【2004年5月17日〜5月23日】


■米軍、再びパキスタンに侵入[040523 The Nation]

米軍が再び土曜日に、北ワジリスタンのLura Mandiに侵入した。

3台のAPC防弾車輌、8台のダブルキャビン、3台のトラックに分乗した、米軍のKen Kel少佐に率いられた131人が土曜日の朝、パキスタン側に越境した。Tochi ScoutのキャプテンNasirの質問に対して米軍少佐は、アフガン軍がパキスタン側から攻撃されたので来たと答えた。両者の間で激論が交わされた。

パキスタン軍とTochi Scoutが、パキスタンの国境を警備している。度重なる米軍のパキスタンへの越境に、この地域の住民は不安を感じている。

garrUS troops again enter Pak territory
MIRANSHAH(Sana news)


■アフガニスタンの選挙[040522 Asia Times]

(前略)

《タリバン、再組織化》

2001年にアメリカがアフガニスタンで攻撃を始める以前、Mullah Arsala Rehmaniはアフガン政府のタリバン大臣だった。タリバンの仲間と同様、攻撃が開始されるとパキスタンの国境を越え、人々の中に溶けた込んだ。これらの「難民」ちたはしばらくの間マドラッサに匿われたが、次第に周りの状況から、それも難しくなっていった。その結果、タリバンはソ連侵攻時代のジハードの仲間たちと、再び古い関係を再開し始めた。Arsalaの場合、Moulvi Nabi Mohammadiが率いるHarkat-i-Inqilabi-i-Islamiに頼った。しかし、ジハード組織にも圧力がかかっていた。当然、以前のように、CIAからは資金は流れてこない。

軍の司令官ではなかったArsalaは、ケシ商売にも参加できなかった。ケシ商売はハッカーニやサイフラー・マンスールのような、畑を所有する者たちが牛耳っていた。したがって、Arsalaはマドラッサの教師になった。

その間、タリバンは少しずつ再組織化され、アフガニスタンでの抵抗運動を強化していた。そんなころ、Arsalaはイスラマバードに召集され、スモークガラス付きのランドクルーザーが、彼を迎えにきた。こうしてArsalaはいつのまにかパキスタン当局(もちろんアメリカが背後にいる)に、カルザイ政権との仲介役、つまりタリバンとアメリカ人の仲介役として雇われたのだ。

取り引きの条件として、Arsalaはイスラマバードで冷凍食品を扱う商売、家、車、豊かな暮らし、新しいスローガンを与えられた。「オマール師もビンラディンもアメリカも、全員にアフガニスタンを破壊した責任がある」とArsalaは述べる。タリバンのリーダーMullah Ghousとムタワキル氏が、近い将来カルザイと会うとき、Arsalaのような、戦闘には加わらず、アフガニスタンの平和と安全を願うムラーたちが、彼らを支持することになる。

この和解に大きな役目を果たすのが、Hezb-i-Islami Afghanistan(HIA)である。すでにMullah Sarfraz JanbazとKhalid Farooquiが率いるペシャワルのHIAは、カルザイと会見した。彼らは1996年以来始めて、カブールで政治的な集会を開催する予定である。

ペシャワルのある情報源によると、HIAの使節団がアフガン高官との最初の会合を開催した際、アメリカは彼らに、ヘクマチアルとは袂を分けた声明を発表するよう、主張したという。しかしこの和解工作はHIAの政治部門が主導しており、この部門はすでにヘクマチアルの野戦司令組織から分離している。アメリカはさらに使節団に、ヘクマチアルをテロリストと糾弾するよう求めたという。だが彼らは、これを拒んだ。しかし、一般的な意味で、テロを否定する声明は発表した。使節団は、米軍が拘束しているヘクマチアルの義理の息子、Ghairat Bahair博士の釈放を求めた。

また使節団は、アフガニスタンにおける米軍の存在を是認することも拒否し、アフガニスタンから外国兵たちが撤退する計画を発表するよう、カルザイに求めた。カルザイは使節団に、個人的にはヘクマチアルを評価して会見することを望んでいると述べた。アメリカにはヘクマチアルの義理の息子の釈放の件を、すでに申し出ているという。

これらの展開は歓迎すべきことであるが、和平交渉のカギを握るのは、野戦司令官であることを、カルザイもアメリカも知っている。彼らに関しては、今のところ重要な進展はない。しかしArsalaのようなペシャワルを根拠地とする政治家やムラーたちは、司令官たちとの仲介役を果たすだろう。カルザイやアメリカは、それを望んでいる。

hoonThe elections that drive Afghanistan
By Syed Saleem Shahzad、KARACHI


■ラシュカル、成果を得られないまま捜索を終了[040522 The News]

南ワジリスタンのラシュカルの捜索は終了したが、容疑者を見つけ出すことはできなかった(中略)。

ラシュカルの36人のメンバーが行政側に赴いたが、行政官Gandapurはイスラマバードを訪問中で、ワナの副行政官のRahmatullah Wazirはその当日異動され、後任者Khan Bakhshはまだ着任していなかった。また南ワジリスタンの別の行政管2人も異動させられ、新しい行政官が任意の人事を行なうことになっている。

さらに国境警察の高官が最近、Shakaiを訪問していたことがわかった。訪問理由は明らかになっていないが、抵抗勢力と国境警察との間の話し合いは、うまくいかなかったようだ。お互い、Shakaiの合意う破ったとして、非難し合ったという。

ワジリスタンのMujahideen Azad Qabailによるチラシが、再びワナを中心に南ワジリスタンに出回った。ウルドゥーで書かれたチラシには、南ワジリスタンにおける抵抗勢力の立場を主張し、政府とアメリカに従って「ムジャヒディン」を追跡しないよう呼びかけた。

smellLashkar hunt ends without success
By Sailab Mahsud、WANA


■ワハン国境、封鎖予定[040522 Daily Times]

パキスタンは、活動家の不穏な動きを止めるために、チトラルとワハンを結ぶ国境を封鎖することにしている。

smellWakhan border to be sealed
ISLAMABAD


■アフガン人、米軍空襲で殺害さる[040522 BBC]

米軍はアフガニスタン南東部の村を攻撃し、市民3人を殺害したと地元の人々が述べた。

コースト州のTaniに入ったBBCのレポーターによると、男性2人と女性1人の遺体を見たという。村人2人も負傷した。ヘリコプター戦闘機が出動したという。

米軍報道官は、「作戦で敵を殺害した」と発表した。

コースト市長Jalil Ahmad Hassaniによると、米軍のパトロール隊が襲撃されたあと、攻撃が始まったという。死亡したのは市民で、事故だったという。家の住民はおびえており、兵士たちが「自分たちを攻撃しにきた敵」と勘違いし、パトロール隊に発砲したのだという。「アメリカはすぐに応戦して、空軍を呼んだ」らしい。

しかし目撃者たちによると、家同士の争いがあり、アルカイダかタリバン協力者の隠れ家だと、アフガン人がアメリカ人に誤まった情報を与えたのだという。

米軍報道官は金曜日に「戦術的な襲撃の際に」、「空襲で標的を攻撃した」と発表した。「抵抗勢力の発砲して米兵4人を負傷させたあと、3人を殺害した」。「23人を逮捕し、3人の敵を殺害した」という。

garrAfghans killed in US air strike


■米軍、空軍機でアフガン人3人殺害[040521 AP]

空から援護された米軍がアフガニスタン南東部で抵抗勢力を攻撃し、3人を殺害したと軍が金曜日に発表した。またアフガン高官によると、米軍がタリバン司令官3人を殺害したと報告した。これとは別に国連スタッフとともに行動していた警察官2人が、殺害された。

米軍は、木曜日にコーストのTani地域で米軍兵士4人が攻撃を受けて負傷したあと、抵抗勢力3人を殺害、23人を拘束したという。軍報道官Master Sgt. Cindy Beamによると、米兵は軽傷を受けたと発表した。

しかし住民やアフガン高官の話はこれとは異なり、米軍のパトロール隊がTaniを通過しているときに、以前、敵対している人間に車に発砲されたことがあった地元民が、再び攻撃されるとおびえて発砲したのだという。「かれは、アメリカ人だということがわからなかった」と、コーストのBak市長Mirza Jan Nimgarayが述べた。「アメリカ人たちが応戦し、飛行機を呼び、彼の家を全壊させた」という。

『AP』のテレビニュースの映像で、土塀に囲まれた敷地の中に、血で染まったシーツにくるまれた2人の若い男の遺体が映し出された。ある村人によると、死亡した2人は、米軍に発砲したMir Sayedの甥だという。Sayedの畑で働いていた小作人の妻も殺害された。

さらに南部では、カンダハル州知事報道官Khalid Pashtunによると、米軍がタリバン司令官3人を殺害し、イスラーム過激派のメンバー5人を逮捕したという。

Pashtunによると、火曜日の襲撃の最大の成果は、1年前にグアンナモの米軍基地から釈放されたタリバン地方司令官、Mullah Shahzadaの逮捕だという。残りの司令官はMullah Haji AmirとTohr Mullah Maqidである。米軍は、コメントしてない。Pashtunは、アフガン国軍がカンダハルの3ヵ所で作戦を実施して逮捕した40人のタリバンの中には、「重要な司令官」がいるという。

いっぽう米軍とアフガン国軍はパクティア州でテロ容疑者を追跡。パキスタン側に数時間越境したが、誰も逮捕しないで戻った。この件に関して、アーミテージ国務省副長官は、パキスタンに越境したのは事故だったと述べた。

水曜日に、いつもは平和なイランとの国境付近のFarah州で、国連スタッフをエスコートしていた高官2人が、銃を持った男に殺害された。

garrU.S. Forces Kill Three in Afghan Raids
By AMIR SHAH、KABUL


■パキスタン、米軍の越境を非難[040521 Reuters]

パキスタンは、米軍が金曜日にパキスタン側に越境して今月に入って2度目のアルカイダやタリバンの捜索をしたことを非難した。

米軍は木曜日に北ワジタスタンの国境の村に越境し、数件の家を家宅捜査したと、軍報道官のMajor-General Shaukat Sultanが『ロイター』に語った。「我々はすでにアメリカに抗議した」という。今月初めにも、米軍は同地域に越境して、店舗やガソリンスタンドを捜索した。

ペンタゴンは、越境は不注意な行為だったと述べたが、アルカイダやタリバンたちがアフガニスタン側にパキスタンから攻撃を仕掛けてくると、繰り返し強調した。

国務長副長官のアーミテージは、「この件に関してはいくつかの報告を見たが、本当だとしたら、あまり歓迎できることではない」。「間違いだったに違いないが、今後注意して、再び過ちを繰り返されないようにする」と『CNN』に述べた。「パキスタン政府は部族地帯で熱心に行動しているので、それに介入するつもりはない」。

パキスタン軍報道官は、一部のメディアで米軍がパキスタン領内に迫撃砲を撃ち込んだと報道していることに関しては、否定した。

smellPakistan Accuses U.S. Troops of Border Intrusion
ISLAMABAD


■タリバン、一時的にザーブルを支配[040521 The News]

タリバンが今週初めに、2人の兵士を攻撃して殺害したあと、アフガニスタンの南東部の州を一時的に支配した。

ザーブル州で起きた衝突で、抵抗勢力側の2人も死亡したと、警察長のMohammad Ayubが述べた。アフガン兵たちが火曜日の初めに、ミザン地方から州都のカラートに向かう途中で襲撃された。

交戦があり、アフガン兵2人と戦士2人が殺害され、さらにタリバン容疑者2人が逮捕された。「タリバンは約2時間、地域を支配下においた。これに対して政府が再び攻撃して、奪回した」と、ミザン地方責任者Rahmatullah Shawalikotaiが述べ、水曜日に政府軍が再び地域をコントロールしたという。「タリバンが火曜日に地域を支配、水曜日に政府軍が攻撃して、再び支配権を奪回した」(後略)。

hoonTaliban briefly seize district in Zabul province
KANDAHAR


■アフガニスタンでパキスタン人27人拘束[040521 Daily Times]

アフガン警察はコーストで27人のパキスタン人を逮捕したと、ラジオ・メシェッドが木曜日に伝えた。州の警備担当員によくと、パキスタン人たちは、法的な書類を持っていなかったという。

別のニュースでは、オマール師の警備員2人を含むタリバン5人が、カンダハルのPanjwai地域で逮捕された。

hoon27 Pakistanis held in Afghanistan
KABUL


■ラシュカル、仕事を早くすませるよう警告さる[040521 Daily Times]

FATAの治安責任者Mehmood Shahは木曜日に、政府はいつまでもラシュカルの仕事に頼らないと述べた。「ラシュカルの行動を1、2日で判断することは適当ではないため、2、3週間は見守るつもりだ」という。またラシュカルの仕事ぶりに満足しているかという質問に対しては、満足してないとも述べた。ラシュカルに「捜索する時間を与えつつ」、政府は「行動する準備」をしているという。

ラシュカルのメンバーMalik Jananは、政府がラシュカルを信用してないことに対して、不服を表明した。またShakaiに外国人はいたが、ラシュカルが到着すると、「どこかに行ってしまった」という。諜報部員やジャーナリストたちがラシュカルと一緒に行動しているために、「何も隠すことはない」という。

garrTribal lashkar warned to do theヤjobユsoon
By Iqbal Khattak、PESHAWAR


■米軍、パキスタンの部族民の家を狙う[040521 The News]

米軍とアフガン軍が北ワジリスタンのLawaraにあるパキスタン人部族民の家を、重武器で攻撃した。

国境付近にのQadeem Kotに建つ家が正午12時頃に攻撃され、建物の一部が被害を受けた。パキスタン軍と民兵がすぐに現場に直行したが、負傷者はいない模様である。

米軍とアフガン軍が木曜日に、パキスタン側のLawaraにあるチェックポストまで越境し、チェックポストで3時間滞在してから帰った。チェックポストにいたパキスタン人民兵は、米軍高官と会うことを拒否した。民兵のあるHavaldar(訳注:軍役職・伍長相当)が、3時間にわたって通訳を通じて米軍と話をし、パキスタン側に侵入することを防いだ。

米軍特殊部隊が2台の車輌に分乗して、民兵のいるチェックポストに到着した。アフガン人通訳と米軍は、夜の8時から11時までチェックポストに滞在して引き返した。

軍の報道官は木曜日に、米軍がアフガニスタン側にあるアメリカのチェックポストが発砲された件の捜索で、ミランシャー付近のチェックポストに来たことを認めた。

garrUS troops target Pak tribesman's house
MIRANSHAH


■米軍、パキスタンの部族民の家を狙う[040521 The News]

米軍とアフガン軍が北ワジリスタンのLawaraにあるパキスタン人部族民の家を、重武器で攻撃した。

国境付近にのQadeem Kotに建つ家が正午12時頃に攻撃され、建物の一部が被害を受けた。パキスタン軍と民兵がすぐに現場に直行したが、負傷者はいない模様である。

米軍とアフガン軍が木曜日に、パキスタン側のLawaraにあるチェックポストまで越境し、チェックポストで3時間滞在してから帰った。チェックポストにいたパキスタン人民兵は、米軍高官と会うことを拒否した。民兵のあるHavaldarが、3時間にわたって通訳を通じて米軍と話をし、パキスタン側に侵入することを防いだ。

米軍特殊部隊が2台の車輌に分乗して、民兵のいるチェックポストに到着した。アフガン人通訳と米軍は、夜の8時から11時までチェックポストに滞在して引き返した。

軍の報道官は木曜日に、米軍がアフガニスタン側にあるアメリカのチェックポストが発砲された件の捜索で、ミランシャー付近のチェックポストに来たことを認めた。

garrUS troops target Pak tribesman's house
MIRANSHAH


■米軍、パキスタン領内に侵入[040521 Daily Times]

米軍とアフガン軍は水曜日に北ワジリスタンのQadeem Kotにある部族民の家を攻撃し、パキスタン領内にも侵入した。

米軍とアフガン軍はLawara地域にある家屋に向けて、迫撃砲7発を撃ち込んだが、当時、その家は無人だった。パキスタン軍と民兵たちが、攻撃のあとに家の中に入った。米軍もそのあとで家の中に入ったが、その後帰還した。

部族地帯の治安責任者のMehmood Shahは、このような迫撃砲の攻撃や米軍の越境については聞いてないと述べた。「そのようなことが、水曜日に起きたことはない。報告は受けてない」という。

2台の車輌に分乗した米軍が、水曜日の午後8時に国境のLawaraを越え、パキスタン内に入った。パキスタンのチェックポストを400ヤード越境した。3時間後の11時に戻った。

チェックポストにいた民兵のキャプテンは、米軍と会話をする命令を受けてないとし、米軍と話すことを拒否した。

garrgarrUS troops fire and intrude into Pakistani territory
MIRANSHAH


■ワルサックには外国人なし、とラシュカル[040520 The Nation]

ラシュカルが約束を守らなかったとして部族民の家に火を放ったが、36人からなるZalikhel Ahmadzai Wazirのチームは、南ワジリスタンのアザムワルサックとRaghzaiには外国人はいないと断言した。

hoonNo foreigners in Warsak: Lashkar
From Awar Din Mehsud、SOUTH WAZIRISTAN


■パキスタン当局、ドイツ人を部族地帯で逮捕[040519 AP]

パキスタン当局が部族地帯で、ドイツ人を逮捕した。

パキスタン当局は正式な許可証を持たずに、アフガニスタンとの国境付近の部族地帯を旅していたドイツ人を逮捕、取り調べをおこなっている。男、Richard Cahoonはムスリムで、ペシャワルの南東300キロにあるKurramにいる友達のムスリムに会いにきたとISIに言ったという。

hoonPakistani authorities detain German in rugged tribal area


■パキスタン、アルカイダ4人逮捕[040519 Reuters]

諜報部高官によるとは、北西辺境州の治安部隊は、4人のアルカイダ容疑者を逮捕したという。ペシャワルで、ウズベク人2人、クエート人、サウジ人が、アフガニスタンで米軍主導の軍隊兵士を殺害したことに関係したとして逮捕された。

ペシャワルのFaqirabadで家宅捜索が行なわれ、起爆装置やタイマーが見つかった。「ドアを空けなかったので、強制的に突入した。抵抗はなかった」という。男たちは4ヵ月間この地域に住んでおり、南ワジリスタンで抵抗運動をしている外国人抵抗勢力とも関係があるようだという。

hoonsmellPakistan arrests four foreign al Qaeda suspects


■新たな参戦のために軍、出動[040519 The Nation]

部族長たちとの長期にわたる交渉の結果、軍はシャワル山中に隠れているアルカイダ残党に対して、新たな作戦を開始した。火曜日、数百人の軍兵士が北ワジリスタンのラズマックから、シャワルに向かって出動した。パキスタンとアフガニスタンの間にある、無人の山岳地帯である。軍は、サルボイにキャンプを設営した。

今のところ、軍の行動に関してコメントする者はいないが、ある下級官吏によると、抵抗勢力を匿っている部族民に対して、別の作戦も開始されると語った。「シャワルとは別に、ここから5キロのMakeenでも作戦が行なわれる可能性がある」という。

南北ワジリスタンに、膨大な量の軍と準軍隊が派遣された。3月の作戦とは異なり、政府は今回綿密な計画を立てているようだ。

いっぽう南ワジリスタンでは、部族のラシュカルはまだ行動を開始してないが、ラシュカルの責任者がアザムワルサックに赴き、外国人に投降しなければ作戦を開始すると警告した。逮捕された外国人はそのまま政府に弾き渡され、法的な措置がとられるという。

さらにZalikhel Ahmadzai Wazir族のジルガは、ワナから35キロの地点にあるRaazgheeで、別のラシュカルを組織するという。この地域に、外国人や抵抗勢力がいるという情報があったという。

hoonTroops leave Razmak for another operation
From Haji Mujtaba、MIRANSHAH


■カナヅチのあとは締めつけ[040519 Asia Times]

アメリカの「カナヅチとカナトコ」作戦は失敗したが、次の計画がある。米軍は人工的に引かれたデュランド・ラインを法的国境として扱わず、無視する計画だ。そしてパキスタン側も新たな作戦を行なうという。パキスタン軍も国境を無視するようだ。

部族民たちの情報によると、月曜日に米軍が北ワジリスタンに越境し、空からの攻撃で部族民2人が死亡したという。これに先立ち、米軍がDatakhail地域に越境して、北ワジリスタンのBacha Melaで、あるMalik Noor Khanという部族長が逮捕されたという情報がある。前タリバン大臣のハッカーニやその他の戦士の居場所について、尋問を受けているらしい。北ワジリスタンの情報源によると、パキスタン軍と準軍隊は、米軍のパトロールを見て見ぬふりをしたという。

ペンタゴンは、今後、国境を超えて抵抗勢力を「追跡」することを認めたが、パキスタン当局は地元に配慮して、越境を認めたことを否定している。

《再び混乱》

ワナ、ミランシャー、バヌー、デーラ・イスマイル・ハーンに、再び軍が派遣された。しかし軍に近い高官は「死の罠が仕掛けられている」と恐れる。以前ワナの作戦には、2万人が派兵された。公式には50人の兵士が死亡したことになっているが、部族民たちによると、大袈裟に言っているとはしても、その10倍が死亡したという。さらに部族民と戦うこうを拒否した高官や兵士たちが、何人もいたらしい。政府は12人が誘拐されたと言っているが、その数はもっと多いという噂もある。さらにメディアには極秘の、Lieutenant-Colonel Azam Cheemaとその隊の話がある。抵抗勢力を襲撃しようとしたときに捕まり、全員が手荒く扱われ、辱められたという。長期にわたる交渉の結果、やっと解放されたのだそうだ。

軍が新たな作戦を開始するのを防ぐために、約4000人からなるラシュカルが、新たな作戦を開始しようとしている。ラシュカルが外国人勢力に登録させることに失敗したら、パキスタン軍は行動するという。しかし軍は成功しそうもない。部族民たちは自分たちの問題に軍が介入していると見ており、アフガニスタンの抵抗運動やパシュトゥン族、外国人たちに、大きな共感を感じている。ラシュカルのメンバーは、仲間である部族民たちに対して、真剣に戦いを挑む度胸はない。

米軍がアフガニスタンの攻撃を開始して以来、タリバンたちはアフガニスタンのArgunからパキスタンのRazmak(国境を挟んだワジール族の居住地)の山中に落ち着いた。アフガニスタン側には難攻不落の不毛の地シャーワルがあり、パキスタン側には協力的な部族民の居住地がある。この地で、ヘクマチアルのHezb-i-Islami、アルカイダ、タリバンが、アフガニスタンの抵抗運動について話し合うために、会合を開いた。単に外国人を逮捕するだけでなく、米軍は「重要人物」たちを取り締まりたいのだ。

ある意味で、アメリカは成功している。抵抗勢力たちは別々に行動しなければならなくなり、話し合うことはできなくなったからだ。部族民たちによると、抵抗運動の幹部たちにはある程度の影響が出ており、野戦司令官たちが抵抗運動を統率するリーダーから司令を受けらず、戦略がうまくいってないという。しかしアメリカは、リーダーを完全に抹殺したがっているのだ。

ネック・ムハンマドは、軍が戦いたいなら、部族民たちは準備ができていると警告した。イスラマバードにいる聖職者70人は、部族民たちと戦って死亡したパキスタン兵は地獄に落ち、逆に軍と戦って死んだ者は、天国に行くというファトワを発令した。さらに3000人の聖職者が、これに名を連ねた。

本記者は個人的に、ウズベクイスラム運動のタヒール・ユルデッシュが、聖職者たちにこのファトゥアを出したことに感謝の意を表した、アラビア語で書かれた手紙を見た。準備は整った。以前の戦いよりも、さらに厳しい戦いになることは確かだ。『Asia Times』の入手した情報によると、今回の戦いはAbu Laisという名のアラブ人戦士が指揮している。今回は、ハイテクや重兵器も使用される予定だ。

ohgarrsmellPakistan: After the hammer, now the screws
By Syed Saleem Shahzad、KARACHI


■米国人を部族地帯に連れて行ったアフガン人ジャーナリスト、僻地の刑務所に[040518 AP]

米国人ジャーナリストと一緒に、許可なしにパキスタンの部族地帯に入ったアフガン人ジャーナリストが、僻地の刑務所に移されたと高官が火曜日に述べた。

アメリカの雑誌『ニューズウィーク』に執筆していたSami Yousafzaiは、『The New Yorker』で記事を書いていたアメリカ人のフリーランス記者、Eliza Griswoldとともに4月にバヌーで逮捕されて以来、行方がわからなくなっていた。Griswoldは釈放され、国外追放になったが、Yousafzaiはその後行不明になった。当局は、彼を逮捕してないと発表していた。

火曜日に政府高官が『AP』に、Yousafzaiはミランシャーの刑務所に移さされたと述べた。それまではペシャワルで拘束されていたという。彼と一緒に逮捕された運転手の行方は、いまだにわからない。

garrAfghan journalist who took US reporter to Pakistani tribal region transferred to remote prison


■パキスタン、自爆テロ女性訓練士を捜索[040518 Reuters]

パキスタン政府は、ウズベクのイスラーム抵抗勢力の未亡人が、女性自爆テロ戦士を訓練しているとして、捜索しているという。

諜報情報によると、ウズベクのイスラーム運動の戦士Obaidullahの未亡人Azizaが、6月にパキスタンで攻撃を計画していることをつかんだという。「自爆テロを行なうために、パキスタン女性を訓練している」と、ある高官が『ロイター』に語った。「彼女の捜索をしているが、今のところ、攻撃計画について何の情報を得られていない」という。

Azizaは、アフガニスタンとの国境付近の部族地帯に訓練所を開き、1月にパキスタン軍によって殺害された夫の復讐を目論んでいるという。

しかし内務省報道官のAbdul Rauf Chaudhryは、当局がAzizaの捜索をしていることを否定した。「そのような話はない」という。

ohPakistan Hunting Woman Trainer of Suicide Bombers
PESHAWAR


■ネック・ムハンマド、外国人抵抗勢力と分裂[040518 Dawn]

政府高官と部族の長老たちによると、ネック・ムハンマドは外国人抵抗勢力に協力するのをやめて、政府側につくことにしたという。

「ネック・ムハンマドは外国人勢力に協力をするのをやめてShakaiの合意に従い、必要であれば以前の仲間たちの捜索に加わると述べた」と、南ワジリスタン行政官Asmatullah Khan Gandapurが『Dawn』に述べた。

ネック・ムハンマドによると、外国人抵抗勢力はもはやこの地域にはいないと述べている。以前は「重要」な外国人戦士と「重要ではない人物」が数人いたが、全員、どこかに移ってしまったという。「登録しようとしていた30〜35人の外国人たちがいたが、ワナのスカウトのキャンプに出頭して、当局の前で登録をしなければならないと政府が主張したために、怖くなって逃げた」という。またネックは、政府の捜索を妨害しないことを約束したという。

行政官のGandapurは、外国人がいないという主張は、受け入れがたいと述べ、今後いかにラシュカルが行動するか、見守るという。

hoonNek Mohammad parts ways with foreign militants, claims official
By Dilawar Khan Wazir & Ismail Khan、WANA


■米軍とアフガン軍、パキスタンの国境にロケット弾を発射[040518 Daily Times]

米軍とアフガン軍が、北ワジリスタンの国境付近に住むMacha Madakhelに対して、ロケット弾を3発発射した。

ロケット弾はSeerkot Zadran米軍基地から発射され、Ghardai、Charkhel、Arakhに着弾したが、被害はなかった模様。

garrUS and Afghan troops fire rockets at Pakistani border tribe
MIRANSHAH


■パキスタン軍、部族地帯に軍を派遣[040517 AP]

パキスタンは部族地帯に新たな軍を派遣したと、治安部が月曜日に発表した。

部族地帯の治安部責任者Brig. Mahmood Shahが『AP』に、南ワジリスタンに新たな軍を派遣したと述べた。ワナの住民によると、この3日間で、軍のトラック数十台が到着しているという。

Shahは月曜日に、ネック・ムハンマドが政府に協力することを拒否していると非難した。「彼には、すでに十分時間を与えた」。ラシュカルは「行動する準備ができている」という。「ラシュカルが外国人の登録に失敗したら、軍は行動する」。「今後の作戦のために、軍を南ワジリスタンに派遣した」。

ネックは月曜日にワナの部族長たちに、彼の支配下に住んでいた外国人たちは、すでに別の場所に移動したと述べた。しかし、どこに移動したかは述べなかった。「すでに去った。私の住む地域にはいない」という。

hoonPakistan deploys troops after terror suspects fail to seek amnesty


■カブールで殺害された外国人は宝石密輸倍売人[040517 Daily Times]

カブール公園で殴打され、刺されて死亡した2人の外国人はスイス国籍とノルウェー国籍であることが判明し、宝石の密輸に関わっていたと警察が発表した。

2人の外国人は「テロ活動」ではなく、宝石の密輸に関わっていたと疑われている。「捜索により、2人は宝石密輸人だった」という。彼らと一緒にカブールに入ってきた、トルハムから侵入してきた数人を、現在監視中だという。

smellTwo foreigners killed in Kabul were gem smugglers
KABUL


■カラチのモスク爆破事件で、聖職者逮捕[040517 Daily Times]

警察はカラチで、シーア派モスクの爆破事件の捜索と関連して、Lyariモスクの聖職者を拘留した。

警察はJama Masjid Baghdadiの聖職者であMaulvi Amanullahの自宅を捜索して、自爆テロ犯だった警察官Akbar Niaziと関係があったとして、逮捕した。Maulvi AmanullahはLashkar-e-Jhangviのメンバーだったと疑われている。

garrAnother cleric detained for Karachi mosque bombing
By Hasan Mansoor and Intikhab Ali、KARACHI


■アシュラ攻撃犯判明[040517 The Nation]

2ヵ月前にアシュラの行進の際に起きた2件の自爆テロ事件の犯人は、スンナ派過激派の犯行であることが判明したと、警察が発表した。

警察はクエッタのシーア派を攻撃した自爆テロ犯に協力したとして、警察官Ghulam Haider Lehriを逮捕した。犯人たちは、Lashkar-e-Jhangvi(LJ)のメンバーだったという。

garrAshura attackers identified
QUETTA(AFP)


■ラシュカル、登録を強制する[040517 Dawn]

Ahmadzai Wazir族は、4000人からなる、部族民志願兵ラシュカルを組織することにした。ラシュカルは月曜日に行動を開始するという。しかしこれは政府の圧力のもとで組織されたものであり、以前見られたような人々の熱気は感じられなかった。

ある信頼のおける筋によると、ネック・ムハンマドはマラリアで伏しているという。外国人たちが登録をする準備をしていると、当局に伝えようとしていくという。しかし行政側は、すでに最終期限が過ぎたために、彼に会うことを拒否したという。外国人たちは、登録に来なければと、それなりの対処がなされるという。

いっぽう、ワナの状況からすると、ラシュカルが良い結果を出すことはできないだろうと見られている。

hoonLashkar to enforce registration
By Dilawar Khan Wazir、WANA


■ワナで新たな展開[040517 The Nation]

ワナの状況は、分裂したままだ。Zalikhel Ahmadzai Wazir族のジルガ代表は、アルカイダ残党とその協力者に対して部族の軍隊を立ち上げることを表明した。いっぽう軍と準軍隊は日曜日から、異例の動きを始めた。今のところ、ワナとアザムワルサックの間の17キロに及ぶ道路を、封鎖している。軍はアルカイダを匿っているすべての地元部族民たちを捕まえるために、別のデリケートな地域に向かっている。チェックポストを占領するだけでなく、軍は山岳部の要所も占拠した。

地域一帯には無気味な静けさが広がっているが、部族民たちの間には、不安が広がっている。大多数が、ネック・ムハンマドの大胆な行動に対して、不満を持っているようだ。しかし一部には協調するものもいる。今のところ、全員が状況を傍観している状態だ。

hoonWana heading for another confrontation
Allah Noor Wazir、WANA


Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003, 2004.