【2004年6月21日〜6月27日】


■選挙に登録した16人、殺害さる[040627 AP]

金曜日にタリバン戦闘員が、ウルグザン州で選挙をするために登録をすませた16人を殺害した。ジャララバードでは前日、選挙準備のために働く女性を乗せていたバスに爆弾が仕掛けられ、2人が死亡、13人が負傷している。

ウルズガン州警察によると、銃を持った男たちが12人を乗せたトラックを止め、乗車していた者を調べた。選挙に登録したことがわかると、銃撃したという。そのうち2人は逃げ、警察に届け出たところ、10人が殺害されていたという。ウルズガン州高官によると、16人が死亡したと述べた。

garrTaliban Kill 16 Afghans Signed Up to Vote
By NOOR KHAN、KANDAHAR


■パキスタンの首相、辞任[040626 AP]

パキスタンのジャマリ首相が土曜日に辞任した。新首相に、Chaudhry Shujaat Hussainの名前が挙っている。

hoonPakistani PM Resigns, Dissolves Cabinet
By STEPHEN GRAHAM、ISLAMABAD


■サウジ人とパキスタン人、チトラルで逮捕[040626 Daily Times]

治安部はチトラルで、サウジ国籍のAbdur Rehmanとパキスタン国籍の2人を逮捕したという。

サウジ人がアルカイダメンバーかどうかは、まだ明らかではない。髭を生やしたこのサウジ人は、20代のようだという。

2人は、チトラルのブンブレット(ムンムレット)谷で逮捕された。欧米の諜報部は、チトラルはアルカイダ戦士たちの隠れ家になってると信じているが、アルカイダと関係があるとして逮捕者が出たのは、今回が初めてである。

ohohSaudi and Pakistani arrested in Chitral
PESHAWAR


■パキスタン軍は、パシュトゥンを相手にしなければならない[040625 Christian Science Monitor]

今年の春、シャカイではパキスタン軍と抵抗勢力との間に和解が成立し、バラの花びらで埋め尽くされた。2ヵ月後、バラの花で埋め尽くされた会場に爆弾が落とされ、地上の抵抗勢力たちは、裏切り者のパキスタン軍に対してジハードを戦うことを、誓った。

かつて国境地帯におけるテロとの戦いは、複雑で、古風だった。今は、“部族的”になっている。戦いのルールは「敵か味方か」である。パシュトゥン族の歴史は、部族のため、家族、名誉のために裏切りをする英雄たちにあふれている。その代表はネック・ムハンマドである。殺害される前に彼は、アルカイダの客人とパキスタン軍の両方と取引をした。

パキスタン軍は、部族民たちの扱い方法を研究する必要がある。「軍は人々に命令できると考えている」とある諜報部高官は述べる。「もっと歴史を学ぶべきだった。パシュトゥンは、誰からも命令を受けない」。

(中略)パキスタン軍がネックに求めたことは、不可能に近い。庇護されるべき客人の引き渡しである。和解にもかかわらず、ネックはジハードを続けることを宣言し、戦いが再開された。

部族民によると、ジルガではなく地元のムラーを通じて和解が成立したために、取引を破ることは簡単だったという。パシュトゥン社会において、形式がすべてである。「本気に感じていた者は誰もいなかった」と、教育を受けた部族長のMohammad Noorは語る。「ナイフを袖に隠して行なった取引にすぎない。両方とも戦うために来たのであり、和解するためではない」。しかし長老たちはこれを否定し、まだ交渉の余地があると語る。「軍の堪忍袋が切れ、攻撃を開始したのだ」と和解に尽力をした聖職者Maulvi Mairajuddinは述べる。「部族のシステムにおいては、爆撃と和平交渉は両立しない。銃よりも話し合いの方が効果的だと、今でも信じている」。

(中略)タリバン司令官ダドゥッラー師は、アフガニスタンの著名で強力なホタック族である。タリバン最高司令官オマール師もホタック族だ。ヘラートの前タリバン州知事Bradar師はカルザイ大統領と同じ、Populzai族である。Bradar支持者はカンダハル周辺におり、彼の配下の戦士たちはデュラニ族で、Populzai族はデュラニ族のなかの王族出身者である。タリバンの戦略家のHafiz Majidはアチャクザイ族の長老で、この種族はカンダハルからチャマンの間で、追剥ぎをしていることで有名だ。彼の根拠地はカンダハルで、米軍や援助活動家たちへの攻撃を続けている。サイフラー・マンスールはアフガニスタン最大の部族Ghaljiの長老である。パクテアのZurmat地方に支持者が多い。2002年に米軍がアナコンダ作戦を展開した地域だ。アナコンダのあと、ワナに逃げたといわれ、現在、パキスタン軍に追われている。

ハッカーニは、アルカイダとタリバンとの間の橋渡しをしているといわれる。彼の支持者はコーストとパクティアのZadran族で、また北ワジリスタンのミラン・シャーの彼の新たな基地であるZadransにも支持者がいる。5月に米軍によって逮捕されたといわれるRozi Khan師は、ザーブルの強力なギルザイ出身者である。Rozi Khanは、カーブルからカンダハルにかけての道路に沿って、攻撃を行なっていた。

部族長のMalik Behram Khanは述べる。「爆撃すれば爆撃するほど、軍に対する反感は強くなる。部族民たちは、客人を捨てることはできない。我々の文化は、それを許さない。我々の習慣を破れば、何世代も呪われてしまう」。しかし伝統によりパシュトゥンが客人を守ったとしても、ライバルが敵の名誉を傷つけるために、敵の客人を殺害する例が歴史的に繰り返されてきた。何よりも名誉が重んじられるところでは、不名誉が武器となりうる。

「タリバン司令官やオサマを逮捕するために、彼らの人間関係を調べるべきだ」とカブールのアフガン諜報部員は語る。「信頼されている人々であれば、計画や潜んでいる場所を知っている」。部族の幹部には、必ず敵がいる。ライバルを陥れるために、あらゆる方策が練られる。「ある部族の誰かに金を与えれば、その部族出身者のタリバンについての情報が得られる。外部のものがやったのでは、だめだ。信用がないから。しかし部族内のものであれば、情報は得られる。簡単だ」。

部族内部の抗争を利用するのは、危険なゲームである。パシュトゥンも嫌がる。暴力が発生すればかならず暴力で報復を受ける文化において、意外にもパシュトゥンは非暴力的なエトスを用いる。「ラシュカルは効果的ではない。なぜなら、行動すれば部族民たちは、報復を受けるからだ」と部族長のMalik Waris Khan Afridiは語る。パキスタン軍はラシュカルを組織させたが、効果はなかった。

しかし、アメリカの圧力は続く。ネック・ムハンマドが殺されても、まだ解決はほど遠い。(中略)アルカイダはジハードを続行すると、ネックの配下の者に伝えている。アルカイダの脅迫には、いつも報酬がつく。アルカイダは、訓練所の土地をいい値段で買い上げている。「ワジリスタンでは、ジハード経済が成立している」と教育を受けた部族長のDilawar Khanが説明する。「外国人のなかには、トマトを500ルピーで買うものもいる。家を50万ルピーで買った者もいる。10倍の値段だ。金の卵を産む鶏を殺す必要はない」。

アルカイダがイスラームの教えを支持しているとなれば、ますます魅力的だ。イスラマバードも、開発というニンジンをちらつかせている。しかし開発は、金ほど直接的ではない。「これまで開発は、親政府的な部族民を買収するためのものだった」とペシャワルのBehroz Khanは述べる。「部族地帯ではジルガが重要だ。開発は地元民に参加している感覚を与えるべきだ」。

現在政府は、イギリス時代の古い戦法をいまだに使っている。政府は報復として、ワナの商店を閉鎖した。住民たちは水曜日に、政府に経済封鎖を解き、逮捕者の釈放することを要求した。これに対して政府は、アルカイダ擁護者たちの引き渡しを要求。

ネック・ムハンマド殺害により、果たしてイスラマバードにとって有利になったかどうか、意見が分かれる。「ネックを殺しても何もならない。アルカイダは、新たな場所を探すだけだ」と、イスラマバードの前CIA責任者Milt Beardonは述べる。しかし彼の配下の者たちは、一時的には打撃を受けた。「彼はアルカイダと関係のある、最大の抵抗勢力だった。彼の跡をすぐに継げる者はいないだろう」と、ある部族民はいう。

ネックよりももう少し柔軟なHaji Mohammad Umerが、彼を継いだといわれている。あらたな和解交渉が始まるだろう。「抵抗勢力たちは、時間を稼ぎたがっている。政府はさらにニンジンと鞭を用いて、地元民と外国人との関係を弱めるよう、この好機を逃がしたくないはずだ」。

hoonPakistani Army must go through the Pashtuns
By Owais Tohid and Scott Baldauf、PESHAWAR


■アフガン攻撃で米兵2人死亡[040625 AP]

アフガニスタン東部で米軍が攻撃され、海兵隊人が死亡し、1人が負傷した。

パキスタンとの国境付近のクナール州で、抵抗勢力との衝突が発生した。詳細はわからない。クナール州警察のMatiullah Safiによると、米軍戦闘機が木曜日にアサダバード周辺を爆撃したという。

hoonAfghan Attack Kills 2 Marines, Wounds 1
By MATTHEW PENNINGTON、KABUL


■中国人への攻撃,テロではない[040625 AP]

今月北部で発生した、中国人11人が殺害された事件と国際治安支援部隊の車両への攻撃はテロではないと、 内務相が発表した。

事件は別の要因、たとえばライバル会社の抗争などが考えられるという。タリバンとヘクマチアルのスポークスマンは事件との関わりを否定している。

hoonAttack on China Workers Said Not Terrorism
KABUL


■アルカイダ容疑者、パキスタンで逮捕[040625 AP]

パキスタンでアルカイダ容疑者が2人逮捕されたと諜報部高官が述べた。

水曜日に、2人の男がパキスタンのチトラルで逮捕された。2人はAbdur Rahman、別名Abu ObaidaとSuleman Tahirだという。Rahmanはアラブ人だとされるが、もう1人はパキスタン人だという。2人はペシャワルで、取り調べを受けている。

ohTwo suspected al-Qaida militants arrested in Pakistan, intelligence officials say


■アフガン政府、タリバンの首切りを否定[040624 Reuters]

アフガン政府は、国軍が4人のタリバンゲリラへの復讐として首を切り落としたという報道を、否定した。

ザーブル州のアフガン国軍の司令官Namatullah Tokhiは『ロイター』に、ゲリラが通訳と兵士の首を切ったために、その復讐として前日にタリバン4人の首を切り落としたと述べた。しかし水曜日にTokhiはこのような事実を『ロイター』には話してないと語り、『AP』にも同様の話をしたことも否定した。

内務相Ali Ahmad Jalaliも記者会見で、この報道には「現実性がない」と述べた。「司令官は、誰ともインタビューを行なっていないと述べている」という。政府軍は法律を守るとし、「法律に基づき、逮捕された者は取り調べを受ける」と語った。軍報道官Lieutenant-Colonel Tucker Mansagerは、このような事件がザーブルで起きたことは聞いていないと述べた。

Tokhiは火曜日に『ロイター』に、通訳と兵士がパトロール隊からはぐれ、首を切られているのが発見されたと語った。政府軍は後に4人のタリバンを捕らえ、同じ方法で殺害したと述べている。

Tokhiの軍のような民兵は、国防省に雇われ、米軍とともに戦っているが、新設の国軍の一部ではない。

smellAfghan government denies Taliban beheaded
KABUL


■ラズマックのキャンプ、ミサイル攻撃さる[040624 The Nation]

北ワジリスタンのラズマックに駐屯する軍が水曜日早朝、何者かにミサイル攻撃された。

Nawool山地に隠れる何者かが、ラズマックのスカウトのキャンプをミサイルで攻撃した。ほとんどのミサイルはキャンプまで届かなかったが、ラズマック空港の無人地帯に2発命中した。負傷者はいない模様である。

いっぽう行政側は、ワナのZaiari Noorにあるアフガン難民キャンプを取り壊し始め、難民たちに別の地域に移動することを強制した。

シャカイ谷では、アルカイダ残党の捜索で家宅捜索が開始された。以前にラシュカルも捜索したが、誰も逮捕されなかった。

ワナとアザムワルサックの間では、軍がチェックポストを強化するとともに、ワナからアザムワルサック周辺に軍が移動し始めるのが、目撃されている。

hoonMissiles fired at troops camp in Razmak
Hayat Ullah and Allah Noor Wazir、MIRALI(North Waziristan Agency)


■アフガニスタン南東部の米軍基地、攻撃さる[040623 AFP]

コーストの米軍基地がロケット弾で攻撃され、米軍ヘリコブターが警戒のために出動した。そのうちロケット弾2発が空軍離着陸地に落ちたが、被害はなかった。5月以来、抵抗勢力の攻撃で数十人が死亡、うち米兵が7人死亡している。

garrUS-led military base attacked in southeastern Afghanistan
KABUL


■港町で爆弾4発が爆発、負傷者なし[040623 AP]

バローチスタン州の港町Gwadarで、爆弾4発が爆発したが、負傷者はいなかった。自家製爆弾4発が、港のゲートと警察署、居住地区2ヵ所で爆発した。

garrFour bombs explode in Pakistani port city, no one injured


■アフガン軍、4人のタリバン容疑者の首を切る[040623 AP]

水曜日に、アメリカによって訓練されたアフガン民兵司令官が、アフガン兵と軍の通訳者を殺害した復讐として、タリバン兵士4人の首を切り落としたと述べた。

殺害事件は月曜日、ザーブル州で発生。通訳とアフガン兵士がアフガン・アメリカ合同軍からはぐれ、首を切り落とされた遺体と首が山に放置されているのが、後に発見された。4人のタリバンがその後の捜索で逮捕され、「アフガン国軍は同じことをした。首を切り落とした」と政府民兵の司令官Naimatullah Khanが述べた。タリバンの遺体はその場に放置されているという。(中略)

米軍は通常アフガン国軍と一緒に行動するが、米軍報道官Lt. Col. Tucker Mansagerは、このような情報はまだ確認されてないと述べた。

これとは別に、スピンボルダックで地雷が爆発し、アフガン兵5人が死亡、2人が重傷を負った。「新しく設置された地雷だった。車輌は完全に破壊された」という。

hoonAfghan Troops Behead 4 Suspected Taliban
By AMIR SHAH、KABUL


■11人の部族長、釈放予定[040623 The Nation]

デーラ・イスマイル・ハーン刑務所で逮捕されていた11人のAhmadzai族の長老たちがワナに移送され、釈放される可能性が出てきた。

マフスード族の長老たちは、マフスード族の居住地に住む外国人や地元抵抗勢力に3日の猶予を与え、土地を去らなければそれなりの対処をすると警告した。今日マフスード族のジルガが開催予定で、今後の状況を話し合う。抵抗勢力は、マフスード族の居住地区内のBarwandとBadarに隠れている可能性があるという。

部族民によると、Tairzaとシャカイ地域で日曜日の夜、大砲や他の武器を発砲している音がしていたという。

hoon11 tribal elders likely to be freed
By Sailab Mahsud、DERA ISMAIL KHAN


■ジルガ、軍に協力を約束[040623 Daily Times]

南ワジリスタンのMakeenでジルガが開催され、抵抗勢力の捜索のために、軍による家宅捜査を許可すると決定した。「外国人が隠れている疑いがあれば、その地域の捜索を認める」とMaulana Aisamuddinが述べた。外国人は、マフスード族が住むMakeen地域に隠れているといわれるが、険しい地形のために、軍がこの地域に入ることは難しい。Makeenは南北ワジリスタンの境界に位置し、シャーワル村に近い。

北西辺境州知事のSyed Iftikhar Hussain Shahは、外国人抵抗勢力は降伏すれば、パキスタン人と同様、あらゆる特権を与えると申し出た。しかし投降しなければ、攻撃すると警告した。

政府はこの地域に住んでいるアフガン難民に、20日間の猶予期間を与え、南ワジリスタンから出て行くよう申し渡した。もしアフガニスタンに帰りたくないなら、別の居住地を与えるという。

hoonTribal jirga pledges support to army
By Iqbal Khattak、PESHAWAR


■パキスタンの州、軍の侵略で武装戦[040622 OneWorld.net]

バローチスタン西部で、軍が広大な土地を使用していることに対して、抗議が広がっている。先週、天然ガスが採れるSui地方の空港が部族民によって爆破され、地元のナショナリストたちは8月1日に政治的な行動に出ると、警告した。

バローチスタン州の部族民たちは土曜日に、Sui国立ガス田にある警備チェックポストに向けて、50発のロケット弾を撃ち込んだ。約2時間、戦闘が続いた。

抵抗勢力たちは、空港の建物にダイナマイトを埋めこみ、ロケット弾攻撃が続く間にこれが爆発した。Baloch Liberation Army(BLA) と名乗る人物が犯行声明を出し、BLAはバローチスタン州の軍宿営地の建設や、国境警察のチェックポストの設営に反対を表明した。金曜日にも十数発のロケット弾攻撃を受けたが、ガス設備は被害を受けなかった。5月には、Suiで140発のロケット弾が撃ち込まれ、少なくとも120発が人口が少ない地域に着弾した。先週は居住地域にロケット弾が撃ち込まれ、12人が負傷した。

National Partyの責任者Abdul Hai Balochは、8月1日に政治集会を開催し、バローチスタンの資源を略奪しているプロジェクトに、反対を表明すると宣言している。Balochistan National MovementのリーダーAslam Bulediは、Balochistan Coast Guardと国境警察が、州の土地50万エーカーを略奪していると批難する。さらにパキスタン軍は、少なくとも500万エーカーの土地を取得したと言う。

一連のゲリラ攻撃により、パキスタン政府は動き出し、内務相Faisal Saleh Hayatは、政治的レベルで事が解決しなければ、軍事力に頼ると表明した。「テロリストの他に、地元民もSui空港の攻撃や、ガスパイプラインの破壊行為に関わっている。彼らとは、政治的レベルで話し合っている」と述べた。「政治的に解決できないのであれば、政府は軍事作戦を行なう可能性もある」。

Suiは、国家の60%の天然ガスを産出している。ガス産業に支障が出れば、パキスタンの経済は大きな打撃を受ける。去年、連邦政府が、Sui、Kohlu、Gwadarに軍の宿営地建設を表明してから、混乱が始まった。部族のリーダーで政治家でもあるNawab Akbar Bugtiは、この計画は地元民に圧力をかけるものだという。軍が宿営地を建設することに反対するために、死ぬまで戦うと表明する。先月は、Gwadarで中国人技術者3人が殺害されている。(中略)

Pakistan Oppressed Nations Movement(PONM)会長で、パローチ・ナショナリストSardar Attaullah Khan Mengalは、軍宿営地の建設は軍の侵略だと批判する。「我々は50年間、国家的な破壊政策に口を挟まないできた。もう限界だ。権力者たちから、我々の権威を奪い返すときだ」。

しかしバローチスタン州国務省Mir Shoaib Nausherwaniは、開発のためには、宿営地は必要だと主張する。「バローチスタンの遅れた地域を、開発したい。SuiとGwadarのテロリストを取り締まる必要もある」。(後略)

hoonPakistan Province Up in Arms Against Military's Invasion
LAHORE


■Sui空港攻撃で30人拘束[040622 Daily Times]

Sui空港の攻撃と関連して家宅捜査が行なわれた結果、30人以上が拘束された。

何者かがSui空港のターミナル・ビルを爆発物で爆発させた。「この問題が政治的に解決されなければ、政府は軍事行動を取ることも考えている」と、内務相Faisal Saleh Hayatが月曜日に語った。

政府はSui地区のガス施設の警備を強化した。

hoon30 held for Sui airport attack
SUKKUR


■ネックの後にHaji Umar[040622 The Nation]

外国人抵抗勢力を匿ったことで手配中になっている部族民リーダー、Haji Umarが月曜日に、ネック・ムハンマドの組織を率いる新たな責任者となったと『BBC』が報告した。

論議の結果、Umarがネックのグループの長となった。45歳のUmarは軍に和解のメッセージを送り、政府の申し出をすべて受け入れると述べた。しかしインドとアメリカはイスラームの敵であり、今後は彼らに対してジハードを続けると誓った。

hoonHaji Umar succeeds Nek Muhamma


■ワナ、カラチ、バローチスタンの間に関係はあるか?[040621 Daily Times]

ワナ、カラチ、バローチスタンのテロ行為の間に、関連はあるのだろうか? それともバローチスタンの秩序崩壊は、州特異のものであり、一般的に関連があると考えられているワナとカラチとは、別の問題なのだろうか。

土曜日のSui空港の事件は、バローチスタンが混乱し始めていることを証明する。国境警察隊のポストにロケット弾が撃ち込まれた事件よりも、深刻であることは確かだ。幸い死傷者はいなかったが、国境警察隊を攻撃した者と空港を攻撃したものは、協力し合っていることが明らかである。この地域は、ガス発掘施設があるために、非常にデリケートである。

この事件は、Gwadarにいる中国人技術者殺害事件や、その後Gwadar空港のロケット弾攻撃などのあとに続くものである。バローチスタン州のシーア派攻撃もある。秩序は完全に崩壊し始めた。

同時に、バローチスタンは政治的にも緊張している。州のナショナリストたちはGwadar計画や、軍宿営地の建設に反対を表明している。4つの政党が同盟して反対運動を起こしているが、彼らの見解としては、Gwadar開発計画は、バローチスタンの人々(バローチ族)を少数民族にしてしまうためのものだという。

バローチスタンの内務省によると、捜索が完了するまではSuiの事件の背後関係は明らかにできないと述べている。しかし、人々が警戒していることは確かだ。PPPのMunwwar Suharwardyの暗殺も、カラチの人々を恐怖に陥れている。5月の暴力事件、6月には2つのテロ事件、特に警察司令官の暗殺未遂事件などは大きな衝撃だった。 (後略)

hoonIs there a link between Wana, Karachi and Balochistan?
By Sarfaraz Ahmed


■取り引きにより、アルカイダ守られる[Los Angels Times 040621]

パキスタンとサウジは、タリバンとアルカイダと取り引きをすることにより、9.11の攻撃をお膳立てしたと、9.11調査委員会の幹部が語った。

アメリカの最大同盟国2国は、タリバンに資金などの援助を1996年頃から開始し、9.11以後も国境付近でアルカイダを匿ったという。「取り引きがあったようだ」と調査委員会のある幹部は語る。パキスタンとサウジがビンラディンを取り締まらなかったために、数千人の兵士たちが訓練されることになったという。政府がビンラディンを匿うタリバンに資金を与えたことで、ビンラディンは国際的な圧力に屈することなしに、9.11の計画を実行することができたと考える。

サウジはタリバン政権だけでなく、ビンラディンにも直接、金と装備を提供した。さらにアルカイダが資金を増やし、要員を募集したり訓練すること、サウジ内に組織を作ることに介入しなかったと、アメリカの高官は語る。パキスタンはさらに直接的な援助を与え、軍や諜報部が、タリバンやアルカイダに協力したという。

これらの援助により、アルカイダはパキスタンとサウジの、社会と宗教の中に深く浸透し、アフガニスタンにアメリカが入ったあとも生き延び、新たな攻撃をするために再編成された。

パキスタンとサウジは、国内のアルカイダ組織の排除を開始すると(サウジの場合は去年)、テロリストの犠牲者となり始めた。そして両国とも、アルカイダの資金網や訓練組織が根づいてしまったために、簡単に排除することはできないと認める。

数年来、パキスタンとサウジは故意的にビンラディンを無視し、彼との取り引きを止めようとしなかったと疑われている。先週両国とも、これを再び否定した。パキスタン政府は、「ムシャラフ大統領は1999年に権力の座について以来、テロリストに対して厳格に取り組んでいる」という。(中略)

しかし調査委員会によると、アメリカ政府がKhalid Shaikh Mohammadを含む、アメリカが拘束しているアルカイダ幹部の取り調べから得た情報によると、「タリバンがサウジから金を得ていたことは明らかだ。パキスタン政府に関しては、言うまでもない。彼らの目的は、我々にとっては二次的なものだ」。

サウジは、タリバンとの関係があれば、リヤドは攻撃されないと信じていた。「パキスタンもそうだ。彼らはタリバンとアルカイダと関係を持つことで、大きな利益があった」と調査委員会のSen. Bob Kerreyは語る。(後略)

hoonOfficials: Deals shielded Al Qaeda
By Josh Meyer


■Fazlur Rehmanの政治的な動き[040621 Daily Times]

野党のリーダーでMMAの筆頭でもあるMaulana Fazlur Rehmanは、策略家である。

Rehmanは報道陣に、Banuri Townのモスクのデオバンド派の聖職者Mufti Shamzaiが暗殺されたのは、政府とワジール族の仲介を買って出たからだと述べた。彼のワナの作戦に対する意見からも、これは明白だ。彼によると、アメリカがイラスラマバードと部族民との間の取り引きを、引き裂いたという。つまりアメリカがShamzaiを始末し、その後ネックをやっつけたことを示唆する。右派も同じような意見だ。テロだけでなく、宗教抗争についても同様である。この理由付けの究極には、謎めいたビンラディンと、9.11モサド説がある。まだある。

Rehmanは、イギリスが自分に、「穏健」タリバンとの仲介役を彼に引き受けるように申し出たと述べる。このイギリス主導の動きは、明らかにアメリカに支持され、カブールやイスラマバードも協調している。そして、Rehmanはその中心にいるのだ。だからこそ、彼が野党のリーダーなのだ。Rehman、なかなかやるな、と我々は言いたい。しかしまだある。

インドとパキスタンの和平交渉のなかで、Rehmanはこれが今後を続くことを望んでいるという。去年、彼はイスラーム神学者協会の使節団とともに、インドを訪問した。彼がそこで発表した声明は、インド人にとっては驚きだった。彼は理論的で、合理的で、穏健で、じょう舌で、自信に満ちていた。大きな勝利を収めた。インドに行く前に、よく研究をしていた。イスラーム協会が地団駄踏んで悔しがり、この件に関してRehmanには同意しないと述べた。

Rehmanは、もちろんこの特権がなくなったら、どうなるかわからない。彼の政党は北西辺境州とバローチスタンで権力を持つ。ワナの件に関して、北西辺境州のパシュトゥン票を気にして作戦に対して反対しながらも、制止しようとはしない。しかしだからといって、穏健派タリバンにカブールを支持するよう説得するのを、止めはしない。だから、彼のライバルである神学者協会のリーダー、サミウル・ハクは、Rehmanに腹を立て、北西辺境州のMMA政府はタリバンを売り飛ばし、南ワジリスタンの作戦を制止しようとしなかったと批難する。

和平交渉に関しては、Rehmanは神学者協会の兄弟でもあるJamiat Ulema-e-Hindとの関係を持ちつづけることができる。またGHQとのリンクを復活できる、という利点もある。Rehmanは戦術家だ。彼が何を言うかだけでなく、何をするか、注視する必要がある。

hoonFazlur Rehman's deft political moves


■パキスタン、抵抗勢力の攻撃を警戒、警備を強化[040621 Reuters]

パキスタンでは、抵抗勢力の報復を警戒し、国中の警備が強化されている。

直接的な脅迫は今のところまだないが、カラチの抵抗勢力の逮捕や部族地帯の作戦のあとで報復が予測されると、内務省のFaisal Saleh Hayatが述べた。

「国家の状況を考えて、厳戒体制にある」という。「何らかの報復があることが、予測される」。イスラマバードをはじめ、各州の警備が強化された。特にイスラマバードでは厳戒体制で、警官がチェックポストを設営している。準軍隊も、主要な建物に派遣されている。

hoonPakistan Fears Militant Backlash, Ups Security
ISLAMABAD


■Sui空港、爆撃される[040621 Dawn]

土曜日の夜、クエッタにあるSui空港の建物がロケット弾を受け、爆発した。「Sui空港の建物が崩壊した」と、州高官のAbdul Rauf KhanがDawnに語った。負傷者はいない模様である。

情報源によると、何者かがロケット弾約56発を、Sui空港を含む、町のあちこちに撃ち込んた。国境警察隊が応戦し、約2時間、戦闘が続いたという。

当局によると、この空港はSuiガス田の親会社であるPakistan Petroleum Limitedが使用していたという。週3〜4便が飛ぶ程度の、小さな空港である。

garrSui airport building blown up
By Saleem Shahid、QUETTA


■アザムワルサックで抵抗勢力活動[040621 Dawn]

日曜日、アザムワルサックで、地元「ムジャヒディン」の動きが活発になり、南ワジリスタンで新たな暴力沙汰が開始する気配である。アザムワルサックでは、約100人以上の部族民抵抗勢力が動いているが目撃されている。

この動きに関して、2人の名前が挙がっている。まずはネックの従兄弟Allah Noorと、Muhammad Khanで、2人ともベテランのタリバン戦士たちである。

ネックの叔父であるMuhammad Sadiqは、家族たちは自分の家から殉教者を出したことを誇りに思っていると語った。「我々は幸せだ。悲しくない」という。「ネックは正しい道を選んだ。我々は彼の足跡に従わなければいけない」。

ワナでは、前国会議員でネックの恩師でもあったMaulana Noor Muhammadのマドラッサが、捜索を受けた。また治安部隊が、女生徒たちが近所のMughalkhel村から女性のための宗教学校に出席するために使用するDarul Uloomに繋がるトンネルを捜索した。

Ahmadzai Wazir族に対する経済制裁はすでに21日を迎え、人々は大きな打撃を受けている。

garrMilitants active in Azam Warsak
WANA


■パキスタンの科学者、北朝鮮にいる可能性[040621 The Nation]

パキスタンから6年前に行方不明になっている核科学者は、ウランによる核兵器製造研究のために北朝鮮にいる可能性があると、日曜日に韓国の報道機関が報道した。

6年前にパキスタンを出国した9人の核科学者が、行方不明になっている。何人かが北朝鮮にいる可能性があると、ソウルのKINUの研究者Jeon Sung-Hunが述べた。

smellPak scientists may be in N. Korea: report
SEOUL(AFP)


Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003, 2004.