【2004年7月05日〜7月11日】
■治安部隊、テロリストと交戦[040711 News]
●南ワジリスタンで、手配者たちの引き渡しの期限が切れた土曜日、テロリストたちと軍が銃撃戦を行なった。
●シャカイに入った情報によると、武装勢力がMantoi地域にいた治安部隊を攻撃したという。軍は応戦し、Zari NoorとTiarzaのキヤンプからも攻撃したらしい。
●ワナではAhmadzai Wazir族のジルガを開催された。ジルガによると、手配中のZalikhel枝族のCommander JavedとMaulana Abbasの2人は、この地域で定住していないため、引き渡しは難しいという。しかし2人に対して10人の保証人をつけ、2人が今後パキスタンに害を与えるような行動をしないことを、保証するという。また長老たちは、2人が外国人を匿わないことも保証する。
《AP追記》
●2人の部族民は、政府に投降することを拒否したと、部族の長老が土曜日に語った。部族民Maulvi Abbas KhanとMuhammad Javedは外国人を匿ってないとし、投降しないという。
Security forces exchange fire with alleged terrorists
WANA
■KSMを逮捕した警察官、殺害さる[040710 Daily Times]
●Punjab Police Station House Officer(SHO)のRaja Saqlainとその甥が、何者かにラワルヒンディ狙撃されて死亡した。
●Raja SaqlainはこれまでKhalid Shaikh Mohammadを初め、重要なテロリストたちを逮捕している。犯人たちは逃走した。
Cop who caught Khalid Sheikh shot dead
By Shahzad Malik、ISLAMABAD
■部族地帯での裏切りとテロ[040710 Asia Times]
●パキスタンがアメリカの圧力に服して南ワジリスタンで作戦を開始したとき、Muttahida Majlis-i-Amal (MMA)は仲介役を引き受けた。しかし新たな作戦が開始されそうな今、MMAは完全に政府側についている。
●政府は部族地帯での情報を遮断しているが、『Asia Times』がつかんだ情報によると、すでに新たな作戦が開始されているらしい。一方武装勢力側も、MMAを無視して行動を開始した。最新の戦闘は、ワナ付近で展開したという。軍の報道官は軍が激しく攻撃されたことを認めたが、応戦したとし、負傷者はいないと述べた。しかし両陣営から、ともに死傷者が出たと思われる。
●MMAのリーダーたちは、パキスタンの新たな首相と会談し、MMAは政府に協調することを約束した。
●外国人戦士と地元のワジール族は、南北ワジリスタンの間からアフガニスタンのシャーワラ地帯に陣取っている。(後略)
Turncoats and terror in Pakistan's tribal areas
KARACHI
■シャカイへの制裁、解除[040709 Daily Times]
●南ワジリスタンで手配されている2人、Muhammad JavedとMaulvi Abbasが、政府がシャカイに対する制裁を解除したために、条件をつけて投降することを申し出た。
●ラシュカルが2人の親戚の家を取り壊す寸前、Yargulkhel枝族の長老Malik Shirin Janがこの情報を伝えた。「2人は投降する準備をしているが、そのまえに宗教者や部族の長老、ラシュカルの司令官と話す」という。今日、話し合いが持たれる予定だ。
Sanctions against four Shakai tribes lifted
By Iqbal Khattak、PESHAWAR
■アフガン当局、オマール師と話す[040709 News]
●アフガン諜報部高官が、逮捕されたオマール師の腹心にかかってきた電話で、オマール師と会話をしたという。
●オマール師の腹心と思われるMulla Sakhi Dad Mujahidが火曜日に逮捕され、その携帯電話にオマール師の電話番号が記録されていたと、カンダハルの諜報部長官Abdullah Laghmanaiが『AFP』に語った。
●最初Mulla Sakhi Dad Mujahidは、彼のボスに電話を強制的にかけさせられた。「Salam-Alaikum、どこにいる?」とオマール師がMujahidに尋ねたらしい。しかし状況を察すると、すぐに電話を切ったという。
●カンダハル軍スポークスマンAbdul Wasay将軍も、Mujahidの逮捕を確認した。「Mujahidの逮捕は、この地域のタリバンの活動に打撃を与えるだろう」と述べた。
●Laghmanaiによると、オマール師は、その後もう電話に出なくなったようだ。Mujahidの逮捕に気づいたようだという。Mujahidは取り調べのために、カブールに移送された。Mujahidは、オマール師はカンダハルの近くで、クエッタ付近のパキスタン側に隠れていると述べているという。
Afghan authorities speak with Mulla Omar
KABUL
■逮捕されたアメリカ人、囚人を虐待[040708 AP]
●アフガニスタンで逮捕された3人のアメリカ人は、自らテロとの戦いに挑み、拘束した者たちを逆さ吊りにして虐待していたと、アフガン人高官が述べた。
●アメリカ大使館は、月曜日に逮捕した男をJonathan K. Idemaと特定した。男は前グリーン・ベレーで、アフガン民兵と関係していると主張しているらしい。米軍は、Idemaがあたかも自分が米軍か政府の一員であるがごとく振る舞っている、と警告した。
●内務相Ali Ahmad Jalaliは、3人の男が4人のアフガン人とともに月曜日に逮捕されたと発表した。「組織を作り、テロと戦っているふりをしていた」という。「アフガン人8人をカブールで逮捕し、牢屋に監禁していた」。別の治安関係者によると、囚人が逆さ吊りにされていたという。8人は釈放された。
●メディアの報道によると、Idemaは40代の前特殊部隊兵だという。アフガニスタンには、2001年の冬に入った。欧米のネットワークのために働き、カブール付近のアルカイダ訓練所のビデオテープを見せたりしている。後に、“The Hunt for Osama bin Laden”というベストセラーも書いている。
●逮捕された男たちは、輸出業者のふりをしていた。
Arrested Americans Abused Prisoners
■ワジリスタンで衝突[040708 Nations]
●抵抗勢力とパキスタン軍が水曜日、国境付近で衝突したと、政府高官が述べた。負傷者はいない模様だが、抵抗勢力がシャカイにある軍のキャンプに迫撃砲とロケット弾を撃ち込んだ。
Clashes in Waziristan
ISLAMABAD
■アフガニスタンでタリバン幹部逮捕[040707 AP]
●アフガニスタン南部で、抵抗勢力たちに100万ドルを分配していたというタリバン幹部を逮捕したと、諜報部高官が水曜日に述べた。
●諜報部は、カンダハルのShah Wali Kotの建物を取り調べ、Mullah Mujahidを逮捕したとカダハルの諜報部長官Abdullahが述べた。「彼が潜んでいるという情報が入り、建物を包囲し、逮捕した」という。2人目のタリバン、Nisar Hamedも逮捕された。
●Abdullahによると、Mullah MujahidはTakhar州のタリバン司令官だという。4ヵ月前にカンダハルに入り、オマール師の代わりに130万ドルを分配したという。
Top Taliban Arrested in Afghanistan
■カブールで、アメリカ人3人逮捕[040707 BBC]
●アメリカ人3人がカブールで、アフガン人を私設刑務所に監禁したとして逮捕されたと、『AFP』が報道した。
●アフガン諜報部幹部が、アメリカ人たちとアフガン人4人が月曜日に逮捕されたと『AFP』に語った。米大使館高官Roy Gloverは、このような情報は報告されていると認めた。「私的に、7人のアフガン人を監禁していた、アメリカ人3人とアフガン人4人を逮捕した」とアフガン人高官は述べた。「現在取調中」という。
Three Americans arrested in Kabul
■アフガン政府、タリバンリーダーの腹心を逮捕と発表[040707 Kyodo]
●Afghan Islamic Pressによると、アフガン政府高官が、オマール師の側近を逮捕したと発表した。
●カダハルの諜報部高Abdullah Noamanが、2日前にカダハルとウルズガン州の間で、Sakhi Dad Mujahidを逮捕したと語った。「まだ取り調べが終わってない。アフガン政府の拘束下にある」。彼の逮捕で、オマール師の居場所が判明するかもしれないという。
●AIPは、これまでSakhi Dad Mujahidという名の者が、タリバン政権の要職に着いたことはないと述べた。
Afghan gov't claims arrest of military aide to Taliban leader
■志願者、手配中の男たちの家に留まる[040707 Dawn]
●Ahmadzai Wazir族の長老たちは火曜日に、南ワジリスタンのシャカイに120人のラシュカルを派遣し、手配中の2人が政府に投降するまで、彼らの家に留まると述べた。
●部族の伝統に基づき、 ラシュカルはMohammad JavedとMaulvi Abbasの2人の家に留まることにしたという。今のところ、2人は投降を拒否している。2人の家に留まっている間、家族の者は食事などをふるまわなければならない。
●伝統によると、投降を拒否した場合、仲間の部族民たちは手配者が経済的に破滅するまで、家に留まるという。
Volunteers to stay in wanted men's houses
WANA
■政府とMMA、ワナの登録に合意[040707 News]
●政府とMMAは火曜日に、ワナにおける外国人の登録に対して合意し、宗教抗争やテロと戦うことを表明した。
●まず、ワナにおける外国人の登録の実施、また、宗教的な憎しみを植えつけ、テロリストを援助するマドラッサの取り締まりに合意した。今後ラウドスピーカーの使用は、アザーンや金曜日の礼拝だけに限られる。そして北西辺境州とFATAの国会議員や部族の長老たちは、ワナで商売や通商を始めることになる。最後に、テロに終わりを告げるために、MMAは政府と完全に歩調を合わせるという。
●いっぽうMMAのリーダーたちは、ワナのAhmadzai Wazirに課された経済制裁の解除を求めた。
Govt, MMA agree on registration in Wana
By Shakil Shaikh & Naveed Ahmad、ISLAMABAD
■アメリカ、テロ容疑者をエジプトに移し、拷問させる[040706 AP]
●アメリカはパキスタンに、パキスタンが逮捕したオーストラリア人テロ容疑者を、エジプトに送り拷問させていたと、容疑者の弁護士が語った。
●オーストラリア国籍でエジプト生まれのMamdouh Habibは、アフガニスタンとの国境付近で9.11の3週間後に逮捕された。アメリカとオーストラリア当局は、彼がアルカイダとともに訓練を受けていたとみているが、本人はこれを否定している。
●オーストラリアの彼の弁護士によると、アメリカはHabibを「エジプトに送り、拷問を受けさせる」よう、要求したという。パキスタン内務相Syed Faisal Saleh Hayatは『SBSテレビ』に、パキスタンがHabibを取り調べたあと、ワシントンは彼をエジプトに送るように求めたと述べた。「そう要求した。自分たちで取り調べをしたかったようだ」と語った。(中略)
●Habibは約6ヵ月後にエジプトからバグラム空港に移され、その後キューバに送られた。(後略)
United States sent terror suspect to Egypt to be tortured
■警察、43人のテロ容疑者を逮捕[040706 Daily Times]
●警察はネック・ムハンマドやアルカイダと関係があったとして、43人のパシュトンを逮捕した。部族地帯から、数人がファイサラバードに逃げたという情報が入り、逮捕に至ったという。
Police arrests 43 suspected terrorists
FAISALABAD
■シャカイ族、政府に協力を約束[040706 Daily Times]
●政府は南ワジリスタンのシャカイの4つの部族民たちと、5か条の協定を結んだ。部族民はイスラマバードと、外国人テロリストに関して協力することを約束した。これにより、この地域は完全に政府の監視下に入ることになる。
●Sperkai、Shudyakai、Khunyakhel、Khojelkhelの4枝族は、この地域から外国人を閉めだし、手配者の引き渡しを約束した。各部族とも保証金250万ルピーを政府に払い、カラシニコフ25丁を手放した。
●SperkaiのKhanが『Daily Times』に語ったところによると、シャカイでの軍の作戦により、さらにEda KhanとDawar Khanが政府に投降してしまった今、部族民にとって選択肢は残っていなかったという。前連邦大臣が、2人に投降を促したらしい。
●手配中のMaulvi Abbas KakakhelとMuhammad Javed Karmazkhelの2人の行方は、いまだにわからない。2人が投降するまで、家族の者は、ラシュカルに食事を出さなければならないという。
Shakai tribes will support govt against foreigners
By Iqbal Khattak、PESHAWAR
Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003, 2004.