Rowan Scarborough


■CIAとパキスタン、ビンラディンを捜索[040223 AP]

CIAのテネット長官が数ヵ月前にパキスタンを訪れ、ビンラディンについての情報を交換し、核拡散を防ぐ方法を論議したという。

テネットの訪問は、パキスタンが部族地帯に兵士を派遣する1週間以上前にあったようだ。「お互いに見解や情報を交換した」と、ある諜報部高官が述べた。アメリカ大使館はコメントを避け、外務省はこの訪問を確認しなかった。

テネットは、カーン博士が核拡散の告白をして数日後に、パキスタンを訪れた。テネットは核の闇マーケットについて、パキスタンの諜報官と相談したという。

smellCIA, Pakistan Working to Find Bin Laden
By MUNIR AHMAD、ISLAMABAD


■アルカイダとタリバン残党が標的[040223 Washngton Post]

ワシントンからの圧力により、パキスタン軍と準軍隊は北西辺境州の国境地帯で、アルカイダとタリバン残党に対する新たな攻撃の準備をしていると、パキスタン高官が日曜日に述べた。

今回の作戦は、アメリカが供給した諜報にもとづくもので、アフガニスタン側で作戦を展開している米軍と緊密な連絡をとりながら行なうという。「パキスタン軍は、国境に沿って存在するテロリストの隠れ家を攻撃するアメリカの作戦と、協力する準備ができている」とパキスタンの諜報部高官が述べた。「この作戦のタイミングは、アメリカが決める」という。

この作戦と関連して、パキスタンの国境警備隊は南ワジリスタンで、「非常線と捜索」作戦を開始し、アルカイダとタリバンを追い出そうとしていると、行政官Mohammad Azam Khanが述べた。Khanによると、南ワジリスタンにはおそらく「何十人」ものアルカイダ残党がいるという。

ここ2年間、パキスタンは約5万兵を1400マイルにおよぶ国境地帯に配置した。しかし、アメリカはなおもパキスタンに圧力をかけている。ムシャラフ大統領は部族地帯の部族長たちに、アルカイダやタリバンを引き渡すことを要求した。もしこの地域の安全を確保しなければ、米軍がパキスタンの主権を侵害して、「アフガニスタンにおけるテロの発祥地であるパキスタン」を攻撃してくる「危険性」があると警告した。さらにムシャラフは、容疑者を匿った部族民は、アメリカには引き渡さないと約束した。

パキスタンの警備官によると、今回の作戦は、南ワジリスタン、北ワジリスタン、モーマンド行政区、カイバル行政区、オラカザイ行政区という、広い範囲で実施されるという。クラーム行政区には、アルカイダはいないと信じられている。この地域はシーア派が多いからだ。

hoonAl Qaeda and Taliban Remnants Targeted
By John Lancaster and Kamran Khan


■アフガンゲリラとアメリカの共通の敵[040223 Washington Post]

1999年10月、Counterterrorist CenterのCIA工作員が、タジキスタンのドゥシャンベに飛んだ。暗号名JAWBREAKER-5は、ビンラディン捜索班の責任者Richが指揮していた。飛行場に行き、ソ連製のMi-17輸送ヘリコプターに乗り込み、アフガニスタン北部の雪に被われた山をめざした。

彼らの目的は、北部同盟の司令官マスードと協力して、ビンラディンに関する秘密情報を収集し、作戦を行なうことだ。「我々は共通の敵を持つ」とCIAのリーダーはマスードに言ったという。「一緒にやろう」。(中略)

マスードは、独立心の強い男だった。書物の中に身を置いた。信心深く、ペルシア語の詩を読み、イスラム学を学んだ。しかし1990年代、彼の軍は大虐殺を行なった。アメリカとイギリスのドラッグ取締官は、彼の部下たちがアヘンやヘロインの密輸に関わっていることを非難していた。

1999年になるとマスードは、ペンタゴンやクリントン政権内では、暴漢の頭と見られていた。アメリカが彼をパートナーにするかどうか、大きな議論となった。しかし結局CIAは、特にCounterterrorist Center内部では、マスードがアメリカの最後の命綱だということになった。マスードに欠点はあるかもしれないが、ビンラディンのほうが、大きな脅威だった。

《取り引き完了》

アルカイダが新たなテロ攻撃をするという情報が集まるにつれ、クリントン政権の警備アドバイザーSamuel R.“Sandy”BergerとRichard Clarkeは、JAWBREAKER-5の行動を承認することにした。マスードを完全に信頼していたわけではないが、ビンラディンの逮捕か死に結びつくものなら、何でもしようという気持ちになっていた。

当時マスードはアフガニスタン北部で、タリバンと戦っていた。マスードの部下たちは、たびたびビンラディンの一行、アラブ人志願兵や、アルカイダに雇わられたパキスタン人やチェチェン人戦士たちと戦っていた。当時のCIACounterterrorist Center長官Cofer Blackは、マスードがこの戦いの最中にビンラディンを捕らえて殺すこと、またはアメリカに引き渡してくれることを期待していた。

1999年10月、パンシール渓谷のある隠れ家でマスードは、CIAとの関係は深めたいが彼にも制約があると、JAWBREAKER-5のチームに語った。ビンラディンは1年のほとんどを、マスードの拠点から遠く離れたカンダハルですごした。しかし時折ビンラディンは、ジャララバードやカブールを訪れることもあった。これらの地域では、マスードの諜報組織や工作員たちが、何らかの情報を得ることができるかもしれない。

さらにマスードはCIAに、ビンラディンとアフガニスタンに対するアメリカの政策は、失敗に終わるだろうと述べた。アメリカ人たちはビンラディンとその幹部たちを逮捕することに力を注いでいるが、アルカイダが成長を遂げている、さらに大きな文脈を見落としているという。タリバンは? パキスタンの諜報部内にいるタリバンシンパは? サウジやアラブ首長国連邦の資金援助は?

「私たちが、あなたが要求していることを成し遂げたとしても、今、成長しつつある、より大きな問題を解決することにはならない」と、マスードはCIAに語ったという。CIAはマスードに、彼の批判には同意すると述べた。しかし自分たちには、自分たちに課された命令がある。アメリカ政府は、タリバンと軍事的に対戦することを禁じている。アフガニスタン戦争において、武装グループを直接援助することもできない。アメリカの政策は、ビンラディンとその幹部を逮捕するか、殺すことだ。もしマスードがアメリカの使命に協力したら、将来、政治的支援や援助をすることができるかもしれない、とCIA高官は述べた。

マスードの諜報官は次のように語る。「苛正しいことは、この悲劇の中で、この混乱の中で、本当に小さい部分のこと、ビンラディンについて論議していたことだった。もし我々の味方であるなら、ビンラディンが問題だ、などと言うことはないはずだ。我々にとって、それは問題の一要素であり、問題そのものではない」。

それでもマスードは、CIAに同意した。通訳を勤めたAbdullahは回顧する。「まず、共通の敵に対して協力することだった。次にアメリカに我々のことを理解してもらい、アフガニスタンの状況を知ってもらえるのではないかと、期待した」。

《歴史への警戒》

マスードはCIAと長い歴史を持つ。非難や不信は、今や伝説となった。

最初1984年に、CIAはマスードを援助した。しかしこの関係は、CIAが対ソ連時代にパキスタンに頼っていたために、損なわれた。パキスタンの諜報部は、マスードがパキスタンの支持するヘクマチアルと敵対関係にあったために、彼を嫌悪していた。ソ連との戦いが終わると、パキスタン諜報部はマスードを勝利者から排除しようとし、CIAもこれに従った。しかし国防省や国会議員からの圧力で、CIAはマスードと個人的なチャンネルを開いた。

1990年に、CIAのマスードとの秘密の関係は、50万ドルの支払いを巡ってぎくしゃくした。イスラマバードにいたCIA高官Gary Schroenが、マスードがサランハイウェイで、アフガン共産主義の軍隊を攻撃するという保証と引き換えに、現金をマスードの弟に送った。しかしマスード軍は動かなかった。少なくともCIAはそう見た。Schroenたちは、50万ドルを盗まれたと信じた。

Schroenはマスードとの接触を再び試み、1996年9月にカブールで、マスードに単独で会った。当時、ビンラディンはアフガニスタンに隠れ、CIAはアルカイダを監視しようとしていた。Schroenとマスードは、古い傷を解決した(マスードは、50万ドルは受け取ってないと主張)。マスードは、スティンガーミサイルを回収するという、CIAの秘密計画に協力することを約束した。彼が所有していた8つのミサイルをCIAに売却し、ビンラディンに対する諜報作戦を話し合った。

1997年春、マスードの新しい事務所があるTaloqanで、Schroenは再びマスードと会った。そのときすでにタリバンはカブールに入り、マスードは撤退していた。アメリカを味方につけ、タリバンとの戦いを有利にするために、マスードはCIAのために、スティンガーミサイルを北部で買い上げ始めた。ビンラディンの情報を得たら、CIAに通報することも約束した。

電子通信機や少額の現金――多くて25万ドルを持って、CIAはしばしばパンシールにいるマスードに会いに行くようになった。最初のグループ、暗号名NALT-1が、1997年ドゥシャンベからパンシール渓谷に、マスードのヘリコプターに乗ってやってきた。

1999年までに、3つのチームがマスードのもとに派遣された。マスードに与えた電子機器は、タリバンのラジオ交信を傍受することができた。それと引き換えにCIA高官はマスードに、ビンラディンやその幹部についての情報を傍受したら、すぐさま知らせるよう、要求した。

クリントン政権内にはマスードを不審に思う者がいたため、CIAがマスードと近づいていることは、波紋をなげかけた。マスードはタリバンと戦っている。アメリカは中立を宣言していた。クリントンはタリバンに経済制裁を与えていたが、マスードに資金援助や武器の調達をすることも拒んでいた。ホワイトハウスはCIAに、パンシールとはビンラディンに関することだけで接触するように注意した。政府はマスードのタリバン戦争に、CIAが密かに協力することを快く思わなかった。

クリントンは、諜報収集に関してマスードと協力する準備はあるが、北部同盟を武装することは望まないと語った。ペンタゴンと諜報部はクリントンに、マスードはすでに別のルートで十分武器をもらっていると述べたという。結局マスードはタリバンを征服することはできず、アフガニスタンを支配することはできないと見た。

ホワイトハウスでは、サランハイウェイの時と同様、マスードは金だけ取って、何もしないのではないかと恐れていた。最終的にNational Security Councilは、マスードと諜報の協力をすることを承認した。しかしこの機密文章には、CIAは「根本的にアフガン戦場を変える」ことにつながる機器や、援助はしないと明記された。

《アフガン、好機をつかむ》

JAWBREAKER-5が帰った数ヵ月後、CIAはビンラディンがジャララバードのDeruntaキャンプに戻ったという情報を掴んだ。マスードの情報源は、アフガン人はDeruntaに行くことができず、アラブ人しか入れないと伝えた。Deruntaはエリート部隊のための学校のようだった。国防省の諜報部は、ビンラディンの一味がここで化学兵器か毒物を作っているという情報を得ていた。衛星写真が撮られた。

CIAは、この地域に住んでたり、行ったことのあるアフガン人を雇った。CIAはマスードの南の前線、ジャララバード付近に、諜報情報収集機器を持ち込んだ。ラジオ傍受機のほか、10マイル離れたことろから写真を取ることができる、スパイ探査機で使われるテクノロジーも含まれていた。マスードの配下たちは、CIA高官がDeruntaを見渡すことを可能にし、一帯を監視しようとした。

CIAのビンラディン捜査班はマスードに、ビンラディンがDeruntaに到着したことを伝えた。マスードは作戦を命令した。彼はロバを数頭集め、ソ連製のカチューシャロケットを背中に積み、Deruntaの丘の上に連れて行った。ロバが歩き始めると、彼はラングレーに計画を話した。ビンラディンのキャンプを、ロケット弾で攻撃すると。

CIAの法律家たちは、警告を発した。ホワイトハウスがマスードと結んだ法律上の誓約書には、ビンラディンに対するこのような軍事的作戦は含まれてない。マスードとの協力は諜報情報の収集だけだ。CIAは結果的に、Deruntaをロケット攻撃することにつながる情報を与えてしまったのだ。

ビンラディン捜査班はパンシールにメッセージを送った。「この作戦を中止しろ」。マスードの側近は答えた。「これを何だと思っている? 第82空挺師団か? 我々はロバを使っているんだ。もう出発してしまった」。マスードのチームは、ラジオを持ってなかった。目的地に歩いて出かけていった。ロケットを発射し、また歩いて戻ってくるのだ。

ラングレーの高官たちは、ぴりぴりしながら待った。結局マスードの側近は報告をしてきた。彼らはDeruntaにロケット弾を打ち込んだ。しかしCIAはこの攻撃はその結果についての正確な情報を、つかむことはできなかった。法律家は安堵し、この事件は発表されることなかった。

《タリバンについて語る》

2000年の間、マスードはタリバンとアルカイダに対する軍事作戦を拡大することにした。イスマイル・ハーンやドスタム将軍などのゲリラのリーダーを巻き込み、タリバン支配が弱い北部や西部に配置しようとした。これらの地域が平定されれば、マスードは軍を引き連れて、一気にタリバンが支配する町を征服していく。北部でもっと基盤を築いたら、同じ戦略でタリバンの根拠地、南部にも進出する。カルザイのような、パシュトゥン抵抗分子を援助しようともした。カルザイは当時パキスタンに亡命していた。1999年にカルザイは、タリバンと故郷であるカンダハルで対決することを考えていた。マスードは側近をカルザイに送り、考えを伝えた。

カルザイはマスードと直接、あるいは衛星電話で話し、マスードに協力し、アフガニスタンに忍び込み、戦う準備ができたと述べた。カルザイは後になって、マスードの言葉を回顧する。「カンダハルには行くな。あなたが地盤を築けるところに行くべきだ」とマスードは言い、カルザイを北に招待したという。「非常に賢い男だった」とカルザイは言う。「私は当時ずうずうしく、向こう見ずだった」。

《飛ぶ奇跡》

計画を実行するためにマスードは、ヘリコプター、トラック、その他の車輌を必要としていた。マスードと協力していたCIA高官は、彼に衛星電話、現金、訓練や武器を供給してやりたかった。しかし2000年の間は、マスードと諜報情報の共有という根本の約束だけを維持しようとした。

CIA高官がパンシール渓谷にたどりつくことには、危険が伴った。唯一の道が、タジキスタンを通ることだった。そこからCIAは、ヘリコプターに乗った。あるとき、タリバンがMiG-21ジェットを飛ばし、マスードのヘリコプターを打ち落とそうとした。成功していたら、落ちた機体からアメリカ人の遺体が発見されたことだろう。ヘリコプターはおんぼろだった。車もひどかった。

これらの状況が、Deputy Director of OperationsのJames Pavittの耳に届いた。彼はCIAのスパイ行為の責任者だった。彼はCIA高官たちに、どうしてマスードと協力するために、そのような危険を冒すのか? それに見合うだけの情報を得ているのか? と尋ねた。あるときCIAは技術者を派遣してMi-17を開けてみると、びっくりした。エンジンはつぎはぎだらけで、飛ぶことは奇跡といえた。その後テネットは密かに約束をした。CIAは飛ぶに足りるMi-17を購入し、タシュケントで正式にメンテナンスを行ない、CIAのパイロットを使ってパンシールまで飛行することになった。

しかしこのヘリコプターの問題は、大きな問題の前兆だった。2000年の夏までに、CIAのマスードとの協力は、両方からうまくいかなくなってきたのだ。

地形に阻まれ、議会ではマスードに対する支援を勝ち取れず、CIA高官たちはいらいらした。マスードの側近たちにとっては、CIAと協力することで、アフガニスタンの状況を理解してもらい、ワシントンの援助を期待していた。しかし、これは起こりそうもなかった。そのかわりに、マスードの諜報部側近がいうように「ハリウッド作戦」、つまりビンラディンを生きて捕らえるようにしつこく要求された。この側近の記憶によると、マスードの配下がCIAに、「アフガニスタンの人間がアメリカが欲しがっている男を捕まえたら、アメリカ政府は何らかの政策を行なってくれるのか」と聞いたという。

《マスードの失望》

2000年10月のコール船爆破事件のあと、CIAはマスードにもっと援助をすることにした。ラングレーの高官たちは11月に、現金のほかに、マスードが必要とするもののリストを挙げていった。現金は司令官を買収し、アラブの金で膨らんだタリバンに対抗するために必要だ。マスードはトラックやヘリコプター、軽武器、爆発物、制服、食料、迫撃砲や銃器が必要だ。戦闘機はいらない。戦車もいらない。これには5000万ドルから1億5000万ドルかかる。

この計画でCIAは、マスードとともにパンシール渓谷に基地を設置する。ビンラディン捜査班の責任者Richは、たき火を取り囲み、CIAは常にマスードの配下たちと行動するべきだと提案した。

CIAは、ビンラディンを捕まえる作戦に関して、マスードとの間に生じた行き違いをなんとか修正しようとした。計画では、ビンラディンの居場所がわかったら、CIAは北部同盟とともに行動し、直接行動することだった。Deruntaのようなことは、もう起こらないだろう。

秋が終わるころ、ClarkeはCIAの計画をクリントン政権の警備アドバイザーのBergerに送った。しかし、選挙の真っ只中だった。「マスードに対する新たな行動は起こさない」という答えが、すぐに戻ってきた。

2001年にブッシュ政権がスタートすると、マスードはワシントンに再び注目された。彼はチェイニーに手紙を書き、アフガニスタンに対する政策を見直すように進言した。彼はビンラディンが資金を提供し、パキスタン軍が援助する限り、タリバンを制服することができないと述べた。アフガニスタン内に新たな政権と軍による同盟軍を作り、タリバンを追い出そうと思う。そのためにはアメリカの支援が必要だと述べた。

その春、マスードはEUで演説をするために、フランスに行くことになっていた。Gary SchroenとRichはパリに飛び、マスードと会った。彼らはマスードに、ワシントンの政策が変わったためにこれまでのようにマスードの元を訪れることはできないが、それでもCIAは諜報情報の交換として、数千万ドルを払う準備があると述べた。マスードが現在の状況をどう考えているかも、知りたがった。

マスードは、アフガニスタンの北東部を守ることだけはできる、と答えた。しかし、それだけだ。マスードはCIA高官に、アメリカはなんとかしなければならない。でなければ自分は崩れてしまう、と静かに述べた。数日後マスードは記者たちに語った。「もしブッシュ大統領が助けてくれなければ、テロリストたちはアメリカや欧州を攻撃するだろう。そのときは、もう遅すぎる」。

《致命的な打撃》

2001年9月、マスードの諜報部はCIAのCounterterrorist Centerに、カブールから北部同盟側に入ってきた、2人のアラブ人テレビジャーナリストについての情報を送った。マスードとCIAが交わした情報交換は、主にアフガニスタンにいるアラブ人と外国人に関してだった。ビンラディン捜査班は、この2人のアラブ人ジャーナリストの動きを監視したが、それほど興味を引くものではなかった。

9月4日、ブッシュ政権のメンバーたちはホワイトハウスで集まっていた。アルカイダ、アフガニスタン、マスードに対するアメリカの新しい政策についての草案を話し合っていた。草案を作るのに、何ヵ月もかかった。ブッシュ政権は4月になるまで、アルカイダを眼中に置いてなかった。7月になるまで政策を 立て始めなかった。さらに会合を開くまで、数週間かかった。

この草案のなかで、以前クリントンが却下した、マスードに対する援助がすべて採用されていた。計画によるとCIAはマスードに、タリバンと対戦するための巨大な資金を与えることになっていた。トラック、制服、爆薬、迫撃砲、ヘリコプターなど。ブッシュ政権はこれを承認した。

パンシール渓谷は、これらの動きを知らなかった。9月9日、マスードはペルシア語の詩を読んでいた。その日遅くになってから、カブールからやってきた2人のアラブ人ジャーナリストと会見を行なうことを決めた。1人がテレビカメラを設置し始め、もう1人が質問項目を読み上げた。ほとんどがビンラディンについてだった。テレビ装置に隠された爆発が突然、カメラマンの体を引き裂いた。窓は吹き飛び、壁は炎に包まれ、マスードの胸には爆弾の破片がつきささった。

数時間後、マスードはタジキスタンに移送され、彼の諜報官Amrullah SalehがCIAのCounterterrorist Centerに連絡した。Richと話した。彼は泣いていた。途切れ途切れの言葉で、何が起きたか説明した。

「マスードはどこだ」CIA高官が尋ねた。「冷蔵庫にいる」と、霊安室に対する英語がわからなくて答えた。

マスードは死亡したが、彼の取り巻きたちは、それを受け入れられなかった。みんなショックを受けていた。なんとかして、正常に戻ろうとした。マスードが負傷した、という嘘を流した。いっぽうSalehはCounterterrorist Centerに、もしアルカイダとタリバンに対決するなら、CIAの援助がいると述べた。

9月10日の朝、CIAはブッシュと会見してマスードの死を伝え、アルカイダに対するアメリカの戦争を分析した。ビンラディンを攻撃するために、北部同盟とはまだ関係を続けることができると考えたCounterterrorist Centerの高官は、ワシントンに北部同盟を援助するように説得した。

その間マスードのアドバイザーたちは、マスードがまだ生きているかもしれないという希望を人々に広めようとしていた。しかし9月10日が終わるにつれ、司令官に近かったアフガン人たちは、彼が去ってしまったことに少しずつ気づいていったのだった。

ohFlawed Ally Was Hunt's Best Hope
Afghan Guerrilla, U.S. Shared Enemy
By Steve Coll


■「オサマ、バローチスタンに追い詰められる」[040223 The News]

アメリカとイギリスの特殊部隊が、ビンラディンをバローチスタンに追い詰めたと、イギリスの新聞『Sunday Express』が報じた。

記事によると、「オサマと50人の部下たちがクエッタとKhanozaiの北部」に「追い詰められた」という。米軍は彼が逃げ出せないという「確信をもっている」らしい。ビンラディンは「Toba Kakar山脈」に1ヵ月前、240キロ南から入った。オマール師もビンラディンと一緒にいるらしい。ワシントンでは、国防省情報官はコメントを避けた。

この地域はスパイ衛星に監視され、米軍とイギリス軍は、行動に出るために待機していると、同紙は報じた。同紙は「ホワイトハウスとペンタゴンに近い情報源から」ビンラディンの居場所がわかったと教えられたという。「彼がどこにいるか知っている。捕まえられる場所にいる。監視できる場所にいる」という。

ビンラディンの居場所は「CIAと特殊部隊、地形学者の分析や土壌学の専門家が割り出した」。ビンラディンのビデオの背景を研究し、それがToba Kakar地域のものであることがわかった。2人のユニットからなる特殊部隊が、潜入していると報じる。さらに今週になってビンラディンがこの地域にいるという情報が入り、つぎつぎと入ってきた。「彼らに気づかれないために、ヘリコプターは使用していない」という。『Sunday Express』に掲載された写真によると、ビンラディンが隠れている場所は、KhanozaiとMurghaの北である。

地元高官によると、ビンラディンの報道には信憑性がないという。「Toba Kakarでは、このような事実はない。情報は何も入ってきていない」と語った。

smell"Osama cornered in Balochistan"
LONDON


■アルカイダに対して新たな攻撃[040223 The News]

パキスタン軍と米軍が国境の両側に配置され、アルカイダとタリバンを捜索する最中、アフガニスタンのコーストではアフガン人遊牧民7人が逮捕された。

アルカイダとタリバンと接触した容疑がある7人のGurbaz部族民が、国境から3キロの所で逮捕された。地元民によると、米軍が7人を逮捕したという。「昨日、米軍とアフガンの同盟軍が家宅捜査を行なった。7人のGurbaz部族民が逮捕され、取り調べを受けている」と目撃者が語った。この地域は、以前、タリバン司令官ハッカーニがたびたび用い、アメリカの空爆により、12人の部族民を殺害されている。

米軍はコーストのGurbaz、Chargoti、Maidan、Atta Kaleyでテロリストの捜索を始めているといわれ、アルカイダかタリバンがこの地域に潜んでいるとみられている。先週実施された捜索で、Hezb-e-Islamiの司令官Akbar Khanを含む何人ものアフガン人の家から、重武器が押収された。

また米軍はパクティカ州Argon地方でも捜索を強化し、コースト市や郊外にも捜索を展開しているという。タリバンはザーブルを制圧したと述べているが、米軍からは確認がとれてない。

いっぽう南ワジリスタン行政官Muhammad Azam Khanは、アフガン国境に、パキスタン軍を増強させた事実を否定した。すでに十分軍隊はあるために、増強する必要はないという。Khasadar(部族警察)と準軍隊だけで作戦を実施するが、必要であれば軍も派遣するという。

garrNew offensive against al-Qaeda
By Behroz Khan、PESHAWAR


■軍、アルカイダに対して作戦準備[040223 The Nation]

パキスタンは国境の南西部を封鎖し、この地帯で行なわれる反テロ作戦が開始する前、「別の軍」が入り込まないよう、ワナに「rapid action force」を配置した。

「別の軍が入り込むことは許さないし、我々の軍がアフガニスタンに入ることもない」と、情報相Sheikh Rashidがジャーナリストたちに語った。

彼によると、部族民たちに与えた期限である2月20日が過ぎたため、軍が作戦を開始するが、これは重要な作戦ではないという。部族民たちは容疑者の半分を引き渡したが、まだ「おそらく50人」が隠れているという。またこの反テロ作戦は「特定の人物」の逮捕を目的とするのではないと述べた。アメリカが捕らえたというビンラディンの衛星写真の存在は、否定した。

garrArmy set for operation against al-Qaeda
from JAVED RANA、ISLAMABAD


Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003, 2004.