【2004年7月19日〜7月25日】


■アフガニスタンに自警団がさらにいる可能性あり[040725 AFP]

最近逮捕された3人の米国人のような自警団が、この他にもアフガニスタンで活動し、私設刑務所を営んでいる可能性があると、米軍報道官が述べた。「個人的に活動している者たちがいる可能性は大きい」。「しかしIdemaが逮捕されたあと、今後はこのような行動がないよう、政府や同盟軍は捜索する」と述べた。

hoonMore vigilantes could be operating in Afghanistan: US military KABUL


■パキスタン,12人のテロリストを逮捕[040725 AP]

警察の治安組織が日曜日にパキスタン東部のテロリストの隠れ家を襲撃し、銃撃戦の末に12人を逮捕したと高官が語った。

パンジャーブ州のグジュラートで起きた捜索で逮捕された者のうち、少なくとも4人は外国人だったと州警察長のSaadatullah Khanが述べた。家の中から攻撃を受けたために、治安部隊が発砲したという。容疑者たちは何の罪に問われているのか、またどういう組織に属すのか、今のところわからない。

内務省もこの逮捕を確認し、容疑者1人は負傷したと発表した。ラホールの治安部高官によると、ウズベク人女性が逮捕者のなかに含まれているという。

hoonPakistan Battle Leads to 12 Terror Arrests
By ASIF SHAHZAD、LAHORE


■グジュラートで警察とアルカイダ,交戦[040725 Daily Times]

土曜日にグジャラートのGulshan Colonyが封鎖され、家にたてこもっていたアルカイダ勢力と警察の間で銃撃戦が続いている。

情報源が『Daily Times』に語ったところによると、カラチの警察司令官殺人未遂事件と関係したと思われる、3人の外国人を含む抵抗勢力たちが家に立てこもり、銃撃戦が続いているという。グジュラート警察によると、女性3人と子供4人と地元民を含む11人が家の中にいる。情報源によると、警察と諜報部がムルタン、Sahiwalとグジュラートで逮捕した容疑者から、情報を得たという。ムルタンとSahiwalで得た容疑者から得た情報を頼りにグジュラートのファイサルホテルを捜索したところ、3人の外国人が逃走した。しかし地元民1人が逮捕され、彼から得た情報でテロリストたちが家族とともに住んでいた家を、襲撃した。テロリストたちはここに約半年間住んでいたらしい。(後略)

hoonPolice and Qaeda exchanging fire in Gujrat
By Shahnawaz Khan、LAHORE


■バーガー、4回のビンラディン逮捕計画を却下[040724 Washington Times]

クリントン前大統領の治安アドバイザー、サミュエル・バーガーは、もしビンラディンを殺害、または逮捕する計画が失敗した場合、「責任を問われる」ために、計画を4度は却下したとと、9.11調査委員会が報告した。

バーガー氏の「手書きのメモ」によると、キャンプのそばの市民を巻き込むことを心配し、この攻撃に「もしビンラディンが反応した場合」、「我々の責任が問われる」と付け加えられていたという。この計画を立てたのは、ビンラディンが「大量破壊兵器を入手」しようとしていたことを心配した、バーガー氏の対テロ専門家だったリチャード・クラーク氏である。

9.11委員会のレポートによると、ビンラディンに対する最初の計画は、CIAのテネット長官が1998年5月1日に提出したという。しかしバーガー氏は法的な疑問をもっために、許可しなかった。「ビンラディンに対する証拠が希薄だったために、彼を逮捕してアメリカに連れてきても、告訴できない可能性があった」という。クラークはバーガーに、「ビンラディンの運営する施設を攻撃して、先手を撃とうか」と尋ねたが、バーガーはこれに反対した。しかし後になってクリントンは、ビンラディンに危険物質を提供していたと疑われているスーダンの科学プラントを攻撃するよう、命令した。

ビンラディンを攻撃する次の機会は、1999年12月4日に訪れた。クラークは、アフガニスタンのアルカイダ訓練所を、12月の最後の週に攻撃することを計画した。しかし「クラークの提案の欄外に、バーガーは、『否』と書いた」という。

そして最後に2000年8月、クラークが辞職する直前、無人偵察機でビンラディンを殺害しようとした。クラークはパーガーに、無人偵察機がとらえた画像は「おどろくべきもの」で、ビンラディンをつかまえる自信があると述べた。しかしバーガーは無人偵察機が撃ち落とされることを心配し、「このようなことをすれば、ビンラディンやタリバンにとっては有利になる」と語ったという。「メモの欄外にバーガーは、行動する前に『単なる位置以上の報告がほしい。少なくとも彼がこの場所に留まるという行動のデータがほしい』と書いた」。

さらに委員会の報告は、クリントンが2002年2月15日に行なったスピーチについて触れる。スーダンがビンラディンをアメリカに引き渡すと述べたにもかかわらず、クリントンは「起訴状がない」ために、断わったという。しかしクリントンは委員会に「謝った」発言をしたと述べ、ビンラディンの引き渡しの申し出はなかったという。(後略)

hoonBerger rejected four plans to kill or capture bin Laden
By James G. Lakely


■3人の核関係者、釈放[040724 AP]

軍報道官が、逮捕されていた核科学者とカーン博士の腹心だった2人を釈放したと発表した。

核技術漏洩に関して去年の12月に逮捕された11人のうち、カーン研究所の責任者Dr. Nazeer Ahmad博士とともに、Sajawal Khan准将とIslamul Haq少佐が釈放された。これで現在逮捕されているのは、Mohammad Farooqだけになる。

hoonPakistan Releases 3 Accused of Nuke Leaks
By MUNIR AHMAD、ISLAMABAD


■パキスタンのアルカイダリーダー、投降するだろう[040724 Daily Times]

サウジの聖職者が金曜日に、パキスタンにいる「アルカイダ幹部」が、サウジへの帰国を約束したと発表した。

「パキスタンにいるアルカイダの兄弟が私に接触してきて、彼も恩赦を受けたいと申し出た」と聖職者のCleric Safar al-Hawaliが『ロイター』に語った。男は数日のうちに到着するという。Hawaliによると、当局は金曜日にこの男の名前を、恩赦を与える者のリストに加えたらしい。

Hawaliは、サウジにいるアルカイダのリーダーSaleh al-Awfiからも接触を受け、投降を申し出てきたと述べた。サウジ政府はSaleh al-Awfiの妻と子供3人を取り調べようとしたが、逃走された。(後略)

hoonQaeda leader in Pakistan will surrender: cleric
RIYADH


■CIA、アルカイダ内部に浸透できず[040724 Washington Post]

CIA工作員は9.11以前と同様に、アルカイダネットワーク内部に入り込んでいるが、今後の計画を話し合う、内部組織の中には浸透できずにいると、ある諜報部高官が昨日語った。

「一般メンバーよりも奥には侵入しているが、内部組織には入れない」と高官は述べる。「アフガン人、パキスタン人、ウズベク人などがCIAによって送りこまれているが、かれらは3年前よりは昇格した」という。これらの工作員、電子的な傍受,衛星画像や外国諜報部の援助により、アメリカはビンラディンの幹部の3分の2を逮捕または殺害している。

アメリカの諜報部は、アルカイダは9.11以後弱体化したと信じるが、「3年前と同じように、我々を攻撃することを望んでいる」という。(後略)

hoonAl Qaeda's Inner Circle Eludes CIA
By Walter Pincus


■9.11の本当の容疑者[040723 Washington Times]

9.11委員会の報告書が提出される前日、パキスタンから驚くべき報告があった。パキスタンの諜報部員たちが、9.11の攻撃について事前に知っていたというのだ。非常に信頼できるパキスタンの情報源から提出されたこの報告はさらに、ビンラディンはペシャワルの軍事病院で、定期的に透析を受けていたというのだ。

この書類は今週、すでに委員会の報告書が出版される予定日と同時期に送られてきた。この匿名による書類によると「南アジアの治安の悪さや暴力は、パキスタンに武装したイスラーム原理主義がはびこっているためで、話し合いや、軍に対する資金援助や『民主主義』への『規制された』移譲では、問題解決にはならない」と述べる。さらに次のように続く。「9.11以後、国際的イスラーム主義者のテロは、必ずパキスタンと関係がある。パキスタンですべてのテロリストが訓練され、あるいは生活し、交流し、協力し、資金を受け取る。南アジア、東南アジア、ヨーロッパで発見されたテロ組織は、すべてパキスタンと関係している」。

この報告を受ける以前も9.11委は次のように報告する。「パキスタンは、ビンラディンがアフガニスタンを活動基地として用いるために、大きな役割を果たした」。パキスタン大使館の報道官は木曜日に、ビンラディンが「パキスタンの軍事病院で治療を受けた」事実を否定した。「匿名の諜報部員が書いた報告書は、往々にして想像の産物だ」とパキスタン大使館のMohammed Sadiqが『UPI』に語った。

9.11以前にパキスタンは情報を得ていたかという質問に対しては、「何度もでてくる質問だ。何の証拠もない非難だ。我々はアメリカと協力してきた。アメリカ政府も、いつもこのような非難を否定してきたはずだ」と語った。パキスタンはいまだに、ムシャラフがカーン博士が核を漏洩したことを知っていたという事実を否定している。(中略)

9.11以前の、ビンラディンに対するパキスタン側のアドバイザーは、前ISI長官のハミッド・グルである。彼はイスラーム連合政党MMAの「戦略アドバイザー」でもある。9.11の数時間後、グルは9.11をイスラエルのモサドのせいにした。のちにグルは、ハイジャックされた飛行機を追撃しようとした戦闘機がいないことは、米空軍も陰謀に加わっていたに違いないと述べている。9.11の2週間前、グルはアフガニスタンを訪れた。彼はこのときにビンラディンに会ったことを否定しているが、彼を「尊敬」しているというのが口癖だ。しかし、グルはオマール師とは数回会っている。

本記者が2001年10月にグルと行った会見で、独裁政治の終焉後、サウジの原理主義とともに、大イスラーム国家を築くためのイスラームの核の力を予言する。グルがISIの長官であった時代、アフガニスタンのソ連侵攻に対抗して,彼はCIAと協力していた。9.11以後、彼が語ったところによると、当時は「わずかに」原理主義的だったといい、アメリカにはほとんど興味がなかったという。しかしアメリカがアフガニスタンに背を向け、核を所有したことからパキスタンに経済制裁や軍事制裁を与えはじめたころから、原理主義者になった。CIA高官によると、グルはパキスタンにおける「最も危険な男」だという。あるパキスタン人政治家も、「グルがビンラディンの頭脳だと信じる理由がある」と述べる。

匿名の報告によると、「パキスタンはアメリカと『協力』することで、大きな問題を抱えてしまった」と述べる。そのための利権を守ることで、裏切り(核の裏切りをはじめとする)や恐喝がはびこっている。北朝鮮とは少し問題が異なる。北朝鮮は欧米の援助を得るために、核の道を選んだ。パキスタンの場合は利権、援助、そしてパキスタンがイスラーム主義のテロリズムを支持するスポンサーとなることが国際的に容認されてしまったために、核の脅迫が常に持続している。「これがどういうことか理解するためには、パキスタンのISIがテロリストを動かしているという事実に目を向けることだ。それを前提に、ISIが分配や恩恵を受けることができなければ、結局『破滅』し、その結果大きな被害を与えることになる」。

smellThe real culprit of 9/11?
Arnaud de Borchgrave


■アフガン軍閥、選挙に挑戦[040723 BBC]

ウズベク人軍閥のドスタム将軍は大統領選で、アフガニスタンのカルザイ大統領に挑戦する強敵となる。

木曜日にドスタム将軍は、カルザイ大統領の軍アドバイザーの地位を辞職し、10月9日予定の選挙に立候補することを決めた。「大統領選に立候補する」と、ドスタム将軍はマザリシャリーフに集まった支持者の前で演説した。

ドスタム将軍の配下によると、このウズベク人リーダーはカルザイの政策に不満を示しているという。Akbar Baiが『ロイター』に語ったところによると、非パシュトゥン系の司令官に与えられた「軍閥」というレッテルや、私的軍隊を非武装化しようとする「不公平」なキャンペーンに不服だという。(後略)

hoonAfghan warlord's ballot-box challenge


■パキスタンから逃亡するアフガン難民に人道的危機[040723 AFP]

2万人を越えるアフガン難民が、パキスタンからアフガニスタンに入ってきている。多くの者たちは、パキスタンに何十年と住んでいたにもかかわらず、着の身着のままで逃げざるをえなかったようだ。

「南ワジリスタンでの軍事作戦のために、多くの難民たちはほとんど時間の猶予を与えられず、アフガニスタンに帰ってきた」と国連の難民活動家Paul Strombergが『AFP』に語った。難民たちタリバンの根拠地であるパクティアになだれこんでいる。この地域には、国連や援助活動家たちはいない。タリバンの攻撃を恐れ、援助活動が停止している地域だ。

パキスタン側では、アルカイダに対する捜索が続いている。政府はチェチェンやウズベク人を匿っているといわれる難民キャンプを閉鎖しはじめた。(中略)軍はすでに南ワジリスタンで、2つの難民キャンプ、Zarinoor OneとZarinoor Twoを取り壊した。さらに北ワジリスタンでも作戦を展開する計画であるために、そこの難民たちにも犠牲がでる恐れがある。「南ワジリスタンの作戦は急に始まった。だから我々は北ワジリスタンの難民たちに、今から行き先を考えておくように、助言している」と、アフガン難民のためのパキスタン人責任者Imran Zebは語る。

いっぽうパキスタン人高官はキャンプにいる部族の長老たちに、今後作戦が開始することを予告し、アフガン政府に、タリバンに狙われにくい地元援助活動家にアフガニスタン南部に入るよう、求めている。しかしアフガン人部族長老に今後キャンプ内での軍事作戦について予告すれば、人道的な問題を解決できたとしても、関係者に不意打ちを与えることはできなくなる。(後略)

hoonHumanitarian crisis looms as Afghan refugees flee Pakistan
KABUL


■CIA、ビンラディンは捕まると発表[040723 AP]

6月から7月にかけてパキスタン軍が作戦を強化させているために、アルカイダのリーダーたちは追いつめられていると、CIAの高官が発表した。

アメリカの諜報部は、ビンラディンはパキスタンとアフガニスタンの国境地帯に隠れていると考えている。CIA長官のジョン・マクローリンは最近、ビンラディンは捕まるだろうと述べた。「地図に印がついている。情報も入っている」と、あるCIA高官が語った。

しかし、ビンラディンはまだ逮捕されていない。諜報部の者たちは、ビンラディンの居場所はわからないと、いまだに語る。「また同じことだ。一般論だけだ。確実な情報はない。地図に印をつけることはできる。しかしその印は、40平方マイルをカバーしなければならない。さらにその印内にいるという保証はない」と、CIAの前対テロ責任者Vince Cannistraroは語る。(後略)

hoonCIA Officials: bin Laden Will Be Caught


■アフガニスタンで米兵負傷[040723 AP]

金曜日にアフガニスタンの町で遠隔操作による爆弾が爆発し、米軍車両が直撃を受けて、少なくとも米兵1人が負傷したと米軍が発表した。しかしアフガン高官によると、爆発により血にまみれた米兵4人が、道に投げ出されたという。

タリバン報道官が、カンダハルで起きた事件に対して、犯行声明を出した。木曜日遅くと金曜日に、アフガニスタン各地でいくつかの襲撃があった。

米軍の発表によると、道に仕掛けられた爆弾により、米兵1人が負傷してドイツの病院に運ばれたが、容態は安定しているという。

アフガン警察と政府高官によると、爆弾は道端に停車していたタクシーの中に仕掛けられていたという。「軍が現場に直行すると、4人の米兵が血にまみれて放り出されていた。重傷を負っていた」とカンダハル警察副長官のSalim Khan将軍が語った。カンダハル知事報道官のKhalid Pashtunも、米兵4人が負傷したと述べている。

タリバン報道官Abdul Hakim Latifiが『AP』に、衛星電話を通じて犯行を認めた。「我々は、米軍やそれを支持する国際部隊アフガン人たち攻撃すると繰り返してきた」という。

さらにタリバンはヘルマンド州でも、アフガン政府や選挙活動家たちを2箇所で攻撃した。(後略)

hoonBomb Wounds U.S. Soldier in Afghanistan
By NOOR KHAN、KANDAHAR


■ワジリスタンの道路封鎖解除[040723 News]

南ワジリスタン行政は木曜日に、果物や野菜の出荷に対する経済制裁を解除した。ここ数週間、ワナとジャンドラを結ぶ道を封鎖していたために、農民たちの作物が腐り始めていた。道路の封鎖は、投降を拒否している2人の重要手配人Commander JavedとMaulavi Abbasの近親者が、行政側に引き渡されたことを受けて解除された。

住民やUNHCR高官によると、ワナは不毛の土地であったが、1980年代にアフガン難民がやってくるとともに、土地が耕され、緑が増えていったという。「難民が来る前は砂漠化していたが、彼らのおかげでワナは緑の谷になった」とUNHCR高官が述べた。アフガン難民がこの地域に農業を定着させ、国境間のビジネスを導入したという。

hoonWaziristan roads opened
By Behroz Khan、PESHAWAR


■パキスタン・コネクション[040722 Guardian]

イギリス生まれのイスラーム過激派オマル・シェイクは犯してない罪に問われ、ダニエル・パール記者殺害事件の首謀者として、パキスタンで絞首刑になるのを待っている。米政府もパール記者夫人も、シェイクに罪はないと証言している。しかしパキスタン政府はパール誘拐殺人事件に関して、他の容疑者を裁判にかけることを拒否。彼らの証言からシェイクが無実であることが証明され、明らかにされたくない多くのことが浮き彫りになるのを恐れているのだ。

明らかにシェイクは、当時のISI長官、マフムード・アーマッド将軍の指図のもとで9.11ハイジャック犯、ムハンマド・アタに10万ドルを与えていた。この件に関して、アーマッドもシェイクも問われてないのは不思議だ。なぜだろう?

ハイジャック犯に資金を提供していたアーマッドは9.11当日、ワシントンにいた。そしてホワイトハウス、ペンタゴン,国家治安委員会、CIA長官のジョージ・テネット、国務次官のマーク・グロスマンと会見していた。『Wall Street Journal』が、アーマッドが9.11の犯人たちに資金を送っていたと暴露したあと、彼はムシャラフによって「辞任」させられた。なぜアメリカは、彼を法廷に引き出すように言わないのか?

9.11について詳しく知っていたはずのもう1人は、Khalid Shaikh Mohammadだ。2003年7月に発表された9.11委員会の報告によると、「Khalid Shaikh Mohammadはビンラディンから最も信頼されていた腹心で、アメリカを含めて、アフガニスタン以外の国々をビンラディンのために訪問していた」という。つまりテロと関連する活動に関わっていたということは、明白だったらしい。

これはCIAとFBIに報告されたが、どちらもビンラディンの腹心がアメリカにテロリストを送り込もうとしていたことの重要性に、気づかなかったようだ。しかし『New York Times』は繰り返し「アメリカ高官は、Khalid Shaikh Mohammad自身がダニエル・パール記者を殺害したのに、機密情報が漏れることを防ぐために、彼がアメリカの法廷で裁かれる可能性はないと述べている」と書く。そもそもKhalid Shaikh Mohammadに対する裁判は開かれそうもないのだ。

4人目の証言者はSibel Edmondsである。彼女は33歳のトルコ系アメリカ人で、FBIの通訳として流暢なペルシア語を話す。彼女は9.11を計画した何人かの容疑者たちの名前を出して、諜報情報の隠蔽を警告しようとしたが、名前の暴露や関わりのあった国を挙げて証言することを禁じられている。彼女は、「9.11に関する私の通訳には、テロリストたちの資金の流れや、明らかな日時に関する情報が含まれていた。これらがきちんと調べられていれば、アメリカに対する犯罪計画がわかったはずだ。政府はこれを隠蔽するために、あらゆることをしている」と述べたといわれる。

さらに、20番目のハイジャック犯といわれているザカリアス・ムサウイに対する裁判は、「CIAがビンラディンの腹心を証言者として喚問することを拒否しているために」、成立しなくなりつつある。容疑者2人がすでにドイツで、同じ理由のために釈放された。

FBIはその工作員、Robert Wrightの500ページに及ぶ原稿、『Fatal Betrayals of the Intelligence Mission』の出版を禁止し、さらに9.11委員会の副会長、Shelby議員にその草稿を提出させることも禁止している。さらに米政府は、9.11のレポートに関する28ページを、機密情報として公開を拒否している。

パール記者は、アメリカがISIを訓練したり指示したりしていた事実に、興味を持っていたといわれる。前出のEdmondsと法廷に立った国防省のDaniel Ellsbergは、「パキスタンがこれに関わっていたことは、明らかのように見えた。パキスタンが関わっていたということは、CIAが関わっていたということだ。なぜなら、CIAが知らなかったことをISIが知っていたはずはないからだ」と述べている。アーマッドがCIAと緊密だったことは、これを証明する。CIAはこれまで何年もISIを利用して、ソ連と対抗するためにアフガニスタンの過激派に資金を提供していた。

1980年代以来CIAに支持されたISIは、国家内国家になった。メンバーや関連者は15万人に膨れあがり、政府内に巨大な権力を持った。アーマッドの場合を見ても、ISIの一部はアルカイダを支持するとともに資金を与え、ISIはCIAのために仲介者として、諜報活動を行なっていたようだ。

諜報情報に関する上院議員委員会の会長であるボブ・グラハム上院議員は、「テロリストの何人かは、外国の独裁政府により、資金面以上の援助を受けていたと思う」と述べている。この件に関して前西ドイツの諜報組織の責任者Horst Ehmkeは、「諜報組織の助けを借りずに、ハイジャック犯たちが飛行機4機を用いて行動することなど、考えられない」と述べる。

これは、ホワイト・ハウスの対テロ責任者リチャード・クラークが、9.11の乗員リストを見たときの態度を説明する。「仰天した。アルカイダ工作員が、アルカイダであることをFBIとして知っていた名前を用いて搭乗していた」と彼は述べている。FBIの対テロ責任者、デール・ワトソンがクラークに「CIAが彼らについて言うのを忘れた」と述べているが、まさにそれだけのことだったのだ。

ohsmellThe Pakistan connection
Michael Meacher


■アメリカ、アフガニスタンの自警団との関係を認める[040722 AP]

米軍が木曜日に、拷問の罪で告訴された3人のアメリカ人から引き渡されたアフガン人を、2ヵ月間拘束していたことを認めた。逮捕された男たちのリーダーは、米国防省と関係を持っていると主張している。

米軍は、Jonathan Idemaをリーダーとする男たちとは関係がないと主張しているが、米軍報道官Maj. Jon Siepmannは、5月3日にIdemaから逮捕者を引き渡されたことを認めた。Siepmannは、Idemaから男を引き渡された瞬間から「怪しい」と思い、男を取り調べた結果タリバンではなかったことから、ますます疑いが濃くなったという。「このことは、我々が当時Idemaの背景を知っていたというわけではない」と述べ、「我々が手配していたテロリストたちを引き渡してくれる男で、我々は彼を受け入れていた」と述べた。

Siepmannは、男は1ヵ月後に釈放されたと述べたが、木曜日の声明によると、7月の最初の週に釈放されたとした。軍は7月4日に、Idemaを「お尋ね者」と発表した。Idemaがいかにしてバグラム空港と接触したのか、容疑者の引き渡しと引き換えに何かを要求していたかてどについては、わかってない。

smellU.S. Admits Afghanistan Ties
By STEPHEN GRAHAM、KABUL


■ワジリスンの教訓、守られず[040722 Asia Times]

2002年6月22日にアザムワルサックで、パキスタン軍はアルカイダに対する戦いを開始した。治安部隊が11人、6人のチェチェン人とウズベク人全部で17人が死亡した。50人以上の外国人が逃走したといわれる。

これ以前の2001年12月20日に、アフガニスタンからパキスタンに入ってきた60人の抵抗勢力とパキスタンの治安部隊が、衝突した。抵抗勢力たちは刑務所に連れて行かれたが、ライフルを奪い銃撃戦となり、治安部隊員6人と外国人戦闘員7人の13人が死亡した。残りは逃走した。

6月22日の作戦は、アメリカのアフガニスタン侵攻に腹を立てていたパキスタンの部族民たちが、タリバンや外国人戦闘員に味方したために失敗した。パキスタン軍が彼らを追跡し始めると、その怒りはパキスタンのほうに向いた。特にマフスード族が軍に強く抵抗し、外国人戦闘員を逃がした。

ワジリスタンの長老やその他の部族の長老たちは、パキスタン軍を非難。アメリカの指図で動いていると述べ、自分たちも戦うと警告した。

2002年6月に、Shaukat HayatとSaeed Khan少佐を含むパキスタン軍高官がジルガに参加し、今後アルカイダに対する捜索は、まず部族民に任せ、部族民が失敗した場合のみ、軍が介入することにすると述べた。しかしパキスタンの治安部隊や地元行政官はその後も小さな作戦を続け、外国人が何人か逮捕された。部族民は怒りを表明したが、抵抗はしなかった。

2003年10月になると、パキスタン軍は部族民との合意を破り、警告なしに、アンゴールアダのそばのBaghar村に、戦闘ヘリコプター12機に守られた2500人の特殊部隊員を、空から輸送した。地元民によるとヘリコプター数機は、アフガニスタン側のMachdad Kot米軍基地から飛来したという。目撃者によると、パキスタン兵31人、外国人戦闘員と地元民13人が死亡した。抵抗勢力が大勢逃げた。

この作戦はパキスタン軍にとって大きな打撃となり、その後、軍自体が標的になっていった。これまでネック・ムハンマドに率いられた抵抗勢力たちは、アフガニスタンにいるアメリカを攻撃しては、ワジリスタンに逃げ帰っていた。しかし今やパキスタン軍と米軍は「同等の敵」になった。抵抗勢力たちは、怒った部族民たちの支持を受け始めた。

今年の2月、パキスタン軍は再び作戦を開始した。このとき、米軍ヘリコプターがワジリスタン上空で目撃されている。24人が逮捕されたが、全員重要人物ではなかったために、釈放された。

このころになると、パキスタン軍はワジリスタンで完全に支持されなくなる。軍はさらに抵抗勢力に対する作戦を強化したが、不運にも一般市民の乗った車を攻撃してしまい、住民13人が死亡、6人が負傷する。軍は、死亡したのは抵抗勢力だったと発表したが、後に過ちを認めた。

その後ムシャラフが、部族地帯にビンラディンとザワヒリがいると宣言した(のちに間違っていたことがわかったが)。そして自分を狙った事件は、南ワジリスタンで計画されたと述べた。また南ワジリスタンに米軍高官がいて、パキスタン側に諜報情報を提供し、治安部隊に協力していることを初めて認めた。さらにアフガニスタンにいる米軍のDavid Barnoが、パキスタン軍のために目標を定めていることを認めた。

これらの事実から部族民たちは、パキスタン軍はアメリカの指示のもとで部族地帯にいると確信し、部族民との交渉は表面的なものにすぎないと信じるようになる。このような状況下で3月16日に、国境警察、バローチ部隊、パンジャーブ部隊、ワジリスタンスカウト、部族警察、特殊部隊のコマンド隊を巻き込んで、新たな作戦が開始される。

作戦が開始される1日前、カローシャ村でアルカイダ幹部とタリバンのリーダーたちが集まった。伝説的な司令官ハッカーニやアルカイダ司令官、Abdullah Ahmed Abdullah、別名Abu Mohammed、アルカイダの特殊訓練組織に属するQari Rashi Maqtoom、タリバン司令官のAbdul Bari Sayyaf、そしてHarkatul Islami Uzbekistanの最高司令官、タヒール・ユルダシェフが集まったのである。作戦が始まるころには、すでに全員逃げていた。ユルダシェフだけは、傷を負った。

作戦は10日続いた。数百人の兵士と部族民が殺害された。軍の情報筋によると、攻撃を受けたり仲間と戦うことを拒否して、500人の兵士が戦いを放棄したという。今、彼らは軍事裁判にかけられている。『Asia Times』はGeneral Headquarters Pakistanのレターヘッドのついた、次のような手紙を入手した。「パキスタン軍と高官や兵士たちが仲間を攻撃することを拒否したのは、パキスタンの軍隊の歴史においてはじめてのことだ。その結果、37分隊、313歩兵隊、24スィンド、31バローチ、12パンジャーブ、ペシャワル国境警察に属する兵士や高官多数が逮捕された。これらの者たちはGujranwala、Mangla、Jhelumに収監され、裁判を受けることになる」。

ワナの作戦の結果、パキスタン軍大学の20人の候補生が、髭を剃ることを強制された。海軍学校でも同様である。ワナでは163人の部族民が逮捕されたが、ほとんどが地元民だった。4月29日に11人、5月29日には78人が釈放された。学校に通う子供たちさえ、逮捕された。タリバンやアルカイダはいなかった。さらに500人の宗教学者たちが、この作戦で死亡した対抗勢力たちを殉教者と讃え、「アメリカのために死んだ」兵士たちに祈りを捧げないよう、警告した。

4月24日にCorps Commander Peshawarは作戦の失敗を宣言し、容疑者に恩赦を与え、パキスタン軍の撤退を約束した。ネック・ムハンマドには花輪が贈られ、軍高官は今後部族地帯では作戦を行なわないと誓った。

しかしすぐに決裂した。パキスタン軍は6月9日に再び攻撃を初め、ネックは殺害される。米軍が攻撃したと信じられている。ネックが死ぬころになると、外国人抵抗勢力たちに関して、ネックと部族民たちとの間で、意見が分かれはじめていた。しかし彼の死で、再び部族民は団結。「外国人の問題にたいしては、妥協はない」。つまり、当局には引き渡さないということになった。

このことに関して、前CIA高官のコメントが意味をもつ。作者不明と書かれた「Imperial Hubris」という本のなかで、「テロとの戦争で欧米が負けているのは、ブッシュ政権の2つの自慢のせいだ。つまりビンラディンとアルカイダは『追い詰められている』という自慢と、イラクの侵攻で、アメリカはこれまでよりも安全になったという自慢である。最近のイギリスの新聞で受けたインタビューでこの高官は、アルカイダは2001年のときよりも、もっと熟練した組織になったと説明している。今後は大量破壊兵器を入手し、使おうとするだろうと予測する。ビンラディンはパキスタンとアフガニスタンの間の部族地帯の山中で、ゆうゆうと自分の組織を指令しているのだろうと述べた。

パキスタン軍は、ネックの殺害は「テロとの戦争」にとって大きな勝利だと表明する。しかしこの「作者不明」は、「ネックはある小さな場所にいる、1人の小さな男にすぎない。部族地帯がどれほど広いか、我々は忘れがちだ」と書く。そしてムシャラフが「部族地帯に入れば、パシュトゥンが反旗を翻す危険がある」と警告する。

今まさにアメリカは、これをパキスタンにさせようとしている。ブッシュがしようとしていることは、ビンラディンが望むことそのものだ。民主主義の普及という旗のもとで、イスラームとの対戦することになる。すでに部族地帯で、その火花が切られた。

smellUnlearned lessons from Waziristan
By Syed Saleem Shahzad、KARACHI


■2人の容疑者の親戚、投降[040722 News]

水曜日に、2人の最重要容疑者の親戚6人が行政側に投降したために、Ahmadzai Wazir族に課された経済制裁や道路封鎖が解除されるのではないかと、期待が高まっている。

ワナのRustam Bazaarで爆弾が爆発し、4人が軽傷を負った。また火曜日には、ワナにいる準軍隊のキャンプにミサイル5発が撃ち込まれたが、目標がそれて無人地帯に着弾した。

容疑者Javedの父親Hazar Dastanを初め、Alam Zeb、Abdul Wahab、Roshan Gul、 Jan Muhammad、Sawab Khanが行政側に投降した。これでジルガは行政側に経済制裁を解くよう、説得できるという。しかし行政官Asmatullah Gandapurは、6人は容疑者の投降の代わりになるものではないと述べたが、木曜日に道路封鎖の解除を考えてもいいと語った。

パキスタン軍は、この3日で南ワジリスタンに隠れていたアルカイダ十数人を殺害したと発表した。「10〜12人が死亡したという報告を受けている」と軍報道官Shaukat Sultanが述べた。

hoonRelatives of 2 wanted tribesmen surrender
WANA


■アフガン、拷問の罪でアメリカ人を裁く[040721 AP]

水曜日に、私設刑務所で8人の囚人を拷問したアメリカ人3人の裁判が開催された。グループのリーダーは、ペンタゴンの幹部から雇われ、行動していたと述べた。米軍は、逮捕された者たちはフリーランスであり、自分たちの感知しないところで行動していたと述べている。

アフガンの治安部隊がカブールの仮設刑務所を捜索し、Jonathan Idema、Brett Bennett、Edward Caraballoの3人が7月5日に逮捕された。囚人3人が暴力を受け、水や食物なしに、放置されたという。

Idemaによると、4つ星のHeather Andersonという名のペンタゴン高官が、「自分たちの行動を評価し」、「雇った」というが、自分たちの自由がなくなることを恐れ、辞退したと述べた。米軍には、現在4つ星の女性高官はいない。またHeather Andersonという名前は、ペンタゴンの電話帳には記載されていない。

「アメリカ当局は、我々の行動を認知していた。我々のしていたことを、完全に支持していた」と、Idemaが報道陣に語った。「確かな証拠が残っている」という。ベンタゴン高官によると、Idemaが国防省と関係があったという証拠はないという。Idemaは1975年から1984年にかけて、軍に所属し、特殊訓練を受けたことがあるという。

Idemaは報道陣に、自分たちは燃料を積んだトラックを用いて米軍基地を爆破しようとした計画や、アフガンのリーダーを暗殺しようとする計画を防いだと述べた。「世界的なテロリストの話をしている」という。また過去において、米軍特殊部隊に、容疑者を何人も引き渡したと述べた。米軍報道官は、このような引き渡しについては何も知らないという。(後略)

smellAfghans Try Americans on Torture Charges
By STEPHEN GRAHAM、KABUL


■最終段階への準備完了[040721 Asia Times]

アメリカのシンクタンクStrategic Forecastingが、イラクの主権移譲が終わった今、アメリカはパキスタンの部族地帯におけるアルカイダ残党に目を向けはじめたと発表した。新たな作戦の準備が整ったようだ。今回イスラマバードとワシントンは、アフガニスタンにいる米軍がパキスタン国内で行動することに同意した。以前のように米軍は、アフガニスタン側に入ってくる抵抗勢力たちを待ち構えるのではない。同様にパキスタン軍も、アフガニスタン側に入って追跡する。

6月の作戦でタリバン司令官のネック・ムハンマドが殺害された。米軍はネックの居場所を携帯電話を通じて突き止め、さらに彼を殺害したミサイルを発射したともいわれる。米軍ハイテクの力は不可欠だ。

最近、中東指令部のJohn Abizaid将軍がパキスタンを訪れたあと、パキスタンとアメリカの協力が始まった。Abizaid将軍が帰ったあと、ムシャラフは南ワジリスタンにある基地に対して、作戦を開始したのだ。

《もちろん、友人に助けられて》

最近『Asia Times』が入手した情報によると、アメリカはこの数ヵ月間、南北ワジリスタン、チトラル、Zhob、カンダハルとバローチスタンの間にスパイ衛星を飛ばすなどして、諜報情報を集めているらしい。国境地域に、さまざまな追跡するための設備が設けられた。

以前行われた南ワジリスタンの作戦では、パキスタン軍の行動が漏れていたと疑われている。敵は事前に報告を受け、バローチスタンの山々に逃げ込んだ。今度の作戦では、アフガニスタンとの国境2240キロが、すべて網羅されるという。

《抵抗勢力復活》

南ワジリスタンで2つの作戦が終わったあと、この地域のトンネルや地下土嚢などが暴露された。この地域にいた約600人の外国人戦士たちが、別の場所に逃げてしまったようだ。

これらの地域のひとつJani Khailは、タリバンシンパであふれている。ビンラディンもアフガニスタンから逃げてきた2002年に、アラブ人家族たちとともにしばらくここに滞在していたらしい。

北ワジタスタンのEidak族も、外国人ジハード団たちに共感している。ある報告によると、Eidakの若者の85%がワナ、アフガニスタン、あるいはイラクの前線に出ているという。その根拠地がJamia Eidak(イスラーム学校)である。パキスタン軍は最近Eidakの地域をたびたび攻撃している。治安部隊員数人が殺害された。

1980年代にソ連と戦ったアフガン抵抗運動の中心は、Darpakhailだった。相手がアメリカになった今でも、同じだ。ジャラウディン・ハッカーニの息子、シラージュ・ハッカーニは真新しいジープに乗り、アフガニスタンのコースト、パクティア、パクティカに渡り、ジハードを行なっている。ジャラウッディン・ハッカーニの甥のイシャーク・ハッカーニが逮捕されたあと、シラージュがジハード活動を指揮している。これまで閉鎖されていた北ワジリスタンのManbaul Ulomは再会され、再びジハードの根拠地となっている。ここでタリバンやアルカイダ司令官が会合を持つ。

すでにタリバンはアフガニスタンでの活動を強化した。今までウルズガン、カンダハル、コースト、ザーブル、パクティア、パクティカなどの分散していた活動は、再びジャラウッディン・ハッカーニの元に、まとめられる。パキスタン軍と米軍は、じきに攻撃を開始するだろう。

smellStage set for final showdown
By Syed Saleem Shahzad、KARACHI


■アルカイダとタリバン戦士の治療、後悔なしとワヒード兄弟[040721 Daily Times]

アルカイダと関係があるとして逮捕された2人の医師は、アルカイダやパキスタン人抵抗勢力を治療したことに対して、後悔はないと述べた。

「私がしたことは、世界中のムスリムへの不公平と戦う者を助けることで、後悔はない」と述べた。「人を殺したのではなく、治療しただけだ。これが私の仕事だ。ムジャヒディンに治療を与えることに、後悔はない。私の職業と信念に基づくものだ」。2人は過激派Jundallahのメンバー、Mohammad Qasimに治療を与えたといわれている。(後略)

hoonTreating Qaeda and Taliban fighters: Waheed brothers have no regret
KARACHI


■シャカイで10人の外国人、死亡[040721 Daily Times]

パキスタン軍が火曜日にシャカイにいる外国人テロリストを攻撃し、10人を殺害したという。死亡した10人はウズベク人2人を含み、全部外国人だという。(中略)

部族民によると、外国人テロリストの攻撃を受け、Punjab Regimentの兵士4人が死亡し、3人が負傷したという。

hoon10 foreigners killed in Shakai
PESHAWAR


■シャカイでテロリスト10人死亡[040721 News]

大砲とヘリタプターを用いた治安部隊が、シャカイにいる外国人抵抗勢力の隠れ家を攻撃し、10人を殺害したと治安部高官が火曜日に述べた。

抵抗勢力たちはこの地域から一掃されたと、軍報道官Shaukat Sultanが発表したが、死亡者の数などは述べなかった。「一掃されたというのは、殺害されたか、追い払われた」という意味だと述べ、「抵抗勢力たちは大きな被害を受けた」。「高所にいたが、今や軍がこの地域を占領している」という。またロケット弾と発射台をもっていた外国人戦士が、火曜日の作戦で逮捕されたと述べた。

火曜日、南ワジリスタンのSantoiとMantoi地域で戦闘機が爆撃を行ない、治安部隊が抵抗勢力たちを包囲したという。「SantoiとMantoi谷で激しい爆撃があり、ワナに入った情報によると、抵抗勢力たちは追い詰められている」と地元のジャーナリストMuhammad Noorが述べた。しかし被害の様子は明らかではない。地元民によると、両陣営とも大きな被害があったらしい。

「約80〜90人がこの地域に包囲されているようだ」という。軍はF-7ジェット戦闘機を用いて攻撃しているらしい。治安部隊は高所やDand地域に通じる地域を占拠したという。

いっぽうKari Kotで開催れさたAhmadzai Wazir族のジルガで、2人の最重要容疑者、
Malikkhels枝族のMaulvi AbbasとKarmazkhels枝族のJaved Khanが投降しないために、KarmazkhelとMalikkhel枝族からそれぞれ4人を、行政側に引き渡すことにした。

hoon10 foreign terrorists killed in Shakai
PESHAWAR


■米軍とアフガン軍,抵抗勢力を殺害[040720 AP]

アフガン軍と米軍が火曜日に抵抗勢力を1人殺害するとともに、タリバンのリーダー、オマール師の義理の兄弟を含む5人を逮捕した。これとは別に、米兵1人が攻撃され、負傷したという。

火曜日にカブールの繁華街で2発のロケット弾が発射されたが、負傷者はいない模様。

オマール師の義理の兄弟、Mullah Amanullahが、オマール師の故郷であるウルズガン州のDeh Rawood付近で逮捕された。通報を受けたアフガン軍がSangarという地域に駆けつけ、Amanullahの車を制止した。Amanullahは発砲し、警察司令官を射殺した。車からは遠隔装置つきの爆弾とAK-47が押収されたという。Amanullahがタリバン運動の中でどのような地位にあり、オマール師と最近接触があるのかどうかは、明らかではない。

ザーブルでは抵抗勢力1人が死亡し、4人が逮捕された。また同じザーブルのArghandabで米兵が銃撃を受け、負傷した。「タリバン4人がバイクに乗ってやってきて、米軍車両を攻撃した」という。さらにカンダハルでは、タリバン数十人がライフルを持って、町長の事務所を攻撃した。1人が逮捕された。

北部にいるモハメッド・アタが、バルフの州知事となった。バルフには、宿敵ドスタムがいるマザリシャリーフがある。またナンガハルでは、ハザラット・アリが州警察長官になった。カンダハルでは、カーン・ムハンマドが警察長官となった。

hoonU.S., Afghan Forces Kill Militant Suspect
By STEPHEN GRAHAM、KABUL


■ネック・ムハンマドの遺産[040720 Asia Times]

カリスマ的な前タリバン、ネック・ムハンマドは国際的に有名になった。ネックの死は、イスラマバードにとって、大きな勝利となった。しかし彼の死は、この地域に彼が残したその遺産を払拭することはできない。

ネックはAhmed Zai Wazirの枝族Yargul Khai枝族に属する。Jamiat-i-Ulema-i-IslamのリーダーMaulana Noor Mohammedが経営するマドラッサで、教育を受けた。のちに、パシュトゥン・ナショナリストのPakhtunkho Awami Partyが運営する高校へ入学する。しかし卒業はせず、ワナで雑貨店を営んでいた。ジアウル・ハクの時代で、当時部族地帯は、アフガン抵抗運動の基地となっていた。南北ワジリスタンは、国境を挟んだパクティアとザーブルに対する補給路だった。ISIはワナに訓練所を設け、ここで若者たちが訓練された。

ヒズビ・イスラーム・アフガニスタンなどのアフガニスタン抵抗運動組織が、この地域に膨大な量の武器を保存していた。CIAも資金を提供してアラブ人兵士たちを集め、アラブ人たちは土地を買い、訓練所を設けた。アフガン・ジハードを強化するためには、軍事支援とともに、イデオロギーの支援も必要だったことから、イスラマバードはここに宗教学校を作った。ネックは他の者たちと同様、この世界に引きつけられ、訓練所に入った。そして戦闘では、サイフラー・マンスールやハッカーニと肩を並べて戦ったのだ。

1996年、タリバンがカブールを占拠したあと、マンスールとハッカーニに押されてMolvi GulがKargha隊の司令官となった。しかし彼が殺害されると、18歳のネックが、司令官となる。ネックは北部同盟と戦う、最前線のタリバン司令官となった。バグラム、バーミヤン、パンシールで戦い、じきにタリバンの重要人物となり、3000人を従えた英雄となった。

この時代ネックは、カブールの南にあったRash Khor訓練所で、ビンラディと会った。またその腹心ザワヒリにも会い、タリバンの大臣だったナジール師やウズベクイスラーム運動のリーダー、ユルダヴィッチ、中国人の独立運動のリーダーHasan Mohsinと親しくなる。これらの者との親交が、後に重要になる。

2001年にアメリカがアフガニスタンに侵攻し、トラボラで戦闘が始まると、アメリカに買収されたアフガン人Haji Zamanがアラブ人戦士たちに、投降を呼びかけた。タリバン司令官のMohammed Rahimが最近明かしたことによると、この停戦の間に1000人以上のアラブ人と100人のタリバンがトラボラから逃げた。何人かはShahi Kotへ、そして残りはパキスタンの部族地帯に入った。

2002年のはじめに、Shahi Kotで18人の米兵が殺害され、米軍はShahi Kotに隠れていた何百人ものアラブ人やチェチェン人を、地上と空中から攻撃した。その結果、抵抗勢力たちは山中に消え、ネックにより、南ワジリスタンに匿われた。

南ワジリスタンに、新たな家屋や訓練所、アフガン・ジハードのための根拠地が作られた。アルカイダから金が流入し、ネックは金持ちになった。2003年12月の時点で、ネックは40台のピックアップを所有していた。タリバン司令官は地下に潜ったが、世界からお金が入り込み、ネックが中心となってそれを分配した。

このころになると、散り散りになっていたタリバンとアルカイダが再組織された。既に補給ルートも、資金も確保され、新たな拠点や隠れ家や訓練所を、国境の両サイドに作った。この段階でネックは自分のネットワークを使い、活躍した。

ネックと外国人の仲間たちは新たなジハード組織を作り、Jaishul al-Qiba al-Jihadi al-Siri al-Alamiと呼んだ。パキスタン国内の各地で戦うために、Jaishul al-Qiblaから別のグループJundullahも作った。このリーダー2人、Attaur RehmanとAbu Musab al-Balochi(al-Baloshi)が後に、カラチの警察司令官殺害未遂事件との関連で逮捕されている。2つのグループはともにアルカイダと関係があるが、活動の仕方が異なる。

《Jundullah》

Jundullahの攻撃対象は、パキスタンの親米リーダーやアメリカ、イギリスである。メンバーはアフガニスタンや南ワジリスタンで訓練を受け、今精力的にメンバーを募集している。

組織は宣伝用の文章やドキュメンタリーを用意し、Ummatというスタジオを持っている。al-Sahab Foundationと呼ばれる、アルカイダのメディア部門と同じような役割を果たす。これらのメディアの制作物は、イスラエルやイスラーム教国に対するアメリカの「非道」を見せることで、若いイスラーム教徒たちの感情に訴える。もともとJundullahのリーダーは、Khalid Shaikh Mohammadだった。

《容疑者の取り調べ》

アメリカは抵抗勢力たちを取り調べるよう、世界に呼びかけている。その多くがパキスタンで逮捕されているが、全部で3000人ほどいるといわれる。最も多くの者が収容されているのが、バグラム空軍基地である。モロッコのAl-Tamara拘束センターにはパキスタンで逮捕された者が数十人いる。エジプト、タイ、サウジ、カタールにもいる。

カラチの警察司令官暗殺事件のあと、Jundullahに属するパキスタン人数人とal-Baloshiを含むアラブ人4人が逮捕された。取り調べで、カラチ在住の医師Dr Akmal WaheedとDr Arshad Waheedも逮捕された。この兄弟は、Jundullahのメンバーの治療を行なったと疑われている。Pakistan Islamic Medical Associationにかかわっているこの医師たちは、アフガニスタンで救援活動をしていた。後に南ワジリスタンで、アルカイダ幹部を治療したらしい。またアルカイダに資金を提供し、アラブ人家族たちが母国に帰るための援助をしたともいわれる。

カラチでメンバーに加わった、2人の女性についての情報もある。2人はパキスタン内の欧米施設を攻撃するための自爆テロ志願者として訓練を受けたらしい。その結果、アメリカとイギリスは一時的に領事館を閉鎖した。Jundullahは今や、ラワルピンディ、ペシャワル、クエッタの陸軍、警察、空軍内部に入り込んだ。

《Jaishul al-Qiba al-Jihadi al-Siri al-Alami》

この組織は欧米に対する憎しみを植え付けるための、文章や映画を制作する。また新たなメンバーを募集し、南北ワジリスタンに訓練所を持つ。主に2003年中旬に活動をはじめたようだ。南ワジリスタンではワナ、アザム・ワルサック、カローシャ、Zareen Noor、Baghar、Dhog、アンゴール・アダにキャンプがある。北ワジリスタンでは、Darey NishtarやMangarotiを含む、パキスタンもアフガニスタンも介入できないシャーワルの国境地域にいる。

アフガニスタンではコーストのZawarが、外国人にとってもっとも都合のいい場所だった。ここは、ハッカーニの支配下にある。南ワジタスタンでは、ネックが取り仕切っていた。逮捕されたJundullahから、ほとんどの者が南ワジリスタンで訓練されていたことがわかった。カローシャの周りの、アラブ人戦士たちの家族に譲られたという。この訓練所から、イラクにも戦士たちが向かっている。

hoonPART 1: The legacy of Nek Mohammed
By Syed Saleem Shahzad、KARACHI


■部族民40人投降[040720 Daily Times]

シャカイ地域の4人の聖職者を含む40人の部族民が、月曜日にワナ当局に投降した。政府側によるとSantoiとMantoi地域で、ウズベクといわれる外国人3人が死亡、6人が負傷したという。

投降した40人のなかには、聖職者Maulana Deen Salam、Maulana Salah Jan、Maulana Jehangir Khan、Maulana Muhammadullahが含まれている。無条件で投降したという。いっぽう、グループのリーダーNisar Wazirが、Ahmedzai Wazir族に課された経済制裁をすぐに排除するよう、政府に求めた。

hoon40 wanted tribesmen surrender By Iqbal Khattak、PESHAWAR


■南ワジリスタンで27人投降[040720 News]

ジルガの説得でAhmadzai Wazir族のKarmazkhelとMalikkhel枝族27人が、月曜日に行政側に投降した。しかし手配中の抵抗勢力たちの多くは、いまだに政府に投降することを拒否している。

前国会議員のMalik Faridullahが率いるジルガが、ワナに滞在中の『News』に語ったところによると、投降したのは4人の宗教者、Maulana Din Salam、Maulana Ashraf Ali、
Maulana Jehangir、Maulvi Muhammadullahと部族長のShafiullahを含むという。ジルガは、行政側が要求している44人の投降も求めている。

政府が要求している最も重要な容疑者、Maulavi Abbas MalikkhelとCommander Javed Khan Karmazkhelはいまだに投降していない。行政側は2人が投降しなければ、それぞれの家族から1人を行政側に人質として提供するか、それぞれの氏族の家6軒を取り壊すかを命じたという。

いっぽう、経済制裁はいまだに続いている。地元民たちはトマトや桃、リンゴなどの産物が出荷できずに、腐っていると抗議した。

シャカイの西のSam Toiからワナに入った情報によると、治安部隊と抵抗勢力の間での戦闘で多くの犠牲者が出ているようだが、その数についてははっきりしない。目撃者によると、日曜日以来、シャカイでは戦闘ヘリコプターやジェット戦闘機が飛んでいるというが、新たな戦闘についての報告はない。(後略)

hoon27 tribesmen surrender in South Waziristan
By Behroz Khan、PESHAWAR


■ハイデラバードで「テロリスト」逮捕[040719 Daily Times]

治安部高官が日曜日に、アルカイダやタリバンと関係がある重要テロリストを数日前に逮捕したと述べた。この容疑者Ghaniur Rahmanは、American Quartersにある容疑者の自宅で逮捕された。

情報源によると、Rahmanは過激派組織、Jaish Mohammedと関係があるという。

hoon'Terrorist' caught in Hyderabad
By Ahmed Raza


■パキスタン軍、ウズベク人2人を国境付近で殺害[040719 AP]

パキスタン軍は国境地帯で外国人抵抗勢力と交戦し、ウズベク人戦士2人を殺害、残りの者は逃走したと軍報道官が月曜日に述べた。

軍報道官Shaukat Sultanが、日曜日にシャカイで「外国人テロリスト」と交戦したと述べた。軍はシャカイに入り、この地域を支配下に置いているという。

ワナの住民によると、戦闘ヘリコプターがシャカイに向かって飛んでいったという。報道官によると、軍が抵抗勢力を追っているらしい。「昨日、外国人抵抗勢力が交戦の結果死亡したと聞いている。抵抗勢力たちは他の地域に移動してしまったので、遺体は回収していない」という。別の高官は、ウズベク人2人が死亡したと述べた。

これとは別に日曜日、Khamrangで起きた治安部隊と抵抗勢力との交戦に巻き込まれ、市民1人が死亡したという。

hoonPakistani forces kill two suspected Uzbek militants near Afghan border


■抵抗勢力と軍、シャカイで交戦[040719 Daily Times]

シャカイの山中に隠れている抵抗勢力をパキスタン軍が攻撃したと、軍報道官Shaukat Sultanが『AFP』に語った。戦闘は、ワナから25キロはなれたKhaisorで発生した。軍はコブラ戦闘機を用い、KhamrangとDandにある抵抗勢力の隠れ家を攻撃したという。

またワナのZerri Noor Fauji colonyとスカウトの駐屯地に、日曜日にロケット弾が撃ち込まれた。1発が目標に命中したが、負傷者は報告されていない。これとは別に、南ワジリスタンでインド人スパイが逮捕されたと、Aslam Javedが『AP』に語った。

hoonMilitants and troops exchange gunfire in Shakai
ISLAMABAD


■ジルガ,高官の更迭に24時間の期限を設ける[040719 News]

部族の長老とジャーナリストたちが協力し、南ワジリスタン行政官Asmatullah Gandapurが部族地帯の法や秩序を乱し、6週間に及ぶ経済制裁を設けることで人々を飢えさせていると訴えた。

Malik Baa Khan Wazir、Malik Manzar Wazir、Nisar AhmadをリーダーとしたAhmadzai Wazir族がワナでジルガを開催し、平和や外国人の登録を望むのであれば、高官を南ワジリスタンから更迭するよう、政府に対して24時間の期限を設けた。ワナではArmy ColonyとArmy Campに、何者かが迫撃砲を撃ち込んだ。治安部隊は報復として、Kunda GharとDandの山中を攻撃した。負傷者の数は不明。

Tribal Union of Journalistsの会長Sailab Mahsudが部族民のジャーナリトとともに、Gandapurを更迭するよう、政府に訴えた。「行政官Asmatullah Gandapurは行政区の法や秩序を乱している。もし政府がこのごたごたを解決する意思があるなら、彼をすぐさま更迭するべきだ」と、イスラマバードでの記者会見に臨んだMujeebur Rehmanが述べた。「行政官は24時間以内に更迭し、Muhammad Azam Khanを連れ戻すべきだ」とNisar Ahmadがジルガで発言した。「Gandapurは以前Gandapur族がワジール族に痛い目にあったことがあるため、今、昔の仕返しをしている」と述べた。Gandapurはこれに対してコメントしていない。

hoonJirga sets 24-hour deadline for official's removel
By Behroz Khan、PESHAWAR


Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003, 2004.