【2004年3月01日〜3月07日】


■部族民、アルカイダ捜索に協力を約束[040307 Reuters]

日曜日に部族民たちは、アルカイダの捜索に協力することを、政府に約束した。約2000人の武装した部族民が、政府に協力して、この地域に隠れている外国人「テロリスト」を捜索することを、ロヤジルガで決定した。(中略)

土曜日には米軍とパキスタン軍高官がチャマンで会い、タリバンやアルカイダが国境を越えないよう、警備について確認しあった。

hoonPakistani tribesmen promise help in al Qaeda hunt
By Hafiz Wazir、WANA


■死亡したカナダ人アルカイダの息子、CIAのスパイ[040307 Daily Times]

以前ビンラディンとともに暮らしていたカナダ人が、後にCIAの二重スパイとなり、ギュンタナモとボスニアの刑務所で、アルカイダをスパイしていたという。

Abdurahman KhadrがCanadian Broadcasting Corporation(CBC-TV)に語ったところによると、彼はは9.11以後、CIA工作員をカブールのアルカイダの隠れ家に案内したという。この男は現在トロントで家族とともに暮らしていて、昨年10月にパキスタンで殺害された、エジプト生まれのカナダ人のアルカイダ容疑者Ahmed Saeed Khadrの息子である。

Abdurahman KhadrはCBCとのインタビューで、ビンラディンの家庭生活を語り、バレーボールを好み、子供の躾に厳しかった父親としての顔を語った。Khadrは9.11の数ヵ月後に、カブールで捕まったという。その後CIAの工作員になることに同意し、アメリカの工作員とカブールを旅した。「私はCIA、FBIや軍の人間と車でカブールを回り、アルカイダの家やゲストハウス、貯蔵庫に連れて行った」。CIAから、月3000ドルをもらっていたという。その後ギュンタナモに連れて行かれ、囚人をスパイしていたという。ここでの仕事はうまくいかず、その後ボスニアに連れて行かれた。

アメリカの工作員は、彼にアルカイダ兵士とともにイラクに行くことを志願させたかったが、彼は拒否したために、CIAとの関係を伏せることを条件に、トロントに戻ることを許可されたという。(後略)

smellCanadian son of dead Al Qaeda suspect blows CIA cover
TORONTO


■容疑者の引き渡しを話し合う[040307 Daily Times]

FATA出身の5人の国会議員が今日Ahmedzai族と話し合い、政府側が要求している3人の重要容疑者の引き渡しについて話し合う予定である。

ワナの部族民が語るには、「部族民の間に不信感がある」という。「もし有名な科学者が、アメリカの圧力のもとで見逃されることがないのなら、部族民がアメリカに引き渡されないはずがない」。以前、アフガニスタンのパクティア州で米兵とともに行動した経験がある部族民は、基地にいる米兵に、3人の容疑者がどこにいるか教えるよう、要求されたという。5人の国会議員は部族民に、容疑者はアメリカに引き渡されることはないと、確信させるという。

「ワジール族にとっては、容疑者を引き渡す最後のチャンスだ。明日行政側が新たな作戦を実施しても、文句は言えない」と行政官は述べた。

いっぽうある情報源が『Daily Times』に、軍の戦術は「アルカイダに大きな打撃」を与えたと述べた。近々軍がcある地域で作戦を開始するという情報が出まわっているが、「本当の目標」は別にあるという。この戦術はアルカイダを惑わせ、1ヵ所に長く留まれなくしている。「我々はまさに、彼らを疲労させたいのだ」という。

またパキスタン軍と米軍高官は土曜日にチャマンで会い、情報を交換した。あるニュース番組によると、2人のフランス人大佐を含む5人の米軍のチームが、チャマンの国境警察のCol Basitと会った。

hoonMeeting over wanted men today: Suspects won't be deported, senators
will assure tribeBy Iqbal Khattak、PESHAWAR


■米軍とアフガン軍、銃撃戦で武装兵士9人殺害[040306 Reuters]

金曜日にパクティア州で、米軍とアフガン軍が武装兵士との間で銃撃戦を行ない、武装兵士9人が射殺された。同盟軍のほうには、負傷者はいなかった。

これとは別に木曜日、14人の武装兵士が、コースト北部の建物内で逮捕された。米軍が空から攻撃した結果、敷地かちはロケット弾100弾とライフルや爆発物が見つかった。「諜報情報を得たために、コースト北部の建物を目差した」という。

hoonU.S., Afghan forces kill 9 militants in gun battle
KABUL


■タリバン、テロでアフガンの村を牛耳る[040306 Daily Telegraph]

タリバンの脅迫戦術は簡単だ。約20台のホンダに乗り、家を包囲して、アメリカやカルザイを支持する者たちを捜し出すのだ。見つけたら殺す。いなければ見せしめとして、暴行を加える。

カブール南西部のShah Joy村の人々は、国の再建をめざす政府とタリバン支持との間で、板挟みになっている。アフガン南部では、よくある光景になってしまった。タリバンはここで再結成し、春の訪れとともに米軍を攻撃する準備をしている。タリバンはザーブル中心に集まっている。ザーブルの70%はほとんど無法地帯だ。

「彼らはしょっちゅう来る。山の近くに隠れ、ときにはモスクにも隠れている」と兵士Haji Mohammadはいう。「兄弟2人は、私が地元政府のために働く兵士であるために、暴行を受けた。2人は連れて行かれそうになったが、長老が説得したために釈放された。それ以来、家には帰れない。殺されてしまう」。

タリバンはカブールとつながる道を、日中堂々と封鎖し、車輌を調べては殺したり誘拐したりする。この3ヵ月間で、幹線道路で働いていた4人の技術者が誘拐され、政府のために働く15人のアフガン人が殺害された。外国人は、この地域には入ってこない。援助活動家たちは逃げ出した。ペシャワルやクエッタから、約700人の武装したアフガンタリバンが、国境を越えたようだ。訓練を受け、資金も十分ある。

司令官たちは政府から略奪し、爆弾を仕掛ける者たちに、バイク、AK47、衛星電話機を配給する。ザーブルを危険な場所にして、住民たちを中央政府からタリバンに肩入れするよう、仕向ける作戦である。「我々の貧しさを利用している」とザーブルの治安司令官Gen Ayoub Khanは述べる。「行政は弱く、地域をコントロールすることができない。したがって、地元民は、彼らに頼らなくなってしまった」。ダイ・チャパン地域では、パンジャーブ人司令官もいる。「我々は1ヵ月前に2人のタリバンを逮捕したが、彼らによると、パキスタン人少佐がアフガニスタンを撹乱するよう、指示を出したと述べた」。

今は地元政府の兵士である前タリバンMohammad Azgharは、仕事が何もなく、ブドウやアーモンド農家が7年間の干ばつで収入がない今、カネに目が眩んでいるという。「2人のタリバン司令官を殺したら、20万アフガニと銃を持っていた。農民はそんな高額の金は持ってない。司令官たちは戦士たちに金をばらまき、『学校に放火しろ。金をやる。家を略奪しろ。金をやる』と言う」。

アメリカ人たちは、再建を約束してアフガン人を味方につけようとしている。来月、米軍は州都のカラットに、地方再建チームを派遣する。しかし州知事Malawi Mohammed Omarは、アメリカ人たちにとってはそう簡単なことではないという。アメリカ人たちは、敵を見つけ出すことに協力を申し出ている村の長老たちと、話し合おうとはしないようだ。「オマール師がたとえ彼らの目の前にいたとしても、アメリカ人たちは気づかないだろう」。「アメリカ人たちが地元に落ち着き、地元のリーダーたちと交渉し、彼らを非武装化するまで、何事ももうまくいくはずがない」。

garrTaliban tighten their grip on Afghan villagers with terror tactics
By Hamida Ghafour in Shah Joy


■FATAの国会議員、行政と部族民の間をとりもつ [040306 Daily Times]

部族地帯の国会議員たちが、南ワジリスタン行政とワジール族との間の緊張を緩和するために、仲介するという。

部族地帯出身の5人の国会議員が、ワナの行政官Rehmatullah Wazirと軍司令官と話し合ったことを受け、Ahmedzai族は2、3日のうちにジルガを開催し、容疑者の引き渡しについて話し合うことを決めたという。

5人の国会議員は、北西辺境州知事Syed Iftikhar Hussain Shahと水曜日に会見したあと、南ワジリスタンを訪問した。5人の親政府寄りの国会議員は軍司令官と行政官と会い、混乱した状況の解決策を話し合ったという。

いっぽう部族議会の要求に従って、行政はジルガに出席できるよう、逮捕されている部族長たちの釈放を命令した。水曜日に、Ahmedzai、Yargulkhel、Kakakhelの長老たちが逮捕され、デーラ・イスマイル・ハーンに投獄されていた。

情報源によると、3人の重要容疑者の引き渡しのために、国会議員たちは長老たちと話し合う予定でいるために、土曜日に開催されるジルガは今後のアルカイダに対する作戦の展開を決める重要なかぎになるという。「この3人は非常に影響力があり、逮捕は重要だ。かれらを逮捕することで、テロリストたちを匿う人々に心理的プレッシャーをかけることができる」と、ペシャワルのFATA高官が述べた。

いっぽう南ワジリスタン行政は金曜日に、武器を店頭に展示した罪で、男を逮捕した。Shudiakai族のNoor Salamは、ロシア製AK-47を展示したとし、ライフルは没収され、10万ルピーの罰金が課された。3年の刑が言い渡されたという噂もある。「この判決は、行政は言ったことは実行するという、強いメッセージになる」と、行政官は述べた。行政は2月29日に、公衆の面前に武器を展示することを禁止している。

hoonFATA MPs to broker administration-tribesmen deal
By Iqbal Khattak、PESHAWAR


■トルコ人援助活動家殺害される[040305 Reuters]

金曜日、アフガニスタン南部で、米資本の道路建設計画で働くトルコ人技師が殺害され、1人が誘拐された。イスラム過激派の犯行とみられる。

garrTurkish worker killed as UK's Straw visits Kabul
By Mike Collett-White、KABUL


■ビンラディン、「パキスタンの作戦を免れる」[040305 BBC]

アフガニスタン東部にいる地元高官が、ある信頼できる情報源からの報告として、ビンラディンが最近パキスタンで実施された彼に対する捜索作戦を免れたと語った。この地方知事は、この事実をアフガン諜報部に伝えたという。

ナンガハル州のPachir-Agam地方の知事Haji Abdullahは、3日前にこの情報を得たという。彼によると、「シェイク」に関するファックスを受け取ったという、あるタリバンメンバーに会ったという。このファックスは、シェイクは元気に生存しており、パキスタン軍が彼を捕まえようとしたが、逃げたという。また彼は、米軍が最近トラボラで捜索をしているという情報を否定した。

しかしChaprihar近くの住民や高官によると、今週米軍がこの地域に増兵しており、何人かは数日間滞在しているという。米軍は、トラボラでは作戦を行なってないと否定した。またビンラディンが逃げたという、地方知事の話は聞いてないと語った。

smellBin Laden "evaded Pakistani raid"
By Andrew North


■宗教過激派連合[040305 Daily Times]

血に塗られたモーラムとなった。クエッタで47人が死亡し、150人以上が負傷した。激怒した暴徒が店やモスクや車やテレビ局に放火した。(中略)

そしてパキスタン・テレビ(PTV)は、お決まりの文句を掲げる人々を映し出した。「ムスリムがこんなことをするはずがない。外国のスパイの仕業だ」。これは真実ではない。いくつかの組織に、外国の組織が入り込んでいる可能性はあるが、2つのことが言える。ムスリムは、宗教的暴力を犯す。デオバンド派やジハード団が、これに関わっている証拠がある。

例えば去年、クエッタのシーア派のモスクで50人が殺害された事件を見てみよう。事件の前、反シーア派を掲げた文章が、クエッタに出回った。シーア派のハザラ族聖職者がテレビで、MMAのある党派を指差した。この政党はデオバンド派で、カシミールやアフガニスタンでジハードを行なっているといわれる。後に警察がクエッタの悲劇の容疑者を捕らえたところ、少なくとも1人がクエッタのJamiat Ulema-e-Islam党員の息子だった。

いわゆるジハードは、二面性を持つ。警察官たちは、ある組織の活動家が別の組織のためにも働き、組織の区別はほとんどないことを知っている。たとえばSipah-e-Sahaba Pakistan(SSP)、Lashkar-e Jhangvi(Lashkar)、Jaish-e Mohammadは、同じ活動家たちで成り立つ。1990年にイラン総領事Sadiq Ganjiを殺害した、LashkarのHaq Nawazに死刑が宣告されたとき、のちに殺されたSSPのAzam Tariqが、テヘランに賠償金を支払うことを申し出た。Lashkarの長のRiaz Basraが2002年6月に警察によって殺害されたとき、彼の遺体はSSPの旗でくるまれて埋葬された。

ムスリムはそんなことはしない、という主張は歴史的にも間違っている。4人の正統カリフのうち、3人が暗殺されている。(中略)

宗教過激派の政治への関わりは、ジアウル・ハクの政策と、アフガン「ジハード」に遡る。これらの事件に外国人が関わったかどうかは、治安組織に任せたい。しかし2つのことが言える。外国の要素は、混乱した状況の中に出現する。自分たちで状況を混乱させることはできない。次に、Jama'at-e IslamiのQazi Hussain Ahmedは、手が汚れた者たちと、政治的に同盟を結んでいることを知っている。Jama'at-e Islami自体には、宗教過激派の行動に対する責任はないが、Qazi Hussain AhmedはMMAの仲間たちに荷為替手形(クリーンビル)を見せて、惑わそうとしている。

パキスタン当局は、ジハード団が宗教過激派的傾向を持つことを知っている。武装組織をなんとか抑制しようとしたが、手に負えなくなったとき、方策を変えざるをえなくなった。1998年8月にアメリカがコーストにある訓練所を攻撃し、Harkatの活動家を多数殺害する直前、『The Friday Times』は、極秘報告を報道した。そのレポートでは、このキャンプについて指摘され、いかにHarkatの武装団たちがラホールのMomanpura墓地にいるシーア派を攻撃することを計画し、20人以上を殺害したかを暴露した。

パキスタン人たちは、これらの事実をうやむやにしている。我々はこの国の人口の多くが、過激派的な側面を持ちはじめている事実を認めなければならない。今回のシーア派の事件については、まだ真相はわからない。しかし我々自身についての神話の正体を暴き、現実に目を向ける必要がある。

hoonSectarianism Inc


■オサマを捕らえろ??しかしどこで、いつ?[040305 Asia Times]

『Asia Times』はペシャワルの情報源から、ビンラディンは先週、南東アフガニスタンから、南ワジリスタンに入ったという情報を得た。この情報源によると、ビンラディンは数十人のアルカイダ戦士とタリバン1200人以上に守られ、全員地元パシュトゥン族に溶けこんでいるという。

ということは、ビンラディンはアフガニスタンのパクティカに隠れていたことになり、厳しい天候の中で、Toba Kakar山脈の中のKhand峠を経て、南ワジリスタンに入ったと思われる。一番近い町はワナだ。

この情報が本当だとすると、ビンラディンがバローチスタンのKhanozaiとMurgha Faqirzaiで目撃されたという情報と、相反することになる。ビンラディンはクナール州やバローチスタンにいたのではなく、毎日のように米軍とタリバンが衝突していたパクティカにいた。

ペシャワルの情報源によると、ビンラディンと護衛団たちはここ数週間パクティアで、米軍パトロールに何度もで出くわしたという。したがって、もっと安全な隠れ家を捜さなければならなくなったのだという。しかしこれは、飛んで火に入る虫になりかねない。William Boykin大将が率いる米軍Commando 121が、ISIの協力を得て獲物に飛びかかる準備をしている。ペシャワルで噂になっているISIの“見解”によると、ビンラディンの一団の居場所は、衛星電話の傍受で特定されたという。2001年12月以来、アルカイダは衛星電話を使ってない。しかし、タリバンは頻繁に使用している。

ISIの噂が吹聴していることによると、今やビンラディンがどこに隠れているか、その正確な場所がわかっているらしい。ISIは作戦も準備した。ワナのパシュトゥン族に圧力をかけ、容疑者の食料や水などの備品の供給を止め、3月中旬に大きな攻撃をかけるのだ。

パシュトゥン族のISIは地元民にまぎれ込み、最終攻撃に備えて、情報を集めている。ISIのシナリオは、ビンラディンをパキスタン内で捕らえ、アフガニスタン外に追い出すことだ。ここでCommando 121かカルザイによって、大ニュースが報道される。

パキスタン外務省情報官Masood Khanは、アルカイダとタリバン戦士を捕らえるために、ワナで近々「特別作戦」が開始することを認めた。しかし米兵と特殊部隊がパキスタン軍とともに戦うことはないと、強く否定した。「彼らが来たとしても、アフガニスタンの国境内に留まる。パキスタン軍だけがパキスタン内の『特別作戦』に加わる」という。

ペシャワルのある情報源によると、この作戦全体は、ラムズフェルドとムシャラフが協議した、秘密の作戦の一部である可能性があるという。パキスタンは部族地帯で大事な仕事をするが、重大ニュースはアフガニスタンから発表されるのだ。もちろん、Inter-Services Public RelationsのMajor-General Shaukat Sultanは、このような取り引きがあったとこは、強く否定した。

内務相Syed Saleh Hayatによると、ワナでは、すでに大きな作戦が実施されているという。「国境をできるかぎり封鎖した。アフガニスタン側の国境には、米軍やNATO軍がいる」。しかし彼はビンラディンの居場所については、「単なる憶測にすきない。ビンラディンはこの地域にいる可能性がある。しかしこれは最終的な言葉ではない」と述べた。

ということは、ビンラディンが隠れている場所を知っている者は本当にいるのか? 最終的に、ペンタゴンとホワイトハウスは、いつビンラディンを捕まえたいのかということだ。アメリカの大統領選挙の8ヵ月前である、今か。それとも選挙直前の10月か。

smellGet Osama - but where, and when?
By Pepe Escobar


■ジルガ、軍に撤退を要求[040305 The News]

木曜日に車輌が爆発し、4人の部族の警察官が負傷した。爆発はRustum Bazaarに駐車していた車にしかけられていた。負傷した4人のうち1人は、重傷を負ったという。

これに先立ち、Amadzai枝族はジルガを開催し、南ワジリスタンから兵士を撤退させるよう、政府に要求した。この地域にはテロリストはいないという。またアメリカやイギリス軍がこの地域で活動したら、それに抵抗することを誓った。

hoonJirga demands troopsユpullback; AI criticises rights violations
WANA


■ワジールの長老、ヘクマチアルと接触[040305 Daily Times]

パキスタンの準軍隊と正規軍が部族地帯で作戦を開始し、部族民を逮捕したり殺害し始めたあと、南ワジリスタンのワジール族長老がヘクマチアルと接触したと、情報源が『Daily Times』に語った。

「部族民はヘクマチアルに、もし事態が悪化したら、政府軍を支持するかムジャヒディンを支持するか、ジレンマに陥るという手紙を送った」という。長老たちはヘクマチアルに、捜査が続いたり、アフガニスタンにいる同盟軍が部族地帯で作戦を開始したら、ヘクマチアルを支持すると述べたらしい。

情報源によると、タリバンのハッカーニの腹心が、手紙をヘクマチアルに届けたという。ワジリスタンで準軍隊が13人の部族民を殺害してから、ヘクマチアルに手紙を送ったという。

殺害された13人のうち、4人がワジール族だったらしい。「ワジール族がヘクマチアルにメッセージを送ったのは、これが初めてだ。パキスタンの向かい側はコーストにあたる。コーストはヘクマチアルの砦だ。ヘクマチアルは、コーストの人々に対して影響力をもつ」と、情報源は付け加えた。

hoonWazir elders contact Hekmatyar
ISLAMABAD、Mohammad Imran


■ワナのパトロール車爆発、2人負傷[040305 Daily Times]

木曜日の朝ワナで、バトロール車が爆発して部族民警察官が2人負傷した。いっぽう南ワジリスタンのLaddhaにある国境警備隊の駐屯地に、ロケット弾が撃ち込まれた。被害はない模様。

hoon2 injured as patrol vehicle blown up in Wana
By Iqbal Khattak、PESHAWAR


■アメリカ、トラボラへの道を封鎖[040305 The Nation]

米軍とアフガン軍は、以前ビンラディンが目撃された、トラボラへの道をすべて閉鎖したという。

「Pacher Agamの住民によると、トラボラへの道は国際軍と国軍により、すべて封鎖されたと報告された」と、AFPが入手したNGOの回覧板に発表された。この地域での活動を、中止するよう、呼びかけている。

米軍情報官Lieutenant Colonel Bryan Hilfertyは、米主導の同盟軍がトラボラで活動していることは聞いてないと述べた。「そこで米主導の作戦をしていることは、聞いてない」という。

トラボラの隣のPachir wa AgamとKhgianiは、アヘン生産が有名である。政府軍は先週、この地域のドラッグ工場を取り壊した。

hoonUS forces block roads to Tora Bora
KABUL(AFP)


■部族民、軍の撤退を要求[030404 Friday Times]

2月29日に南ワジリスタンで軍が14人の市民のアフガン難民6人、ワジール族8人を殺害した事件で、部族民たちの軍に対する不満が爆発し、作戦に影響が出始めている。ワジール族はすでに、軍の撤退を要求している。「我々は行政に、軍を撤退するよう要求した。テロリストを捕らえるのではなく、住民を殺す軍を歓迎することはできない」と、Karmazkhel枝族のマリクであるNoor Ali Khanは述べた。

北ワジリスタンの部族民も、正規軍を用いてアルカイダに対する作戦を展開するのではなく、準軍隊を用いるように要求している。ミランシャーでのジルガの席で、このジルガに参加した長老たちは、軍は「市民を誤って殺す恐れがあるために、作戦を指揮するべきではない」と主張した。軍情報官Shaukat Sultanは、このような要求を却下した。「部族長たちは、この件に関して決定権はない。準軍隊を使うか正規軍を使うかは、政府が決める」という。

先週のミランシャーでの会合に参加したQari Muhammad Romanは、話し合いでは軍の撤退を要求したのではなく、アルカイダに対する作戦は準軍隊や部族警察、部族の軍隊が行なうべきだと述べたという。軍は北ワジリスタンのShawal地域でも、作戦を開始する予定でいる。

南ワジリスタン行政官のMuhammad Azam Khanは、29日の銃撃戦のあとに逮捕された16人を全員釈放している。「状況が悪化したために、全員を釈放した」と述べた。

部族民たちの怒りを最も買ったのは、軍情報官の最初の発言だった。情報官のShaukat Sultanは、殺害されたのは「テロリストの可能性がある」と事件の直後に発表した。部族の長老は、「とんでもない。どうして捜査もせずに、無実な市民をテロリストと呼べるのか」と怒りを表わしている。これに対応して、政府は高額の保証金を払うことを決定し、殺害された者に対して哀悼の意を表した。

ワジリスタンの状況は緊張しており、このような出来事が続いたら、市民戦争にもなりかねないという。「部族の伝統に反するが、我々がアルカイダに反対していることを証明するために、最初、軍を歓迎した。もしワジール族がアルカイダに共鳴していたなら、そもそも軍を受け入れるはずがない」と、33歳のマリク、Karimullah Wazirが述べた。「外からの命令は聞き入れないが、行政が決定を下したら、たとえそれが厳しいものでも、部族民はたいていは受け入れる。部族民は行政と取り引きをすることに慣れている。部族民にとって我慢ならないのは、外から強制されることだ。軍は、彼らにとって、外部のものだ」と、ある引退した行政官が述べた。

軍はすばやく作戦を終結させて引き上げるか、地域発展のために活動するかしなければならないと、専門家は見る。「長く駐留すればするほど、事態が悪化する可能性がある」という。ある情報源によると、軍と行政の間でも亀裂が生じているという。1月8日にAzam Warsakの近くのKaloshaで行なわれた作戦は、軍が行政側の了解を得ずに行なったという。北西辺境州知事も、この作戦を評価していない。同様に、2月24日のZheri Latta地域での作戦は、行政側がジルガを開催し、容疑者の引き渡しについて話し合う予定でいたその日に、作戦が実施された。「我々が政治的な話し合いを始めようとすると、軍は作戦を開始する。そうすると、何もかも無駄になる」と行政官が述べた。

hoonTribesmen demand withdrawal of army
Iqbal Khattak


■ロケット弾攻撃で、部族民16人逮捕[040304 Daily Times]

南ワジリスタンの準軍隊とパキスタン軍に対してロケット弾攻撃があり、4人のYargulkhel族とKakakhel枝族の長老、Ahmedza族の長老1人を含む16人が逮捕された。

ワナ行政区のRehmatullah Wazirは、「3年間の刑に服する」と述べた。「ここ3〜4ヵ月間、この2枝族と話し合ってきたが、彼らは我々の要求に応えていない」という。

引き渡しを要求されている最重要人物3人のうち、Naik MuhammadとSharifはYargulkhel枝族に、3人目のMaulvi AbbasはAshrafkhel枝族に属する。

目撃者によると、2枝族の長老たちはワナのバザールでジルガを開催し、その後、行政官に会いに行き、そこで逮捕されたという。部族長のBehram Khanは、ワジール族内部で政府寄りと反政府寄りの対立が生じているために、ワジリスタンの状況は悪化しているという。ワジール族の最大氏族であるZalikhelは、行政側がアルカイダを捜索するべきだとし、協力を拒んでいる。

hoon16 tribesmen arrested as military pickets come under rocket attack
By Iqbal Khattak、PESHAWAR


■パキスタン、部族戦争を引き起こす[040303 Asia Times]

南ワジリスタンで「誤射」により11人が殺害された事件は、この地域の状況を変えてしまった。

パキスタン軍は、軍の基地を攻撃した武装グループに銃を撃ったと述べるが、地元民は、停止しなかった2台の車輌を撃ったと主張する。死亡者は、地元民とアフガン人だった。

パキスタン軍は国境地帯で大きな作戦を実施した。作戦はアフガニスタン側にいる米軍に追随するものだ。先週この作戦で20人が逮捕されたというが、詳細はわからない。

部族地帯での作戦は、4月にアフガニスタンで開始される大きな作戦のための準備、と言われている。しかし今、部族地帯そのものが、問題となってきた。今回の事件でムシャラフ大統領は、死亡者や負傷者に対する保証を発表したが、部族民たちは、パキスタン軍の受け入れを拒否し始めている。すでにパキスタン軍に対して、ロケット弾を撃ち込んだ。

《部族の掟》

部族地帯は自治を任され、自身の信仰、習慣、伝統に基づいて生活する。部族長たちはマリクと呼ばれ、英領インド時代には、治安を守る代わりにイギリスから恩恵を受けていた。根本的にこの様式が、現在も続く。パキスタンの裁判所や警察は、部族地帯に司法権を持たない。

部族地帯の人々は大きく、親パキスタンか、そうでないかに分かれる。親パキスタン、あるいは原理主義者たちは南北ワジタスタンに多く、したがってアルカイダやタリバンに共鳴している。タリバンとアルカイダに反対する少数派もいる。これらはパシュトゥン国家主義者であり、パキスタン政府や軍に対立する。部族地帯で最近の作戦が始まる以前、パキスタン当局は宗教者たちに接触し、パキスタンの軍事介入は避けられない状況だと(虚偽に)説得し、そうしなければ米軍がパキスタンを攻撃してくると述べた。当局はリーダーたちに、パキスタン軍はパキスタンからアフガニスタンに外国人戦士たちを追い出すだけで、アメリカがパキスタンに入ることは許さないと述べた。

いっぽう、アメリカはパシュトゥン国家主義者たちに接近した。さまざまな「誘惑」と引き換えに、部族民たちは外国人戦士の存在についての情報をアメリカに流した。しかしパキスタン軍が作戦を開始するやいなや、アメリカの工作員たちは、これをパキスタンが部族地帯に介入した例として利用したのだ。

11人の部族民の殺害で、親政府寄りの部族民たちでさえ感情が変化し、今や国家主義派と同じ「側」にいる。政治と宗教の融合もあいまいになった。(これは、この銃撃戦に米兵が加わり、部族地帯を自由に動いているという未確認情報によって、さらに拍車がかけられている)

今部族民たちは、この地域で再びパキスタン軍による行動があったら、「パキスタン軍は、命からがら逃げるだろう」と、述べている。

《国境の向こうで》

ビンラディンの捜索に注目が集まっているが、別の秘密の作戦がクナールで、ヘクマチアルを対象に展開している。しかし今のところ、何の成果もない。米軍も同盟軍も、ヘクマチアルの行方をつかめないでいる。

さらに同盟軍は、カシミール・カーンやハッカーニ、サイフッラー・マンスールを捕らえたがっている。彼らから、オマール師の行方を聞き出せるからだ。オマール師を捕らえない限り、抵抗運動は続き、これからますます大きくなる。

garrPakistan stirs a tribal war
By Syed Saleem Shahzad、KARACHI


■攻撃でパキスタンとイラクの分裂が顕在化[040302 AP]

パキスタンとイラクのシーア派ムスリムに対する攻撃で、火曜日に185人が死亡した。この修羅場は、必ずしも繋がりがあるわけではないが、反米意識をもつ武装組織が宗教対立を深めるために計画したことは、明らかだ。

ラホールのパンジャーブ大学の政治アナリストMehdi Hassanは、「ふたつのテロ行為は、同じ宗教過激派の哲学を持つ人々によって実行された」と述べる。「パキスタンとイラクは、共有するものがある。アメリカの政策と、この政策への対立だ」。今のところ犯行声明は出されてない。(中略)

アメリカの高官は、イラクとパキスタンの攻撃に関連がなかったとは言えないという。しかし今のところ、2つの事件に関連を示す証拠はあがってない。

「クエッタの事件は、大胆なものだった。アラブの要素、アルカイダが関わった可能性もある」と、PML-Qの国会議員Nisar Memonが述べる。「政府を混乱させようとしている」。イラクでは、ヨルダン国籍のアルカイダ戦士ザルカウイの犯行と見られている。

イラク人たちはこの事件をアメリカ軍のせいにし、事件を画策した、あるいは事件を防ぐために警備を強化しなかったことを非難した。

パキスタンでは宗教対立は珍しくないが、9.11以後、少数派のシーア派とキリスト教徒、外国人に対するテロが急増した。クエッタの事件ではアルカイダとの関係は今のところ見られないが、過去の事件ではビンラディンのネットワークとの関わりがあった。2003年7月のシーア派50人殺害事件は、世界貿易ビル爆破事件の犯人として現在アメリカで服役している、Ramzi Yousefの義理の兄弟、Daud Badiniの犯行とみられている。Badiniはまだ捕まってないが、逮捕された4人はLashkar-e-Jhangviのメンバーだった。

「我々は、親タリバン、親アルカイダが人々を攻撃してきたことを知っている。今日の事件も、同じ者たちの犯行だと信じている」と、クエッタのシーア派の聖職者Allama Mahdi Najfiが述べた。

「アメリカはイラクの人々の意志に反して、イラクを占領している。パキスタンでは、リーダーたちが、民衆が嫌っている親米政策をとる。政府は、日に日に信用を失っている」と、パンジャブ大学のHassanが述べた。

garrAttacks Expose Divisions in Pakistan, Iraq
By PAUL HAVEN、ISLAMABAD


■パキスタンのシーア派に対する攻撃で42人死亡[040302 AP]

クエッタで、シーア派が行進する聖なる儀礼の最中、攻撃者たちが銃を連射し手榴弾を投げ込み、生存者が逃げる最中に自爆した。少なくとも42人が死亡し、160人以上が負傷したという。

怒ったシーア派たちは暴徒化し、銃撃戦を沈静化するために警察官たちが駆けつけた。シーア派はスンナ派のモスク、店舗やテレビ局を襲った。

「アシュラ」の日、礼拝者たちが行進しているところに、男たちが銃を乱射したという。生存者たちの間を手榴弾を投げつけながら歩き回り、警察が駆けつけると、自爆したという。犯人3人のうち2人は死亡し、1人は致命傷を負った。男たちの身元は明かされてない。(中略)

怒ったシーア派たちが復讐を始め、スンナ派のモスクや店舗、テレビ局に放火をはじめた。夕方までには警察や準軍隊によって、沈静化されたという。

garr42 Killed in Attacks on Pakistani Shiites
By MOHAMMED ARSHAD、QUETTA


■パキスタンのシーア派への攻撃で少なくとも45人死亡[040302 Reuters]

クエッタで、スンナ過激派がシーア派に対して自動ライフルを乱射し、少なくとも44人が死亡し、150人以上が負傷した。

これとは別に、シーア派とスンナ派の対立で、シーア派の地元リーダーが銃殺され、30人以上が負傷した。

クエッタの事件は、シーア派が行進している最中におきた。「テロリストたちが建物のバルコニーから、行列に向かって銃を乱射し」、シーア派のハザラ族の武装した男たちが応戦した。手榴弾が投げ込まれたという説もある。「テロリストは包囲されたとみると、少なくとも2人が自爆した」という。

目撃者によると、攻撃してきた男たちの銃には、活動が禁止されているLashkar-e-Jhangviの名前が書かれていたという。

シーア派は町で暴徒と化し、100店舗が炎上した。

garrAt least 45 dead in attacks on Pakistan Shi'ites
By Rizwan Saeed、QUETTA


■アメリカ、アルカイダとビンラディン捜索に焦点[040302 Reuters]

米軍はアフガニスタン南部と東部に兵士を送り込み、アルカイダやタリバンにいての情報収集のために、地方に長く留まることになったと火曜日に米軍が発表した。(中略)隊を移動させるのではなく、一ヵ所に駐留させるという。隊はザーブルの州都カラットと、ガズニに駐留しているという。(後略)

hoonU.S. shifts focus in hunt for al Qaeda, bin Laden
By Mike Collett-White、KABUL


■部族民、軍への攻撃で540万ルピーを課される[040302 Daily Times]

南ワジリスタン行政は月曜日に、アルカイダを捜索する軍に対して攻撃をした罪として、540万ルピーをAhmedzai族に払うよう、命令した。「罰金の期限は1週間だ。払わなければ、強制措置をとる」という。

もっとも重要な容疑者3人を引き渡さなかったとして、Ashrafkhel枝族は120万ルピー、Malikkhel枝族が20万ルピーを払うことになっており、残りの400万ルピーはAhmedzai族が払わなければならないという。しかしAhmedzaiの長老Malik Behram Khanは、400万ルピーを払うことを拒否した。「部族の習慣によると、犯罪人が特定されないと部族全体が罰される。しかし我々も行政も、軍を攻撃したのが誰なのかを知っている」。「犯罪人やその部族がわかっているのであれば、Ahmedzai全体が罰されるべきではない」。罰金を払わなければ、ワジリスタンの状況はますます悪くなるのではないかと尋ねたところ、「悪くなるだろう」という。行政側が自分たちに対して行動してきたら、対処すると述べた。

hoonTribes fined Rs 5.4m for attacks on army
By Iqbal Khattak、PESHAWAR


■北朝鮮女性の死とパキスタンの核取り引き[040301 Los Angels Times]

1998年にパキスタンが最初の核実験をした10日後、北朝鮮武器商人の妻が、カーン博士の家の近くで射殺された。

当局はキム(Kim Sa Nae)射殺事件を隠密にしたが、1年以上経ったあと、北朝鮮人によって殺害された可能性があるという情報が流れた。カーン博士が北朝鮮、イラン、リビアに、核兵器の技術を輸出したという告白があった今、この事件が再び注目される。

パキスタン政府と軍は、カーンを含む少なくとも7人が公的な証人なしに、核を売ったと言う。しかし1998年6月7日のキムの死亡事件とパキスタン当局の事件の扱い方を見ると、現実的に高官たちは、カーンの行動を知っていたと言えよう。

カーンは1989年から2002年にかけての核輸出を告白し、情報源によると、パキスタン空軍の貨物機が輸出に用いられたという。そしてパキスタンの核兵器計画と、平壌のミサイル計画が交換されたと疑われている。しかしムシャラフは、ミサイルは北朝鮮からは別個に買い、核の秘密やテクノロジーは交換してないと主張する。

カーンは現在、軍や政府高官の住居が並ぶラワルラワルピンディの自宅で、軟禁の状態にある。キムは、E-7にあるカーンの自宅のすぐそばで射殺された。

キムは、北朝鮮外交官の妻ということだった。しかしカーン研究所のスタッフによると、これは表向きだという。匿名で話してくれた高官によると、キムは1998年5月28日、パキスタンの最初の核地下実験を見学するため、また北朝鮮の核爆弾のためにいかにウランを濃縮させるかを学びにやって来た、カーンが招いた北朝鮮の20人の使節団の1人だったというのだ。

キムはアメリカか欧州のスパイと疑われ、北朝鮮政府に暗殺されたと疑われてきた。パキスタンとインド(パキスタンの核やミサイル計画監視する)は、この事件の背景を裏づける。

パキスタン人高官によると、パキスタン諜報部は、アメリカがキムを北朝鮮の使節団の中にスパイとして紛れ込ませていたと疑っていたところ、パキスタンと北朝鮮の工作員からその証拠が挙がったという。インド人高官は、「彼女がある欧米外交官と接触していたために、北朝鮮人によって殺害された」と述べた。パキスタンの諜報部の情報源によると、キムを含む一団は、キムが殺害されたときに、カーンの家のゲストハウスに滞在していたという。彼女は、ある目的を持って殺害された可能性があるという記事が翌年発表された後も、パキスタン高官たちはこの事件に関しては口を閉ざした。隣のコックが、警備員から借りたショットガンで、誤って殺害したと発表した。別の話では、カーンの隣人がガレージで銃の手入れをしていたとき、銃が暴発したとのことだった。キムの遺体は解剖されず、彼女の死の詳細については発表しないようにと戒厳令が出た。

1999年にカーンは『The Times』に、パキスタンの諜報部がキムの死は事故だったと自分に述べたと語っている。「あなたがたアメリカ人は、しょっちゅう我々を訴えようとしている」と非難した。

キムの死の3日後、パキスタンの貨物機がチャーターされ、遺体はパキスタンから運び出されたと情報源が述べる。この貨物機は、アメリカ製のC-130軍輸送機で、カーンが核兵器を作る計画や装置を輸出するのに使用したという貨物機と、同じものだという。貨物機はキムの遺体とともに、P-1とP-2遠心分離機を北朝鮮に運んだのだ。この輸送機には、図版やスケッチ、技術的データ、遠心分離機にかけて武器として使用できる材料に変える、使用済みウラン六フッ化ガス物を積んでいたらしい。

パキスタンの情報源は、貨物機は空軍に守られていたという。インド高官は、チャーター機はパキスタン軍のShaheen Air Internationalが運航したと述べる。この会社は1993年に設立され、会長は空軍長官Air Chief Marshal Kaleem Saadatである。7人の取締役のうち6人は、空軍高官だ。

表向きにキムは、イスラマバードの北朝鮮大使館の経済担当官だったカン(Kang Thae Yun)と結婚していた。しかしアメリカ国務省は、カンは1990年代における、北朝鮮の武器商人責任者だったという。カンは北朝鮮国営のChanggwang Sinyong Corp.で働いていた。アメリカ国務省は、この会社をミサイルの拡散で訴え、1996年から去年まで制裁を与えていた。カンはパキスタンに、核兵器計画やそのための装備と引き換えに、ミサイルテクノロジーを供給した容疑がかけられている。

「Changgwang Sinyong Corp.は北朝鮮のミサイルを売る会社だ。これまでミサイルに関連する輸出を行なっているために、たびたび制裁を受けている」と、国務省報道官のPhilip Reekerが2003年4月に述べた。「カーン研究所にもミサイルを送った」。「アメリカはChanggwang Sinyong Corp.とカーン研究所の両方に制裁を加えることにした」。カンは、キムが死んだ1ヵ月後、パキスタンを去った。キムが死んだ4ヵ月後、ムシャラフはパキスタン軍長官に就任し、権力を握った。

smellDeath of N. Korean Woman Offers Clues to Pakistani Nuclear Deals
By Paul Watson and Mubashir Zaidi、ISLAMABAD


■アフガン、滅入るアルカイダ掃討戦[040301 AP]

世界で最も危険な国境地帯から距離を置いて、若いアフガン兵士たちは月曜日にテントを設営した。パキスタンから、アルカイダやタリバンが行き来しないよう、監視するためだ。

これはアメリカ、アフガン、パキスタンが、アルカイダの機動性をくじくために計画した作戦の一部だ。アメリカによる衛星電話の傍受と諜報情報を得て、先週パキスタン軍は、南ワジリスタンに突入した。パキスタンの緊急部隊は北ワジリスタンにも密かに入ったと、パキスタンの諜報部高官が『AP』に語った。北ワジリスタンは、アフガニスタン側のSatiwanの反対側だ。

しかし2000マイルに及ぶ国境を監視することは、容易ではない。国境には、洞窟があちこちにある険しい山や、密輸ルートがある。

米軍高官はここ数ヵ月、アフガニスタン東部でロケット攻撃や武装組織の活動が活発になってきたという。しかしアフガン兵たちは、パキスタンの国境からは、ほとんど動きがないという。「ビンラディンに関する情報は、何も聞いてない。でも、我々はライオンのように彼と戦う。彼が入国しようとしたら、捕まえる」と、新しいチェックポストに配置された、44歳のアフガン司令官は言う。「怖くはない」。

パキスタンは、ほんの数百ヤード東にある。パキスタン側からSatiwanに向けて、マシンガンの銃口が向けられている。パキスタン当局は、アルカイダたちは南ワジリスタンの作戦の際に、アフガニスタンに入ったと信じる。

Satiwanの北25マイルのところに、トラボラがある。2001年、ビンラディンはここから脱出した。その南西部にあるのがコーストの米軍基地だ。特殊部隊の他に、500兵が待機する。

アルカイダを逮捕するためには、国境の両側の協力が必要だ。「アフガン人たちは責任をもってやっている」と、コースト基地のLt. Col. Harry Glennは言う。雪融けとともに、兵士と備品がアフガニスタンに運び込まれ、諜報情報を収集するために、国境地帯の町に軍のチームが派遣されている。

先週米兵が、Satiwanで家宅捜査を実施し、地雷や爆発物を押収した。この地域では、ビンラディン支持は根深い。「彼は偉大なムスリムだ。捕まるはずはない」と55歳の農民Haji Abdullahは語る。

しかし新しいアフガンのチェックポストの司令官は、アルカイダやタリバン個人の逮捕を、目標としているのではないという。パキスタン側から入ってくる、タリバン戦士の一団を捕まえることだ。「またここを通るという噂がある。今晩、山で最初のパトロールを開始する」という。

その500ヤード離れた所で国境を監視する、30歳のパキスタン兵は懐疑的だ。この2年間、国境地帯で武装兵を1人も見かけてないという。少なくとも公的な国境線??低木にロープを張った??を越えた者はない。「彼らはここには来ない。ここは警備が厳しい」と言う。傍らでアフガン人一団が、国境を通過する許可を得るために待機していた。「だけどオサマがいたら、もちろん捕まえるぞ!」

hoonAfghan al-Qaida Sweep a Daunting Task
By AMIR SHAH、SATIWAN


■アフガン身体障害戦士、お茶の密輸で生計をたてる[040301 Daily Times]

毎朝ペシャワルに続くわだちは、カイバル行政区のバラ密輸バザールから、10キロの道のりを走る三輪車に乗った数百のアフガン難民であふれる。

ほとんどが1980年代にアフガニスタンで、地雷によって負傷した犠牲者たちだ。しかし手こぎ三輪車に乗ったこの元戦士たちは、手当てをもらいに行くのではない。1995年以来、援助は途切れている。彼らは茶を運んでいるのだ。

「バラからペシャワルにティーバッグを運ぶと、50キロごとに110ルピー儲かる」と、Kachha Garhiキャンプに住む47歳のYar Mohammadは話す。ピックアップの元運転手は、1984年のソ連との戦いで、両足を失った。11人の子供を養うために、援助機関で仕立て屋としての訓練を受けていたが、途中で援助は途切れた。

「ふたつの選択肢が残った。物乞いになるか、自分のビジネスを始めるか。でもビジネスを始める金はなかった。そこで1998年に三輪車を買って、茶などの密輸品をペシャワルに運ぶ仕事を始めた」。

三輪車は、別の役割を果たす。パキスタン人警察官や税関吏の情けを得ることになる。「パキスタンやアフガンの健常者が得るような、検査を受けずにすむ。家族のために働くことを許してもらっているために、高官たちには感謝している」。

税関吏は身体障害者の茶密売人とは、暗黙の取り引きを交わしている。「武器、爆発物を持たないこと。この約束を守る限り、いやがらせを受けることは絶対にない」と、地元税関吏は述べる。「彼らの唯一の収入源だ」。

ペシャワルに着くと、バスに乗ってバラにトンボ返りだ。バラはアフガニスタンの国境から70キロのところにある。車掌や乗客が手を貸し、三輪車をたたんでバスに乗るのを手伝ってくれる。

「一日に2往復できれば、220ルピー儲かる」と、35歳のMohammad Umerは言う。1992年、カブールで地雷が爆発し、両足を失った。彼は戦争と干ばつの続くアフガニスタンから、パキスタンに移ってきた。「難民に対する外国援助が途絶えた時、密輸の運び人しか生きる道がなかった。過酷な仕事だ。休憩なしで、8から10マイルを手でこぐためには、膨大な力とエネルギーが必要だ」。

アフガニスタンからバラに密輸された茶を、三輪車の運び人たちが運んでくると、ペシャワルの商人が買い取り、さらにパキスタンの都市部に運ばれていく。バラでの値段は1キロあたり60から70ルピーだが、通常の輸入茶の小売値はその2倍もする。アフガンの商人たちはさまざまな国から茶を輸入し、それがパキスタンに密輸されていくのだ。

ohDisabled Afghan veterans take up tea smuggling
PESHAWAR(AFP)


■部族地帯を解決する時期到来[040301 Daily Times]

情報筋によると、パキスタン軍が南ワジリスタンで作戦を展開したことで、部族地帯の人々の怒りが爆発したようだ。MMAも、パキスタン軍が自国の人間を攻撃したと非難。しかしひとつ重要な疑問点がある。南ワジリスタンの住民も、この問いには答えられないでいる。

まず最初に、作戦で殺されたり、逮捕された者たちは誰だったのか。答えは難しい。部族民でさえ、地元のパシュトゥンとアフガン難民パシュトゥン、ビンラディンやオマール師のテロリストの区別をつけることができないのだ。高官たちは、地元の部族民とともに外国人が逮捕されたと主張するが、地元民たちはこれを否定し、逮捕されたのは地元のパシュトゥンだったという。軍が見つけたというカザフスタンのパスポートについて、説明できる者は誰もいなかった。ムシャラフが中国を訪問したとき、中国から手配中のウイグル人とカザフ人テロリストのリストを渡されたことは記憶に新しい。シンチャン分離独立派は、カザフスタンに基地を持つ。

パキスタンの半分(バローチスタン、部族地帯、北部地帯のほとんど全部)は、自治権を持つ。この地域の経済は、国とは直結してない。西の国境では、部族民たちはアフガニスタンの国境から車や電気製品を密輸し、パキスタンの都市部にある「バラ・マーケット」で売りさばいて生計をたてている。都市部の犯罪人も、部族地帯と結びついている。部族地帯では、国の令状は役にはたたない。たとえばバローチスタンでは、ガスパイプラインはしょっちゅう爆発され、この広大な地域での日常生活は、危機に直面している。

この地域を永久に、部族「博物館」にしておくことはできない。教育や発展を与え、地元のジルガが女子の教育を妨げたり、一見宗教的救世主のように見えるテロリストたちに忠実になるのではなく、一般民に法的な杭を与えるべきだ。我々の将来の夢、特にイランやトルクメニスタンからのガスパイプラインを引くなども、この地域と関係があることがたくさんある。

緊急課題により、国はこの地域に乗り出さざるをえなくなった。しかしこれは良い機会でもある。長期的な戦略を用いて、この地域に国家的な生活をもたらすことが必要だ。

hoonTime to settle Tribal Areas


■オサマを捕らえたか?[040301 Daily Times]

イラン・ラジオが、アメリカがパキスタンの助けを借りて、ビンラディンを逮捕したと発表した。しかし奇妙なことは、ペルシア語放送ではなく、パシュトゥン語放送でこのニュースが流れたことだ。イラン・テレビも同様。パシュトゥン語放送で、アメリカはビンラディンを逮捕したが、ブッシュの選挙までこれを隠していると述べた。アメリカもパキスタンも直ちにこれを否定した。否定は当然といえよう。

パキスタンはアメリカの春の作戦にあわせて、南ワジリスタンで作戦を行なった。イスラマバードは、今回の作戦はアメリカのビンラディン逮捕とは関係ないと発表したが、情報相Sheikh Rashidのこの声明と、オサマは国境近くで近々逮捕されると発表した内相Faisal Saleh Hayatとの間の、微妙な違いは注目される。

2週間前、ビンラディンはザワヒリとオマール師とともに、Tooba Kakarの山の中に追い詰められたという報道が世界をかけめぐった。さらにパキスタンが南ワジリスタンで作戦を開始したあと、ビンラディンとザワヒリはパクティアに逃げざるをえなくなったとも発表された。パキスタンの作戦は、ビンラディンの一行が、罠から逃げられないように、ロープを張っているだけだといわれた。

イランの目的は、アフガニスタンとパキスタンのパシュトゥン族たちにビンラディンについての情報を吹聴し、パキスタン政府を混乱させることのようだ。そうでなければ、放送はペルシア語でも報道されたはずだ。ビンラディン逮捕の報道が、パキスタンにとってどのような影響があったか、計り知れない。パキスタン軍は、ワナで攻撃された。MMAのリーダーQazi Hussain Ahmadは南ワジリスタンの作戦を非難し、軍によって家が攻撃された部族地帯の人々と団結するという。

ビンラディンに注目が移る前、サダムについても同じような現象があった。アメリカがサダムを逮捕したが、ブッシュの選挙に役立つように、事実は伏せられていると、パキスタンのテレビでさかんに噂された。だからこそ、ブッシュが9.11の復讐をして人々を満足させるために、11月の選挙の前にビンラディンを逮捕する必然性があると唱えるアメリカの新聞を、無視することはできない。

hoonHave they got Osama?


■アルカイダ8人逮捕[040301 Daily Times]

ここ2日間で当局は、8人のアルカイダ容疑者を逮捕した。

2人のアルカイダ容疑者が金曜早朝以後、Badabeer地域のコハートの幹線道路で逮捕された。警察とCriminal Investigation Department(CID) がコハートから走ってきた車輌を止めると、車輌から発砲してきたという。

これとは別に、Kacha Ghari難民キャンプで、少なくとも3人のアルジェルリア人と3人のアフガン人を含む6人が、アルカイダとの関連があるとして、秘密組織によって逮捕された。

hoonEight Qaeda suspects arrested
PESHAWAR


Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003, 2004.