【2004年7月12日〜7月18日】


■インド人スバイ,部族地帯で逮捕[040718 Kyodo]

南ワジリスタン政府当局が、部族地帯でインド人スパイと思われる男を逮捕したと、地元行政が日曜日に述べた。

男はワナから、作戦が展開している地域に入り込もうとしていたところを逮捕された。所持していた書類から、インド諜報部と関係があることが明らかになったという。

情報源は男の国籍と名前を明かしてないが、現在治安当局によって取り調べを受けているという。

hoonAlleged Indian spy arrested in Pakistan tribal area


■ワナで軍と抵抗勢力が衝突、市民3人が死亡[040718 News]

ワナ付近で抵抗勢力と準軍隊との間で戦闘があり、3人が死亡、4人が負傷したという。

ワナのそばのKhaisor村で、抵抗勢力が準軍隊が駐屯する城にロケット弾と迫撃砲を撃ち込み、戦闘となった。軍報道官Shaukat Sultanは、「金曜日、Tiarzaにいる抵抗勢力の攻撃を受け、治安部隊は応戦した」と述べた。死傷者はいないという。

Shaukat Sultan市民の犠牲者については語らなかったが、住民によると銃撃戦に巻き込まれ、市民3人が死亡、4人が負傷したという。

hoonThree civilians killed as troops, militants trade fire near Wana
WANA


■アルカイダ、イランで解体[040717 BBC]

イラン諜報相Ali Yunesiが、イランにいるアルカイダのテロ活動を暴いたとテレビで発言した。ただし、作戦の内容や逮捕者の数は明らかにしなかった。

イランは、アフガニスタンから逃げてきたアルカイダを匿っているという報道を、否定している。1月に外相のKamal Kharraziが、アルカイダ容疑者12人を裁判にかけると述べていたが、その時期については明らかにしなかった。逮捕されているアルカイダの中には、アルカイダ報道官Sulaiman Abu Ghaithとビンラディンの息子Saad Bin Ladenがいるといわれる。さらにビンラディンの治安部責任者Saif al-Adelも拘束されているらしい。Saif al-Adelはビンラディンのナンバ−3で、9.11のハイジャック犯を訓練したという。

hoonAl-Qaeda 'dismantled' in Iran


■パキスタン軍、抵抗勢力と衝突、村人3人負傷[040717 AP]

アフガニスタンとの国境でパキスタン軍がアルカイダ容疑者たちと衝突,村人3人が負傷した。アルカイダの残党たちがパキスタン軍に対してロケット弾を発射し、銃撃戦となったという。村人と治安部隊高官によると、村人が3人戦闘に巻き込まれ、負傷した。

Khaisorの村で起きたこの衝突で、抵抗勢力側に死傷者があったかどうかはわからないと、北西辺境州の治安責任者、Mahmood Shahが語った。パキスタン軍側には、死傷者はいないという。

いっぽうワナの病院の医師Nisar Ahmedは『AP』に、村人4人がKhaisorで負傷して治療を受けていると述べた。犠牲者によると、迫撃砲が家に命中したというが、誰が撃ったのかはわからない。

hoonPakistani troops clash with al-Qaida suspects near Afghan border,
three villagers injured


■9.11委員会、アルカイダとイランの関係を暴露[040716 Time]

来週予定されている9.11委員会の最終報告で、アルカイダとイランとの関係が明らかにされるという。

アメリカ高官幹部が雑誌『Time』に、委員会は9.11の14人のハイジャック犯のうち8〜10人が、2000年10月〜2001年2月の間、イラン内を自由に旅行することを許可していたという。アルカイダのメンバーたちが国境を越えることを容認し、バスポートにスタンプを押さないように指導していたらしい。しかしイランが、9.11計画を知っていたかどうかの証拠はない。

9.11委員会が『Time』に語ったところによると、イラン高官が1999年のコール船爆破事件後にビンラディンと接触し、アメリカを一緒に攻撃する計画を持ちかけたという。「ビンラディンの代理人がイラン人高官と、シーア派とスンナ派の対立をやめ、共通の敵に対して協力することを話し合った」という。サウジのスンナ派の反対を恐れたビンラディンは、この申し出を断わったといわれる。それでも9.11が起きると、イランはアフガニスタンから逃げてきたアルカイダメンバーたちを匿った。

ギュンタナモにいる囚人や国家治安組織が傍受した通信から、9.11以前からイランのシーア派ムスリムの幹部とスンナ派テロ組織との間に、同盟が結ばれていたことがわかた。この報告は、委員会の会長Thomas Keanが、「イラクよりも、イランやパキスタンのほうがアルカイダと接触していた」と先月述べたことを、裏付けることになる。今後、ワシントンとテヘランとの関係が緊張することが予測される。

これらの報告は6月に、1996年にアメリカ人19人が死亡したサウジで起きたKhobar Towers爆破事件にアルイカダが関わった、との報告に続くものである。この事件はこれまで、ヒズボラが関与していたと言われていた。

9.11以後、アメリカはイギリス、スイス、サウジを通して、イランが国内にいるとしているアルカイダに関して、イランと直接話しあっている。しかしこれまでアメリカもサウジも、ビンラディンの息子Saad bin Ladenを含む幹部たちの引き渡しに、成功していない。

oh9/11 Commission Finds Ties Between al-Qaeda and Iran


■外国人の登録[040716 Daily Times]

政府の代表はMMAのリーダーMaulana Samiul Haqと会談し、ワナにおける外国人の登録に協力するよう、要請したという。

北西辺境州知事のIftikhar Hussain Shahがこれに先立ち、MMAと会談した。MMAのリーダーたちを招いたにもかかわらず、Jamaat-e-IslamiのAmeer Qazi Hussain AhmedとJamiat Ulema-e-Islami(Fazal)のAmeer Maulana Fazlur Rehmanだけが出席した。2人は政府との協力を約束した。「政府はSamiul Haqが欠席したことを重視し、MMAのリーダーたちに、亀裂をなくすよう要請した」と情報源は述べた。

政府は部族地帯においては、Maulana SamiのほうがQazi Hussain or Fazlur Rehmanより影響力があると考えた。その結果2週間前にAkoray Khattakに特使を送り、Maulana Samiとその腹心のMaulana Shah Abdul Aziz Hashmiに会った。

「Maulana Samiはワジリスタンの外国人の登録に協力する様子を見せたが、条件を示した」という。「取引だ」。「外国人が登録の後に逮捕されたり追放されない」という条件を政府に求めたという。また外国人のリーダーたちと話し合い、彼らの要求もある程度飲むべきだと述べたという。

hoonRegistration of foreigners: Govt eager to engage Sami
By Mubasher Bukhari、LAHORE


■容疑者、ワナで投降,兵士と抵抗勢力、戦闘で死亡[040716 News]

男1人と兵士が、シャカイで起きた軍と抵抗勢力の銃撃戦で死亡した。

軍がAhmadzai Wazirに対して攻撃を行なったと報道されている。南ワジリスタンのSantoi地域で、抵抗勢力が治安部隊と衝突した。戦闘は約2時間続いた。Ahmadzai Wazirに対する取り締まりで、数人が逮捕された。

いっぽう容疑者と部族の長老との間で、秘密の話し合いが行なわれ、問題を解決するこめに、Ahmadzaiのジルガが今日開催される。

木曜日に、シャカイの長老たちに伴われ、容疑者Maulana Shaukatullahがワナの行政に投降した。

hoonWanted man surrenders in Wana: Soldier and militant killed in
gunbattleWANA


■ジルガ、ワナの容疑者を引き渡す[040716 News]

政府が手配中のワナの容疑者Maulvi Shaukatullahが、Ahmadzai Wazirのジルガによるて行政府に引き渡された。また行政側はジルガに、44人の手配者リストを手渡した。

いっぼうシャカイではジルガが今日開催予定で、今後のことを話し合うとともに、最も重要な手配者となっているMaulvi AbbasとJavedの引き渡しについて決定することになる。

また政府はAhmadzai Wazirに対する経済制裁を10日間解除していたが、Ahmadzaiが何らかの成果をみせなかったために、再び経済制裁を課した。

hoonJirga hands over Wana suspect
WANA


■アメリカ,パキスタンのイラク派兵を要求しない[040715 BBC]

アーミテージ米国務副長官は、パキスタンにイラク派兵を求めないと述べた。アーミテージは同じような発言をインドでもしている。

「パキスタン政府には要求はしない」。「パキスタンは自分で決めるだろう」と語った。(後略)

smellNo US request for Pakistan troops


■囚人650人、ジハードを続ける[040715 News]

アフガニスタンの外務大臣、アブドゥッラー・アブドゥッラーは水曜日に、アフガニスタンの刑務所にいるパキスタン人囚人650人は、釈放されても再びジハードをすると述べたと語った。「囚人たちは、アメリカやカブール政府を攻撃すると決意している」と、報道陣に語った。

彼によると、カブール高官やアメリカ人取り締まり官が、囚人たちを面接にした際、このように述べたという。今のところどのパキスタン人囚人を解放するか、すでに決定済みだという。「パキスタン政府がこれらの頑固な囚人たちをどう扱うか、興味深い」と述べた。

またワナでの作戦については、パキスタンからアフガニスタンへ抵抗勢力たちが流れ込んでくれるのを防ぐだろうと述べたが、もっと多くのことを期待したいとも付け加えた。

hoon'650 prisoners still want to wage Jihad’
By Rauf Klasra、ISLAMABAD


■部族委員会、ワナで解散[040715 News]

水曜日、外国人勢力に対する活動のためにワナで結成された36人からなる部族委員会は、今後の行動について意見が分かれたために、解散した。

Ahmadzai Wazir族の長老たちは、意見の不一致のために委員会は解散したと述べた。ジルガに参加したほとんどのものが、外国人抵抗勢力に対する委員会の役割について反対を表明し、なかには政府の手先とさえののしり、罵倒を浴びせた者もいた。

36人からなる委員会の解散は、政府にとっては大きな打撃であり、容疑者の引き渡しなど、今後の活動に遅れが生じるとみられる。水曜日には、ラシュカルが容疑者2人の親戚の家を取り壊すことになっていたが、ラシャカルはこれを実行せず、ジルガは解散した。

いっぽう教育を受けている13人のAhmadzai Wazir族の委員会が、ワナの状況を説明するためにペシャワルとイスラマバードに向かった。この委員会の中には政治活動家、Azizul HasanとNisar Wazirが含まれている。水曜日にワナで実施された記者会見で、13人の委員会代表が、外国人勢力に対する政府の行動を受け入れると述べたが、ワナに対する経済制裁を解くようよう、要求した。(後略)

hoonTribal committee disbanded in Wana
WANA


■パキスタン、アルカイダ捜索に米諜報情報を求める[040715 News]

パキスタンはアルカイダの捜索を行なうために、アメリカの諜報情報を求めた。FATAの治安部責任者Mehmood Shah准将は『ロイター』に、ビンラディンやザワヒリについての「諜報情報が何もない」と語った。「友人のアメリカに、衛星から何か情報がないか尋ねている。彼らのほうが能力があるはずだが、彼らも情報がないようだ」という。

「情報によると、昨日抵抗勢力たちが軍を攻撃したとき、地元民と抵抗勢力の間でも銃撃戦があったようだ」という。「彼らは、統制がとれていない」と述べ、重要人物はこの地域にはいないと付け加えた。

また約100〜150人の外国人戦士たちが、シャカイ付近の山中に隠れているという。北ワジリスタンの山を超えてしまう前に、攻撃するよう、軍に求めた。さらにムシャラフ大統領を狙った際に用いられた爆発物は、部族地帯から運びだされ、警察司令官に発砲した者は、南ワジリスタンで訓練を受けていたと語った。

hoonPakistan seeks US intelligence in al-Qaeda hunt
PESHAWAR


■アフガン外務大臣,前タリバンとの対話を否定[040714 Kyodo]

アフガニスタンの外務大臣が火曜日に、前タリバンとの対話はあり得ないとし、政府は軍事的に彼らと対決しなければならないと語った。

「対話をすることはあり得ない」とアブドゥッラーは語り、タリバンが予定されている総選挙に加わることはないと語った。しかし犯罪に関わらなかった前タリバンに対しては、恩赦として、すでに一般市民として生活することを許したという。タリバンの指導者たちはいまだにテロに従事しており、政府を攻撃していると述べた。「我々には、彼らを追跡するしか、選択肢がない」という。

hoonAfghan FM rules out dialogue with ex-Taliban militia


■ロケット弾、キャンプを攻撃[040714 Nations]

月曜日、ラズマックの軍のキャンプにロケット弾が撃ち込まれた後、軍と抵抗勢力が北ワジリスタンで衝突した。何者かがロケット弾を13発、ラズマック軍のキャンプに撃ち込んだが、そのうち3発だけがキャンプの敷地内に入ったという。死傷者についての報告はない。

南ワジリスタンでは、Dant地域で軍の車列にロケット弾が撃ち込まれた。車両4台が被害を受け、軍の側で死傷者があったようだ。

地元民によると、月曜日にシャカイで、兵士4人が死亡、地元民4人も銃撃戦で死亡したという。軍はこれを否定している。

いっぼう軍の報道官Shaukat Azizは、治安部隊が抵抗勢力に苦戦しているという報道は間違っていると述べた。彼によると、行政側と国境警察はシャカイ谷を完全に制圧しているという。兵士がこの地域全体を鎮圧したと述べた。「テロリストの隠れ家といわれていたシャカイ谷は、今や完全に治安部隊の支配下にある」。抵抗勢力は、シャカイの北部に追い詰められた、と語った。

さらにワナの作戦で兵士が死亡したことに関しては、間違っていると述べた。車が爆発して負傷者が数人発生したが、死亡した者はいないという。(後略)

hoonRocket attacks on mily camp


■ビンラディンの腹心、サウジに投降[040714 AP]

9.11について語ったビンラディンのビデオに、ビンラディンとともに映ったことがあ彼の腹心が、イランにいるサウジ外交官に投降し、火曜日、飛行機でサウジに向かった。

ビンラディンの腹心Khaled bin Ouda bin Mohammed al-Harbyが、リヤド空港を車椅子で押される姿がテレビに映された。サウジは、投降した者に対して恩赦を約束している。「大使館に連絡すると、我々は丁寧に扱われた」と、al-Harbyはサウジのテレビで語った。「私は神の意思に従い、サウジ政府に従ってきた」。

al-Harbyはテロを計画するのではなく、ビンラディンの意思を伝える役を負っていたと、あるアメリカの諜報部員が述べた。また別のアメリカ高官によると、彼はアルカイダの幹部ではないと語り、「年老いたムジャラジィン」にすぎないという。内務省は、al-Harbyが何の罪に問われているかは語らなかったが、アルカイダのメンバーだと述べた。

リヤドのジャーナリストMansour al-Nogaidanによると、al-Harbyは2001年11月に放映されたビンラディンのテープに映っていたという。彼によると、al-Harbyはソ連侵攻時代にアフガニスタンで戦い、両足が不自由らしい。メッカのモスクで説教をしていたが、9.11以後、アフガニスタンに向かった。

al-Harbyはアフガニスタンとイランの国境から、テヘランのサウジ大使館に連絡してきた。彼の名前は、サウジが発表している26人の手配者の中には入っていない。彼の妻と息子も一緒だと、サウジの治安部高官が述べた。

hoonBin Laden Confidant Surrenders to Saudis
By ABDULLAH AL-SHIHRI、RIYADH


■パキスタン軍、アフガン国境を封鎖[040714 News]

パキスタン軍は地元の部族民や国境警察、部族警察とともに、モーマンド行政区の国境を封鎖し、テロリストが侵入する可能性を排除した。「我々は国境を封鎖した。テロリストは行政区に入ることはできない」と、Muhammad Iqbal准将がGhalanayのMohmand Rifles本部で語った。

軍はモーマンド行政区で対テロ活動を進めるとともに、発展から取り残されたこの地域の復興に力を入れている。「2003年6月に軍が入って以来、この地に入れない場所はどこにもない」という。軍が「侵攻不可能」な地域であるKhwezaiとBaizaiに入り、この地域を政府の管轄内にすると、部族民たちは軍に花輪を贈って歓迎した。

非常に保守的であったが故に、この地域は発展から取り残されてきた。通信手段の確率や諜報情報から、今はこの地域で起きたことは、10分後にはわかるという。主要部族、Mohmand、Safis、Utmankhelは平和的であり、タリバンやアルカイダとの関係は持ったことはないという。「我々はこのモーマンドの人間全員を把握している」とMuhammad Iqbalが語った。(中略)

Iqbalによると、デュランド・ラインの合意にしたがって、国境の両側に住む部族民は自由に行き来できるという。これらの部族民には、何らの規制もない。また国境を挟んでの戦闘については、パキスタンは国境を侵略してないと述べ、パキスタンはイギリスの地図を使っているが、アフガン側はロシアの地図を使っていると述べた。両者には、若干の違いがある。(後略)

hoonPak Army seals border with Afghanistan
PESHAWAR


■アメリカ,アフガニスタンで新たな作戦[040713 AP]

米軍数千人がアフガニスタンの選挙に備え、抵抗勢力に対して新たな作戦を開始したと、米軍司令官が火曜日に『AP』に述べた。

Lightning Resolveと名付けられた新たな作戦は、すでに開始したという。目的は抵抗勢力たちにゆさぶりをかけ、目標を増やし、諜報情報に基づいた取り調べを行なうという。

いっぼう南部で活動していた海兵隊2000人は、アフガニスタンから退去する準備をしているという。残りの1万7000兵が、国連と協力してその穴埋めをする。(後略)

hoonU.S. plans new offensive in Afghanistan
KABUL


■パキスタン、イラクで自国の悪魔に出会う[040713 Asia Times]

アメリカはパキスタンに派兵するよう、圧力をかけ続けている。イラクの国連大使に、パキスタン人のAshraf Jehangir Qaziが任命された今、パキスタンはついにアメリカに屈することになるようだ。

そうだとしたら、パキスタン兵たちはさまざまな国のジハード団と出くわすことになる。今のところザルカウィに焦点が集まっているが、イラクにおける最大の外国人ジハード団は、パキスタン自身のラシュカレ・トイバ (LeT)である。

《LeTの由来》

LeTはパキスタンのサラフィー派(ワッハーブ)のジハード団で、1986年にMarkaz Da'wa wal-Irshad(MDI)、すなわち「宗教学と社会安寧のためのセンター」の中で結成された。ラホールの大学のイスラーム学者で、サラフィー派の教授、Zafar IqbalとHafiz Mohammad Saeedが創設した。ビンラディンから資金を提供してもらったと、噂される。サウジのメディナ大学からも、寛大な援助を受けた。LeTの創始者のもう1人は、ビンラディンの頭脳であった、アブドゥッラー・アザムであった。彼はパレスチナのハマス創設にも関わっていた。

LeTとMDIは、アフガニスタン東部のKantarとパクティアに基地を作った。この地域にはAhle-Hadith(サラフィー)が多い。LeTはジハード運動が下火になり始めたころ(ソ連侵攻は1979年)にアフガンのジハードに加わったために、ソ連との戦いでは、それほど活躍しなかった。しかしアフガンの訓練所により、LeTはISIや戦士たちの信頼を勝ち取った。1989年から1990年に、LeTはアフガニスタンのごたごたから、カシミールに移った。そしてそこで、一躍有名になる。

LeTは「カシミール人」グループと思われやすいが、LeTはパンジャーブ人とともに、アフガン、アラブ、バングラデシュ、東南アジア、そして欧米のイスラーム教徒からなる。LeTの重要な目的はカシミールをインドから切り離してパキスタンに併合することだったが、イスラームカリフを作ることでもある。LeTはヒンドゥー教徒支配のインドを敵視。いまだにカシミールで活動している。

《Dilshad Ahmadとファルージャ》

4月に、LeTのリーダーDilshad Ahmadがイギリス軍によりイラクで逮捕されたことを、インドのジャーナリストPraveen Swamiが伝えた。Danish AhmadとAbdul Rehman al-Dakhilなどの腹心も、逮捕された。Ahmadの取り調べが終わると、彼の出自が調査された。Ahmadはパキスタンのパンジャーブ州バハーワルプール出身のLeT工作員である。彼はLeTの軍事部門では、副司令官である。アフガニスタンのMaskar Abu Bashirキャンプで、数多くのLeT戦士を訓練した。

1998年にAhmadは、カシミールの外でも活動すべきだと、声明を発表した。したがってAhmadがイラクで捕まったという事実は、LeTが活動をイラクに拡大したとこを証明する。アメリカは警戒しているはずだ。しかし今のところ、Ahmadが逮捕されたという事実意外は、あまり報道されていない。

6月25日の『Washington Times』によると、パキスタン人を含む外国人たちが、ファルージャ全体にチェックポストを設置し、タリバンのような原理主義的なイスラム法を適用しようとしているらしい。それ以前からも、パキスタン人がイラクにいることは指摘されている。LeTは、スンニ・トライアングルの中のファルージャに、根拠地を作った可能性がある。

《イラクに適応したLeT》

パキスタンのジハード団のなかでも、LeTはイラクに向いている。なぜなら、ジャイシ・ムハンマドやハラカット・ムジャヒディンなどのデオバンド派の組織と違い、LeTはパキスタン国内において、政治的な野望は持たない。デオバンド派はパキスタン国内で活発に政治運動を行なうが、政治に参加することにより、パキスタン軍との間に常に争いがある。パキスタン軍はアフガニスタンやインドにおけるジハードを支持しながらも、国内における政治力を手放そうとはしない。それに対してLeTが率いるパキスタンのサラフィ運動は、伝統的に政治の外に存在し、その代わりにパキスタン国外のジハード活動に注目する。したがって、LeTはパキスタン国内で自由に活動できた。

LeTのもう一つの面は、慈善活動、ダワである。LeTはJamaat-ud-Dawまたは、「布教の組織」に改称した。その慈善部門をとおして、LeTは医者や技術者、学者たちを引きつける。イラクのような国に浸透するには、都合がいい。LeTはサウジのイスラーム主義者や王族とも強い関係がある。LeTの主張によるとその資金は、同じワッハーブ派のサウジから集まってくるという。LeTにはアラブ人志願者が多く、またアラブ人ではないメンバーにアラビア語を学ばせることを義務づけているために、アラビア語を持ちいるイラク人と同化することは簡単だ。これらの理由のために、LeTの最大の標的であるアメリカを狙うために、イラクは格好の土地となるのだ。

《LeTの海外経験》

LeTは、パキスタンから遠く離れた場所にも基地を持つ。ヴァージニアにあったテロ組織が摘発された、いわゆる「ヴァージニア・ジハード」事件がある。首謀者はRandall Royerという、改宗したアメリカ人だった。裁判で6人が有罪となり、さらに3人が告訴されている。男たちはさまざまな出自であるが、LeTのメンバーであり、パキスタンのLeTの訓練所に行ったことを認めている。

さらにLeTのウェブサイトによると、組織は世界中に4つの訓練所、Taiba、Aqsa、Um-al-Qura、Abdullah bin Masudという名の訓練所があるという。訓練を終えた戦士たちはアフガニスタン、カシミール、ボスニア、チェチェン、コソボ、フィリピンで戦う。ウェブサイトには、LeTの剣がアメリカ、ロシア、イギリス、インド、イスラエルの旗に突き刺さっている。最近ではオーストラリアに浸透した。

《武装の呼びかけ》

出版物は、パキスタンではすべて無料で手に入り、組織の計画が記載されている。最近ではカシミールよりも、イラクでの活動に重点を置いている。イラクの刑務所のスキャンダルや「ムスリムの女性に対するレイプ」への復習として、イラクにムジャヒディンを送るという声明を出した。(中略)

これと関連して、インド人記者Praveen Swamiとパキスタン人記者Mohammad Shehzadは、イラクに行くために、2000人がLeTに登録したと報告している。イラクには、イランから簡単に入れる。最近Dilshad Ahmadが、イランに近いバサラで逮捕された。さらにLeTはサウジと密接な関係があるために、サウジ経由でもイラクに入れる。

《活動を禁止されながらも自由》

なぜアメリカはパキスタンに、LeTの活動をすぐに禁止させなかったのだろう。アメリカとインドの圧力により、ムシャラフは2002年になって、LeTの活動を禁止させた。何人もが逮捕されたが、すぐに多くの者が釈放されている。しかしそのリーダーたちはどうなったのか、謎のままだ。パキスタンの人権団体によると、LeTの会長、Emir Hafiz Saeedは、ISIの施設に連れていかれたという。しかし数ヵ月後、告訴されずに釈放された。パキスタン政府は、彼を拘束した償いとして、慰謝料も払ったといわれる。

彼の釈放後、Emir Saeedはパキスタン中を動き、カシミールのジハードのために資金や人員を集めてまわった。あまりにも大っぴらに動いたために、パキスタンの米大使はパキスタンに圧力をかけざるをえなくなった。それでもパキスタンはLeTを、「要注意」にしただけだった。LeTはこのリストに載った数時間後,15万人で抗議運動を行ない、Emir Saeedはカシミールとともに、イラクでジハードを続けることを、集まった者たちに約束した。

LeTはアルカイダとも密接な関係がある。アルカイダの幹部、Abu Zubaidaは、ファイサラバードにあるLeTの隠れ家で逮捕された。しかしパキスタンの高官はZubaidaを匿った地元LeTのリーダーを逮捕しなかった。LeTは、残酷であることを誇る。フランスのイスラーム専門家Maryam Abou ZahabとOlivier Royは、最近のイスラーム・ネットワークについての本で、「LeTはそのメンバーに、犠牲者たちの首を切ったり内蔵を取り出すなど、恐怖を植え付ける技術を学ぶ。また、できるだけダメージを与えるために、自爆テロも行なう」と書いている。

《アメリカとパキスタンの結末》

カシミールを目標とするパキスタンのジハードグループから生まれたLeTが、国際的なテロ組織として拡大することにより、パキスタンのように「(アメリカやパキスタンを攻撃しない)いいテロリスト」と「(アメリカとパキスタンを攻撃する)悪いテロリスト」を区別することの危険性が指摘できる。

パキスタン人にとって、ジハード組織を支持していたツケは、2002年ごろから現れた。5つのジハード組織の「連合軍」が、ムシャラフの親米政策に対抗して、攻撃をはじめた。このBrigade 313と呼ばれた連合軍は、LeT、ジャイシ・ムハンマド、Harkat-ul-Jihad al-Islami、Harkat-ul-Mujahideen al-Almi、ラシュカレ・ジャングヴィからなる。Brigade 313はパキスタンにおけるキリスト教徒殺害や、ムシャラフの命を狙ったといわれている。これにもかかわらず、ムシャラフはこのような組織を取り締まるのではなく、取り引きをしようとしている。パキスタンがもしイラクに派兵したら、皮肉にも、自国民と戦うことになるかもしれない。

アメリカにとって、シナリオはさらに悲惨だ。もしかしてアメリカは、LeTに関してムシャラフに圧力をかけたくなかったのかもしれない。アメリカを直接標的にしないと思ったからだ。またはムシャラフは約束を守って、LeTを取り締まるだろうと考えたのかもしれない。しかしLeTのイラクに対するキャンペーンや、海外でアメリカと戦うために、パキスタンでおおっぴらにメンバーを募集していることなど、作戦の失敗が露見した。

garrPakistan faces its jihadi demons in Iraq
By Kaushik Kapisthalam


■シャカイで市民10人、戦闘に巻き込まれて死亡[040713 News]

南ワジリスタンで月曜日、女性と子供2人を含む10人の市民が、外国人抵抗勢力と治安部隊との衝突に巻き込まれて死亡した。また、ピックアップが地雷が踏み、治安部隊の6人が負傷した。現場は完全に封鎖されているので、確認はとれてない。行政側によると、家屋に爆弾が命中し、2人が死亡したと述べた。

シャカイからの報告によると、Khunyakhe村のQayyum Khunyakhelの家に爆弾が命中し、女性を含む6人が死亡したという。別の家も被爆し、子供2人を含む4人が死亡したらしい。アザムワルサックでは、治安部隊6人が地雷で負傷した。

日曜日の夜、テロリストたちは治安部隊が駐屯していたShakai Saraiにある家に、火を放った。負傷者の報道はない。地元民によると、テロリストと治安部隊は激しい攻撃を行なったという。

北ワジリスタンでは月曜日、歴史的なラズマック城にミサイル7発が撃ち込まれた。Shawal Riflesと軍がここに駐屯している。

国境警察隊がシャカイに入った。数千人の部族民たちが、隊を暖かく迎え入れたという声明発表があった。(後略)

hoon10 civilians killed in Shakai crossfire
By Sailab Mahsud、WANA


■タリバン、アフガニスタンで警察長官を殺害[040713 AP]

銃を持ったタリバンがアフガニスタン南部で政府の建物を襲撃し、警察長官を殺害、建物に放火した。これとは別に、ほかの場所でも暴力沙汰があり、5人が死亡した。

タリバンの報道官Abdul Hakim Latifiによると、抵抗勢力たちがカンダハルから60マイルの場所にあるMiana Shienで、政府事務所を攻撃した。「警察長官Rahmatullahがほかの3人とともに、殺害された」とLatifiが衛星電話で『AP』に語った。タリバンたちは知事の事務所と2台のピックアップに火を放った。

カンダハル州知事の報道官Khalid Pashtunも、これを認めた。「部隊を派遣したが、まだ情報が入ってない」という。

ヘルマンド州では、Girishkのバザールに爆弾を仕掛けようとしていたタリバンの爆弾が爆発し、1人死亡、1人が負傷した。また治安部隊に取り調べられそうになったアラブ人らしき男が、自爆した(後略)

hoonTaliban Kill Police Chief in Afghanistan
By NOOR KHAN、KANDAHAR


■ワナから撤退すべきではない[040712 Daily Times]

Ahmadzai Wazirのジルガは、また同じことを繰り返しはじめた。Zalikhel枝族の2人の手配者Commander Muhammad JavedとMaulana Abbas Khanのもとを訪れ、2人を投降させる代わりに、政府に要求を突きつけた。ジルガによると、この地域には外国人はいないという。しかしZalikhelの抵抗分子たちは、政府と交戦を繰り返している。(中略)

Ahmadzaiのジルガには、テレビに出演する人物がたくさんいる。ジルガを構成する80人のなかには、MMAと関係がある国会議員のMaulana MirajuddinとMaulana Abdul Malikがいる。南ワジリスタンで問題が生じた当初から、2人はさまざまな発言を行なっていたが、どれも事実ではなかった。たとえば、この地域にいる外国人は、ソ連侵攻時代に戦った者たちだと述べていたが、今回殺害されたテロリストの大半は中央アジアやコーカサス出身者で、これらの者たちがその当時、ソ連との戦いに参加していたはずはない。その後2人は、部族の長老や地元の影響力のある者たちを通して、話し合いをすることを提言した。しかしジルガが組織したラシュカルが失敗に終わると、さらに時間を要求した。この結果、軍は数百人の犠牲者を出す羽目になったと、ある高官は述べる。

MMA、PPP、PML-Nはそれぞれの事情のために南ワジリスタンの作戦に反対した。このような状況下で、政府が部族民たちと話し合いをしたのは、伝統に従ってのことだったというのが一般論で、今まで部族地帯に行ったこともなかった若いジャーナリストたちがテレビに出演し、ワナの作戦は「アメリカの指図」と感情的に報道した。この地域にはテロリストたちはおらず、この地域に住むアフガン人たちは、20年前のソ連の時代からいると語った。しかしこれらの情報は、テロリストの司令官、ネック・ムハンマドの周辺から漏れるものだった。アルカイダはそのうち、北西辺境州やパンジャーブ州でも活動を開始すると述べたが、誰もこれに注意を払わなかった。ムシャラフの暗殺事件犯人がワナ出身だったという報道も、真剣に受け取る者はいなかった。

Maulana MirajとMaulana Malikは再び動き始めた。Ahmadzaiのジルガは、テロリストたちと話し合った後、彼らを引き渡すことは不可能だと述べた。そして何の行動もせず、それどころか、さらに容疑者たちの要求を提出した。経済制裁を解除するべきだというのだ。(中略)

正規の書類を持たない外国人たちが、「宗教的理由」のために国内をうろうろしてる。最近、カラチで起きた暴力事件は、ワナのテログループと関係があると見られている。Khalid Shaikh Mohammadを逮捕したラワルピンディの有名な警察官が、殺害された。ネックが今後都市部でも攻撃があると警告した後、いくつもの事件が生じた。アルカイダとその仲間たちは、復習を始めた。政府は治安を強化し、ワナでは断固とした態度を待ち続けるべきだ。撤退してはならない。

hoonDon't retreat in Wana!


■タリバン、さらなる攻撃を誓う[040712 Reuters]

タリバンが、週末に起きたヘラートの爆弾事件への関与を否定したが、選挙を妨害することを誓った。

タリバン司令官のダドゥッラー師は、日曜日の晩の爆弾事件は、カルザイ政府の司令官同士のいざこざが原因だと述べた。爆発は、イスマイル・ハーンが非武装化の一環として武器を引き渡している最中に起きた。

アフガニスタンの選挙は最初6月に開催予定だったが、10月9日に延期されている。ダドゥッラー師はアフガン市民に、選挙に参加しないように呼びかけている。

hoonTaliban vow more attacks
By Saeed Ali Achakzai、SPIN BOLDAK


■軍と抵抗勢力、衝突[040712 Daily Times]

日曜日南ワジリスタンで、軍にロケット弾や迫撃砲を発砲したアルカイダ戦士たちが治安部隊と衝突したと、軍報道官のShaukat Sultanが発表した。「抵抗勢力たちが今朝、治安部隊を攻撃した」と述べたが、負傷者の数は明かさなかった。

目撃者の報告によると、治安勢力の土嚢が破壊され、シャカイから煙があがっているという。軍のメンバーによると、両陣営とも、多数の死傷者が出たと述べた。銃撃戦に巻き込まれ、Toor族の少年も殺害され、女の子が負傷したという。

住民によると、MantoiとSantoiの地域が治安部隊によって、大砲で爆撃されたという。抵抗勢力たちも激しく応戦した。ある情報源によると、高官たちは手配中のMaulvi AbbasとJavedと秘密の取引をしようとしたが、うまくいかなかったらしい。

hoonArmy, militants clash in Shakai
WANA


■アルカイダとの関係で、4人拘束[040712 Daily Times]

クエッタで日曜日、アルカイダとの関係があるとして4人が逮捕された。4人の身元は明らかにされておらず、極秘の取り調べを受けているという。

hoon4 held for links with Al Qaeda
QUETTA


■新たな戦いの最中、ワナ上空に飛行機が飛ぶ[040712 Dawn]

日曜日、治安部隊と抵抗勢力との間の戦いは、2日目に入った。空軍が現場の上空を旋回したが、爆撃はしなかったようだ。

目撃者によると、軍が国境付近のKhamrang、Santoi、Mantoiの森林地帯を攻撃したという。負傷者の報告はいまのところない。

Maulvi AbbasとMohammad Javidが投降を拒否し、政府はAhmadzai Wazir族に対する経済制裁を再び課すると発表した後、局面が変化した。

hoonPlanes buzz Wana amid new clashes
By Dilawar Khan Wazir、WANA


Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003, 2004.